JPH0657987U - オールケーシング工法用ケーシングビット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーシングビットの交換の頻度を少くし、作
業効率の向上を図る。誤操作による超硬チップの剥れ落
ちを防止する。揺動式オールケーシング機で硬質地盤の
掘削を可能にする。 【構成】 ケーシングビット８をケーシングチューブ７
の周方向に首振り可能に軸着する。ケーシングビット８
の前部と後部とに掘削用の超硬チップ１０を固着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ケーシングチューブを回転又は揺動させながら地中を掘削するオー ルケーシング工法に用いるケーシングビットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のオールケーシング工法用ケーシングビットは、例えば図４及び図５に示 されるように、ケーシングチューブ２０の先端周上に複数のケーシングビット２ １がボルト２２によって固着されている。ケーシングビット２１の回転方向前方 側には、掘削用の超硬チップ２３が取付けられており、ケーシングチューブ２０ を、一方向に回転させることによって、ケーシングビット２１の超硬チップ２３ で地中を掘削する。また、揺動式のものは、比較的軟質の地盤で用いられ、ケー シングチューブ２０を揺動させることによって地中を掘削する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上述のものでは、超硬チップ２３が摩耗すると、掘削能率が低下したり 掘削不能となるので、ケーシングチューブ２０を一度全て引上げ、ケーシングビ ット２１を新しいものと交換しなければならなかった。特に、硬質地盤の掘削で は、ケーシングチューブ２１を引上げて、ケーシングビット２１を交換する頻度 が増し、作業効率が著しく低下していた。

【０００４】 また、誤ってケーシングビット２１を他方向に回転させてしまうと、超硬チッ プが接着部から剥がれ落ちる虞があった。

【０００５】 さらに、揺動式のものは、硬質地盤の掘削には適さず、比較的軟質な地盤の場 合でしか適用できなかった。

【０００６】 そこで本考案は、ケーシングビットの交換の頻度を少くさせ、作業効率を向上 させると共に、誤操作による超硬チップの剥れ落ちを防止することのでき、また 揺動式のものでも硬質地盤の掘削を可能にしたオールケーシング工法用ケーシン グビットを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は、回転又は揺動するケーシングチューブ の先端周上に取付けられて地中を掘削するオールケーシング工法用ケーシングビ ットにおいて、該ケーシングビットを前記ケーシングチューブの周方向に首振り 可能に軸着すると共に、ケーシングビットの前部と後部とに掘削用の超硬チップ を固着したことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

これにより、ケーシングチューブを一方向に回転させて地中を掘削し、ケーシ ングビットの超硬チップが摩耗しても、ケーシングチューブを他方向に回転させ て、さらに掘削することができる。

【０００９】 また、ケーシングビッドがケーシングチューブの周方向に首振り可能に軸着さ れていることにより、ケーシングチューブの回転方向が変わっても、ケーシング ビッドを自動的に適確な角度に調整できる。

【００１０】 さらに揺動式のものでは、ケーシングチューブがどちら側に回動しても、ケー シングビットの前部と後部とに固着された両方の掘削用の超硬チップで、地盤を 掘削することができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１乃至図３は本考案の一実施例を示すもので、回転式オールケーシング機１ は、４本のジャッキ２によって水平に保持されるベースフレーム３に、昇降フレ ーム４を昇降させる４本のスラストシリンダ５を立設している。

【００１２】 昇降フレーム４には、リング状の回転体６が回転可能に支持されており、該回 転体６の内周側には、テーパ面を有するケーシングチューブ挿通孔が設けられて いる。この挿通孔に、楔状のチャック部材を介してケーシングチューブ７が保持 され、回転体６でケーシングチューブ７を回転させながら昇降フレーム４を昇降 して、ケーシングチューブ７の押込み・引抜きを行う。

【００１３】 ケーシングチューブ７の先端周上には、複数のケーシングビット８が、ビット ホルダー９を介して、ケーシングチューブ７の周方向に首振り可能に軸着されて いる。ケーシングビット８は、二又状に形成され、上端にそれぞれ半円状部８ａ ，８ａを有した取付け部と、該取付け部より下方に延設され、前部と後部とに掘 削用の超硬チップ１０，１０を固着した掘削部８ｂとにより形成されている。ま た、半円状部８ａ，８ａには、ピン挿通孔８ｃ，８ｃが穿設されている。

【００１４】 ビットホルダー９には、前記ケーシングビット８の取付用の凹部が形成される が、該凹部は、前記半円状部８ａに合致する半円状部９ａと、該半円状部９ａの 端部より次第に幅広に形成される当接部９ｂとを有するもので、半円状部９ａに はピン挿通孔９ｃが穿設されている。

【００１５】 ケーシングビット８は、ピン挿通孔８ｃ，８ｃ，９ｃにピン１１を挿通するこ とによってビットホルダー９に回動可能に軸着され、また、当接部９ｂと前記掘 削部８ｂの側部が当接することによって掘削時のケーシングビット８の角度が決 定される。

【００１６】 上述のように形成することによって、回転式オールケーシング機１は、ケーシ ングチューブ７を両方の回転で掘削可能になるので、一方向の回転で掘削して、 一方の超硬チップ１０が摩耗しても、ケーシングチューブ７を他方向に回転する ことによって、他方の超硬チップ１０によってそのままさらに掘削を続けること ができ、従来の略倍の深さまでケーシングビット８を交換することなしに掘削す ることができる。このため、ケーシングビット８の交換頻度を半減させることが でき、工期を短縮させることができる。

【００１７】 また、ケーシングビット８はケーシングチューブ７の周方向に首振り可能に取 付けられるので、掘削時には常に適当な角度に保持され、超硬チップ１０が剥れ 落ちる虞がない。

【００１８】 尚、本考案のケーシングビットは、上記実施例のように回転式オールケーシン グ機に適用するものに限らず、揺動式オールケーシング機に適用することもでき 、これにより、従来硬質地盤の掘削が困難であった揺動式オールケーシング機で も、硬質地盤の掘削が可能となる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上のように、ケーシングビットをケーシングチューブの周方向に首 振り可能に軸着すると共に、ケーシングビットの前部と後部とに掘削用の超硬チ ップを固着するので、ケーシングビットの交換の頻度を半減することができ、作 業効率を向上させると共に、地面と超硬チップとの角度が、設定値と異って剥れ 落ちることを防止することができる。

【００２０】 さらに、従来硬質地盤の掘削が困難であった揺動式オールケーシング機でも、 硬質地盤の掘削が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す回転式オールケーシ
ング機の使用状態図

【図２】 同じくケーシングビットの正面図

【図３】 同じくケーシングビットの断面図

【図４】 従来のケーシングビットを示す正面図

【図５】 同じくケーシングビットの断面図

【符号の説明】

１…回転式オールケーシング機、２…ジャッキ、３…ベ
ースフレーム、４…昇降フレーム、５…スラストシリン
ダ、６…回転体、７…ケーシングチューブ、８…ケーシ
ングビット、８ａ…半円状部、８ｂ…掘削部、８ｃ…ピ
ン挿通孔、９…ビットホルダー、９ａ…半円状部、９ｂ
…当接部、１０…超硬チップ、１１…ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転又は揺動するケーシングチューブの
   先端周上に取付けられて地中を掘削するオールケーシン
   グ工法用ケーシングビットにおいて、該ケーシングビッ
   トを前記ケーシングチューブの周方向に首振り可能に軸
   着すると共に、ケーシングビットの前部と後部とに掘削
   用の超硬チップを固着したことを特徴とするオールケー
   シング工法用ケーシングビット。