JPH0656582A - GaAs単結晶及びその製造方法並びにGaAsウェハのイオン打込み制御方法 - Google Patents

GaAs単結晶及びその製造方法並びにGaAsウェハのイオン打込み制御方法

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JPH0656582A
JPH0656582A JP21277992A JP21277992A JPH0656582A JP H0656582 A JPH0656582 A JP H0656582A JP 21277992 A JP21277992 A JP 21277992A JP 21277992 A JP21277992 A JP 21277992A JP H0656582 A JPH0656582 A JP H0656582A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】結晶中の炭素濃度分布に一定の規則性をもた
せ、結晶両端の特性を評価しただけで内部の炭素濃度分
布を正確に把握できるようにし、ウェハにイオンを打ち
込んで熱処理を加えた際の活性化率のばらつきを小さく
して、素子の製造歩留りを向上させる。 【構成】結晶成長容器1内に設置したルツボ11内にG
aAs融液5を形成する。融液形成後、ガス導入配管8
を通じて、容器1内に一酸化炭素を混合したアルゴンガ
スを導入し、結晶成長前は、容器1内一酸化炭素濃度が
3000ppmになるように設定する。結晶成長中は、
容器1内一酸化炭素濃度は、ガス採集配管7を通じて採
集した容器内雰囲気ガスを一酸化炭素濃度検出器10を
用いて検出し、3000ppmから4000ppmまで
単調に増加するように、マスフローコントローラ9を通
じて容器1内のガスを一定速度で置換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体封止引上法で成長
したGaAs単結晶及びその製造方法並びにGaAsウ
ェハのイオン打込み制御方法に係り、特に結晶中の炭素
濃度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAs単結晶は、IC、LSI等の基
板として、広く使用されている。このGaAs単結晶の
製造方法の一つに液体封止引上法(以下、LEC法とい
う)がある。このLEC法によるGaAs単結晶の製造
方法を述べる。pBN製ルツボ内に原料のGaAs融液
と液体封止材としてのB2 3 を収容して、これを不活
性ガスを満たした圧力容器内に置く。GaAs融液の温
度をルツボの外周部に配したヒータで調節しながら融液
にGaAsの種結晶を接触させ、回転させながら徐々に
種結晶を引き上げる。種結晶に続いて成長する結晶の直
径を所定の値に制御しながら引き上げていくことにより
GaAs単結晶を得る。
【0003】LEC法で製造したGaAs単結晶には、
不純物として炭素が含まれている。GaAs結晶中の炭
素は、浅いアクセプタとなり、結晶の電気特性に大きな
影響を及ぼす。GaAs結晶に要求される炭素の含有量
は、結晶基板の使用目的によって異なっており、一慨に
少なければ良いわけではない。従ってGaAs単結晶の
製造には所定濃度の炭素を結晶内で均一に分布させる技
術が求められている。
【0004】LEC法で製造したGaAs単結晶に混入
する炭素は、雰囲気ガス中の一酸化炭素から供給され、
この一酸化炭素は、圧力容器内のグラファイト部材から
発生していることが下記の文献1に述べられている。
【0005】文献1:”Carbon in Undoped LEC Semi-i
nsulating GaAs;Origin and MeltComposition Dependen
ce":T.Kikuta et.al., J.Crystal Growth 76(1986)517-
520 また、結晶成長中の圧力容器内の一酸化炭素濃度を故意
に制御して、結晶中の炭素濃度が変わることを確認した
実験が下記の文献2に述べられている。
【0006】文献2:”Growth of Semi-insulating Ga
As Crystals with Low CarbonConcentration Using Pyr
olytic Boron Niteride Coated Graphite":T.Inada et.
al., Applied Physics Letter 50(3),19 Jan. 1987 最近では、結晶成長中の圧力容器内の一酸化炭素濃度を
所定の範囲内に制御すべく、圧力容器内の不活性ガスに
二酸化炭素、一酸化炭素を所定量混合してGaAs単結
晶を成長する方法(文献3)、圧力容器内のガスを純粋
な不活性ガスまたは一酸化炭素と不活性ガスの混合ガス
と置換しながらGaAs単結晶を成長する方法(文献
4)も行われている。
【0007】文献3:特開平1−192793号公報 文献4:The Carbon and Boron Concentration Control
in Crystals Grownby Liquid Encapsulated Czochrals
ki Method":N.Sato et. al., Semi-insulating III-V M
aterials, 1990 Chapter3 p.211
【0008】
【発明が解決しようとする課題】GaAsICやLSI
は、ウェハにイオンを打ち込み、熱処理を加えて打ち込
んだイオンを活性化することで、その能動層を形成して
いる。ウェハの活性化率は、結晶中の不純物濃度、特に
炭素濃度に大きく左右される。結晶中の炭素濃度は、結
晶中に一定濃度で均一に分布しているのが良いことは言
うまでもない。上述した圧力容器内のガスに二酸化炭素
等を混合し、又圧力容器内のガスを置換しながらGaA
s単結晶を成長する方法(文献3、文献4)の開発によ
り、結晶中の炭素濃度を、所定の範囲内に制御すること
が可能になったとはいうものの、依然として結晶内部で
分布にばらつきがある。このため、イオン打ち込みの際
には、事前にイオンを打ち込む結晶の両端(頭部および
尾部)に位置するウェハで炭素濃度またはこれを反映し
ている比抵抗等の電気特性を測定し、結晶中の炭素濃度
分布を推定して、イオンの打ち込み条件を調整してい
る。
【0009】しかしながら、従来の文献3、文献4によ
るGaAs結晶成長方法では、容器内の一酸化炭素濃度
を一定値に保つべく、容器内に二酸化炭素、一酸化炭素
を所定量混合するか、容器内のガスを置換する制御を行
っているため、結晶成長中の容器内一酸化炭素濃度は増
減している。このため、結晶中の炭素濃度はある濃度を
中心値にばらついており、その分布に一定の規則性がな
く、結晶の両端の特性を評価しただけでは内部の炭素濃
度分布を正確に把握することが困難であった。その結
果、イオンを打ち込んで熱処理を加えた際の活性化率の
ばらつきが大きく、素子の製造歩留りを低下させる原因
となっていた。
【0010】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、GaAs結晶の両端の炭素濃度またはこれを
反映している電気特性等を測定することにより、その間
の結晶中の炭素濃度分布を容易に推定することが可能な
GaAs単結晶を提供することにある。
【0011】また本発明の目的は、結晶中の炭素濃度の
分布が結晶の頭部から尾部にかけて単調に増加または減
少しているGaAs単結晶を容易に製造することが可能
なGaAs単結晶の製造方法を提供することにある。
【0012】また本発明の目的は、結晶の頭部から尾部
にかけて切り出した一連のウェハの電気的特性を均一に
することが可能なGaAsウェハのイオン打込み制御方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のGaAs単結晶
は、結晶中に炭素を不純物として含有する半絶縁性Ga
As単結晶において、GaAs結晶中の炭素濃度を、結
晶の頭部から尾部にかけて単調に増加または減少するよ
うに分布させたものであり、それによって結晶内部の炭
素濃度の分布を容易に把握できるようにしたものであ
る。
【0014】また、本発明のGaAs単結晶の製造方法
は、不活性ガスで満たした容器内にGaAs融液と該融
液の上面を覆う液体封止材を収納したルツボを設置し、
種結晶をGaAs融液上面に接触させて回転させながら
引き上げることによりGaAs単結晶を製造する方法に
おいて、結晶成長前は、容器内の不活性ガスに、一酸化
炭素または容器内で一酸化炭素を生ずる二酸化炭素等の
ガスを導入し、容器内の一酸化炭素濃度を所定の値に設
定し、しかる後に結晶成長を開始し、結晶成長中は、容
器内のガスを、純粋な不活性ガス、一酸化炭素または容
器内で一酸化炭素を生ずる二酸化炭素等のガス、または
これらの混合ガスを用いて置換し、不活性ガス中の一酸
化炭素濃度を単調に増加または減少させながら単結晶を
成長させるようにしたものである。なお、容器内に導入
するガスとしては、一酸化炭素または二酸化炭素の他
に、一酸化炭素及び二酸化炭素の混合ガスやメタンガ
ス、エタンガス等がある。
【0015】また、本発明のGaAsウェハのイオン打
込み制御方法は、GaAs結晶中の炭素濃度を、結晶の
頭部から尾部にかけて単調に増加または減少するように
分布させたGaAs単結晶において、その頭部から尾部
にわたってウェハを切り出し、切り出した各ウェハの炭
素濃度[C]を次式から求め、 [C]=([CT ]−[CS ])×m/L+[CS ] ただし、[CT ]は結晶の尾部で測定した結晶中の炭素
濃度 [CS ]は結晶の頭部で測定した結晶中の炭素濃度 mは炭素濃度を測定した試料を採取した結晶の頭部から
の距離 Lは炭素濃度を測定した試料を採取した結晶の頭部から
尾部間の距離 これより各ウェハ毎に求めた[C]を用いた次式からイ
オン打込みのドーズ量φを求め、 φ=φ0 +([C]−[CS ])×a ただし、φ0 は基準となるドーズ量 aは打込み条件によって決まる係数 このドーズ量のイオンを該当するウェハに打ち込むよう
にしたものである。
【0016】
【作用】GaAs結晶に要求される炭素濃度は、製造す
る素子の種類、製造条件等によって異なっており、一概
に規定することはできない。GaAs結晶中の炭素濃度
と結晶成長中の容器内一酸化炭素濃度との相関は、容器
や結晶の大きさ、結晶成長条件等によって大幅に変わる
ものであり、容器内の一酸化炭素濃度を規定することも
できない。
【0017】結晶中の炭素濃度は、一般にLVM法(Lo
cal Vibration Mode法)で赤外線の吸収係数を測定する
ことによって求められ、その際の測定誤差は、±5×1
14cm-3程度ある。本発明でいう、結晶中の炭素濃度
分布が単調に増加または減少している結晶においても、
各測定点における炭素濃度は±5×1014cm-3程度の
測定誤差を持っていることを考慮する必要がある。すな
わち、任意の2点で測定した炭素濃度が、測定誤差によ
り最大1×1015cm-3の範囲で増加傾向または減少傾
向と逆転しているように現れる可能性がある。したがっ
て、本発明でいう、結晶中の炭素濃度分布が単調に増加
または減少しているとは、このような誤差による増減を
含まない真の増加または減少をいう。
【0018】
【実施例】
(実施例1)図1のような構成のGaAs結晶引上げ装
置を用いて、不活性ガス中の一酸化炭素濃度を単調に増
加させる容器内一酸化炭素濃度制御方法でGaAs単結
晶を成長した。
【0019】pBN製のルツボ11に、GaAs多結晶
原料4000gと、液体封止剤4として含有水分量20
0ppmのB2 3 を700g入れ、結晶成長容器1内
に設置した。これを、アルゴンガス20kg/cm2
雰囲気下でヒータ2を用いて融解し、GaAs融液5を
形成した。融液形成後、B2 3 中の気泡を抜くために
容器内圧力を3kg/cm2 まで減圧して1時間放置し
た。そして、再び20kg/cm2 まで加圧する際に、
ガス導入配管8を通じて、容器1内に一酸化炭素を混合
したアルゴンガスを導入し、結晶成長前は、容器1内の
一酸化炭素が3000ppmになるように設定した。そ
の後、上軸12の下端に取り付けたGaAsの種結晶1
3をGaAs融液5の表面に接触させ、種結晶13と下
軸14の上端に取り付けたルツボ11をそれぞれ逆方向
に相対速度20rpmで回転させながら、種結晶13を
10mm/hrの速度で引き上げ、直径3インチのGa
As単結晶3を成長した。
【0020】結晶成長中の容器内一酸化炭素濃度は、ガ
ス採集配管7を通じて採集した容器内雰囲気ガスを、一
酸化炭素濃度検出器10を用いて検出し、検出した一酸
化炭素濃度が3000ppmから4000ppmまで単
調に増加するように、ガス導入配管8の純アルゴンガス
の導入側に設置したマスフローコントローラ9、一酸化
炭素混合アルゴンガスの導入側に設置したマスフローコ
ントローラ9、およびガス排気配管6に設置したマスフ
ローコントローラ9を通じて容器1内のガスを一定速度
で置換するようにした。
【0021】こうして得られた結晶中の炭素濃度を、F
TIR(フーリエ変換型赤外分光器)により、常温で5
18cm-1の吸収係数を測定し、換算係数1.18×1
16cm-3を乗じて求めた。求めた結晶中の炭素濃度の
分布を図2に示す。結晶中の炭素濃度は、頭部の6.1
×1015cm-3から尾部の8.5×1015cm-3まで単
調に推移しており、結晶両端の炭素濃度を測定しただけ
で結晶中の炭素濃度を容易に推定することができる。
【0022】この結晶からウェハを一連に採取し、Si
イオンを打ち込み、活性化してシートキャリア濃度を測
定した。この際、結晶の頭部と尾部で測定された炭素濃
度から結晶中の炭素濃度を推定し、活性化したときのシ
ートキャリア濃度が等しくなるように打ち込むイオンの
ドーズ量を変化させた。すなわち、シードからmcmの
距離から採取したウェハの炭素濃度[C]は、 [C]=([CT ]−[CS ])× m/L+[CS ] ……… (1) という式で推定することができる。ここで[CS ]、
[CT ]はそれぞれ結晶の頭部および尾部で測定した結
晶中の炭素濃度、Lは炭素濃度を測定した試料を採取し
た結晶の頭部〜尾部間の距離である。
【0023】この式で求めた[C]を用いて、ドーズ量
φは、 φ=φ0 +([C]−[CS ])×a ……… (2) で計算することができる。φ0 は基準となるドーズ量、
aは打ち込み条件によって決まる係数であり、ここでは
φ0 =2.0×1012cm-1、a=0.05とした。な
お、打込みエネルギは全ウェハとも150KeVと一定
とした。イオンを打ち込んだウェハは、アルシンガス1
%、850°Cの雰囲気で、30分間熱処理を施し、イ
オンを活性化させた。シートキャリア濃度はHall測
定により求めた。測定結果を図4に示す。シートキャリ
ア濃度は結晶の全長にわたって5.9±0.1×1015
cm-3範囲内で均一に分布させることができた。
【0024】(実施例2)実施例1と同様の手法で、結
晶成長中の容器内一酸化炭素濃度を3000ppmから
2000ppmまで単調に減少させてGaAs単結晶を
製造した。この結晶の頭部と尾部で炭素濃度を測定した
ところ、それぞれ6.2×1015cm-3、4.1×10
15cm-3であった。この測定結果から、実施例1と同様
の手法で結晶中の炭素濃度を推定し、それに合わせてド
ーズ量を変えてSiイオンを打ち込み、活性化してシー
トキャリア濃度を測定したところ、実施例1と同程度に
均一な結果を得ることに成功した。
【0025】(比較例1)従来の容器内一酸化炭素濃度
制御方法でGaAs単結晶を成長した。すなわち、実施
例1と同じ条件で、結晶中の容器内一酸化炭素濃度が3
000ppmになるように設定し、結晶を育成した。結
晶成長中の容器内一酸化炭素濃度は、ガス採集配管7を
通じて採集した容器内雰囲気ガスを、一酸化炭素濃度検
出器10を用いて検出し、検出した一酸化炭素濃度が3
000ppmを越えた場合に、ガス導入配管8の純アル
ゴンガスの導入側に設置したマスフローコントローラ9
及びガス排気配管6に設置したマスフローコントローラ
9を通じて容器内のガスを純粋なガスと置換して300
0ppm以下まで希釈するようにした。
【0026】こうして得られた結晶中の炭素濃度分布を
図3に示す。結晶中の炭素濃度は、はじめ増加し、その
後減少してまた増加するという傾向を示していた。結晶
の頭部と尾部の炭素濃度測定値だけを見ると、ほとんど
差がなく、結晶中の炭素濃度が非常に均一に制御された
良い結晶であるかのように誤った判断をすることにな
る。
【0027】この結晶から採取したウェハにSiイオン
を打込み、活性化してシートキャリア濃度を測定した。
結晶の頭部と尾部の炭素濃度測定値だけがわかってお
り、その結果、結晶中の炭素濃度はほぼ均一に分布して
いるものと推定したと仮定して、イオンの打ち込み条件
は、全ウェハとも打ち込みエネルギー150keV、ド
ーズ量2.0×1012cm-2の一定とした。活性化のた
めの熱処理条件および、シートキャリア濃度の測定方法
は、実施例1と同じである。測定結果を図5に示す。シ
ートキャリア濃度は、結晶中の炭素濃度の分布と逆の相
関をもっており、そのばらつきは5.05〜6.45×
1011cm-2と非常に大きかった。
【0028】(他の実施例)結晶中に取り込まれる炭素
濃度と、成長容器内の一酸化炭素濃度との相関は、容器
毎に、また成長の進み具合いによってまちまちである。
容器内の一酸化炭素濃度を故意に制御しない場合、容器
によっては一酸化炭素濃度が自然増加するものもあり、
またこれと逆の挙動を示すものもある。結晶中の炭素濃
度を制御する場合、これらの容器毎の特性を知ったうえ
で、積極的に利用すれば、容器内のガス置換を行うこと
なしに、本発明に係る所望の結晶を製造することも可能
である。
【0029】
【発明の効果】
(1)請求項1に記載のGaAs単結晶によれば、結晶
中の炭素濃度が頭部から尾部にかけて単調に推移してい
るため、結晶の両端の炭素濃度又はこれを反映している
電気特性等を測定しただけで、その間の結晶中の炭素濃
度分布を容易に推定することができる。
【0030】(2)請求項2に記載のGaAs単結晶の
製造方法によれば、従来用いられてきた結晶製造装置に
なんら手を加えることなく、結晶中の炭素濃度の分布が
結晶の頭部から尾部にかけて単調に増加または減少して
いるGaAs単結晶を容易に製造することができる。
【0031】(3)請求項3に記載のGaAsウェハの
イオン打込み制御方法によれば、炭素濃度が頭部から尾
部にかけて単調に推移している結晶から一連に切り出し
たウェハを対象とするため、結晶の両端の炭素濃度を測
定しただけで容易に結晶中の炭素濃度分布を推定するこ
とができる。したがって、ウェハにイオンを打ち込んで
能動層を形成する場合の、イオンの打ち込み条件を結晶
中の炭素濃度に合わせて最適に調整することが可能とな
り、活性化率のばらつきを大幅に低減してウェハの電気
的特性を均一にすることができる。その結果、GaAs
IC等の素子を安定に製造できるようになり、歩留りの
向上、製造コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGaAs単結晶の製造方法を実施する
ための一酸化炭素濃度を制御しながらGaAs単結晶を
引き上げる装置の概略構成図。
【図2】本発明の実施例による結晶中の炭素濃度分布の
一例を示す特性図。
【図3】従来の結晶中の炭素濃度分布の一例を示す特性
図。
【図4】本発明の実施例による結晶にイオンを打ち込
み、活性化した時のシートキャリア濃度の分布を示す特
性図。
【図5】従来の結晶にイオンを打ち込み、活性化した時
のシートキャリア濃度の分布を示す特性図。
【符号の説明】
1 結晶成長容器 2 ヒータ 3 GaAs結晶 4 液体封止剤 5 GaAs融液 6 GaAs排気配管 7 GaAs採集配管 8 GaAs導入配管 9 マスフローコントローラ 10 一酸化炭素濃度検出器 11 ルツボ 12 上軸 13 種結晶 14 下軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶中に炭素を不純物として含有する半絶
    縁性GaAs単結晶において、結晶中の炭素濃度の分布
    が、結晶の頭部から尾部にかけて単調に増加または減少
    していることを特徴とするGaAs単結晶。
  2. 【請求項2】不活性ガスで満たした容器内にGaAs融
    液と該融液の上面を覆う液体封止材を収納したルツボを
    設置し、種結晶をGaAs融液上面に接触させて回転さ
    せながら引き上げることによりGaAs単結晶を製造す
    る方法において、結晶成長前は、容器内の不活性ガス
    に、一酸化炭素または容器内で一酸化炭素を生ずる二酸
    化炭素等のガスを導入し、容器内の一酸化炭素濃度を所
    定の値に設定し、しかる後に結晶成長を開始し、結晶成
    長中は、容器内のガスを、純粋な不活性ガス、一酸化炭
    素または容器内で一酸化炭素を生ずる二酸化炭素等のガ
    ス、またはこれらの混合ガスを用いて置換し、不活性ガ
    ス中の一酸化炭素濃度を単調に増加または減少させなが
    ら単結晶を成長させることを特徴とするGaAs単結晶
    の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のGaAs単結晶におい
    て、その頭部から尾部にわたってウェハを切り出し、切
    り出した各ウェハの炭素濃度[C]を式(1)から求
    め、 [C]=([CT ]−[CS ])×m/L+[CS ] ……… (1) ただし、[CT ]は結晶の尾部で測定した結晶中の炭素
    濃度 [CS ]は結晶の頭部で測定した結晶中の炭素濃度 mは炭素濃度を測定した試料を採取した結晶の頭部から
    の距離 Lは炭素濃度を測定した試料を採取した結晶の頭部から
    尾部間の距離 これより各ウェハ毎に求めた[C]を用いた式(2)か
    らイオン打込みのドーズ量φを求め、 φ=φ0 +([C]−[CS ])×a ……… (2) ただし、φ0 は基準となるドーズ量 aは打込み条件によって決まる係数 このドーズ量のイオンを該当するウェハに打ち込むよう
    にしたことを特徴とするGaAsウェハのイオン打込み
    制御方法。
JP4212779A 1992-08-10 1992-08-10 GaAs単結晶及びその製造方法並びにGaAsウェハのイオン打込み制御方法 Expired - Lifetime JP3018763B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008056562A (ja) * 2007-09-14 2008-03-13 Dowa Holdings Co Ltd GaAs単結晶及びその製造方法並びにその製造装置

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JP2008056562A (ja) * 2007-09-14 2008-03-13 Dowa Holdings Co Ltd GaAs単結晶及びその製造方法並びにその製造装置

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