JPH0659114U - スライディングルーフの摺動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両スライディングルーフの摺動子のガイド
レールへの組付け作業性を改善するとともに、逆組付け
の発生を防止する。 【構成】 車両のスライディングルーフを支持する支持
アーム３の下端の前後で各々軸支され、ガイドレール２
に案内されて下面に形成した摺動部１３により、レール
面を滑動させる前後の摺動子１Ａ，１Ｂを、可撓性の連
結部材１Ｃで連結したことを特徴とするスライディング
ルーフの摺動子。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両のスライディングルーフをガイドレールに沿って案内する摺動子 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両には、天井に設けた開口を開閉するスライディングルーフを備えたものが ある。

【０００３】 スライディングルーフは外周の複数箇所で支持アームに支持されており、支持 アームの下端に軸支した摺動子が車体ルーフに設けた断面コ字型のガイドレール に案内されてこれに沿って滑動することにより、開閉される。

【０００４】 図３はスライディングルーフの従来の支持構造の代表例を示すもので、上端に 設けたブラケット４により図略のスライディングルーフを支持する支持アーム３ の下端には、前後一対の摺動子１Ａ，１Ｂが回転自在に軸支されている。各摺動 子１Ａ，１Ｂは、表面滑性にすぐれた合成樹脂からなり、断面ほぼ楕円形で中心 部に軸受け部１２を有する本体部１１と、本体部の下面に形成した摺動部１３と 、本体部１１の一端から軸受け部１２を覆うように側面へ張り出す案内片１５を 備えている。そして摺動子１Ａ，１Ｂはガイドレール２内に組付けられスライデ ィングルーフ開閉時にガイドレール２内を滑動する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、摺動子１Ａ，１Ｂをガイドレール２に挿入する組付け作業の際に、 図４に示すように摺動子１Ａ，１Ｂの一方または両方が回転して上下逆の状態で レ−ル２に収まってしまう場合がある。実際の組付け時には複数の摺動子を一度 にレールに挿入するため、摺動子の逆組付けを防ぐには細心の注意を要し、作業 性が悪いと同時に組付け不良が生じる恐れがある。

【０００６】 本考案はかかる実情に鑑み、摺動子のガイドレールへの組付け作業性を改善す るとともに逆組付けの発生を防止することを課題としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

図１に示すように、車両のスライディングルーフ（図略）を支持する支持アー ム３の下端の前後で各々軸支され、ガイドレール２に案内されて下面に形成した 摺動部１３によりレ−ル面を滑動させる前後の摺動子１Ａ，１Ｂを可撓性の連結 部材１Ｃで連結したことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

上記構成において、前後の摺動子１Ａ，１Ｂはその回転角度を可撓性の連結部 材１Ｃにより規制されるので、組付け時に回転して上下が逆転してしまうことは ない。また、連結部材１Ｃが撓むので、ガイドレール２のカーブに沿って摺動子 １Ａ，１Ｂが滑動するのに互いに妨げになることはない。

【０００９】

【実施例】

図１に示すようにスライディングルーフの支持構造は、図略のスライディング ルーフの裏面両側に固定された支持ブラケット４と、それを前後に傾動可能に軸 支する支持アーム３とを備えている。支持アーム３の下部の側面には、連結部材 １Ｃにて連結された一対の摺動子１Ａ，１Ｂが前後に軸支してある。そして摺動 子１Ａ，１Ｂはコ字状の溝断面を持つガイドレール２の内面に接し、これに沿っ てスライドするようになっている。図示していないが、ガイドレール２は上下方 向に緩やかに曲がる部分を有している。

【００１０】 図２に示すように、前後の摺動子１Ａ，１Ｂは、上半部の本体部１１と、下半 部の摺動部１３と、中央部の軸受け部１２とよりなり、活性良好な樹脂で一体成 形されている。上記本体部１１の下面はほぼ平らな平板状で、上面は緩やかな曲 面でできており、両者は両端で丸みを持ってつながっている。上記摺動部１３は 緩い傾斜を持つハの字状の支脚を有しその下面がガイドレール２を摺動する。

【００１１】 そして上記本体部１１内には、一端が軸受け部１２の前後から突出するリブに 係止されたステンレス製の板バネ１４ａ，１４ｂが本体部１１の内面に沿うよう に嵌め込まれており、板バネ１４ａは本体部１１に上下方向の弾性を付与してい る。板バネ１４ｂからは軸受け部１２を覆うように案内片１５が円弧状に伸び出 しており、これにはナイロンコーティングが施してある。案内片１５はガイドレ ール２の横の側面に内接する。

【００１２】 摺動子１Ａ，１Ｂを連結する連結部１Ｃは、伸縮性と可撓性を持つよう波板状 としてあり、摺動子１Ａ，１Ｂと同材質の樹脂からなり、摺動子１Ａ，１Ｂと同 時一体成形される。

【００１３】 なお上記実施例では、連結部１Ｃを前後の摺動子１Ａ，１Ｂと一体に成形した が、連結部１Ｃを別部品として作成し前後の摺動子１Ａ，１Ｂと組み立てるよう にしても差し支えない。

【００１４】

【考案の効果】

以上の如く、本考案によれば、スライディングルーフの支持アームに設けた前 後の摺動子を連結部材で連結したから、ガイドレールへの組付け時の摺動子の回 転で逆組付けがなく、従ってまた組付け作業性が向上する。かつ連結部材を可撓 性としたので両摺動子は互いに傾動が制約されることなく、ガイドレールのカー ブに合わせてスムーズに摺動することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の摺動子を備えたスライディングルーフ
支持構造の斜視図である。

【図２】本考案の摺動子の縦断面図である。

【図３】従来の摺動子を備えたスライディングルーフ支
持構造の斜視図である。

【図４】従来の摺動子の組付け不具合を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ 摺動子 １Ｃ 連結部 １１ 本体部 １３ 摺動部 １５ 案内片 ２ ガイドレール ３ 支持アーム ４ 支持ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両のスライディングルーフを支持する
   支持アームの下端の前後で各々軸支され、ガイドレール
   に案内されて下面に形成した摺動部によりレ−ル面を滑
   動させる摺動子において、前後の摺動子を可撓性の連結
   部材で連結したことを特徴とするスライディングルーフ
   の摺動子。