JPH0656382B2 - 活性型ヒト血液凝固第▲xi▼因子の免疫学的定量法 - Google Patents

活性型ヒト血液凝固第▲xi▼因子の免疫学的定量法

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JPH0656382B2
JPH0656382B2 JP60204948A JP20494885A JPH0656382B2 JP H0656382 B2 JPH0656382 B2 JP H0656382B2 JP 60204948 A JP60204948 A JP 60204948A JP 20494885 A JP20494885 A JP 20494885A JP H0656382 B2 JPH0656382 B2 JP H0656382B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は活性型ヒト血液凝固第XI因子の免疫学的定量
法に関する。
〔発明の背景〕
凝固第XI因子は血液凝固のカスケード反応の中で、反応
の開始点で関与する最も重要な因子である。即ち、プレ
カリクレイン、高分子キニノーゲンの存在下、陰電荷を
もつある種の物質と接触した第XII因子は基質である第X
I因子に作用し、これを活性化する。かくして活性型第X
I因子(XIa因子;限定的加水分解を受けて活性化型とな
ったもの)が生成されると、これによって次に第IX因子
が活性化され下記図式に示した順序に従って連鎖反応
(カスケード反応)が進み、最終的に安定フィブリンが
生成し、血液凝固反応は完了する。(Davie.E.W et al A
dvances in Enzymology 48277(1979)) 第XI因子は、分子量160,000の糖蛋白質で、ほぼ等しい
分子量をもつ2個のポリペプチドサブユニットから構成
されている。第VII,IX,X,XI,XII各因子は、いずれも活
性中心にセリンを有する酵素でそのアミノ酸配列も類似
している。更にトロンビン、プレカリクレインとも類似
性が存在する。また、生物活性の点でも血液凝固系の他
に、血小板のchemotaxis(走化性)や、第XII因子を必
要とせずに血小板と共に第IX因子を活性化する反応に関
与すること、またさほど強くないが、プラスミノ−ゲン
プロアクチベーター活性を有すると示唆されているな
ど、多くの重要な生理反応に関与している。
このように凝固因子XIの活性の変動は、欠損症のみなら
ず動脈硬化性疾患、悪性腫瘍など組織,血球の破壊、血
管壁の障害、血流の異常などを生じる様々な疾患に関与
していると考えられている。本態性高血圧や糖尿病にお
いて第XI因子や血漿プレカリクレイン量が増大し、凝固
系が亢進していることも明らかになっている。従って血
管病変を臨床検査的に把握する指標として、凝固系の活
性化、特に凝固反応初期相の凝固第XI因子の活性化をと
らえることは、臨床診断上、重要な意義がある。
従来、凝固因子の測定法としては、各々の因子が欠乏し
た因子欠乏血漿を用いた活性化部分トロンボプラスチン
時間(apTT)の測定があるが、第XI因子だけの濃度ある
いは活性の異常を選択的に検出することはできなかっ
た。
また、近年、合成発色基質を用いた第XI因子の測定法が
報告されているが、測定法が複雑で特殊な試薬を必要と
する点など未だ問題を残している。一方、抗原−抗体反
応などを利用した免疫化学的方法での測定法は未だ一般
的でない。
〔発明の目的〕
本発明は、上記した如き状況に鑑みてなされたもので、
活性型ヒト血液凝固第XI因子(XIa因子)の新規で
且つ極めて精度の高い免疫学的定量法の提供をその目的
とする。
〔発明の構成〕
本発明は、ヒト血液凝固第XI因子と活性化されたヒト
血液凝固第XI因子(XIa因子)とに特異性を有し、
他のヒト血液凝固因子とは全く反応しない単クローン性
抗ヒト血液凝固第XI因子抗体と抗α1アンチトリプシ
ン抗体とを組み合せて用いて、活性型ヒト血液凝固第X
I因子とα1アンチトリプシンとの複合体を定量するこ
とにより行うことを特徴とする、活性型ヒト血液凝固第
XI因子(XIa因子)の免疫学的定量法である。
即ち、本発明者らは、活性型ヒト血液凝固第XI因子
(XIa因子)を直接定量する目的で、活性型第XI因子
(XIa)とその阻害物質との複合体を定量する方法に
ついて研究を行い、阻害物質としてScott et al(J.Clin
Invest.69 844〜852,1982)の研究によって明らかにさ
れた、α1アンチトリプシン(α1AT)を採用し、抗ヒ
ト凝固第XI因子抗体と抗α1アンチトリプシン抗体を組
み合わせて用いることにより、活性型凝固第XI因子−α
1アンチトリプシン複合体の測定法を確立し、これによ
り活性型凝固第XI因子(XIa因子)の直接定量法を完成
させるに到った。
本発明に係るヒト凝固第XI因子に特異性を有する新規な
単クローン性抗体は、ネイティブのヒト凝固第XI因子と
同様に活性型第XI因子に対しても強い親和性を有してい
る。これらの単クローン性抗体は、活性型第XI因子の酵
素活性を阻害しないことから、いずれも酵素の活性中心
を認識しているものではないことが推測される。
これら本発明に係る単クローン性抗体は、酵素免疫測定
法(EIA)、放射性免疫測定法(RIA)、蛍光免疫
測定法(FIA)等によって、ヒト凝固第XI因子、及び
活性型第XI因子の定量に有効に使用することができる。
また、本発明に係るヒト血液凝固第XI因子に特異性を有
し、活性化されたヒト血液凝固第XI因子(XIa因子)
にも特異的に反応するが、他のヒト血液凝固因子とは全
く反応しない単クローン性抗体と、凝固第XI因子の阻害
物質であるα1アンチトリプシンに特異性を有する抗体
とを組み合わせて用いて活性型凝固第XI因子(XIa因
子)−α1アンチトリプシン複合体を定量する場合に
は、特異性に優れ、且つ感度も良好となるため効果的に
活性型凝固第XI因子(XIa)−α1アンチトリプシン複合
体を定量することができ、それにより更に効果的に活性
型凝固第XI因子を定量することが可能となる。
本発明で用いるα1アンチトリプシンに特異性を有する
抗α1アンチトリプシン抗体としては、公知の動物に於
て作製した抗血清から精製したものでも、単クローン性
抗体のいずれにてもよく、特に限定されるものではな
い。
抗体を2種類用いる本発明の活性型ヒト凝固第XI因子
(XIa因子)−α1アンチトリプシン複合体(XIa-α1
T複合体)の定量法に於ては、例えば一方を固相(不溶
性担体)に結合後、XIa-α1AT複合体を含む試料と反
応させ、次いでこれに、予め標識物質で標識したもう一
方の抗体を反応させるサンドイッチ法が考えられる。こ
こで用いる標識物質としてはEIAでは酵素であり、R
IAでは放射性同位元素であり、FIAでは蛍光性物質
であることは云うを俟たない。
本発明に係るEIAに於て、標識物質として用いられる
酵素としては、例えばβ−ガラクトシダーゼ、アルカリ
ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
又、本EIAに用いられる不溶性担体としては、EIA
に於て一般に用いられるポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成高分子化合
物や、シリカゲル等の無機物質等が例外なく用いられ、
これらは通常ビーズ、チューブ、ディスク片、微粒子
(ラテックス粒子)、マイクロプレート等の形態にして
用いられることも周知の如くである。
その他、本EIAに於て用いられる試薬及び、操作法
は、自体公知のEIAに於て用いられる試薬及び操作法
に準じて、適宜選択し、これを行えばよい。
又、本発明に係るRIA、FIAによるヒト凝固第XI因
子の定量法も、抗体として本発明に係る単クローン性抗
ヒト血液凝固第XI因子抗体と抗α1アンチトリプシン
抗体とを組み合せて用いて、活性型ヒト血液凝固第XI
因子とα1アンチトリプシンとの複合体を定量する。以
外は、自体公知のRIA、FIAに於て用いられる試薬
に準じた試薬を用い、自体公知のRIA、FIAの操作
法に準じてこれを行えばよい。
本発明の目的を達成するための第1段階は、新規な単ク
ローン性抗体を産生する新規な単クローンハイブリドー
マを作製することであるが、このハイブリドーマの作製
方法は簡単には次の3工程から成る。
1. 免疫 2. 細胞融合 3. ハイブリドーマの選択と単クローン化 以下、これについて順を追って説明する。
免疫の工程では抗血清を作製するための手段或いは免疫
日程がそのまま応用できる。ただし、後の工程でハイブ
リドーマの選択が可能であるので抗血清を作製するに不
可欠な純品のヒト凝固第XI因子を抗原として使用しなく
てもよい。免疫動物は、細胞融合に使用する腫瘍細胞株
によって決められるが、一般にはラット、マウスが多く
用いられる。マウスの中でも免疫グロブリンを産生しな
い腫瘍細胞株の確立されているBalb/cがよく用いられ
る。初回免疫はマウス1匹あたり1回に抗原量1μgか
ら300μgをアジュバントと共に投与するのが好まし
い。免疫は2〜4週間隔で行い、最終免疫はアジュバン
ドを使用しない時は、生理食塩水等に溶解した抗原を腹
腔内或いは静脈内に投与する。又、アジュバンドを使用
する時は腹腔内に投与する。最終免疫後2〜4日後にリ
ンパ節或いは脾臓を摘出し、得られるリンパ球を細胞融
合に供する。又、免疫の工程は上記のようなin vivoの
免疫でなくても、in vitroの免疫でも可能である。in v
itroの免疫は以下の様な操作で行われる。
即ち、リンパ節或いは脾臓を摘出し、得られるリンパ球
を培養液中に懸濁し、インキュベーターで培養する。こ
のリンパ球は随意、抗原で刺激する。この時の抗原量は
普通50μg以下で充分であり、刺激回数は1日1回で、
計3回以内で充分である。細胞融合には、培養開始後3
日から3週間のリンパ球が用いられる。
細胞融合及びハイブリドーマの選択と単クローン化の工
程は、公知の技術がすべて適用できる。一般的な方法を
以下に示す。
細胞融合に使用される腫瘍細胞株としては、初期にはM
PC−11,P3−X63−8AZ等があったが、これらは
自身免疫グロブリンを産生するので近来ではP3−X63
−8AZ−U1やP3−NS−1等が汎用されている。
細胞融合時は、腫瘍細胞に比べリンパ球を5〜20倍量多
く用いる。MEM培地、McCoy培地、RPM11640培
地、或いは等張緩衝液等で洗浄した腫瘍細胞、リンパ球
を混合後遠心分離し、ペレットとする。ペレットをほぐ
した後、HVJ(センダイウイルス)或いは、ポリエチ
レングリコール(PEG)で細胞を融合させるが、一般
には取扱いの便利なPEGの平均分子量1,000〜8,000の
40〜60%溶液を0.5〜2ml使用する。融合を促進する為
にコルヒチン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ポ
リ−L−アルギニン等を添加することもあるが必須では
ない。
PEG溶液で融合反応を1〜10分間程度おこなった後M
EM培地やRPM11640培地等を10〜50ml徐々に加え融
合反応を停止させる。停止後遠心し上清を除去する。牛
胎児血清(FCS)を5〜20%含むMEM培地或いはR
PM11640培地を加え24穴の培養プレートにリンパ球が
1穴あたり1×105〜5×106個となるよう1ml毎分注す
る。或いは96穴培養プレートにリンパ球が1穴当り1〜
2×105個となるよう0.2ml毎分注する。両方共にフィー
ダー細胞は添加した方が好ましい。フィーダー細胞とし
てはラットの胸線細胞、脾細胞、マウスの胸線細胞、脾
細胞等が用いられ、濃度としては、0.5×2×106個/ml
となるように添加する。次にヒポキサンチン1×10
-4M、アミノプテリン4×10-7M、チミジン1.6×10-5
Mを含むRPMI1640培地(或いはMEM培地)即ちH
AT培地に代えて行く。HAT培地交換の方法は一般に
は翌日培養プレートに融合時に分注した容量と等容量加
え、更に翌日その半量をHAT培地と交換する。その後
2〜3日毎HAT培地で半量ずつ交換する。融合後10〜
14日目にアミノプテリンを除いたHAT培地即ちHT培
地に半量交換し、更にその1〜3日後より1〜3日毎に
培地の半量をHATを含まない通常の培地に交換する。
ハイブリドーマの増殖の盛んな穴の細胞培養上清を種々
の分析法〜例えばRIA、プラーク法、凝集反応、EL
ISAなどで目的の抗体産生ハイブリドーマを選択す
る。ハイブリドーマを得たならクローニングを行なう。
クローニングの方法としてはFACS(Fluorescent Act
ivated Cell Sorter)を用いたり、Soft Agarを用いてコ
ロニーを捨い上げる方法、一般によく用いられる限界希
釈法などがある。クローニングはコロニーが1つのハイ
ブリドーマから形成されるような細胞濃度で行なう。限
界希釈法では96穴プレートの1穴あたり細胞が0.6個以
下になるように行なう。どの方法を用いてもクローニン
グは2回繰返しおこない、単一クローンとする。クロー
ンを確立したなら抗体は大量にin vitroで培養するか、
或いはin vivoで培養するかによって産生される。in vi
troで産生された抗体は他の抗体の混入はないが抗体価
は低い。他方in vivoで産生された抗体は宿主からの抗
体が若干混ざるが抗体価はin vitroに比し非常に高い。
どちらの方法で抗体を産生させるかは任意である。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。
参考例1 単クローン性抗ヒト凝固第XI因子抗体及びこ
れを産生するハイブリドーマの作製 (1)免 疫 ヒト凝固第XI因子20μgを溶解した10mMトリス緩衝液
(pH7.2)0.1mlとフロイントコンプリートアジュバント0.
1mlとエマルジョンをBald/cマウス(雄、4週齢)の腹
腔内に投与した。その4週後、10mMトリス緩衝液(pH7.
2)0.1mlに溶解したヒト凝固第XI因子20μgを腹腔内に
投与した。
(2) 細胞融合 最終免疫より3日後、マウスの脾臓を摘出した。脾細胞
108個とNS−1細胞107個をポリエチレングリコール0.
5g、MEM培地0.5ml、DMSO0.15mlの溶液中で室温
1分間インキュベートして融合させた。細胞を15%FC
S添加RPMI1640培地に懸濁させた後、96穴プレート
5枚に分注し、CO2インキュベーターで培養を開始し
た。翌日1穴あたり2滴のHAT培地を加えた。それか
ら3日毎に半量の培地をHAT培地と交換した。融合後
2週間目の培養上清を抗体産生の検出のために供した。
(3)ハイブリドーマの選択 抗ヒト凝固第XI因子抗体産生ハイブリドーマの選択のた
めに、上記の96穴の各細胞培養上清をELISA法にて
分析した。
先ず96穴プレートに、精製されたヒト凝固第XI因子を5
μg/mlの濃度で0.1mlずつ分注し、37℃で2時間静置
して抗原をプレートに固定化した。Tween 20(ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、花王石鹸(株)
商品名)を0.05%含む10mMリン酸緩衝液pH7.4(以下、
洗浄液と略す)で3回洗浄した後、培養上清中の蛋白質
の非特異的吸着を避けるため、1%BSA(牛血清アル
ブミン)溶液を0.2mlずつ分注し37℃で2時間静置し
た。洗浄液で3回洗浄した後、上記の細胞培養上清を0.
1ml分注し37℃で2時間静置した。陰性対照としてはH
AT培地を用いた。次に洗浄液で3回洗浄後、ペルオキ
シダーゼ標識抗マウス免疫グロブリン溶液液0.1mlを分
注し37℃で2時間静置した。洗浄液で3回洗浄後、0.4
%オルトフェニレンジアミン溶液0.1mlを分注し室温で3
0分反応後、6N硫酸0.05mlを加えて反応を停止し、
O.D.490nmを測定した。陰性対照の2倍以上の
O.D.を示す培養上清で増殖しているハイブリドーマ
を抗ヒト凝固第XI因子抗体産生ハイブリドーマとして選
択した。
(4)単クローン化 クローニングは限界希釈法で行った。96穴プレートの1
穴あたりハイブリドーマが0.5個入るように分注した。
この操作を2回繰返し単クローン化を完全なものとし
た。ELISA法で検討し8種のクローンを選択して、
次の抗体作製に使用した。
(5)単クローン性抗体の作製 上記8種のハイブリドーマの5×106個を夫々10日前に
プリスタン処理したBalb/cマウス(雄、8週齢)の腹腔
内に投与し、約2週間後に腹水を回収した。
腹水を50%飽和の硫安分画を行い、更にDEAEセルロ
ースを用いたカラムクロマトグラフィーを行い、本発明
の単クローン性抗体1-1、2-1、4-1、6-3、7-1、8-1、9-3、10-1
の8種類を得た。
参考例2 単クローン性抗体の抗体価及び特異性塩化ビ
ニル性の96穴マイクロプレートを用いるSolid phase ra
dioimmunoassay法で分析した。先ず、96穴マイクロプレ
ートに、精製された凝固第XI因子(F.XI)を1.5μg/10
μlで分注し、4℃で一夜静置して抗原をプレートに固
定した。Tween20(ポリオキシエチレンソルビタンラウ
レート、花王石鹸(株)商品名)を0.05%含む10mMリ
ン酸緩衝液pH7.4(以下洗浄液と略す)で3回洗浄した
後、非特異的吸着を避けるため、1%BSA(牛血清ア
ルブミン)溶液を0.2mlずつ分注し、室温で3時間静置
した。洗浄液で3回洗浄した後、各単クローン性抗体希
釈液(0.01μg/ml〜100μg/ml)0.02mlを分注し、
室温で3時間静置して免疫反応を行った。この反応後に
更に125I-標識抗マウスIgGヤギ抗体0.02ml(約40,000cp
m)を添加し室温で3時間反応させた。洗浄液で充分洗
浄後、マイクロプレートに残存する放射活性をガンマカ
ウンターで測定した。
第1図に本発明に係る単クローン性抗体(No.2-1,4-1,7
-1及び10-1)と凝固第XI因子との結合性を放射活性より
測定した結果を示す。
また、モノクローナル抗体の特異性を検討するため、上
記凝固第XI因子のかわりに、各種凝固因子および凝固系
阻害物質を抗原として、96穴マイクロプレートに固定
し、同様のSolid phaseRIA法を行った。その結果、
本発明に係る単クローン性抗体は、いずれも第XI因子と
特異的に結合し、第XII因子、活性第XII因子(第XII因
子フラグメント)、血漿プレカリクレイン、高分子キニ
レーゲン、プロテインC、α1−アンチトリプシン、ア
ンチトロンビンIII、およびトウモロコシトリプシンイ
ンヒビター(第XII因子フラグメントの特異的阻害物
質)とは反応しないことが判った。
参考例3 各単クローン性抗体のIgGサブクラス抗マウ
スIgG1,IgG2a,IgG2b,IgG3家兎血清を用いて、マイクロ
オクタロニー法(Ouchterlony&Nilsson;Handbook of Exp
erimental Immunology chapter 19,1978)で各単クロー
ン性抗体のIgGサブクラスを検討した。いずれの単クロ
ーン性抗体もIgG1であることが判明した。
参考例4 各単クローン性抗体のエピトープ解析各単ク
ローン性抗体のエピトープの解析をSDS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動(SDS−PAGE)とWestern Blot
tingを用いる酵素免疫染色法で行った。5%から10%の
ゲル濃度のスラブゲルを用いて、凝固第XI因子(F.
XI)、活性型第XI因子(F.XIa),及びそれらを1%
2−メルカプトエタノールで還元した還元型XI及びXI
a、さらには活性型F.XIaとα1−アンチトリプシンの複
合体をLaemmli(Nature,227,680-685,1970)の方法に準じ
て15mAの電流で約1.5時間SDS−PAGEを行った。
泳動の終ったゲルはTowbinらの方法(Proc.Natl.Acad.Sc
i.76,4350-4354,1979)に準じて、ニトロセルロースメン
ブランに転写を行った。ニトロセルロース上に転写され
た蛋白バンドは、各単クローン性抗体を反応させた後、
さらに2次抗体としてペルオキシダーゼ標識したウサギ
抗マウスIgG抗体を反応させ、洗浄したのち、ジアミノ
ベンジン反応を行って検出した。その結果、各単クロー
ン性抗体はいずれもネイティブな凝固第XI因子(F.XI)
(分子量160,000)及びその活性型(F.XIa)と反応する
が、2−メルカプトエタノールで還元処理すると、還元
型F.XI(分子量80,000)のみに反応し、還元型F.XIaに
は反応しないことが判明した。更に各単クローン性抗体
は活性型F.XIaとα1−アンチトリプシンとの複合体とも
反応することが判明した。従って本発明の単クローン性
抗体のエピトープはF.XIとF.XIaに共通のジスルフィド
結合で保持された一定の立体構造をもつものであると推
定され、しかも酵素活性中心とは異なる構造部分と考え
られる。
実施例1 活性型凝固第XI因子(F.XIa)-α1−アンチト
リプシン(α1−AT)複合体の定量(活性型凝固第XI
因子の定量) 活性型凝固第XI因子(F.XIa)-α1−アンチトリプシンン
(α1−AT)複合体を本発明に係る単クローン性抗ヒ
ト凝固第XI因子抗体と市販の抗α1−アンチトリプシン
抗体を組み合わせたELISA法で定量した。
まず、アッセイを組むための試薬を調製した。
ポリスチレンビーズを本発明に係る単クローン性抗凝固
第XI因子抗体No.-7-1の溶液(50μg/ml)に4℃で1
晩浸した。10mMリン酸生理食塩水(以下、PBSと略
す)で洗浄した後、5%BSA溶液中4℃で1晩浸し
た。
一方、ペルオキシダーゼ標識抗α1−アンチトリプシン
抗体は、公知の方法(石川栄治、河合忠、宮井潔編、酵
素免疫測定法、医学書院1982)によって、抗体のFab′
フラグメントとペルオキシダーゼをマレイミド法で結合
して作成した。標準となる活性型凝固第XI因子−α1
アンチトリプシン複合体(F.XIa-α1−AT)は精製F.XI
を精製第XII因子フラグメントで活性化し、さらに精製
α1−ATを添加して作製した。ELISAの方法は、
標準あるいは、試料血漿を含むPBS溶液(200μl)を
上記の如く作製した抗凝固第XI因子抗体結合ビーズと室
温で4時間反応させ、PBS−Tween 20で洗浄後、ペル
オキシダーゼ標識抗α1−アンチトリプシン抗体溶液(3
00μl}と4℃で18時間反応させた。反応後充分洗浄
し、ビーズに結合したペルオキシダーゼ活性を、o−フ
ェニレンジアミン−H2O2を基質溶液として室温で30分間
反応させ、1N H2SO4で反応を停止させたのち、直ちに49
2nmの吸光度を測定した。
FXIa-α1−AT複合体含量既知の標準試料を用いて上記
方法により測定を行い作成した検量線を第2図に示す。
尚、横軸はFXIa量に換算して示した。検量線より明らか
な如く、本発明の定量法によって活性型凝固第XI因子(F
XIa)が0.1ng/assayまで測定可能となった。
尚、本発明の定量法により、DIC(播種性血管内凝固
症)の患者の血漿中の凝固第XI因子の量は正常者のそれ
よりも数倍上昇していることが判明した。
また、糖尿病患者と健常人について、本発明の方法を用
いて血漿中の活性型ヒト血液凝固第XI因子(XIa因
子)とα1アンチトリプシンの複合体(XIa-α1)濃度
を測定したところ、健常人は12.4±2.4ng/ml(n=20)で
あったが、糖尿病患者は17.3±5.7ng/ml(n=45)であり、
有意に高値を示していた。更に、糖尿病性腎障害(diab
eticnephropathy)患者について、血漿中のXIa-α1
度を測定したところ、ミクロアルブミンウレア患者(mi
croalbuminuria,尿中アルブミン排泄量:15〜200μg
/min)では血漿XIa-α1濃度は17.9±3.9ng/ml(n=1
6)であり、アルブミンウレア患者(albuminuria,尿中
アルブミン排泄量:200μg/min以上)では血漿XIa-
α1濃度は24.1±5.4ng/ml(n=10)であって、健常人と比
較して有意に高値を示していた。
以上のことから本発明の方法に従って血液中の活性型凝
固第XI因子(XIa因子)濃度を測定することは糖尿病
患者の認定、症状の把握等に有効であることがわかる。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明は活性型ヒト血液凝固第XI因
子(XIa因子)の新規な免疫学的定量法を提供するも
のであり、本発明に係る単クローン性抗ヒト血液凝固第
XI因子抗体と抗α1−アンチトリプシン抗体とを組み
合わせて用いることにより、特異性に優れ、且つ感度も
良好な活性型ヒト凝固第XI因子の定量法を提供し得る点
に顕著な効果を奏する発明であり、動脈硬化などの血管
病変や、糖尿病等を臨床検査的に把握する指標となりう
る凝固因子を免疫化学的方法により直接定量することを
可能としたものであって、斯業に貢献するところ甚だ大
なる発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例2に於て本発明に係る各単クローン性
抗体(No.2-1,4-1,7-1及び10-1)と凝固第XI因子との結合
性を放射活性から求めた結果を示しており、横軸は抗体
濃度(μl/ml)、縦軸は放射活性(cpm)を夫々表わす。 第2図は、実施例5で得られた検量線を示し、横軸の活
性型凝固第XI因子各濃度に対して得られた吸光度を縦軸
に沿ってプロットした点を結んだものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B G01N 33/577 B 9015−2J (72)発明者 小畠 伸三 大阪府吹田市山田西2丁目18 A10―206 (56)参考文献 The Journal of Bio logical Chemistry, 260(19),(1985)10714−10719

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト血液凝固第XI因子と活性化されたヒ
    ト血液凝固第XI因子(XIa因子)とに特異性を有
    し、他のヒト血液凝固因子とは全く反応しない単クロー
    ン性抗ヒト血液凝固第XI因子抗体と抗α1アンチトリ
    プシン抗体とを組み合せて用いて、活性型ヒト血液凝固
    第XI因子とα1アンチトリプシンとの複合体を定量す
    ることにより行うことを特徴とする、活性型ヒト血液凝
    固第XI因子(XIa因子)の免疫学的定量法。
JP60204948A 1985-09-17 1985-09-17 活性型ヒト血液凝固第▲xi▼因子の免疫学的定量法 Expired - Lifetime JPH0656382B2 (ja)

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