JPH0657574B2 - 自動給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はプリンタや複写機等に用いる自動給紙装置に
関し、特にカットシートの二重送りの防止を図った自動
給紙装置に関するものである。

（従来の技術） 一般に、プリンタや複写機の自動給紙装置は重ねてセッ
トされたカット紙（カットシート）から一枚を分離させ
る分離機構部と、この分離された一枚のカット紙を印刷
部まで給送する紙送り機構部とで構成されている。しか
し、この分離機構部を紙送り機構部と同様に動作させた
のでは、カット紙が連続的に送り出されてしまうので、
分離機構部はカット紙一枚を分離した後、紙送り機構部
の動作に拘らず、停止させる必要がある。

（発明が解決しようとする問題点） このため、従来から、分離機構部と紙送り機構部の個々
の動作を制御するために、分離機構部においてホッパロ
ーラを半月型としたり、ワンウエイクラッチを組込み、
かつ、紙送り機構部との駆動力を断つための機構を併用
していた。

しかしながら、以上の構成では、装置の構成が複雑とな
り、高価となる他、給紙中に事故を生じ易いなどの問題
点があった。

この発明は、自動給紙装置において、カット紙分離機構
部と紙送り機構部と紙送り機構部の動作を制御する機構
を簡略化し制御し易くすることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するための本発明の構成を、実施例に
対応する第１〜３図を用いて説明すると、本発明は、自
動給紙装置において、駆動用のギア７を有したカットシ
ート分離機構部２６と、駆動用のギア１４を有した紙送
り機構部２５と、ギア７とギア１４との間に、正逆回転
可能に軸支され、駆動源によって駆動される主歯車８
と、主歯車８と接触しながら主歯車８の周りを公転する
遊星歯車１１及び遊星歯車１２を有し、主歯車８がＡ方
向に回転した場合、遊星歯車１１及び遊星歯車１２は主
歯車８の周りを主歯車８と同方向に公転し、遊星歯車１
１は、主歯車８の駆動力をギア７に伝達する位置にて公
転を停止しギア７を駆動すると共に、遊星歯車１２は、
主歯車８の駆動力をギア１４に伝達する位置にて公転を
停止しギア１４を駆動するよう主歯車８の周りにそれぞ
れ配置されると共に、主歯車８がａ方向に回転した場
合、遊星歯車１１及び遊星歯車１２は主歯車８の周りを
主歯車８と同方向に公転し、遊星歯車１１は、主歯車８
の駆動力のギア７への伝達を解除し主歯車８の駆動力を
ギア１４に伝達する位置にて公転を停止しギア１４を駆
動すると共に、遊星歯車１１は、主歯車８の駆動力のギ
ア７への伝達を解除し主歯車８の駆動力をギア１４にも
伝達しない位置にて公転を停止するよう主歯車８の周り
にそれぞれ配置された駆動力切換伝達機構部２９と、主
歯車８のＡ方向の駆動力が遊星歯車１２を介してギア１
４に伝えられる際の歯車の数より、主歯車８のａ方向の
駆動力が遊星歯車１１を介してギア１４に伝えられる際
の歯車の数が１個多くなるよう設けられたギア１３とを
具備したものである。

（作用） 本発明によれば、以上のように自動給紙装置を構成した
ので、カットシート３を分離する場合は分離機構部２６
と紙送り機構部２５に駆動力が伝達されて、カットシー
ト３の最上位シートがホッピングローラ５によって分離
されて、ガイド板１８ａ，１８ｂによってガイドされ、
紙送り機構部２５において紙送りローラ１６，１７によ
ってプリンタ１に送り込まれる。そして、この最上位シ
ート３ａの末端部３ｃが分離機構部２６のローラ５に圧
接された位置にある時又はそれ以前に駆動源モーター
（図示せず）を逆回転すれば、分離機構部用遊星歯車１
１はギヤ７から離れて紙送り機構部２５のギヤ１４と噛
み合っているギヤ１３に噛み合い、紙送りローラ１６，
１７を回転させるので、ホッピング・ローラ５は回転を
止め、カットシート３ａの下位にあるカットシートは分
離されず、カットシート３ａのみが紙送り機構部２５に
よって印字部へ給送される。したがって、前記問題点を
除去出来るのである。

（実施例） 以下図面について本発明の実施例を説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す側断面図であって、プ
リンタ１の後方あるいは上方より給紙する装置について
も同様である。

第１図において、１はプリンタ、２はカットシート３の
給送装置である。図示のように、カットシート３は積み
重ねてカセット４に収納され給紙装置２に装着されてい
る。カセットシートの最上位紙３ａの先端３ｂはカセッ
ト４内又は給紙装置２内の図示しないスプリングにより
ホッピングローラ５に圧接されている。又、カセット４
内には分離用の図示しない爪が有り、カットシート先端
３ｂを引掛けている。ホッピングローラ５はシャフト６
に固定されており、シャフト６にはギヤ７が固定されて
おり、これらのホッピングローラ５，シャフト６及びギ
ヤ７はカットシート分離機構部２６を構成し、給紙装置
２のフレームに組込まれている。

給紙装置２には図示しない駆動源のモータが組込まれて
おり、主歯車８が固定された軸９に連結されている。主
歯車８の軸９にはレバー１０が回転可能に装着され、レ
バー１０の両端には遊星歯車１１，１２が設けられ、そ
れぞれ主歯車の回転に従って公転可能に構成されてい
る。又、ギヤ１３がギヤ１４と噛み合っており、ギヤ１
４はシャフト１５に固定されている。シャフト１５には
紙送り用のローラ１６が固定されており、図示しないス
プリングによって押下されるローラ１７と接しており、
ギヤ１３，ギヤ１４，シャフト１５，ローラ１６及びロ
ーラ１７によって紙送り機構部２５を構成している。そ
して、ガイド板１８ａ，１８ｂによってホッピングロー
ラ部から紙送り機構部２５のローラ１６，ローラ１７を
経て、プリンタ１の挿入口までカットシート３の給送路
が形成されている。

次に、上記構成の実施例の動作を第１図〜第３図を用い
て説明する。

まず、第２図において、図示しない駆動源のモーターが
一方向に回転すると、主歯車８は矢印Ａ方向に回転す
る。主歯車８は遊星歯車１１，１２を矢印Ｂ，Ｃ方向に
回転させながらレバー１０を矢印Ｄ方向に回転させる。
主歯車８の回転が進むと、遊星歯車１１はギヤ７と、
又、遊星歯車１２はギヤ１４と噛み合ったところで、レ
バー１０の回転が止まる。

さらに主歯車８の回転が続くと、遊星歯車１１はギヤ７
を矢印Ｅ方向に回転させるので、シャフト６を介してホ
ッピングローラ５も矢印Ｅ方向に回転する。又、遊星歯
車１２はギヤ１４を矢印Ｆ方向に回転させるので、シャ
フト１５を介してローラ１６は矢印Ｆ方向に回転する。
したがって、ローラ１６に従属しているローラ１７は矢
印Ｇ方向に回転する。

以上のように、ホッピングローラ５に圧接されたカット
シート３はホッピングローラ５の矢印Ｅ方向の回転によ
り矢印Ｈ方向に押し出され、ガイド板１８ａ，１８ｂに
ガイドされてローラ１６，ローラ１７に挟み込まれる位
置まで繰出される。この時、カットシート３の末端部３
ｃはホッピングローラ５に圧接される位置にある。以上
の状態でさらに回転が進むと、カットシート３の末端部
３ｃを繰り出した後、カットシート３ａの下に位置して
いたカットシート３ｄも連接して繰り出されてしまう。
そこで、カットシート３ａの末端３ｃがホッピングロー
ラ５に圧接された位置にある時又はそれ以前に駆動源の
モーターを制御して逆回転させる。

第３図において、主歯車８は矢印ａ方向に回転し、遊星
歯車１１，１２及びレバー１０をそれぞれ矢印ｂ，ｃ，
ｄ方向に回転させ、遊星歯車１１がギヤ１３に噛み合っ
たところでレバー１０の回転は止まる。遊星歯車１１は
ギヤ１３，ギヤ１４，シャフト１５を介してローラ１６
を第２図と同じ矢印Ｆ方向に回転させる。このとき、遊
星歯車１１とギヤ７の噛み合いが開放され、ギヤ７，シ
ャフト６，ホッピングローラ５は図示せぬ駆動源のモー
タからの駆動力が断たれて回転が自由の状態になる。し
たがって、ローラ１６，ローラ１７に挟み込まれたカッ
トシート３はローラ１６の矢印Ｆ方向の回転により、プ
リンタ１の紙送り機構に入り込むまで送られる。このと
き、カットシート３はホッピングローラ５を回転させな
がらカセット４内部から抜き取られるのである。

なお、カットシート３の末端部３ｃがホッピングローラ
５と圧接されない位置まで来た時、ホッピングローラ５
は自動的に停止してしまうので、カットシート３ａの下
に位置していたカットシート３ｄはカセット４から繰り
出されないでカセット４内に納まったままの状態を保つ
ことが出来る。したがって、カットシートの二重送りの
問題点が解決される。

（発明の効果） 以上詳細に説明したように本願発明は、給紙装置の紙送
り機構とカットシート分離機構との間に遊星歯車による
駆動力切り替え伝達機構と、駆動源を正回転または逆回
転した場合で、主歯車から紙送り機構部に至る歯車の数
を奇数個異ならせるよう設けられた歯車とを具備したの
で、駆動源のモーターの正回転及び逆回転を制御するだ
けで、紙送り用ローラを常に一方向にかつ、分離用ロー
ラはカットシートを分離する時にのみ回転させることが
出来るので、カットシートの二重送り防止の効果が得ら
れ、更に、紙送り用ローラを必要としない場合には、本
発明を構成する紙送りローラの代りに、排紙ローラの制
御にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す側断面図、第２図，第３
図はカットシート給送途中の動作状態を示す説明図であ
る。 １……プリンタ、２……給紙装置、３……カットシー
ト、４……カセット、５，１６……ホッピングローラ、
２６……分離機構部、７，１３，１４……ギヤ、８……
主歯車、９……駆動力切換伝達機構、１０……レバー、
１１，１２……遊星歯車、２５……紙送り機構部、１７
……ローラ、１８ａ，１８ｂ……ガイド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カットシート分離手段と紙送り手段とを有
   する自動給紙装置において、 前記カットシート分離手段を駆動する分離用歯車と、 前記紙送り手段を駆動する搬送用歯車と、 前記分離用歯車と前記搬送用歯車との間に、正逆回転可
   能に軸支され、駆動源によって駆動される主歯車と、前
   記主歯車と接触しながら該主歯車の周りを公転する第１
   及び第２の遊星歯車を有し、該主歯車が一方向に回転し
   た場合、該第１及び第２の遊星歯車は該主歯車の周りを
   該主歯車と同方向に公転し、該第１の遊星歯車は、該主
   歯車の駆動力を前記搬送用歯車に伝達する位置にて公転
   を停止し該搬送用歯車を駆動すると共に、該第２の遊星
   歯車は、該主歯車の駆動力を前記分離用歯車に伝達する
   位置にて公転を停止し該分離用歯車を駆動するよう該主
   歯車の周りにそれぞれ配置されると共に、該主歯車が他
   方向に回転した場合、該第１及び第２の遊星歯車は該主
   歯車の周りを該主歯車と同方向に公転し、該第２の遊星
   歯車は、該主歯車の駆動力の前記分離用歯車への伝達を
   解除し該主歯車の駆動力を前記搬送用歯車に伝達する位
   置にて公転を停止し該搬送用歯車を駆動すると共に、該
   第１の遊星歯車は、該主歯車の駆動力の前記搬送用歯車
   への伝達を解除し該主歯車の駆動力を前記分離用歯車に
   も伝達しない位置にて公転を停止するよう該主歯車の周
   りにそれぞれ配置された駆動力切換伝達手段と、 前記主歯車の前記一方向の駆動力が前記第１の遊星歯車
   を介して前記搬送用歯車に伝えられる際の歯車の数と、
   前記主歯車の前記他方向の駆動力が前記第２の遊星歯車
   を介して前記搬送用歯車に伝えられる際の歯車の数が奇
   数個異なるよう設けられた反転結合歯車とを具備したこ
   とを特徴とする自動給紙装置。