JPH0657166B2 - 植毛したゴム靴 - Google Patents

植毛したゴム靴

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JPH0657166B2
JPH0657166B2 JP3089041A JP8904191A JPH0657166B2 JP H0657166 B2 JPH0657166 B2 JP H0657166B2 JP 3089041 A JP3089041 A JP 3089041A JP 8904191 A JP8904191 A JP 8904191A JP H0657166 B2 JPH0657166 B2 JP H0657166B2
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flocked
rubber
hair
cover
shoe
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守之 大塚
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第一ゴム株式会社
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B3/00Footwear characterised by the shape or the use
    • A43B3/0036Footwear characterised by the shape or the use characterised by a special shape or design
    • A43B3/0078Footwear characterised by the shape or the use characterised by a special shape or design provided with logos, letters, signatures or the like decoration
    • A43B3/0084Arrangement of flocked decoration on shoes

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胛被に毛又は短繊維等
を植毛したゴム靴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面に毛又は短繊維等を植毛し又は密生
したシート状物からなる胛被を有する靴は、外観が優美
であり、かつ趣があるため毛皮靴やスエード靴等として
高級なイメージをもつと共に保温性や防寒性に優れてい
る。
【0003】然し、これらの靴は主として毛皮や繊維等
を主体としているため、雨や水に濡れないときは何ら支
障はないが、雨水や融雪水等に濡れたときは水漏や毛細
管現象等により靴の中に水が浸透するのである。そのた
め濡れによる色の変化や汚染及び変形等により外観を損
ったり、更に収縮により履用の困難や履心地を悪くする
と共に耐久性を損うのであった。特に冬期において足が
濡れることは、衛生上及び健康上極めて好ましくない問
題である。そこで表面に柔毛を植毛したシート状物から
なる胛被を有する履物の製造法(特許出願公告昭49−
29700号公報)や短繊維を植毛した合成樹脂製履
物、及び加硫した植毛のあるゴムシートで成形したゴム
製履物(実用新案出願公開昭55−133803号公
報)がある。
【0004】前者は、上端縁に膨隆部を有する帯状片を
毛の密生したシート状物よりなる胛被下端周縁に囲繞縫
着し、足型に吊り込み、底部材を取付けてなる履物の製
造法である。後者は、合成樹脂シートに短繊維を植毛し
たものや未加硫ゴムシートに短繊維を植毛しこれを加硫
した後、胛被を作るのである。尚、従来はゴム靴の胛被
を背面等で貼合わせたところには背テープ等のゴムテー
プが貼着されていた。ゴム靴の製造方法としては、一般
に胛被ゴムは相互を背面で貼合わせ、その場合に胛被ゴ
ムの端縁を若干重ね合わせて貼着し、更にその上に背テ
ープゴムを貼着していた。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前記のように前者で
は、上端縁に膨隆部を有する帯状片を毛の密生した胛被
下端周縁に囲繞縫着するために、特別形状の帯状片や縫
着等の手数を要しかつ、高価になった。又、縫着による
糸及び穴から水や融雪水が毛細管現象等により浸透する
ために、これらの水や融雪のあるところでは履用の困難
や履心地を悪くすると共に耐久性を損うのであった。特
に冬期においては衛生上及び健康上好ましい問題ではな
かった。更に、毛皮靴や繊維を主体とした靴では汚染や
胛被の収縮による変形等により、外観を損ねたり履用を
困難にした。従って、胛被に染み込んだ汚染には、収縮
や変形があるために、水洗いは不可能であった。又、後
者では成形前の胛被が合成樹脂に植毛したものや、ゴム
シートに植毛した後に加硫したものであるために、可撓
性又は弾力性があった。従って手作業による成形吊込み
が困難なためにこれらには高価な機械や高度に熟練した
技術が必要であり、かつ能率が悪い等により高価なもの
になった。
【0006】更に、底の接着もいわゆる後着けであるた
めに完全を期することができず、剥離をしたり又は接着
剤の食み出しにより外観を損ねることもあった。底と同
様に胛被においても、胛被ゴムを背面において貼着した
ところは、接着剤の食み出し等で外観を損ねていた。背
ゴムテープの貼合わせ方法においても接着剤の塗布及び
乾燥等に時間が必要で能率的でなかった。以上のように
極めて困難な問題が種々あるために、この種のゴム靴は
強い要望があるにも拘わらず市場には全くなかった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】この発明は前記の欠点
を解決した植毛したゴム靴についてのものである。即
ち、植毛したゴム靴は中底・埋底及び外底等の底部分並
びに植毛したゴムの胛被からなる植毛したゴム靴におい
て、植毛したゴムの胛被は予め未加硫ゴムの状態で外底
等の底部分との接着部分以外の他の部分に接着剤を介し
て植毛したものであり、かつ該ゴムの胛被を貼着し、か
つ、相互に突合わせ状に接着し、成形後に加硫したもの
である。植毛したゴムの胛被は裏布を有するものと、有
しないものがある。尚、前記において、底部分との接着
部分以外の他の部分に接着剤を介して植毛したものとあ
るのは、他の部分の全体に一様に植毛したものや、又は
部分的に即ち模様又はファッション的な図柄等に植毛す
る場合を含むという意味である。更に、前記植毛したゴ
ム靴は、前記外底等の底部分との接着部分以外の他の部
分に植毛されると共に、一体化により前記胛被の左側及
び右側となるように個別に裁断された未加硫ゴムシート
を相互に突合わせ、且つ貼着した後に加硫したものであ
る。
【0008】
【作用】本発明である植毛したゴム靴は、胛被相互が突
合わせ状に接着されており、並びに胛被と外底の接着が
完全であり、かつ、縫製が全くしてないので水に濡れて
も水の浸透がなく完全な防水になっている。又、植毛し
てあるために雪に接してもゴムに直接触れることが少な
い。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の各実施例を順
次説明する。なお、本発明は植毛したゴム靴に関するも
のであるが、本発明の理解を容易になすため、各実施例
においては植毛したゴム靴の製造方法についても適宜説
明する。
【0010】(実施例−1)次に、図1〜図6を参照し
て本発明の第1実施例を説明する。本実施例は、表面に
植毛すると共に裏面に裏布を設けた一枚の胛被を用いて
製造したゴム靴に関する。なお、図1は植毛した靴の形
状を示す斜視図、図2は図1のP−P′に沿う要部の拡
大端面図、図3は図1のA−A′に沿う端面図、図4は
未加硫ゴムシートの平面図、図5は裁断した胛被の平面
図、図6は靴の組立工程の一部を説明するための斜視図
である。先ず、本実施例によって製造される靴Kの外観
について述べると、図1に示すように外底6を除き植毛
した胛被2によって構成されている。そして靴Kの内部
側面、即ち足を入れる部分の側面には裏布3が設けられ
ている。胛被2の植毛は、図2、図4、図5に示すよう
に、胛被2と外底6との接着部分である接着代11を除
いて他の部分にのみ植毛したものである。植毛した胛被
2は未加硫ゴムの状態に於いて接着剤を塗布し、そこへ
植毛したものである。このときに植毛した胛被2の接着
代11の部分には接着剤の塗布や植毛は勿論行なわな
い。植毛した胛被2は部分的に、即ち模様又はファッシ
ョン的な図柄等になっている場合も含むものである。
【0011】植毛した胛被2の植毛は、未加硫ゴムシー
ト1へ従来ゴムへ普通に使用されている電気植毛装置及
び方法等にて行なうものである。植毛した胛被2の植毛
された毛及び短繊維の種類は、天然、化学又は合成の何
れでもよく特に限定されない。毛の大きさも特に限定さ
れない。尚、ポリアミド繊維で太さ1.5デニール、長
さ0.6mmのものを植毛した場合はスエード調のもの
になる。植毛した未加硫ゴムシート1は一般に行なわれ
ている刃型により裁断されて、所定の大きさの植毛した
胛被2となる。図6にも示す通り内側には裏布3があ
り、これの表面にゴム糊が塗布されている。底部分には
内側より中底4及び埋底5が貼着されている。胛被部分
には補強として前剣8及び後剣9が貼着されている。履
口にも履口テープ10が貼着されている。尚、後剣9が
履口テープ10まで達している。
【0012】図1及び図2に示すように、ゴム糊を塗布
した裏布3に未加硫ゴムの植毛した胛被2を套被して貼
着し、背面では突合わせ状にして接着し、底部では吊込
み加工して中底4や埋底5と貼着している。背面におけ
る突合わせ状の接着は図3のようになっている。植毛し
た胛被2における外底6との接着代11が底部分にきて
いる。吊込み加工の場合に中底4の位置が一定なので植
毛した胛被2の植毛部分を外底6と重ならないようにす
ることができる。尚、デザインにより外底6と一定の間
隔をおいて貼着することもできる。植毛した胛被2にお
ける外底6との接着代11に外底6を貼着されている。
従って接着は完全である。外底6の貼着後に常法により
加硫することにより植毛したゴム靴が完成する。尚、必
要な場合は外底6を貼着した後にゴム用塗料を塗布して
加硫する場合もある。
【0013】前記のようにしてなる本実施例の裏布を有
する植毛したゴム靴は、従ってゴム靴の性質を有し、な
お植毛してあるために外観が優美であり、かつ趣があ
り、毛皮靴やスエード靴として高級なイメージをもつゴ
ム靴である。植毛した胛被2が未加硫ゴムの状態で成形
されているため、外形が所望のものとなり、及び植毛し
た胛被2の相互が突合わせ状になっているため接着が完
全であり、並びに植毛のない接着代11に外底6を接着
してあるために接着が完全であり、剥離する恐れがなく
完全防水となっている。従って、水漏れや水の浸透がな
いので外観を損ったり、履心地を悪くしたりすることが
なく耐久性もよい。因みに植毛したゴム靴の汚れに対
し、水洗いすることできれいに復元出来る特徴がある。
然も表面に毛や短繊維があるので雪や冷気等が直接ゴム
に接することが少ないために保温性及び防寒性もある。
殊に、従来は保温性及び防寒性をもたせるために、保温
材及び防寒材等を幾重にも部厚くするのであった。その
ため履心地を悪くするのであった。然し、本発明に係る
製造方法によって製造された植毛したゴム靴は、単にゴ
ムに植毛したのみでそれら保温性及び防寒性を有すると
共に、構造及び製造が極めて簡単であり、軽快で足に良
くフィットするので履心地が良いものである。従って外
観が毛皮靴やスエード靴等と同じであるが、耐久性に優
れており、安価で経済的である。
【0014】次に、前記した靴の製造方法を説明する。
先ず、図4に示すように未加硫ゴムシート1に、胛被に
おける外底6との接着部分である接着代11を除いて他
の部分に接着剤を塗布した後に植毛する。このとき同時
に、裁断するときの便宜として刃型の当接するところに
も裁断目印22として植毛する。前記において胛被にお
ける植毛には、部分的に、即ち、模様又はファッション
的な図柄等に植毛する場合もある。接着剤の塗布にはス
クリーンを利用する(図示せず。)スクリーンには所要
の植毛する胛被及び裁断目印のところを切抜いたシート
を取付ける。尚、この切抜きは実際の胛被よりも若干大
きくしてある。このスクリーンを未加硫ゴムシート1に
当接し、この切抜き部分に接着剤を塗布する。接着剤に
はゴム糊を使用し、植毛のための処理もされている。
尚、接着剤は植毛する毛や短繊維により異なる。毛や短
繊維も植毛のために処理されるのは従来通りである。
【0015】植毛する装置及び方法等は、従来ゴムに普
通に使用されている電気植毛装置(図示せず)及び方法
等にて行なう。これには連続的に接着剤を塗布して植毛
するものや、未加硫ゴムシート1を1枚ずつ別々に植毛
する方法も含まれる。植毛する毛及び短繊維の種類は、
天然、化学又は合成の何れでもよく、特に限定されな
い。毛の大きさも特に限定されない。電気植毛装置は毛
の大きさによりその電気の使用量も大きくなる。尚、ポ
リアミド繊維で太さ1.5デニール、長さ0.6mmの
ものを植毛した場合はスエード調のものになる。これら
接着剤の塗布や植毛の形は靴金型7の立体的な形に合う
ような展開図形になっている。これは植毛した胛被2の
套被貼着し、及び吊込み成形を容易にし、かつ植毛等の
無駄を省く為である。
【0016】次に図5に示すように植毛した胛被2に裁
断する。裁断には刃型により行なうのが一般的である。
植毛した未加硫ゴムシート1を2枚以上重ねて裁断する
こともある。尚、裁断目印22は刃型以外の方法で裁断
するときも便利である。次に図6に示すように靴金型7
を倒立し、これに裏布3を套被し、表面に接着剤として
ゴム糊を塗布する。放置して乾燥後に埋底5及び中底4
の両面にゴム糊を塗布して靴金型7の底面における裏布
3に貼着する。尚、胛被の補強は必ずしも必要ではない
が、一般的には、次に未加硫ゴムの前剣8及び後剣9を
貼着する。又、履口にも履口テープ10を貼着する。次
に図1及び図2に示すように、未加硫ゴムの植毛した胛
被2を套被し貼着し、背面では突合わせにし、底部では
吊込み加工して中底4又は中底4及び埋底5と貼着す
る。この吊込み加工のときに植毛した胛被2における外
底6との接着代11が底部分にくるようにする。
【0017】この吊込み加工の方法として、靴金型7の
底部分にある中底4の位置が一定なので、これを目印と
して植毛した胛被2の植毛部分の境界を貼着して成形す
る。これにより植毛部分を外底6と重ならないようにす
ることができる。尚、デザインにより外底6と一定の間
隔をおいて貼着することもできる。次に外底6を貼着す
る。このとき植毛した胛被2における外底6との接着代
11に貼着するので接着は完全なものになる。その後常
法により加硫することにより本発明である植毛したゴム
靴の製造方法が終了する。尚、必要な場合は外底6を貼
着した後にゴム用塗料を塗布して加硫する場合もある。
【0018】前記において、裁断する工程で出る植毛を
含むスクラップゴムは未加硫なので再度ロール加工等に
より他の部品として使用することができる。従って、植
毛した胛被2は成形時に未加硫ゴムの状態であるため成
形が容易である。又、背面が突合わせ状になっているの
で接着が容易かつ完全であり、接着剤を使用しないので
外観を損うことがない。植毛した胛被2の外底6との接
着部分に接着代11があるために接着剤が不要で衛生的
かつ作業能率が向上するものである。又、接着が完全で
接着剤の食み出しにより外観を損うこともない。従って
従来のゴム靴と同様に能率よく製造することができる。
【0019】(実施例−2)次に、図7から図10を参
照して本発明の第2実施例を説明する。本第2実施例に
係る植毛したゴム靴は裏布のないところが前記の第1実
施例と異なるところであり、他は殆んど同様で胛被の表
側に植毛してあるものである。即ち、植毛した胛被2の
外底6との接着代11は全く植毛してないものである。
本実施例の植毛したゴム靴は、植毛した胛被2が靴金型
に合うように所定の大きさに裁断されたものが、未加硫
ゴムの状態で突合わせ状に接着されて、図16に示すよ
うに筒状にされて成形されたものである。その裏側の突
合わせ面に沿って背テープ12が貼着され、その他に前
剣8、後剣9及び履口テープ10等が貼着されている。
尚、この後の成形は従来のこの種のゴム靴と同様に行わ
れるものである。即ち、靴金型上に前記の補強等のある
筒状にした植毛した胛被2を套被し、吊込むと共に載置
してある接着剤を塗布した中底4及び埋底5と貼着し、
次に外底6を貼着し、然る後に常法により加硫を施すこ
とによりなるものである。この外に短繊維、毛、接着
剤、及び植毛等の植毛に関することは前記の第1実施例
と同様である。
【0020】本実施例による植毛したゴム靴は前記の第
1実施例と殆んど同様で裏布のない点のみが異なり、植
毛した胛被2が未加硫ゴムの状態で成形されているため
に、成形が容易かつ完全であり、植毛のない接着代11
があるため外底6との接着が完全であり、剥離する恐れ
がなく、完全防水となっている。その他保温性及び防寒
性等があり、かつ耐久性があるため経済的である。又汚
染しても水洗いで容易に取り除き、きれいになる。
【0021】(実施例−3)次に、図11〜図24を参
照して本発明の第3実施例を説明する。本実施例に係る
植毛したゴム靴の製造方法は、裏布を有するものに関す
るものであるが、植毛した胛被2が二枚から構成されて
いる点で本発明の第1及び第2実施例と異なるものであ
る。先ず、未加硫ゴムシート1の形状から説明すると、
図14A,Bに示すように未加硫ゴムシートの各々に胛
被の左側及び右側を各々別々にして、胛被における外底
6との接着部分である接着代11を除いて他の部分に接
着剤を塗布した後に植毛し、植毛した左側の胛被2a、
右側の胛被2bを得る。このとき同時に、裁断するとき
の便宜として刃型の当接するところにも裁断目印22と
して植毛する。前記において胛被における植毛には、部
分的に、即ち、模様又はファッション的な図柄等に植毛
する場合もある。
【0022】接着剤の塗布にはスクリーンを利用する
(図示せず。)スクリーンには所要の植毛する胛被及び
裁断目印のところを切抜いたシートを取付ける。尚、こ
の切抜きは実際の胛被よりも若干大きくしてある。この
スクリーンを未加硫ゴムシート1に当接し、この切抜き
部分に接着剤を塗布する。接着剤にはゴム糊を使用し、
植毛のための処理もされている。尚、接着剤は植毛する
毛や短繊維により異なる。毛や短繊維も植毛のために処
理されるのは従来通りである。植毛する装置及び方法等
は、従来ゴムに普通に使用されている電気植毛装置(図
示せず)及び方法等にて行なう。これには連続的に接着
剤を塗布して植毛するものや、未加硫ゴムシート1を1
枚ずつ別々に植毛する方法も含まれる。植毛する毛及び
短繊維の種類は、天然、化学又は合成の何れでもよく、
特に限定されない。毛の大きさも特に限定されない。電
気植毛装置は毛の大きさによりその電気の使用量も大き
くなる。尚、ポリアミド繊維で太さ1.5デニール、長
さ0.6mmのものを植毛した場合はスエード調のもの
になる。これら接着剤の塗布や植毛の形は靴金型7の立
体的な形に合うような展開図形になっている。これは植
毛した胛被2の套被貼着し、及び吊込み成形を容易に
し、かつ植毛等の無駄を省く為である。尚、植毛した左
側の胛被2a、右側の胛被2bは略対称になっている。
【0023】上記植毛のときに左側の胛被2a、及び右
側の胛被2bの各々の下方の底との接着代11の下縁に
沿って裁断目印22を植毛する。尚、胛被の上端裁断目
印として、植毛した胛被2の上端で前方から約5mmの
ところに植毛しない部分Sを、胛被下方の底との接着代
11内であって前記と対称となる部分に胛被の下端裁断
目印Tを植毛する。これらは左右両側の胛被2a,2b
に必ずしも付する必要はない。これは後程左右両側の胛
被2a及び2bを重ねて裁断と同時に接着するときに使
用する。次に図15A、Bに示すように植毛した左右の
各々の胛被2a,2bを裁断刃型にて裁断する。この後
図16及び図17に示すように左右両側の胛被2a,2
bを重ねる。このとき植毛していない内側を互いに接す
るように重ねる。勿論2組以上を同時に重ねてもよい。
これらの最上段の胛被の上端裁断目印Sから下端裁断目
印Tにかけて裁断刃型を合わせて裁断する。その結果図
18に示すようになり、植毛した左側の胛被2a及び右
側の胛被2bは互いに前端Wで接着している。そこで接
着している前端Wを中心として両側を突合わせると全面
的に接着するが、ロールを掛けるとより完全になり、一
体の植毛した胛被2は立体的なものとなる。これは左右
両側の胛被2a,2bが未加硫ゴムであるから容易に接
着するのである。従ってこれら左側及び右側の胛被2
a,2bを柔かい状態で重ねて裁断するのが効果的であ
る。
【0024】前記において得られた植毛した胛被2は図
23に示すように、図24における靴金型7に合うよう
に所定の大きさにその背面を裁断し、前記した胛被の前
端Wと同様に突合わせ状とし、その裏側に背テープ1
2、前剣8、後剣9、及び履口テープ10等の補強片が
貼着されて、いわゆる筒状となる。この外に胛被の前端
Wにある突合わせ接着個所に沿って、前テープ12′を
貼着する。前記によって得られた植毛した胛被2は、図
24に示すように中底4及び埋底5にゴム糊を塗布した
後これを貼着し、靴金型7の底部分に載置する。次に前
記で得られた図23で示す植毛した胛被2は靴金型7に
套被し、かつ、中底4及び埋底5と吊込んで貼着して成
形し、次に外底6を貼着する。このとき植毛した胛被2
における接着代11に貼着するので接着が完全なものと
なる。その後常法により加硫することにより本発明であ
る裏布のない植毛したゴム靴が完成する。尚、必要な場
合は外底6を貼着した後にゴム用塗料を塗布して加硫す
る場合もある。
【0025】前記において、裁断する工程で出る植毛を
含むスクラップゴムは未加硫なので再度ロール加工等に
より他の部品として使用することができる。本発明の実
施例は前記のような諸工程からなるものである。従って
植毛した胛被2は未加硫ゴムの状態であり、かつ植毛し
た左側の胛被2a及び右側の胛被2bからなっており、
靴金型7と合うようになっているため成形が容易であ
る。植毛した胛被2の前端W及び背面が突合わせ状にな
っているので接着が完全であり、接着剤を使用しないの
で外観を損なうことがない。植毛した胛被2の外底6と
の接着部分に接着代11があるために従来通りの作業方
法でよく接着剤が不要で衛生的かつ作業能率が向上する
ものである。又、接着が完全で接着剤の食み出しにより
外観を損うこともない。従って従来のゴム靴と同様に能
率よく製造することができる。
【0026】更に、前記の実施例は胛被の表側に植毛し
たゴム靴に関するものであるが、裏側に植毛したゴム靴
についても製造することができる。この場合は、植毛し
た胛被を裏返して、植毛した部分が内側になるように胛
被の必要な個所を貼着し、いわゆる筒状にして靴金型に
直接套被し、中底等に吊込み、その後は前記と同様に外
底等を貼着し、常法により加硫することにより製造する
ことができる。前記において植毛した胛被は相互に突合
わせ状にされている。
【0027】次に前記したゴム靴の製造方法を説明す
る。即ち、図14A,B乃至図18に示すように二枚の
未加硫ゴムシート1において胛被における外底6との接
着代11以外の他の部分に接着剤を塗布した後これに植
毛し、植毛した左側の胛被2a及び右側の胛被2bを得
る工程、及びこれを裁断する工程は前記と同様である。
従って前記における未加硫ゴムシート1への接着剤の塗
布方法、その接着剤、植毛する装置及び方法、並びに植
毛する毛及び短繊維の種類等、その他植毛に関すること
も同様である。次に図15A,Bに示す裁断方法、この
後図16及び図17に示すように植毛した左側の胛被2
a及び右側の胛被2bを得て胛被の前端Wを突合わせて
接着し、一体の植毛した胛被2の立体的なもの等は前記
と同様である。
【0028】次に図12及び図19に示すように、第1
実施例と同様に靴金型7上のゴム糊を塗布した裏布3に
中底4、埋底5並びに前剣8、後剣9及び履口テープ1
0を貼着する。更に背テープ12及び裾テープ13を貼
着する。これらの上に前記により得られた植毛した胛被
2を套被し、貼着し、かつゴムの植毛した胛被2相互を
突合わせ状に接着し、中底4及び埋底5に貼着して吊込
み成形する。この場合に植毛した胛被2が靴金型7と合
うように立体的になっているので、本発明の第1実施例
のように部分的に強く引っ張らなくても、前記の作業は
容易に行なわれる。次に外底6を貼着し、その後常法に
より加硫をすることにより本発明による植毛したゴム靴
の製造方法が終了する。
【0029】本発明の裏布を有する植毛した左側の胛被
2a及び右側の胛被2bからなる本実施例の植毛したゴ
ム靴は前記のような諸工程からなるものである。従っ
て、植毛した胛被2は成形時に靴金型7と合うように立
体的になっており、かつ、未加硫ゴムの状態であるため
成形が容易である。又、背面及び胛被の前端Wが突合わ
せ状になっているので接着が完全であり、接着剤を使用
しないので外観を損うことがない。植毛した胛被2の外
底6との接着部分に接着代11があるために接着剤が不
要であり、衛生的かつ作業能率が向上するものである。
又、接着が完全で接着剤の食み出しにより外観を損うこ
とがない。従って従来のゴム靴と同様に能率よく製造す
ることができる。その他は第1実施例と同様である。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る植毛したゴム靴は、中底、
埋底及び外底等の底部分並びに植毛したゴムの胛被から
なる植毛したゴム靴において、植毛したゴムの胛被は予
め未加硫ゴムの状態で外底等の底部分との接着部分以外
の他の部分に接着剤を介して植毛したものであり、か
つ、該胛被を貼着し成形後に加硫したものである。又、
前記外底等の底部との接着部分以外の他の部分に植毛さ
れると共に、一体化により前記胛被の左側及び右側とな
るように個別に裁断された未加硫ゴムシートを相互に突
合わせ、且つ貼着して加硫したものである。従って、ゴ
ム靴の性質を有し、なお植毛してあるために外観が優美
であり、かつ趣があり毛皮靴やスエード靴として高級な
イメージをもつゴム靴である。
【0031】胛被が未加硫ゴムの状態で、しかも植毛の
ないところに底を接着してあるために接着が完全であり
剥離する恐れがなく完全防水になっている。そのため従
来のように上端縁に膨隆部を有する帯状片を胛被下端周
縁に、囲撓縫着する等の必要はない。胛被の相互が突合
わせ状に接着してあり、接着が完全であり、かつ外観が
よい。従って雨水や融雪水に接しても水漏れや水の浸透
がないので外観を損ったり、履心地を悪くしたりするこ
となく、耐久性もよい。因みに本発明による植毛したゴ
ム靴の汚れに対し、水洗いすることできれいに復元出来
る特徴がある。然も表面に毛や短繊維があるので雪や冷
気等が直接ゴムに接することが少ないので保温性及び防
寒性もある。
【0032】殊に、従来は保温性及び防寒性をもたせる
ために、保温材及び防寒材等を幾重にも部厚くするので
あった。そのため汗をかいたり、足に良くフィットしな
かったり、更に重くなったりして履心地を悪くするので
あった。然し、本発明に係る植毛したゴム靴は、単にゴ
ムに植毛したのみでそれら保温性及び防寒性を有すると
共に、構造及び製造が極めて簡単であり、軽快で足に良
くフィットするので履心地が良いものである。従って外
観が毛皮靴やスエード靴等と同じであるが、耐久性に優
れており、比較的安価に製造できるので経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における植毛したゴム靴の斜視図で
ある。
【図2】図1におけるP−P′線による一部拡大端面図
である。
【図3】図1におけるA−A′線による拡大端面図であ
る。
【図4】未加硫ゴムシートに植毛した平面図である。
【図5】図4における胛被を裁断した図である。
【図6】靴金型に裏布を套被し、中底等を貼着した斜視
図である。
【図7】第2実施例における植毛したゴム靴の斜視図で
ある。
【図8】図7におけるM−M′線による一部拡大端面図
である。
【図9】図7におけるC−C′線による拡大端面図であ
る。
【図10】図7における植毛したゴム靴についての胛被
の斜視図である。
【図11】第3実施例における斜視図である。
【図12】図11におけるQ−Q′線による一部拡大端
面図である。
【図13】図11におけるB−B′線による拡大端面図
である。
【図14】Aは未加硫ゴムシートに植毛した左側の胛被
の平面図、BはAと同様の実施例における未加硫ゴムシ
ートに植毛した右側の胛被の平面図である。
【図15】Aは図14Aにおける植毛した左側の胛被を
裁断した平面図、Bは図10Bにおける植毛した右側の
胛被を裁断した平面図である。
【図16】図15A,Bにおける植毛した胛被を重ねた
平面図である。
【図17】図10におけるR−R′線による一部拡大縦
断面図である。
【図18】図16において胛被の上端及び下端裁断目印
1 Tに沿って裁断したときの平面図である。
【図19】靴金型に裏布を套被して中底等を貼着した状
態の斜視図である。
【図20】植毛したゴム靴の斜視図である。
【図21】図20におけるN−N′線による一部拡大端
面図である。
【図22】図20におけるD−D′線による拡大端面図
である。
【図23】図20における植毛したゴム靴の胛被の斜視
図である。
【図24】本実施例における中底及び埋底を貼着したも
のを載置した斜視図である。
【符号の説明】
1 未加硫ゴムシート 2 植毛した胛被 2a 植毛した左側の胛被 2b 植毛した右側の胛被 3 裏布 4 中底 5 埋底 6 外底 7 靴金型 8 前剣 9 後剣 10 履口テープ 11 外底との接着代 12 背テープ 12′ 前テープ 13 裾テープ S 胛被の上端裁断目印 T 胛被の下端裁断目印 W 胛被の前端

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中底・埋底及び外底等の底部分並びに植
    毛したゴムの胛被からなる植毛したゴム靴において、植
    毛したゴムの胛被は予め未加硫ゴムの状態で外底等の底
    部分との接着部分以外の他の部分に接着剤を介して植毛
    したものであり、該胛被を貼着し、かつ相互に突合わせ
    状に接着したものであり、成形後に加硫したものである
    ことを特徴とする植毛したゴム靴。
  2. 【請求項2】 植毛したゴムの胛被が裏布を有すること
    を特徴とする請求項1記載の植毛したゴム靴。
  3. 【請求項3】 植毛したゴムの胛被が裏布を有しないこ
    とを特徴とする請求項1記載の植毛したゴム靴。
  4. 【請求項4】 中底・埋底及び外底等の底部分並びに植
    毛したゴムの胛被からなる植毛したゴム靴において、前
    記外底等の底部分との接着部分以外の他の部分に植毛さ
    れると共に、一体化により前記胛被の左側及び右側とな
    るように個別に裁断された未加硫ゴムシートを相互に突
    合わせ、且つ貼着して加硫したものであることを特徴と
    する植毛したゴム靴。
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