JPH0657160B2 - ハイブリダイゼーション検定法 - Google Patents

ハイブリダイゼーション検定法

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JPH0657160B2
JPH0657160B2 JP30191686A JP30191686A JPH0657160B2 JP H0657160 B2 JPH0657160 B2 JP H0657160B2 JP 30191686 A JP30191686 A JP 30191686A JP 30191686 A JP30191686 A JP 30191686A JP H0657160 B2 JPH0657160 B2 JP H0657160B2
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【発明の詳細な説明】 発明の分野、背景及び先行技術 本発明の分野はデオキシリボ核酸(DNA)及び/また
はリボ核酸(RNA)試料中の標的ポリヌクレオチド配
列を検出するためのハイブリダイゼーション検定システ
ムを包含する。詳述すれば、本発明は標的配列を検出す
るために標識オリゴヌクレオチドプローブを使用するハ
イブリダイゼーション検定法の選択能に必要な感度を増
大する方法に関する。
ハイブリダイゼーション検定法はDNA配列またはRN
A配列を検出及び同定するために使用することができ
る。組換えDNAの研究に特に使用される如き公表され
た方法が、メソッズ・イン・エンチーモロジー(Methods
in Enzymology)第68巻、第379〜469頁(19
79年);及び同第65巻パート1、第468〜478
頁(1968年)に記載されている。電気泳動による核
酸断片の予備分離を含む上述の方法の1つは「サザン・
ブロット・フィルター・ハイブリダイゼーション・メソ
ッド(Southern Blot Filter Hybridization Method)」
として既知である〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・
バイオロジー(J.Mol.Biol.)第98巻、第503頁(1
975年)参照〕。病原体を検出するためのハイブリダ
イゼーションプローブ法は、米国特許第4,358,539号明
細書に記載されている。
ハイブリダイゼーション検定法の改善の必要性が認識さ
れている。X線フィルムの現像に数日間を必要とするこ
とがある放射性標識プローブの代替として、発光性標識
プローブによる測定は利点をもつことが公表されている
(公告された欧州特許出願第0070687号明細書を参照さ
れたい)。発光性標識プローブの感度を増大するめの操
作は公告された欧州特許出願第0070687号明細書に開示
されている。化学光触媒及び吸収/発光(蛍光団)成分
をそれぞれもつ2種のプローブを使用している。所定の
ポリヌクレオチド標的配列のハイブリダイゼーションが
行なわれると、プローブからの光信号はより高い波長へ
移動する。この波長の移動は検定システムをより高感度
に改善する。
組換えDNAのクローニングから得られる長い二本鎖の
プローブを使用する代替として、短い合成一本鎖のプロ
ーブが記載されている(例えば、PCT WO 84/03285
号明細書を参照されたい)。通常、18〜40個のヌク
レオチドをもつ上述の短いプローブは米国、カルフォル
ニア州、サンディエゴのモレキュラー・バイオシステム
ズ社(Molecular Biosystems,Inc.)から入手できる。通
常、上述の短いプローブはビオチン、酵素類及び蛍光リ
ポーター基で標識することができる。これらのプローブ
は標的とするDNA断片またはRNA断片の特定の配列
に相補的に構成される。更に、上述のプローブは一本鎖
形態で安定であり、再生は検定を妨害しない。上述のよ
うな短い標識DNAプローブは、主に急速且つ簡便な非
放射性同位元素DNAハイブリダイゼーション検定法の
発達に有用である。現在の操作によれば、ハイブリダイ
ゼーションした標識プローブの濃度は、理想条件で約1
-16〜10-17モルまで検出可能である。
DNAプローブの潜在的に重要な臨床的用途(感染性疾
病、潜伏性ウイルス、遺伝性疾患等)のほとんどにおい
て、少なくとも10-18モルまたはそれ以下のレベルの
感度をもつことが必要であろう。蛍光団類及び酵素類の
ような非放射性同位元素標識を用いた場合の固有の感度
は種々の問題によりなお限定される。蛍光標識の場合に
は、ハイブリダイゼーション支持物質(ニトロセルロー
スフィルター、ナイロンフィルター、ポリスチレンビー
ド等)からのバックグラウンド蛍光及び散乱光は固有感
度の顕著な損失を導く。酵素標識の場合には、標識プロ
ーブの非特異的結合および試料からの妨害となる変色及
び着色が、この標識の基本的な感度を限定することがあ
る。上述の問題点に加えて、他の問題が臨床的診断にお
いて感度の損失を更に導き、且つこれらのシステムの使
用を限定する。
発明の概要 本発明は、ハイブリダイゼーション検定システムに使用
されるリポーター基標識DNAプローブの超高感度検出
方法を提供するにある。本発明による方法は、特に蛍光
標識した短いプローブに適用できるが、酵素標識プロー
ブをも改善することができる。蛍光プローブにおいて、
先行技術のハイブリダイゼーション検定システムよりも
高い感度で、10-18モルまたはそれ以下のような少量
のプローブを検出することができる。
本発明による方法は、プローブの濃縮および再集束操作
を利用するものである。基本的なハイブリダイゼーショ
ン操作を行ない、且つ支持体(例えばニトロセルロー
ス)を未結合プローブが不在となるまで洗浄した後、結
合プローブの存在下で慣用のシステムの如く直接検出す
る代わりに、プローブにデハイブリダイゼーション操作
を施す。デハイブリダイゼーション操作は、支持体から
結合プローブを放出させて該プローブを水溶液中に遊離
させ得る変性因子(加熱、尿素等)を用いる処理により
行なうことができる。また、結合プローブは「置換プロ
ーブ」と呼ばれる第2のDNAプローブを使用すること
により、更に選択的な方法で遊離することができる。溶
液中に遊離したプローブを濃縮するか、またはプローブ
に対して高親和性の物質を少量添加して再集束する。
1つの好適な条件において、支持体(ニトロセルロース
フィルターまたはナイロンフィルター)からデハイブリ
ダイゼーションさせた後、蛍光標識プローブをオリゴヌ
クレオチドに対して高親和性をもつ少量の吸着剤ビード
または粒子上に吸着させる。例えば、吸着剤は多孔質架
橋デキストランのビードまたは正電荷をもつ基により置
換されているガラス粒子よりなることができる。該吸着
剤は商業的に入手することができ、特に蛍光プローブ検
出用の改善された基質である。例えば、ジエチルアミノ
エチル(DEAE)デキストラン、第4級アミノエチル
(QAE)デキストランおよびガラスビードのような陰
イオン交換体は標識オリゴヌクレオチドプローブに対し
て非常に高い親和性を有する。この高親和性は多価陰イ
オン質ヌクレオチドとビード上の高陽イオン電荷密度の
間の静電相互作用またはイオン交換相互作用によるもの
である。これらのビードは非常に低いバックグラウンド
蛍光及びニトロセルロールフィルターまたはナイロンフ
ィルターより顕著に少ない光散乱効果を与えることが観
察されている。最も重要なことは、デハイブリダイゼー
ション及び少量の吸着剤物質への吸着が、蛍光プローブ
を蛍光(エピ蛍光体)検出するために非常に好ましく基
質へ濃縮する(10〜5000倍)ことである。要約す
れば、蛍光信号は今般非常に濃縮され、バックグラウン
ドは顕著に低減して、ハイブリダイゼーション支持体
(ニトロセルロースフィルター、該フィルター上の他の
試料成分等)からの妨害が除かれる。
上述の操作は好適であるが、本発明の改善された方法の
許容環範囲内で、他の濃縮操作または集束操作を使用す
ることができる。更に、他のタイプのリポーター基(す
なわち酵素または発光性基)で標識したプローブを使用
することができる。そのような改変によれば、本発明の
原理により検出感度の向上もまた得ることができる。
詳細な説明 本発明方法の実施に際して、標的配列を含むDNA供試
試料またはRNA供試試料を多数の既知の方法のいずれ
か1つの方法で調製し、適当な支持体へ担持させて固定
することができる。そのような操作は、例えばメソッズ
・イン・エンチーモロジー第68巻、第379〜469
頁(1979年);及び同第65巻、パート1、第46
8〜478頁(1980年);米国特許第4,358,539号
明細書;公告された欧州特許出願0070685号及び同00706
87号明細書に記載されている。ニトロセルロースフィル
ター、商標名ゼータバインド(Zetabind)(ナイロン)フ
ィルター、ポリスチレンビード等の慣用の支持体のいず
れもを使用することができる。
ニトロセルロースフィルター及びゼータバインドフィル
ター上に固定した標的DNAの試料と標識短DNAプロ
ーブをハイブリダイゼーションするための基本操作の一
般論を以下に述べる。この操作を僅かに変化させること
により、放射性同位元素(32P)で標識した短プロー
ブ、ビオチンで標識した短プローブ、酵素で標識した短
プローブ、発光団(lumiphore)で標識した短プローブ及
び蛍光団で標識した短プローブをハイブリダイゼーショ
ンするために適用できる。
緩衝溶液及び溶液 緩衝溶液は全て再蒸留水を用いて造らねばならない。濃
縮された貯蔵液を再蒸留水を用いて希釈すべきである。
文中に過と記載してある場合には0.45μのニトロ
セルロースに通す。
20SSPE緩衝溶液:NaCl210g、NaH
・HO27.6g、NaEDTA7.4gを溶
解し、飽和NaOH約8.3mlを添加する(pHを7.0
とする)。得られた溶液の体積を1とし、過し、高
圧滅菌を行ない、室温で貯蔵する。
20SSC緩衝溶液:NaCl175.3g及びクエン
酸ナトリウム88.2gを800mlの水に溶解する。濃
厚なNaOHを数滴滴下してpHを7.0に調節する。体
積を1に調節し、過し、高圧滅菌を行ない、室温で
貯蔵する。
0.3モルNaOH:室温で貯蔵する。
1モル及び2モル酢酸アンモニウム:過し、室温で貯
蔵する。
4×BP:牛の血清アルブミン、結晶性ペンテックス・
フラクションV(crystalline Pentex Fraction V)及び
平均分子量40,000のポリビニルピロリドン各2g
を100mlの水に溶解する。過し、小区分に分けて−
20℃で貯蔵する。
10%(W/V)ナトリウムドデシルサルフェート(S
DS):室温で貯蔵する。
他の物質 ニトロセルロースフィルター[シュレーチャー&シュー
エル社製(Schleicher&Schuell、米国ニューハンプシャ
ー州キーン)#BA85]またはゼータバインド[AM
F社製(米国コネチカット州メリデン)#NM511-01-04-
5SP]。
ワットマン3MMクロマトグラフィー用紙。
DEAE−セルロース(ワットマンDE52、製造業者
により予備循環されている)。
ドットブロット過装置(dot blot filtration apparat
us)[商標名ハイブリドット(HYBRYDOT)、BRL製(米
国メリーランド州ペセスダ);ミニフォールドII(Minif
old II)、シュレーチャー&シューエル社製;商標名バ
イオドット(BIODOT)、バイオ−ラッド・ラボラトリース
社製(Bio-Rad Laboratories、米国カルフォルニア州リ
ッチモンド)]。
ウォーターバス。
真空ポンプ。
真空オーブン。
自動マイクロピペット及びチップ。
使捨てツベルクリン用注射器(1ml)。
ガラスウール。
試料調製 標的DNAのニトロセルロースフィルターへの固定方法
は試料の供給源に依存して変化させることができる。精
製したDNAをサザンブロッティングまたはドットブロ
ットにより過して固定することができる。ウイルスに
感染した細胞全てをスポッティングし、次に変性するこ
とによりニトロセルロースへ固定することができる。
以下に記載する操作はDNAをニトロセルロースフィル
ターへ固定するために適している。個々の実験の必要性
に応じて改変すべきである。以下の工程は特記しない限
り室温で行なった。
(註):ニトロセルロースフィルター及びナイロンフィ
ルターは冷乾燥場所に貯蔵し、有機溶媒の煙霧から保護
しなければならない。前記フィルターは手袋をはめて取
扱う。
ニトロセルロースフィルターまたはナイロンフィルタ
ーを切断してドットブロット装置に取付け、フィルター
を温無菌水(約60℃)で湿潤する。シート(フィルタ
ー)を完全に湿潤し、次に清潔な熱水を用いて、更に数
回すすぎ洗いを行なう。
6×SSC緩衝溶液をシートへ含浸し、一方、DNA
試料を用意する。
0.3モルNaOH0.1mlにDNAを再懸濁して、
5分間煮沸する。
直ちに試料を氷中で冷却し、2モル酢酸アンモニウム
0.1mlを添加する。良く混合する。
ドットブロット装置中にシート固定し、穏やかに減圧
し、6×SSC200μを用いてウエル(Wells)を洗
浄する。
減圧を減少し、試料を添加する。DNAを定量的に固
定するために試料を数分間かけて過する。
試料を全て過し後、工程と同様にウエルを洗浄す
る。
ドットブロット装置からフィルターを取出し、該フィ
ルターを6×SSC中で洗浄して、風乾する。
ワットマン3MM紙の折り畳んだシートの間にフィル
ターを置き、減圧オーブン中で80℃で1時間にわたり
焼く。ナイロン支持体は80℃で15〜30分間乾燥さ
せるべきである。
このようにして調製したフィルターシートを密封され
たプラスチックバッグ中で4℃で乾燥状態で貯蔵するこ
とができる。
ハイブリダイゼーション検出 フィルターを5×SSPE、1×BP及び1%SDS
中で50℃±2℃の温度で5分間予備ハイブリダイゼー
ションを行なう。
フィルターを煮沸可能なポリエチレンバッグへ移し、
所定の標識プローブを約5〜500ng/ml含有する5×
SSPE、1×BP、1%SDSをフィルター1cm2
たり50μ添加し、バッグを溶封する。穏やかに攪拌
しながら50℃±2℃で30分間インキュベーションす
る。
インキュベーションの後、バッグを開封し、緩衝溶液
を所定の廃棄物容器へ捨てる。多量の1×SSPE、1
%SDSを使用して以下のようにしてフィルターを洗浄
する;37℃で5分間、次に50℃で1分間というサイ
クルを3回。
この時点で、標識及び検出システム(放射性同位体、
酵素/染色系等)の特性に依存して異なる操作を行なう
ことができる。本発明の付加的な教示、特に、蛍光体で
標識付したプローブにおいては、フィルターを1×SS
PEで1回洗浄することができる。その時点で、本明細
書の後述の操作を適用する。
標的DNA配列またはRNA配列へ固定するための相補
的配列を与えるようにプローブを設計且つ選択する。1
0個〜50個のヌクレオチド単位をもち且つ標的DNA
またはRNAの特徴的な配列に対する1個の相補的配列
を有するプローブのような短鎖プローブが好適である。
200個以上の核酸単位をもつプローブのような比較的
長いプローブは多数の相補的配列を含むことがある。上
述のような比較的長いプローブも本発明の利点の若干を
得るために使用することができる。18個〜30個の核
酸単位をもつ合成ヌクレオチドにより調製されたプロー
ブが特に望ましい。上述のような短いプローブの合成方
法及び標識方法はPCT出願WO 84/03285号明細書に記
載されている。
これまで行なわれているように、多数の異なる種類のリ
ポーター基または標識のいずれか1つをプローブへ結合
させることができる。使用することができる放射性標識
32P、H、14Cで標識されたプローブを包含する。
しかし、公告された欧州特許出願0070687号明細書に記
載されているような若干の蛍光または比色的応答を発す
る標識が好適である。特に、蛍光標識を使用することが
好ましい。蛍光標識はPCTWO 84/03285号明細書に記
載されている。蛍光標識はフルオレセイン、テキサスレ
ッド(Texas Red)、ルシファーイエロー(Lucifer Yello
w)、ピレン、ランタニド錯化合物等を包含する。好適な
プローブは18〜30個の核酸単位の相補配列へ結合し
た1個の蛍光標識を含むプローブである。しかし、特
に、蛍光団の組合わせが蛍光信号の検出を改善するため
の条件を達成する場合には、プローブ1個当たり2個ま
たは3個以上の蛍光標識の使用を排除するものではな
い。
本発明の新規な工程はハイブリダイゼーション、および
未結合プローブの初期支持体(ニトロセルロース等)か
らの除去の後に引続いて行なわれる。ハイブリダイゼー
ションしたプローブの濃度が所定の選択性及び検出感度
を提供するに充分な場合には、本発明を使用する必要は
ない。
新規な方法論を利用する際の第1工程は初期支持体から
の標識プローブのデハイブリダイゼーションを包含す
る。デハイブリダイゼーションは二本鎖の核酸類を単鎖
形態へ分離することからなる既知の変性操作により行な
うことができる。デハイブリダイゼーションは、例えば
少量の水または希薄緩衝溶液(0.1〜1×SSPEま
たはSSC)中で支持体/標的DNA/ハイブリダイゼ
ーションした標識プローブを変性するのに充分な温度へ
加熱することにより行なうことができる。通常、有効変
性温度(融解温度とも呼称される)は60〜90℃の範
囲内である。必要な温度はプローブの長さ及び「GC」
(グアニン及びシトシン)含量に依存する。別の操作に
おいては、プローブの変性を行なうために所定の緩衝溶
液を含む尿素またはホルムアミドのような変性剤を使用
することができる。例えば、6モル尿素(0.1×〜1
×SSPEまたはSSC)溶液は室温(20〜30℃)
でプローブをデハイブリダイゼーションする際に有効で
ある。支持体からプローブをデハイブリダイゼーション
する種々の一般的な操作および薬剤が存在する。通常、
用いるデハイブリダイゼーション操作の選択は操作の容
易さ及び速度、及び本発明の第2工程すなわち標識プロ
ーブを、検出に適した物質へ吸着および濃縮させる工程
を妨害または抑制しないという重要な必要条件に基づい
て行われる。
これまで使用されていることが知られていない別の操作
において、標識プローブのデハイブリダイゼーションは
「置換プローブ」により行なわれる。置換プローブは標
識プローブと同一の配列を備え、且つその片側に、プロ
ーブが結合している標的鎖上の対応する配列に相補的な
付加的配列を備える単鎖オリゴヌクレオチド配列よりな
る。該付加的配列はプローブ付近の標的配列に置換プロ
ーブを優先的に結合させ、次にプローブを置換するに充
分な長さでければならない。例え、付加配列は10〜2
0個の核酸単位を備えることができ、標識プローブ配列
のどちら側に与えられてもよい。より特別な例では、ハ
イブリダイゼーションした標識プローブは18〜30個
の核酸単位を備え、それに対応して置換プローブは約2
8〜50個の核酸単位を備える。また、より長い置換プ
ローブを使用することができる。
置換プローブを使用する際に、緩衝溶液中で、ハイブリ
ダイゼーションしたプローブに適用することができる。
例えば、担持され、ハイブリダイゼーションされたプロ
ーブを置換プローブ溶液中に浸漬することができる。代
表的な濃度は、溶液(0.1〜5.0×SSPEまたは
SSC)50μ当たり置換プローブ約1×10-13
1×10-11モルの範囲であることができる。置換は室
温(すなわち20〜30℃)で30分以内に行なうこと
ができる。通常、使用条件は置換プローブのハイブリダ
イゼーション/標識プローブのデハイブリダイゼーショ
ンを効率的にし且つ非特異的に結合した標識プローブの
滲出を可能な限り少なくするように最適化される。
この置換操作は選択性を増加するための更に重要な利点
をもつ。ハイブリダイゼーション中に、標識プローブの
若干は標的配列以外の試料成分へ結合することがある。
そのような無関係な結合が生ずる場合に、非特異的に結
合した標識プローブが試料中で検出されると、誤った正
の指標が得られることがある。しかし、置換プローブの
使用により、置換は標的配列へ特異的にハイブリダイゼ
ーションしたプローブのみについて生ずる。従って、置
換プローブは検定システムに二重の特異性を付与する。
上述の好適な操作を用いれば、結合した標識プローブを
支持体からデハイブリダイゼーションすることができ且
つ水溶液の形態で得ることができる。水溶液中の標識プ
ローブの直接検出は標識プローブの濃度が非常に低いた
めに通常実施することができない。しかし、デハイブリ
ダイゼーションしたプローブを濃縮および集束すること
によって、10-18モルまたはそれ以下の濃度で有効に
検出することができる。
1つの好適な操作において、溶液中のデハイブリダイゼ
ーションしたプローブを、プローブと結合するために陽
電荷で帯電された基を備える陰イオン交換体へ吸着させ
る。置換アミノ基を備える弱塩基型陰イオン交換体並び
に第4級のアミノ基を備える強塩基型陰イオン交換体を
使用することができる。
しかし、第4級アミノタイプの物質が最も望ましいと現
在思料されている。
本発明方法に使用することが適当である陰イオン交換体
は商業的に入手できる。該交換体は架橋デキストランま
たはガラスよりなる物質から調製することができる。該
物質は通常多孔質ビードまたは超微粒子寸法(すなわち
直径50〜200ミクロン)の顆粒形態である。架橋デ
キストランを主体とする陰イオン交換体はファルマシア
(Pharmacia)[スェーデン、ウプラサ(Upplasa)]から入
手できる。これらの製品はデキストランの架橋程度に依
存して種々の気孔度をもつ小形の通常球状ビードの形態
である。第4級アミノビードは商標名「QAE−セファデ
ックス(QAE-Sephadex)」としてファルマシアより販売さ
れている。第4級アミノ基は第4級アミノ−エチル基と
してデキストラン支持体へ結合している。また、他のア
ミンタイプのビードが商標名「DEAE−セファデックス」
としてファルマシアより供給されている。これらの製品
はデキストランへ結合するジエチルアミノエチル基を備
える。
DEAE−セファデックスまたはQAE−セファデックスのど
ちらかを本発明方法に使用することができるが、現在の
ところQAE−セファデックスが好適であると思料され
る。更に、現在好適な吸着剤はQAE−セファデックスA
−50より高度に架橋したデキストランであるQAE−セ
ファデックスA−25である。架橋度が高い程、ビード
の膨潤度を制限し、これは本来表面吸着が本発明にとり
望ましいために利点であると思われる。しかし、プロー
ブのビードへの若干の浸透はかまわない。通常、セファ
デックスビードは約100μの平均寸法をもつことがで
きる。
上述のようにハイブリダイゼーションしたプローブに吸
着剤を使用する場合には、蛍光分析を妨害しない物質よ
り形成された吸着剤が望ましい。幸運にも、陰イオン交
換デキストランビードまたはガラスビードは蛍光分析に
関して優れたバックグラウンド特性をもつ。デキストラ
ンまたはガラスはどちらも分析を妨害しない。これらの
吸着剤はバックグラウンド蛍光体が非常に低く且つ最小
光散乱効果を生ずる。
また、アミン基と結合した弱塩基型交換体または第4級
アミノ基と結合した強塩基型交換体である陰イオン交換
特性をもつ多孔質ガラスビードを入手することができ
る。例えば、上述のような製品はピエルス・ケミカル・
カンパニー(Pierce Chemical Company)(米国、イリノ
イ州、ロックフォード)から得ることができる。ビード
の寸法は約50〜200ミクロンの範囲である。このタ
イプの製品は時として「制御された多孔質ガラス(contr
olled pore glass)と呼ばれる。ジエチルアミノエチル
(DEAE)で制御された多孔質ガラス並びに第4級アミノエ
チル(QAE)で制御された多孔質ガラスはピエルス・ケミ
カル・カンパニーから入手できる。使用することができ
る1種の特別な製品は製品番号23514CPG/QAEグリコフェ
ース・ボア・ガラス(Product No.23514CPG/QAE Glycoph
ase Pore Glass)としてピエルス・ケミカル・カンパニ
ーから販売されている。
エピ蛍光顕微鏡のような蛍光検出装置を併用するため
に、デハイブリダイゼーションしたプローブと結合する
ために適した表面を備えるガラススライド、ガラスチッ
プまたは繊維状光学チップを用意することが望ましい。
アミン基はシラン化操作によりシリカガラスに結合させ
ることができる。例えば、ロー(Lowe)及びディーン(Dea
n)の「アフィニティー・クロマトグラフィー(Affinity
Chromotography)」[米国、ニューヨーク、ジョン・ウ
ィリー&ソンズ(John Wiley&Sons)社刊(1974年)]の
第217頁及び第256ページを参照されたい。初めに
装着されるときには、窒素基は第1アミン基の形態であ
ることができる。周知の操作により、上述のような第1
級アミン基を第2級アミノ基、第3級アミノ基または第
4級アミノ基に、容易に変換することができる。
デハイブリダイゼーションしたプローブの実効濃度を得
るために、最少量の吸着剤を使用することが好適であ
る。例えば、セファデックスQAE−A25ビード(直径
約100μ)を使用する場合、溶液20〜50μ(プ
ローブを最初にニトロセルロースフィルター上で2mmの
直径の試料の点へハイブリダイゼーションさせる)から
標識プローブを吸着させるためには、通常10〜50個
の該ビードを使用すれば充分であろう。通常、標識プロ
ーブの約50%またはそれ以上を1時間以内に該ビード
へ吸着させることができる。10個のビードを使用する
場合には、標識プローブを2mmのニトロセルロース試料
ドット(面積約1×10平方ミクロン)から移動させ
る際に、標識プローブは約40倍の濃度となる。50μ
(5×1010立方ミクロン)の体積のプローブを用い
る場合には、10個のビード(1×10立方ミクロ
ン)への溶液吸着は体積に関して5000倍の濃縮効果
を生ずる。通常、ビードの数が少ないか、または表面積
が小さい程、プローブは最後に緩衝液に吸着される。し
かし、ビードの数が任意の所定の数である場合におい
て、溶液の体積が増加すると、ビードへのプローブ移動
速度の限界がある。吸着剤がイオン交換体であるため
に、プローブと結合するための効率は溶液のイオン強度
が増加すると減少し、それによって、溶液は可能な限り
希薄に維持しなければならない(NaClについて≦
0.4モル、及びリン酸緩衝液及びクエン酸緩衝液につ
いて≦0.02モル)。通常、標識プローブのビードへ
の吸着に関しては、極端な温度またはpHを回避すべきで
ある。約40℃以上の温度及び5以下のpHは特に回避す
べきである。
デハイブリダイゼーションしたプローブの、吸着剤への
濃縮及び/または吸着剤への移動速度を速めるための他
の方法を使用することも本発明の範囲内のことである。
例えば、プローブ含有溶液は蒸発、綿状沈澱または沈澱
により濃縮することができる。これらの操作及び同様の
操作はデハイブリダイゼーションしたプローブの濃縮及
び集束の際に蛍光体分析を改善することができる。溶液
中の標識プローブの吸着剤への移動速度の上昇および改
善に関して、通常の操作は吸着剤ビードと標識プローブ
溶液を攪拌または混合すること、または標識プローブ溶
液を小形オリフィス中で吸着剤の凝集体へ流通させるこ
とを包含する。また、微小電気泳動を使用して、標識プ
ローブを小面積へ電気的に集束することができる。
デハイブリダイゼーションしたプローブを上述のような
吸着剤ビード上に吸着且つ濃縮した後、プローブに付属
する特定の標識またはリポーター基を検出するための標
準操作により測定することができる。好ましくは、プロ
ーブが蛍光体基で標識されている場合には、ビードを超
高感度検出用に設計されたエピ蛍光顕微鏡または他の蛍
光体分析装置を用いて測定することができる。通常、分
析値及び定量値は所定の試料についてほぼ数分間のみの
時間で得られる。
本発明方法を更に説明するために、以下に実施例を記載
する。
実施例1 以下に記載する実施例はセファデックスQAEA−25ビ
ードのような適当な物質へ濃縮された蛍光体プローブの
検出がニトロセルロースフィルターに結合した同様のプ
ローブの観察より優れた利点を証明するものである。本
実施例に使用する蛍光プローブは、単純性疱疹ウイルス
(HSV)中に存在する標的ゲノム配列に対して特異的
な22ヌクレオチド単位の配列であった。プローブは、
それぞれ596nmと620nmの最大励起波長及び最大放
出波長をもつテキサス・レッド蛍光団基により標識付さ
れた。標識プローブをTR−HSVと命名したが、この
プローブは以下に記載する配列及び標識の位置を有す
る: 第1の実験はニトロセルロースフィルターに固定化され
たTR−HSVプローブのエピ蛍光分析を包含するもの
であった。1×SSPE緩衝溶液1μ当たり2×10
-12〜2×10-18モルの範囲内のTR−HSVプローブ
の一連の10倍希釈溶液を調製した。希釈溶液それぞれ
1μをニトロセルロースフィルター上に吸着させて直
径2〜3mmのスポットを形成した。1×SSPE(プロ
ーブが含まれない)1μの対照スポットも調製した。
テキサス・レッド蛍光体[最大励起波長(Ex)約55
0nm及び最大放出波長(Em)約630nm]用のフィル
ターを備えた光量子計数用エピ蛍光体顕微鏡を使用して
該スポットを分析した。個々の試料スポットからの蛍光
信号を1秒間にわたり数を計測する[EG&E、ホート
ン・カウンティング・システム(Photon Counting Syste
m)](個々の試料を2回計測する)。分析結果を第1表
に記載する。個々のスポットの面積の1/10のみの分析を
行なったために(10倍の顕微鏡視野)、試料1〜7の
有効TR−HSVプローブ濃度は、2×10-13〜2×
10-19モルの範囲である。
第1表の結果はTR−HSVプローブからの蛍光がニト
ロセルロースフィルター上で約2×10-16モル(試料
4)まで測定できることを示すものである。
第2の実験はQAE−セファデックスA−25ビードに固
定化されたTR−HSVプローブのエピ蛍光体分析を包
含するものであった。1×SSPE緩衝溶液10μ当
たり4×10-11〜4×10-17モルの範囲内の一連のT
R−HSVプローブの10倍希釈溶液を調製した。約1
000個のQAE−セファデックスA−25ビード(1×
SSPE緩衝溶液中で予め膨張させる)を個々の希釈溶
液へ添加した。TR−HSVプローブを含まないビード
の対照試料もまた調製した。試料を断続的に穏やかに攪
拌しながら約1時間放置した。次に、光量子計数用エピ
蛍光体顕微鏡を使用して試料を分析した。この実験にお
いて、個々の試料中の個々のビードからの蛍光の数を数
えた。第2表に記載する結果は個々の試料について2回
計測を行なった2個のビードからの平均計測数(1秒)
である。結果はビード1個当たりのTR−HSV濃度と
して記載し、すなわちほとんどのプローブが試料中の全
てのビードへ平等に吸着したものと想定した。
第2表の結果はビード1個当たり4×10-20モルでT
R−HSVプローブからの蛍光体がまだ対照ビード(プ
ローブなし)より顕著に多い数をもつことを示すもので
ある。
第3の実験は基本的には第2の実験を完全に反復するも
のである。結果を第3表に記載する。
第3表の結果は4×10-20モルでTR−HSVプロー
ブからのビード1個当たりの蛍光体の数が対照ビードよ
り顕著に多い(約10%)ことを再度示すものである。
実験2の対照ビードの蛍光体の数(4,320)より実
験3の対照ビード蛍光体の数(7,341)が多いのは
実験3において使用した励起強度がより高いためであ
る。
要約すれば、TR−HSVプローブはエピ蛍光体分析に
よるQAE−セファデックスA−25の1個のビード上で
約4×10-20モルまで測定することができる。ニトロ
セルロースフィルター上では、TR−HSVプローブは
約2×10-16モルしか測定できなかった。
例2 例1に記載した実験と同様の他の実験において、他のタ
イプの蛍光体プローブ(フルオレセインで標識付した)
をQAE−セファデックスA−25ビード上に濃縮し、よ
り好都合に検出することができることを説明するもので
ある。また、QAEにおいて、制御された多孔質ガラスビ
ーズ(QAE Controlled Pore Glass Besds)のような他の
支持体も好都合に作用することを示すものである。
第1の実験はゼータバインド(ナイロン)フィルターへ
固定したフルオレセイン標識HSV(F−HSV)プロ
ーブのエピ蛍光体分析を包含する。F−HSVプローブ
は蛍光団標識が異なる以外はTR−HSVプローブと全
く同じ物である。フルオレセイン標識はそれぞれ約49
0nmと520nmの最大励起波長及び最大放出波長をも
つ。ゼータバインドへ吸着したF−HSVプローブを用
いる実験を例1の第1実験と全く同様に行なった。な
お、光量体計測用エピ蛍光体顕微鏡はフルオレセイン蛍
光体(励起波長約450nm、放出波長約520nm)用の
フィルターを備えていた。分析結果を第4表に記載す
る。
第4表の結果はプローブ約6×10-15モルで蛍光体は
対照試料から区別できることを示す。
第2実験はQAE−セファデックスA−25ビードに固定
されたF−HSVプローブのエピ蛍光体分析を包含す
る。この実験は例1の第2実験と同様の方法で行なわれ
た。分析結果を第5表に記載する。
第5表の結果はF−HSVプローブからの蛍光体がビー
ド1個当たり7×10-18モルのレベルで検出可能であ
ることを示す。
TR−HSVプローブ(例1)を用いる場合と同様に、
F−HSVプローブはゼータバインドフィルターよりQA
E−セファデックスA−25上で顕著に少量まで検出可
能である。
第3実験はQAE制御多孔質ガラスビーズに固定されたT
R−HSVプローブのエピ蛍光体分析を包含する。この
実験は上述の他の実験と同様に行なわれた。分析結果を
第6表に記載する。
第6表の結果はTR−HSVプローブが個々のQAE制御
多孔質ガラスビーズ上で4×10-20モルのレベルで検
出可能であることを示す。
例3 以下に記載する実験は、ポリスチレンビード支持体(蛍
光分析が適当でない)上に固定した標的DNA配列へ実
際にハイブリダイゼーションしている蛍光体プローブを
デハイブリダイゼーションし、エピ蛍光分析用のQAE−
セファデックスA−25ビード上に濃縮することができ
ることを説明するものである。この実験において使用し
たTR−HSVプローブは32リン放射性同位体
32P)でも標識されている。すなわち、蛍光体の検出
レベルと放射性同位体の検出レベルを比較することがで
きる。
ポリスチレンビード(直径約1〜2ミクロン、相補的標
的配列で置換されている)の試料1mgを使用し、一連の
5×SSPEハイブリダイゼーション緩衝溶液50μ
中の約1×10-13モル〜約1×10-18モルの範囲内の
32P−TR−HSVプローブの10倍希釈溶液を調製し
た(対照試料はプローブを含有しない)。試料を40℃
で30分間ハイブリダイゼーションし、次に、遠心分離
を行ない、上澄液を除去した。次に、試料を5×SSP
Eを用いて3回洗浄した。最後の洗浄を行ない、上澄液
を除去した後、6モル尿素(1×SSPE)10μを
個々の試料に添加し、支持体からプローブをデハイブリ
ダイゼーションした。デハイブリダイゼーションを室温
で約30分にわたり行なった。この時点で、ポリスチレ
ンビードを遠心分離によりデハイブリダイゼーションし
32P−TR−HSVプローブを含有する溶液から分離
した。この溶液へ20〜30個のQAE−セファデックス
A−25ビードを添加した。デハイブリダイゼーション
したプローブを約30分にわたりQAE−セファデックス
ビードへ吸着させた。この時点で、QAE−セファデック
スA−25ビードを溶液から分離した。ビード(20〜
30個全部)をまず放射性同位元素法によりシンチレー
ションカウンターで計測(1分計測)して最後にQAE−
セファデックスA−25ビードへ移動したプローブのレ
ベルを測定した。シンチレーションカウンターで計測し
た後、個々のビードを光量体計測用エピ蛍光体顕微鏡で
計測して蛍光体だけの感度を測定した。個々のタイプの
分析の結果を第7表に記載する。
第7表の結果は対照すなわちバックグラウンドレベル
(計測数約44)に到達する前に、QAE−セファデック
スビードへ移動した約6×10-17モルの32P−TR−
HSVプローブが放射性同位元素計測(32P、1分計
測)により検出することができることを示すものであ
る。蛍光体計測数は試料1〜5全てが対照より高いこと
が観察された。個々のビードに関して考慮すると、10
-20モル程度の32P−TR−HSVプローブが検出可能
であった。
例4 以下の実験は支持体上に固定した標的DNAにハイブリ
ダイゼーションされた蛍光体標識プローブのデハイブリ
ダイゼーションを行なう際のいわゆる「置換プローブ〕
の有用性を説明するものである。
この実験において、32P−TR−HSVプローブをニト
ロセルロースフィルター上へ固定したプラスミド標的D
NA(pHSV106)にハイブリダイゼーションさせ
た。pHSV106プラスミドDNAを本明細書の上述に
記載したハイブリッド−ドット装置及び実験操作を使用
してニトロセルロースフィルターへ固定し。ドット(直
径約2mmの点)中のpHSV106プラスミドDNAの濃
度はそれぞれは100ng、10ng、1ng、10
0pg及び対照(非標的DNA)であった。32P−TR
−HSVプローブを本明細書に前述した操作によりpHS
V106標的ドットヘハイブリダイゼーションさせた。
ハイブリダイゼーション及び所定の洗浄の後、個々のド
ットへハイブリダイゼーションした32P−TR−HSV
プローブのレベルをシンチレーションカウンターにより
測定した。結果を第8表に記載する。計測後、32P−T
R−HSVプローブ用の特異的置換プローブを使用して
デハイブリダイゼーション操作を行なった。置換プロー
ブの配列を以下に記載する: 5-CCCCCAGCACCTGCCAGTAAGTCATCGGCTCGGG-3 置換プローブの下線を引いた部分は32P−TR−HSV
プローブの配列と同一である。32P−TR−HSV/pH
SV106標的DNAニトロセルロースのドットのデハ
イブリダイゼーションは試料ドットをそれぞれ置換プロ
ーブを約100ng含有する1×SSC緩衝溶液50μ
を用いて約25℃の温度で30分にわたり処理すること
によって行なった。次に、ニトロセルロースフィルター
のドットを溶液から分離し、試料のドットをシンチレー
ションカウンターで計測した。結果を第8表に記載す
る。
第8表の結果は、置換プローブ処理がpHSV106目標
DNA/ニトロセルロースフィルタードットから32P−
TR−HSVプローブを好都合にデハイブリダイゼーシ
ョンすることを示すものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸を含有する単鎖形態の標的試料を支持
    体に担持し、ハイブリダイゼーション条件下に該支持体
    を、相補的配列を有し、リポーター基で標識付された単
    鎖ポリヌクレオチドプローブと接触させ、標的試料が存
    在する場合には、前記プローブの少なくとも1部分を担
    持された試料と結合させ、前記プローブを前記標的試料
    とハイブリダイゼーションさせ、次に、支持体から前記
    プローブの内の未結合プローブを除去し、且つリポータ
    ー基により前記プローブの存在を検出することからなる
    特定のポリヌクレオチド標的配列を検出するためのハイ
    ブリダイゼーション検定法において、 (a)未結合プローブを除去した後、結合プローブをデハ
    イブリダイゼーションし; (b)支持体及び残存する試料からデハイブリダイゼーシ
    ョンしてプローブを分離し;且つ (c)デハイブリダイゼーションして分離したプローブを
    濃縮し、次に、前記リポーター基によりプローブの存在
    を検出する付加的工程を採用することで検定感度を上昇
    させることを特徴とするハイブリダイゼーション検定
    法。
  2. 【請求項2】デハイブリダイゼーションしたプローブ
    を、水溶液から前記プローブと結合する塩基性陰イオン
    交換体へ吸着させることにより濃縮する特許請求の範囲
    第1項記載の検定法。
  3. 【請求項3】陰イオン交換体の官能基が第4級アミン基
    である特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】陰イオン交換体の官能基が架橋デキストラ
    ンまたはガラスから選択された支持体上に備えられる特
    許請求の範囲第3項記載の検定法。
  5. 【請求項5】該標識プローブが結合している標的配列に
    対応する配列の少なくとも片側に補足的な付加配列を有
    し、該標識プローブと同一な配列を含む単鎖ポリヌクレ
    オチド配列を備える置換プローブであって、該付加的配
    列が置換プローブを前記標的配列へ優先的に結合させ、
    標的配列から標識プローブを実質上置換するに充分な長
    さである置換プローブを、担持試料と接触させることに
    より結合した標識プローブをデハイブリダイゼーション
    させる特許請求の範囲第1項記載の検定法。
  6. 【請求項6】標識プローブが10〜50個のヌクレオチ
    ド単位の配列よりなり、該標識プローブに結合したリポ
    ーター基を備え、且つ該標識プローブを陰イオン交換体
    上で濃縮した後にリポーター基により該標識プローブの
    存在を検出する特許請求の範囲第1項記載の検定法。
  7. 【請求項7】陰イオン交換体が、置換アミノ基を結合し
    た、架橋デキストランまたはガラスから選択される吸着
    剤よりなり、通常球状ビードの形態である特許請求の範
    囲第6項記載の検定法。
  8. 【請求項8】標識プローブが蛍光体リポーター基で標識
    される特許請求の範囲第6項記載の検定法。
  9. 【請求項9】該標識プローブが結合している標的配列に
    対応する配列の少なくとも片側に補足的な付加配列を有
    し、該標識プローブと同一な配列を含む単鎖ポリヌクレ
    オチド配列を備える置換プローブであって、該付加的配
    列が置換プローブを前記標的配列へ優先的に結合させ、
    標的配列から標識プローブを実質上置換するに充分な長
    さである置換プローブを担持試料と接触させることによ
    り、結合した標識プローブをデハイブリダイゼーション
    させる特許請求の範囲第6項記載の検定法。
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