JPH0658589B2 - 鍵盤楽器の演奏者誘導記憶再生装置 - Google Patents

鍵盤楽器の演奏者誘導記憶再生装置

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JPH0658589B2
JPH0658589B2 JP1250200A JP25020089A JPH0658589B2 JP H0658589 B2 JPH0658589 B2 JP H0658589B2 JP 1250200 A JP1250200 A JP 1250200A JP 25020089 A JP25020089 A JP 25020089A JP H0658589 B2 JPH0658589 B2 JP H0658589B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ピアノ、オルガンなどの鍵盤楽器の演奏者
に、打鍵すべき鍵及びその音の長さ等を表示して誘導す
ると共に、前記演奏者が途中で迷った場合などには自動
的に援助演奏を行うようにした鍵盤楽器の演奏者誘導記
憶再生装置に関する。
<従来の技術> ピアノその他の鍵盤楽器の打鍵すべき鍵を表示器で指示
し、鍵盤楽器の演奏を誘導する演奏者誘導装置が知られ
ている。この一例として本出願人は特開昭62−239
188において、所定の楽曲を演奏するのに必要な全て
の鍵に各1つ組合せた音符表示体と、演奏に必要な他の
標識表示体とを備えると共に、演奏の難しいパートにお
いて、演奏者が一定の時間演奏のため打鍵をしなかった
時は、自動打鍵部による自動演奏がなされる鍵盤楽器の
演奏者誘導装置を提案した。
しかし、この演奏者誘導装置は自動打鍵部によって演奏
者の援助演奏を自動的に行うものの、前記援助演奏は、
別のピアニスト(演奏者)の個人的な判断と解釈によっ
て演奏された楽曲を、鍵盤楽器に取付けたセンサによっ
て検出し、これをもとにそのまま読み出して再生する
か、或いは音楽に関しての専門ではないプログラマーが
予め入力した楽曲データに基づいて行なわれるため、当
該演奏者の趣向や楽曲の解釈に必ずしも合致した援助演
奏ではなかった。
一方、前記演奏者誘導装置とは別に本出願は特開昭63
−113498において、演奏に必要な全ての方法及び
知識に関するデータを格納した演奏方法知識ベース手段
を設けると共に、聴者の判定結果に基づき楽曲の演奏に
適する演奏方法を前記演奏方法知識ベース手段から探索
し、推論して決定する演奏方法推論手段を設けること
で、聴者の趣向や解釈が実際の演奏に反映されるように
した鍵盤楽器の自動演奏装置を提案している。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は前記演奏者誘導装置の欠点を解決すると共に、
前記自動演奏装置の利点を有効に利用すべくなされたも
のであり、その目的は、演奏者が表示手段の誘導によっ
て楽曲の演奏を行っている際、演奏困難な箇所や演奏途
中で迷うなどして演奏が中断した場合、この中断を自動
的に判断し、自動打鍵装置に自分の趣向に合致した援助
演奏を行わせることで、演奏者は楽曲を最後まで通して
演奏することができる鍵盤楽器の演奏者誘導記憶再生装
置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記演奏者の演奏と、自動
打鍵装置による演奏とを楽曲の進行に伴って順次記憶す
ることにより、演奏者と自動打鍵装置による演奏が組合
され、恰も演奏者自身が、自分の思い通りに初めから終
りまで演奏した形で再生できる鍵盤楽器の演奏者誘導記
憶再生装置を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は前記目的に鑑みてなされたものであり、その要
旨は楽曲の音符及び各種音楽記号を楽曲データとして格
納すると共に、演奏された楽曲の音符及び各種音楽記号
を楽曲データとして記憶する楽曲記憶部と、楽曲の演奏
に必要な方法及び知識に関するデータを格納する演奏方
法知識ベース手段と、聴者の判定結果に基づき楽曲の演
奏に適する演奏方法を前記演奏方法知識ベース手段から
探索し、推論して決定する演奏方法推論手段と、前記演
奏方法推論手段によって決定された演奏方法に基づき、
演奏者が押下げるべき鍵を誘導する表示手段と、前記演
奏方法推論手段によって決定された演奏方法に基づき、
演奏者が設定時間内に前記表示手段の指示による鍵を押
下げなかった場合、前記鍵への押鍵及び放鍵動作を行う
鍵駆動手段と、前記鍵駆動手段及び前記表示手段の誘導
による演奏者の押鍵、放鍵動作を検知する打鍵検知手段
と、前記楽曲記憶部の楽曲データを読出し前記演奏方法
推論手段によって決定された演奏方法に変換すると共
に、該変換された楽曲データに基づき前記表示手段及び
鍵駆動手段の制御を行う変換制御部とからなり、前記打
鍵検知手段で検知された楽曲演奏データを楽曲の進行に
伴って前記楽曲記憶部へ順次記憶されると共に、該記憶
された楽曲演奏データを、前記変換制御部及び鍵駆動手
段によって再生させる鍵盤楽器の演奏者誘導記憶再生装
置にある。
<作用> 前記楽曲記憶部の楽曲データを読出し、与えられた楽曲
に適する演奏方法を演奏方法知識ベース手段の中から演
奏方法推論手段によって探索して決定し、この決定に基
づき、前記変換制御部によって前記楽曲データに変換す
ると共に、鍵駆動手段を制御し、初演自動演奏を行う。
この結果、聴者が演奏方法を変更すべきと判断した場合
は、所望の入力手段により変更項目をデータ入力する。
このデータ入力に基づいて、演奏方法推論手段が演奏方
法知識ベース手段から演奏方法データを再度検索し、推
論して演奏方法を決定する。この推論を経て聴者(演奏
者)の趣向や解釈が反映された前記楽曲データに基づ
き、前記変換制御部の制御のもと、前記表示手段により
演奏者を誘導する。演奏者は表示手段に誘導され演奏を
行うが、演奏が困難な場合等には演奏が途中で中断した
り、また、誤って演奏した場合等には、前記変換制御部
が検知して前記鍵駆動手段の制御を開始し、演奏者の援
助演奏を行う。このようにして、前記打鍵検知手段で検
知した楽曲演奏データを当該楽曲の進行に伴って前記楽
曲記憶部へ順次記憶させ、前記演奏者と打鍵手段とによ
る演奏が組合され、恰も演奏者自身が前記楽曲の初めか
ら終りまでを通して演奏した形で再生することができ
る。
<実施例> 本発明に係る鍵盤楽器の演奏者誘導装置を88鍵のピア
ノに取付けた場合の実施例について説明する。
第1図及び第2図に示すように演奏者誘導装置は楽曲記
憶部1、演奏方法知識ベース部2、演奏方法推論部3、
コンピュータ等を用いた変換制御部4からなるコンピュ
ータ等を用いた制御部10と、該制御部10によって付
勢・制御される表示手段としての表示体6、打鍵動作を
行う鍵駆動手段7及び打鍵を検知する打鍵検知部8と、
キーボード等のキー入力部9とで構成する。
楽曲記憶部1は、読出し専用メモリ(ROM)、書換え
自在のメモリ(RAM)、エレクトリカリーイレーサブ
ルPROM(EE−PROM)、ICカード、光カー
ド、光ディスク、磁気カード、或は磁気ディスクといっ
た各種記憶媒体によって構成され、この楽曲記憶部1に
は楽曲の音符(高音と音長)及び各種音楽記号(例えば
強さを表わすフォルテ、速さを表わすアレグロといった
もの)が2進化されたデータとして格納されていると共
に、演奏された楽曲の音符及び各種音楽記号を楽曲デー
タとして記憶することもできる。
演奏方法知識ベース部2には演奏方法等の演奏に必要な
知識データが格納されている。一般に楽曲の演奏に関し
ては、演奏方法は専門家等によって下記のような項目に
分けられている。
(i) 演奏上の一般的常識(強弱記号、速度記号、発送記
号、その他の記号、基本奏法等) (ii) ジャンル別演奏方法(クラシック、ポピュラー、
ジャズ等) (iii) 作曲家別演奏方法(モーツアルト、バッハ、ポー
ル・モーリア等) (iv) 曲種別演奏方法(ソナタ、フーガ、イージーリス
ニング等) (v) 多数の実際の演奏例(多数のピアニスト) (vi) その他の演奏上有益となる各種の事柄 演奏方法知識ベース部2には上記各事項が入力され格納
される。これらの事項を具体的に知識ベース部2へ記憶
させるためには、究極的に打鍵によって「音」を出すた
めの三つの重要な要素を考えればよい。これらの要素と
は、 第1の要素・・打鍵強度 第2の要素・・音長 第3の要素・・放鍵速度 である。
即ち、前記(i)〜(vi)の各事項を第1〜第3の要素に変
換し、各々の要素に対応するデータを演奏方法知識ベー
ス手段2へ記憶する。この記憶方法を具体的に説明する
と、音符に書かれた楽曲を演奏する際演奏者によって譜
面の解釈の相違からそれぞれ異なった演奏になる。すな
わち、一例として前記(i)の演奏上の一般的常識の中の
強弱記号のうちでmp(メゾピアノ)をとり上げてみる
と、この記号は「やや弱く」という意味を表わすもので
あるが、具体的数値で表現されている訳ではないので演
奏者によって実際の演奏の強さは異なっている。また速
度記号である Ritenuto (リテヌート)は「急に遅く」
という意味を表わすものであるが、どの程度に急なのか
具体的な数値が示されていないので演奏者によって異な
る。更には発想記号である Misterioso (ミステリオー
ソ)の「神秘的に」に至っては抽象的になり、演奏者に
よって大幅に解釈が異なって来る。
したがって、mpの場合は、前記三要素のうち第1の要
素である打鍵強度に関係する点に着目し、楽譜上におい
て無印の音符の打鍵強度を1とした場合、mpはどの程
度の数値になるかを多数の専門家の演奏例に基づいて定
義付ける。そして、この値を打鍵強度倍率(=Kx)と
してその範囲を定める(例えば、mpについてKx=0.7
〜0.9というように)。
次に Ritenuto については、前記三要素のうち第2の要
素である音長に関係する点に着目し、楽譜上において無
印の音符(例えば四分音符)の音長を1とし場合、 Rit
enuto が付くことによってどの程度の値になるかを多数
の専門家によって定義付ける。そしてこの値を音長倍率
(=Ky)としてその範囲を定める(例えば、 Ritenuto
についてKy=1.4〜1.7というように)。
さらに、 Misterioso の場合は、第1の要素である打鍵
強度と、第2の要素である音長と、第3の要素である放
鍵速度とが関係する。そこで放鍵速度倍率をKzとし
て、全3要素についての範囲を定める(例えば、 Miste
rioso についてKx=0.6〜0.8、Ky=1.1〜1.5、Kz
1.3〜1.6というように)。
このように前記各要素について範囲を設定することによ
り、抽象的概念も現実的、具体的に表現することができ
る。従って、これらを知識として演奏方法知識ベース手
段2へ記憶しておく。
次に前記(ii)のジャンル別演奏方法に関して、特にクラ
シックどジャズではmp, Retenuto,Misterioso 等に
対する打鍵強度、音長、放鍵速度がそれぞれ異なってく
る。また前記(iii)の作曲家別演奏方法、(iv)の曲種別
演奏方法、(v)の多数の演奏例、(vi)その他の演奏上有
益となる全ての事柄等に関しても、それぞれ専門家によ
る解釈によって打鍵強度音長、放鍵速度が異なり、一定
の範囲で表わされることとなる。そして上の説明では例
として、mp,Retenuto,Misterios を挙げているが、
その他演奏上必要な記号、演奏上のテクニック、感情の
表現等についても同様な方法で、つまり究極的に打鍵強
度、音長、放鍵速度によって表現し、定義する。このよ
うにして専門家による具体的な知識を全て演奏方法知識
ベース部2に記憶するのである。
演奏方法推論部3は、多数の専門家によって演奏上必要
な全ての知識をもった演奏方法知識ベース部2から、自
動演奏しようとしている楽曲に適する演奏方法を探索
し、推論するための手段である。
ここで前記演奏方法知識データ部2及び演奏方法推論部
3によって行う推論方法について説明する。演奏方法知
識データ部2に関する説明において述べた(i)〜(vi)の
各項目について、それぞれ探索を行う過程で楽曲記憶部
1から得た自動演奏すべき楽曲についてのいろいろな情
報、即ち作曲家の名前、曲種等の他、譜面上の各種記号
(強弱記号、速度記号、発想記号等)を得ながら探索を
進行させていき、それぞれの前記(i)〜(vi)の項目につ
いて専門家の範囲付の打鍵強度倍率、音長倍率、放鍵速
度倍率を記憶していき、最後にそれ等の論理和をとりそ
の最大値と最小値を記憶する。このようにすると、自動
演奏しよとしている楽曲について多くの専門家の解釈が
全て包含されたことになる。
この時の値を次のように定義する。
x・MAX=最大打鍵強度倍率 Kx・MIN=最小打鍵強度倍率 Ky・MAX=最大音長倍率 Ky・MIN=最短音長倍率 Kz・MAX=最大放鍵速度倍率 Kz・MIN=最小放鍵速度倍率 これ等から、 なる3つの点について、 今、第14図に示すように打鍵強度倍率をx軸にとり、
音長倍率をy軸にとり、放鍵速度倍率をz軸にとり、点
Oc(Kx0,Ky0,Kz0)と定義する。ここで、簡単の
ために、 Ky・MAX−Ky・MIN=Kz・MAX−Kz・MIN として、楕円面の中心Oc(Kx0,Ky0,Kz0)とし、 Kx・MAX−Kx・MIN=2a …(4) Ky・MAX−Ky・MIN=2b …(5) Kz・MAX−Kz・MIN=2c …(6) とすると、楕円の方程式は、(7)式で表わすことがで
きる。
ここで、a,b,cを10段階に分けて(段階は細かい
程精度が高い)、重み付けを行い、小楕円面から大楕円
面へ拡大できるようにする。
1=0.1a,b1=0.1b,c1=0.1c…(8) とすると、 とすると、 以下同様に、a3=0.3a,b3=0.3b,c3=0.3cから
MAX=a,b MAX=b,c MAX=cまで(9)式及び(1
1)式同様になる。a MAX,b MAX,c MAXのときが最大
の楕円面である。すなわち、 ここで、(9)式について図示すると、第15図のこどく
になる。第15図において、楕円面をx軸、y軸、z軸
について、xy面、yz面、xz面に対して任意の箇所
を平行にスライスして、その交点をP0,1,2,3,
4,5とする(第15図では特異点をとっている)。
このように(9)式楕円面の表面のほとんど全ての交点を
求めるのではなく、ある程度限定した交点Pを求める。
この交点をP(実用打鍵強度倍率、実用音長倍率、実用
放鍵速度倍率)と定義する。同様にして、(9)式、(11)
式、(12)式に至るまで交点Pを求めていく。
次に(11)式について図示すると、第16図のごとくにな
る。ここで楕円面上の交点Pの決定方法を例に上げて記
述してみると、(11)式を第16図においてP22を例にと
り、具体的数値を用いて求めてみる。今、楽譜上のある
音符にf(フォルテ),retento(リテヌート),ten
(テヌート)なる記号が同時に付されたとする。演奏方
法知識ベース部2から下記の数値を探索したとすると、 f(フォルテ)→最大打鍵強度=Kx・MAX=1.6 最小打鍵強度=Kx・MIN=1.4 ritnuto(リテヌート)→音長→最長音長=Ky・MAX=1.6 最短音長=Ky・MIN=1.2 ten(テヌート)→放鍵速度→最大放鍵速度=Kz・MAX=1.
1 最小放鍵速度=Kz・MIN=0.9 (1),(2),(3)式から、 Oc(Kx0,Ky0,Kz0)=Oc(1.5,1.4,1.0) を得る。
(7),(8),(9),(10)式から、 a2=0.02, b2=0.04, c2=0.02(13)を得る。点P22
において、x=1.5,y=1.54にとれば、これを(11)式
に代入して容易にz=1.067が得られる。即ち、P22
おいて、 x=1.5=実用打鍵強度倍率 y=1.54=実用音長倍率 …(14) z=1.067=実用放鍵速度倍率 が得られる。同様な方法でP0〜P23についても(14)式
のように具体的な数値を得ることができる。
さて、推論方法であるが、(9)式から次第に楕円面を拡
大していき、(12)式まで移行する訳であるが、交点Pの
プロット方法は、後述するように自動演奏結果と聴者の
判定とに関係するので一つの方法だけではないが、説明
を簡素化するために一例を述べると、第15図と(9)式
から楕円面上のP0〜P5について言えば、P0→P1→P
2→P3→P4→P5又は、P5→P4→P3→P2→P1→P0
とプロットしていく。
また、第16図と(11)式から楕円面上のP6〜P23につ
いて言えば、P6→P7→P8→・・・→P23又は、P23
→P22→P21→P20→・・・P6とプロットしていく。
次に聴者と交点Pの関係について述べる。打鍵強度倍率
と、音長倍率と、放鍵速度倍率との楕円面上の交点Pに
おいては、次式が成立する。
(楽譜に強弱記号が無印である音符の打鍵強度)×(実
用打鍵強度倍率)=(実際の演奏に使用する打鍵強度)
…(15) (楽譜に速度記号が無印である音符の打鍵強度)×(実
用音長倍率)=(実際の演奏に使用する放鍵速度)…(1
6) (楽譜に演奏上の記号が無印である音符の放鍵速度)×
(実用放鍵速度倍率)=(実際の演奏に使用する放鍵速
度)…(17) 実際の自動演奏にあたっては、上記(15),(16),(17)式
で自動演奏が行われる。この自動演奏を聞き終った聴者
は、キー入力によって判定を下す。この判定は、自動演
奏終了後でも、自動演奏中でもかまわない。判定の仕方
は、第1図のブロック図に示すように、キー入力部9か
らインプットする訳であるが、その一例を示すと、楽曲
の自動演奏を聞き終った聴者が、「もっと強く」,「少
し速く」というような比較的具体的表現から始まって、
前記「神秘的に」というように抽象的表現までキー入力
できる。なお、ボリュームで調整することもできる。演
奏方法知識ベース部2の中には、あらかじめ、これ等の
表現に対応する知識をもたせてある。
次に変換制御部4について説明する。変換制御部4は、
前記楽曲記憶部1の楽曲データを読出し、与えられた楽
曲に適する演奏方法を前記演奏方法推論部3によって探
索して決定し、この決定に基づき前記楽曲データの変換
を行う。また、この変換した楽曲データに基づき、前記
各表示体6を点滅させ、演奏者の誘導を行うと伴に、前
記鍵駆動手段7の駆動制御も行う。なお、鍵駆動手段7
の制御は、前記変換制御部4で行なわれ、前記表示体6
への表示信号と、打鍵検知部8の検知結果とを比較し、
表示信号を送出した後、一定時間内に打鍵されない場合
には、鍵駆動手段7を駆動させ、演奏者の援助演奏を行
うべく、自動的に打鍵を行うものである。この場合楽曲
の一部、例えば演奏困難な箇所、メロディー部又は伴奏
部等を予め設定によって自動演奏させることも可能であ
る。
また、変換制御部4は前記楽曲記憶部1の楽曲データを
読出し、前記演奏方法推論部3で決定された演奏方法に
変換する機能及びファジー理論に基づいた演奏方法に変
換する機能とを有すると共に、さらに演奏者が楽曲の演
奏をするために次々に打鍵すべき鍵を演奏者に指示する
ために後述する表示体161〜1688を次々に作動され
る表示体駆動回路80、押鍵、放鍵動作を検知する打鍵
検知回路90と、自動打鍵回路200と、限時回路50
0とを形成している。
次に表示体6を構成する音符表示体161〜1688及び
標識表示体17〜24について説明する。第2図に示す
ように、ピアノの鍵盤押え11にはピアノの全部の白鍵
15及び黒鍵15′に各々対応させた音符表示体161
〜1688(音符表示体は、全部を白鍵15及び黒鍵1
5′に取付けず、演奏しようとする楽曲の演奏に必要な
鍵のみに設けてもよい)の他に、クレセンドの標識表示
体17、デクレセンドの標識表示体18及び演奏速度、
強弱、ペースなどの演奏上必要な各種の記号を表わした
標識表示体17〜24を取付ける。標識表示体17〜2
4は後述するように表示灯、音符表示体161〜1688
は各々発光ダイオードa〜hから成り、鍵盤押え11に
形成した適当な凹部中に埋設する。しかし音符表示体1
1〜1688は第4図に示すように白鍵15及び黒鍵1
5′に直接取付けても差支えない。音符表示体161
1688は後述するように、図示した例では発光ダイオー
ドa〜hを音符の形状に配列して樹脂成形体中に一体に
成形している。また標識表示体17〜24は演奏上必要
な各種の記号を表示した透明又は半透明の箱体とその内
部に設けた適宜の表示灯例えばパイロットランプ46と
から成っている(第3b図)。標識表示体17〜24は
この実施例では、楽曲の一部の演奏速度を表わす記号と
してのアクセレランド(Accelerando),ラルガンド(Larg
ando)、強弱を表わす記号としてピアノ(piano),メッツ
オ・フォルテ(mezzo forte),フォルテッシモ(fortessi
mo)、楽曲全体のペースを示す記号としてのアダージョ
(adagio)を表示するようにしたが、これらの記号以外
に、演奏される楽曲の種類に応じて、各種の記号を使用
し得る。
ところで、音符には音の長さを表わすため、全音符、2
分音符、4分音符、8分音符、16分音符、32分音符
があり、これは周知のように「おたまじゃくし」状の記
号によって表わされる。これは第3a図に示した8個の
発光ダイオードa〜hを所定の組合わせに従って選択的
に発光させることにより可視表示する。即ち全音符は発
光ダイオードbのみ、2分音符は発光ダイオードb,
f、4分音符は発光ダイオードa,f、8分音符は発光
ダイオードa,f,c、16分音符は発光ダイオード
a,f,c,d、32分音符は発光ダイオードa,f,
c,d,eをそれぞれ発光させることにより表示する。
第3a図及び第5図に示す音符表示体161において発
光ダイオードa〜hは、樹脂成形体中に図示の配列に従
って埋設され、例えばダイオードaは丸形の形状を、ダ
イオードbはその周りのリングの形状をそれぞれ具えて
いる。他のダイオードc〜hも同様に樹脂成形体中に埋
込まれている。各々の発光ダイオードa〜hから8本の
リード端子と後述する+B電圧端子を引出して(第6
図)、変換制御部4の表示体駆動回路80に接続し、ダ
イオードa〜hが表示体駆動回路80により復号された
2進情報に従って選択的に駆動される。g,hは付点音
符を表わす発光ダイオードである。この例では音の長さ
の異なるレベルは14であり、2進4ビットを必要とす
る。また88鍵の各々に音符表示体161〜1688を組
合せるとして、音符表示体の数は88となり、2進7ビ
ットを必要とする。またクレセンド記号などの標識表示
体17〜24を表わすのには2進3ビットが必要になる
ので、1つの音符についてその音高、音の長さ及びこの
音符についてのクレセンドその他の記号の有無を表示す
る場合、1つの音符についてのビット数は4+7+3=
14ビットになる。この14ビットを1ブロックとし
て、楽譜の全ての音符について、演奏に必要な全てのデ
ータを楽曲記憶部1に記憶しておく。
なお、例えば5個の音符が同時に演奏されるようになっ
ている場合は、これらの音符を同時に表示体161〜1
88に表示するので、必要なビット数は7×5+4+3
=42ビットになる(この場合、各音符の音の長さは同
一とする)。この他に1ブロックの区切りとして7ビッ
トのデリミッタを付加する。従ってこの49ビットを1
ブロックとして楽曲記憶部1に記憶させる。
また、演奏に伴って後述するように、1つの音符に相当
する鍵15又は15′の押下げのつど、次に押下げるべ
き鍵15又は15′に対応する音符表示体161〜16
88の発光ダイオードa〜hが選択的に発光するが、他の
記号例えばクレセンド記号体17は、クレセンドが指示
されている限り点灯されていることになる。
次に音符表示体161〜1688の表示方法について説明
する。第6図において右端に示すブロックは第1図の変
換制御部4であり、このブロックのほぼ中央部には88
本の導線が収納され、各々の導線は音符表示体161
1688に組合せたトランジスタTR1〜TR88のベース
に図示のように接続されてる。図には88個の表示体1
1〜1688の内3個161・1640・1688のみが図示
されているものであ。表示体161のみについて説明す
ると、表示体駆動回路80の下端の88本の導線の内1
本が図示の極性のダイオード50を経てトランジスタT
1のベースに接続され、ダイオード50とトランジス
タTR1のベースとの間の点はバイアス抵抗51を経
て、トランジスタTR1+B電源と結ぶ導線に接続され
る。この導線は図示のように全部のトランジスタTR1
〜TR88に共通になるように接続する。
表示体駆動回路80のほぼ中央部の全部で88本の導線
は、鍵位置指定部であり、変換制御部4の読出しによっ
て選択される鍵に対応する導線のみに電圧が加えられ、
例えばトランジスタTR1が導通する。他方、表示体駆
動回路80の中央部に表わした8本の導線a′−1,
b′−1,・・・h′−1は各々抵抗R1a,R1b・・・
・・R1hを介して表示体161に接続されており、音符
長さ指定部を形成している。尚、他の表示体162〜1
88例えば表示体1640,1688についても8本の導線
を各々抵抗R40a,R40b・・・・R40h,R88a,R88b
・・・・・R88hを介して表示体駆動回路80の導線
a′−40〜h′−40,a′〜88〜h′−88に接続する。
読出されている音符が4分音符であれば、発光ダイオー
ドa,fを付勢する。第7図において、音符記号体16
40の発光ダイオードa〜hの陰極側は各々抵抗R40a
40hを経て8個のエミッタ接地トランジスタ41のコ
レクタに接続され、トランジスタ41のベース電位は交
換制御部4により制御される。変換制御部4が記号体1
40を選択した状態で、変換制御部4から制御電圧が発
光ダイオードa,hに組合されたトランジスタ41のベ
ースに加わる。トランジスタTR40が前述したように導
通しているので、このトランジスタTR40に接続した表
示体1640において導線a′40・f′40に至る発光ダイ
オードa,fのみが発光して、4分音符であることを表
示する。そのため、第2図で表示体1640において4分
音符が表示されたことになり、演奏者はこの表示体16
40に対応する白鍵15を、4分音符に相当する時間押下
げる。
なお、この押下げが所定の設定時間内になされなかった
ときは、本発明に従って後述するように自動打鍵が行な
われる。
標識表示体17〜24は第3b図に示すように表示灯4
6を内蔵した透明又は半透明材料製の箱体として形成さ
れ、これらの表示灯46は読出したブロックの対応する
ビットが1になった時に点灯し、0になった時消灯する
ように接続されている。
次に鍵駆動手段7、打鍵検知部8及びこれらと応動する
変換制御部4の構成、作用について説明する。打鍵検知
部8はトランスファスイッチであり弾性接触導片43及
び43′、接点44及び44′及び弾性接触導体45で
構成するものであり、第8a図においては表示体161
に対応する白鍵15は押下げられてなく、第8b図にお
いては表示体161に対応する白鍵15は押下げられて
いる。白鍵15の前方部分に位置させた弾性接触導片4
3の接点44は弾性接触導片45と通常接触し、又弾性
接触導片43′の接点44′は弾性接触導片45と通常
非接触状態にある。白鍵15を押下げないときは、弾性
接触導片43は+B電源からの電流が接地電位を保って
いる弾性接触導片45に流れ変換制御部4へは流れず2
進「0」となり、弾性接触導片43′は+B電源からの
電流が変換制御部44に流れ2進「1」となる。又、白
鍵15を押下げたときは上記と逆で、弾性接触導片43
は+B電源からの電流が変換制御部4に流れ2進「1」
となり、弾性接触導片43′は+B電源からの電流が接
地電位を保っている弾性接触導片45に流れ変換制御部
へは流れず2進「0」となる。白鍵15を押下げると第
8b図の状態になり、弾性接触導片43は+B電源から
2進「1」に相当する電流が変換制御部4に流れる。
変換制御部4はこの2進信号「1」によって直ちに次の
ブロックの読出しを開始する。このブロックは、音符
(1個のみの場合と、2個以上5個以内の音符が同時に
演奏される場合とを含む)の鍵位置についてのコード化
情報を収容したブロックである。
演奏者が鍵に対応して表示された鍵を設定時間内に打鍵
しなかった場合に自動演奏される打鍵動作について説明
する。変換制御部4は読出したブロックに示された鍵が
20番目の鍵であれば、その鍵に相当する制御端子T″
1〜T″88のうち制御端子T″20を付勢する。制御端子
T″1〜T″88は、第6図に示すように、それぞれ変換
制御部4の自動打鍵回路200から引出されている。T
R″1〜TR″88は制御端子T″1〜T″88からの制御信
号に基づいて打鍵開始及び打鍵終了の切換え動作を行う
トランジスタ、L1〜L88は前記トランジスタのON,
OFFによって励磁、非励磁動作を行うソレノイド、F
1〜F88は前記ソレノイドの励磁、非例示に応じて図中
矢印Sで示す方向にストローク運動する鉄心である。な
お、前記ソレノイドL1〜L88及び鉄心F1〜F88で鍵駆
動部7を構成する。変換制御部4による鍵駆動部7の基
本制御は、周波数変調、パルス数変調、PCM変調、プ
ログラムコントロール変調等があるが1例として全ての
楽曲の最短音長により十分に短い矩形波を作り、その矩
形波の幅を一定とし、(矩形波の幅)対(周波数)の比
率を変化させることにより、ソレノイドL1〜L88にか
かる平均電圧を変化させて、打鍵強度、音長、放鍵速度
を変化させる。
これを具体的に説明すると、第17図において、Δt=
一定と定義しt1≧Δt,t2≧Δt,・・・・t9≧Δ
tと定義する。
1/t1=f1(KHz),1/t2=f2(KHz),・
・・・・1/t9=f9(KHz) ここでt1>t4>t7であれば、Δt=一定であること
から、同図中(b),(d),(f)でそれぞれ表される平均電圧
は、 V>V>Vとなり、打鍵強度は、 (e)>(c)>(a)>となる。又、音長の打鍵維持は、 t2=t5=t8とすると、Δt=一定であることから、
平均電圧は、 V=V=Vとなり、V=V=V=押鍵維持
平均電圧とする。t9>t6>t3であれば、Δt=一定
であるから、平均電圧は、 V>V>Vとなり、放鍵速度は(e)>(c)>(a)>
となる。又、TA,B,C・・・・Tは、打鍵強度、
音長、放鍵速度に必要な最低時間を意味する、これ等
は、鍵盤楽器の種類によって、即ち、鍵15の機械的イ
ンピーダンスによって異なる。
以上のことから、周波数を高くすれば平均電圧が上が
り、周波数を低くすれば、平均電圧が下がることが理解
される。従って、打鍵強度、音長、放鍵速度の変化を、
Δtのパルス幅をもつ周波数に変換でき、結果的には平
均電圧に変換される。これを具体的に説明すると、前記
(15),(17)式及び第17図(c)において、 (楽譜に強弱記号が無印である音符の打鍵強度)=1/
4=f4 (楽譜に演奏上の記号が無印である放鍵速度)=1/t
6=f6 とおけば、前記例題で説明した交点P22を例にとれば、
(14),(15),(17)式から、 となり周波数に実用打鍵強度倍率及び実用放鍵速度倍率
の逆数を乗ずることによって、周波数を変化させること
ができ、結局、打鍵強度、放鍵速度を変化させることが
できる。以上の一連の制御によって、専門家の見解が充
分に反映された一つの音符の自動演奏が可能となる。な
お第8a,8b図においては鉄心Fを鍵15の上方に設
けて鍵15を引上げるように図示されているが、鉄心F
を鍵の下方に位置させ、これを突上げるようにしても勿
論差し支えない。また、前記打鍵検知部8には電圧素子
などを用いて打鍵動作の検知を行ってもよく、さらに無
接触式としてLED等の反射光をフォトセンサによって
検知すれば光学的に検知することも可能である。
次に第6図及び第9図を参照し、表示体161〜1688
によって指示された音符に対応する鍵が演奏者によって
一定時間経過しても押下げられなかった場合に自動打鍵
するための限時回路500について説明する。時限回路
500は、プリセット・カウンタ又はモノステーブル・
マルチバイブレータ等を用いるが、ここでは加減増幅器
を用いている。第9図において501は、A/D変換
器、502はプリセットカウンター、503は加減抵抗
器、504はツェナーダイオードである。加減抵抗器5
03により設定された分圧比による電圧は、A/D変換
器において、デジタル値に変換され、プリセットカウン
ター502に供給されて計数される。プリセットカウン
ター502は、レジスターとして動作するものでも、減
算動作又は積算動作を行なうものでもよい。限時回路5
00は、変換制御部4の内部において、自動打鍵部20
0に組合されており、プリセットカウンター502の計
数値が所定値に達した時にその鍵に対応したソレノイド
1〜L88を励磁して打鍵するようになってい。即ち、
変換制御部4は、表示体161〜1688の点灯と同時
に、演奏者によって設定された時間設定用加減抵抗器5
03の設定値に従って限時回路500を起動させる。設
定時間をt1とすると、変換制御部4は時間t1以内に打
鍵があるか否かを、スイッチ状態検知回路90によって
常にチェックする。なお時間t1は演奏者が加減抵抗器
503によって自由に設定できる。変換制御部4は、も
し時間t1以内に、表示体によって点灯表示された鍵を
演奏者が打鍵しなければ、自動打鍵装置200によって
自動打鍵する。その後変換制御部4は、次に打鍵すべき
鍵に対応する表示体を点灯させ、自動打鍵が完了すると
同時に時間t1を再起動させる。
一方、時間t1以内に表示体によって点灯指示された鍵
を演奏者が打鍵すれば、変換制御部4は次の打鍵すべき
鍵に対応する表示体161〜1688の点灯を行い、演奏
者の打鍵完了と同時に時間t1を再起動させる。
第10図は、連続した3つの音符表示についてタイマー
起動中に演奏者による打鍵が全く行なわれなかった場合
を、また第11図は最初の打鍵も、次の打鍵もタイマー
起動中に演奏者による打鍵が全て行なわれた場合を、第
12図は、最初の音符表示に際して設定時間内に演奏者
による打鍵が行なわれ、次の音符表示に際し設定時間内
に演奏者による打鍵が行なわれなかった場合を、また第
13図は最初の音符表示に際して設定時間内に演奏者によ
る打鍵が行なわれず、次の音符表示に際して設定時間内
に演奏者による打鍵が行なわれた場合を、それぞれ示し
ている。各図において(a),(b),(c),(d),(e)は表示
体161〜1688の点灯−消灯、限時回路500の動作
−非動作、演奏者による打鍵の有無、自動打鍵による打
鍵の有無、スイッチ状態検知信号の有無をそれぞれ表わ
している。又、第10図〜第13図においてロジック1
はDC+5Vを表わし、ロジック0はDC0Vを表わし
ている。
このように本発明に係る鍵盤楽器の演奏者誘導装置によ
れば、まず、変換制御部4が楽曲記憶部1から楽曲デー
タをアクセスすると共に、演奏方法推論部3はこのアク
セスして得られた内容を受け、この与えられた楽曲に適
する演奏方法を演奏方法知識ベース部の中から探索する
と共に推論する。これによって得られる推論された情報
に基ずき、前記変換制御部4によって前記楽曲データを
変換し、この時点における最終的な鍵駆動のためのデー
タとなり、鍵駆動手段7へ伝達される。鍵駆動手段7に
おいて、前記鍵駆動用のデータに基づいて打鍵が行われ
楽曲の演奏が行われると、聴者(演奏者)はこれを聴い
て聴者の立場から最適な演奏であるか否かを判定し、キ
ー入力部9によって判定結果を入力する。演奏方法推論
部3はキー入力部9からの判定結果と、自己の推論結果
とを同時に満足させるために更に推論を行い、次の自動
演奏に反映させる。そして次の自動演奏が行われると、
その演奏の適否を聴者が判定し、判定結果をキー入力部
9から入力するという動作を繰返し、最終的に聴者にと
って最適な自動演奏データが作成される。
このように作成された自動演奏データに基づき、前記変
換制御部4は表示体6の制御を行い、演奏者の誘導を行
う。演奏者は表示体6の誘導に従って演奏を行うが、演
奏途中で迷ったときなどに、所定の時間内に演奏のため
の打鍵を行わない場合、前記変換制御部4が検知して鍵
駆動部7の駆動制御を開始し、演奏者の援助演奏を自動
的に行う。なお、この自動演奏は前記した聴者(演奏
者)にとって最適な自動演奏データに基づいて行われる
ため、演奏者の趣向や解釈が反映された演奏となってい
る。
一方、前記打鍵検知部8から送られる打鍵信号を2進化
された楽曲演奏データとして、楽曲の進行に伴って、前
記楽曲記憶部1へ順次伝送し記憶させる。従って、前記
楽曲演奏データには演奏者と鍵駆動手段7とが行った演
奏が組合わせて記憶され、この楽曲演奏データを変換制
御部4及び鍵駆動手段7によりそのまま再生すれば、演
奏者が自分の思い通りに初めから終わりまでを全て通し
て演奏した形で再生することができる。
なお、前記援助演奏は例えばメロディー部又は伴奏部、
或いは演奏困難な箇所というように、予め設定によって
定めることも可能である。
<効 果> 本発明に係る鍵盤楽器の演奏者誘導装置は、従来のよう
に楽曲演奏データを記憶した楽曲記憶部から変換制御部
を通して表示された表示体の指示に従って次々と鍵を押
し下げて演奏していく途中に、演奏者が所定時間内に鍵
を押下げなかったならば鍵駆動手段によって自動打鍵し
ながら演奏していくだけのものとは異なり、予め専門家
等における優れた知識を入力格納された演奏方法知識ベ
ース手段から、楽曲記憶部において自動演奏しようとし
ている演奏方法を、演奏方法推論手段によって推論して
決定することにより演奏者の趣向や解釈に合った自動演
奏を行なえるようにしたものである。すなわち、従来の
自動演奏では楽曲記憶部に入力された演奏方法を変える
ことができず、したがって、演奏者において、例えば8
分音符の範囲内においてではあるが「実際に演奏されて
いるものは少し早めでこれよりもう少し遅く弾きたい」
と思ったり、mfの範囲内でおいても「実際に演奏され
ているものは少し早めてこれよりもう少し遅く弾きた
い」と思ったり、mfの範囲内でおいても「実際に演奏
されているものよりもう少し弱く弾きたい」と思ってい
ても変えられず、がまんして演奏するしなかったが、本
発明の演奏方法知識ベース手段と演奏方法推論手段、及
び交換制御部からなる、いわゆる人工知能を備えること
により、変えることができ、より一層演奏者の希望に沿
った演奏を可能とした。
また、本発明装置における演奏者の押鍵と放鍵を検知す
る打鍵検知手段と変換制御部とによって、上記人工知能
による自動演奏を楽曲記憶部に順次記憶・再生して、次
回の表示体と演奏の質をより一層高めることができる。
さらに、本発明の演奏方法知識ベース手段では、上記し
たように優れた知識ベースを格納しているために、従来
打鍵検知手段によって自動演奏したものをそのまま楽曲
記憶部に記憶させることにより、下手な人の演奏を常に
記憶して本来の上手な演奏方法を誘導させる機能を失な
わせるといったことがなく、初めから実際は初心者であ
るにもかかわらず、上級以上の演奏を再生できるだけで
なく常に自分の趣向に近づけて自動演奏を行なっていけ
る機能を有する。
なお、本発明装置にキー入力部を設けたことにより、楽
曲の演奏を聴いて聴者の立場から結果を判定して、例え
ばもっと神秘的に等のより高い技術へのステップアップ
を図るため、キーを入力することにより、演奏方法推論
手段によって更に神秘的な推論を行なわせることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る鍵盤楽器の演奏者誘導装置の構成
を示すブロック図、第2図は前記演奏者誘導装置を88
鍵のピアノに取付けた状態を示す概略斜視図、第3a図
は第2図に示した1つの音符表示体を示す斜視図、第3
b図は第2図に示した1つの標識表示体の透視斜視図、
第4図は前記音符表示体をピアノの白鍵と黒鍵の各々に
直接配設した実施例を示す鍵盤部の概略斜視図、第5図
は音符表示体の一部を破断して示す上面図、第6図は音
符表示体を表示するための回路構成を示す回路図、第7
図は一つの音符表示体における各発光ダイオードの作用
を説明する回路図、第8a図及び第8b図は打鍵検知部
及び鍵駆動部の動作状態を示す概略側面図、第9図は変
換制御部の一部を構成する時限回路のブロック図、第1
0図〜第13図は前記時限回路の作用を説明するタイム
チャート、第14図は演奏方法推論部で定められる三要
素を表示するための3次元座標を示すグラフ、第15図
は第14図で示された座標内において、或る特定要素に
関する推論範囲を3次元楕円で示すグラフ、第16図は
第14図に示された座標内において、楕円式に所定の拡
大係数を掛けて得られた推論範囲を3次元楕円で表示し
たグラフ、第17図は鍵駆動に際しての動作タイミング
を示すチャートである。 1……楽曲記憶部、2……演奏方法知識ベース部、3…
…演奏方法推論部、4……変換制御部、6……表示体、
7……鍵駆動手段、8……打鍵検知部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽曲の音符及び各種音楽記号を楽曲データ
    として格納するか、または/および、演奏された楽曲の
    音符及び各種音楽記号を楽曲データとして記憶する楽曲
    記憶部と、 楽曲の演奏に必要な方法及び知識に関するデータを格納
    する演奏方法知識ベース手段と、 聴者の判定結果に基づき楽曲の演奏に適する演奏方法を
    前記演奏方法知識ベース手段から探索し、推論して決定
    する演奏方法推論手段と、 前記演奏方法推論手段によって決定された演奏方法に基
    づき、演奏者が押下げるべき鍵を誘導する表示手段と、 前記演奏方法推論手段によって決定された演奏方法に基
    づき、演奏者が設定時間内に前記表示手段の指示による
    鍵を押下げなかった場合、前記鍵への押鍵及び放鍵動作
    を行う鍵駆動手段と、 前記鍵駆動手段及び前記表示手段の誘導による演奏者の
    押鍵、放鍵動作を検知する打鍵検知手段と、 前記楽曲記憶部の楽曲データを読出し前記演奏方法推論
    手段によって決定された演奏方法に変換すると共に、該
    変換された楽曲データに基づき前記表示手段及び鍵駆動
    手段の制御を行う変換制御部とからなり、 前記打鍵検知手段で検知された楽曲演奏データを楽曲の
    進行に伴って前記楽曲記憶部へ順次記憶させると共に、
    該記憶された楽曲演奏データを、前記変換制御部及び鍵
    駆動手段によって再生させることを特徴とする鍵盤楽器
    の演奏者誘導記憶再生装置。
  2. 【請求項2】請求項1の自動演奏の再生装置において、
    聴者の判定により演奏方法推論手段を更に推論させるキ
    ー入力部を備えた鍵盤楽器の演奏者誘導記憶再生装置。
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