JPH0655739A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
インクジェット記録ヘッドInfo
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- JPH0655739A JPH0655739A JP20670392A JP20670392A JPH0655739A JP H0655739 A JPH0655739 A JP H0655739A JP 20670392 A JP20670392 A JP 20670392A JP 20670392 A JP20670392 A JP 20670392A JP H0655739 A JPH0655739 A JP H0655739A
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- JP
- Japan
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- containing polymer
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- ink
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インク吐出時のインクダレに伴う吐出不良を
なくし、かつインク吐出方向を安定させる。 【構成】 本発明のインクジェット記録ヘッドは、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に含フッ素高分子膜を形成し
た含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μm以上、1μm
以下であることを特徴とする。含フッ素高分子の膜厚を
前記の範囲で作成する。
なくし、かつインク吐出方向を安定させる。 【構成】 本発明のインクジェット記録ヘッドは、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に含フッ素高分子膜を形成し
た含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μm以上、1μm
以下であることを特徴とする。含フッ素高分子の膜厚を
前記の範囲で作成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に用いるインクジェット記録ヘッドに関わる。
置に用いるインクジェット記録ヘッドに関わる。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドのノズル孔を
有するノズル表平面では、充分な撥水性がないと、イン
ク吐出時にインクダレを生じ、吐出安定性、方向性が悪
くなることがあった。そこで、ノズル孔を有するノズル
表平面を撥水性とする方法が特開昭55−65564号
公報に示されている。前記公報でノズル表平面を撥水性
とする具体的手段として、シリコーン系撥水剤及びフッ
素系撥水剤を用いてノズル孔を有するノズル表平面を処
理して撥水膜を形成する方法が示されている。
有するノズル表平面では、充分な撥水性がないと、イン
ク吐出時にインクダレを生じ、吐出安定性、方向性が悪
くなることがあった。そこで、ノズル孔を有するノズル
表平面を撥水性とする方法が特開昭55−65564号
公報に示されている。前記公報でノズル表平面を撥水性
とする具体的手段として、シリコーン系撥水剤及びフッ
素系撥水剤を用いてノズル孔を有するノズル表平面を処
理して撥水膜を形成する方法が示されている。
【0003】従来技術を図5をもとに説明する。図5
は、インクジェット記録ヘッドの概略を示す図である。
図5に於て、圧力室1はPZT素子または発熱体等によ
ってインク吐出のための圧力を得る部分である。インク
はインク流路2を通過し、インク吐出ノズル3より吐出
される。
は、インクジェット記録ヘッドの概略を示す図である。
図5に於て、圧力室1はPZT素子または発熱体等によ
ってインク吐出のための圧力を得る部分である。インク
はインク流路2を通過し、インク吐出ノズル3より吐出
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
で、撥水性の材料の1つである含フッ素高分子の撥水剤
をノズル孔を有するノズル表平面に塗布して含フッ素高
分子膜を形成した場合、含フッ素高分子膜の膜厚が厚す
ぎるとインクの吐出方向がバラつくという問題が生じ
た。具体的には図6(a)から図6(b)に示すような、イ
ンク吐出に障害となる含フッ素高分子膜の形状8,11
がノズル孔周辺で発生し易くなったり、たとえ撥水膜の
形状に吐出の障害となる部分が観察されない場合にも、
図6(c)に示すようなノズル孔周辺での含フッ素高分子
膜の膜厚の差によるインク吐出方向の曲がりが観察され
た。図6(a)は、ノズル孔を有するノズル表平面に含フ
ッ素高分子膜を塗布し、ノズル面を垂直にして乾燥させ
た場合、含フッ素高分子の撥水剤がノズル孔を塞ぐよう
に流れ落ちるため、流れ形状8が形成された。インクジ
ェット記録ヘッドのインク吐出の際に含フッ素高分子膜
の形状8は障害となるため、理想とするインク吐出方向
9に対して実際には10方向にインクが吐出された。こ
こでの、インク吐出方向9とは、ノズル孔を有するノズ
ル表平面に対して垂直の方向を示している。また、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に含フッ素高分子の撥水剤を
塗布した後、ノズル孔を有するノズル表平面を水平に上
向きに置いて乾燥させた場合には、図6(b)に示すよう
に、含フッ素高分子がノズル孔を覆うように流動して、
含フッ素高分子膜の形状11を形成した。含フッ素高分
子膜の形状11はインク吐出の際に障害となるために、
理想とするインク吐出方向9に対して実際のインク吐出
方向は12に曲げられる状況も発生した。さらに、図6
(a)及び図6(b)のようなインク吐出に障害となる形状
が形成されていない場合においても、含フッ素高分子の
膜厚を厚くした場合にはノズル孔周辺での膜厚のバラツ
キの値も必然的に大きくなりインク吐出に影響を与えて
いた。図6(c)ではノズル孔5付近の含フッ素高分子部
分13と含フッ素高分子部分14で膜厚が異なるために
インク吐出方向が9から15方向に曲げられた。しか
も、インク吐出方向の曲がりは含フッ素高分子の膜厚を
大きくするにつれて顕著であった。また逆に、含フッ素
高分子膜の膜厚が薄過ぎる場合、ノズル孔を有するノズ
ル表平面のノズル孔周辺の撥水性が不十分であるために
インクの付着やインクダレをおこす場合があった。膜厚
が薄過ぎる場合、含フッ素高分子膜の未形成部分が発生
し易く、図6(d)に示すように含フッ素高分子膜の欠損
部分16がノズル孔周辺に発生した場合には、ノズル孔
周辺でのインク滴17の付着が発生した。インク滴17
はインク吐出の際に障害になるため、理想とするインク
吐出方向9に対して実際には18方向に曲げられて吐出
された。さらに、ノズル孔周辺で付着したインク17が
さらに大きい場合には、インクが吐出されない状況も発
生した。
で、撥水性の材料の1つである含フッ素高分子の撥水剤
をノズル孔を有するノズル表平面に塗布して含フッ素高
分子膜を形成した場合、含フッ素高分子膜の膜厚が厚す
ぎるとインクの吐出方向がバラつくという問題が生じ
た。具体的には図6(a)から図6(b)に示すような、イ
ンク吐出に障害となる含フッ素高分子膜の形状8,11
がノズル孔周辺で発生し易くなったり、たとえ撥水膜の
形状に吐出の障害となる部分が観察されない場合にも、
図6(c)に示すようなノズル孔周辺での含フッ素高分子
膜の膜厚の差によるインク吐出方向の曲がりが観察され
た。図6(a)は、ノズル孔を有するノズル表平面に含フ
ッ素高分子膜を塗布し、ノズル面を垂直にして乾燥させ
た場合、含フッ素高分子の撥水剤がノズル孔を塞ぐよう
に流れ落ちるため、流れ形状8が形成された。インクジ
ェット記録ヘッドのインク吐出の際に含フッ素高分子膜
の形状8は障害となるため、理想とするインク吐出方向
9に対して実際には10方向にインクが吐出された。こ
こでの、インク吐出方向9とは、ノズル孔を有するノズ
ル表平面に対して垂直の方向を示している。また、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に含フッ素高分子の撥水剤を
塗布した後、ノズル孔を有するノズル表平面を水平に上
向きに置いて乾燥させた場合には、図6(b)に示すよう
に、含フッ素高分子がノズル孔を覆うように流動して、
含フッ素高分子膜の形状11を形成した。含フッ素高分
子膜の形状11はインク吐出の際に障害となるために、
理想とするインク吐出方向9に対して実際のインク吐出
方向は12に曲げられる状況も発生した。さらに、図6
(a)及び図6(b)のようなインク吐出に障害となる形状
が形成されていない場合においても、含フッ素高分子の
膜厚を厚くした場合にはノズル孔周辺での膜厚のバラツ
キの値も必然的に大きくなりインク吐出に影響を与えて
いた。図6(c)ではノズル孔5付近の含フッ素高分子部
分13と含フッ素高分子部分14で膜厚が異なるために
インク吐出方向が9から15方向に曲げられた。しか
も、インク吐出方向の曲がりは含フッ素高分子の膜厚を
大きくするにつれて顕著であった。また逆に、含フッ素
高分子膜の膜厚が薄過ぎる場合、ノズル孔を有するノズ
ル表平面のノズル孔周辺の撥水性が不十分であるために
インクの付着やインクダレをおこす場合があった。膜厚
が薄過ぎる場合、含フッ素高分子膜の未形成部分が発生
し易く、図6(d)に示すように含フッ素高分子膜の欠損
部分16がノズル孔周辺に発生した場合には、ノズル孔
周辺でのインク滴17の付着が発生した。インク滴17
はインク吐出の際に障害になるため、理想とするインク
吐出方向9に対して実際には18方向に曲げられて吐出
された。さらに、ノズル孔周辺で付着したインク17が
さらに大きい場合には、インクが吐出されない状況も発
生した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、ノズル孔を有するノズル表平面に含フッ
素高分子膜が形成したされているインクジェット記録ヘ
ッドに於て、含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μm以
上、1μm以下であることを特徴とする。
記録ヘッドは、ノズル孔を有するノズル表平面に含フッ
素高分子膜が形成したされているインクジェット記録ヘ
ッドに於て、含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μm以
上、1μm以下であることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、
ノズル孔を有するノズル表平面に適切な膜厚の含フッ素
高分子層が形成され、正常なインク吐出を可能にする。
ノズル孔を有するノズル表平面に適切な膜厚の含フッ素
高分子層が形成され、正常なインク吐出を可能にする。
【0007】
【実施例】本発明のインクジェット記録ヘッドは、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に形成された含フッ素高分子
の具体的な膜厚に問題の解決が絞られるものであるか
ら、以下の説明に於ては、ノズル孔を有するノズル表平
面部分に絞って説明するが、如何なる形態のインクジェ
ット記録ヘッド、或はインク吐出方式に限定されること
なく本発明は有効に適用されるものである。さらに、如
何なる含フッ素高分子膜の如何なる形成方法であっても
本発明は限定されるものではない。
ル孔を有するノズル表平面に形成された含フッ素高分子
の具体的な膜厚に問題の解決が絞られるものであるか
ら、以下の説明に於ては、ノズル孔を有するノズル表平
面部分に絞って説明するが、如何なる形態のインクジェ
ット記録ヘッド、或はインク吐出方式に限定されること
なく本発明は有効に適用されるものである。さらに、如
何なる含フッ素高分子膜の如何なる形成方法であっても
本発明は限定されるものではない。
【0008】図5はインクジェット記録ヘッドの概略図
である。1は圧力室であり、PZT素子または発熱体等
によってインク吐出のための圧力を得る部分である。2
はインク流路、3はインク吐出ノズルである。
である。1は圧力室であり、PZT素子または発熱体等
によってインク吐出のための圧力を得る部分である。2
はインク流路、3はインク吐出ノズルである。
【0009】図1は図5で示される従来のインクジェッ
トヘッドに本発明を採用した、インク吐出ノズル3付近
の拡大図である。本発明のインクジェット記録ヘッド
は、インクジェット記録ヘッド基材4のノズル孔5を有
するノズル表平面6に形成された含フッ素高分子膜7の
膜厚が1μm以下とする。さらに、含フッ素高分子7の
膜厚の下限としては0.01μmとする。
トヘッドに本発明を採用した、インク吐出ノズル3付近
の拡大図である。本発明のインクジェット記録ヘッド
は、インクジェット記録ヘッド基材4のノズル孔5を有
するノズル表平面6に形成された含フッ素高分子膜7の
膜厚が1μm以下とする。さらに、含フッ素高分子7の
膜厚の下限としては0.01μmとする。
【0010】ここで、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドに用いられる含フッ素高分子膜7について説明する。
含フッ素高分子膜7のノズル孔を有するノズル表平面6
上への付着は、デッピング法、転写法、水面展開膜の転
写、スプレーコティング、キャストコーティング、ブレ
ードコーティング等から適宜選択して行なわれる。含フ
ッ素高分子膜7は、溶剤可溶性含フッ素重合体で非晶質
であることが好ましい。例えば、ポリジパーフルオロア
ルキルフマレート、テフロンAF(デュポン社の登録商
標)、サイトップ(旭硝子社の登録商標)のような溶媒
可溶性含フッ素重合体、あるいは、ジパーフルオロアル
キルフマレートとスチレンとの交互共重合体、三フッ化
塩化エチレンとビニルエーテルとの交互共重合体、四フ
ッ化エチレンとビニルエステルとの交互共重合体などの
含フッ素エチレンとビニルエステルとの交互共重合体も
しくはその類似体ないし誘導体が好ましく用いられる。
溶媒としては、フッ化液体、例えばフロリナート(3M
社の登録商標)、ガルデン、(モンテフルオス社の登録
商標)、トリフルオロメチルベンゼン、ハイドロクロロ
フルオロカーボン等が好ましく用いられる。また、フッ
素重合体の濃度としては、0.01〜7重量%の範囲が
好ましい。
ドに用いられる含フッ素高分子膜7について説明する。
含フッ素高分子膜7のノズル孔を有するノズル表平面6
上への付着は、デッピング法、転写法、水面展開膜の転
写、スプレーコティング、キャストコーティング、ブレ
ードコーティング等から適宜選択して行なわれる。含フ
ッ素高分子膜7は、溶剤可溶性含フッ素重合体で非晶質
であることが好ましい。例えば、ポリジパーフルオロア
ルキルフマレート、テフロンAF(デュポン社の登録商
標)、サイトップ(旭硝子社の登録商標)のような溶媒
可溶性含フッ素重合体、あるいは、ジパーフルオロアル
キルフマレートとスチレンとの交互共重合体、三フッ化
塩化エチレンとビニルエーテルとの交互共重合体、四フ
ッ化エチレンとビニルエステルとの交互共重合体などの
含フッ素エチレンとビニルエステルとの交互共重合体も
しくはその類似体ないし誘導体が好ましく用いられる。
溶媒としては、フッ化液体、例えばフロリナート(3M
社の登録商標)、ガルデン、(モンテフルオス社の登録
商標)、トリフルオロメチルベンゼン、ハイドロクロロ
フルオロカーボン等が好ましく用いられる。また、フッ
素重合体の濃度としては、0.01〜7重量%の範囲が
好ましい。
【0011】(実施例1)図1に示すノズル孔付近の構
造を持つインクジェット記録ヘッドで、ノズル孔を有す
るノズル表平面のノズル孔の口径が直径40μm、含フ
ッ素高分子の膜厚が0.01μmから1μmの範囲のも
のを各膜厚につき20サンプル作成し、インク吐出を評
価した。基材4としてポリサルホン、含フッ素高分子膜
7としてサイトップを用いた。含フッ素高分子膜7の形
成は、サイトップを溶解した約4%のフロリナート系溶
液をデッピング法によりノズル孔を有するノズル表平面
6上に塗布して約5分間放置した後、約150℃に加熱
乾燥して含フッ素高分子膜7とノズル孔5を有するノズ
ル表平面6とを密着させた。
造を持つインクジェット記録ヘッドで、ノズル孔を有す
るノズル表平面のノズル孔の口径が直径40μm、含フ
ッ素高分子の膜厚が0.01μmから1μmの範囲のも
のを各膜厚につき20サンプル作成し、インク吐出を評
価した。基材4としてポリサルホン、含フッ素高分子膜
7としてサイトップを用いた。含フッ素高分子膜7の形
成は、サイトップを溶解した約4%のフロリナート系溶
液をデッピング法によりノズル孔を有するノズル表平面
6上に塗布して約5分間放置した後、約150℃に加熱
乾燥して含フッ素高分子膜7とノズル孔5を有するノズ
ル表平面6とを密着させた。
【0012】含フッ素高分子膜7の膜厚は触針走査法に
よって測定した。具体的には、ポリサルホンのフィルム
の端面を用いて含フッ素高分子膜7に傷を作成し、含フ
ッ素高分子膜7の表面の形成された傷の凹凸の測定する
ことにより含フッ素高分子膜7の膜厚が測定できた。な
お、インクジェット記録ヘッドの基材4に用いたポリサ
ルホンはポリサルホンフィルムにより傷及び凹凸を発生
しないことを確認したので、触針走査法により測定され
た含フッ素高分子膜7の凹凸は、含フッ素高分子膜7の
膜厚に相当する。
よって測定した。具体的には、ポリサルホンのフィルム
の端面を用いて含フッ素高分子膜7に傷を作成し、含フ
ッ素高分子膜7の表面の形成された傷の凹凸の測定する
ことにより含フッ素高分子膜7の膜厚が測定できた。な
お、インクジェット記録ヘッドの基材4に用いたポリサ
ルホンはポリサルホンフィルムにより傷及び凹凸を発生
しないことを確認したので、触針走査法により測定され
た含フッ素高分子膜7の凹凸は、含フッ素高分子膜7の
膜厚に相当する。
【0013】インク吐出の正常及び異常の判断を以下の
ように行なった。図2は、ノズル孔から吐出されるイン
クの吐出方向と、記録媒体の位置を示した。ノズル孔5
から吐出されるインクの理想とする吐出方向9を延長し
た直線22と垂直に記録媒体21を設置した。直線22
と記録媒体21の交点を23とした。ノズル孔を有する
ノズル表平面から吐出されるインクが9方向に飛行した
場合の、インク滴の記録媒体21までの飛行距離を1m
mとなるように設定してインク吐出を行なった。交点1
8を中心とするノズル孔5の口径と同じ直径の円を24
とした。図3に交点23及び円224部分の拡大図を示
した。図3において、記録媒体21に付着したインク2
5の中心26が円24の内側にある場合を正常な吐出と
判断した。インク27のように、インク27の中心28
が円24の外側にある場合を異常吐出と判断した。
ように行なった。図2は、ノズル孔から吐出されるイン
クの吐出方向と、記録媒体の位置を示した。ノズル孔5
から吐出されるインクの理想とする吐出方向9を延長し
た直線22と垂直に記録媒体21を設置した。直線22
と記録媒体21の交点を23とした。ノズル孔を有する
ノズル表平面から吐出されるインクが9方向に飛行した
場合の、インク滴の記録媒体21までの飛行距離を1m
mとなるように設定してインク吐出を行なった。交点1
8を中心とするノズル孔5の口径と同じ直径の円を24
とした。図3に交点23及び円224部分の拡大図を示
した。図3において、記録媒体21に付着したインク2
5の中心26が円24の内側にある場合を正常な吐出と
判断した。インク27のように、インク27の中心28
が円24の外側にある場合を異常吐出と判断した。
【0014】以上の方法に従い、0.010,0.01
1,0.012,0.013,0.015,0.7,
0.8,0.9,1.0μmの各膜厚につき20サンプ
ルのインクジェット記録ヘッドを用いて印字記録を行っ
たところインクの吐出方向の曲がりが、発生することな
く非常に鮮明で美しい印刷記録が行われた。
1,0.012,0.013,0.015,0.7,
0.8,0.9,1.0μmの各膜厚につき20サンプ
ルのインクジェット記録ヘッドを用いて印字記録を行っ
たところインクの吐出方向の曲がりが、発生することな
く非常に鮮明で美しい印刷記録が行われた。
【0015】(比較例1)実施例1の比較例を示す。実
施例1と同じ構造のインクジェット記録ヘッドに於て、
含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μmより薄いもの及
び1μmよりも厚いものについてインク吐出の評価を行
なった。サンプルは各膜厚につき20個とした。本比較
例と実施例1の結果を表1に示す。
施例1と同じ構造のインクジェット記録ヘッドに於て、
含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μmより薄いもの及
び1μmよりも厚いものについてインク吐出の評価を行
なった。サンプルは各膜厚につき20個とした。本比較
例と実施例1の結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1より、含フッ素高分子の膜厚は0.0
1μmから1μmが好ましい事が分かった。尚、含フッ
素高分子膜が0.01μmより薄いインクジェット記録
ヘッドでは、ノズル孔周辺でのインクダレが発生した。
含フッ素高分子膜が1μmより厚いインクジェット記録
ヘッドでは、インクダレの発生はないものの、インク吐
出のバラツキが発生した。
1μmから1μmが好ましい事が分かった。尚、含フッ
素高分子膜が0.01μmより薄いインクジェット記録
ヘッドでは、ノズル孔周辺でのインクダレが発生した。
含フッ素高分子膜が1μmより厚いインクジェット記録
ヘッドでは、インクダレの発生はないものの、インク吐
出のバラツキが発生した。
【0018】(実施例2)ノズル孔周辺が図4に示すよ
うなインクジェット記録ヘッドについて、ノズル孔を有
するノズル表平面に含フッ素高分子膜を形成しインク吐
出の評価を行った。図4に示すインクジェット記録ヘッ
ドは、ノズルプレート19のノズル孔5を有するノズル
表平面6に含フッ素高分子膜7を形成した後、ヘッド基
材20とノズルプレート19とを接着して構成された。
本発明では、ノズルプレート19にはステンレス、ヘッ
ド基材20にはポリサルホン、含フッ素高分子膜7には
テフロンAFを用いた。また、ノズル孔を有するノズル
表平面のノズル孔の口径は40μm、含フッ素高分子の
膜厚が0.01μmから1μmの範囲のものを各膜厚に
つき20サンプル作成し、インク吐出を評価した。ノズ
ル孔を有するノズル表平面6に形成した含フッ素高分子
膜7について説明する。含フッ素高分子のテフロンAF
を溶解したフロリナート系溶液をデッピング法あるいは
スピンコート法によりノズル孔を有するノズル表平面6
上に塗布した。約5分間放置した後、約200℃に加熱
乾燥して含フッ素高分子膜7とノズル孔5を有するノズ
ル表平面6とを密着させた。含フッ素高分子膜7の膜厚
は触針走査法によって測定した。具体的には、ポリサル
ホンのフィルムの端面を用いて含フッ素高分子膜7に傷
を作成し、含フッ素高分子膜7の表面の形成された傷の
凹凸の測定することにより含フッ素高分子膜7の膜厚が
測定できた。なお、インクジェット記録ヘッドのノズル
プレート19に用いたステンレスはポリサルホンフィル
ムにより傷及び凹凸を発生しないことを確認したので、
触針走査法により測定された含フッ素高分子膜7の凹凸
は、含フッ素高分子膜7の膜厚に相当する。
うなインクジェット記録ヘッドについて、ノズル孔を有
するノズル表平面に含フッ素高分子膜を形成しインク吐
出の評価を行った。図4に示すインクジェット記録ヘッ
ドは、ノズルプレート19のノズル孔5を有するノズル
表平面6に含フッ素高分子膜7を形成した後、ヘッド基
材20とノズルプレート19とを接着して構成された。
本発明では、ノズルプレート19にはステンレス、ヘッ
ド基材20にはポリサルホン、含フッ素高分子膜7には
テフロンAFを用いた。また、ノズル孔を有するノズル
表平面のノズル孔の口径は40μm、含フッ素高分子の
膜厚が0.01μmから1μmの範囲のものを各膜厚に
つき20サンプル作成し、インク吐出を評価した。ノズ
ル孔を有するノズル表平面6に形成した含フッ素高分子
膜7について説明する。含フッ素高分子のテフロンAF
を溶解したフロリナート系溶液をデッピング法あるいは
スピンコート法によりノズル孔を有するノズル表平面6
上に塗布した。約5分間放置した後、約200℃に加熱
乾燥して含フッ素高分子膜7とノズル孔5を有するノズ
ル表平面6とを密着させた。含フッ素高分子膜7の膜厚
は触針走査法によって測定した。具体的には、ポリサル
ホンのフィルムの端面を用いて含フッ素高分子膜7に傷
を作成し、含フッ素高分子膜7の表面の形成された傷の
凹凸の測定することにより含フッ素高分子膜7の膜厚が
測定できた。なお、インクジェット記録ヘッドのノズル
プレート19に用いたステンレスはポリサルホンフィル
ムにより傷及び凹凸を発生しないことを確認したので、
触針走査法により測定された含フッ素高分子膜7の凹凸
は、含フッ素高分子膜7の膜厚に相当する。
【0019】インク吐出の評価方法は、実施例1に従
い、0.010,0.011,0.012,0.01
3,0.015,0.7,0.8,0.9,1.0μm
の各膜厚につき20サンプルのインクジェット記録ヘッ
ドを用いて印字記録を行ったところ、インクの吐出方向
曲がりの発生がなく非常に鮮明で美しい印刷記録が行わ
れた。
い、0.010,0.011,0.012,0.01
3,0.015,0.7,0.8,0.9,1.0μm
の各膜厚につき20サンプルのインクジェット記録ヘッ
ドを用いて印字記録を行ったところ、インクの吐出方向
曲がりの発生がなく非常に鮮明で美しい印刷記録が行わ
れた。
【0020】(比較例2)実施例2の比較例を示す。実
施例1と同じ構造のインクジェット記録ヘッドに於て、
含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μmより薄いもの及
び1μmよりも厚いものについてインク吐出の評価を行
なった。サンプルは各膜厚につき20個とした。本比較
例と実施例2の結果を表2に示す。
施例1と同じ構造のインクジェット記録ヘッドに於て、
含フッ素高分子膜の膜厚が0.01μmより薄いもの及
び1μmよりも厚いものについてインク吐出の評価を行
なった。サンプルは各膜厚につき20個とした。本比較
例と実施例2の結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2より、含フッ素高分子の膜厚が0.0
1μmから1μmで正常なインク吐出が可能である。
尚、含フッ素高分子の膜厚が0.01μmよりも小さい
場合には、インクダレが発生し吐出方向もバラついた。
1μmから1μmで正常なインク吐出が可能である。
尚、含フッ素高分子の膜厚が0.01μmよりも小さい
場合には、インクダレが発生し吐出方向もバラついた。
【0023】含フッ素高分子の膜厚が1μmよりも大き
い場合には、インクダレの発生はないが、吐出方向のバ
ラつきが著しくなった。
い場合には、インクダレの発生はないが、吐出方向のバ
ラつきが著しくなった。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、イン
クジェット記録ヘッドのノズル孔を有するノズル表平面
上に形成された含フッ素高分子の撥インク性により、イ
ンク吐出時のインクダレに伴う吐出不良がなくなると共
に、含フッ素高分子の膜厚の適正な範囲を決めたことに
より、インク吐出方向のバラツキがなくなり、非常に鮮
明な印刷記録を可能にする事が出来た。具体的には、含
フッ素高分子の膜厚を厚くした場合に必然的に生じる膜
厚のバラツキに対して、インク吐出に影響を与えないた
めの膜厚の上限値を見つけることが出来た。また、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に形成される含フッ素高分子
膜の撥水性が発揮される膜厚の下限値を見つけることが
できる。
クジェット記録ヘッドのノズル孔を有するノズル表平面
上に形成された含フッ素高分子の撥インク性により、イ
ンク吐出時のインクダレに伴う吐出不良がなくなると共
に、含フッ素高分子の膜厚の適正な範囲を決めたことに
より、インク吐出方向のバラツキがなくなり、非常に鮮
明な印刷記録を可能にする事が出来た。具体的には、含
フッ素高分子の膜厚を厚くした場合に必然的に生じる膜
厚のバラツキに対して、インク吐出に影響を与えないた
めの膜厚の上限値を見つけることが出来た。また、ノズ
ル孔を有するノズル表平面に形成される含フッ素高分子
膜の撥水性が発揮される膜厚の下限値を見つけることが
できる。
【0025】さらに、本発明でノズル孔を有するノズル
表平面上に形成される含フッ素高分子の膜厚の最適範囲
を決めたことで、含フッ素高分子の膜厚を厚くし過ぎて
いたために発生した吐出不良のインクジェット記録ヘッ
ドを減らすことが可能になり、大幅なコストダウンを実
現することができる。
表平面上に形成される含フッ素高分子の膜厚の最適範囲
を決めたことで、含フッ素高分子の膜厚を厚くし過ぎて
いたために発生した吐出不良のインクジェット記録ヘッ
ドを減らすことが可能になり、大幅なコストダウンを実
現することができる。
【図1】本発明インクジェット記録ヘッドのインク吐出
ノズル孔付近の拡大した図。
ノズル孔付近の拡大した図。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドのインク吐
出方向の評価を説明する図。
出方向の評価を説明する図。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドのインク吐
出方向の評価を説明する図。
出方向の評価を説明する図。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドに於けるノ
ズプレートのインク吐出ノズル付近の拡大図。
ズプレートのインク吐出ノズル付近の拡大図。
【図5】従来技術のインクジェット記録ヘッドの概略を
示す図。
示す図。
【図6】従来技術のインクジェット記録ヘッドにおけ
る、インク吐出不良を示す図。
る、インク吐出不良を示す図。
【符号の説明】 1 圧力室 2 インク流路 3 インク吐出ノズル 4 ヘッド基材 5 ノズル孔 6 ノズル孔を有するノズル表平面 7 含フッ素高分子膜 8 含フッ素高分子の形状 9 理想とするインク吐出方向 10 実際のインク吐出方向 11 含フッ素高分子膜の形状 12 実際のインク吐出方向 13 含フッ素高分子部分 14 含フッ素高分子部分 15 実際のインク吐出方向 16 含フッ素高分子の欠損部分 17 インク滴 18 実際のインク吐出方向 19 ノズルプレート 20 ヘッド基材 21 記録媒体 22 理想とするインク吐出方向 23 交点 24 円 25 インク 26 中心 27 インク 28 中心
Claims (1)
- 【請求項1】 ノズル孔を有するノズル表平面に含フッ
素高分子膜が形成されているインクジェット記録ヘッド
に於て、含フッ素高分子の膜厚が0.01μm以上、1
μm以下であることを特徴とするインクジェット記録ヘ
ッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20670392A JPH0655739A (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | インクジェット記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20670392A JPH0655739A (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | インクジェット記録ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0655739A true JPH0655739A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16527722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20670392A Pending JPH0655739A (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0655739A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1053639A (ja) * | 1995-06-13 | 1998-02-24 | Canon Inc | 溶剤易溶性のフッ素含有エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた表面処理方法 |
WO2001097977A1 (fr) * | 2000-06-20 | 2001-12-27 | Ngk Insulators, Ltd. | Dispositif et procede d'ejection de gouttelettes de liquide |
US6966630B2 (en) | 2001-07-06 | 2005-11-22 | Ricoh Printing Systems, Ltd. | Inkjet head |
-
1992
- 1992-08-03 JP JP20670392A patent/JPH0655739A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1053639A (ja) * | 1995-06-13 | 1998-02-24 | Canon Inc | 溶剤易溶性のフッ素含有エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた表面処理方法 |
WO2001097977A1 (fr) * | 2000-06-20 | 2001-12-27 | Ngk Insulators, Ltd. | Dispositif et procede d'ejection de gouttelettes de liquide |
US6752326B2 (en) | 2000-06-20 | 2004-06-22 | Ngk Insulators, Ltd. | Liquid droplet ejection apparatus and liquid droplet ejecting method |
US6966630B2 (en) | 2001-07-06 | 2005-11-22 | Ricoh Printing Systems, Ltd. | Inkjet head |
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