JPH0657570B2 - ベルトコンベア装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は被搬送物が載せられる平ベルト又はこれに類す
るエプロンベルト，スラットベルト等を用いたコンベア
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の装置として、例えば、第７図に示すよう
なものがある。このベルトコンベア装置１において、２
は被搬送物としてのワークＷを載せるベルト、３はベル
ト２を循環させるベルト車である。

そして、例えばベルト２の始端側において、フィーダ４
からベルト２の進行方向Ｒに対してワークＷの長手方向
が略直角になるようにワークＷを供給し、ベルト２を駆
動してその終端側のパレット５まで搬送するとともに、
パレット５内に落し込んで積載するものである。尚、こ
の場合、パレット５は順次ベルト２の長手方向Ｌに沿っ
て移動せしめられワークＷを順次積み重ねるようにして
いる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、このような従来のベルトコンベア装置１にあ
っては、例えば、フィーダ４からワークＷがベルト２上
に載置された際にワークＷが所定の姿勢にならないで傾
いた場合には、パレット５上に正規に積み重ねることが
できない。

そこで、本発明の技術的課題はベルト上においてワーク
Ｗの姿勢を所定のものに修正しうるようにする点にあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

このような課題を解決するための本発明の技術的手段
は、ベルトの幅よりも長い棒状の被搬送物が載せられる
ベルトコンベア装置において、ベルトに立設され被搬送
物に係合し当該被搬送物をベルトの進行方向に対して直
交する向きに位置決め可能な係合爪と、上記ベルトの経
路の途中に設けられ、ベルトの両側近傍にベルトの進行
方向に向かってベルト面から斜めに起上り、被搬送物の
各端部が当接する一対の上昇壁を有する第１のスライド
板と、上記ベルトの搬送終端部位に設けられ、ベルトの
両側近傍にベルトの進行方向に向かってベルト面から斜
めに起上る一対の上昇壁を有する第２のスライド板と、
上記第２のスライド板の上昇壁上の被搬送物を担持する
ハンドとを有し、上記係合爪はベルトの進行方向に所定
の間隔を隔てて取付けられると共に、その内の一の係合
爪が上記第２のスライド板の頂部の手前に位置したとき
には、他の一の係合爪は上記第１のスライド板の頂部の
手前に位置するように配置され、上記ベルトは上記係合
爪が第２のスライド板の頂部の手前に位置したとき、所
定時間だけ一旦停止するように間欠駆動されると共に、
上記ハンドはベルトの停止時に被搬送物を担持し運搬す
るようにしたものである。

〔作用〕

この手段によれば、ベルト幅よりも長尺の被搬送物が傾
いてベルト上に載せられた場合、搬送過程において被搬
送物の一端が第１のライド板の一方の上昇壁に当接す
る。すると、この上昇壁は斜めに起上っているので、摩
擦抵抗のために被搬送物は停滞する。次に、上記の他端
が他方の上昇壁に至る。その後、被搬送物は係合爪に係
合してベルトの進行方向と直交する向きに位置決めされ
た状態で上昇壁間に載架され、その傾きが修正される。
さらに、被搬送物はベルト上に載せられて搬送され、や
がて第２のスライド板の上昇壁に当接して上記と同様に
位置決めされ再度その姿勢が修正される。

そして、引き続き被搬送物は第２のスライド板の上昇壁
を上昇し頂部にむけて移動するが、間欠駆動されている
ベルトは被搬送物が第２のスライド板の上昇壁頂部の手
前位置に至ったときに一旦停止する。するとハンドが駆
動され、上記被搬送物はこのハンドによって担持され別
の個所に運搬される。このとき同時に、他の一の係合爪
は上記第１のスライド板の頂部の手前に位置し、第１の
スライド板の上昇壁とベルトに立設された係合爪によっ
て形成されたＶ字状の受け面に被搬送物を保持した状態
で停止する。そして必要な作業が行なわれ、所定時間経
過後には再びベルトは進行を開始する。

〔実施例〕

以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に係るベルト
コンベア装置を説明する。

第１図（ａ）（ｂ）に示すベルトコンベア装置Ｃにおい
て、１０は被搬送物としてのワークＷが載置されるベル
トである。このワークＷの長手方向の寸法はベルト１０
の幅寸法よりも長いものになっており、長手方向両端が
ベルト１０の両側から突出するように載せられる。１１
はベルト車、１２はベルト１０の両側に設けられベルト
車１１を支持する支持部材、１３は支持部材１２から延
びる脚部材である。１４ａ，１４ｂは山形に形成された
第一のスライド板であって、ベルト１０経路の中間部位
において両側の支持部材１２に夫々対称に取付けられて
いる。この第一のスライド板１４ａ，１４ｂはベルト１
０の進行方向Ｒに向ってベルト面から斜めに起上る傾斜
面を有しワークＷが載架されてスライド可能な上昇壁１
５ａ，１５ｂと、この上昇壁１５ａ，１５ｂの頂部１６
ａ，１６ｂから下っている下降壁１７ａ，１７ｂとを備
えている。また、１８ａ，１８ｂは第二のスライド板で
あって、ベルト１０の終端部位において両側の支持部材
１２に夫々取付けられ、ベルト１０の終端位置まで斜め
に起上る傾斜面を有しワークＷが載架されてスライド可
能な上昇壁１９ａ，１９ｂと、この上昇壁１９ａ，１９
ｂの頂部２０ａ，２０ｂから下っている下降壁２１ａ，
２１ｂとを備えている。２３ａ，２３ｂは下降壁２１
ａ，２１ｂ端部上方に向って折曲形成された受け部であ
る。そしてまた、第一のスライド板１４ａ，１４ｂ間及
び第二のスライド板１８ａ，１８ｂ間の寸法はワークＷ
の長手方向寸法よりも短いものに設定される。

更に、２４ａ，２４ｂはベルト１０の両側端に相対向し
て夫々突設された係合爪であって、等間隔で複数対設け
られている。この係合爪２４ａ，２４ｂはワークＷに係
合可能であり、その係合時にはワークＷの長手方向がベ
ルト１０の進行方向に対して直角になるようにワークＷ
を位置決め可能に設定される。

また、第２図乃至第５図はこのベルトコンベア装置Ｃが
適用される搬送システムを示す図である。ベルト１０の
始端側にはフィーダ（図示せず）が配設される一方、ベ
ルト１０の終端側にはワークＷをパレット２９に積み込
む積載装置Ｓが配設される。この積載装置Ｓにおいて、
３０はスタンド、３１はワークＷをその両端において担
持する一対のハンド、３２はハンド３１を支持する支持
ブロック、３３は油圧や空圧で作動しこの支持ブロック
を上下動させるシリンダである。３４はこのシリンダが
取付けられるスライダであり、スタンド３０に設けたス
ライド部材３５にベルト１０の長手方向に沿って摺動可
能に支持され図外のアクチュエータによって駆動され
る。３６は支持ブロック３２に設けられたガイドシャフ
トであり、スライダ３４に設けたカラー３６ａを上下方
向に摺動して支持ブロック３２をガイドするものであ
る。３７は配管であって、ハンド３１を開閉させるため
の作動流体を供給するものである。

また、ハンド３１の一対のフィンガ４０は、特に第５図
に示すように、夫々コ字状に折曲形成され、その先端部
４１の内側面は互いに先端に向って下る傾斜面４２とし
て形成される。

また、上記ベルトコンベア装置Ｃのベルト１０は、係合
爪２４ａ，２４ｂが第一のスライド板１４ａ，１４ｂの
頂部１６ａ，１６ｂ及び第二のスライド板１８ａ，１８
ｂの頂部２０ａ，２０ｂの手前に位置したとき、所定時
間だけ一旦停止するように間欠駆動される。更に、上記
ハンド３１は図外の制御装置によって制御され、ベルト
１０の停止時に第二のスライド板１８ａ，１８ｂ上のワ
ークＷを担持し、その後パレット２９に順次積み重ねる
ように駆動される。

従って、この搬送システムによれば、以下のようにして
ワークＷが搬送される。

まず、フィーダからワークＷが数本ずつベルト１０に供
給される。今、１つのロットに着目して説明すると、第
６図（ａ）に示すように、ワークＷはその両端がベルト
１０の両側から突出した状態で搬送される。この状態に
おいて、フィーダからの供給時にワークＷの姿勢は傾い
たものになっているものとする。

次に、ワークＷが第一のスライド板１４ａ，１４ｂの設
けられた位置まで搬送されると、第６図（ｂ）に示すよ
うに、先ずワークＷの一端部が上昇壁１５ｂに当接す
る。この場合、上昇壁１５ｂは斜めに起上っているの
で、ワークＷに抵抗が働き、ワークＷの一端部が上昇壁
１５ｂに当接した位置を保ちながらベルト１０が相対移
動することになる。その後ワークＷの他端部が上昇壁１
５ａに当接する。この時点で、ワークＷはその長手方向
がベルト１０の進行方Ｒに対して直角になる位置に設定
される。他のワークＷも第６図（ｃ）に示すように同様
に、直角に設定される。

この状態において、ベルト１０はワークＷを相対移動
し、第６図（ｄ）に示すように、係合爪２４ａ，２４ｂ
がワークＷに係合する。そして、係合爪２４ａ，２４ｂ
はワークＷの長手方向がベルト１０の進行方向Ｒに対し
て直角になるように位置決めした状態で、ワークＷを押
し上げ上昇壁１５ａ，１５ｂに載架せしめる。そして、
第一のスライド板１４ａ，１４ｂの頂部１６ａ，１６ｂ
の手前にワークＷが位置すると、ベルト１０は一旦停止
し、後述する積載装置Ｓによる作業が行なわれる。次
に、ベルト１０が始動すると、第６図（ｅ）に示すよう
に、ワークＷは係合爪２４ａ，２４ｂに押されながら頂
部１６ａ，１６ｂを乗り越えて下降壁１７ａ，１７ｂに
沿って移動し、ベルト１０上に載置される。この状態に
おいては、ワークＷは傾いた姿勢が修正され正規の姿勢
になる。

その後、ワークＷがベルト１０の終端に至ると、第２図
に示すように、第二のスライド板１８ａ，１８ｂに当接
し、その頂部２０ａ，２０ｂの手前に至るまでは、第一
のスライド板１４ａ，１４ｂにおけると同様の作用を呈
する。この場合、第一のスライド板１４ａ，１４ｂから
第二のスライド板１８ａ，１８ｂまでの間でのワークＷ
の傾きが修正される。

そして、ワークＷが頂部２０ａ，２０ｂの手前位置に至
るとベルト１０が停止し、積載装置Ｓが作動する。この
とき、ワークＷはその姿勢が正規のものになっているの
で、ハンド３１に確実に担持され、担持ミスが防止され
る。仮にミスが生じてワークＷが頂部２０ａ，２０ｂを
乗り越えた場合には受け部２３ａ，２３ｂにおいて受け
止められるので、下に落下することが防止される。

その後、パレット２９上においてハンド３１による把持
が解除される。この場合、ハンド３１のフィンガ４０の
先端部４１は傾斜面４２を有しているのですべり易くな
っており、そのため確実にパレット２９上に載置され
る。

このようにして、他のロットに係るワークＷにおいても
同様の作用により、順次パレット上に積み重ねられる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明のベルトコンベア装置によ
れば、第１のスライド板と係合爪により、ベルトに供給
される被搬送物がベルトの進行方向と直交する正規の姿
勢に修正され、さらに第２のスライド板によって第１の
スライド板から第２のスライド板に至る間の被搬送物の
姿勢の崩れが修正される。また被搬送物は第２のスライ
ド板の上昇壁を正規の姿勢のまま上昇し、かつ頂部の手
前位置に至ったときにベルトは一旦停止するので、ハン
ドによる被搬送物の担持が容易かつ確実なものとなり、
搬送後の取出し作業を確実なものとすることができる。
加えて、ベルト停止中は他の一の係合爪は第１のスライ
ド板の頂部の手前の位置で停止しているので、この係合
爪で保持されている被搬送物の姿勢が確認できると共
に、例え被搬送物の姿勢が修正されてない場合であって
も上昇壁と係合爪によって受け面が形成されているた
め、例えば作業員等によっても容易に姿勢修正が行え、
また被搬送物の搬送状態を監視する作業員も第１のスラ
イド板の位置で待機させれば足りることになり、監視が
容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）（ｂ）は本発明の実施例に係るベルトコン
ベア装置を示す平面図及び正面図、第２図及び第３図は
このベルトコンベア装置が適用される搬送システムにお
ける積載装置を示す側面図及び正面図、第４図及び第５
図は積載装置のハンドの構造とハンドの取付状態とを示
す正面図及び側面図、第６図（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）
（ｅ）はコンベア装置の作用を示す図、第７図は従来の
ベルトコンベア装置の一例を示す斜視図である。 Ｗ……ワーク（被搬送物） １，Ｃ……ベルトコンベア装置 ２，１０……ベルト １４ａ，ｂ……第一のスライド板 １８ａ，ｂ……第二のスライド板 ２４ａ，ｂ……係合爪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベルトの幅よりも長い棒状の被搬送物が載
   せられるベルトコンベア装置において、 ベルトに立設され被搬送物に係合し当該被搬送物をベル
   トの進行方向に対して直交する向きに位置決め可能な係
   合爪と、 上記ベルトの経路の途中に設けられ、ベルトの両側近傍
   にベルトの進行方向に向かってベルト面から斜めに起上
   り、被搬送物の各端部が当接する一対の上昇壁を有する
   第１のスライド板と、 上記ベルトの搬送終端部位に設けられ、ベルトの両側近
   傍にベルトの進行方向に向かってベルト面から斜めに起
   上る一対の上昇壁を有する第２のスライド板と、 上記第２のスライド板の上昇壁上の被搬送物を担持する
   ハンドとを有し、 上記係合爪はベルトの進行方向に所定の間隔を隔てて取
   付けられると共に、その内の一の係合爪が上記第２のス
   ライド板の頂部の手前に位置したときには、他の一の係
   合爪は上記第１のスライド板の頂部の手前に位置するよ
   うに配置され、 上記ベルトは上記係合爪が第２のスライド板の頂部の手
   前に位置したとき、所定時間だけ一旦停止するように間
   欠駆動されると共に、上記ハンドはベルトの停止時に被
   搬送物を担持し運搬することを特徴とするベルトコンベ
   ア装置。