JPH0657132B2 - 塊状物質の加熱処理装置 - Google Patents

塊状物質の加熱処理装置

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JPH0657132B2
JPH0657132B2 JP62044608A JP4460887A JPH0657132B2 JP H0657132 B2 JPH0657132 B2 JP H0657132B2 JP 62044608 A JP62044608 A JP 62044608A JP 4460887 A JP4460887 A JP 4460887A JP H0657132 B2 JPH0657132 B2 JP H0657132B2
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良郎 山中
博之 芝原
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、パン、魚類、畜肉、根菜あるいはそれらの加
工品等の比較的大きな塊状物質を過熱水蒸気で加熱処理
する装置に関する。
(従来の技術) 従来より、過熱水蒸気を用い、被処理物質を加熱殺菌、
あるいは加熱変性等させる加熱処理方法及び装置が種々
提案されている。
例えば本出願人等もすでに、気流式殺菌方法(特開昭5
6−26180号公報)、高速攪拌式加熱処理装置(特
開昭57−82686号公報)、タワー式加熱処理装置
(特開昭60−241859号公報)及びワンパス式加
熱処理装置(特開昭61−199819号公報)等を提
案した。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、過熱水蒸気においては主に顕熱しか利用
出来ないため、効率的な伝熱のために過熱水蒸気と被処
理物との相対速度を大きくしなければならない。そこで
前記気流式殺菌方法及びワンパス式加熱処理装置は、被
処理物質を過熱水蒸気にて浮遊移送しつつ加熱処理する
ものであり、気流により移送可能な粉体及び粒状体しか
処理できないという問題があった。更には過熱水蒸気と
被処理物質の相対速度が大きいため、被処理物質の破損
が発生したり、十分な加熱処理時間が確保できないとい
う問題があった。
また、前記高速攪拌式加熱処理装置にあっても、水平円
筒内の被処理物質を攪拌機により攪拌しながら過熱水蒸
気等の加熱媒体により加熱処理するものであり、比較的
大きな塊状物質を処理すると、塊状物質が物理的に破壊
されてしまうという問題があった。
更に、前記タワー式加熱処理装置は、飽和水蒸気及び過
熱水蒸気等の加熱媒体が供給される筒状加熱缶内に該缶
上方から被処理物質を供給し、自然落下せしめて加熱処
理するものであり、やはり塊状物質を処理した場合、加
熱時間が十分確保できない等の問題があった。
以上説明したように、従来の加熱処理装置は、粉体また
は粒状体を対象としたものであり、塊状物質を処理でき
なかったり、また処理過程で破壊あるいは変形してしま
ったりするという問題があった。
本発明は、斯かる現状に鑑み成されたものであり、その
目的とする処は、塊状物質の状態を維持したまま加熱処
理を行えるようにしたことにある。
(問題点を解決するための手段) 上記の問題点を解決するために本発明は、吸水性の塊状
物質の移送手段とその移送路を設け、この移送路の少な
くとも一部に該移送路上の前記塊状物質に向かって、過
熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気噴出装置を設けた。
(作用) 上記手段による加熱処理装置においては、塊状物質を塊
状物質移送手段、例えば、台車、ベルトコンベア及び架
空索道等により移送しつつ該塊状物質表面に過熱水蒸気
を接触させて加熱処理するため、加熱処理中にパンの様
な吸水性を有する塊状物質でも破壊されることがない。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づき、更に具体的に説明す
る。
先ず、本発明に係る第1実施例を添付第1図〜第2図を
参照して説明する。第1図は本発明に係る第1実施例を
説明するための模式側面図、第2図は第1図A−A矢視
図である。
第1図及び第2図に示すように、本実施例の加熱処理装
置1は、レール3上を走行して塊状物質5を移送する台
車7と、レール3に沿って該レール両側片に立設される
過熱水蒸気噴出装置9,9とを備える。尚第1図におい
ては、便宜上図面手前側の過熱水蒸気噴出装置9を省略
した。
上記過熱水蒸気噴出装置9,9は、レール3の途中に加
熱処理区間10を設けるものである。即ち、過熱水蒸気
噴出装置9,9の内側は、多数の開孔部11aを備える
多孔板11,11となっており、過熱水蒸気噴出装置
9,9に圧送される過熱水蒸気(図中矢印A方向)は、
第2図に示されるように該開孔部11aよりレール3上
の台車7に積載されたパン、魚類、畜肉、或いはこれら
の加工品等の比較的大きな塊状物質5に向って噴出する
(図中矢印B方向)。開孔部11aから噴出した過熱水
蒸気は、過熱水蒸気噴出装置9,9間直上に配設された
過熱水蒸気排気口13より、該吸入口13に接続される
排気装置(不図示)により排気される(図中矢印C方
向)。
また、上記加熱処理区間10の台車7の進入口15と進
出口17には、過熱水蒸気噴出装置9,9の両側に上下
1対づつ設けられた無菌空気噴出口19a,20a及び
空気吸入口19b,20bにて上下に流れる空気流(図
中矢印D方向)即ちエアカーテンが設けられており、以
って加熱処理区間10からの過熱水蒸気の飛散を防止し
ている。
上記空気噴出口19a,20a及び空気吸入口19b,
20bは図中進出口17側にて示されるように、管路2
3によりブロア25を介して接続されており、ブロア2
5、空気噴出口20a及び吸入口20bの順で循環す
る。尚、進入口15側の空気噴出口19a及び空気吸入
口19bにおいても同様であり、第1図中省略した。
尚、第1図中に示す如く加熱区間10内の圧力センサ1
2aにより該区間10内の圧力を検出し、該センサ12
の電気信号に基づき圧力コントローラ12bによりブロ
ア25の風量を調節すれば、該区間10内の圧力を大気
圧より高く保持できる。
以上説明した加熱処理装置1によれば、台車7上の塊状
物質5は、該台車7によりレール3上を図中矢印E方向
に移送される間に、加熱処理区間10を通過して熱処理
されるため、過熱水蒸気を塊状物質に吹き付ける構成で
あるため、パンの様な吸水性を有する塊状物質であって
も、加熱処理中に物理的に破壊されることはない。
また、上記塊状物質5は、第1図及び第2図に示すよう
に、直接台車7に積載しても良いが、第7図に示される
ような直方形の各辺を成す枠体31と該直方体の各側面
及び底面に設けられる金網33とから成る籠35等内に
収納した上で台車7に搭載してもよい。斯かる籠35等
を用いれば、小型の塊状物質を一度に多量に移送・過熱
処理できる。尚、籠35内に塊状物質を収納する場合に
は、塊状物質間に空間を設け、過熱水蒸気の流通を確保
することが肝要である。
次に、本発明に係る第二の実施例を第3図及び第4図を
参照して説明する。第3図は本発明に係る第2実施例を
説明するための模式側面図、第4図は第3図のB−B矢
視図であり、本実施例の加熱処理装置101は、塊状物
質5の移送手段を、一対の駆動プーリ103と従動プー
リ105との間にコンベアベルト107を張架したベル
トコンベア110とし、コンベアベルト107の往路部
分107a下方に新たに加熱処理区間10の長さの略全
体に亘って延設された管状過熱水蒸気噴出装置112
a,112bを設けたほかは、第1実施例の加熱処理装
置1と同じであり、同一の部分には同一の符号を付して
説明を省略する。
斯かる加熱処理装置101によれば、コンベアベルト1
07の往路部分107a上の塊状物質5は、プーリ10
3,105の回動により矢印方向に移送される間に、加
熱処理区間10を通過し、過熱水蒸気噴出装置9及び管
状過熱水蒸気噴出装置112a,112bの開孔部11
aから噴出される過熱水蒸気(図中矢印B方向)により
加熱処理されるため、やはり物理的に破壊されることは
ない。また、ベルトコンベア110の連続大量移送が可
能であるという特徴を生かし、加熱処理速度を向上させ
ることもできる。
次に、第5図を参照して本発明に係る第三の実施例を説
明する。第5図は本発明に係る第三実施例の模式側面図
である。図面からも明らかなように、本実施例の加熱処
理装置201は、塊状物質5の移送手段を架空索道20
3とし、該架空索道203に懸垂される塊状物質5の下
方に加熱処理区間10の長さの略全体に亘って延設され
上面に複数の開孔部205aを設けて過熱水蒸気噴出装
置205を設けたほかは、第一実施例の加熱処理装置1
と同様であり、同一の部分には同一の符号を付して説明
を省略する。
斯かる加熱処理装置201によれば、架空索道203に
懸垂されて移送される塊状物質5は、移送途中で加熱処
理区間10を通過し、過熱水蒸気噴出装置9及び205
の開孔部11a,205aから噴出される過熱水蒸気に
より加熱処理されるため、加熱処理中に物理的に破壊す
ることはない。
更に、第6図を参照して本発明に係る第四実施例を説明
する。第6図は本発明に係る第四実施例を示す模式側面
図であり、本実施例の加熱処理装置301は、横長な加
熱缶303内に、左右一対の駆動プーリ305及び従動
プーリ307間にコンベアベルト310を張架して成る
ベルトコンベア311と、コンベアベルト310の往路
部分310aの上下に配設され、各々コンベアベルト3
10側に複数の開孔部315a,316aを有する多孔
板315,316を設けた過熱水蒸気噴出装置321,
322とを内装し、該過熱水蒸気噴出装置321,32
2及び加熱缶303を後述の管路により循環ブロア32
4及び過熱器325に接続して成る。
上記加熱缶303は、各々ロータリーバルブの如き耐圧
性供給弁327a,329aを備える原料案内筒327
及び原料排出筒329が設けられている。
上側過水蒸気噴出装置321と、管路330により接続
される循環ブロア324及び過熱器325との間には、
該噴出装置321に接続した管路331aと、該管路3
31aより分岐し、各々循環ブロア324及び過熱器3
25に接続する分岐管路331b,331cとが配設さ
れており、夫々の管路331a,331b及び331c
上には弁A,B及びCが設けられる。
また、下側過熱水蒸気噴出装置322と循環ブロア32
4及び過熱器325との間には、該噴出装置322に接
続した管路334aと、該管路334aより分岐し、前
記分岐管路331bに弁B及び循環ブロア324間で接
続する管路334b及び前記分岐管路331cに弁C及
び過熱器325間に接続する管路334cとが配設さ
れ、夫々の管路334a,334b及び334c上には
弁D,E及びFが設けられる。
また、前記加熱缶303と循環ブロア324とは、該加
熱缶303及び循環ブロア324間に配設され、弁Gを
備える管路336により直接接続される。
斯かる管路構造によれば、過熱水蒸気噴出装置321,
322のいづれか一方または両方から過熱水蒸気を噴出
させることができる。即ち、弁A,C,D,Eを開き、
弁B,F及びGを閉じると、循環ブロア324により管
路330を介して過熱器325に圧送され、該過熱器3
25により加熱された過熱水蒸気は、管路331c及び
331aを通過して上側過熱水蒸気噴出装置321より
噴出し、下側過熱水蒸気噴出装置322より管路334
a及び334bを通過して循環ブロア324にもどる。
また、弁A,B,D,Fを開き、弁C,E,Gを閉じる
と下側過熱水蒸気噴出装置322より過熱水蒸気が噴出
し、上側過熱水蒸気噴出装置321より吸引され、弁
A,C,D,F,Gを開き、弁B,Eを閉じると、上下
過熱水蒸気噴出装置321,322から過熱水蒸気が噴
出し、管路336を通過して排気される。
斯かる弁A,B,C,D,E,F及びGの開閉によりい
ずれの過熱水蒸気噴出装置321,322に過熱水蒸気
を噴出させるかは、被加熱処理物質に応じて選択され
る。
以上説明した加熱処理装置301は、第2実施例と同様
に加熱処理される塊状物質が破壊されず、加熱処理速度
も高い。また、高温、高圧下での加熱処理が可能であ
る。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、台車、ベルトコ
ンベア及び架空索道等の塊状物質移送手段を移送する移
送路を設け、この移送路の少なくとも一部に該移送路上
の塊状物質に向かって、過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸
気噴出装置を設けたので、塊状物質は移送手段にて落下
等をともなうことなく移送される途中で加熱処理され、
過熱水蒸気を塊状物質に吹き付ける構成であるため、加
熱処理中に該塊状物質が物理的に破壊されることがな
い。
又、塊状物質は過熱水蒸気で処理されるので、変質する
ことも無い。
【図面の簡単な説明】
添付第1図は本発明に係る第1実施例の模式側面図、第
2図はそのA−A矢視図であり、第3図は第二実施例の
模式側面図、第4図はそのB−B矢視図であり、第5図
は、第三実施例の模式側面図であり、第6図は第四実施
例の模式側面図であり、第7図は塊状物質を収納する籠
の斜視図である。 尚、図中、1は加熱処理装置、5は塊状物質、9は過熱
水蒸気噴出装置、7は台車、107,310はベルトコ
ンベア、203は架空索道である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性の塊状物質の移送手段とその移送路
    を設け、この移送路の少なくとも一部に該移送路上の前
    記塊状物質に向かって、過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸
    気噴出装置を設けたことを特徴とする塊状物質の加熱処
    理装置。
JP62044608A 1987-02-27 1987-02-27 塊状物質の加熱処理装置 Expired - Lifetime JPH0657132B2 (ja)

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