JPH0658539A - ガス状燃料用の抵抗型点火装置を製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】フィラメントの耐熱および耐酸化特性、さらに
フィラメント端部とリード線の接続を確実にして電流特
性を向上させて、信頼性を高めた点火装置を製造する方
法を提供すること。 【構成】フィラメント10はシリコンカーバイド層14によ
り囲まれた炭素コア12を備え、シリコンカーバイド層の
外層は空気中で加熱されて酸化した比較的薄い炭素層16
を有する。フィラメント10はその後所望の長さにカット
され、その端部が結束されて導電性材料22によりメッキ
被覆される。筒状の導電コネクター28がフィラメント束
のメッキ端部に圧着されそこからリード線30を伸ばす。
フィラメント束は耐熱ホルダー36に取りつける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バーナーから噴射され
るガス状燃料を点火するための電気抵抗型またはグロー
型点火装置に関し、特に、オーブン用の頂部バーナーお
よび据え付けられていないバーナーを有する家庭用レン
ジに使用する燃料点火バーナー用の点火装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記抵抗型点火装置は、これまで型内に
鋳込まれた小量のドーパントを含むシリコンまたは炭素
系材料のスラリーを燃焼することにより、温度に対して
所望の負性抵抗特性を有するある形状のシリコンカーバ
イド組成物を形成するようにして作られていた。

【０００３】1992年２月28日に出願の米国特許出願第84
1,0135号には、炭素系フィラメントを有する抵抗型点火
装置が開示されており、フィラメントがシリコンカーバ
イド材料の被覆層に覆われ、かつこのフィラメントを複
数結束して端部をメッキしてバーナーから放射するガス
状燃料を点火するための抵抗型点火装置を供給するよう
にしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑み
て、本発明はフィラメントの耐熱および耐酸化特性、さ
らにフィラメント端部とリード線の接続を確実にして電
流特性を向上させて、信頼性を高めた点火装置を製造す
る方法を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、１つのフィラメントまたはこれらを結束
したフィラメント構成を有する形式の抵抗型点火装置を
製造する方法を開示する。このため、まず、シリコンカ
ーバイドを被覆した炭素コアを有する、少なくとも１つ
の延びたフィラメントを用意し、高温度での比較的高い
耐酸化性を有する導電材料によって前記フィラメントの
端部を被覆し、ほぼ筒状の導電コネクターを用意し、こ
のコネクターの部分を変形し、さらに前記被覆部分に固
定する各工程を有することを特徴とする。

【０００６】各フィラメントは、シリコンカーバイド材
料の層により囲まれた炭素コアを備え、活性化した形状
で比較的薄い炭素層を含んでおり、この薄い外層はシリ
コンカーバイド材料の層上で十分酸化されるように高温
度に熱せられている。

【０００７】このような複数のフィラメントが所望の長
さにカットされ、その端部が結束され、好ましくはシリ
コンカーバイドの熱膨張係数に近い値を有するペースト
状材料でメッキ被覆されている。このペースト状材料は
高温度での高い耐酸化性を有する。

【０００８】複数のフィラメントが結束された端部領域
は、ニッケル、ニッケル合金、および銀とパラジウムの
混合物からなる群から選択された材料でメッキされてい
る。端部の接続は、メッキ部分の上に適当な耐酸化性金
属をカシメ付けて形成され、外方に延出する電気リード
線がこのカシメ圧着作業によりメッキ部分に固定され
る。

【０００９】

【作用】このような構成により、フィラメントは酸化に
対する抵抗力を有し、また各フィラメントは導電材料を
介して導電性を保持し、しかもコネクタにより電気リー
ド線との接続を確実にして電流特性を向上させるととも
に、過熱および熱的変化に対する抵抗力を備えて寿命を
高めることができる。

【００１０】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１には、活性したフィラメント１０が示され、このフ
ィラメントは炭素材料を主成分として形成されたコア１
２を有している。コア１２はシリコンカーバイド材料で
形成された層１４に取り囲まれている。この層１４は炭
素系材料で形成された薄い外層１６により包まれてい
る。

【００１１】本発明の好ましい実施例では、このフィラ
メント１０はテキストロン スペシャリティー マテリ
アル コーポレーション（マサチューセッツのロウエル
に在所する）製であり、製造表記がＳＣＳ−６のもので
ある。この材料は、炭素外層が一層で、全体の直径寸法
が0.0056インチ（0.14ｍｍ）となっている。

【００１２】フィラメント１０は、その後、空気等の酸
化雰囲気中で適当な温度に熱せられる。この温度は約３
０分間７５０℃を下回らない温度で外側の炭素層がシリ
コンカーバイド１４の表面上で酸化される。

【００１３】図２は、シリコンカーバイド層１４の外表
面１７を有する、加熱または前処理されたフィラメント
１０’を示し、シリコンカーバイド層１４は炭素系の酸
化残留物により強化される。現在の好ましい実例では、
炭素系の比較的薄い外層１６が酸化されると、表面に残
留物が与えられ、これにより本発明の寿命が高まること
がわかってきた。

【００１４】好ましい実施例では、空気雰囲気の炉内に
活性したフィラメント１０を置くことだけでフィラメン
トの炭素外層１６を酸化させるのに十分であることが判
明した。しかしながら、外層を酸化させるためには、こ
のフィラメントに電流を流して所望の加熱を施すように
前処理することも可能である。

【００１５】図３において、複数の前処理されたフィラ
メント１０’が、全体を参照符号２０で示す１つのアセ
ンブリに束ねられ、その端部は導電性材料２２でメッキ
被覆されていている。この導電性材料２２は、高い耐温
度特性を有する、例えば、延性のある金属材料であり、
高温度において表面が比較的高い耐酸化性を有してい
る。

【００１６】本実施例では、フィラメントは２〜４イン
チの長さにカットされ、約15〜40のフィラメントを１つ
に束ねて、フィラメントの数及びその長さが選択され回
路で使用する所望の抵抗を与えることができる。本実施
例におけるフィラメントの大きさ及び本数においては、
交流電圧115 ボルトで使用すれば十分である。また、導
電性材料２２は、ニッケル、ニッケル合金、および銀と
パラジウムの混合物からなる群から選択されたペースト
であり、乾燥してその後に少なくとも７５０℃の温度で
燃焼して適切な被覆がなされる。しかしながら、この材
料は化学蒸法（ＣＶＤ）で行うこともできる。また、例
えば、金、ルテニウム、プラチナあるいは他の稀少金属
等の材料をメッキ用材料として使用することもできる。

【００１７】本実施例では、ペンシルバニア キングオ
ブプルーシアに在所するエレクトロ−サイエンス ラボ
ラトリー インコーポレイテッド製のパラジウム／銀の
混成物（製造番号9694または9695）で十分である。さら
に酸化及び高温度に対する耐用性を有するために、メッ
キ材料２２はシリコンカーバイド層１４の熱膨張係数に
近い値を有するものでなければならない。ニッケル粉末
に粘着性結合剤としてのドュラボンド ナンバー952
（ニューヨーク ブルックリンに在所するコートロニク
ス コーポレーション製）を組み合わせて使用しても良
いことがわかっている。

【００１８】図４において、メッキされた端部領域２２
を有するフィラメント束２０がそこにコネクターリード
線２４を接触させたものが示されている。このリード線
はそこから外側に伸び、高温度耐酸化性の金属コネクタ
ー２６により金属端部に接触し、適所に保持される。こ
のコネクターは端部領域と導体をサブアセンブリとなる
ようにカシメ圧着される。フィラメント束の他端側も同
様にコネクター２８と電気リード線３０が連結される。

【００１９】図５において、フィラメント束２０の両端
部でのコネクター２６，２８は、セラミック製ホルダ３
６の両端部に設けた適切なスロット３２，３４内に受け
止められ、さらにカバー３８，４０によりそこに保持さ
れるかあるいはセラミック材料で封入される。

【００２０】このように、本発明は、抵抗型の電気グロ
ー点火装置を製造する独特で新規な方法を提供するもの
であり、点火装置はバーナーから放射するガス状燃料を
点火するのに使用される。本発明の点火装置は、商業的
に役立つ構造のフィラメントに独特な前処理を施してお
り、このフィラメントは炭素コアとシリコンカーバイド
の外層を有し、その外側に加熱により酸化した薄い炭素
層を備えている。 そして、このフィラメントは所定の
長さにカットされ、端部を金属化して束ねられている。
各金属端部は、電気リード線を金属端部に保持するため
に筒状の耐高温度酸化性の金属端子を有し、これにより
耐火性のホルダに取付けられた１つの点火サブアセンブ
リを形成する。

【００２１】上述のように、本発明を実施例に沿って説
明したが、本発明は請求の範囲に記載した構成により限
定されるものであり、修正および変更は可能である。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、シリコンカーバイドを
被覆した炭素コアを有するフィラメントの端部を高温度
での比較的高い耐酸化性を有する導電材料によって被覆
し、さらに導電コネクターを介して被覆端部領域と電気
リード線を接続したので、耐熱および耐酸化特性、さら
に電流特性を向上させ、信頼性の高い点火装置を製造で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に用いる活性化したフィラメント材料の
斜視図である。

【図２】前処理を施した状態を示す図１と同様な図であ
る。

【図３】図２のフィラメントを束ねて、その端部をメッ
キした状態を示す図である。

【図４】メッキした端部にコネクタを圧着してリード線
を連結する状態を示す図３と同様な図である。

【図５】図４に示す組立体を耐熱ホルダーに取りつけた
状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

10,10' フィラメント 12 コア 14 シリコンカーバイド層 16 外層 17 外表面 20 フィラメント束 22 導電性材料 24,30 リード線 28 コネクター

フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ マイケル ピック アメリカ合衆国 イリノイ 60007 エル ク グローブ ニュー メキシコ トレイ ル 745 (72)発明者 セラミ ヤルシン プサトシオグルー アメリカ合衆国 ウイスコンシン 53223 ミルウォーキー ノース 70ス ストリ ート 9117

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリコンカーバイドを被覆した炭素コア
   を有する、少なくとも１つの延びたフィラメントを用意
   する工程と、 高温度での比較的高い耐酸化性を有する導電材料によっ
   て前記フィラメントの端部を被覆する工程と、 ほぼ筒状の導電コネクターを用意し、このコネクターの
   部分を変形して前記被覆部分に固定する工程と、を有す
   ることを特徴とするガス状燃料用の抵抗型点火装置を製
   造する方法。
2. 【請求項２】 変形する工程は、リード手段をコネクタ
   ーに固定する工程を有していることを特徴とする請求項
   １記載の製造方法。
3. 【請求項３】 被覆する工程は、ニッケル、ニッケル合
   金、および銀とパラジウムの混合物からなる群から選択
   された材料を被覆することからなることを特徴とする請
   求項１記載の製造方法。
4. 【請求項４】 被覆は、銀とパラジウムの混合物からな
   るペーストを少なくとも７５０℃の温度で燃やして付着
   させることを含んでいることを特徴とする請求項１記載
   の製造方法。
5. 【請求項５】 ガス状燃料の点火温度での比較的高い耐
   酸化性を有するシリコンカーバイドの導電材料に近い熱
   膨張係数を有する導電材料からなるペーストを付着させ
   ることを特徴とする請求項１記載の製造方法。
6. 【請求項６】 準備工程は、比較的薄い外層のシリコン
   カーバイドを被覆した炭素コアを有するフィラメントを
   準備し、少なくとも７５０℃の温度に周囲空気を熱して
   前記外層を酸化させることを特徴とする請求項１記載の
   製造方法。
7. 【請求項７】 準備工程は、比較的薄い外層のシリコン
   カーバイドを被覆した炭素コアを有するフィラメントを
   準備し、少なくとも７５０℃の温度に周囲空気を熱して
   外層を酸化させるために前記フィラメントに電流を流す
   ことを特徴とする請求項１記載の製造方法。
8. 【請求項８】 炭素コアを有してその外層に比較的薄い
   シリコンカーバイドの被覆層を備える少なくとも１つの
   フィラメントを準備する工程と、 該フィラメントを少なくとも７５０℃の温度に熱して前
   記外層を酸化し、 高温度での高い耐酸化性を有し、前記フィラメントの端
   部においてのみフィラメントのそれに近い熱膨張係数を
   有する導電材料の層を付着する工程と、 ほぼ筒状のコネクターを準備し、該コネクターは高温度
   での比較的高い耐酸化性を有し、コネクターを前記フィ
   ラメントの端部の各々に対して前記フィラメントを変形
   し、さらに電気リード線を固定する工程と、を含んでい
   るガス状燃料用抵抗型点火装置を製造する方法。
9. 【請求項９】 導電材料の層を付着する工程は、フィラ
   メントの端部領域をメッキすることを含んでいることを
   特徴とする請求項８記載の製造方法。