JPH0658307A - 方向制御弁の切換制御装置 - Google Patents

方向制御弁の切換制御装置

Info

Publication number
JPH0658307A
JPH0658307A JP21039092A JP21039092A JPH0658307A JP H0658307 A JPH0658307 A JP H0658307A JP 21039092 A JP21039092 A JP 21039092A JP 21039092 A JP21039092 A JP 21039092A JP H0658307 A JPH0658307 A JP H0658307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spool
stroke
control valve
actuator
port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21039092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3099538B2 (ja
Inventor
Tadakazu Nishikino
宰一 錦野
Hideo Arimitsu
秀雄 有光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP04210390A priority Critical patent/JP3099538B2/ja
Publication of JPH0658307A publication Critical patent/JPH0658307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3099538B2 publication Critical patent/JP3099538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型かつ低コストの構造で、操作装置の操作
量とスプールストロークとの関係を良好にする。 【構成】 戻りポート開口面積演算手段42は、ポンプ
流量センサ32及びモータ圧力センサ34,36の検出
結果に基づいて、実際に方向制御弁二次側流量が発生し
始めるときのRポート開口面積Arを演算し、ストロー
ク初期値演算手段44は上記開口面積Arに対応するス
プールストローク(すなわちストローク初期値So)を
設定する。指令信号検出手段46は、上記ストローク初
期値Soを考慮した補正済作動指令信号Scを作成し、
スプール作動制御用の電磁比例減圧弁51,52に出力
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧源とアクチュエー
タとの間に配された方向制御弁の切換を操作装置の操作
量に基づいて制御するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、操作装置の操作量に応じて方
向制御弁の切換制御が行われる油圧回路の従来例を示し
たものである。
【0003】同図において、80はメイン油圧ポンプ、
82はウインチ等の負荷84に接続された油圧モータ
(アクチュエータ)であり、この油圧モータ82と上記
メイン油圧ポンプ80との間に方向制御弁86が設けら
れるとともに、これを操縦するための操作装置90が設
置されている。
【0004】上記方向制御弁86は、移動可能なスプー
ルをもつ6ポート3位置の油圧パイロット切換弁で構成
され、その一次側ポートである2つのPポートが上記油
圧ポンプ80に接続され、Tポートがタンク88に接続
されている。また、二次側ポートであるAポート及びB
ポートが油圧モータ82に接続され、Rポートが上記タ
ンクに接続されている。上記スプールは、上記操作装置
90の操作に伴ってパイロット圧が与えられることによ
り、一方のPポートとRポートとを連通しかつTポート
とAポート及びBポートとを連通する位置(図の中央位
置)から、他方のPポートとAポートとを連通しかつB
ポートとRポートとを連通する位置(図の左位置)、も
しくはPポートとBポートとを連通しかつAポートとR
ポートとを連通する位置(図の右位置)へ連続的に移動
するように構成されている。
【0005】操作装置90は、操作レバー90aと、パ
イロット用ポンプ94に接続され、上記操作レバー90
aの操作により作動する一対の制御弁91,92とを備
え、上記操作レバー90aの操作量及び操作方向に応じ
たパイロット圧を上記方向制御弁86に供給するように
構成されている。
【0006】図12は、上記図9における中央位置から
左位置へ向かう方向制御弁86のスプールストロークと
開口面積との関係を示したものである。図示のように、
各ポートを連通するスプールの開口面積は、スプールス
トロークと一定の関係にあり、上記操作装置90の操作
で方向制御弁86のスプールストロークを変えることに
より、油圧モータ82の駆動速度及び駆動方向を調節で
きることがわかる。
【0007】しかしながら、上記スプールストローク及
び開口面積が一定であっても、油圧モータ82側に流れ
る作動油の流量は、方向制御弁86の一次側流量(ポン
プ側流量)及び二次側の負荷圧(油圧モータ82の負荷
圧)によって異なり、また、これら一次側流量及び二次
側負荷圧によって、方向制御弁86二次側に流量が発生
し始めるスプールストロークが異なることが知られてい
る。このように、運転状況に応じて始動時のスプールス
トロークが異なると、操作性を大きく損なうことにな
る。また始動までのスプールストロークが長いと、残り
のストローク、すなわち最大操作量に達するまでのスト
ロークに余裕がなくなり、操作装置90の微操作が困難
になる。
【0008】そこで従来は、上記方向制御弁86に図1
3に示すような流量制御弁96を付設することにより、
スプールストロークと二次側流量との関係を一定化する
ことが図られている。図示の流量制御弁96は、方向制
御弁86をバイパスするバイパス通路98の途中に設け
られており、方向制御弁86の一次側圧力及び二次側圧
力を取込み、前者が後者よりも設定圧以上高くなった場
合にその圧力差に応じた量の作動油をバイパス通路98
を通じてタンク側に逃がすように構成されている。
【0009】このような装置によれば、方向制御弁86
のスプールが例えば図の中央位置から左位置へ漸次的に
移動する際、メイン油圧ポンプ80(図11)からの作
動油流量(一次側流量)が小さい場合には、方向制御弁
86における圧損も小さいため、方向制御弁86の一次
側圧力と二次側圧力との差が小さく、よって作動油がバ
イパスされないのに対し、メイン油圧ポンプ80からの
上記一次側流量が大きい場合には、方向制御弁86にお
ける圧損が大きく、その一次側圧力と二次側圧力との差
が大きくなるため、これによって流量制御弁96が作動
することにより、余剰の作動油がバイパス通路98を通
じてタンク側に逃がされることになる。従って、方向制
御弁86の一次側流量にかかわらずスプールストローク
と二次側流量との関係を略一定に保つことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記流量調節弁96を
設置するためには、それ専用のブロックを設ける必要が
あり、弁全体の大型化及び装置のコスト高は免れ得な
い。また、複数個の油圧モータ等のアクチュエータにそ
れぞれ独立して方向制御弁86及び流量制御弁96を設
け、これらの弁を用いて各アクチュエータを同期させよ
うとする場合、流量制御弁96の性能のバラツキのため
に正確に同期させることが困難となる。また、機械的な
構造のため、その調整が容易でないという不都合があ
る。
【0011】本発明は、このような事情に鑑み、弁の大
型化及びコスト高を伴うことなく、アクチュエータ操縦
に際しての操作性を高めることができ、また、複数のア
クチュエータを良好に同期させることも可能な方向制御
弁の切換制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、油圧源に接続
される油圧源側ポートと、戻り通路側に接続される戻り
側ポートと、アクチュエータの入口側に接続されるアク
チュエータ入口側ポートと、アクチュエータの出口側に
接続されるアクチュエータ出口側ポートと、スプールと
を有し、このスプールの移動により、上記ポンプ側ポー
トが上記戻りポートに連結される中立状態から上記ポン
プ側ポートがアクチュエータ入口側ポートに接続されか
つアクチュエータ出口側ポートが戻りポートに接続され
る駆動状態へ連続的に切換えられる方向制御弁を、操作
装置の操作量に基づいて切換制御するための方向制御弁
の切換制御装置であって、上記方向制御弁のポンプ側流
量を検出する流量検出手段と、上記アクチュエータの入
口圧力を検出する入口圧力検出手段と、上記アクチュエ
ータの出口圧力を検出する出口圧力検出手段と、上記流
量及び圧力の検出値に基づいて上記アクチュエータ側に
流量が発生し始める時のスプールストロークであるスト
ローク初期値またはこれに関する値を演算し、上記操作
装置の操作量が予め設定された量に達した時のスプール
ストロークが上記ストローク初期値になるように上記操
作装置の操作量に基づくスプールの作動指令信号を補正
する補正演算手段と、この補正済作動指令信号に基づい
て上記スプールの作動制御を行う作動制御手段とを備え
たものである(請求項1)。
【0013】また本発明では、上記出口圧力検出手段の
代わりに、上記戻り通路側の圧力を検出する戻り圧力検
出手段を備えるようにしてもよい(請求項3)。
【0014】さらに、上記各装置において、実際のスプ
ールストロークを検出するストローク検出手段を備える
とともに、上記作動制御手段に、上記ストローク検出手
段によるストローク検出値と上記補正済作動指令信号と
の比較に基づいて実際のスプールの作動制御を行うため
のフィードバック制御信号を演算するフィードバック演
算制御手段を設けることにより、後述のようなより優れ
た効果が得られる(請求項2,4)。
【0015】
【作用】上記構成によれば、方向制御弁の一次側流量と
アクチュエータの出入口圧力(請求項1)、もしくは方
向制御弁の一次側流量とアクチュエータの入口圧力及び
戻り通路側の圧力(請求項3)に基づき、上記方向制御
弁の二次側すなわちアクチュエータ側に流量が発生し始
める時のスプールストロークすなわちストローク初期値
が演算される。そして、上記操作装置の操作量が予め設
定された量に達した時のスプールストロークが上記スト
ローク初期値になるような補正済指令信号が演算され、
この信号に基づいて上記スプールの駆動制御が行われる
ことにより、方向制御弁の一次側流量やアクチュエータ
の負荷圧にかかわらず、アクチュエータ側に流量が発生
し始める時の操作装置操作量が一定に保たれる。
【0016】より具体的に、請求項2,4記載の装置に
よれば、上記補正済指令信号と、ストローク検出手段に
よる実際のスプールストローク検出値との比較に基づい
て、フィードバック制御信号が演算され、この信号によ
り実際のスプール作動制御が実行される。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図6に基づいて
説明する。
【0018】図2に示す油圧回路は、油圧源である油圧
ポンプ10と、アクチュエータである油圧モータ12と
を備え、油圧モータ12は油圧ウインチや旋回ブームと
いった負荷14に接続されている。そして、この油圧モ
ータ12と上記油圧ポンプ10との間に方向切換弁16
が設けられている。
【0019】この方向制御弁16は、移動可能なスプー
ルをもつ6ポート3位置の油圧パイロット切換弁で構成
され、2つのPポート(油圧源側ポート)がライン1
8,19を介して上記油圧ポンプ10に接続され、Tポ
ートがライン24を介してタンク26に接続されてい
る。また、Aポート及びBポート(アクチュエータ入口
側ポート及びアクチュエータ出口側ポート)がそれぞれ
ライン21,22を介して油圧モータ12に接続され、
Rポートがライン28及び上記ライン24を介して上記
タンク26に接続されている。この方向制御弁16のス
プールは、後述のようにしてパイロット圧が与えられる
ことにより、一方のPポートとRポートとを連通しかつ
TポートとAポート及びBポートとを連通する位置(図
の中央位置)から、他方のPポートとAポートとを連通
しかつBポートとRポートとを連通する位置(図の左位
置)、もしくは他方のPポートとBポートとを連通しか
つAポートとRポートとを連通する位置(図の右位置)
へ連続的に移動するように構成されている。
【0020】なお、図において30はライン18とライ
ン24との間に設けられたメインリリーフ弁である。
【0021】上記ライン18には、上記方向制御弁16
の一次側流量すなわちポンプ側流量Qpを検出するポン
プ流量センサ32が設けられ、ライン21,22には、
アクチュエータである油圧モータ12の入口圧力及び出
口圧力である圧力Pa,Pbを検出するアクチュエータ
圧力センサ34,36が設けられている。これらのセン
サ32,34,36の検出信号は、コントローラ40に
入力されるようになっている。
【0022】このコントローラ40には、操作装置38
が接続されている。この操作装置38は、操作レバー3
9を備え、この操作レバー39の操作方向及び操作量S
aに応じた作動指令信号をコントローラ(補正演算手
段)40に入力するように構成されている。
【0023】コントローラ40は、図1に示すように、
戻りポート開口面積演算手段42、ストローク初期値演
算手段44、及び指令信号補正手段46を備えている。
【0024】戻りポート開口面積演算手段42は、ポン
プ流量センサ32で検出されたポンプ側流量Qpと、モ
ータ圧力センサ34,36で検出された油圧モータ出入
口圧力Pa,Pbとに基づき、これらの流量及び圧力で
の運転条件下において方向制御弁16の二次側(油圧モ
ータ12側)に初めて流量が発生するときのRポートの
開口面積を演算するものである。
【0025】その原理を以下に説明する。なお、以下の
説明では、モータ圧力センサ34が油圧モータ12の入
口側となる場合(すなわち方向制御弁16が図の左位置
に切換えられる場合)について説明する。
【0026】まず、上記方向制御弁16において流量が
発生しているときの状態をモデル化すると図3(a)に
示すようになるが、さらにこれを展開すると同図(b)
のようになる。なお、同図においてPp,PrはPポー
ト及びRポートにおける圧力、Qa,Qb,QrはAポ
ート、Bポート、Rポートにおける流量、Aa,Ab,
ArはAポート、Bポート、Rポートの開口面積を示
す。このモデルにおいて、Aポート、Bポート、及びR
ポートでの各絞り部を通過する流体の状態方程式は次の
(1)式の通りである。
【0027】
【数1】
【0028】一方、図3(b)のモデルでは次の関係式
が成立する。
【0029】
【数2】
【0030】ここで、(3),(4)の関係式に(1)の方程式
とQa=Qbの条件式を適用すると、次の(5)式が得ら
れる。
【0031】
【数3】
【0032】この(5)式に上記(2)式を代入してQrを消
去すると次の(6)式が得られる。
【0033】
【数4】
【0034】この関係式に基づいて流量Qaを解析した
結果を図4,5に示す。図4は、ポンプ側流量Qpを一
定とし、モータ出入口圧力差Pe(=Pa−Pb)を変
化させたときの解析結果を示し、図5は、モータ出入口
圧力差Peを一定とし、ポンプ側流量Qpを変化させた
ときの解析結果を示している。これらの図から、モータ
側に流量が発生し始める時のスプールストロークはポン
プ側流量Qpやモータ出入口圧力差Peによって大きく
変化することがわかる。
【0035】上記(6)式に話を戻す。この式において、
実際にモータ側の流量が発生する瞬間の状態ではQa=
0であるので、この条件を(6)式に代入し、変形すると
次の(7)式が得られる。
【0036】
【数5】
【0037】従って、この(7)式と上記各検出値Qp,
Pa,Pbに基づき、油圧モータ12側への流量すなわ
ち方向制御弁16の二次側流量が初めて発生する時のR
ポートの開口面積Arを演算することができる。
【0038】ストローク初期値演算手段44は、上記開
口面積Arと実際のスプールストロークSとの関係をA
r−Sテーブル48として記憶し、上記戻りポート開口
面積演算手段42で演算された開口面積Arに対応する
スプールストローク、すなわちモータ側流量が発生し始
める時のスプールストロークであるストローク初期値S
oを演算するものである。
【0039】指令信号補正手段46は、操作装置38に
おけるレバー操作量Saに基づくスプール作動指令信号
を、上記ストローク初期値Soと、予め設定された操作
装置不感帯最大値Saoとに基づいて補正し、新たな補正
済作動指令信号Scを作成するとともに、これを電磁比
例減圧弁51,52に出力するものである。この補正済
作動指令信号Scは、レバー操作量Saの最大値をSma
xとすると、次式に基づいて演算される。
【0040】
【数6】
【0041】すなわち、この指令信号補正手段46にお
いて補正済作動指令信号Scは、図6に実線61で示さ
れるように、実際の操作装置操作量Saが上記不感帯最
大値Sao未満での領域では0に、実際の操作装置操作量
Saが上記不感帯最大値Saoに達した時点ではストロー
ク初期値Soに、実際の操作装置操作量Saが上記不感
帯最大値Saoを上回る領域では上記ストローク初期値S
oから操作量最大値Smaxまで線形的に増加する値に設
定される。
【0042】上記電磁比例減圧弁(作動制御手段)51,
52は、図略のパイロット用油圧源に接続されており、
上記補正済作動指令信号Scのスプールストロークが得
られるパイロット圧を上記方向制御弁16に供給するも
のである。
【0043】次に、この装置の作用を説明する。
【0044】まず、操作装置38の操作レバー39が中
立位置にある状態、すなわち操作レバー39の操作量S
aが0の状態では、コントローラ40から出力される補
正済作動指令信号Scも0であるため、方向制御弁16
にはパイロット圧が与えられず、方向制御弁16は中立
位置を保つ。
【0045】この状態から操作レバー39の操作を開始
すると、その操作量Saが予め定められた不感帯領域内
すなわち不感帯最大値Sao未満の領域にある間は、補正
済作動指令信号Scは0のままであり、従って方向制御
弁16は作動しないが、操作量Saが上記不感帯最大値
Saoに達すると、ストローク初期値Soに等しい補正済
作動指令信号Scが出力される。そして、この信号に応
じたパイロット圧が電磁比例減圧弁51(または52)
から方向制御弁16に与えられることにより、方向制御
弁16のスプールが作動する。
【0046】このスプールのストロークは、上記戻りポ
ート開口面積演算手段42及びストローク初期値演算手
段44により演算されたストローク初期値Soと等しい
ので、ポンプ側流量やモータ圧力差にかかわらず、この
時点から直ちに方向制御弁16の二次側(すなわちモー
タ側)に流量が発生し、油圧モータ12が作動を始め
る。その後は、実際の操作量Saに比例してパイロット
圧も高められ、これに伴って方向制御弁16の二次側流
量も増加する。
【0047】以上のように、この装置では、モータ圧力
差(Pa−Pb)及びポンプ側流量Qpに基づいて、方
向制御弁16の二次側流量が初めて発生する時のスプー
ルストローク(ストローク初期値So)を演算してお
き、上記モータ圧力差(Pa−Pb)及びポンプ側流量
Qpにかかわらず、実際の操作量Saが不感帯最大値S
aoに達した時点でスプールストロークが上記ストローク
初期値Scになるように作動指令信号の補正を行うよう
にしたものであるので、運転条件に関係なく、方向制御
弁16の二次側流量が発生し始める操作装置38の操作
量Saを常に一定値Saoにすることができ、これにより
操作装置38の操作性を大幅に向上させることができ
る。
【0048】すなわち、上記補正を行わず、実際の操作
装置操作量Saと等しい値に作動指令信号Scを設定し
た場合、この関係は図6の実線62に示されるようにな
り、従って、操作レバー39を実際に図示の操作量S
a′まで操作しなければ方向制御弁二次側流量は発生し
ないことになるが、この実施例装置では、一次側流量、
モータ圧力に関係なく、操作量Saが予め設定した不感
帯最大値Saoに対応した時点で確実に二次側流量を発生
させることができる。
【0049】しかも、前記図13に示した流量制御弁9
6を設ける場合のように、弁の大型化を招くことがな
く、また、油圧モータ制御用のコントローラ40等を利
用して低コストの構造で上記効果を得ることが可能であ
る。さらに、複数の油圧モータ12にそれぞれ別個の方
向制御弁16及び油圧モータを接続しても、各油圧モー
タ12を良好に同期して作動させることが可能である。
【0050】次に、第2実施例を図7,8に基づいて説
明する。この実施例では、前記第1実施例における各セ
ンサ32,34,36に加え、戻り通路であるライン2
4に戻り圧力センサ(戻り圧力検出手段)53が設けら
れている。そして、この戻り圧力センサ53で検出され
る戻り圧力Prと、ポンプ流量センサ32で検出される
ポンプ側流量Qpと、モータ圧力センサ34,36のう
ち油圧モータ12の入口側に該当するセンサ(例えば方
向制御弁16が図の左側に切換えられる場合にはモータ
圧力センサ34)により検出されるモータ入口圧力Pa
とに基づいて、前記第1実施例で示した戻りポート開口
面積演算手段42により、方向制御弁16の二次側流量
が発生し始めるRポートの開口面積Arが演算され、以
下、前記第1実施例と同様の制御動作が行われるように
なっている。
【0051】その演算の原理を以下に説明する。なお、
以下の説明では、モータ圧力センサ34が油圧モータ1
2の入口側となる場合(すなわち方向制御弁16が図の
左位置に切換えられる場合)について説明する。
【0052】まず、上記方向制御弁16において流量が
発生しているときの状態は、図8のようにもモデル化す
ることができる。このモデルにおいても、前記(2),(3)
式のような関係式が成立するので、(3)式に前記(1)式の
基礎方程式を適用すると、次の(10)式が得られる。
【0053】
【数7】
【0054】この(10)式に上記(2)式を代入してQrを
消去すると次の(11)式が得られる。
【0055】
【数8】
【0056】この式において、実際にモータ側の流量が
発生する瞬間の状態ではQa=0であるので、この条件
を(11)式に代入し、変形すると次の(12)式が得られる。
【0057】
【数9】
【0058】従って、この(12)式と上記各検出値Qp,
Pa,Prに基づき、油圧モータ12側への流量すなわ
ち方向制御弁16の二次側流量が初めて発生する時のR
ポートの開口面積Arを演算することができる。
【0059】なお、この実施例では油圧モータ12の正
転、逆転のいずれの時においても油圧モータ12の入口
圧力を検出できるように2つのモータ圧力センサ34,
36が設けられているが、例えば方向制御弁16に2位
置切換弁が用いられ、アクチュエータが一方向しか駆動
されないような場合には、その入口側にのみ単一の圧力
センサを設ければ足りる。
【0060】次に、第3実施例を図9,10に基づいて
説明する。
【0061】この実施例では、前記第1実施例における
装置において、方向制御弁16における実際のスプール
ストロークを検出するスプールストロークセンサ(スト
ローク検出手段)54を備え、その検出値に基づいてス
プールをフィードバック制御するようにしている。
【0062】具体的に、この実施例におけるコントロー
ラ40は、図10に示すようなフィードバック演算制御
手段49を備えている。このフィードバック演算制御手
段49は、上記指令信号補正手段46から出力される補
正済作動指令信号Scとスプールストロークセンサ54
によるストローク検出値Ssとのストローク偏差ΔSに
基づき、フィードバック制御信号Sfbを演算し、上記電
磁比例弁51,52に出力してその実際の制御を行うよ
うにしている。
【0063】このような装置によれば、上記フィードバ
ック制御の実行により、電磁比例減圧弁51,52のヒ
ステリシス、不感帯、出力の非線形性等の影響をなくす
ことができ、これによりさらに高精度の制御を行うこと
ができ、これによってさらに良好な操作性を得ることが
できる。なお、この第3実施例に示すフィードバック制
御は、前記第2実施例に示す装置にも同様に適用するこ
とが可能である。
【0064】また、本発明は以上の実施例に限定される
ものでなく、例として次のような態様をとることも可能
である。
【0065】(1) 本発明ではアクチュエータの種類を問
わず、上記油圧モータの他、油圧シリンダ等の各種アク
チュエータに接続される方向制御弁について本発明を適
用することができる。
【0066】(2) 本発明が適用される方向制御弁は、上
記のような6ポート3位置の切換弁に限らず、そのスプ
ールの移動により、PポートがRポートに連通される中
立状態からPポートがアクチュエータ入口側ポートに接
続される駆動状態へ連続的に切換えられるものであれば
よい。また、その操作方式も上記のような油圧パイロッ
ト式に限らず、例えば電磁切換式や電磁油圧切換式のも
のに適用することも可能である。
【0067】(3) 上記不感帯最大値Saoは適当な値に設
定すればよく、ほぼ0に近い値に設定してもよい。この
場合には不感帯がほとんど存在せず、操作レバーを微小
量動かすだけで確実に方向制御弁16の二次側流量が発
生することになる。また、この不感帯最大値Saoを上回
る領域での実際の操作量Saと補正済作動指令信号Sc
との関係は上記のような比例関係に限らず、負荷14の
種類等に応じて適宜設定すればよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明は、方向制御弁の一
次側流量とアクチュエータの出入口圧力(請求項1)、
もしくは方向制御弁の一次側流量とアクチュエータの入
口圧力及び戻り通路側の圧力(請求項3)に基づき、上
記方向制御弁の二次側すなわちアクチュエータ側に流量
が発生し始める時のスプールストロークすなわちストロ
ーク初期値を演算し、操作装置の操作量が予め設定され
た量に達した時のスプールストロークが上記ストローク
初期値になるようにスプール作動指令信号を補正するよ
うにしたものであるので、従来のような流量制御弁を用
いることなく、小型でかつ低コストの構造で、方向制御
弁の二次側流量が発生し始める時の操作装置操作量を常
に一定に保つことができ、これにより操作装置の操作性
を大幅に向上させることができる効果がある。また、複
数のアクチュエータに個別に方向制御弁を接続する場合
に、各アクチュエータを良好に同期させて作動させるこ
ともできる。
【0069】さらに、請求項2,4記載の装置では、実
際のスプールストロークを検出してその検出値に基づき
スプールの作動をフィードバック制御するようにしてい
るので、電磁比例弁等のヒステリシス、不感帯、出力の
非線形性等の影響を受けなくなり、その分、より精度の
高い制御を行うことができ、操作性を高めることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるコントローラの機
能構成を示すブロック図である。
【図2】上記コントローラが接続される油圧回路の回路
図である。
【図3】(a)(b)は上記油圧回路における方向制御
弁の流れ状態を示すモデル図である。
【図4】ポンプ側流量を一定にしてモータ圧力差を変化
させた時のスプールストロークとアクチュエータ側流量
との関係の解析結果を示すグラフである。
【図5】モータ圧力差を一定にしてポンプ側流量を変化
させた時のスプールストロークとアクチュエータ側流量
との関係の解析結果を示すグラフである。
【図6】上記コントローラにおいて作成される補正済作
動指令信号を示すグラフである。
【図7】第2実施例における油圧回路の回路図である。
【図8】上記油圧回路における方向制御弁の流れ状態を
示すモデル図である。
【図9】第3実施例における油圧回路の回路図である。
【図10】上記油圧回路に接続されるコントローラの機
能構成を示すブロック図である。
【図11】従来の油圧回路の一例を示す回路図である。
【図12】上記油圧回路に設けられる方向制御弁のスプ
ールストロークと開口面積との関係を示すグラフであ
る。
【図13】流量制御弁が付設された方向制御弁を示す油
圧回路図である。
【符号の説明】
10 油圧ポンプ(油圧源) 12 油圧モータ(アクチュエータ) 16 方向制御弁 32 ポンプ流量センサ(流量検出手段) 34,36 モータ圧力センサ(モータ入口圧力検出手
段及びモータ出口圧力検出手段) 38 操作装置 40 コントローラ(補正演算手段) 49 フィードバック演算制御手段 51,52 電磁比例減圧弁(作動制御手段) 53 戻り圧力センサ(戻り圧力検出手段) 54 スプールストロークセンサ(ストローク検出手
段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧源に接続される油圧源側ポートと、
    戻り通路側に接続される戻り側ポートと、アクチュエー
    タの入口側に接続されるアクチュエータ入口側ポート
    と、アクチュエータの出口側に接続されるアクチュエー
    タ出口側ポートと、スプールとを有し、このスプールの
    移動により、上記ポンプ側ポートが上記戻りポートに連
    結される中立状態から上記ポンプ側ポートがアクチュエ
    ータ入口側ポートに接続されかつアクチュエータ出口側
    ポートが戻りポートに接続される駆動状態へ連続的に切
    換えられる方向制御弁を、操作装置の操作量に基づいて
    切換制御するための方向制御弁の切換制御装置であっ
    て、上記方向制御弁のポンプ側流量を検出する流量検出
    手段と、上記アクチュエータの入口圧力を検出する入口
    圧力検出手段と、上記アクチュエータの出口圧力を検出
    する出口圧力検出手段と、上記流量及び圧力の検出値に
    基づいて上記アクチュエータ側に流量が発生し始める時
    のスプールストロークであるストローク初期値またはこ
    れに関する値を演算し、上記操作装置の操作量が予め設
    定された量に達した時のスプールストロークが上記スト
    ローク初期値になるように上記操作装置の操作量に基づ
    くスプールの作動指令信号を補正する補正演算手段と、
    この補正済作動指令信号に基づいて上記スプールの作動
    制御を行う作動制御手段とを備えたことを特徴とする方
    向制御弁の切換制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方向制御弁の切換制御装
    置において、実際のスプールストロークを検出するスト
    ローク検出手段を備えるとともに、上記作動制御手段
    に、上記ストローク検出手段によるストローク検出値と
    上記補正済作動指令信号との比較に基づいて実際のスプ
    ールの作動制御を行うためのフィードバック制御信号を
    演算するフィードバック演算制御手段を設けたことを特
    徴とする方向制御弁の切換制御装置。
  3. 【請求項3】 油圧源に接続される油圧源側ポートと、
    戻り通路側に接続され側ポートと、アクチュエータの出
    口側に接続されるアクチュエータ出口側ポートと、スプ
    ールとを有し、このスプールの移動により、上記ポンプ
    側ポートが上記戻りポートに連結される中立状態から上
    記ポンプ側ポートがアクチュエータ入口側ポートに接続
    されかつアクチュエータ出口側ポートが戻りポートに接
    続される駆動状態へ連続的に切換えられる方向制御弁
    を、操作装置の操作量に基づいて切換制御するための方
    向制御弁の切換制御装置であって、上記方向制御弁のポ
    ンプ側流量を検出する流量検出手段と、上記アクチュエ
    ータの入口圧力を検出する入口圧力検出手段と、上記戻
    り通路側の圧力を検出する戻り圧力検出手段と、上記流
    量及び圧力の検出値に基づいて上記アクチュエータ側に
    流量が発生し始める時のスプールストロークであるスト
    ローク初期値またはこれに関する値を演算し、上記操作
    装置の操作量が予め設定された量に達した時のスプール
    ストロークが上記ストローク初期値になるように上記操
    作装置の操作量に基づくスプールの作動指令信号を補正
    する補正演算手段と、この補正済作動指令信号に基づい
    て上記スプールの作動制御を行う作動制御手段とを備え
    たことを特徴とする方向制御弁の切換制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の方向制御弁の切換制御装
    置において、実際のスプールストロークを検出するスト
    ローク検出手段を備えるとともに、上記作動制御手段
    に、上記ストローク検出手段によるストローク検出値と
    上記補正済作動指令信号との比較に基づいて実際のスプ
    ールの作動制御を行うためのフィードバック制御信号を
    演算するフィードバック演算制御手段を設けたことを特
    徴とする方向制御弁の切換制御装置。
JP04210390A 1992-08-06 1992-08-06 方向制御弁の切換制御装置 Expired - Fee Related JP3099538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04210390A JP3099538B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 方向制御弁の切換制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04210390A JP3099538B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 方向制御弁の切換制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0658307A true JPH0658307A (ja) 1994-03-01
JP3099538B2 JP3099538B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=16588543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04210390A Expired - Fee Related JP3099538B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 方向制御弁の切換制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3099538B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000004293A1 (fr) * 1998-07-15 2000-01-27 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Methode de commande d'engin de travaux et dispositif correspondant
CN105485080A (zh) * 2014-09-24 2016-04-13 中联重科股份有限公司 回转马达控制系统及其控制方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000004293A1 (fr) * 1998-07-15 2000-01-27 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Methode de commande d'engin de travaux et dispositif correspondant
EP1020648A1 (en) * 1998-07-15 2000-07-19 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Method and device for controlling work machine
US6401456B1 (en) * 1998-07-15 2002-06-11 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Method and device for controlling work machine
KR100397516B1 (ko) * 1998-07-15 2003-09-13 신갸타피라 미쓰비시 가부시키가이샤 작업기의 제어방법 및 그 제어장치
EP1020648A4 (en) * 1998-07-15 2006-03-01 Caterpillar Mitsubishi Ltd METHOD AND METHOD FOR CONTROLLING A MACHINE
CN105485080A (zh) * 2014-09-24 2016-04-13 中联重科股份有限公司 回转马达控制系统及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3099538B2 (ja) 2000-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0175959B1 (ko) 작업기계의 유압장치
JPH0586635A (ja) 油圧掘削機における作業油量切換制御装置
JPH11303147A (ja) 油圧駆動機械の制御装置
JPH0530251U (ja) 油圧掘削機における微操作モード切換装置
JPH0359227A (ja) 建設機械のポンプ吐出量制御システム
JP2613041B2 (ja) 油圧制御装置
JPH0276904A (ja) 油圧駆動装置及びその制御方法
JP3535667B2 (ja) 建設機械の油圧駆動装置
JPH0374605A (ja) 作業機シリンダの圧油供給装置
JPH0579502A (ja) 油圧建設機械
JPH0658307A (ja) 方向制御弁の切換制御装置
JP3344023B2 (ja) 作業機械の油圧制御装置
JP3075439B2 (ja) 方向制御弁の切換制御装置
JP2560291Y2 (ja) 可変容量型油圧ポンプの容量制御装置
JP2002265187A (ja) 旋回制御装置
JPH06280807A (ja) 油圧駆動機械の制御装置
JP3714713B2 (ja) 油圧制御装置
JPH06264901A (ja) 油圧制御装置
JP3175992B2 (ja) 油圧駆動機械の制御装置
JPH06117411A (ja) 建設機械の制御回路
JPH07293508A (ja) 油圧制御装置
JPH03292402A (ja) 多機能スプール弁
JPH03292403A (ja) 多機能弁
JP3248549B2 (ja) オートアクセル装置
JP2560290Y2 (ja) 可変容量型油圧ポンプの容量制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees