JPH0657400A - 鋼鉄製部品の窒化方法 - Google Patents

鋼鉄製部品の窒化方法

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JPH0657400A
JPH0657400A JP23131292A JP23131292A JPH0657400A JP H0657400 A JPH0657400 A JP H0657400A JP 23131292 A JP23131292 A JP 23131292A JP 23131292 A JP23131292 A JP 23131292A JP H0657400 A JPH0657400 A JP H0657400A
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JP
Japan
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nitriding
parts
nitrided
treatment
oxide scale
Prior art date
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Pending
Application number
JP23131292A
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English (en)
Inventor
Shinichi Suzuki
信一 鈴木
Kenji Tani
健二 谷
Kaoru Hoshino
薫 星野
Manabu Yokomizo
学 横溝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Parker Netsushori Kogyo KK
Original Assignee
Parker Netsushori Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鋼鉄製部品を窒化するに際し、空気中で被窒
化部品の表面温度が200℃以上となるように加熱して
部品表面に酸化スケールを生成させ、残存する空気を窒
化処理用ガスで置換するか、もしくは不活性ガス雰囲気
中で被窒化部品を200℃以上となるように加熱し、次
いで空気を導入して被窒化部品表面に酸化スケールを生
成させ、続いて常法に従って窒化処理する。 【効果】 鋼鉄製機械部品等の窒化の均一性が向上し、
窒化部品の性能向上に寄与するところは大きい。さら
に、従来は窒化処理前に必ず脱脂処理がなされていた
が、その必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として鉄を主成分と
する素材からなる機械部品の全処理面を一様にガス窒化
(以下、単に窒化という)を行なう方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】鋼鉄製被窒化部品の窒
化前の表面状態は機械加工面が一般的である。もし、酸
化スケールの付いている部品であれば、酸化スケールは
除去されるのが通例である。例えば、焼入れ焼き戻し処
理してから窒化する部品は、粗加工の状態で焼入れ焼き
戻し処理し、それから仕上げ加工をして窒化する。この
場合、機械加工面は歪が残留しており、それが全被窒化
面にわたって一様でないため、窒化むらを生じることが
ある。この窒化むらをなくすために、機械加工された全
被窒化面を物理的あるいは化学的に一様にする必要があ
り、そのための前処理が必要となる。従来の前処理法に
は、ショットブラスト、リン酸塩皮膜処理あるいはフッ
ソ処理(特開平3−44457)等が提案されている。
【0003】これら従来法の内、ショットブラストは、
処理後、部品が発錆しやすく、そのまま窒化まで長く放
置することができない。その点、リン酸塩皮膜処理は優
れているが、コストが高いという問題点を有する。ま
た、フッソ処理を窒化工程内で行なうと、レトルトや配
管にフッ化物が堆積してくるので、別途処理することを
考えなければならない。その例が特開平3−19386
4である。
【0004】本発明は、上記問題点を解消し、簡単な方
法で全被窒化面を一様に前処理して均一な窒化処理を行
なえる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は従来在っては
ならないとされていた酸化スケールを活用し、これを積
極的に生成せしめ、次いで常法に従って窒化処理するこ
とにより前記問題点を解決したものである。
【0006】一般に、機械加工面からなる鋼鉄製部品
は、200℃以上の温度で酸素に触れるだけで、たちど
ころに酸化スケールが生成する。これが薄い場合、室温
に取り出してみると、きれいな青みがかった色をしてい
る。この色をテンパーカラーと称している。この場合、
酸化させる温度が高く、酸素に晒される時間が長いと、
酸化スケールは厚くなり、色は濃くなる。従って、この
色で酸化の程度が判定できる。さらに、酸化スケールが
厚くなると、手を触れただけで酸化スケールが剥離する
ようになる。また、200℃以上の温度では、上記のよ
うに酸化スケールが生成しやすいので、酸化スケールの
生成に及ぼす加工歪の不均一さの影響は小さい。さら
に、機械加工面に多少の油が付着していてもそれは燃焼
してしまい、問題とはならない。
【0007】従って、全被窒化面を物理的あるいは化学
的に一様な状態にするという本発明で意図する目的、及
び管理の容易さに対し、適度の酸化スケールを生成させ
るという手段は非常に有効であり、酸化スケールがその
後の窒化を阻害するどころか、かえって窒化を容易にす
るという新たな知見に基づいて本発明をなすにいたった
のである。
【0008】本発明における窒化方法において、その酸
化スケールの生成方法の違いから次の二通りの方法が採
用できる。まず第一の方法は、空気中で被窒化部品を加
熱し、その表面温度が200℃以上となして被窒化面に
酸化スケールを生成させ、残存する空気を所定のガス組
成の混合ガスで置換し、次いで常法に従って窒化する。
第二の方法としては、被窒化部品を窒素等の不活性ガス
雰囲気中で加熱、被窒化部品の表面温度が200℃以上
の温度となったところで、雰囲気中に空気を導入するこ
とにより、酸化スケールを生成させ、次いで常法に従っ
て窒化する。
【0009】前者の方法は、コスト面で有利であるが、
酸化スケールの厚さの調整及び爆発の危険阻止のため
に、残存空気の置換のタイミング等の操作が難しいとい
う難点を有する。また、後者の方法は、この操作の難し
さを解消したものである。これら本発明方法によれば、
前述のフッソ処理のように多量の副生成物が発生しない
ので、副生成物が後段の窒化処理を阻害することはな
い。なお、焼入れ焼き戻し処理をしたままの部品で、す
でにテンパーカラーの付いているようなもの、あるいは
窒化処理前に予め酸化スケールを生成させたものも同様
の効果が期待できる。
【0010】本発明において、酸化スケールの厚さは、
手で触れただけで多少酸化スケールが剥離する程度の厚
さまでは支障なく窒化処理することができる。但し、酸
化スケールが厚くなると、窒化処理後の表面が粗くなる
傾向にあり、仕上がり寸法に影響してくる。この点で、
酸化スケールは薄いほうが好ましく、一様に酸化スケー
ルを生成させることを考慮すれば、所謂テンパーカラー
の付いた程度の状態が望ましい。
【0011】酸化スケールの厚さは、主として酸素分圧
と温度、時間によって決まるので、これらを適当に変え
ることによって制御することができる。前記第二の方法
において、導入する空気の量は、同時挿入した被窒化部
品の総窒化面に一様なテンパーカラーを付けるに必要最
小限の空気量とすることが好ましく、当然その時の総窒
化面の大きさによって変化するものである。この量は総
窒化面の大きさが既知であればおおよそ計算で求めるこ
とができる。実際、テンパーカラーを付ける程度でよい
ので、200℃以上の温度であれば極微量の酸素及び短
時間に、かつ簡単に処理できる。この処理の上限温度は
窒化本来の特徴である処理温度の低いことを阻害するよ
うな高温度である必要はなく、具体的には400〜60
0℃とするのが好ましい。
【0012】
【発明の効果】以上のような本発明によれば、鋼鉄製機
械部品等の窒化の均一性が向上し、窒化部品の性能向上
に寄与するところは大きい。さらに、従来は窒化処理前
に必ず脱脂処理がなされているが、本発明によればその
必要はない。
【0013】
【実施例1】JIS規格の窒化用鋼SACM645の約
20mmφ×500mmの調質棒鋼を引き抜きダイスに
より、減面率にして約70%の軽い引き抜き加工を行な
った。それを50mm長さに切断し、その引き抜き加工
面の一部を研削加工して、1.5Sの表面粗さにした。
このようにして部分的に表面加工歪状態の異なるものを
2本用意した。このうち、1本はそのまま、520℃で
35h、アンモニアの解離度30〜60%の条件でガス
窒化処理した。もう1本は、400℃まで大気中で加熱
し、その後アンモニアガスで置換しつつ、昇温し、同条
件でガス窒化処理した。
【0014】窒化後、軸に直角に切断した横断面を研磨
し、それぞれ表面加工歪状態の異なる部分の表層のビッ
カーズ硬さ分布を測定した。この結果を図1に示す。機
械加工したままのものには、ビッカース硬さ分布に加工
歪状態の違いが見られる。しかし、表面にテンパーカラ
ーを付けたものには加工歪状態の違いが見られない。す
なわち、本発明の効果は明らかである。
【0015】
【実施例2】実施例1と同じ素材を用いて、同様にして
部分的に表面加工歪状態の異なる試験片を製作した。こ
の試験片を窒化炉に入れ、窒素ガス中で加熱し、400
℃になったところで、5vol%程度の空気を入れ、約
1分後に炉内を100%アンモニアに置換した。そし
て、520℃で35h、アンモニアの解離度30〜60
%の条件でガス窒化処理した。この窒化処理後の表層の
ビッカース硬さ分布は、実施例1における表面にテンパ
ーカラーを付けたものの結果と同じであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるビッカース硬さ分布
を示す硬さと表面からの距離との関係図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼鉄製部品を窒化するに際し、空気中で
    被窒化部品の表面温度が200℃以上となるように加熱
    して部品表面に酸化スケールを生成させ、残存する空気
    を窒化処理用ガスで置換し、次いで窒化処理することを
    特徴とする鉄鋼製部品の窒化方法。
  2. 【請求項2】 鋼鉄製部品を窒化するに際し、不活性ガ
    ス雰囲気中で被窒化部品を200℃以上となるように加
    熱し、次いで空気を導入して被窒化部品表面に酸化スケ
    ールを生成させ、続いて窒化処理することを特徴とする
    鉄鋼製部品の窒化方法。
JP23131292A 1992-08-06 1992-08-06 鋼鉄製部品の窒化方法 Pending JPH0657400A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0978223A (ja) * 1995-09-08 1997-03-25 Kagoshima Pref Gov オーステナイト系ステンレス鋼表面の窒化処理方法
DE10118029C1 (de) * 2001-04-11 2002-09-05 Ald Vacuum Techn Ag Verfahren zur thermochemischen Vorbehandlung von metallischen Werkstücken und Anwendung des Verfahrens
CN1106454C (zh) * 1995-05-25 2003-04-23 空气及水株式会社 钢的渗氮方法
JP2011012305A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Honda Motor Co Ltd 窒化部材およびその製造方法
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