JPH0657818B2 - 重合性組成物の硬化方法 - Google Patents

重合性組成物の硬化方法

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JPH0657818B2
JPH0657818B2 JP61134803A JP13480386A JPH0657818B2 JP H0657818 B2 JPH0657818 B2 JP H0657818B2 JP 61134803 A JP61134803 A JP 61134803A JP 13480386 A JP13480386 A JP 13480386A JP H0657818 B2 JPH0657818 B2 JP H0657818B2
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JP
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polymerizable composition
vinylpyrrolidone
vinyl acetate
curing
copolymer
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JP61134803A
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俊夫 川口
峰登 長谷
紘士 楠本
Original Assignee
徳山曹達株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は空気中の酸素により重合阻害を受けやすい重合
性組成物の硬化方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
近年、歯科用修復材としてアクリル系モノマーを含む材
料、例えばコンポジットレジンやレジンセメントなどが
用いられている。しかし、このアクリレート系モノマー
はラジカル重合により硬化するものであるため、空気中
の酸素によって重合阻害され、修復材の表面が硬化不充
分になるという欠点があった。
この様に硬化不充分な修復材は、表面が粗いために口腔
内に取り込まれた食物などが付着しやすく、重合後の修
復材の変色や着色の原因となり易い。また、歯ブラシに
よる摩耗も大きい。
この欠点を補うためにストリップスなどのポリマーフィ
ルムで圧接しておく事などが考えられるが、これらの手
段は臼歯部咬合面などの複雑な表面には用いる事ができ
ないのが現状である。
一方、ポリビニルピロリドンを修復材の表面に塗布する
ことが特開昭60−100505号公報に記載されてい
る。しかしながら、このような方法によっても重合後の
修復材の表面が食物等によって変色或いは着色したり、
歯ブラシによる摩耗が大きいという問題点は解決されて
いない。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは、この様な歯科用修復材に代表される空気
中の酸素によって重合阻害を受ける重合性組成物の表面
の重合阻害を防ぐ方法の開発を目的として鋭意研究を重
ねてきた。
その結果、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体で
重合性組成物の表面を被覆する事によって、重合性組成
物の表面の重合が酸素に阻害される事なく行なわれ、し
かも重合硬化後には水洗によって容易に除去できること
を見い出し、本発明を感性するに至った。
即ち、本発明は重合性組成物の表面を、酢酸ビニルとビ
ニルピロリドンとの共重合体で被覆した後、該重合性組
成物を硬化させることを特徴とする重合性組成物の硬化
方法である。
本発明に於いては、酢酸ビニルをビニルピロリドンの共
重合成分とすることが重要であり、他の共重合成分を用
いた場合には、後述する本発明の効果は得られない。
本発明の酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体は分
子量10000〜1000,000のものが好ましく、
さらに好ましくは、20000〜100000のものが
用いられる。
酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体における単量
体単位のモノ比は、重合性組成物の表面被覆の効果や、
水洗による除去性を勘案すると、酢酸ビニル1モルに対
してビニルピロリドンが0.3〜3.0モルである事が好まし
い。
上記の酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体中には
重合性組成物の表面被覆効果や水洗除去性が低下しない
範囲内で、他の単量体単位が含まれていても良い。
上記の酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体は、予
め溶媒に溶かし被覆材として用いる事が好ましい。溶媒
としては、口腔内での被覆の形成が速かであるという理
由で、低沸点の有機溶媒が好ましい。有機溶媒は特に限
定されず一般に公知のものを用いる事ができるが、被覆
のしやすさや口腔内で用いる場合にはその毒性の低さを
考慮に入れ、エタノール,アセトン,塩化メチレンなど
の低沸点溶媒を用いる事が好ましい。
また、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体を上記
の有機溶媒に溶かす場合、酸素による重合阻害を完全に
遮断するのに必要な膜厚を充分に確保するため、10重
量%〜80重量%の濃度で用いる事が好ましい。
本発明で用いる前記共重合体からなる被覆材は、本質的
にかかる酢酸ビニルとビニルピロリドンの重合性体を主
成分とするものであれば、本発明の目的を損なわない限
りにおいて他の添加剤を加える事もできる。これらの添
加剤としては各種染料、顔料などの着色剤、水、エチレ
ングリコール、グリセリンなどの溶剤、高級アルコー
ル、脂肪酸エステル、セルロース粉末、無水ケイ酸等を
挙げられる。
〔効果〕 以上の様に本発明の方法によれば、重合性組成物の重合
の際に前記酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体
をその表面に被覆して用いることにより、重合性組成物
の表面部分が空気と遮断され、硬化が完全となる。特に
歯科用修復材の重合時の方法として用いた場合には従来
の方法で見られた歯科用修復材の硬化不充分により生じ
る表面着色や摩耗が激減し、完全な充填が可能となる。
本発明の方法を更に具体的に説明するために、以下実施
例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
実施例1 歯科用コンポジットレジンとして、以下の処方により可
視光硬化タイプのものを調製した。
ビスフェノ−ルA−ジグリシジルメタクリレ−ト 42重量部 トリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト 18 〃 テトラメチロ−ルメタントリアクリレ−ト 30重量部 カンファ−キノン 0.4 〃 N,N −ジメチル−p−トルイジン 0.4 〃 ハイドロキノンモノメチルエ−テル 0.05 〃 シラン処理石英微粉 200 〃 次に、このペースを直径6mm、深さ3mmの孔を有するス
テンレス製割型に填入した。コンポジットレジンの表面
はテフロン製の板を数秒間圧接する事によって平らにし
た後、表1に示した被覆材をその表面に塗布し、エアー
を吹きつけて溶媒を除去した。
引き続き市販の可視光照射器「オプティラックス」を用
いて30秒照射する事によってコンポジットレジンを硬
化させた後、水洗によって表面の被覆材を洗い流した。
水洗直後のレジン表面について光沢の有無を調べその結
果を表1に示した。
次いで、硬化体を37℃の蒸留水中に24時間浸漬保存
した後、インスタントコーヒー粉末(商品名:ネスカフ
ェ・ネッスル日本製)を8%含むコーヒー水溶液に硬化
体を浸漬し、24時間後の色調変化量を測定する。色調
変化量は、コーヒー水溶液に浸漬する前の色調とコーヒ
ー水溶液に24時間浸漬した後の色調との差ΔEで表わ
される。ここでΔEはハンター(Hunter)により提案さ
れたΔE(L.a.b)である。
硬化体の測定には、東京電色社製の測色色差計TC−1
500MC型を用いた。
得られた結果は表1に併記した。
実施例2 実施例1で調製したペーストを縦10mm、横10mm、深
さ1.5mmの孔を有するテフロン製モールドに填入し、表
2に示した被覆材をその表面に塗布し、エアーを吹きつ
けて溶媒を除去した。
次に被覆材の上から可視光線照射器オプティラックスを
用いて60秒間照射を行なった。照射後、重合硬化体を
モールドから取り出し、充分水洗した後に37℃蒸留水
中に7日間浸漬保存した。重合硬化体を荷重400gに
設定した歯ブラシを用いて1500m摩耗した。
摩耗深さは摩耗重量を重合硬化体の密度で除して求め
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 139/04 PGL 7921−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性組成物の表面を、酢酸ビニルとビニ
    ルピロリドンとの共重合体で被覆した後、該重合性組成
    物を硬化させることを特徴とする重合性組成物の硬化方
    法。
JP61134803A 1986-06-12 1986-06-12 重合性組成物の硬化方法 Expired - Lifetime JPH0657818B2 (ja)

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JPS62292865A JPS62292865A (ja) 1987-12-19
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