JP3714713B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械または建設機械等に搭載され、特に慣性の大きな負荷を駆動する油圧アクチュエータの制御に適する油圧制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧アクチュエータの速度あるいは負荷圧力を制御する油圧制御装置としては、例えば図11に示すようなものがある。
【0003】
この油圧制御装置では、流量圧力制御弁91により流量を制御する場合、比例電磁式流量圧力制御弁91の弁開度Xを検出する変位センサ92と、弁の出入口の圧力Pa、Pbを検出する圧力センサ93、94とに基づき、流量演算回路95が圧力センサ93、94の差圧(|Pa−Pb|)と変位センサ92の弁開度X(すなわち、開口面積)から通過流量Qを演算し、この流量Qが流量指令信号Qrに等しくなるように制御演算回路96が弁開度指令信号Xrを制御回路97へ指令し、制御回路97の指令信号Xrに基づいて図示しないソレノイドを励磁することにより流量圧力制御弁91は所定の弁開度に駆動される。この流量圧力制御弁91では、流量Qが流量指令信号Qrより小さければ弁開度Xを増大させる一方、流量Qが流量指令信号Qrより大きい場合には弁開度Xを減少させる。
【0004】
このような流量圧力制御弁91を流量制御ではなく、油圧アクチュエータの負荷圧力制御に使用する場合は、図12に示すように、流量圧力制御弁91の負荷側はオリフィスを介してタンクTに接続され、検出した出口圧Pbを制御演算回路96へフィードバックすることにより、出口圧Pbが圧力指令値Pbrより小さければ弁開度Xを増大させる一方、出口圧Pbが圧力指令値Pbrより大きい場合には弁開度Xを減少させる。このようにして、負荷圧力を圧力指令値Pbrに正確に一致させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の油圧制御装置においては、流量制御と圧力制御のどちらか一方を行うことはできるものの、流量制御と圧力制御を同時に行うことはできない。
【0006】
このため、例えば操作者からの流量指令値に基づいて流量制御がなされるとき、負荷圧力は適切なものに制御される訳ではないため、指令値の設定操作によっては油圧アクチュエータの起動時や停止時等に負荷圧力が過大となってしまったり、油圧アクチュエータの急激な加減速がなされることがあったりするなど、操作を著しく難しくしていた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目し、油圧アクチュエータの流入または流出流量を制御しつつ、負荷圧力をも適切に制御し得る油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図13に示すように、ポンプPから油圧の供給を受けて負荷を駆動する油圧アクチュエータ101と、この油圧アクチュエータ101に対してタンクT側とポンプP側を切り換え接続する三方制御弁102と、三方制御弁102の油圧アクチュエータ101側の負荷圧力を検出する負荷圧力検出手段103と、三方制御弁102のポンプP側の供給圧力を検出する供給圧力検出手段104と、三方制御弁102の開度を検出する開度検出手段105と、これらの検出信号から三方制御弁102を通過する同定流量を算出する同定流量算出手段106と、操作器の操作量が入力される操作器信号入力手段107と、前記操作量に基づいて三方制御弁102を通過する流量指令値を算出する流量指令値算出手段108と、前記同定流量と前記流量指令値との偏差に基づいて前記負荷圧力に対する圧力指令値を算出する圧力指令値算出手段109と、検出された前記負荷圧力と前記圧力指令値との偏差に基づいて三方制御弁102の開度指令値を算出する開度指令値算出手段110と、この開度指令値に基づいて三方制御弁102の弁スプールを駆動する弁スプール駆動手段111とを備え、前記開度指令値算出手段110は、前記同定流量と前記操作量とに応じて前記弁スプールの変位上限値及び変位下限値を算出して前記三方制御弁の前記開度指令値の範囲を制限する。
【0009】
【作用】
本発明では、操作器信号入力手段107に入力される操作器の操作量にしたがって、流量指令値算出手段108によって流量指令値が算出され、この流量指令値と、負荷圧力検出手段103、供給圧力検出手段104、開度検出手段105からの検出結果に基づいて同定流量検出手段106が算出する同定流量(三方制御弁102の通過流量)との偏差に基づいて、圧力指令値算出手段109によって圧力指令値が設定される。この圧力指令値に応じて開度指令値算出手段110が算出する開度指令値によって、弁スプール駆動手段111が三方制御弁の弁開度を制御する。このため、三方制御弁102の通過流量を操作器の操作量にしたがった適切なものに制御していながらも、負荷圧力をも適切な範囲内のものに制御し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1には、本発明の第1の実施の形態を示す。
【0012】
図示するように、油圧アクチュエータとして油圧シリンダ10が備えられ、これは、ポンプPの作動油の供給を受けて作動し、負荷Wを駆動する。この油圧シリンダ10への作動油の供給回路には、三方制御弁11が介装される。
【0013】
この三方制御弁11は、スプール15の変位に応じて弁ポジションa、b、c、dをとり得るようになっており、油圧アクチュエータ10に連通する負荷ポート3(以下、Cポート3と言う)を、タンクTに連通するタンクポート5(以下、Tポート5と言う)またはポンプPに連通するポンプポート7(以下、Pポート7と言う)に切り換え接続するものである。
【0014】
ここで、弁ポジションaは電源オフ時の弁ポジションであり、この弁ポジションでは、Cポート3、Tポート5、Pポート7はすべてブロックされる。したがって、三方制御弁11を通じての作動油の流れは生じず、Cポート3の負荷圧は保持され続ける。
【0015】
また、弁ポジションbは、油圧アクチュエータ10のメータアウト制御時に、油圧アクチュエータ10側からタンクT側へと作動油が戻されるときの弁ポジションである。この弁ポジションbでは、スプール15の摺動位置によりCポート3からTポート5への連通開口面積が調節され、Cポート3の圧力を制御し得るようになっている。
【0016】
また、弁ポジションcは油圧アクチュエータ10の中立状態における弁ポジションであり、電源オフではないものの油圧アクチュエータ10を一時的に停止させるようなときに用いられる。ここでは、Pポート5はブロックされると同時に、Cポート3とTポート5の間にはチェック弁13が介装され、Cポート3からTポート5への作動油の逆流が防止される。この結果、負荷圧は保持され、油圧アクチュエータ10は停止状態が保たれる。
【0017】
さらに、弁ポジションdは、油圧アクチュエータ10のメータイン制御時に、ポンプP側から油圧アクチュエータ10側に作動油が供給されるときの弁ポジションである。この弁ポジションでは、Pポート7からの作動油がチェック弁13を押し広げてCポート3へと流れ込み得るようになっている。また、Cポート3からTポート5に対してもオリフィス14を介してブリード流量が生じるようになっている。
【0018】
スプール15の左端部には、段付き部16が形成され、この段付き部16により小受圧面積室17と大受圧面積室18とが画成される。小受圧面積室17にはポンプPからの吐出圧が直接に伝達されるのに対して、大受圧面積室18にはパイロットバルブ21によりポンプ吐出圧を調整した調整圧が伝達され、これらの圧力による力と、スプリング19からの作用力とのバランスに応じてスプール15が変位するようになっている。
【0019】
さて、このように構成された三方制御弁11の開度(スプール15のストローク変位)は、ストロークセンサ23により検出される。また、圧力センサ25により油圧アクチュエータ10の負荷圧力が検出され、圧力センサ27によりポンプPの吐出圧が検出されるようになっている。
【0020】
コントローラ30にはこれらの検出結果が入力され、コントローラ30はこれらに基づいて三方制御弁11を通過する同定流量を演算する。また、コントローラ30には、操作者による操作器32の操作量に対応した操作信号も入力される。
【0021】
さらにコントローラ30では、このように算出された同定流量と、操作器32の操作量から決定される流量指令値との偏差に基づいて、油圧アクチュエータ10の負荷圧力に対する圧力指令値が決定され、この圧力指令値に基づいて、三方制御弁11に対する開度指令値が決定される。このため、本発明では流量制御を行いつつも、負荷圧力が適切なものに保たれ、流量制御の過渡期においても、急激な負荷圧力の上昇が防止される。
【0022】
なお、三方制御弁11の弁スプール15の駆動は、パイロットバルブ駆動回路33によりパイロットバルブ21を介してなされる。すなわち、パイロットバルブ駆動回路33は、コントローラ30からの開度指令値に基づいて、パイロットバルブ21を駆動して三方制御弁11の開度を制御する。
【0023】
つぎに、コントローラ30の作動について図2のブロック図を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0024】
図示するとおり、コントローラ30は、操作器信号入力手段91、圧力センサ入力手段92、変位センサ入力手段93、流量演算手段94、開度範囲設定手段95、流量指令値算出手段96、圧力指令値算出手段97、および開度指令値算出手段98から構成されている。
【0025】
操作者が油圧シリンダ10の操作器32をハンドル操作するのにしたがって、油圧シリンダ10への油圧の供給が行われるが、このとき操作器32の操作量Stが操作器信号入力手段91に取り込まれるとともに(図13の操作器信号入力手段107に相当)、圧力センサ25によって油圧シリンダ10の負荷圧力Pgが、また圧力センサ27によってポンプPの供給圧力Psがそれぞれ検出され(図13の負荷圧力検出手段103、供給圧力検出手段104に相当)、さらにストロークセンサ23によって三方制御弁11の開度Xが検出され(図13の開度検出手段105に相当)、これらの検出結果が圧力センサ入力手段92、変位センサ入力手段93に取り込まれる。
【0026】
流量演算手段94は、図3に示すように、三方制御弁11のPポート7の圧力(供給圧力Ps)とCポート3の圧力(負荷圧力Pg)との差圧平方根ΔP11/2(ただしΔP1=Ps−Pg)と、これらのポート間の連通開口面積Ax1から求められるPポート7からCポート3へと流れる作動油の流量QPCから、Cポート3の圧力PgとTポート5の圧力Ptとの差圧ΔP21/2(ただしΔP2=Pg−Pt)と、これらのポートの間の連通開口面積Ax2から求められるCポート3からTポート5へと流れる作動油の流量QCT(前記ブリード流量を含む)を差し引いたものとして、三方制御弁11を通過する同定流量Qidを演算する(図13の同定流量算出手段106に相当)。
【0027】
すなわち、Pポート7とCポート3間の流量QPCは、
PC=(2/ρ)1/2Cd1・Ax1・(ΔP1)1/2
であり、またCポート3とTポート5間の流量QCTは、
CT=(2/ρ)1/2Cd2・Ax2・(ΔP2)1/2
であり、同定流量Qidは、
Qid=QPC−QCT
となる。ここで、ρは作動油の流体密度、Cd1、Cd2は流量係数である。
【0028】
なお、Pポート5とCポート3間の連通開口面積Ax1、およびCポート3とTポート5間の連通開口面積Ax2は、三方制御弁11の開度Xから計算される。また、Tポート5の圧力Ptは、大気圧に解放されているもの(したがってPt=0)として計算すればよい。
【0029】
また、開度範囲設定手段95は、三方制御弁11に対する開度指令値SIGの範囲を制限するために、この同定流量Qidと操作量Stから、スプール変位上限値LMAXと、スプール変位下限値LMINを、つぎのように場合分けをして算出する。
【0030】
まず、同定流量Qidが略ゼロで、かつ操作量Stも略ゼロであるときには、スプール変位上限値LMAXとスプール変位下限値LMINはともにポジションcの位置とポートと定められる。すなわち、このときには弁スプール15はポジションcの位置以外はとり得ず、総てのポートがブロックされた状態となる。
【0031】
また、操作量Stが正の場合(すなわちメータイン制御の場合)には、スプール変位上限値LMAXはポジションdで最大開度の位置と、またスプール変位下限値LMINはポジションdで最小開度の位置と定められる。
【0032】
また、操作量Stが負の場合(すなわちメータアウト制御の場合)には、スプール変位上限値LMAXはポジションbで最小開度の位置と、またスプール変位下限値LMINはポジションbで最大開度の位置と定められる。開度指令値SIGは、このように設定されたスプール変位上限値LMAXとスプール変位下限値LMINの範囲内に収まるように修正される。
【0033】
さて、操作量Stに対しては、流量指令値算出手段96内にあらかじめ記憶されている関数G1に基づいて流量指令値Qcomが算出される(図13の流量指令値算出手段108に相当)。
【0034】
この関数G1は、例えば図4に示すようなものである。ここでは、流量指令値Qcomがその限界値に至るまで、操作量Stに比例して増大するような関数G1が採用されている。
【0035】
このように算出された流量指令値Qcomと同定流量Qidとの偏差(Qcom−Qid)に基づいて、圧力指令値算出手段97は、負荷圧力に対する圧力指令値Pcomを制御補償量として演算する(図13の圧力指令値算出手段109に相当)。
【0036】
この圧力指令値Pcom算出に使用される関数G2は、例えば図5に示すようなものである。これによれば、同定流量Qidが流量指令値Qcomより小さいとき(すなわち、Qcom−Qid>0のとき)には、その偏差(Qcom−Qid)が大きくなるほど圧力指令値Pcomが大きくなる。この圧力指令値Pcomに負荷圧力を制御することで、三方制御弁11の通過流量は流量指令値Qcomに近づいて行く。ただし、圧力指令値Pcomには上限値PcomMAXが定められ、同定流量Qidを流量指令値Qcomに近づける過渡状態においても、負荷圧力が過大となってしまわないようにする。
【0037】
一方、同定流量Qidが流量指令値Qcomより大きいとき(すなわち、Qcom−Qid<0のとき)には、圧力指令値Pcomはゼロとなる。この圧力指令値Pcomに負荷圧力を制御することで、三方制御弁11の通過流量は流量指令値Qcomに近づいて行く。なお、同定流量Qidが流量指令値Qcomと一致しているときには、所定の圧力Pcom0を圧力指令値として制御する。
【0038】
さらに、開度指令値算出手段98は、あらかじめ記憶されている関数G3に基づいて、この圧力指令値Pcomに実際の負荷圧力Pgが一致するように三方制御弁11に対する開度指令値SIGを演算する。この演算には、例えば比例積分演算関数が使用され、圧力指令値Pcomと負荷圧力Pgとの偏差に応じて、制御補償量として開度指令値SIGが決定される(図13の開度指令値算出手段110に相当)。
【0039】
このとき、この開度指令値SIGは、既に設定されているスプール変位上限値LMAXおよびスプール変位下限値LMINの範囲内に収まるように修正される。すなわち、SIG>LMAXのときにはSIG=LMAXと、またSIG<LMINのときにはSIG=LMINとする。
【0040】
結局、このように決定された開度指令値SIGと三方制御弁11の実際の開度Xとの偏差を解消するように、三方制御弁11の弁スプール15がパイロットバルブ駆動回路33によってフィードバック制御される(図13の弁スプール駆動手段に相当)。
【0041】
このように、本発明によれば、三方制御弁11の通過流量を操作器32の操作量にしたがった適切なものに制御するとともに、負荷圧力Pgをも適切な範囲内のものとなるように制御し得る。したがって、本発明を油圧アクチュエータのメータイン制御に適応したときには、ショックの少ない油圧アクチュエータの起動が行え、また油圧アクチュエータのメータアウト制御に適応したときには、油圧アクチュエータのスムーズな停止を行い得る。
【0042】
また、流量指令値Qcomを決定する関数(G1)、圧力指令値Pcomを決定する関数(G2)、および開度指令値SIGを決定する関数(G3)は、コントローラ30内で変更できるので、油圧アクチュエータの用途に応じて、制御特性の変更が容易におこなえる。さらに、この制御特性の変更は制御中であっても可能であるので、油圧アクチュエータの動作中であっても種々の環境の変化に適切に対応できる。
【0043】
図6には、本発明の第2の実施の形態を示す。この図6の実施の形態は、例えば建設機械の旋回用モータとしての油圧モータ60の供給側と排出側回路に、本発明の油圧制御装置をそれぞれ介装し、油圧モータ60の回転を可逆的に制御するものである。
【0044】
これに示すように、この油圧モータ60には、第1の回路51および第2の回路52が接続している。また、第1の回路51と第2の回路52には、それぞれ第1の三方制御弁61と第2の三方制御弁62とが介装される。
【0045】
油圧モータ60の制御としては、第1の三方制御弁61をメータイン側、第2の三方制御弁62をメータアウト側とする右旋回モード(このとき作動油は第1の回路51から第2の回路52へと流れる)と、第2の三方制御弁62をメータイン側、第1の三方制御弁61をメータアウト側とする左旋回モード(このとき作動油は第2の回路52から第1の回路51へと流れる)とが選択される。
【0046】
第1の回路51と第2の回路52には、それぞれオーバーロードリリーフ弁53、54が接続され、第1の回路51または第2の回路52の負荷圧力がリリーフ圧を超えたときには、その高圧をもう一方の回路52または51に逃がし得るようになっている。また、回路51、52はチェック弁55、56を介してタンクと接続され、回路51、52内に負圧が生じたときには、作動油がチェック弁51、52を押し開いて流れ込むようになっている。
【0047】
三方制御弁61、62は、第1の実施の形態における三方制御弁11と同じものである。また、これらの三方制御弁61、62を通過する流量は、第1の実施の形態における場合と同様に、コントローラ30においてそれぞれ同定流量Qid1、Qid2として演算される。なお、三方制御弁61、62の開度(弁スプール65、66のストローク変位)は、それぞれストロークセンサ73、74により検出される。また、圧力センサ75、76により、第1の回路51と第2の回路52の負荷圧力がそれぞれ検出され、さらに圧力センサ77によりポンプPの吐出圧も検出される。
【0048】
コントローラ80では、第1と第2の三方制御弁61、62を通過する同定流量Qid1、Qid2と、操作器82の操作量Stにしたがって決定される流量指令値Qcom1、Qcom2との偏差(Qcom1−Qid1)、(Qcom2−Qid2)に基づいて、第1の回路51の負荷圧力と第2の回路52の負荷圧力に対する圧力指令値Pcom1、Pcom2がそれぞれ決定される。なお、流量指令値Qcom1、Qcom2を決定する関数の一例F1、F2をそれぞれ図7、図9に、また、圧力指令値Pcom1、Pcom2を決定する関数の一例F3、F4をそれぞれ図8、図10に示した。
【0049】
さらに、これらの圧力指令値Pcom1、Pcom2に応じて三方制御弁61および62に対する開度指令値がそれぞれ決定され、これらに基づいて、弁スプール65、66が、パイロットバルブ駆動回路83、84によりパイロットバルブ71、72を介して駆動されることで、三方制御弁61、62を実際に通過する流量を、それぞれの流量指令値Qcom1、Qcom2に近づけるフィードバック制御が行われる。
【0050】
なお、このときの三方制御弁61、62の弁スプール65、66のスプール変位上限値LMAXとスプール変位下限値LMINはつぎのように定められる。
【0051】
まず、三方制御弁61、62の同定流量Qidが略ゼロで、かつ操作量Stも略ゼロであるときには、三方制御弁61、62のスプール変位上限値LMAXとスプール変位下限値LMINはともにポジションcの位置とポートと定められる。
【0052】
また、操作量Stが正の場合(すなわち、油圧モータ60が右旋回するように操作されているとき)には、三方制御弁61のスプール変位上限値LMAXはポジションdで最大開度の位置と、またスプール変位下限値LMINはポジションdで最小開度の位置と定められる。一方、三方制御弁62のスプール変位上限値LMAXはポジションbで最小開度の位置と、またスプール変位下限値LMINはポジションbで最大開度の位置と定められる。
【0053】
また、操作量Stが負の場合(すなわち、油圧モータが左旋回するように操作されているとき)には、スプール変位上限値LMAXはポジションbで最小開度の位置と、またスプール変位下限値LMINはポジションbで最大開度の位置と定められる。一方、三方制御弁62のスプール変位上限値LMAXはポジションdで最大開度の位置と、またスプール変位下限値LMINはポジションdで最小開度の位置と定められる。
【0054】
つぎに作用を説明する。
【0055】
まず、油圧モータ60を停止状態から右旋回させるときには、つぎのように作用する。
【0056】
油圧モータ60の停止状態(操作量St=0)から、レバー操作により操作量St=St(1)としたとすると、図7に示すように、三方制御弁61側の流量指令値Qcom1=Q1である。このとき、三方制御弁61側の同定流量Qid1=0であるから、偏差(Qcom1−Qid1)=Q1となり、図8に示すように、三方制御弁61側の圧力指令値Pcom1=P1となる。
【0057】
一方、図9に示すように、三方制御弁62側の流量指令値Qcom1=−Q1であり、同定流量Qid2=0であるから、偏差(Qcom2−Qid2)=−Q1となり、図10に示すように、三方制御弁62側の圧力指令値Pcom2=P2となる。
【0058】
ここで、Pcom1>Pcom2であるので、油圧モータ60は右旋回加速を始める。この加速にしたがって三方制御弁61の通過流量が変化し、偏差(Qcom−Qid1)は小さくなって行くため、図8にしたがってPcom1は小さくなって行き、Qid1=Qcomとなって定常旋回となる。
【0059】
油圧モータ60を右旋回状態から停止させるときには、つぎのように作用する。
【0060】
この場合には、操作器82のレバー操作により、操作量St=St(1)からSt=0とされ、図7に示すように、三方制御弁61側の流量指令値Qcom1=0となる。このとき、油圧モータ60は右旋回をしており、三方制御弁61の同定流量Qid1=Q1であり、偏差(Qcom1−Qid1)=−Q1となるので、図8に示すように、圧力指令値Pcom1=P2である。
【0061】
一方、図9に示すように、三方制御弁62側の流量指令値Qcom2=0となるが、三方制御弁62側の同定流量Qid2=−Q1なので、偏差(Qcom2−Qid2)=Q1となり、図10に示すように、圧力指令値Pcom2=P3となる。
【0062】
ここで、Pcom1<Pcom2であるので、油圧モータ60は右旋回状態から減速を始め、三方制御弁62の通過流量が変化して、偏差(Qcom2−Qid2)が小さくなるにしたがって、図10に示すように、圧力指令値Pcom2は小さくなって行き、やがて、同定流量Qid2=0となって油圧モータ60は停止する。
【0063】
油圧モータ60の右旋回常態から、操作器82のレバーを逆方向にまで操作したときには、つぎのように作用する。
【0064】
操作量StがSt(1)から−St(1)に操作されたとすると、操作量Stは負となるので、三方制御弁62はポジションdの範囲内に移動制限される。このとき、負荷の慣性により第2の回路52には圧力が立つが、三方制御弁62内のチェック弁の作用により作動油は流れず、油圧モータ60の旋回が停止するまで、作動油は第2の回路52からオーバーロードリリーフ弁54を通って第1の回路51へと流れる。このオーバーロードリリーフ弁54による圧損によりエネルギーが消費されて油圧モータ60は減速後停止する。
【0065】
さらに、このとき、図7に示すように、三方制御弁61側の流量指令値Qcom1=−Q1であるが、同定流量Qid1=0であるので、偏差(Qcom1−Qid1)=Q1となり、図8に示すように,圧力指令値Pcom1=P2となる。
【0066】
一方、図9に示すように、三方制御弁62の流量指令値Qcom2=Q1であり、また同定流量Qid2=0なので、偏差(Qcom2−Qid2)=Q1となり、図10に示すように、圧力指令値Pcom2=P3となる。
【0067】
ここで、Pcom1<Pcom2であるので、油圧モータ60は左旋回加速を始め、三方制御弁62の通過流量が変化し、偏差(Qcom2−Qid2)が小さくなるにしたがって、図10に示すように、圧力指令値Pcom2は小さくなって行き、同定流量Qid2=Qcom2となったところで、定常旋回となる。
【0068】
押しつけ掘削を行う場合において、操作器82を操作量St=0からSt=St(1)までレバー操作したときには、つぎのように作用する。
【0069】
図7に示すように、三方制御弁61側の流量指令値Qcom1=Q1であり、また同定流量Qid1=0であるので、偏差(Qcom1−Qid1)=Q1であり、したがって図8に示すように、圧力指令値Pcom1=P1となる。
【0070】
一方、図9に示すように、三方制御弁62側の流量指令値Qcom2=−Q1であり、また同定流量Qid2=0であるので、偏差(Qcom2−Qid2)=−Q1であり、したがって図10に示すように、圧力指令値Pcom2=P2である。
【0071】
ここで、押しつけ掘削では、油圧モータ60は対象物によって旋回を規制されている(この場合は、右旋回が規制されているとする)ので、同定流量Qid1、Qid2は変化せず、この結果、レバー操作を維持し続けている間は、Pcom1−Pcom2に相当する右旋回方向の押しつけ力を維持する。このように本発明では、油圧アクチュエータによる押しつけ力を適切なものに制御することも可能となる。
【0072】
さて、本発明の第2の実施の形態は以上のように構成され、また作用するが、本発明の適用は、油圧モータ60を用いての旋回システムに限られず、例えば、ショベル系のアーム、ブームのメータイン、メータアウト制御にも適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、三方制御弁の通過流量を操作器の操作量にしたがった適切なものに制御していながらも、負荷圧力が適切な範囲内のものとなるように制御し得るので、油圧アクチュエータのメータイン制御において、ショックの少ない油圧アクチュエータの起動が行え、また油圧アクチュエータのメータアウト制御に適応したときには、油圧アクチュエータのスムーズな停止を行い得る。
【0074】
また、流量指令値を決定する関数、圧力指令値を決定する関数、および開度指令値を決定する関数は、任意に変更できるので、油圧アクチュエータの用途に応じて、制御特性の変更が容易におこなえ、この制御特性の変更は制御中であっても可能であるので、油圧アクチュエータの動作中であっても種々の環境の変化に適切に対応できる。
【0075】
さらに、メータイン制御の場合、油圧アクチュエータによる押しつけ力を適切なものに制御することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図2】同じく油圧制御の手順を示すブロック図である。
【図3】同じく三方制御弁の通過する同定流量Qidを演算する手順を示す説明図である。
【図4】同じく操作器の操作量Stと流量指令値Qcomの関係を示す特性図である。
【図5】同じく流量指令値と同定流量の偏差Qcom−Qidと、圧力指令値Pcomの関係を示す特性図である。
【図6】同じく本発明の他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図7】同じく操作器の操作量Stと流量指令値Qcomの関係を示す特性図である。
【図8】同じく流量指令値と同定流量の偏差Qcom−Qidと、圧力指令値Pcomの関係を示す特性図である。
【図9】同じく操作器の操作量Stと流量指令値Qcomの関係を示す特性図である。
【図10】同じく流量指令値と同定流量の偏差Qcom−Qidと、圧力指令値Pcomの関係を示す特性図である。
【図11】従来の油圧制御装置を示す説明図である。
【図12】同じく従来の油圧制御装置を示す説明図である。
【図13】請求項1に記載の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
P ポンプ
T タンク
101 油圧アクチュエータ
102 三方制御弁
103 負荷圧力検出手段
104 供給圧力検出手段
105 開度検出手段
106 同定流量算出手段
107 操作量検出手段
108 流量指令値算出手段
109 圧力指令値算出手段
110 開度指令値算出手段
111 弁スプール駆動手段
W 負荷
10 油圧シリンダ
11 三方制御弁
21 パイロットバルブ
23 ストロークセンサ
25 圧力センサ
27 圧力センサ
30 コントローラ
32 操作器
33 パイロットバルブ駆動回路

Claims (1)

  1. ポンプから油圧の供給を受けて負荷を駆動する油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータに対してタンク側とポンプ側を切り換え接続する三方制御弁と、三方制御弁の油圧アクチュエータ側の負荷圧力を検出する負荷圧力検出手段と、三方制御弁のポンプ側の供給圧力を検出する供給圧力検出手段と、三方制御弁の開度を検出する開度検出手段と、これらの検出信号から三方制御弁を通過する同定流量を算出する同定流量算出手段と、操作器の操作量が入力される操作器信号入力手段と、前記操作量に基づいて三方制御弁を通過する流量指令値を算出する流量指令値算出手段と、前記同定流量と前記流量指令値との偏差に基づいて前記負荷圧力に対する圧力指令値を算出する圧力指令値算出手段と、検出された前記負荷圧力と前記圧力指令値との偏差に基づいて三方制御弁の開度指令値を算出する開度指令値算出手段と、この開度指令値に基づいて三方制御弁の弁スプールを駆動する弁スプール駆動手段と、を備え、前記開度指令値算出手段は、前記同定流量と前記操作量とに応じて前記弁スプールの変位上限値及び変位下限値を算出して前記三方制御弁の前記開度指令値の範囲を制限することを特徴とする油圧制御装置。
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