JPH065583Y2 - 前面開扉式ショーケースの風路構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は筺体前面開口部に開閉扉、上面、背面、底面を
仕切板にて仕切り、内部に蒸発器、送風ファンを有する
風路を設けた前面開扉式のいわゆるリーチインショーケ
ースについて、特に筺体内部を仕切部材にて上下に仕切
って上部貯蔵室、下部貯蔵室を形成し、さらに上部、下
部貯蔵室とも風路と連通する吸入口、吐出口とを設けた
ものの風路構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のショーケースとしては、第２図(a),(b)
に示されているようなものが知られている。

前面開扉式ショーケース１は、筺体２前面開口部に開閉
扉５、上面、背面、底面を仕切板３によって仕切り、内
部に送風ファン１５ａ，１５ｂ，蒸発器１４を備えた風
路４を形成する。筺体２内部は断熱性の仕切部材６によ
って上下に分割され、上部を上部貯蔵室７、下部を下部
貯蔵室８としている。下部貯蔵室８側の風路４には蒸発
器１４、その風下に送風ファン１５ｂが設けられ、仕切
部材６の下方、筺体２の底面付近に、風路４の冷風を下
部貯蔵室８へ吐出、吸入するための下部吐出口１１、下
部吸入口１２が設けられている。

また、上部貯蔵室７側の風路４の上部には送風ファン１
５ａが設けられ、筺体２の上面付近、仕切部材６の上部
付近には、上部貯蔵室７へ風路４内の冷風を上部貯蔵室
７へ吐出、吸入するための上部吐出口９、上部吸入口１
０が設けられている。

そして上部吸入口１０は下部吐出口１１と連通する構造
となっている。

以上のような構成により、上部貯蔵室７、下部貯蔵室８
とも各々内部に独立した冷風の循環風路が形成される。

すなわち、第２図(a),(b)に矢印で示されたように、上
部貯蔵室７を循環する冷風は、蒸発器１４→送風ファン
１５ａ→上部吐出口９→上部貯蔵室７→上部吸入口１０
→下部吐出口１１→下部貯蔵室８→という経路をたど
る。

一方、下部貯蔵室８を循環する冷風は、蒸発器１４→送
風ファン１５ｂ→下部吐出口１１→下部貯蔵室８→下部
吸入口１２→蒸発器１４という経路をたどる。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような構成の前面開扉式ショーケース１にあって
は、上部貯蔵室７循環後の低圧の冷風と、下部貯蔵室８
を循環させる高圧の冷風が、下部吐出口１１で合流した
後、下部貯蔵室８へ吐出される。

従って、上部貯蔵室７からの低圧の冷風は、高圧の冷風
に流れを妨げられ、やがて上部貯蔵室７内の冷風の循環
が円滑に行われなくなる。

このような問題点に対しては、例えば送風ファン１５ａ
の回転速度を高める等により、冷風の圧力を増大させる
方法があるが、このような方法では開閉扉５の隙間から
冷風が洩れる等、気密性に問題がある。

〔課題を解決するための手段〕

前記課題を解決するため本考案は、下部貯蔵室側の風路
を蒸発器、送風ファンを有する中央風路と側方風路とか
ら形成し、中央風路は上部にて下部吐出口、送風ファ
ン、上部吐出口、下部にて下部吸入口と側方風路とに連
通し、側方風路は上部にて上部吸入口とそれぞれ連通す
る前面開扉式ショーケースの風路構造を提供するもので
ある。

〔実施例〕

以下第１図(a),(b)を参照して本考案の実施例につい
て、説明する。従来技術と同一構成の部分には、同一符
号を付す。

前面開扉式ショーケース１は、筺体２前面開口部に開閉
扉５、上面、背面、底面は仕切板３にて仕切り、内部に
蒸発器1、４、送風ファン１５ａ，１５ｂを有する風路を
形成する。そして筺体２内部を断熱性の仕切部材６で上
下に分割して、上部貯蔵室７と下部貯蔵室８を設ける。
上部貯蔵室７には、風路と連通する上部吐出口９、上部
吸込口１０を設け、下部貯蔵室８には風路と連通する下
部吐出口１１、下部吸入口１２を設ける。以上の構成に
ついては第２図(a),(b)と同様である。

ここで風路は下部貯蔵室８側において、仕切板１６を仕
切部材６から筺体２の底面付近まで上下延在させること
により、中央風路４ａと側方風路４ｂとを形成する。中
央風路４ａには蒸発器１４とこの上部、すなわち風下側
に送風ファン１５ｂを設ける。そして送風ファン１５ｂ
の風下側にて中央風路４ａと仕部吐出口１１、および上
部貯蔵室側の風路、上部吐出口９とに連通することにな
る。

側方風路４ｂは、仕切板によって、仕切部材６の下部で
あって、しかも送風ファン１５ｂの上部に設けた連通口
１３ａと上部吸入口１０とが連通し、筺体２底面付近に
設けた連通口１３ｂと中央風路４ａ下部の下部吸入口１
２と連通する。なお、側方風路４ｂ内には蒸発器、送風
ファン等は設けない。

次に、以上のような構成からなる風路構造により上部貯
蔵室７、下部貯蔵室８を冷却する冷風の流れについて説
明する。

まず上部貯蔵室７を循環、冷却する冷風は、破線、およ
び実線の矢印で示したように、蒸発器１４→送風ファン
１５ｂ→送風ファン１５ａ→上部吐出口９→上部貯蔵室
７→上部吸入口１０→連通口１３ａ→側方風路４ｂ→連
通口１３ｂ→下部吸入口１２→蒸発器１４→という経路
となる。

一方、下部貯蔵室下８を循環、冷却する冷風は、同じく
破線および実線の矢印で示したように、蒸発器１４→送
風ファン１５ｂ→下部吐出口１１→下部貯蔵室８→下部
吸入口１２→蒸発器１４という経路となる。

すなはち、上部貯蔵室７を冷却した後の冷風は、従来の
ように下部吐出口１１で高圧の冷風と合流せず、側方風
路４ｂを下降した後に下部吸入口１２にて、下部貯蔵室
下８を冷却した後の低圧の冷風と合流する。よっていず
れかの冷風の流れが妨げられることなく、上部貯蔵室
７、下部貯蔵室下８とも円滑な冷風の循環ができる。

本考案による風路構造では側方風路４ｂを中央風路４ａ
の両側に２つ並行して設けることはもちろんのこと、例
えば上部貯蔵室７が筺体２の左右のいずれかに設けられ
た場合等には左右いずれか片側に設けてもかまわない。

〔考案の効果〕

以上説明して来た通り本考案は、筺体前面開口部に開閉
扉、上面、背面、底面を仕切板で仕切り、内部に蒸発
器、送風ファンを有する風路を設けるとともに、該筺体
内部を仕切部材にて上下に仕切って上部貯蔵室、下部貯
蔵室とを形成し、さらに該上部、下部貯蔵室とも前記風
路と連通する吐出口、吸入口を設けた前面開扉式ショー
ケースにおいて、前記下部貯蔵室側の風路は蒸発器、送
風ファンを有する中央風路と側方風路からなり、該中央
風路は上部にて前記下部貯蔵室の吐出口、前記上部貯蔵
室の吸入口、下部にて前記下部貯蔵室の吸入口と前記側
方風路とに連通し、前記側方風路は上部にて前記上部貯
蔵室の吸入口とそれぞれ連通することを特徴とする前面
開扉式ショーケースの風路構造である。

従って、上部貯蔵室の吸入口から吸入された低圧冷風
が、従来のように下部貯蔵室付近の高圧の冷風と合流せ
ずに、側方風路を下降した後に下部貯蔵室の吸入口付近
で低圧の冷風と合流するので、上部、下部貯蔵室を循環
するいずれの冷風も流れを妨げられることなく、両貯蔵
室とも円滑な冷却が行える。

また、筺体外部への冷風の洩れもなく、良好な気密性を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図(a)は，本考案による前面開扉式ショーケースを
示す断面図第１図(b)におけるＡ−Ａ線断面図。第２図
(a),(b)は従来技術による前面開扉式ショーケースを示
す断面図。 １…前面開扉式ショーケース ２…筺体、３…仕切板 ４…風路、４ａ…中央風路 ４ｂ…側方風路、７…上部貯蔵室 ８…下部貯蔵室、９…上部吐出口 １０…上部吸入口、１１…下部吐出口 １２…下部吸入口 １３ａ，１３ｂ…連通口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筺体(2)前面開口部に開閉扉(5)、上面、背
   面、底面を仕切板(3)で仕切り、内部に蒸発器(14)、送
   風ファン(15a),(15b)を有する風路(4)を設けるとともに
   該筺体(2)内部を仕切部材(6)にて上下に仕切って上部貯
   蔵室(7)、下部貯蔵室(8)とを形成し、さらに該上部貯蔵
   室(7)、下部貯蔵室(8)とも前記風路(4)と連通する吐出
   口(9),(11)、吸入口(10),(12)を設けた前面開扉式ショ
   ーケースにおいて、前記下部貯蔵室側の風路は蒸発器(1
   4)、送風ファン(15b)を有する中央風路(4a)と側方風路
   (4b)からなり、該中央風路(4a)は上部にて前記下部貯蔵
   室(8)の吐出口(11)、送風ファン(15a)、上部吐出口(9)
   と連通し、下部にて前記下部貯蔵室(8)の吸入口(12)と
   前記側方風路(4b)とに連通し、前記側方風路(4b)は上部
   にて前記上部貯蔵室(7)の吸入口(10)とそれぞれ連通す
   ることを特徴とする前面開扉式ショーケースの風路構
   造。