JPH0656539A - リン酸塩結合不定形耐火物 - Google Patents
リン酸塩結合不定形耐火物Info
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- JPH0656539A JPH0656539A JP4212636A JP21263692A JPH0656539A JP H0656539 A JPH0656539 A JP H0656539A JP 4212636 A JP4212636 A JP 4212636A JP 21263692 A JP21263692 A JP 21263692A JP H0656539 A JPH0656539 A JP H0656539A
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- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/34—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing cold phosphate binders
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- C04B2111/00086—Mixtures with prolonged pot-life
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Abstract
(57)【要約】
【目的】保存安定性を向上させ、施工作業性を長期にわ
たって安定に維持することができる改良されたリン酸塩
結合不定形耐火物を提供すること。 【構成】耐火性骨材と耐火粘土とからなる配合物100
重量%に対し、バインダーとして外掛3〜15重量%の
正リン酸溶液又は第一リン酸アルミニウム溶液と、外掛
0.5〜3重量%の有機酸と、外掛0.1〜3重量%の
第一リン酸ナトリウムとを添加する。好ましい実施態様
においては、上記組成にさらに保水性樹脂を0.01〜
1重量%添加する。有機酸としてはシュウ酸、保水性樹
脂としてはでん粉が好ましい。これによって、リン酸塩
結合不定形耐火物の経時変化を抑制し、長期の保管が可
能になる。
たって安定に維持することができる改良されたリン酸塩
結合不定形耐火物を提供すること。 【構成】耐火性骨材と耐火粘土とからなる配合物100
重量%に対し、バインダーとして外掛3〜15重量%の
正リン酸溶液又は第一リン酸アルミニウム溶液と、外掛
0.5〜3重量%の有機酸と、外掛0.1〜3重量%の
第一リン酸ナトリウムとを添加する。好ましい実施態様
においては、上記組成にさらに保水性樹脂を0.01〜
1重量%添加する。有機酸としてはシュウ酸、保水性樹
脂としてはでん粉が好ましい。これによって、リン酸塩
結合不定形耐火物の経時変化を抑制し、長期の保管が可
能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸塩溶液と骨材原
料との混合物からなるリン酸塩結合不定形耐火物の施工
作業性の経時安定性改良に関する。
料との混合物からなるリン酸塩結合不定形耐火物の施工
作業性の経時安定性改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸あるいはリン酸アルミニウム等の
リン酸塩溶液は粘性を有するので、種々の骨材原料と配
合混練した場合に、適度の粘着性と可塑性を与える特徴
を有すると共に、耐火耐熱性に優れていることから、パ
ッチング材、プラスチック耐火物、ラミング材、キャス
タブル耐火物等の不定形耐火物のバインダーとして、ま
た耐火れんが製造用坏土のバインダーとして汎用されて
いる。
リン酸塩溶液は粘性を有するので、種々の骨材原料と配
合混練した場合に、適度の粘着性と可塑性を与える特徴
を有すると共に、耐火耐熱性に優れていることから、パ
ッチング材、プラスチック耐火物、ラミング材、キャス
タブル耐火物等の不定形耐火物のバインダーとして、ま
た耐火れんが製造用坏土のバインダーとして汎用されて
いる。
【0003】リン酸塩溶液は、耐火物のバインダーとし
て上述のような優れた性質を有している反面、酸性度が
大であるために、リン酸塩溶液と骨材との混合物を保存
しておくと、保存中に活性のある骨材や骨材に起因する
不純物と反応して、混合物が次第に可塑性を失い、作業
性が悪化し、成形体の強度が低下する問題があった。特
に化学的反応性の高い粘土を多量に使用する場合にこの
傾向が著しい。従来のリン酸塩結合不定形耐火物は骨材
原料と混合した日から1ケ月程度経過すると、作業性が
適性値より低くなり、作業に支障をきたし、従って、骨
材原料を大量にリン酸塩溶液と混合して保管しておくこ
とができず、納期払出し管理等に支障が生じていた。
て上述のような優れた性質を有している反面、酸性度が
大であるために、リン酸塩溶液と骨材との混合物を保存
しておくと、保存中に活性のある骨材や骨材に起因する
不純物と反応して、混合物が次第に可塑性を失い、作業
性が悪化し、成形体の強度が低下する問題があった。特
に化学的反応性の高い粘土を多量に使用する場合にこの
傾向が著しい。従来のリン酸塩結合不定形耐火物は骨材
原料と混合した日から1ケ月程度経過すると、作業性が
適性値より低くなり、作業に支障をきたし、従って、骨
材原料を大量にリン酸塩溶液と混合して保管しておくこ
とができず、納期払出し管理等に支障が生じていた。
【0004】この種のリン酸塩結合不定形耐火物の性能
は、耐火物自体の品質は勿論のことであるが、施工方
法、施工技術の良否によって大きく左右され、特に施工
時における作業性が重要因子である。
は、耐火物自体の品質は勿論のことであるが、施工方
法、施工技術の良否によって大きく左右され、特に施工
時における作業性が重要因子である。
【0005】リン酸塩結合不定形耐火物の保存安定性を
向上させる手段として、J. E. Lyon等は正リン酸に有機
酸を添加する方法を提案し、シュウ酸が最も有効と述べ
ている(J. E. Lyon, T. U. Fox and J.W.Lyons, "An l
nhibited Phosphoric Acid for Use in High-Alumina R
efractories", Am. Ceram. Soc. Bull., 45 [7], 661-
665 (1966))。さらに、Ersin Eti 等はリン酸塩結合不
定形耐火物の貯蔵性改善にデキストリン等が有効である
と報告している(Ersin Eti and William B. Hall, "Co
ntrol of Premature Hardening in Phosphate-Bonded H
igh-Alumina Refractory Compositions", Am. Ceram. S
oc. Bull., 50 [7], 604-606 (1971))。
向上させる手段として、J. E. Lyon等は正リン酸に有機
酸を添加する方法を提案し、シュウ酸が最も有効と述べ
ている(J. E. Lyon, T. U. Fox and J.W.Lyons, "An l
nhibited Phosphoric Acid for Use in High-Alumina R
efractories", Am. Ceram. Soc. Bull., 45 [7], 661-
665 (1966))。さらに、Ersin Eti 等はリン酸塩結合不
定形耐火物の貯蔵性改善にデキストリン等が有効である
と報告している(Ersin Eti and William B. Hall, "Co
ntrol of Premature Hardening in Phosphate-Bonded H
igh-Alumina Refractory Compositions", Am. Ceram. S
oc. Bull., 50 [7], 604-606 (1971))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の方法は、リン酸塩結合不定形耐火物の保
存安定性を向上させるという課題を根本的に解決するに
は、必ずしも充分ではない。
たような従来の方法は、リン酸塩結合不定形耐火物の保
存安定性を向上させるという課題を根本的に解決するに
は、必ずしも充分ではない。
【0007】そこで本発明は、保存安定性を向上させ、
施工作業性を長期にわたって安定に維持することができ
る改良されたリン酸塩結合不定形耐火物を提供すること
を目的としてなされたものである。
施工作業性を長期にわたって安定に維持することができ
る改良されたリン酸塩結合不定形耐火物を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、耐火性骨
材および粘土と正リン酸もしくは第一リン酸アルミニウ
ムとの反応を抑制する方法について研究しているうち
に、第一リン酸ナトリウムと有機酸を併用することによ
って、リン酸塩結合不定形耐火物の経時変化を抑制でき
ることを見出して本発明を完成したものである。
材および粘土と正リン酸もしくは第一リン酸アルミニウ
ムとの反応を抑制する方法について研究しているうち
に、第一リン酸ナトリウムと有機酸を併用することによ
って、リン酸塩結合不定形耐火物の経時変化を抑制でき
ることを見出して本発明を完成したものである。
【0009】すなわち本発明のリン酸塩結合不定形耐火
物は、耐火性骨材と耐火粘土とからなる配合物100重
量%に対し、バインダーとして3〜15重量%(外掛、
以下同じ)の正リン酸溶液又は第一リン酸アルミニウム
溶液と0.5〜3重量%の有機酸と0.1〜3重量%の
第一リン酸ナトリウムとを添加したことを特徴とするも
のである。本発明の好ましい実施態様においては、上記
組成にさらに保水性樹脂を0.01〜1重量%添加す
る。
物は、耐火性骨材と耐火粘土とからなる配合物100重
量%に対し、バインダーとして3〜15重量%(外掛、
以下同じ)の正リン酸溶液又は第一リン酸アルミニウム
溶液と0.5〜3重量%の有機酸と0.1〜3重量%の
第一リン酸ナトリウムとを添加したことを特徴とするも
のである。本発明の好ましい実施態様においては、上記
組成にさらに保水性樹脂を0.01〜1重量%添加す
る。
【0010】本発明のリン酸塩結合不定形耐火物におけ
る耐火性骨材としては、シャモット質、アルミナ質、珪
石質、ロー石質等の従来から慣用されている各種の骨材
を単独でもしくは組合せて使用することができる。これ
ら骨材の例えば粒径5mm以下に粉砕粒度調整したもの
80〜97重量%に、マトリックス構成材料として耐火
粘土を3〜20重量%加えて合計を100重量%とす
る。耐火粘土は本発明による不定形耐火物に可塑性と保
水性を与えるものであり、カオリン、ボールクレー、ベ
ントナイト、スイヒ粘土等各種のものが使用可能であ
る。
る耐火性骨材としては、シャモット質、アルミナ質、珪
石質、ロー石質等の従来から慣用されている各種の骨材
を単独でもしくは組合せて使用することができる。これ
ら骨材の例えば粒径5mm以下に粉砕粒度調整したもの
80〜97重量%に、マトリックス構成材料として耐火
粘土を3〜20重量%加えて合計を100重量%とす
る。耐火粘土は本発明による不定形耐火物に可塑性と保
水性を与えるものであり、カオリン、ボールクレー、ベ
ントナイト、スイヒ粘土等各種のものが使用可能であ
る。
【0011】上記耐火骨材および耐火粘土の合計を10
0重量%とし、更にバインターとして、正リン酸溶液又
は第一リン酸アルミニウム溶液と、有機酸と、第一リン
酸ナトリウムとが添加される。
0重量%とし、更にバインターとして、正リン酸溶液又
は第一リン酸アルミニウム溶液と、有機酸と、第一リン
酸ナトリウムとが添加される。
【0012】正リン酸溶液は、通常の工業薬品である8
5%溶液あるいは75%溶液をそのまま用いることがで
きる。第一リン酸アルミニウム溶液も通常の工業薬品の
濃度、例えばP2 O5 濃度38%±12%およびAl2
O3 濃度8±1%のものが使用できる。
5%溶液あるいは75%溶液をそのまま用いることがで
きる。第一リン酸アルミニウム溶液も通常の工業薬品の
濃度、例えばP2 O5 濃度38%±12%およびAl2
O3 濃度8±1%のものが使用できる。
【0013】正リン酸と第一リン酸アルミニウムの働き
は、不定形耐火物を耐火構造体に仕上げた後に加熱を行
なう際に、昇温につれて耐火骨材および耐火粘土と反応
し、高強度の耐火物構造体とすることである。また、正
リン酸と第一リン酸アルミニウムは適度な粘性と粘着性
を有しているので、他のバインダーと併用することによ
って、用途に応じた施工性を不定形耐火物に付与するこ
とができる。
は、不定形耐火物を耐火構造体に仕上げた後に加熱を行
なう際に、昇温につれて耐火骨材および耐火粘土と反応
し、高強度の耐火物構造体とすることである。また、正
リン酸と第一リン酸アルミニウムは適度な粘性と粘着性
を有しているので、他のバインダーと併用することによ
って、用途に応じた施工性を不定形耐火物に付与するこ
とができる。
【0014】正リン酸および第一リン酸アルミニウムの
添加量は、不定形耐火物がパッチング材かプラスチック
耐火物かラミング材か等の用途に応じて、あるいは骨材
の比重によって適性添加量が異るが、一般的には3〜1
5重量%とする。3重量%より少ないと、混練物が硬
く、施工するに必要な可塑性が不足し施工体の充填度が
悪くなるため、施工体の強度発現も不十分となり長期耐
用が望めない。一方、15重量%を超えて添加した場合
には、混練物が軟らか過ぎて、必要な形状の施工体を得
るのに手間が掛かり、さらには乾燥中に収縮クラックを
生ずる問題がある。
添加量は、不定形耐火物がパッチング材かプラスチック
耐火物かラミング材か等の用途に応じて、あるいは骨材
の比重によって適性添加量が異るが、一般的には3〜1
5重量%とする。3重量%より少ないと、混練物が硬
く、施工するに必要な可塑性が不足し施工体の充填度が
悪くなるため、施工体の強度発現も不十分となり長期耐
用が望めない。一方、15重量%を超えて添加した場合
には、混練物が軟らか過ぎて、必要な形状の施工体を得
るのに手間が掛かり、さらには乾燥中に収縮クラックを
生ずる問題がある。
【0015】有機酸として、リンゴ酸、酒石酸、コハク
酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸等のカルボン酸が
使用できるが、前出のJ. E. Lyon等が述べているよう
に、Al3+イオンを五員環のキレートによって安定化さ
せる働きのあるシュウ酸が最も有効である。J. E. Lyon
等によると、リン酸塩結合高アルミナ質耐火物の保存中
の硬化反応は次式で示すことができ、原因はAlPO4
・xH2 O(オルトリン酸アルミニウム)の生成であ
る。
酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸等のカルボン酸が
使用できるが、前出のJ. E. Lyon等が述べているよう
に、Al3+イオンを五員環のキレートによって安定化さ
せる働きのあるシュウ酸が最も有効である。J. E. Lyon
等によると、リン酸塩結合高アルミナ質耐火物の保存中
の硬化反応は次式で示すことができ、原因はAlPO4
・xH2 O(オルトリン酸アルミニウム)の生成であ
る。
【0016】
【0017】有機酸の添加量は0.5〜3重量%がよ
い。0.5重量%より少ないと添加効果が不充分であ
り、3重量%を超すと、リン酸塩結合不定形耐火物の強
度を低下させるマイナス効果が大きい。
い。0.5重量%より少ないと添加効果が不充分であ
り、3重量%を超すと、リン酸塩結合不定形耐火物の強
度を低下させるマイナス効果が大きい。
【0018】第一リン酸ナトリウムは有機酸と併用する
ことにより、リン酸塩結合不定形耐火物の保存性を飛躍
的に向上させる働きがある。F. J. Gonzalez等によると
(F.J. Gonzalez and J. W. Halloran, "Reaction of O
rthophosphoric Acid withSeveral Forms of Aluminum
Oxide", Am. Ceram. Soc. Bull., 59 [7], 727-731 (1
980))、リン酸塩結合高アルミナ質耐火物の保存中の硬
化の原因となるものは、Fe3+,Al3+,Ca2+,Mg
2+等のイオンやβ−Al2 O3 であると述べているよう
に、Al3+以外に1価の金属イオンNa+ ,K+ とか2
価の金属イオンMg2+,Ca2+,Fe2+等も有害であ
り、これ等の金属イオンはリン酸塩結合不定形耐火物の
不純物として不可避的に混入するものである。この点に
注目して本発明者は種々の実験を行って、第一リン酸ナ
トリウムが有機酸の働きを補う効果があることを見出し
たのである。有機酸はそのメカニズムがキレート形成で
あるから、主として3価の金属イオンに有効であり、1
価と2価の金属イオンには効力が弱いと考えられる。こ
れに対して、第一リン酸ナトリウムは1価と2価の金属
イオンに有効と考えられる。第一リン酸ナトリウムの添
加量は0.1〜3重量%の範囲とする。0.1重量%よ
り少ないと保存性向上効果が十分でなく、3重量%を超
えると焼成時の収縮が大きく熱間強度を低下させるマイ
ナス効果が生じる。
ことにより、リン酸塩結合不定形耐火物の保存性を飛躍
的に向上させる働きがある。F. J. Gonzalez等によると
(F.J. Gonzalez and J. W. Halloran, "Reaction of O
rthophosphoric Acid withSeveral Forms of Aluminum
Oxide", Am. Ceram. Soc. Bull., 59 [7], 727-731 (1
980))、リン酸塩結合高アルミナ質耐火物の保存中の硬
化の原因となるものは、Fe3+,Al3+,Ca2+,Mg
2+等のイオンやβ−Al2 O3 であると述べているよう
に、Al3+以外に1価の金属イオンNa+ ,K+ とか2
価の金属イオンMg2+,Ca2+,Fe2+等も有害であ
り、これ等の金属イオンはリン酸塩結合不定形耐火物の
不純物として不可避的に混入するものである。この点に
注目して本発明者は種々の実験を行って、第一リン酸ナ
トリウムが有機酸の働きを補う効果があることを見出し
たのである。有機酸はそのメカニズムがキレート形成で
あるから、主として3価の金属イオンに有効であり、1
価と2価の金属イオンには効力が弱いと考えられる。こ
れに対して、第一リン酸ナトリウムは1価と2価の金属
イオンに有効と考えられる。第一リン酸ナトリウムの添
加量は0.1〜3重量%の範囲とする。0.1重量%よ
り少ないと保存性向上効果が十分でなく、3重量%を超
えると焼成時の収縮が大きく熱間強度を低下させるマイ
ナス効果が生じる。
【0019】有機酸のうち特にシュウ酸を用いる場合に
は、予めシュウ酸を第一リン酸アルミニウム溶液に溶解
した溶液を添加することが好ましい。すなわち、シュウ
酸は正リン酸に難溶で、第一リン酸アルミニウムに可溶
であるため、シュウ酸の8%第一リン酸アルミニウム溶
液を調製してこれを添加したところ、シュウ酸粉末を添
加する従来の方式に比べてシュウ酸の使用量を低減する
ことができた。また、シュウ酸の第一リン酸アルミニウ
ム溶液を使用することにより不定形耐火物中にシュウ酸
が均一に分散するので、リン酸塩結合不定形耐火物の物
性を安定化させることができた。なお、シュウ酸は4℃
において第一リン酸アルミニウムに10%溶解すること
が知られている。
は、予めシュウ酸を第一リン酸アルミニウム溶液に溶解
した溶液を添加することが好ましい。すなわち、シュウ
酸は正リン酸に難溶で、第一リン酸アルミニウムに可溶
であるため、シュウ酸の8%第一リン酸アルミニウム溶
液を調製してこれを添加したところ、シュウ酸粉末を添
加する従来の方式に比べてシュウ酸の使用量を低減する
ことができた。また、シュウ酸の第一リン酸アルミニウ
ム溶液を使用することにより不定形耐火物中にシュウ酸
が均一に分散するので、リン酸塩結合不定形耐火物の物
性を安定化させることができた。なお、シュウ酸は4℃
において第一リン酸アルミニウムに10%溶解すること
が知られている。
【0020】保水性樹脂としては、例えばグリセリン,
ソルビトール,C.M.C.,でん粉、デキストリン,
P.V.A等の各種のものが使用できるが、これらのう
ちででん粉が最も有効である。でん粉はリン酸塩結合不
定形耐火物に保水性を与える働きがあるだけでなく、リ
ン酸塩バインダーと共に作用して耐火物不純物の反応を
抑制し、ひいては施工作業性の経時安定性を向上させる
ことができる。
ソルビトール,C.M.C.,でん粉、デキストリン,
P.V.A等の各種のものが使用できるが、これらのう
ちででん粉が最も有効である。でん粉はリン酸塩結合不
定形耐火物に保水性を与える働きがあるだけでなく、リ
ン酸塩バインダーと共に作用して耐火物不純物の反応を
抑制し、ひいては施工作業性の経時安定性を向上させる
ことができる。
【0021】保水性樹脂の添加量は0.01〜1重量%
がよい。0.01重量%より少ないと十分な効果が得ら
れず、1重量%を超すと添加水量が増えて、その結果、
乾燥収縮と焼成収縮を増大させる弊害がある。
がよい。0.01重量%より少ないと十分な効果が得ら
れず、1重量%を超すと添加水量が増えて、その結果、
乾燥収縮と焼成収縮を増大させる弊害がある。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施の具体例を挙げる。第1表
に示すように耐火骨材としてのアルミナ質骨材と耐火粘
土としてのスイヒ粘土とを全体で100重量%となるよ
うに配合し、これにバインダーと水を添加して不定形耐
火物を製造した。No.1と2は従来品(第一リン酸ナ
トリウム無添加)であり、No.3〜6は本発明品の実
施例である。また、No.7〜11は比較例を示し、N
o.7およびNo.8はそれぞれシュウ酸の所定添加量
範囲よりも少量および多量に添加した例、No.9は第
一リン酸ナトリウムの所定添加量範囲よりも多量に添加
した例、No.10はでん粉の所定添加量範囲よりも多
量に添加した例、No.11はシュウ酸無添加の例であ
る。
に示すように耐火骨材としてのアルミナ質骨材と耐火粘
土としてのスイヒ粘土とを全体で100重量%となるよ
うに配合し、これにバインダーと水を添加して不定形耐
火物を製造した。No.1と2は従来品(第一リン酸ナ
トリウム無添加)であり、No.3〜6は本発明品の実
施例である。また、No.7〜11は比較例を示し、N
o.7およびNo.8はそれぞれシュウ酸の所定添加量
範囲よりも少量および多量に添加した例、No.9は第
一リン酸ナトリウムの所定添加量範囲よりも多量に添加
した例、No.10はでん粉の所定添加量範囲よりも多
量に添加した例、No.11はシュウ酸無添加の例であ
る。
【0023】なお、不定形耐火物の作業性を知る目安と
してワーカビリティー・インデックス(W.Index
と略記)を採用し、製造直後の値が30〜35になるよ
うに添加水量をコントロールした。W.Indexの測
定はJIS R2574によって行った。上記不定形耐
火物No.1〜11をそれぞれ三重のビニール袋に入れ
て完全密封し、温度40℃、湿度70%の恒温恒湿槽に
保管し、定期的に取り出して、W.Indexを測定し
た。
してワーカビリティー・インデックス(W.Index
と略記)を採用し、製造直後の値が30〜35になるよ
うに添加水量をコントロールした。W.Indexの測
定はJIS R2574によって行った。上記不定形耐
火物No.1〜11をそれぞれ三重のビニール袋に入れ
て完全密封し、温度40℃、湿度70%の恒温恒湿槽に
保管し、定期的に取り出して、W.Indexを測定し
た。
【0024】線変化率と熱間曲げ強さ測定用試片は、製
造直後の不定形耐火物を使用して作製し、線変化率はJ
IS R2576に基づいて測定した。熱間曲げ強さは
1400℃で測定した。
造直後の不定形耐火物を使用して作製し、線変化率はJ
IS R2576に基づいて測定した。熱間曲げ強さは
1400℃で測定した。
【0025】これらの結果を第1表にまとめて示した。
図1はこの発明に係るリン酸塩結合不定形耐火物と従来
のリン酸塩結合不定形耐火物のW.Indexによる施
工作業性の経時変化を示したものである。
図1はこの発明に係るリン酸塩結合不定形耐火物と従来
のリン酸塩結合不定形耐火物のW.Indexによる施
工作業性の経時変化を示したものである。
【0026】上記第1表および図1からも明らかな如
く、本発明の不定形耐火物は、線変化率、熱間曲げ強さ
の物性が従来と遜色ないにも拘わらず、適正な作業性値
を6ケ月以上保つことができる。
く、本発明の不定形耐火物は、線変化率、熱間曲げ強さ
の物性が従来と遜色ないにも拘わらず、適正な作業性値
を6ケ月以上保つことができる。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、リ
ン酸塩結合不定形耐火物の経時変化を抑制し、長期の保
管が可能になる。その結果、納期あるいは払出し管理を
容易にすることができる。
ン酸塩結合不定形耐火物の経時変化を抑制し、長期の保
管が可能になる。その結果、納期あるいは払出し管理を
容易にすることができる。
【図1】 作業性指数(W.Index)の経時変化を
示すグラフである。
示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
Claims (4)
- 【請求項1】 耐火性骨材と耐火粘土とからなる配合物
100重量%に対し、バインダーとして外掛3〜15重
量%の正リン酸溶液又は第一リン酸アルミニウム溶液と
外掛0.5〜3重量%の有機酸と外掛0.1〜3重量%
の第一リン酸ナトリウムとを添加したことを特徴とする
リン酸塩結合不定形耐火物。 - 【請求項2】 耐火性骨材と耐火粘土とからなる配合物
100重量%に対し、バインダーとして外掛3〜15重
量%の正リン酸溶液又は第一リン酸アルミニウム溶液と
外掛0.5〜3重量%の有機酸と外掛0.1〜3重量%
の第一リン酸ナトリウムと外掛0.01〜1重量%の保
水性樹脂とを添加したことを特徴とするリン酸塩結合不
定形耐火物。 - 【請求項3】 前記有機酸がシュウ酸である請求項1ま
たは請求項2に記載のリン酸塩結合不定形耐火物。 - 【請求項4】 前記保水性樹脂がでん粉である請求項2
または請求項3に記載のリン酸塩結合不定形耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212636A JPH0656539A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | リン酸塩結合不定形耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212636A JPH0656539A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | リン酸塩結合不定形耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0656539A true JPH0656539A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16625933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4212636A Pending JPH0656539A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | リン酸塩結合不定形耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0656539A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1491517A2 (en) | 2003-06-24 | 2004-12-29 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | A cement system including a binder for use in freeform fabrication |
JP2007192434A (ja) * | 2006-01-17 | 2007-08-02 | Asahi Tec Corp | 溶解炉 |
US8494428B2 (en) | 2009-11-26 | 2013-07-23 | Ricoh Company, Ltd | Lubricant applicator, process unit including the lubricant applicator, transfer unit including the lubricant applicator, and image forming apparatus including the process unit or the transfer unit |
JP2014055093A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-03-27 | Shinagawa Refractories Co Ltd | プラスチック耐火物 |
CN115124327A (zh) * | 2022-09-01 | 2022-09-30 | 山东理工大学 | 复合增塑耐火可塑料及其制备方法 |
CN116535197A (zh) * | 2023-04-14 | 2023-08-04 | 河南新拓耐火材料有限公司 | 一种改性磷酸盐结合的新型环保下水口砖的制备工艺 |
-
1992
- 1992-08-10 JP JP4212636A patent/JPH0656539A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7435367B2 (en) | 2003-06-24 | 2008-10-14 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Cement system including a binder for use in freeform fabrication |
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