JPH0658360U - スラグ中の酸素活量測定装置に用いる消耗型ルツボ - Google Patents

スラグ中の酸素活量測定装置に用いる消耗型ルツボ

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JPH0658360U JP542993U JP542993U JPH0658360U JP H0658360 U JPH0658360 U JP H0658360U JP 542993 U JP542993 U JP 542993U JP 542993 U JP542993 U JP 542993U JP H0658360 U JPH0658360 U JP H0658360U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非鉄精錬過程において生成されるスラグ中の
酸素活量を高精度に測定するのに適した消耗型ルツボを
提供することを目的とする。 【構成】 金属製外容器(2)と、その内面に配置され
たスラグと反応しない物質より形成された遮断層(3)
とから構成されており、且つ当該遮断層(3)はスラグ
(S)の下層に位置する特定金属(M)と金属製外容器
(2)との部分的接触箇所を残しながら金属製外容器
(2)内面における少なくともスラグ(S)が接触する
範囲全体に配置されていることを特徴とする消耗型ルツ
ボ(1)を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は製鉄過程以外の精錬過程、即ち非鉄精錬過程において生成されるスラ グ中の酸素活量を高精度に測定するのに適した消耗型ルツボに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属、非金属のいずれの精錬工程においてもスラグが生成されるが、このスラ グは金属や非金属の精錬の進行を間接的に支配していることから、スラグ成分を 分析することは極めて重要な事項であり、中でもスラグ中の酸素活量を知ること は極めて有意義である。
【0003】 例えば、製鋼工程においてはスラグは溶鋼と大気とを遮断するための存在とし て必要不可欠のものであるばかりでなく、製鋼スラグは溶鋼上に浮遊状態で存在 することにより溶鋼と接触して化学反応をおこし溶鋼自体の化学反応を間接的に 支配している。したがって、製品としての溶鋼の成分を調整するためには、必然 的にスラグ成分を制御することが重要となってくる。 しかし、溶鋼とスラグの化学反応の度合いを推定するには、スラグの成分構成 を知るだけでは不十分であり、スラグ中の酸素活量を直接知ることが非常に大切 になってくる。 そして、スラグ分析が精錬対象物質の状態を知るうえで重要であり、特にスラ グ中の酸素活量の測定が極めて重要であることは、製鋼工程に限らず精錬工程一 般についても言えることである。
【0004】 ところで製鋼工程におけるスラグ中の酸素活量測定装置としては、同出願人が 特願平1−271033号、実願平3−5141号、特願平3−181948号及び特願平4−2 69350号として提案したものがある。例えば、特願平1−271033号において は、酸素活量測定装置の原理装置図が示されている。この装置は図6に示す如く 、集光型加熱炉a内に不活性ガスを充満させた反応管bを垂設し、該反応管b内 における加熱部に、鉄ルツボcを、支持台を兼ねた金属製の外套管d上に着脱可 能に載置するとともに、該外套管d内には測温用の熱電対eを、その感温部を前 記鉄ルツボc下面に近接させた状態で配置した構成であり、鉄ルツボc内には、 不活性雰囲気下において鉄と合金を作らないとともに酸化物を生成しにくく且つ スラグSよりも比重の重い特定金属Mを測定対象であるスラグSと一緒に溶融状 態で収容したものであった。そして、この出願では特定金属Mの具体例として純 銀を例示した。
【0005】 本装置を用いた測定方法は、集光型加熱炉aの加熱により溶融状態となした特 定金属M及びスラグS内に、標準極を内装した固体電解質fを浸漬し、対照極を 兼ねた鉄ルツボcと前記標準極間の起電力を計器gによって測定するとともに計 器hによって熱電対eの熱起電力を測定することによってスラグSの酸素活量を 実測するものであった。そしてこの装置により、製鋼スラグの酸素活量測定、即 ち鉄−スラグ反応の平衡酸素分圧が測定できる理由は、特願平4−269350 号において詳説した。この装置では、あらかじめ酸素濃淡電池(固体電解質)に より固体鉄と純粋な酸化鉄の平衡酸素分圧が測定してあり、酸化鉄活量を知りた いスラグの平衡酸素分圧を測定すればそのスラグの持つ酸化鉄活量を求めること ができる。このようにしてスラグ中の酸化鉄活量を知ることにより、製品にとっ てあまり好ましくない燐や硫黄の反応を推測することが可能となった。
【0006】 また本出願人は同出願において、鉄ルツボcとして、測定対象試料以外の不純 物が混入することを避けるために各測定終了毎に廃棄する、いわゆる消耗型の鉄 ルツボを提案し、その具体的構成として消耗型ルツボの内部に予め特定金属を溶 融固化しておくことで、毎回の測定作業時に特定金属を収容することを不要とな し、このことによって、特定金属の入れ忘れをなくするとともに測定作業の効率 化を促進することも提案した。
【0007】 更に当該装置による酸素活量の測定精度を維持するために、酸素活量が既知で ある物質を校正物質として用い、この校正物質をスラグの代わりに鉄ルツボ内に 入れることによって定期的に計器類を校正することも提案した。
【0008】 また実願平3−5141号及び特願平3−181948号では、上記測定方法を適用する にあたって、様々な工夫を凝らした具体的装置も提案している。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
ところでこのような本出願人が既に提案したスラグ中の酸素活量測定装置にお いては、ルツボとして鉄ルツボを用いている。これは、鉄ルツボは導電性を有す ることから電極としての機能を担わせることができることと、鉄ルツボが工業的 に安価に提供できることの理由によっている。
【0010】 上記測定装置は、その原理からも明らかなように、製鋼スラグに限定されるこ となく、非鉄金属やガラス等の非金属の精錬過程において生成されるスラグ中の 酸素活量の測定にも適用できるはずである。ところが、上記装置をこのようなス ラグ測定に適用した場合、測定結果に誤差が生じ、高精度な測定が不可能となる ことがわかった。
【0011】 本考案者は、この原因について検討した結果、次の結論に達した。即ち、ルツ ボからは微量ではあるものの、ルツボ構成素材が測定対象であるスラグ中に溶出 したり、ルツボ構成素材がスラグと反応したりしている。そして、この溶出する 成分や反応後に生成される成分が、測定対象であるスラグ中に本来存在しない成 分であったり、あるいは本来極微量にしか存在しない成分であった場合、スラグ の成分構成に無視できない影響を与えることが予想される。また、反応時にスラ グ中の酸素を消費する場合にはスラグ中の酸素活量に影響することになる。 ルツボが鉄ルツボであって、測定対象であるスラグが製鋼スラグである場合、 製鋼スラグ中には元々多量の鉄分が存在するため、鉄ルツボから溶出した鉄分や 当該鉄分とスラグとの反応による影響はほとんどないが、測定スラグが非鉄精錬 過程における生成スラグである場合、このスラグ中には鉄分や酸化鉄は本来極微 量にしか存在せず、したがってこのようなスラグに鉄分が溶出したり酸化鉄が生 成されたりするとスラグ中の酸素活量が大きく変動することになる。このように 、非鉄精錬過程で生成されるスラグを測定対象とする場合、従来形態の鉄ルツボ は使用に適さず、これに代わるルツボを開発する必要があることがわかる。
【0012】 本考案はかかる現況に鑑みてなされたものであり、非鉄精錬過程において生成 されるスラグ中の酸素活量を高精度に測定するのに適した消耗型ルツボを提供せ んとするものである。
【0013】
【課題を解決する為の手段】
本考案者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、次の着想を得た。即ち、 電極機能を担わせることができる充分な導電性を有し、且つ熱伝導、加工性にも 優れ、しかも工業的に安価に提供できるという鉄ルツボの利点を生かしながら、 鉄ルツボからの鉄分の溶出を防止するには、スラグの存在範囲に位置する鉄ルツ ボ内面、即ちスラグと接触する鉄ルツボ内面に鉄分の溶出及び鉄ルツボとスラグ との反応を防止する遮断層を設ければよいことに気がついた。そして、この遮断 層の素材としては、スラグと反応しない物質、即ち対スラグ非反応性物質を選択 すれば目的を達成できることに気付いた。また、鉄ルツボは電極としての機能も 担っていることから、ルツボ内の特定金属とは少なくとも電気的に接続されてい なければならない。したがって鉄ルツボと特定金属との接触部も設けておく。 そして、このような着想を更に発展させれば、鉄ルツボに代えて他の金属ルツ ボを用いることも可能であり、特に金属ルツボの素材を精錬対象金属と同種のも のとすれば、スラグ中の酸素活量の測定精度をより高めることも期待できる。
【0014】 このような着想に基づいて完成された本考案の消耗型ルツボは次の内容を有す る。 即ち、当該消耗型ルツボは、金属製外容器と、その内面に配置された対スラグ 非反応性物質より形成された遮断層とから構成されており、且つ当該遮断層はス ラグの下層に位置する特定金属と金属製外容器との部分的接触箇所を残しながら 金属製外容器内面における少なくともスラグが接触する範囲全体に配置されてい ることを特徴としている。
【0015】 消耗型ルツボの具体的態様は様々であるが、例えば、外径が金属製外容器の内 径にほぼ一致した無底筒体、又は外径が金属製外容器の内径にほぼ一致するとと もに底部に透孔を形成した有底筒体をスラグと反応しない物質を用いて形成し、 これら筒体を金属製外容器に内嵌したものや、あるいは金属製外容器内底部の一 部を残して金属製外容器内面に対スラグ非反応性物質を塗布、コーティング又は 溶射した形態のもの等が採用可能である。
【0016】 また、遮断層の素材としては、測定対象であるスラグの酸素活量に大きな変化 を与えないもの、即ちスラグの構成成分に近いものを用いることが好ましく、例 えば、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、二酸化硅素、安 定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア又はムライトのうちから選んだ一種又は 複数種を主要材料となした物質等が使用可能である。
【0017】 更に、鉄ルツボに代えて、ルツボ本体を精錬対象金属と同種の金属を用いて作 成することもできる。
【0018】
【作用】
このような構成の消耗型ルツボを用いたスラグ中の酸素活量の測定は次のよう にして行われる。金属製外容器の内面所定範囲に遮断層を配置した本ルツボ内に 、先ず不活性雰囲気下で純銀等の特定金属を押し込み設置したのち、この上に測 定すべきスラグを投入する。 次いでこのルツボを不活性ガスを充満させた溶解炉内に収納してルツボを加熱 し、スラグ及び特定金属を溶融させる。 続いて標準極を内装した一端閉管型の固体電解質を、溶融状態となったスラグ 層を通過させて特定金属内に浸漬させ、対照極を兼ねた金属製外容器と標準極間 の起電力を測定することによって特定金属中の酸素活量を測定し、この値からス ラグ中の酸素活量を求めるものである。
【0019】 金属製外容器内面におけるスラグの存在範囲には、遮断層が存在しているから 、金属製外容器の構成素材がスラグ中に溶出したり、又はスラグと反応したりす ることはなく、また遮断層自体は溶出した場合でもスラグの酸素活量に影響を及 ぼさない素材より形成されているから、スラグ中の酸素活量は測定時間中、変化 することなく安定した状態を維持できる。また、特定金属と金属製外容器とは部 分的に接触しているから、固体電界質と金属製外容器間には電気的閉回路が形成 され、スラグ中の酸素活量に応じた起電力が発生する。
【0020】
【実施例】
次に本考案の詳細を実施例に基づき説明する。本考案の消耗型ルツボがセッテ ィングされる酸素活量測定装置の基本的態様は、図1で示される。当該装置は消 耗型ルツボ1以外の構成は図6として示した従来装置と同じである。即ち、集光 型加熱炉a内に不活性ガスを充満させた反応管bが垂設され、該反応管b内にお ける加熱部に、消耗型ルツボ1を、支持台を兼ねた金属製の外套管d上に着脱可 能に載置するとともに、該外套管d内には測温用の熱電対eを、その感温部を前 記消耗型ルツボ1の下面に近接させた状態で配置した構成である。
【0021】 消耗型ルツボ1内には特定金属Mを、測定対象であるスラグSと一緒に溶融状 態で収容している。特定金属Mは不活性雰囲気下において金属製外容器2の素材 と合金を作らないとともに酸化物を生成しにくく且つスラグSよりも比重の重い 素材が選択されるもので、例えば純銀などが用いられる。特定金属Mは溶融状態 で収容する以外にも、板状あるいは線状となしたものをルツボ内に押し込み設置 しておき、加熱によって溶融させてもよい。
【0022】 そして測定に際しては、集光型加熱炉aの加熱により溶融状態となした特定金 属M及びスラグS内に、標準極を内装した固体電解質fを浸漬し、対照極を兼ね た消耗型ルツボ1と前記標準極間の起電力を計器gによって測定するとともに計 器hによって熱電対eの熱起電力を測定することによって、スラグS中の酸素活 量を実測するものである。
【0023】 本考案の特徴は消耗型ルツボ1の構成にあり、消耗型ルツボ1を金属製外容器 2と、その内面に配置されたスラグSと反応しない物質より形成された遮断層3 とから構成したことを特徴としている。 金属製外容器2の素材選択の基準としては、電極として利用しうる導電性を有 し、且つスラグSや特定金属Mよりも高い融点を有し、更に加工が容易であるこ とを条件にして選択される。鉄はこれら全ての条件を満足するうえに、工業的に 安価に供給できる材料でもあることから、一般的には金属製外容器2としては既 存の鉄ルツボを用いるものである。尚、金属製外容器2からの鉄成分の溶出や鉄 分とスラグとの反応を完全になくす観点からは、金属製外容器2として非鉄金属 を用いることも考慮されるが、金属製外容器2は遮断層3によってスラグSと非 接触状態に設定されており、金属製外容器2と接触するのは特定金属Mだけであ るので、金属製外容器2の素材として鉄を用いたとしても、測定精度に対する大 きな誤差原因とはならない。しかしながら、金属製外容器2の素材に、測定対象 スラグ中に多量に存在する金属成分、即ち精錬対象金属と同種の金属を用いるこ ととすれば、より測定誤差が少なくなることはいうまでもなく、例えば、精錬対 象金属がニッケルである場合は金属製外容器2の素材もニッケルを用い、また精 錬対象金属がクロムである場合は金属製外容器2の素材もクロムを用い、更に、 精錬対象金属が銅や青銅である場合は金属製外容器2の素材も銅や青銅を用いる こととすれば、より測定精度を向上させることができる。
【0024】 遮断層3の素材としては、スラグ中の酸素活量に影響を与えにくい物質が用い られる。スラグ中の酸素活量に影響を与えにくい物質とは、スラグと反応したり 、合金を生成したりしない物質であり、主として金属酸化物や窒化物、炭化物等 に代表されるセラミックスが採用でき、より具体的には酸化アルミニウム、酸化 カルシウム、酸化マグネシウム、二酸化硅素、安定化ジルコニア、部分安定化ジ ルコニア又はムライトのうちから選んだ1種又は複数種を主要材料となした物質 等が採用できる。これら物質は一般的に、スラグS中に大量に存在する物質であ ることから、当該物質がスラグS中や特定金属M中に溶出したとしてもスラグS の酸素活量に大きな変化を与えることはなく、またこれら物質は極めて安定であ って、これ以上酸素と結合したりスラグと反応したりすることはないから、スラ グ中の酸素活量に影響を与えることもない。 尚、スラグの成分構成に対応させて遮断層3の材質をより具体的に特定するこ とはより好ましい例である。
【0025】 遮断層3の具体的な形状としては様々な形態が採用可能であり、例えば図2( イ),(ロ)に示すように金属製外容器2の内径r1にほぼ一致するかあるいは やや小さめの外径r2を有する筒状遮断材3aを形成し、これを金属製外容器2 に内嵌する構成等が採用可能である。ここで筒状遮断材3aの外径r2を金属製 外容器2の内径r1よりも小さく設定したのは、金属の熱膨張率がセラミックス よりも大きいことを考慮して、加熱時にセラミックス製の筒状遮断材3aが割れ ないように配慮したためである。
【0026】 筒状遮断材3aはスラグSと金属製外容器2との接触を遮断することが目的で あるから、その金属製外容器2の深さ方向における配置範囲も、少なくともスラ グSの存在範囲をカバーしていれば充分であり、したがって図3に示す如く、金 属製外容器2の深さ方向途中までの短い筒状遮断材3bを用いることも可能であ る。この場合、特定金属Mは金属製外容器2内面と広範囲にわたって接触するこ とになるが、特定金属Mとしては、不活性雰囲気下においてルツボの金属素材と 合金を作らないとともに酸化物を生成しにくい金属を用いていることから、特定 金属Mと金属製外容器2とはほとんど反応せず、したがって特定金属Mと金属製 外容器2との広範囲な接触が、スラグ中の酸素活量に影響を与えることはほとん どない。しかしながら、金属製外容器2がスラグ中の酸素活量に与える影響を、 より完全に排除しようとすれば、特定金属Mと金属製外容器2との接触範囲を狭 くするほうがより好ましいことはいうまでもない。
【0027】 図4として示すものが、この考え方に基づいた実施例であり、対スラグ非反応 性物質を用いて、底部中央に透孔4を有する有底容器3cを形成し、当該有底容 器3cを金属製外容器2に内嵌した場合である。底部中央に設けた透孔4は、金 属製外容器2と特定金属Mを電気的に接触させるためのものであって必須である が、その形成位置は底部中央に限定されず、ルツボ内面における特定金属Mの存 在範囲内であれば、適宜位置が採用される。
【0028】 以上述べたものは、セラミックス材料等を筒状あるいは有底容器状に成形した ものを、金属製外容器2に内嵌して遮断層3とした場合であったが、遮断層3の 形成方法としては他の方法も採用され、例えば、図5に示すように、セラミック ス材料等の対スラグ非反応性物質を、金属製外容器2内底部の一部を残して金属 製外容器2内面に塗布、コーティング又は溶射して膜層3dを形成し、この膜層 3dを遮断層3として用いることも考慮される。
【0029】 このようにして作成された消耗型ルツボ1は、従来の鉄ルツボと同様、図1に 示すように集光型加熱炉a内に垂設された反応管b内所定位置にセッティングさ れて使用される。また、消耗型ルツボ1の下面には熱電対eを配してルツボ温度 を監視し、また集光型加熱炉aの加熱により溶融状態となった特定金属M及びス ラグS内に標準極を内装した固体電解質fを貫通浸漬し、対照極を兼ねた金属製 外容器2と前記標準極間の起電力を計器gによって測定することによってスラグ Sの酸素活量を実測することも、従来と同様である。
【0030】 このように本考案では、消耗型ルツボ1を金属製外容器2と、その内面に配置 した遮断層3とから構成し、遮断層3の形成素材としてスラグと反応しない物質 を用いたので、非鉄金属やガラス等の非金属の精錬過程において生成されるスラ グ中の酸素活量の測定も高精度に行うことが可能となる。尚、本消耗型ルツボ1 が製鋼スラグ中の酸素活量測定にも使用できることはいうまでもない。
【0031】
【考案の効果】
本考案は、消耗型ルツボを、金属製外容器と、スラグの下層に位置する特定金 属と金属製外容器との部分的接触箇所を残しながら金属製外容器内面における少 なくともスラグが接触する範囲全体に配置した遮断層とから構成し、遮断層の素 材としてスラグと反応しない物質を用いたので、ルツボの電極機能を失わしめる ことなく、ルツボ素材のスラグ中への溶出及びルツボ素材とスラグとの反応を防 止することが可能となる。したがって、スラグ中の酸素活量の測定が高精度に行 えるようになり、特に、従来の鉄ルツボでは高精度測定が不可能であった非鉄金 属やガラス等の非金属の精錬過程において生成されるスラグ中の酸素活量の測定 を高精度に行うことが可能となる。
【0032】 また、金属製外容器として鉄ルツボを用いたときには、既存の安価な鉄ルツボ の内面に遮断層を配設するだけで、本考案対象である消耗型ルツボを提供できる 。また、金属製外容器の素材として精錬対象金属と同種の金属を用いた場合は、 金属製外容器の構成素材の特定金属への溶出並びに金属製外容器の構成素材と特 定金属との反応も完全になくすことができるので、より測定精度を高めることが できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸素活量測定装置内に本考案の消耗型ルツボ
をセッティングした状態を示す簡略説明図
【図2】 本考案の消耗型ルツボの一実施例であり、
(イ)は組み立て前の状態を示す斜視図、(ロ)は組み
立て後の断面図
【図3】 本考案の消耗型ルツボの他の実施例を示し、
遮断層として筒状遮断材を用いた場合の断面図
【図4】 本考案の消耗型ルツボの他の実施例を示し、
遮断層として有底容器を用いた場合の断面図
【図5】 本考案の消耗型ルツボの他の実施例を示し、
遮断層として塗布、コーティング又は溶射により形成し
た膜層を用いた場合の断面図
【図6】 酸素活量測定装置の基本構成と当該装置内に
セッティングされた従来の鉄ルツボを示す簡略説明図
【符号の説明】
S スラグ M 特定金属 1 消耗型ルツボ 2 金属製外容器 3 遮断層 3a 筒状遮断材 3b 筒状遮断材 3c 有底容器 3d 膜層 4 透孔 a 集光型加熱炉 b 反応管 c 鉄ルツボ d 外套管 e 熱電対 f 固体電解質 g 計器 h 計器

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスを充満させた溶解炉内に金属
    製のルツボが収容され、且つ当該ルツボ内には、不活性
    雰囲気下においてルツボの金属素材と合金を作らないと
    ともに酸化物を生成しにくい金属であって且つスラグよ
    りも比重の重い特定金属が測定対象であるスラグととも
    に溶融状態で収容され、前記特定金属内には標準極を内
    装した一端閉管型の固体電解質が浸漬され、対照極を兼
    ねたルツボと前記標準極間の起電力を測定してなるスラ
    グ中の酸素活量測定装置に用いる消耗型ルツボであっ
    て、 当該消耗型ルツボは、金属製外容器と、その内面に配置
    されたスラグと反応しない物質より形成された遮断層と
    から構成されており、且つ当該遮断層はスラグの下層に
    位置する特定金属と金属製外容器との部分的接触箇所を
    残しながら金属製外容器内面における少なくともスラグ
    が接触する範囲全体に配置されていることを特徴とする
    スラグ中の酸素活量測定装置に用いる消耗型ルツボ。
  2. 【請求項2】 外径が金属製外容器の内径にほぼ一致し
    た無底筒体、又は外径が金属製外容器の内径にほぼ一致
    するとともに底部に透孔を形成した有底筒体をスラグと
    反応しない物質を用いて形成し、当該筒体を遮断層とし
    て用いてなる請求項2記載のスラグ中の酸素活量測定装
    置に用いる消耗型ルツボ。
  3. 【請求項3】 金属製外容器内底部の一部を残して金属
    製外容器内面にスラグと反応しない物質を塗布、コーテ
    ィング又は溶射して金属製外容器内面に膜層を形成し、
    当該膜層を遮断層として用いてなる請求項1記載のスラ
    グ中の酸素活量測定装置に用いる消耗型ルツボ。
  4. 【請求項4】 酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸
    化マグネシウム、二酸化硅素、安定化ジルコニア、部分
    安定化ジルコニア又はムライトのうちから選んだ一種又
    は複数種を主要材料となした物質を用いて遮断層を形成
    してなる請求項1、2又は3記載のスラグ中の酸素活量
    測定装置に用いる消耗型ルツボ。
  5. 【請求項5】 金属製外容器の素材として精錬対象金属
    と同種の金属を用いてなる請求項1、2、3又は4記載
    のスラグ中の酸素活量測定装置に用いる消耗型ルツボ。
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