JPH0657473U - 移動式洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被洗浄部品の移動作業及び独立した洗浄作業
を不要にする。 【構成】 移動自在な台車２２に主タンク２３を設け、
パレット３１を主タンク２３内で昇降駆動自在とし、台
車２２を移動させて被洗浄部品の近傍に装置を設置し、
その場でパレット３１に被洗浄部品を載せて昇降駆動さ
せ洗浄を行ない、被洗浄部品の移動作業及び独立した洗
浄作業を不要にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、油圧機器部品や機械部品等の金属部品を洗浄する洗浄装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

油圧機器や工作機械等の金属部品は、組立前や加工前に洗浄液によって洗浄さ れる。

【０００３】 小さな金属部品の場合、図７に示すように、洗浄缶１に洗浄液２を満たし、金 属部品３を手４で保持して洗浄液２に浸して上下させ、金属部品３の洗浄を行な っている。

【０００４】 比較的大きな金属部品の場合、図８に示すように、金属部品５を洗浄籠６に入 れてクレーン等で吊り下げ、洗浄タンク７内の洗浄液８中で上下させ、金属部品 ５の洗浄を行なっている。また、図９に示すように、洗浄タンク９内を上下動す る載置台１０を設け、直動シリンダ１１によって載置台１０を駆動する洗浄装置 １２を用い、載置台１０に金属部品を載せて直動シリンダ１１によって洗浄タン ク９内を上下させて洗浄を行なっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来、金属部品を洗浄する場合、洗浄缶１や洗浄タンク７もしくは洗浄タンク ９の設置場所まで金属部品を運んで行なっているため、作業効率が悪く作業者は 重労働を強いられていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の構成は、任意の位置に移動自在な台車と、 台車に設置され洗浄液が満たされる主タンクと、被洗浄部品が載置され主タンク 内を上下に移動自在な載置部材と、主タンクに隣接して台車に設置される補助タ ンクと、主タンクと補助タンクを連結し主タンクから補助タンクに洗浄液を排出 する排出液路と、補助タンクの底部に設けられ補助タンク内の洗浄液に浮遊する 金属微粉が吸着されるマグネットを有する洗浄液濾過手段と、補助タンクに設け られ洗浄液濾過手段で濾過された洗浄液を主タンクに循環させるポンプと、台車 に設置され載置部材を上下に往復駆動する駆動手段とからなることを特徴とする 。

【０００７】

【作用】

台車を移動させて装置を被洗浄部品の近傍に移動させ、載置部材に被洗浄部品 を載置し、駆動手段によって載置部材を主タンク内で上下に往復移動させて被洗 浄部品の洗浄を行なう。主タンクの洗浄液は排出液路から補助タンクに排出され 、洗浄液濾過手段により濾過されてポンプにより主タンクに循環される。

【０００８】

【実施例】

図１には本考案の一実施例に係る移動式洗浄装置の斜視、図２にはタンク内部 を表わす断面、図３には洗浄液の循環回路、図４にはパレットの支持状況を表わ す断面、図５には駆動装置の駆動回路を示してある。

【０００９】 図１に示すように、車輪２１によって任意の位置に移動自在な台車２２には、 主タンク２３及び補助タンク２４が設けられ、補助タンク２４は仕切壁２５によ って第１室２６及び第２室２７に仕切られている。第１室２６には配管２８によ り主タンク２３から洗浄液が送られ、仕切壁２５をオーバーフローした洗浄液が 第２室２７に送られる。第２室２７の洗浄液はポンプ２９により配管３０から主 タンク２３に送られる。主タンク２３には載置部材としてのパレット３１が昇降 自在に設けられ、駆動手段としてのモータ３２及びチェーン３３を介してパレッ ト３１は昇降駆動される。

【００１０】 図２に示すように、主タンク２３内には隔壁３４が設けられ、隔壁３４で排出 液路３５が形成されている。排出液路３５の上部に配管２８が連結され、主タン ク２３内の洗浄液３６は、排出液路３５からのみオーバーフローして配管２８か ら補助タンク２４に送られる。

【００１１】 図３に示すように、ポンプ２９はモータ３７によって駆動され、ストレーナ３ ８を介して補助タンク２４の第２室２７内の洗浄液３６を主タンク２３に循環す る。補助タンク２４には洗浄液３６に浮遊する金属微粉を吸着するマグネット（ 図示省略）が備えられている。補助タンク２４を仕切壁２５で第１室２６と第２ 室２７に仕切ることにより、第２室２７には仕切壁２５をオーバーフローした（ 濾過された状態）洗浄液３６が送られる。この補助タンク２４の構成が洗浄液濾 過手段となっている。

【００１２】 図４に示すように、主タンク２３の内部には上下方向に延びるガイドウエイ３ ９が設けられ、パレット３１はガイドウエイ３９に上下動自在に支持されている 。モータ３２の駆動によりチェーン３３を介してパレット３１はガイドウエイ３ ９に沿って昇降動する。

【００１３】 図５に示すように、エア源５０よりエアを接続すると、モータ３２のＡ側にエ アが送り込まれ、主タンク２３内のパレット３１が上限位置になるようになって いる。この状態が原位置であり、起動待機状態である。

【００１４】 プッシュボタンバルブ（ＰＢ）４１を押すと、エアはバルブ４６に入りその後 主切換弁４７を作動させ、回路Ｃのエアが逆止弁（流量調整弁付）４８を通りモ ータ３２のＢ側に入りモータ３２を回転させる。モータ３２の回転途中でエアは 、リミットバルブ４５ａをそのまま通過してリミットバルブ４５ｂに到達する。 この時回路Ｃのエアは補助切換弁４２を作動させ、また主切換弁４７を作動させ てモータ３２を逆転させる。また、リミットバルブ４５ｂが作動した時、遅延バ ルブ４３が作動し始めて設定時間のカウントを開始する。以後はリミットバルブ ４５ａ，４５ｂにより主切換弁４７を交互に切換えて主タンク３内のパレット３ １を昇降動させる。尚、遅延バルブ４３のカウントが完了した後の最初のリミッ トバルブ４５ｂの作動により、パレット３１は原位置に戻る。

【００１５】 セット弁４４は、一次側供給エアの水分除去器（フィルター）と、供給された エアに適度のオイルミスト（潤滑油の霧）を混入させるレギュレータと、供給さ れたエア圧力を調整して必要圧に設定する圧力調整弁とを１つの機器としたもの である。

【００１６】 上述した移動式洗浄装置の作用を図６に基づいて説明する。図６にはパレット ３１の動作サイクルを示してある。

【００１７】 台車２２を移動させて、各機械工場の機械横や組立作業場所に設置し、洗浄工 程を独立した作業工程とはしない。

【００１８】 機械操作員もしくは組立作業員（作業員）がエア源５０のエアを接続し、被洗 浄部品をパレット３２上に載せ、プッシュボタンバルブ４１を操作する。パレッ ト３２が下降を開始し、リミットバルブ４５ｂが作動されるとエアの流れが変わ ってパレット３２が上昇を開始し、リミットバルブ４５ａが作動されるとパレッ ト３２は再び下降を開始する。遅延バルブ４３が作動するまでパレット３２は昇 降を繰り返し、遅延バルブ４３が作動するとパレット３２は上昇して原位置で停 止する。これにより、被洗浄部品が洗浄される。

【００１９】 主タンク２３内の洗浄液３６は、排出液路３５からのみオーバーフローして配 管２８から補助タンク２４の第１室２６に送られる。第１室２６内の洗浄液３６ は異物が混入していない洗浄液３６が仕切壁２５をオーバーフローして第２室２ ７に送られ、第２室２７の洗浄液３６はストレーナ３８を介してポンプ２９によ り主タンク２３に循環される。

【００２０】 上述した移動式洗浄装置は、台車２２を移動させることにより、被洗浄部品の 近傍、即ち機械の横や組立作業場所に設置することができ、機械作業員や組立作 業員により洗浄作業が行なえる。また、洗浄液３６はポンプ２９により循環され ているので、被洗浄部品の清浄度が安定する。また、洗浄作業はプッシュボタン バルブ４１を押すだけであるので、１人の作業員で複数台の装置を操作すること ができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の移動式洗浄装置は、移動自在な台車に主タンクを設け、載置部材を主 タンク内で昇降駆動自在としたので、台車を移動させることで被洗浄部品の近傍 に装置を設置することができると共に、その場で載置部材に被洗浄部品を載せて 昇降駆動させることで洗浄が行なえる。この結果、洗浄工程を無くして被洗浄部 品の移動作業及び独立した洗浄作業を不要にし、作業員の労力軽減と作業スペー スの削減が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る移動式洗浄装置の斜視
図。

【図２】タンク内部を表わす断面図。

【図３】洗浄液の循環回路図。

【図４】パレットの支持状況を表わす断面図。

【図５】駆動装置の駆動回路図。

【図６】パレットの動作サイクル線図。

【図７】従来の洗浄作業説明図。

【図８】従来の洗浄作業説明図。

【図９】従来の洗浄作業説明図。

【符号の説明】

２１ 車輪 ２２ 台車 ２３ 主タンク ２４ 補助タンク ２５ 仕切壁 ２６ 第１室 ２７ 第２室 ２９ ポンプ ３１ パレット ３２ モータ ３３ チェーン ３５ 排出液路 ３６ 洗浄液 ４１ プッシュボタンバルブ ４５ａ，４５ｂ リミットバルブ ４７ 主切換弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 任意の位置に移動自在な台車と、台車に
   設置され洗浄液が満たされる主タンクと、被洗浄部品が
   載置され主タンク内を上下に移動自在な載置部材と、主
   タンクに隣接して台車に設置される補助タンクと、主タ
   ンクと補助タンクを連結し主タンクから補助タンクに洗
   浄液を排出する排出液路と、補助タンクの底部に設けら
   れ補助タンク内の洗浄液に浮遊する金属微粉が吸着され
   るマグネットを有する洗浄液濾過手段と、補助タンクに
   設けられ洗浄液濾過手段で濾過された洗浄液を主タンク
   に循環させるポンプと、台車に設置され載置部材を上下
   に往復駆動する駆動手段とからなることを特徴とする移
   動式洗浄装置。