JPH0657037A - カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム用安定剤およびゴム組成物 - Google Patents
カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム用安定剤およびゴム組成物Info
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- JPH0657037A JPH0657037A JP23414392A JP23414392A JPH0657037A JP H0657037 A JPH0657037 A JP H0657037A JP 23414392 A JP23414392 A JP 23414392A JP 23414392 A JP23414392 A JP 23414392A JP H0657037 A JPH0657037 A JP H0657037A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムの酸
化劣化を防止する安定剤及びこの安定剤と該ゴムからな
るゴム組成物を提供すること。 【構成】 (1)β−1,4−D−グルコサミンと
(2)フェノ−ル系安定剤および/またはリン系安定剤
とからなる安定剤を使用する。
化劣化を防止する安定剤及びこの安定剤と該ゴムからな
るゴム組成物を提供すること。 【構成】 (1)β−1,4−D−グルコサミンと
(2)フェノ−ル系安定剤および/またはリン系安定剤
とからなる安定剤を使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボキシル基含有ジ
エン系重合体ゴム用の安定剤および該ゴムにこの安定剤
が添加されたゴム組成物に関する。
エン系重合体ゴム用の安定剤および該ゴムにこの安定剤
が添加されたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ジエン系重合体ゴムは分子中に二重結合
を有するために酸化劣化を受け易く、製造工程中あるい
は製品の貯蔵中に経時変化を起こし、着色、ム−ニ−粘
度の上昇を生じたり、該ゴムを溶剤に溶解して製造した
接着剤は使用前の熱履歴により接着力が低下する等の欠
点がある。このような欠点を抑制するために、従来か
ら、ジエン系重合体ゴムにはフェノ−ル系安定剤、アミ
ン系安定剤、リン系安定剤等の1種または2種以上が添
加されている。これらの安定剤の内アミン系の安定剤は
汚染性であり、該ゴムを着色したり、着色し易くするの
で、白色のゴム製品を製造する場合には不向きである。
非汚染性の安定剤としては、フェノ−ル系の安定剤ある
いはこれとリン系の安定剤の併用が一般的であるが、効
果はアミン系安定剤と比べると小さい。
を有するために酸化劣化を受け易く、製造工程中あるい
は製品の貯蔵中に経時変化を起こし、着色、ム−ニ−粘
度の上昇を生じたり、該ゴムを溶剤に溶解して製造した
接着剤は使用前の熱履歴により接着力が低下する等の欠
点がある。このような欠点を抑制するために、従来か
ら、ジエン系重合体ゴムにはフェノ−ル系安定剤、アミ
ン系安定剤、リン系安定剤等の1種または2種以上が添
加されている。これらの安定剤の内アミン系の安定剤は
汚染性であり、該ゴムを着色したり、着色し易くするの
で、白色のゴム製品を製造する場合には不向きである。
非汚染性の安定剤としては、フェノ−ル系の安定剤ある
いはこれとリン系の安定剤の併用が一般的であるが、効
果はアミン系安定剤と比べると小さい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような事情から、
より効果のある非汚染性の安定剤の開発が望まれてお
り、特公昭61−46010号公報にはジシアンジアミ
ドとアルデヒド類との水溶性高分子縮合物とフェノ−ル
系安定剤及び/又はリン系安定剤からなる安定剤が提案
されている。この安定剤は、スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)等の通常のジエン系重合体ゴムに
は顕著な効果を示すが、カルボキシル基含有のジエン系
ゴムには不十分な効果しか示さない。
より効果のある非汚染性の安定剤の開発が望まれてお
り、特公昭61−46010号公報にはジシアンジアミ
ドとアルデヒド類との水溶性高分子縮合物とフェノ−ル
系安定剤及び/又はリン系安定剤からなる安定剤が提案
されている。この安定剤は、スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)等の通常のジエン系重合体ゴムに
は顕著な効果を示すが、カルボキシル基含有のジエン系
ゴムには不十分な効果しか示さない。
【0004】従って、本発明の目的は、カルボキシル基
含有ジエン系重合体ゴムに効果のある非汚染性の安定剤
を提供することにある。本発明の他の目的は、この安定
剤がカルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムに添加され
てなるゴム組成物を提供することにある。
含有ジエン系重合体ゴムに効果のある非汚染性の安定剤
を提供することにある。本発明の他の目的は、この安定
剤がカルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムに添加され
てなるゴム組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明によれば、
(1)β−1,4−ポリ−D−グルコサミンと(2)フ
ェノ−ル系安定剤および/またはリン系安定剤とからな
ることを特徴とするカルボキシル基含有ジエン系重合体
ゴム用安定剤とカルボキシル基含有重合体ゴムに(1)
β−1,4−ポリ−D−グルコサミンと(2)フェノ−
ル系安定剤および/またはリン系安定剤が添加されてな
ることを特徴とするゴム組成物とが提供される。
(1)β−1,4−ポリ−D−グルコサミンと(2)フ
ェノ−ル系安定剤および/またはリン系安定剤とからな
ることを特徴とするカルボキシル基含有ジエン系重合体
ゴム用安定剤とカルボキシル基含有重合体ゴムに(1)
β−1,4−ポリ−D−グルコサミンと(2)フェノ−
ル系安定剤および/またはリン系安定剤が添加されてな
ることを特徴とするゴム組成物とが提供される。
【0006】カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムに
本発明の安定剤を添加することにより、該ゴムの製造工
程中、該ゴム製品の貯蔵中および該ゴム製品を用いた商
品(例えば接着剤等)の製造工程中のあるいは該商品の
貯蔵中の安定化に顕著な効果が得られる。また、本安定
剤が添加された該ゴムは、色調がより白くなり、貯蔵中
の色調変化も抑制される効果も得られる。従って、本発
明の安定剤は、カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム
用の非汚染性安定剤として極めて優れた安定剤である。
本発明の安定剤を添加することにより、該ゴムの製造工
程中、該ゴム製品の貯蔵中および該ゴム製品を用いた商
品(例えば接着剤等)の製造工程中のあるいは該商品の
貯蔵中の安定化に顕著な効果が得られる。また、本安定
剤が添加された該ゴムは、色調がより白くなり、貯蔵中
の色調変化も抑制される効果も得られる。従って、本発
明の安定剤は、カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム
用の非汚染性安定剤として極めて優れた安定剤である。
【0007】本発明の安定剤の第1の成分は、β−1,
4−ポリ−D−グルコサミン(以下ではキトサンと称す
ることがある)である。キトサンは、蟹等の甲殻類の殻
を塩酸処理して調製されるキチンを濃アルカリ中で加
熱、加水分解し、脱アセチル化することにより得られ
る。
4−ポリ−D−グルコサミン(以下ではキトサンと称す
ることがある)である。キトサンは、蟹等の甲殻類の殻
を塩酸処理して調製されるキチンを濃アルカリ中で加
熱、加水分解し、脱アセチル化することにより得られ
る。
【0008】本発明の安定剤の第2の成分はフェノ−ル
系安定剤及びリン系安定剤から選択される1種または2
種以上の安定剤である。フェノ−ル系安定剤としては、
スチレン化フェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチル−フェノ−ル、アルキル化フェノ−ル、2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、等のモノフェノ−ル
類;2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン等のポリ
フェノ−ル類;4,4′−ビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル)フェノ−ル、2,2′−メチレンビス(4−メチル
6−t−ブチル)フェノ−ル、4,4′−メチレンビス
(2,6−ジ−t−ブチル)フェノ−ル等のビスフェノ
−ル類;4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チル)フェノ−ル、2,2′−チオビス(4−メチル−
6−t−ブチル)フェノ−ル等のチオビスフェノ−ル
類;2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾ
−ル、2,4−ビス(n−オクチル)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5
−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネ−ト〕等の硫黄含有フェノ−ル類等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。
系安定剤及びリン系安定剤から選択される1種または2
種以上の安定剤である。フェノ−ル系安定剤としては、
スチレン化フェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチル−フェノ−ル、アルキル化フェノ−ル、2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、等のモノフェノ−ル
類;2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン等のポリ
フェノ−ル類;4,4′−ビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル)フェノ−ル、2,2′−メチレンビス(4−メチル
6−t−ブチル)フェノ−ル、4,4′−メチレンビス
(2,6−ジ−t−ブチル)フェノ−ル等のビスフェノ
−ル類;4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チル)フェノ−ル、2,2′−チオビス(4−メチル−
6−t−ブチル)フェノ−ル等のチオビスフェノ−ル
類;2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾ
−ル、2,4−ビス(n−オクチル)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5
−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネ−ト〕等の硫黄含有フェノ−ル類等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。
【0009】リン系安定剤としては、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト、2−エチルヘキシルフェニルホ
スファイト、アルキル化アリルホスファイト等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。
ェニル)ホスファイト、2−エチルヘキシルフェニルホ
スファイト、アルキル化アリルホスファイト等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。
【0010】本発明の安定剤は、該ゴム100重量部に
対し、通常、第1成分:第2成分が0.01〜5:0.0
1〜5重量部の割合で添加して使用される。第1成分の
使用量が0.01重量部未満、第2成分の使用量が0.0
1重量部未満では相乗効果は十分でない。また、両成分
の使用量がそれぞれ5重量部を超えるとこれ以上の量を
使用しても効果は変わらない。好ましい使用割合は0.
1〜2.0:0.1〜1.5重量部である。
対し、通常、第1成分:第2成分が0.01〜5:0.0
1〜5重量部の割合で添加して使用される。第1成分の
使用量が0.01重量部未満、第2成分の使用量が0.0
1重量部未満では相乗効果は十分でない。また、両成分
の使用量がそれぞれ5重量部を超えるとこれ以上の量を
使用しても効果は変わらない。好ましい使用割合は0.
1〜2.0:0.1〜1.5重量部である。
【0011】本発明の安定剤の添加により安定化される
カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムは、カルボキシ
ル基含有単量体と共役ジエン系単量体を必須単量体成分
として含むジエン系重合体であれば特に制限されない。
また、製造法(乳化重合、溶液重合等の)の如何も制限
されない。このような重合体としては、上記2種の単量
体からなる共重合体ゴム、上記2種の単量体およびこれ
らと共重合可能な単量体との共重合体ゴムが包含され
る。
カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムは、カルボキシ
ル基含有単量体と共役ジエン系単量体を必須単量体成分
として含むジエン系重合体であれば特に制限されない。
また、製造法(乳化重合、溶液重合等の)の如何も制限
されない。このような重合体としては、上記2種の単量
体からなる共重合体ゴム、上記2種の単量体およびこれ
らと共重合可能な単量体との共重合体ゴムが包含され
る。
【0012】カルボキシル基含有単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フタル酸、無水フタル酸等の不飽和カルボ
ン酸およびその塩が例示される。共役ジエン系単量体と
しては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、クロロプレン等が例示される。上記2種の単
量体と共重合可能な単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のモノ
ビニル芳香族化合物;エチルアクリレ−ト、ブチルアク
リレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、メチルメ
タアクリレ−ト等の前記不飽和カルボン酸のアルキルエ
ステル;メトキシアクリレ−ト、エトキシエチルアクリ
レ−ト、メトキシエトキシエチルアクリレ−ト等の前記
不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;β−
ヒドロキエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチルメ
タアクリレ−ト等の前記不飽和カルボン酸のヒドロキシ
アルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等が例示さ
れる。
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フタル酸、無水フタル酸等の不飽和カルボ
ン酸およびその塩が例示される。共役ジエン系単量体と
しては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、クロロプレン等が例示される。上記2種の単
量体と共重合可能な単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のモノ
ビニル芳香族化合物;エチルアクリレ−ト、ブチルアク
リレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、メチルメ
タアクリレ−ト等の前記不飽和カルボン酸のアルキルエ
ステル;メトキシアクリレ−ト、エトキシエチルアクリ
レ−ト、メトキシエトキシエチルアクリレ−ト等の前記
不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;β−
ヒドロキエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチルメ
タアクリレ−ト等の前記不飽和カルボン酸のヒドロキシ
アルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等が例示さ
れる。
【0013】これらの単量体の組合せ、使用割合も得ら
れる共重合体がゴム状であれば特に制限されないが、通
常、不飽和カルボン酸またはその塩は、重合に供される
全単量体中、20重量%以下、共役ジエン系単量体は4
0〜90重量%、これらと共重合体可能な単量体は0〜
60重量%の範囲である。
れる共重合体がゴム状であれば特に制限されないが、通
常、不飽和カルボン酸またはその塩は、重合に供される
全単量体中、20重量%以下、共役ジエン系単量体は4
0〜90重量%、これらと共重合体可能な単量体は0〜
60重量%の範囲である。
【0014】カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴムの
代表例としては、アクリル酸−ブタジエン共重合体ゴ
ム、メタクリル酸−アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴム、メタクリル酸−スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム等が例示される。
代表例としては、アクリル酸−ブタジエン共重合体ゴ
ム、メタクリル酸−アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴム、メタクリル酸−スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム等が例示される。
【0015】本発明のゴム組成物は、カルボキシル基含
有ジエン系重合体ゴムに本発明の安定剤を添加すること
によって製造される。該ゴムへの安定剤の添加方法は、
該ゴムに安定剤が均一に添加される方法であれば制約は
ない。例えば、該ゴムが溶液重合で製造された場合に
は、重合体セメントに安定剤を均一に分散あるいは溶解
させた後、スチ−ムストリッピングにより安定剤を含有
する該ゴムを回収する方法、該ゴムが乳化重合で製造さ
れた場合には、重合体ラテックスに予め乳化させた本発
明安定剤の第2成分を添加、充分均一に混合した後、第
1成分を凝固剤としてラテックスに添加して該ゴムを凝
固させる方法等で製造することができる。
有ジエン系重合体ゴムに本発明の安定剤を添加すること
によって製造される。該ゴムへの安定剤の添加方法は、
該ゴムに安定剤が均一に添加される方法であれば制約は
ない。例えば、該ゴムが溶液重合で製造された場合に
は、重合体セメントに安定剤を均一に分散あるいは溶解
させた後、スチ−ムストリッピングにより安定剤を含有
する該ゴムを回収する方法、該ゴムが乳化重合で製造さ
れた場合には、重合体ラテックスに予め乳化させた本発
明安定剤の第2成分を添加、充分均一に混合した後、第
1成分を凝固剤としてラテックスに添加して該ゴムを凝
固させる方法等で製造することができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例および比較例中の使用部数、
%は重量基準である。 実施例1〜5、比較例 1〜5 通常の乳化重合の手法を用いて、メタクリル酸 7%、
アクリロニトリル 27%、ブタジエン 66%からなる
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴムラテックスを調製した。この重合体ラテックス
に、ラテックス中のゴム分100部当たり、予め乳化し
た表1記載の各安定剤を、表1記載の量添加した。ただ
し、キトサンは凝固剤としての機能を有するので、キト
サン(君津化学工業社製キミツキトサンLLWP)がゴ
ム中に表1記載の量含有されるように濃度調整したキト
サンの稀酸溶液に、キトサン以外の安定剤が添加された
ラテックスを攪拌下に摘下し、凝固させた。
に説明する。なお、実施例および比較例中の使用部数、
%は重量基準である。 実施例1〜5、比較例 1〜5 通常の乳化重合の手法を用いて、メタクリル酸 7%、
アクリロニトリル 27%、ブタジエン 66%からなる
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴムラテックスを調製した。この重合体ラテックス
に、ラテックス中のゴム分100部当たり、予め乳化し
た表1記載の各安定剤を、表1記載の量添加した。ただ
し、キトサンは凝固剤としての機能を有するので、キト
サン(君津化学工業社製キミツキトサンLLWP)がゴ
ム中に表1記載の量含有されるように濃度調整したキト
サンの稀酸溶液に、キトサン以外の安定剤が添加された
ラテックスを攪拌下に摘下し、凝固させた。
【0017】比較例としてのキトサン以外の安定剤のみ
を添加した該ゴムも調整した。この場合には、安定剤が
添加されたラテックスを塩化カルシウム水溶液で凝固し
た。また、キトサンのみが添加されたゴムは、安定剤が
添加されてないラテックスをキトサンの稀酸溶液で凝固
して調整した。
を添加した該ゴムも調整した。この場合には、安定剤が
添加されたラテックスを塩化カルシウム水溶液で凝固し
た。また、キトサンのみが添加されたゴムは、安定剤が
添加されてないラテックスをキトサンの稀酸溶液で凝固
して調整した。
【0018】回収された安定剤が添加された各ゴムを減
圧乾燥機で60℃、24時間乾燥した。得られた各ゴム
を強制熱劣化させるために100℃のギヤ−オ−ブン中
に放置した。所定時間経過毎のム−ニ−粘度をJIS
K6300に準じて測定し、結果を表1に示した。ま
た、肉眼で観察したゴムの色調変化も表1に示した。
圧乾燥機で60℃、24時間乾燥した。得られた各ゴム
を強制熱劣化させるために100℃のギヤ−オ−ブン中
に放置した。所定時間経過毎のム−ニ−粘度をJIS
K6300に準じて測定し、結果を表1に示した。ま
た、肉眼で観察したゴムの色調変化も表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から、本発明の安定剤が添加さ
れた場合には、熱履歴によるム−ニ−粘度の上昇が抑制
されていることがわかる。また、本発明の安定剤が添加
されたゴムは、非常に白味をおびた色調を有し、この色
調は熱劣化によっても変化しないことが分かる。
れた場合には、熱履歴によるム−ニ−粘度の上昇が抑制
されていることがわかる。また、本発明の安定剤が添加
されたゴムは、非常に白味をおびた色調を有し、この色
調は熱劣化によっても変化しないことが分かる。
【0021】実施例 6、7 比較例 6、7 メタクリル酸 7%、スチレン 23%、ブタジエン 7
0%からなるカルボキシル基含有スチレン−ブタジエン
共重合体ゴムラテックスを通常の乳化重合により調整し
た。先の実施例と同様にして、表2記載のキトサン以外
の安定剤をラテックスに添加し、このラテックスをキト
サンの稀酸溶液に摘下して該ゴムを凝固させた。キトサ
ンを添加しない比較例のゴムは、凝固剤として食塩水/
硫酸を用いて凝固させた。減圧乾燥して得た表2記載の
安定剤が添加されたゴムを強制熱劣化させ、所定時間経
過毎にム−ニ粘度を測定し、結果を表2に示した。
0%からなるカルボキシル基含有スチレン−ブタジエン
共重合体ゴムラテックスを通常の乳化重合により調整し
た。先の実施例と同様にして、表2記載のキトサン以外
の安定剤をラテックスに添加し、このラテックスをキト
サンの稀酸溶液に摘下して該ゴムを凝固させた。キトサ
ンを添加しない比較例のゴムは、凝固剤として食塩水/
硫酸を用いて凝固させた。減圧乾燥して得た表2記載の
安定剤が添加されたゴムを強制熱劣化させ、所定時間経
過毎にム−ニ粘度を測定し、結果を表2に示した。
【0022】安定剤を添加してない上記のラテックスを
メチルアルコ−ル中に摘下させてゴムを凝固し、乾燥さ
せた。乾燥したゴムをMEKに溶解し、これに表2記載
の安定剤を添加溶解させた。ただし、キトサンはその稀
酸溶液をゴム溶液に添加した。これらの安定剤が添加さ
れたゴム溶液をスチ−ムストリッピングに掛け、安定剤
が添加されたゴムを回収した。乾燥後、上記と同様に強
制熱劣化させ、ム−ニ−粘度を測定したが、表2記載と
ほぼ同じ結果が得られた。
メチルアルコ−ル中に摘下させてゴムを凝固し、乾燥さ
せた。乾燥したゴムをMEKに溶解し、これに表2記載
の安定剤を添加溶解させた。ただし、キトサンはその稀
酸溶液をゴム溶液に添加した。これらの安定剤が添加さ
れたゴム溶液をスチ−ムストリッピングに掛け、安定剤
が添加されたゴムを回収した。乾燥後、上記と同様に強
制熱劣化させ、ム−ニ−粘度を測定したが、表2記載と
ほぼ同じ結果が得られた。
【0023】
【表2】
【0024】実施例 8 比較例 8 実施例 1と比較例 1の安定剤が添加されたカルボキシ
ル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを
それぞれ用いたエポキシ樹脂系接着剤を調整し、本発明
の安定剤が添加された該ゴムの接着剤特性への影響を確
認した。
ル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを
それぞれ用いたエポキシ樹脂系接着剤を調整し、本発明
の安定剤が添加された該ゴムの接着剤特性への影響を確
認した。
【0025】エピコ−ト828(油化シェルエポキシ社
製、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂)100部、実施
例 1または比較例 1のゴム100部、ジアミノジフェ
ニルスルホン17部、ほうフッ化亜鉛1部をMEKに溶
解し30%溶液とし、ボ−ルミルを用いて均一に分散さ
せ接着剤溶液を調整した。
製、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂)100部、実施
例 1または比較例 1のゴム100部、ジアミノジフェ
ニルスルホン17部、ほうフッ化亜鉛1部をMEKに溶
解し30%溶液とし、ボ−ルミルを用いて均一に分散さ
せ接着剤溶液を調整した。
【0026】接着剤溶液をポリイミドフィルムに乾燥後
の厚さが25ミクロンとなるように塗布した。溶剤を除
去するために80℃で5分間加熱し、次いで、硬化させ
るために120℃で10分間加熱した。ロ−ルラミネ−
タ−(温度50℃、線圧5kg/cm、速度2m/mi
n)を用いて離型剤塗布離型紙と上記ポリイミドフィル
ムを積層させてカバ−レイフィルムを作成した。
の厚さが25ミクロンとなるように塗布した。溶剤を除
去するために80℃で5分間加熱し、次いで、硬化させ
るために120℃で10分間加熱した。ロ−ルラミネ−
タ−(温度50℃、線圧5kg/cm、速度2m/mi
n)を用いて離型剤塗布離型紙と上記ポリイミドフィル
ムを積層させてカバ−レイフィルムを作成した。
【0027】フレキシブル積層フィルムの特性を調べる
ために、得られたカバ−レイフィルムから離型紙を剥
し、35ミクロン厚さの電解銅箔の光沢面に積層し、5
0kg/cm2の圧力で、160℃、10分間プレスし
てフレキシブル積層フィルムを作成した。剥離強度(J
IS C6481に準じて、幅10mmの試験片を90
度の方向に50mm/minの引っ張り速度で銅箔を引
き剥す)、半田耐熱性(常態半田耐熱性−試験片を半
田浴に30秒間浮かべた後、ブリスタ−が発生する温度
を測定する。吸湿後の半田耐熱性−40℃でRH90
%の雰囲気で1時間吸湿させた試験片を、半田浴に30
秒間浮かべ外観、ブリスタ−の発生等を観察する。)お
よび接着剤の流れ(カバ−レイフィルムに直径3mmの
孔を開け、離型紙を剥し、上記と同じ銅箔の光沢面と積
層し、上記と同じ条件でプレスし、孔への接着剤のしみ
出しを測定する。)を測定した。結果を表3に示した。
ために、得られたカバ−レイフィルムから離型紙を剥
し、35ミクロン厚さの電解銅箔の光沢面に積層し、5
0kg/cm2の圧力で、160℃、10分間プレスし
てフレキシブル積層フィルムを作成した。剥離強度(J
IS C6481に準じて、幅10mmの試験片を90
度の方向に50mm/minの引っ張り速度で銅箔を引
き剥す)、半田耐熱性(常態半田耐熱性−試験片を半
田浴に30秒間浮かべた後、ブリスタ−が発生する温度
を測定する。吸湿後の半田耐熱性−40℃でRH90
%の雰囲気で1時間吸湿させた試験片を、半田浴に30
秒間浮かべ外観、ブリスタ−の発生等を観察する。)お
よび接着剤の流れ(カバ−レイフィルムに直径3mmの
孔を開け、離型紙を剥し、上記と同じ銅箔の光沢面と積
層し、上記と同じ条件でプレスし、孔への接着剤のしみ
出しを測定する。)を測定した。結果を表3に示した。
【0028】
【表3】
【0029】表3の結果は、本発明の安定剤が添加され
たカルボキシル基含有NBRを用いた接着剤は、優れた
接着力と耐熱性を有していることが分かる。
たカルボキシル基含有NBRを用いた接着剤は、優れた
接着力と耐熱性を有していることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明の安定剤は、カルボキシル基含有
ジエン系重合体ゴムに対して耐酸化劣化性を有し、熱履
歴によるム−ニ−粘度の上昇を抑制すると共に着色も抑
制する。また、本発明の安定剤は、これが添加された該
ゴムに非常に白味をおびた色調を与える効果も有してい
る。従って、本発明の安定剤が添加された該ゴムは、特
に接着剤の製造に好適である。
ジエン系重合体ゴムに対して耐酸化劣化性を有し、熱履
歴によるム−ニ−粘度の上昇を抑制すると共に着色も抑
制する。また、本発明の安定剤は、これが添加された該
ゴムに非常に白味をおびた色調を与える効果も有してい
る。従って、本発明の安定剤が添加された該ゴムは、特
に接着剤の製造に好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (1)β−1,4−ポリ−D−グルコサ
ミンと(2)フェノ−ル系安定剤および/またはリン系
安定剤とからなることを特徴とするカルボキシル基含有
ジエン系重合体ゴム用安定剤。 - 【請求項2】 カルボキシル基含有重合体ゴムに(1)
β−1,4−ポリ−D−グルコサミンと(2)フェノ−
ル系安定剤および/またはリン系安定剤が添加されてな
ることを特徴とするゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23414392A JP2822805B2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム用安定剤およびゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23414392A JP2822805B2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム用安定剤およびゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0657037A true JPH0657037A (ja) | 1994-03-01 |
JP2822805B2 JP2822805B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=16966322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23414392A Expired - Fee Related JP2822805B2 (ja) | 1992-08-11 | 1992-08-11 | カルボキシル基含有ジエン系重合体ゴム用安定剤およびゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2822805B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3824444A1 (de) * | 1988-07-19 | 1990-01-25 | Daimler Benz Ag | Drosselventil |
WO2008143300A1 (ja) * | 2007-05-22 | 2008-11-27 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | アクリルゴム組成物ならびにその加硫ゴム及びその用途 |
WO2008152890A1 (ja) * | 2007-06-13 | 2008-12-18 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | アクリルゴム組成物ならびにその加硫ゴムおよびその用途 |
US8009394B2 (en) | 2005-01-31 | 2011-08-30 | Toyotsugu Atoji | Leak current breaker and method |
EP2889326B1 (de) | 2013-12-30 | 2016-09-14 | ARLANXEO Deutschland GmbH | Lagerstabile Nitrilkautschuke und Verfahren zu deren Herstellung |
WO2017204752A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Kimpai Lamitube Co., Ltd. | Multi layered flexible sheet with high specular gloss |
-
1992
- 1992-08-11 JP JP23414392A patent/JP2822805B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3824444A1 (de) * | 1988-07-19 | 1990-01-25 | Daimler Benz Ag | Drosselventil |
US8009394B2 (en) | 2005-01-31 | 2011-08-30 | Toyotsugu Atoji | Leak current breaker and method |
WO2008143300A1 (ja) * | 2007-05-22 | 2008-11-27 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | アクリルゴム組成物ならびにその加硫ゴム及びその用途 |
JP5340143B2 (ja) * | 2007-05-22 | 2013-11-13 | 電気化学工業株式会社 | アクリルゴム組成物ならびにその加硫ゴム及びその用途 |
WO2008152890A1 (ja) * | 2007-06-13 | 2008-12-18 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | アクリルゴム組成物ならびにその加硫ゴムおよびその用途 |
EP2889326B1 (de) | 2013-12-30 | 2016-09-14 | ARLANXEO Deutschland GmbH | Lagerstabile Nitrilkautschuke und Verfahren zu deren Herstellung |
WO2017204752A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Kimpai Lamitube Co., Ltd. | Multi layered flexible sheet with high specular gloss |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2822805B2 (ja) | 1998-11-11 |
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