JP2002003327A - 歯牙漂白後仕上用の半透明性歯牙被覆組成物 - Google Patents

歯牙漂白後仕上用の半透明性歯牙被覆組成物

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JP2002003327A
JP2002003327A JP2000184606A JP2000184606A JP2002003327A JP 2002003327 A JP2002003327 A JP 2002003327A JP 2000184606 A JP2000184606 A JP 2000184606A JP 2000184606 A JP2000184606 A JP 2000184606A JP 2002003327 A JP2002003327 A JP 2002003327A
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tooth
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bleaching
acrylate monomer
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JP2000184606A
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English (en)
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Haruyuki Kawahara
春幸 川原
Teruo Makita
輝夫 牧田
Norimoto Yasuda
徳元 安田
Masaru Kawahara
大 川原
Hiromasa Nakai
宏昌 中井
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Kansai Research Institute KRI Inc
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Kansai Research Institute KRI Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯科の分野において、天然歯牙の漂白処理後
に適用する仕上用の半透明性歯牙被覆組成物に関して、
歯牙表面に被覆を形成して、漂白歯表面の光乱反射の白
さと類似の白さを発現しつつ、歯牙表面を平滑にして、
歯牙の汚染着色を防止ないしは遅延させるための半透明
性歯牙被覆組成物を提供するものである。 【解決手段】 8〜80wt%の多官能アクリレートモ
ノマーと、16〜80wt%の低沸点溶剤と、0.3〜
5wt%の可視光重合開始剤と、1〜20wt%の二酸
化チタンとを主成分として歯牙漂白後仕上用の半透明性
歯牙被覆組成物を構成し、かつ硬化被膜の光透過率が6
0〜95%とする。特に、3官能以上のアクリレートモ
ノマーと低沸点溶剤が沸点120℃以下のアクリレート
モノマーと可視光重合開始剤のカンファキノンと1ミク
ロン以下の二酸化チタンとから成る組成物が利用でき
る。さらに、燐酸エステル系接着性モノマーを添加する
のがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医療の分野に
おいて主として天然歯牙の漂白処理後に適用する仕上用
の半透明性歯牙被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の歯科治療においては、歯牙列の審
美性を改善しようとする要望が強く、特に若い女性が歯
を白くしたいという希望から、歯牙の漂白治療が行なわ
れている。
【0003】自然歯牙は、タバコ、コーヒー、茶渋など
の嗜好品の有色物質の沈着や、色素生成菌の繁殖により
変色または着色される。また、歯牙の変色は、口腔内で
の補綴金属材料のにより、或いは、有色金属塩の影響に
よる外因性の変色がある。さらに、フッ素など化学物質
あるいはテトラサイクリンのような薬剤による影響によ
っても、歯牙は変色することがある。さらに、内因性の
歯牙変色があり、例えば、加齢や代謝異常や遺伝性によ
るもの、その他、歯の障害などにより変色する。そし
て、漂白治療の対象は、外因性変色はもとより内因性変
色に対しても適応されている。
【0004】これら変色歯の審美性改善の手段として、
漂白治療は、従来からに行なわれている。漂白は、過酸
化水素や過酸化尿素など過酸化剤や還元剤やその他、酸
やアルカリを使用した薬理作用が利用され、最近では、
さらに漂白効果を促進するために、加熱や光照射を併用
することもされている。
【0005】従来技術として、人工歯牙に関してではあ
るが、レジン系人工歯牙の表面に滑沢性を付与するため
の光重合性の組成物は、公知である。例えば、特開昭6
3−183904号、特開昭63−183905号及び
特開平3−265612号等には、多官能系アクリルモ
ノマーと溶剤と光重合開始剤とから成る可視光硬化性組
成物で、レジン系人工歯牙の表面や、歯冠部内へ充填さ
れたレジンペースト上に塗布して可視光領域で硬化さ
せ、滑沢性を与えることは開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
自然歯牙の漂白法においては、治療後しばらくすると徐
々にタバコや茶渋などの有色物質や色素生成菌が歯表面
に沈着して漂白前の色に後戻りすることが多かった。さ
らに、漂白したがために却って歯牙表面にプラークが付
着し易くなるケースが多く認められていた。
【0007】この原因は、過酸化物その他の漂白剤のエ
ナメル基質への作用により漂白後のエナメル質表面に、
多数のミクロ孔その他、種々のミクロ欠陥が発現するた
めと見られる。漂白により歯牙表面に生じたミクロ欠陥
は、一方では、光乱反射により歯を白く発現させる要素
ともなっているが、同時に、口腔内の外来の汚染物質を
沈着し易く、歯の着色を促す作用もしていると考えられ
る。
【0008】しかも、漂白後の色の後戻りを少しでも軽
減するために、施術者においては、漂白作業は、漂白歯
の仕上げ研磨に労力と時間を要し、他方、患者には、漂
白直後の2日間はコーヒー、コーラ、カレーなどの着色
性飲食物を控える必要があるなどの点で、患者にとって
も大変煩わしいことなどの難点があった。
【0009】しかしながら、前記特開昭63−1839
04号等には、上記の歯牙漂白治療と関連した上記の問
題点を解決しようとする試みについては全く示唆されて
いない。発明者らは、既に、特願2000−08633
6号において、歯牙漂白後仕上用の透明性歯牙被覆物を
提案したが、透明性のある歯牙被覆組成物を歯牙漂白面
に塗布―硬化させると、漂白により生じたミクロ欠陥部
をレジン皮膜が被うので、漂白歯牙の変色防止等には極
めて効果的ではあるけれども、ミクロ欠陥部に基づく光
乱反射を減退させて、漂白により歯を白く発現する効果
を低下させることになり、漂白治療直後の歯牙ホワイト
ニングという点ではなお不満が残る。
【0010】本発明は、上記の歯牙漂白治療に関連した
上記の問題点に鑑み、漂白時に歯牙表面に発現するミク
ロ欠陥をも浸透充填しつつも、漂白面の(ミクロ欠陥に
よる光乱反射にもとづく白さをも含む)色調と類似の色
調を再現できるような被膜を歯牙の表面に形成し、しか
も、歯牙表面を平滑にして、漂白後の歯牙の再汚染によ
る変色を防止ないしは遅延させるための仕上用の半透明
性歯牙被覆組成物を提供しようとするものである。本発
明は、さらに、知覚過敏、歯質強化やプラークの付着防
止にも有用な歯牙漂白後仕上用の半透明性歯牙被覆組成
物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、10〜80w
t%の多官能アクリレートモノマーと、20〜80wt
%の低沸点溶剤と、0.4〜5wt%の可視光重合開始
剤とを含む歯牙漂白後仕上用の歯牙被覆組成物である
が、さらに、この組成物が、0.5〜10wt%の白色
無機微粉末を含有し、かつ硬化被膜の光透過率を60〜
95%として、白色半透明性にしたことを特徴とするも
のである。
【0012】このような半透明性は、専ら、白色無機微
粉末によるものであり、この組成物の硬化皮膜は、白色
無機微粉末に起因して5〜40%までの反射率を示し、
硬化皮膜の外観を白色にするので、この半透明性歯牙被
覆組成物を塗布した歯牙表面は、歯牙固有の白さと白色
顔料の反射光白さとを合成した白色色調が得られる。本
発明は、この意味で、漂白仕上げ後に歯牙に適用される
ホワイトニング剤を提供するものである。
【0013】本発明の半透明性歯牙被覆組成物は、アク
リレート系光硬化性組成物であって、漂白された歯牙表
面に塗布することにより、歯牙に対する優れた浸透性を
示し、漂白時に歯牙表面に発現するミクロ欠陥をも浸透
充填しつつも、しかも歯牙表面に平滑な被膜を形成し、
この被膜は、歯牙表面を長期間にわたり平滑性に保つこ
とができる。
【0014】さらに、白色無機微粉末の配合により、皮
膜を白色半透明にして、歯牙漂白面の生活歯の白さ(ミ
クロ欠陥による光乱反射にもとづく白さをも含む)を維
持しながら、さらに、白色無機微粉末により白色を強調
することができ、歯の白さをひきたたせることができ
る。
【0015】さらに、この平滑な被膜は、汚染に対して
高い抵抗性を示すので、歯牙の汚染着色を防止すること
ができる。これにより、歯牙表面のこの半透明な被膜を
介して、漂白された歯牙のきれいな歯白色を長期にわた
り維持することができる。
【0016】また、この被膜の高い汚染抵抗性は、上記
のような歯牙漂白後の変色(後戻り変色)防止だけでな
く、長期にわたりプラーク付着防止を発現させることが
できる。さらに、被膜は、汚染の防止と共に、知覚過敏
を抑制することが可能で、しかも表面歯質を強化し、耐
酸性を有するので、特に、う蝕防止に有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】重合性モノマーとして、多官能ア
クリレートモノマーを使用するが、多官能アクリレート
モノマーには、先ず、2官能性アクリレートモノマーと
して、ビスフェノールA−ジグリシジルメタクリレート
(Bis−GMA)、トリエチレングリコールメタクリ
レート、ビスメタクロキシフェニルプロパン(Bis−
MEPP)、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘ
キサメチレンジウレタン、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テ
トラエチレンジメタクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジメタクリレート、ネオペンチルアルコールジメタク
リレート、トリクロロデカンジメタクリレート、グリセ
ロールジメタクリレートなどが使用できる。
【0018】多官能アクリレートモノマーは、3官能性
アクリレートモノマーとして、例えば、トリス(アクリ
ロキシオキシ)シアヌレート、テトラメチロールメタン
トリアクリレート、トリメチロルプロパントリメクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどの
アクリレートモノマーが含まれる。
【0019】多官能アクリレートモノマーには、4官能
性アクリレートモノマーとして、例えば、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、トリメチローメタンテト
ラアクリレートなどが利用可能である。
【0020】さらに多官能アクリレートモノマーは、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの5官能
性アクリレートモノマーや、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートなどの6官能性アクリレートモノマー
も利用可能である。
【0021】本発明の歯牙表面に対する塗布材として、
3官能性以上のアクリレートモノマーを利用するのが、
組成物の3次元硬化を促進し堅箇な被膜を形成し易いの
で、好ましい。
【0022】上記の多官能性アクリレートモノマーの含
有量は、10〜80wt%とするのが好ましいが、10
wt%未満では、硬化被膜の耐久性が若干低く、80w
t%を超えると、一般に粘凋となり均質な塗膜に形成す
るのが困難と成る。この含有量は、漂白歯面への塗布性
と硬化被膜の耐久性のバランスの点で30〜70wt
%、特に、35〜60wt%が、被膜形成が均質でかつ
その硬化被膜の強度が高い等の点で好ましい。
【0023】本発明の半透明性歯牙被覆組成物に使用す
る低沸点溶剤は、上記の多官能アクリレートモノマーに
溶解して、漂白歯牙への塗布の際には、塗布されたこの
組成物が歯牙表面への浸透を助ける浸透性付与剤として
の機能を有するものであり、硬化の過程では、揮発し
て、重合体を残す。特に、低沸点溶剤は、この組成物の
皮膜が硬化する時の発熱により蒸気として蒸発し、この
ために、蒸気の酸素遮断による被膜の硬化を促進する効
果を有するものである。
【0024】このような溶剤は、沸点100℃以下のも
のとして、公知のものから選択でき、例えば、メタノー
ル、エタノール、アセトン、酢酸エチルが利用できる。
この溶剤が特に沸点100℃以下とする理由は、この組
成物が光照射により硬化する際この溶剤は発熱により殆
んど蒸発させることができ、この溶剤が硬化被膜中に混
在して被膜の強度低下に影響を及ぼすことがないからで
ある。
【0025】低沸点溶剤は、さらに、120℃以下の低
沸点のアクリレート系モノマーも適用でき、例えば、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
トが使用可能である。溶剤に低沸点の重合性アクリレー
トモノマーを使用すると、可視光照射時に上記の多官能
性アクリレートモノマーと反応して重合化するので、塗
膜中に溶剤のまま残存することがなく、硬化した被膜の
滑り性が特に優れている利点がある。沸点を120℃以
下とする理由は、この組成物が硬化する時の発生蒸気量
が多くなるため、酸素遮断効果の影響で硬化被膜の表面
硬化性を促進するのに有利であるからである。
【0026】この低沸点溶剤の含有量は、20〜80w
t%が好ましい。その含有量が20wt%未満では、半
透明性歯牙被膜組成物の歯牙表面のミクロ欠陥等への浸
透性が悪くなるだけでなく、この組成物が硬化する時の
発生蒸気量が少なく(酸素遮断効果が悪くなり)硬化被
膜の表面硬化性に支障が出るためであり、80wt%を
超えると、硬化性成分が少なく硬化被膜を形成し難くな
るだけでなく、硬化被膜中に低沸点溶剤が残存し易くな
り、硬化被膜強度に悪影響を及ぼすからである。特に、
低沸点溶剤の含有量は、漂白歯牙表面への浸透性と硬化
被膜の耐久性とのバランスの観点から35〜65wt%
が好ましい。
【0027】また、本発明に適用される可視光重合開始
剤は、光照射により歯牙表面に塗布した半透明性歯牙被
覆組成物の塗膜を硬化させるために必須であるが、カン
ファキノン、フルオレノン、ベンジル、α−アミノアセ
トフェノン、チオキサントンなどが例示できる。
【0028】可視光重合開始剤の存在下で、半透明性歯
牙被覆組成物は、400〜500μmの波長域の可視光
線の照射により、酸素の存在下でも迅速に硬化し、硬化
被膜を歯の表面に形成する。
【0029】特に、可視光重合開始剤としては、重合活
性能の点でカンファキノンが好ましい。即ち、カンファ
キノンが、特に優れる理由は、酸素存在下での重合抑制
の影響を比較的受け難く、しかも、硬化深度が大きいの
で、深く浸透した部分の硬化をも促進するのにも有利で
あるからである。
【0030】また、可視光重合開始剤の含有量は、0.
4〜5wt%の範囲が適しているが、3wt%を超える
と、半透明性歯牙被覆組成物の硬化物が黄色味の強くな
る傾向があるので、重合活性能と硬化被膜の色調のバラ
ンスとに鑑み、その含有量は、1.0〜3wt%が好ま
しい。
【0031】また、本発明の特徴は、上記の組成物に白
色無機微粉末を添加して、歯牙表面への塗着により半透
明皮膜を形成することにあるが、このような白色無機微
粉末としては、二酸化チタン、二酸化チタン被覆マイ
カ、縮合リン酸アルミニウム、酸化ジルコニウム、ヒド
ロキシアパタイト、酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素などが使用できる。特に、樹脂への添
加量が少量で、硬化被膜に漂白歯表面の光乱反射による
白さと類似の白さを付与できる点で、二酸化チタン、二
酸化チタン被覆マイカ、酸化ジルコニウムが好ましい。
その中でも白色顔料でもある二酸化チタンが特に好まし
い。
【0032】白色系無機微粉末の粒子径としては、細か
いほど好ましく、1次粒子の平均粒子径としては10ミ
クロン以下が適している。10ミクロン以上の場合は、
漂白歯表面の光乱反射による白さをも含む色調と類似の
色調を再現するために多量の配合を必要として液粘性が
高くなるため、漂白後のミクロ欠陥部への浸透が悪くな
ったり、本半透明性歯牙被覆膜の表面滑沢性が低下し色
素沈着等の悪影響があったりするので好ましくない。1
0ミクロン以下でも、特に1ミクロン以下の場合、本半
透明性歯牙被覆組成液が漂白後のミクロ欠陥部内に浸透
するのに適している。
【0033】白色無機微粉末の含有量は、0.5〜10
wt%が適しているが、10wt%以上の場合は、本半
透明性歯牙被覆組成液の液粘性が高くなり漂白後のミク
ロ欠陥部内に浸透し難くなる上、本半透明性歯牙被覆膜
の均質性が悪くなったり、硬化被膜の光透過率が低過ぎ
て、従って反射率が高すぎて、チョーク様の不自然な色
調になることが多い。他方、白色無機微粉末0.5wt
%以下の場合は、半透明性歯牙被覆組成物が漂白後のミ
クロ欠陥部内に浸透した時、硬化被膜の光透過率が高く
なり過ぎて漂白歯表面の光乱反射低下による白さ不足を
補完出来ず、漂白面の色調と類似の色調を再現するのが
難しくなる。
【0034】本発明において、上記組成の組成物は、前
記硬化被膜の光透過率が60〜95%であるように設定
される。ここに、硬化被膜の光透過率は、組成物をでき
るだけ薄くかつ均質に塗付して後に、光硬化させた膜を
濁度計にて測定した全光線透過率を意味する。光透過率
が60%未満であると、上記のように白色無機微粉末の
反射光による不自然な色調になり好ましくない。95%
を超えると、漂白歯表面の光乱反射にかかわる白さ補完
が成し得ない。
【0035】白色無機微粉末の適性含有量は、漂白歯表
面の色調と類似の色調を再現するための白色微粉末の種
類や粒子径により、さらに、硬化後の皮膜の厚みにより
違ってくるが、上記の光透過率の範囲に成るように設定
される。特に、硬化後の皮膜の厚みは、40〜100μ
m程度が好ましく、特に、50〜80μmの範囲皮膜
は、このような厚み範囲で、上記光透過率を得られるよ
うに、白色無機微粉末の配合を決めることができる。
【0036】本発明の組成物には、可視光重合開始剤と
共に、重合促進剤を添加するのが好ましく、重合促進剤
は、歯牙表面に塗布した半透明性歯牙被覆組成物の塗膜
を迅速に光硬化させるために利用される。この重合促進
剤としては、助触媒として作用するものから選ばれ、還
元剤であるp−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジフェニル
アミン、ジメチルパラトルイジン、n−ブチルアミン、
トリエチルアミン、あるいはp−ジメチルアミノ安息香
酸イソアミル等が例示できる。この重合促進剤は、特
に、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、N−メチルジフェニルアミン
等が好ましい。重合促進剤の含有量とししては、0.4
〜5wt%の範囲が適しているが、3wt%を超えると
黄色味が強くなり、0.4wt%未満の場合は重合活性
能が低下する。
【0037】本発明に係る歯牙漂白後の仕上用の半透明
性歯牙被覆組成物は、上記組成の多官能アクリレートモ
ノマーと低沸点溶剤と可視光重合開始剤と重合促進剤
と、白色無機微粉末とから成るが、この組成物の特に好
ましい成分とその組成範囲を例示すると、35〜60w
t%の4官能性以上のアクリレートモノマーと、61〜
36wt%の沸点120℃以下のアクリレートモノマー
と、1〜3wt%のカンファキノンと、1〜8%の1次
粒子平均径が1ミクロン以下の二酸化チタンと、1〜3
wt%のp−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、N−メチルジフェニルア
ミンよりなる群より選ばれた重合促進剤とから成るもの
が挙げられる。この組成範囲が、歯牙漂白面の色調と類
似の色調を再現し、かつ、ミクロ欠陥部への浸透性と硬
化被膜の耐久性とを兼ね備えるのに、優れている。
【0038】本発明に係る歯牙漂白後の仕上用の半透明
性歯牙被覆組成物は、上記組成の多官能アクリレートモ
ノマーと低沸点溶剤と可視光重合開始剤と、好ましくは
重合促進剤と、から成るが、さらに、上記光重合開始剤
で重合可能な他のアクリレートモノマーを添加すること
もでき、これにより、歯牙表面皮膜の物理的、化学的性
質を改善することができる。
【0039】さらに、本発明の組成物には、接着性モノ
マーとして、公知の燐酸エステルモノマーを利用するこ
とができる。接着性モノマーの少量添加は、歯牙との接
着力を高め、硬化被膜の耐久性とを改善することができ
る。このような燐酸エステルモノマーには、ジフェニル
(2−メタクリロキシエチル)フォスフェート、ジメチ
ル(2−メタクリロキシエチル)フォスフェート、ジエ
チル(2−メタクリロキシエチル)フォスフェート、ジ
プロピル(2−メタクリロキシエチル)フォスフェー
ト、ジブチル(2−メタクリロキシエチル)フォスフェ
ート、ジオクチル(2−メタクリロキシエチル)フォス
フェート、、2−メタクリロキシエチルアシッドフォス
フェート、フェニル(2−メタクリロキシエチル)アシ
ッドフォスフェートなどを例示できる。
【0040】その燐酸エステルモノマー含有量は、歯牙
被覆組成物中に、0.1〜5wt%が好ましい。その含
有量が、0.1wt%より少ないと、この接着性モノマ
ーは、組成物被膜の歯牙への接着に寄与しないが、5w
t%より多いと、硬化被膜の強度を低下させる惧れがあ
る。その含有量は、接着性と被膜強さの兼ね合いから、
0.2〜2wt%がさらに好ましい。
【0041】本発明の半透明性歯牙被覆組成物は、上記
の配合の多官能アクリレートモノマー、低沸点溶剤、可
視光重合開始剤、白色無機微粉末及び、所要の添加剤か
ら調製されるが、低沸点溶剤が揮散や組成物のゲル化が
起こらないように遮光性の気密容器内で混合して調製す
るのがよい。調製した組成物は、同様に、遮光性の気密
容器内で貯蔵や輸送するのが好ましい。
【0042】本発明の半透明性歯牙被覆組成物は、白色
無機微粉末を含有している関係上、混合時には均質であ
るが、静置状態では白色系無機微粉末が沈降する傾向が
ある。従って、歯科医院等での使用時には、本材容器を
良く振って均質な状態にして使用することが望ましい。
【0043】本発明の半透明性歯牙被覆組成物の適用に
当たっては、対象となる歯牙の表面には、予め、漂白処
理が行なわれ、歯牙は白色の色調にされる。漂白処理
は、過酸化水素や過酸化尿素などの酸化剤のほか、例え
ば、還元剤や、酸溶液、アルカリ溶液など、従来の他の
漂白剤も使用できる。
【0044】漂白後の歯牙は、本発明の半透明性歯牙被
覆組成物が塗液として塗布される。塗布方法は特に、問
わないが、例えば、塗布作業には、小筆などでできるだ
け薄くかつ均質に塗布するのが好ましい。
【0045】歯牙表面に塗布した組成物の塗膜には、可
視光を照射して、被膜に硬化させる。この照射光源に
は、可視光領域で高出力の光照射器(例えば、クリエイ
ティブ(株)製:品名「キュアリングライトマッハ」、
又は、デジタル・メディカル・ダイアグノティックシス
テム社(DMD社)製:品名「アポロ95」が利用可
能)を使用して、短時間で、特に数秒程度で、照射操作
を終えることが可能である。この可視光照射器は、漂白
作業に使用する光照射器と兼用することもできる。
【0046】塗布面は、歯牙の漂白処理後、本発明の半
透明性歯牙被覆組成物の塗布に先立って、予め乾燥剤
(揮発性用溶剤)を使用して歯表面の水分をできる限り
少なくしておくのが、歯牙表面への接着性や被膜耐久性
などの点で好ましい。また、歯牙の漂白後、本発明の歯
牙被覆組成物塗布に先立って、漂白した歯牙表面をさら
にエッチング処理(例えば、燐酸溶液によるエッチン
グ)をしておくと、本歯牙被覆塗膜の歯表面への接着性
をより強固にするために有効である。
【0047】このようにして、本発明の漂白後仕上用の
半透明性歯牙被覆組成物は、漂白後の歯牙へ塗布され
て、歯牙表面組織へ浸透して、漂白により生じたミクロ
欠陥を埋めて表面を滑らかに被覆すると共にミクロ欠陥
に浸透充填した塗液硬化物をミクロアンカーとし強固に
根付かせ、表面において硬化被膜の歯牙への密着性を高
めているので、塗布後長期に及ぶ被膜耐久性を備えてい
る。しかも漂白後の光乱反射にもとづく白さと類似の白
さを付与しているので、漂白直後の白さを減退させるこ
となく、漂白後の変色(後戻り変色)防止が長期にわた
り有効に防止できる。さらに加えて、この被膜は、歯牙
表面のエナメル質など歯質を補強することになり、う蝕
に対する抵抗性を有効に発現し、さらに、プラーク付着
をも防止するのに有効である。
【0048】本発明の半透明性歯牙被覆組成物は、天然
歯に対して漂白後の仕上用・後戻り変色防止用としての
みならず、う蝕予防用の塗布材としても有効であり、プ
ラーク付着防止剤としても利用できる。さらに、本発明
の半透明性歯牙被覆組成物は、歯牙表面上の塗膜が、外
部刺激に対する遮断効果を有するので、知覚過敏防止用
の塗布材としても利用できる。
【0049】さらに、う蝕などにより抜髄して生活歯牙
固有の光沢を失った天然歯に対しても、表面塗布するこ
とにより、光沢及び白色度付与を兼ねた補強材などとし
て活用でき、審美歯科材料あるいは歯牙ホワイトニング
用材料として大変有用である。
【0050】
【実施例】[実施例1]下記表1に示す組成で、完全密
閉型の褐色瓶中でよく攪拌しながら半透明性歯牙被覆組
成物を配合調製した。ポリエチレンフィルム上に上記組
成物を小筆にて出来るだけ薄くしかも均質に塗付し直径
約2cmの円形状とした。その塗付面に歯科用可視光線
照射器(DMD社製造:型式アポロ95)を使用して、
塗布面の約3mm上方から3秒間光照射する操作を3回
繰り返して、硬化させた。
【0051】ポリエチレンフィルム上の硬化膜を、濁度
計(ヘーズメーター)(日本電色工業(株)製造:型式
1001DP)により全光線透過率を測定し、ポリエチ
レンフィルムのみの全光線透過率で除したものを硬化膜
の光透過率とした。
【0052】次に、抜歯した歯牙表面を十分に水洗後、
35%過酸化水素水に5時間浸漬して漂白し、さらに十
分に水洗した後アセトンで歯牙表面を脱水した。その歯
牙表面に上記の各組成物を小筆にて薄く塗布し、歯科用
可視光線照射器(DMD社製造:型式アポロ95)を使
用して、塗布面の約3mm上方から3秒間光照射する操
作を3回繰り返した。塗付材の歯面への塗付性、可視光
線照射後の被膜の均質状況、硬化被膜の表面硬化性、平
滑性及び表面色調等を肉眼と触感で観察した。これらの
結果を表1と表2に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1と表2により、サンプル1〜5は、8
〜80wt%の多官能系アクリレートモノマーと、16
〜80wt%の低沸点溶剤と、0.4〜5wt%の可視
光重合開始剤と、0.5〜10wt%の白色微粉末を主
成分として構成した半透明性歯牙被覆組成物であるが、
それぞれ硬化被膜の光透過率が60〜95%の適正範囲
内にあり、また、歯牙表面に塗付する場合、塗付性が良
く、表面まで十分に硬化した堅固な均質被膜で、しか
も、漂白直後の色調が再現されていることが判る。
【0056】表1のサンプル2〜5において、白色無機
微粉末の粒子径が4ミクロン程度の場合、漂白面の光乱
反射類似の白さを発現させるための最低配合量は二酸化
チタンが最も少なくて済み、また、本発明の範囲内のサ
ンプル1の通り、同じ二酸化チタンでも粒子径が1ミク
ロン以下の場合は特に配合量が少なくても硬化被膜の透
過率が適正域に入り、塗付材の紙面への塗付性や硬化被
膜の均質性等で有利であることが判る。
【0057】一方、多官能アクリレートを含まず、低沸
点アクリレートと可視光重合触媒との配合(比較例1)
では被膜形成ができなかった。単官能アクリレートと該
モノマーの低沸点溶剤と可視光重合開始剤との配合(比
較例2)でも本目的に適った堅固な被膜の形成能は得ら
れないことが判る。
【0058】また、多官能アクリレートモノマーと可視
光重合開始剤とに、20wt%未満の低沸点溶剤量を配
合した組み合わせの例(比較例3)も、歯面への浸透性
が不十分であり、且つ、硬化した被膜が不均質で、さら
に、表面硬化性も不十分であることが判る。他方、比較
例4に示す如く、可視光重合開始剤が0.4wt%未満
の量で、被膜形成が不十分であることが判る。
【0059】また、ヒドロキシアパタイト含有量が10
wt%を超える例(比較例5)では、硬化被膜の光透過
率は適正範囲に入ってはいるものの、塗付性が低下する
ためか硬化膜の均質性が悪くなるだけでなく、均質性や
平滑性も低下する。一方、二酸化チタンが0.1wt%
しか含まない例(比較例6)では、硬化被膜の光透過性
が99%と高く、漂白後のミクロ欠陥部に透明性レジン
が浸透した際、それまで観察されていたミクロ欠陥部の
光乱反射に係わる白さが明らかに減退していることが判
る。
【0060】[実施例2]実施例1の要領により調製し
た本発明の半透明性歯牙被覆組成物と、比較例組成物を
塗布した各歯牙につき、その被膜形成した測定該当部の
5ケ所を分光度計(ミノルタ製:分光度計CM−202
2)にて測色し、その平均値L0,a0,b 0を測定し、
次いで、色素ローズベンガルの0.2%水溶液中に37
℃で浸漬し保持した。
【0061】そして、一定時間後に前記と同要領にて各
々の歯牙表面の測色を行いその平均L,a,bを測定
し、染色液浸漬前の平均L0,a0,b0との差ΔEは、
次式で求めて、5以上の変色が発現するまでの期間を測
定した。 ΔE=[(L−L02+(a−a02+(b−b02
1/2
【0062】さらに、別途、抜歯した歯牙表面を、実施
例1と同要領で35%過酸化水素で5時間漂白し、水洗
と乾燥後に、漂白面を研磨用ポイントで表面研磨し、さ
らに、48時間水中保管した歯牙のサンプル(未塗布)
を準備し、比較例5として同様の実験に供した。試験結
果を表2にまとめた。
【0063】
【表3】
【0064】表3においては、従来法の未塗布の比較例
7が、歯牙の漂白後の表面研磨操作に労力を費やして、
しかも、37℃色素液中に浸漬するまでに48時間を保
持したにもかかわらず、浸漬して2日後にはΔEが5以
上に変色したことが認められる。
【0065】これに対して、表3から、本発明のサンプ
ル1〜5を使用した歯牙は、歯牙の漂白後、その表面研
磨操作を行うことなく、本発明の半透明性歯牙被覆組成
物を塗布した直後から上記の色素液中に37℃で浸漬保
持し、しかも、その後2ヵ月間の浸漬期間を経過した
が、それにもかかわらず、ΔEが5以下であり、表面が
変色するのが殆ど認められなかった。このことは、本発
明の半透明性歯牙被覆組成物が歯牙漂白面のミクロ欠陥
部に良く浸透し、長期間留まっていることを裏付ける。
他方、本発明範囲外の組成物(比較例1〜5)を塗布し
た歯牙は、比較的短期間でΔEが5以上となり変色が進
行した。
【0066】[実施例3]浸漬する染料液の保管温度条
件を50℃とすることを除いて、実施例2と同要領にて
試験を行った。その結果についても表2の通り、全体の
傾向としては実施例2の結果と同様である。さらに、本
発明の範囲内のサンプル1〜5を塗布した歯牙は、本発
明の多官能アクリレートモノマーとしては3官能以上の
多官能アクリレートモノマーを適用し、低沸点溶剤とし
ては沸点が120℃以下のアクリレートモノマーを使用
し、白色微粉末として1ミクロン以下の二酸化チタン微
粉末を使用し、さらに、本発明の可視光重合触媒として
はカンファキノンを適用したときに(本発明のサンプル
1)、漂白面色調と類似の色調を再現しかつ漂白後の歯
牙の変色防止するのに一層効果的であることが判る。
【0067】[実施例4]実施例1のサンプル3の組成
物100重量部に、フェニル(2−メタクリロキシエチ
ル)アシッドフォスフェートを2重量部を添加して、そ
の組成物をサンプル6とし、このサンプル6は、実施例
1の方法と同じ要領で、漂白歯に塗布し、実施例3に記
載されたと同要領で、50℃の0.2%ローズベンガル
水溶液に浸漬し、変色状況を実施例2記載の方法にて測
定した。その結果は表4の通りで、燐酸エステル系接着
ポリマーによる硬化被膜の歯質への接着増進効果が判
る。
【0068】
【表4】
【0069】表3より、上記の燐酸エステルモノマーを
添加したサンプル6は、その基剤としてのサンプル3
(表2)に比して変色防止効果が高いことが認められ
る。
【0070】[実施例5]抜歯された歯牙のなかで抜髄
のため既に光沢を失いしかも白さが減退し幾分黄色っぽ
い天然歯牙を十分に水洗した後、その歯牙表面に30%
燐酸水溶液塗付による燐酸エッチングを30秒施し、水
洗後アセトンで歯面の水分を脱水し、実施例1のサンプ
ル1を小筆にて薄く塗布した。次に歯科用可視光線照射
器(実施例1と同様:アポロ95)を使用し、それぞれ
の塗布面の約5mm上方から3秒間の光照射を3回繰り
返した。その後その歯牙表面を観察すると健全歯同様の
白さと光沢を有する面が発現した。その歯牙を37℃水
中に浸漬前し、1ケ月後にその表面を観察したが、歯牙
表面の白さと光沢は十分に維持されていた。
【0071】
【発明の効果】本発明の歯牙漂白後仕上用の半透明性歯
牙被覆組成物は、所定組成の多官能アクリレートモノマ
ーと、低沸点溶剤と、可視光重合開始剤と、白色系無機
粉末を主成分として含有するので、漂白歯牙に塗布し十
分に浸透させた後可視光照射をするだけで、下記特性を
有する被膜を硬化させ、定着することができる。
【0072】本発明の歯牙漂白後仕上用の半透明性歯牙
被覆組成物は、歯牙上に形成した表面被膜が、漂白歯牙
への浸透性を有し、漂白歯表面の光乱反射にもとづく白
さと類似の白さを発現しつつ、歯牙表面を平滑にして、
汚染を防止ないしは遅延させて、漂白後の色戻りを防止
することができる。
【0073】本発明の半透明性歯牙漂白後仕上用の歯牙
被覆組成物は、光照射による硬化被膜の形成後は歯牙表
面を長期間にわたり平滑に保つことにより、仕上げ研磨
を省略し得て、仕上げ後に患者が食べ物について特別な
注意を払う必要もなく、しかも長期間にわたり漂白歯牙
の変色(後戻り変色)防止することができる。
【0074】本発明は、さらに、歯質強化、知覚過敏防
止やプラークの付着防止にも有用な歯牙漂白後仕上用の
半透明性歯牙被覆組成物を提供することができる。
【0075】本発明は、歯牙漂白後仕上用の半透明性歯
牙被覆組成物の他、歯牙ホワイティング材、歯牙う蝕防
止材、知覚過敏防止材やプラーク付着防止材をも兼ねる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 徳元 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 川原 大 大阪府東大阪市東山町4番8号 財団法人 臨床器材研究所内 (72)発明者 中井 宏昌 大阪府東大阪市東山町4番8号 財団法人 臨床器材研究所内 Fターム(参考) 4C089 AA20 BA06 BC02 BD08 BD09 CA03 CA10 4J038 FA121 FA141 FA161 FA171 HA186 HA216 HA286 HA416 HA446 HA546 HA556 JA03 JA19 JA33 JA34 JA56 JB06 JC18 KA03 KA04 KA06 KA08 KA12 KA15 KA20 NA01 NA02 NA17 PA17 PB01 PC11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜80wt%の多官能アクリレート
    モノマーと、20〜80wt%の低沸点溶剤と、0.4
    〜5wt%の可視光重合開始剤と、0.5〜10wt%
    の白色無機微粉末とを含有する歯牙被膜組成物であっ
    て、且つ、当該組成物の硬化被膜の光透過率が60〜9
    5%であることを特徴とする歯牙漂白後仕上用の半透明
    性歯牙被膜組成物。
  2. 【請求項2】 多官能アクリレートモノマーが3官能以
    上のアクリレートモノマーである請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 低沸点溶剤が沸点120℃以下のアクリ
    レートモノマーである請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 可視光重合開始剤がカンファキノンであ
    る請求項1ないし3いずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 上記組成物が、さらに、0.4〜5wt
    %の重合促進剤を含む請求項1ないし4いずれかに記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】 上記の白色無機微粉末の平均粒子径が1
    ミクロン以下である請求項1ないし5いずれかに記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】 上記の白色無機微粉末が二酸化チタンで
    ある請求項1ないし5いずれかに記載の組成物。
  8. 【請求項8】 上記組成物が、さらに、0.4〜5wt
    %の重合促進剤を含む請求項1ないし5いずれかに記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】 上記の多官能アクリレートモノマーが、
    31〜59wt%の4官能以上のアクリレートモノマー
    であり、上記の低沸点溶剤が、60〜32wt%の沸点
    120℃以下のアクリレートモノマーであり、上記の可
    視光重合開始剤が、1〜3wt%のカンファキノンであ
    り、上記白色無機微粉末が、1〜8wt%の一次粒子平
    均径が1ミクロン以下の二酸化チタン粉末であり、さら
    に、1〜3wt%の重合促進剤を含有する請求項1記載
    の組成物。
  10. 【請求項10】 上記組成物が、さらに、燐酸エステル
    系接着性モノマーを0.1〜5wt%含有する請求項1
    ないし9いずれかに記載の組成物。
  11. 【請求項11】 上記組成物が、歯牙漂白後の変色防止
    材である請求項1ないし10のいずれかに記載の組成
    物。
  12. 【請求項12】 上記組成物が、知覚過敏防止材を兼ね
    る請求項1ないし10いずれかに記載の組成物。
  13. 【請求項13】 上記組成物が、歯牙う蝕防止材を兼ね
    る請求項1ないし10いずれかに記載の組成物。
  14. 【請求項14】 上記組成物が、歯牙プラーク防止材を
    兼ねる請求項1ないし10いずれかに記載の組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006056846A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Sun Medical Co Ltd 漂白時の知覚過敏を抑制する歯牙用漂白剤キット
US7815434B2 (en) 2002-10-08 2010-10-19 Kuraray Medical Inc. Dental coating kit
JP2019058094A (ja) * 2017-09-26 2019-04-18 キリン株式会社 コラーゲン配合飲料およびその製造方法
WO2022059702A1 (en) * 2020-09-18 2022-03-24 Mitsui Chemicals, Inc. Dental coating composition

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