JPH065558A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH065558A
JPH065558A JP4316260A JP31626092A JPH065558A JP H065558 A JPH065558 A JP H065558A JP 4316260 A JP4316260 A JP 4316260A JP 31626092 A JP31626092 A JP 31626092A JP H065558 A JPH065558 A JP H065558A
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gas
compound semiconductor
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哲治 長山
Toshiharu Yanagida
敏治 柳田
Shingo Kadomura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CFC(クロロフルオロカーボン)ガスを用
いずにGaAs/AlGaAs積層系の選択異方性エッ
チングを行う。 【構成】 HEMTのゲート・リセス5aの加工におい
て、n+ −AlGaAs層4上のn+ −GaAs層5を
>C=O基,>S=O基,−N=O基等の極性官能基を
有するハロゲン化合物を用いてエッチングする。レジス
ト・マスク6の分解生成物に由来する炭素系ポリマーに
上記の官能基、あるいはC−C結合よりも結合エネルギ
ーの大きいC−O結合,C−S結合,C−N結合等が導
入され、強固な側壁保護膜7が形成される。異方性加工
に必要な入射イオン・エネルギーと炭素系ポリマーの堆
積量を低減でき、高選択・低汚染エッチングが行える。
具体的なエッチング・ガス組成は、COF2 /Cl2
SOF2 /S2 Cl2 ,NOCl/SF6 等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造等に適
用されるドライエッチング方法に関し、特にHEMT
(高電子移動度トランジスタ)のゲート・リセス形成工
程におけるGaAs/AlGaAs選択エッチング等
を、パーティクル汚染を発生させずに行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GaAsMES−FET(metal
semiconductor field effec
t transistor)を単一基板上に集積化した
MMIC(monolithic microwave
IC)は、高速高周波応答性、低雑音、低消費電力等
の特長を有し、近年、移動体通信や衛生通信用のデバイ
スとして利用されつつある。
【0003】1980年には、上記GaAsMES−F
ETのさらなる高速化を目指した研究から、HEMT
(high electron mobility t
ransistor)が開発されている。これは、Ga
As化合物半導体のヘテロ接合界面における2次元電子
ガスが、不純物による散乱を受けることなく高速で移動
できることを利用したデバイスである。このHEMTに
ついても高集積化を実現するための研究が続けられてお
り、その加工を行うドライエッチング技術に対する要求
も、より高精度、より高選択比へと向かっている。
【0004】中でも、GaAs/AlGaAs積層系を
選択的にエッチングしてゲート・リセスを形成する工程
は、HEMT,ヘテロMIS構造FETなどのヘテロ接
合FETの閾値電圧を決める重要な技術である。それ
は、下層側のAlGaAs層における不純物濃度や厚さ
等が、上層側のGaAs層のみを除去すれば然るべき閾
値電圧をもつFETが構成できるように予め設定されて
いるからである。このAlGaAs層上におけるGaA
s層の選択エッチング方法としては、CCl2 2 等の
CFC(クロロフルオロカーボン)ガスと希ガスの混合
ガスを用いる方法が代表的なものである。これは、Ga
が主として塩化物、Asがフッ化物および塩化物を形成
することによりGaAs層が除去される一方で、下地の
AlGaAs層が露出した時点では蒸気圧の低いAlF
x (フッ化アルミニウム)が表面に形成されてエッチン
グ速度が低下し、高選択比が得られるからである。
【0005】たとえば、Japanese Journ
al of Applied Physics,Vo
l.20.,No.11(1981),p.L847〜
850には、CCl2 2 /He混合ガスを用いて選択
比200を達成した例が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
CCl2 2 等のCFCガスは、いわゆるフロン・ガス
と通称されている化合物の一種であり、周知のように地
球のオゾン層破壊の原因とされているため、近い将来に
も製造・使用が禁止される運びである。したがって、ド
ライエッチングの分野においても代替ガス、およびその
使用技術を開発することが急務となっている。
【0007】また、上述のCFCガスは、エッチング反
応系内にフルオロカーボン系ポリマーを大量に生成させ
易い。このポリマーは、パターン側壁部に堆積して側壁
保護効果を発揮するので異方性加工に寄与しているが、
その反面、エッチング速度の不安定化やパーティクル・
レベルの悪化等を招き易い。そこで本発明は、アルミニ
ウム(Al)を含有する化合物半導体層(以下、Al含
有化合物半導体層と称する。)上におけるAlを含まな
い化合物半導体層(以下、非Al含有化合物半導体層と
称する。)の選択エッチングを、CFCガスを用いず、
しかもクリーンな条件下で行うことを可能とするドライ
エッチング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の目的を達成するために提案されるもの
であり、Al含有化合物半導体層の上に積層された非A
l含有化合物半導体層を、分子内にカルボニル基, チオ
ニル基, スルフリル基, ニトロシル基, ニトリル基から
選ばれる少なくとも1種類の官能基に加えてフッ素原子
を有する化合物を含むエッチング・ガスを用いてエッチ
ングするものである。
【0009】本発明はまた、前記エッチング・ガスがさ
らに塩素系化合物もしくは臭素系化合物の少なくとも一
方を含むものである。
【0010】本発明はまた、別のエッチング・ガス組成
として、分子内にカルボニル基, チオニル基, スルフリ
ル基, ニトロシル基, ニトリル基から選ばれる少なくと
も1種類の官能基に加えて塩素原子もしくは臭素原子の
少なくとも一方を有する化合物と、フッ素系化合物とを
含む混合系を使用するものである。
【0011】本発明はまた、上述のエッチング工程を非
Al含有化合物半導体層を実質的にその層厚分だけエッ
チングするジャストエッチング工程と、この非Al含有
化合物半導体層の残余部をエッチングするオーバーエッ
チング工程の2工程に分け、後者のオーバーエッチング
工程においてプラズマ中におけるフッ素系化学種の生成
比が高まるように前記エッチング・ガスの成分混合比を
変更するものである。
【0012】本発明はさらに、前記エッチング・ガスが
放電解離条件下でプラズマ中に遊離のイオウを生成する
ものである。
【0013】
【作用】脱CFCプロセスを確立しようとする場合、異
方性加工に必要な側壁保護膜を構成する炭素系ポリマー
を気相中から供給しないとすれば、その供給源はレジス
ト・マスクに求めざるを得ない。しかし、レジスト・マ
スクの分解生成物を大量に供給すべく高い入射エネルギ
ー有するイオンでこれをスパッタしたのでは、レジスト
選択性が必然的に低下する上、下地へのダメージ発生や
パーティクル汚染も防止できない。
【0014】本発明のポイントは、炭素系ポリマー自身
の膜質を強化することにより、その堆積量を減少させて
も十分に高い側壁保護効果または表面保護効果を発揮さ
せ、結果として高選択性、低ダメージ性、低汚染性を達
成する点にある。
【0015】炭素系ポリマー自身の膜質を強化する方法
として、本発明では分子中にカルボニル基(>C=
O), チオニル基(>S=O),スルフリル基(>SO
2 ),ニトロシル基(−N=O),ニトリル基(−NO
2 )のいずれかの官能基を有する化合物を用いる。上記
の官能基は、C原子,S原子,もしくはN原子が正電
荷、O原子が負電荷を帯びるごとく分極した構造をとる
ことができ、高い重合促進活性を有している。したがっ
て、かかる官能基もしくはこれに由来する原子団がプラ
ズマ中に存在することにより、炭素系ポリマーの重合度
が上昇し、イオン入射やラジカルの攻撃に対する耐性を
高めることができる。さらに、炭素系ポリマーに上述の
官能基が導入されると、単に−CX2 −(Xはハロゲン
原子を表す。)の繰り返し構造からなる従来の炭素系ポ
リマーよりも化学的,物理的安定性が増すことも、近年
の研究により明らかとなっている。これは、2原子間の
結合エネルギーを比較すると、C−O結合(1077k
J/mol),C−S結合(713kJ/mol),C
−N結合(770kJ/mol)がいずれもC−C結合
(607kJ/mol)より大きいことからも直観的に
理解される。
【0016】さらに、これらの官能基は炭素系ポリマー
に取り込まれることでその極性を増大させ、負に帯電し
ているエッチング中のウェハに対して該炭素系ポリマー
の静電吸着力を高める働きをする。このことによって
も、炭素系ポリマーの表面保護効果は向上する。
【0017】このように、炭素系ポリマー自身の膜質が
強化されることにより、異方性加工に必要な入射イオン
・エネルギーを低減させることができ、レジスト選択性
を向上させることができる。このことは、比較的薄いフ
ォトレジスト塗膜からも十分に実用に耐えるエッチング
・マスクが形成できるようになり、加工寸法変換差の発
生を防止できる一方で、フォトリソグラフィにおける高
解像度を達成できるという副次的効果も生む。また、入
射イオン・エネルギーの低減は、当然ながら下地選択性
の向上にもつながる。さらに、高異方性、高選択性を達
成するために必要な炭素系ポリマーの堆積量を低減でき
るので、従来技術に比べてパーティクル汚染を減少させ
ることができる。
【0018】ところで、上記の官能基を有する化合物分
子内に含まれるハロゲン原子は、フッ素(F),塩素
(Cl),臭素(Br)のいずれかである。これらのハ
ロゲン原子は、非Al含有化合物半導体層の主エッチン
グ種として寄与する。ただし、非Al含有/Al含有化
合物半導体層の積層系のエッチングにおける下地選択性
の達成が原理的にAlFx の生成にもとづいている以
上、エッチング反応系にはF* 等のフッ素系化学種が存
在することが必要である。
【0019】かかる要件を満たすエッチング・ガスとし
て、本発明ではまず分子内に上述の官能基の少なくとも
いずれか1種類とF原子とを有する化合物を用いる。こ
れにより、原理的には単一組成のエッチング・ガスで選
択異方性加工が実現する。
【0020】しかし、エッチング反応系に存在するハロ
ゲン系化学種がフッ素系化学種のみでは、化合物半導体
層の構成元素によっては蒸気圧の高い反応生成物が得ら
れず、エッチング速度が大幅に低下する虞れがある。そ
こで本発明ではさらに、上記の官能基を有する化合物に
Cl系化合物もしくはBr系化合物の少なくとも一方を
添加することを提案する。これにより、エッチング反応
系にCl* ,Br* 等の化学種が寄与できるようにな
り、エッチングが高速化できる他、炭素系ポリマーとし
てもCClx ,CBrx 等のより堆積し易い組成のもの
が期待できるようになる。
【0021】本発明ではまた、別のエッチング・ガス組
成として、上記の構成成分間でハロゲン原子を入れ換え
たものも提案する。すなわち、上述の官能基を有する化
合物分子の方にCl原子もしくはBr原子が含まれてお
り、これにF系化合物を添加するのである。このガス組
成によっても、ほぼ上述のような効果が期待できる。
【0022】本発明は、以上のような考え方を基本とし
ているが、さらに一層の低汚染化と低ダメージ化を目指
す方法も提案する。そのひとつは、エッチングをジャス
トエッチング工程とオーバーエッチング工程とに2段階
化し、オーバーエッチング工程においてプラズマ中にお
けるF系化学種の生成比を高めることである。オーバー
エッチング工程では非Al含有化合物半導体層の大部分
は除去され、被エッチング領域の多くの部分には下地の
Al含有化合物半導体層が露出している。そこで、この
段階でF系化学種の生成量を増やせば、その露出面上で
AlFx の生成が促進されるのである。
【0023】F系化学種の生成比を高める最も現実的で
簡便な方法は、エッチング・ガスの構成成分のうち、F
系化学種を放出し得る化合物の流量比をジャストエッチ
ング工程に比べて高めることである。
【0024】また、もうひとつの方法としては、炭素系
ポリマーに加えてイオウ(S)を側壁保護に利用するこ
とを提案する。Sの堆積は、放電解離条件下でプラズマ
中に遊離のSを放出できる組成のエッチング・ガスを用
いることにより可能となる。Sは、条件にもよるが、ウ
ェハがおおよそ室温以下に温度制御されていればその表
面へ堆積することができる。この場合、Sは上述のF系
化合物,Cl系化合物,Br系化合物のいずれかからハ
ロゲン系化学種と同時に供給されても、あるいは別に添
加されたイオウ系化合物から供給されても、どちらでも
構わない。いずれにしても、Sの堆積が期待できる分だ
け異方性の確保に要する炭素系ポリマーの堆積量は少な
くて済むので、レジスト・マスクをスパッタするイオン
の入射エネルギーを低減でき、レジスト選択比を向上さ
せることができる。また、炭素系ポリマーの減少により
パーティクル汚染を低減することができる。しかも、S
はウェハをおおよそ90℃以上の温度に加熱すれば容易
に昇華するため、自身がパーティクル汚染源となる懸念
は一切ない。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0026】実施例1 本実施例は、本発明をHEMTのゲート・リセス加工に
適用し、n+ −AlGaAs層上のn+ −GaAs層を
COF2 (フッ化カルボニル)/Ar混合ガスを用いて
エッチングした例である。このプロセスを、図1
(a),(c),(d)を参照しながら説明する。
【0027】本実施例においてエッチング・サンプルと
して使用したウェハは、図1(a)に示されるように、
半絶縁性GaAs基板1上にエピタキシャル成長により
形成され、バッファ層として機能する厚さ約500nm
のepi−GaAs層2、厚さ約2nmのAlGaAs
層3、Si等のn型不純物がドープされた厚さ約30n
mのn+ −AlGaAs層4、同様にn型不純物を含む
厚さ約100nmのn+ −GaAs層5、所定の形状に
パターニングされたレジスト・マスク(PR)6が順次
積層されてなるものである。上記レジスト・マスク6の
パターニングは、電子ビーム描画法による露光と現像処
理により行われており、開口部6aの開口径は約300
nmである。
【0028】このウェハをRFバイアス印加型の有磁場
マイクロ波プラズマ・エッチング装置のウェハ載置電極
にセットし、一例として下記の条件で上記n+ −GaA
s層5をエッチングした。 COF2 流量 20 SCCM Ar流量 30 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 40 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このエッチング過程では、COF2 から生成するF*
+ −GaAs層5中のAsをAsF3 ,AsF5 等の
形で、またGaをGaF3 等の形で引き抜く。ただし、
GaF3 は通常のエッチング反応系では蒸気圧が低いた
め、上記の条件ではAr+ ,C+ ,CO+ ,COF+
の入射イオン・エネルギーを若干高め、イオン・スパッ
タ作用によりこれを除去するようにしてある。
【0029】またこれと同時に、レジスト・マスク6の
分解生成物に由来してCFx が生成し、さらにカルボニ
ル基やC−O結合等がその構造中に取り込まれて強固な
炭素系ポリマーが生成した。この炭素系ポリマーは、生
成量こそ従来プロセス程多くはないが、パターン側壁部
に堆積して図1(c)に示されるような側壁保護膜7を
形成し、少量でも高いエッチング耐性を発揮し、異方性
加工に寄与した。この結果、垂直壁を有するリセス5a
が形成された。ただし、図中の側壁保護膜7は図示の都
合上、厚く描かれているが、実際には極めて薄い膜であ
る。このとき、下地のn+ −AlGaAs層4が露出し
た部分では、その表面にAlFx が形成され、エッチン
グ速度を大幅に低下させる役割を果たした。
【0030】次に、上記のウェハについてO2 プラズマ
処理を行ったところ、図1(d)に示されるように、側
壁保護膜7が燃焼除去された。
【0031】この後のゲート電極の形成は、従来公知の
方法にしたがって行えば良い。このプロセスを、図2を
参照しながら説明する。すなわち、上記ウェハに対して
Alの電子ビーム蒸着を行うことにより、一例として厚
さ約200nmのAl層を形成した。この蒸着は、微細
な開口径を有するリセス5aの内部おいてステップ・カ
バレッジ(段差被覆性)が劣化することを利用したもの
であり、図2(a)に示されるように、レジスト・マス
ク6の表面には上部Al層8a、リセス5a底部には下
部Al層8bがそれぞれ形成された。
【0032】次に、レジスト・マスク6をリフト・オフ
すると、図2(b)に示されるように上部Al層8aも
同時に除去され、リセス5a底部にゲート電極となる下
部Al層8bのみを残すことができた。
【0033】実施例2 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、SOF2 /A
r混合ガスを用いてエッチングした。エッチング条件
は、COF2 をSOF2 に代えた他は実施例1と同じで
ある。本実施例において、F* を主エッチング種とする
+ −GaAs層5のエッチング機構、および側壁保護
機構、下地選択性の達成機構等は、ほぼ実施例1で上述
したとおりである。ただし本実施例では、チオニル基や
C−S結合等を取り込んだ炭素系ポリマーが側壁保護膜
7の形成に寄与することになる。
【0034】実施例3 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、COF2 /C
2 混合ガスを用いてエッチングした。以下に、エッチ
ング条件の一例を示す。 COF2 流量 20 SCCM Cl2 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 20 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃
【0035】このエッチング過程では、COF2 から生
成するF* とCl2 から生成するCl* が主エッチング
種となり、Asを主としてAsF3 ,AsF5 ,AsC
3等の形で、またGaを主としてGaCl3 等の形で
引き抜いた。本実施例では、Gaを蒸気圧の高い塩化物
の形で除去できるため、実施例1に比べてRFバイアス
・パワーが半減されているにもかかわらず、高速エッチ
ングが進行した。
【0036】また、レジスト・マスク6の分解生成物に
由来してCClx が生成し、これにカルボニル基やC−
O結合が導入されて強固な側壁保護膜7が形成された。
このときの分解生成物の供給量は、RFバイアス・パワ
ーの低減により実施例1よりも少ないが、CClx の堆
積性がCFx よりも優れているため、側壁保護効果が何
ら低下することはなかった。
【0037】本実施例によっても、良好な異方性形状を
有するリセス5aを形成することができた。本実施例に
おいて、n+ −AlGaAs層4に対する選択比は約5
0であった。
【0038】なお、上記のCl2 の代わりにHBrを用
いても、同様に良好な異方性加工を行うことができた。
この場合、炭素系ポリマーとしてCBrx が生成するの
で、レジスト・マスク6に対する選択性をさらに向上さ
せることができた。
【0039】実施例4 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、SOF2 /C
2 混合ガスを用いてエッチングした。エッチング条件
は、COF2 をSOF2 に代えた他は実施例3と同じで
ある。本実施例において、F* ,Cl* を主エッチング
種とするn+ −GaAs層5のエッチング機構、および
側壁保護機構、下地選択性の達成機構等は、ほぼ実施例
3で上述したとおりである。ただし本実施例では、チオ
ニル基やC−S結合等を取り込んだ炭素系ポリマーが側
壁保護膜7の構成成分として含まれることになる。本実
施例では、SOF2 /Ar系を用いた実施例2に比べて
RFバイアス・パワーが半減されているにもかかわら
ず、高速異方性エッチングが進行した。
【0040】本実施例において、n+ −AlGaAs層
4に対する選択比は約50であった。
【0041】なお、上記のCl2 の代わりにHBrを用
いても、同様に良好な異方性加工を行うことができた。
この場合、炭素系ポリマーとしてCBrx が生成するの
で、レジスト・マスク6に対する選択性をさらに向上さ
せることができた。
【0042】実施例5 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、NO2 F(フ
ッ化ニトリル)/Cl2 混合ガスを用いてエッチングし
た。エッチング条件の一例を以下に示す。 NO2 F流量 20 SCCM Cl2 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 20 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃
【0043】このエッチング過程では、NO2 Fから生
成するF* とCl2 から生成するCl* が主エッチング
種となり、エッチング反応が進行した。また、レジスト
・マスク6の分解生成物に由来するCClx ポリマーが
生成し、これにニトリル基やC−N結合が導入されて強
固な側壁保護膜7が形成された。本実施例によっても、
良好な異方性形状を有するリセス5aを形成することが
できた。
【0044】実施例6 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、COCl
2 (塩化カルボニル)/NF3 混合ガスを用いてエッチ
ングした。エッチング条件の一例を以下に示す。 COCl2 流量 20 SCCM NF3 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 20 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このエッチング過程では、COCl2 から生成するCl
* とNF3 から生成するF* が主エッチング種となって
エッチングが進行した。炭素系ポリマーの強化の機構
は、ほぼCOF2 /Cl2 系を用いた実施例3について
上述したとおりである。
【0045】実施例7 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、SOCl
2 (塩化チオニル)/NF3 混合ガスを用いてエッチン
グした例である。エッチング条件は、COCl2 に代え
てSOCl2 を用いた他は実施例6と同じである。ただ
し、SOCl2 は常温で液体物質であるため、Heガス
・バブリングにより気化させた後、エッチング・チャン
バ内へ導入した。
【0046】このエッチング過程では、SOCl2 から
生成するCl* とNF3 から生成するF* が主エッチン
グ種となってエッチングが進行した。炭素系ポリマーの
強化の機構は、ほぼSOF2 /Cl2 系う用いた実施例
4について上述したとおりである。
【0047】実施例8 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、COBr
2 (臭化カルボニル)/NF3 混合ガスを用いてエッチ
ングした。エッチング条件の一例は、下記のとおりであ
る。 COBr2 流量 20 SCCM NF3 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 15 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ ただし、COBr2 は常温で液体物質であるため、He
ガス・バブリングにより気化させた後、エッチング・チ
ャンバ内へ導入した。
【0048】このエッチング過程では、COBr2 から
生成するBr* とNF3 から生成するF* が主エッチン
グ種となってエッチングが進行し、Asは主としてAs
3,AsBr3 、Gaは主としてGaBr3 の形で除
去された。また、本実施例では炭素系ポリマーとして上
述のCClx よりもさらに蒸気圧の低いCBrx が生成
し、このCBrx にカルボニル基やC−O結合が取り込
まれて強固な側壁保護膜7が形成された。したがって、
実施例6あるいは実施例7よりもRFバイアス・パワー
が低減されているにもかかわらず、良好な異方性加工が
実現した。また、CBrx はレジスト・マスク6の表面
を被覆することによりこれを保護するので、レジスト選
択性も実施例6あるいは実施例7に比べて向上した。
【0049】実施例9 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、SOBr
2 (臭化チオニル)/NF3 混合ガスを用いてエッチン
グした。本実施例のエッチング条件は、COBr2 に代
えてSOBr2 を用いた他は、実施例8と同じである。
SOBr2 も常温で液体物質であるため、Heガス・バ
ブリングにより気化させた後、エッチング・チャンバ内
へ導入した。
【0050】本実施例において、F* ,Br* を主エッ
チング種とするn+ −GaAs層5のエッチング機構、
および側壁保護機構、下地選択性の達成機構等は、ほぼ
実施例8で上述したとおりである。ただし本実施例で
は、チオニル基やC−S結合等を取り込んだ炭素系ポリ
マーが側壁保護膜7の構成成分として含まれることにな
る。
【0051】実施例10 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、NO2 Br
(臭化ニトリル)/NF3 混合ガスを用いてエッチング
した。本実施例のエッチング条件は、COBr2 に代え
てNO2 Brを用いた他は実施例8と同じである。本実
施例では、ニトリル基やC−N結合等で強化されたCB
x ポリマーが強固な側壁保護膜7を形成するため、低
バイアス条件下で良好な高選択異方性加工を行うことが
できた。
【0052】実施例11 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、NOCl(塩
化ニトロシル)/SF6 混合ガスを用いてエッチングし
た。エッチング条件の一例を以下に示す。 NOCl流量 20 SCCM SF6 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 20 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このエッチング過程では、ニトロシル基やC−N結合等
で強化されたCClx・ポリマーが強固な側壁保護膜7
を形成した。また、1分子から大量のF* を放出できる
SF6 が用いられていることにより、下地選択性も向上
した。
【0053】実施例12 本実施例では、エッチング工程を2段階化し、COCl
2 /NF3 混合ガスを用いてn+ −GaAs層をジャス
トエッチングした後、上記混合ガス中のNF3の流量比
を高めてn+ −GaAs層の残余部を除去するためのオ
ーバーエッチングを行った。このプロセスを、図1
(a),(b),(c)を参照しながら説明する。
【0054】まず、図1(a)に示されるウェハについ
て、一例として下記の条件でn+ −GaAs層5をジャ
ストエッチングした。 COCl2 流量 20 SCCM NF3 流量 20 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比50%) ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 10 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ ジャストエッチング終了時のウェハの状態は図1(b)
に示されるとおりであり、リセス5aの底部に若干のn
+ −GaAs層5の残余部5bが残った状態であった。
【0055】次に、エッチング条件を一例として下記の
ように切り替え、上記残余部5bを除去するためのオー
バーエッチングを行った。 COCl2 流量 10 SCCM NF3 流量 30 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比75%) ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 10 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このオーバーエッチング工程では、NF3 の含量比がジ
ャストエッチング工程に比べて増大されていることによ
り、n+ −AlGaAs層4の露出面上においてAlF
x の生成が促進された。また、RFバイアス・パワーも
ジャストエッチング工程に比べて半減させた。この結
果、図1(c)に示されるように、残余部5bを除去し
た後にも下地のn+ −AlGaAs層4には何ら悪影響
が及ぶことはなかった。本実施例において、n+ −Al
GaAs層4に対する選択比は100以上に向上した。
【0056】実施例13 本実施例はSO2 Cl2 (塩化スルフリル)/NF3
合ガスを用いる2段階エッチングの例であり、オーバー
エッチング工程ではジャストエッチング工程に比べてそ
の組成中のNF3 の流量比を高めた。ジャストエッチン
グ工程、オーバーエッチング工程共、エッチング条件は
COCl2 に代えてSO2 Cl2 を用いた他は実施例1
2とすべて同じである。SO2 Cl2 は常温で液体物質
であるため、Heガス・バブリングにより気化させた
後、エッチング・チャンバ内へ導入した。
【0057】SO2 Cl2 は、実施例7で前述したSO
Cl2 に比べて分子内のO原子数が1個多いため、本実
施例ではO* による燃焼作用により炭素系ポリマーの堆
積量が若干減少した。しかし、スルフリル基、そのフラ
グメントであるチオニル基、C−S結合等を含む強固な
炭素系ポリマーが生成し、側壁保護効果が何ら低下する
ことはなかった。もちろん、パーティクル汚染の懸念も
さらに減少した。
【0058】本実施例でも、n+ −AlGaAs層4に
対する選択比は100以上であった。
【0059】実施例14 本実施例はNOCl/SF6 混合ガスを用いる2段階エ
ッチングの例であり、オーバーエッチング工程ではジャ
ストエッチング工程に比べてその組成中のSF6 の流量
比を高めた。ジャストエッチング工程のエッチング条件
の一例は、以下のとおりである。
【0060】 NOCl流量 20 SCCM SF6 流量 20 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比50%) ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 20 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃
【0061】次に、エッチング条件を一例として下記の
ように切り替え、残余部5bを除去するためのオーバー
エッチングを行った。 NOCl流量 10 SCCM SF6 流量 30 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比75%) ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 10 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このオーバーエッチング工程では、1分子当たりのF*
生成量が元々多いSF6 の流量比がさらに増大されるた
めに、エッチング反応系中のF* の生成量は極めて多く
なり、高い下地選択性が達成された。
【0062】実施例15 本実施例はNOF/Cl2 混合ガスを用いる2段階エッ
チングの例であり、オーバーエッチング工程ではジャス
トエッチング工程に比べてその組成中のNOFの流量比
を高めた。ジャストエッチング工程のエッチング条件の
一例は、以下のとおりである。
【0063】 NOF流量 20 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比50%) Cl2 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 20 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃
【0064】次に、エッチング条件を一例として下記の
ように切り替え、上記残余部5bを除去するためのオー
バーエッチングを行った。 NOF流量 30 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比75%) Cl2 流量 10 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 5 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ 本実施例が前述の実施例12〜実施例14と異なる点
は、選択性の達成に寄与する化学種(ここではF* とニ
トロシル基)を供給する化合物(ここではNOF)の流
量と、主エッチング種を供給する化合物(ここてはCl
2 )の流量が、独立に制御されている点である。つま
り、オーバーエッチング時にF* を増加させようとすれ
ばニトロシル基も同時に増加し、一方、主エッチング種
の相対含量は低下する。したがって、実施例14に比べ
てオーバーエッチング時のRFバイアス・パワーをさら
に減じた条件下でも、良好な選択異方性加工を行うこと
ができた。
【0065】実施例16 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、COF2 /S
2 Cl2 混合ガスを用いて1段階プロセスによりエッチ
ングした。エッチング条件の一例は、下記のとおりであ
る。 COF2 流量 20 SCCM S2 Cl2 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 15 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このエッチング過程では、カルボニル基等の導入により
強化された炭素系ポリマーの他に、S2 Cl2 から解離
生成するSも側壁保護膜7の構成成分に加わった。した
がって、COF2 /Cl2 系を用いた実施例3に比べて
RFバイアス・パワーを若干下げた条件下でも良好な異
方性エッチングが進行し、レジスト・マスク6に対する
選択性が向上した。また、炭素系ポリマーの生成量を相
対的に減少させることができたので、パーティクル汚染
が効果的に抑制された。Sは、側壁保護膜7の除去を行
うためのO2 プラズマ処理を行うと容易に昇華除去もし
くは燃焼除去され、何らウェハ上に残存することはなか
った。
【0066】実施例17 本実施例では、同じn+ −GaAs層を、SOF2 /S
2 Cl2 混合ガスを用いてエッチングした。本実施例に
おけるエッチング条件は、COF2 に代えてSOF2
用いた他は、実施例16と同じである。エッチング反応
機構、下地選択性の達成機構等はほほ実施例16で述べ
たとおりであるが、本実施例では、チオニル基,C−S
結合等の導入により強化された炭素系ポリマーにSが加
わり、効果的な側壁保護が行われた。
【0067】実施例18 本実施例は、COCl2 /S2 2 混合ガスを用いた2
段階エッチングの例であり、オーバーエッチング工程で
はジャストエッチング工程に比べて上記混合ガス中のS
2 2 の流量比を高めた。ジャストエッチング工程の条
件は、一例として下記のとおりである。
【0068】 COCl2 流量 20 SCCM S2 2 流量 20 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比50%) ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 15 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このジャストエッチング工程では、強化された炭素系ポ
リマーとS2 2 から生成するSとにより側壁保護膜7
が形成された。したがって、COCl2 /NF3 系を用
いた実施例12のジャストエッチング工程に比べて低バ
イアス化された条件下でも、良好な異方性エッチングが
進行した。
【0069】次に、エッチング条件を一例として下記の
ように切り替え、残余部5bを除去するためのオーバー
エッチングを行った。 COCl2 流量 10 SCCM S2 2 流量 30 SCCM(エッチング
・ガス中の含量比75%) ガス圧 1.3 Pa(=10 mTo
rr) マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 5 W(2 MHz) ウェハ温度 20 ℃ このオーバーエッチング工程では、S2 2 の含量比が
ジャストエッチング工程に比べて増大されることによ
り、F* とSの生成量がジャストエッチング工程に比べ
て増大し、高選択エッチングを行うことができた。
【0070】実施例19 本実施例では、ジャストエッチング工程でSOCl2
2 2 混合ガスを用い、オーバーエッチング工程で上
記混合ガス中のS2 2 の流量比を高めた。本実施例の
エッチング条件は、COCl2 をSOCl2 に代えた他
は、ジャストエッチング工程、オーバーエッチング工程
共、実施例18と同じである。
【0071】本実施例によっても、極めて優れた選択異
方性エッチングを行うことができた。
【0072】以上、本発明を19例の実施例にもとづい
て説明したが、本発明はこれらに何ら限定されるもので
はない。まず、上述の各実施例では化合物半導体層の積
層系としてGaAs/AlGaAs積層系を例示した
が、本発明は下層側にAlが含まれていれば従来公知の
他の化合物半導体の積層系にも適用可能である。たとえ
ば、GaP/AlGaP、InP/AlInP、GaN
/AlGaN、InAs/AlInAs等の2元素系/
3元素系の積層系、さらにあるいは3元素系/4元素系
等の積層系等のエッチングにも適用できる。
【0073】さらに本発明は、非Al含有/Al含有化
合物半導体の積層系の選択エッチングが必要とされるプ
ロセスであれば、上述のようなHEMTの製造に限られ
ず、たとえば量子ホールや半導体レーザー素子の加工等
にも適用可能である。
【0074】本発明では、各実施例で述べた各種の化合
物の他、次のような化合物を用いることができる。ま
ず、分子内にカルボニル基とハロゲン原子を有する化合
物としては、上述のCOF2 ,COCl2 ,COBr2
の他、COClF(塩化フッ化カルボニル),COBr
F(臭化フッ化カルボニル),COIF(ヨウ化フッ化
カルボニル)等が使用できる。さらに、分子内のカルボ
ニル基の数は1とは限らず、たとえばC2 2 2 (フ
ッ化オキサリル),C2 2 Cl2 (塩化オキサリ
ル),C22 Br2 (臭化オキサリル)等のようにカ
ルボニル基を2個有する化合物も使用できる。この場
合、炭素系ポリマーの強化が促進されることが期待でき
る。
【0075】分子内にチオニル基とハロゲン原子とを有
する化合物としては、上述のSOF2 ,SOCl2 ,S
OBr2 の他、SOF4 (四フッ化チオニル),SOC
lBr(塩化臭化チオニル)等を使用することができ
る。分子内にスルフリル基とハロゲン原子とを有する化
合物としては、上述のSO2 Cl2 の他、SO2 ClF
(塩化フッ化スルフリル),SO2 BrF(臭化フッ化
スルフリル)等を使用することができる。
【0076】分子内にニトロシル基とハロゲン原子とを
有する化合物としては、上述のNOF,NOClの他、
NOCl2 (二塩化ニトロシル),NOCl3 (三塩化
ニトロシル),NOBr(臭化ニトロシル),NOBr
2 (二臭化ニトロシル),NOBr3 (三臭化ニトロシ
ル)等を使用することができる。さらに、分子内にニト
リル基とハロゲン原子とを有する化合物としては、上述
のNO2 F,NO2 Brの他、NO2 Cl(塩化ニトリ
ル)も使用できる。
【0077】塩素系化合物としては、上述のCl2 ,S
2 Cl2 の他、HCl,BCl3 ,およびS3 Cl2
SCl2 等の他の塩化イオウ等を使用することができ
る。このうち、塩化イオウはSの供給源を兼ねる。臭素
系化合物としては、上述のHBrの他、Br2 ,BBr
3 ,およびS3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2 等の臭化
イオウ等を使用することができる。このうち、臭化イオ
ウはSの供給源を兼ねる。
【0078】フッ素系化合物としては、上述のNF3
SF6 ,S2 2 の他、ClF3 ,およびSF2 ,SF
4 ,S2 10等の他のフッ化イオウ等を使用することが
できる。このうち、フッ化イオウはSの供給源を兼ね
る。S供給源としては、上述のフッ化イオウ,塩化イオ
ウ,臭化イオウのようにハロゲン系化学種も同時に供給
し得る化合物の他、H2 Sも使用できる。
【0079】本発明で使用するエッチング・ガスには、
スパッタリング効果,希釈効果,冷却効果等を期待する
意味で、Ar,He等の希ガスが適宜添加されていても
良い。その他、サンプル・ウェハの構成、エッチング条
件、使用するエッチング装置、各種官能基を有する化合
物とハロゲン化合物の組合せ等が適宜変更可能であるこ
とは、言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、GaAs/AlGaAs積層系に代表
される非Al含有/Al含有化合物半導体の積層系の選
択異方性エッチングにおいて、各種の極性官能基を含む
エッチング・ガスを使用することにより、炭素系ポリマ
ーの膜質を強化し、その堆積量を減少させても高異方
性、高選択性を達成することが可能となる。
【0081】したがって本発明は、たとえば化合物半導
体を利用した半導体装置を微細なデザイン・ルールにも
とづいて製造する上で極めて有効であり、さらにこれを
高集積化してMMIC等を構成することにも多大な貢献
をなすものである。もちろん、本発明が優れた脱CFC
対策を提供するものであることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をHEMTのゲート・リセス加工に適用
したプロセス例をその工程順にしたがって説明する概略
断面図であり、(a)はn+ −GaAs層の上にレジス
ト・マスクが形成された状態、(b)はn+ −GaAs
層が側壁保護膜の形成を伴いながらエッチングされ、リ
セスが形成されると共に、n+ −GaAs層の残余部が
発生した状態、(c)はAlFx 層が選択的にエッチン
グされた状態、あるいは残余部が除去された状態、
(d)は側壁保護膜が除去された状態をそれぞれ表す。
【図2】リセス内部へのゲート電極の形成工程をその工
程順にしたがって説明する概略断面図であり、(a)は
レジスト・マスクの表面とリセスの底面に、上部Al層
と下部Al層がそれぞれ被着された状態、(b)はレジ
スト・マスクとその表面の上部Al層が除去され、リセ
スの底面にのみ下部Al層(ゲート電極)が残された状
態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・半絶縁性GaAs基板 2 ・・・epi−GaAs層 3 ・・・AlGaAs層 4 ・・・n+ −AlGaAs層 5 ・・・n+ −GaAs層 5a・・・リセス 5b・・・(n+ −GaAs層の)残余部 6 ・・・レジスト・マスク 6a・・・開口部 7 ・・・側壁保護膜 8a・・・上部Al層 8b・・・下部Al層(ゲート電極)
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/812

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを含む化合物半導体層の上
    に積層されたアルミニウムを含まない化合物半導体層
    を、分子内にカルボニル基, チオニル基, スルフリル
    基, ニトロシル基, ニトリル基から選ばれる少なくとも
    1種類の官能基に加えてフッ素原子を有する化合物を含
    むエッチング・ガスを用いて選択的にエッチングするこ
    とを特徴とするドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング・ガスが塩素系化合物も
    しくは臭素系化合物の少なくとも一方を含むことを特徴
    とする請求項1記載のドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウムを含む化合物半導体層の上
    に積層されたアルミニウムを含まない化合物半導体層
    を、分子内にカルボニル基, チオニル基, スルフリル
    基, ニトロシル基, ニトリル基から選ばれる少なくとも
    1種類の官能基に加えて塩素原子もしくは臭素原子の少
    なくとも一方を有する化合物と、フッ素系化合物とを含
    むエッチング・ガスを用いて選択的にエッチングするこ
    とを特徴とするドライエッチング方法。
  4. 【請求項4】 請求項2もしくは請求項3に記載のエッ
    チング・ガスを用いて前記アルミニウムを含まない化合
    物半導体層を実質的にその層厚分だけエッチングするジ
    ャストエッチング工程と、プラズマ中におけるフッ素系
    化学種の生成比を前記ジャストエッチング工程における
    よりも相対的に高め得るごとく前記エッチング・ガスの
    成分混合比を変更し、前記アルミニウムを含まない化合
    物半導体層の残余部をエッチングするオーバーエッチン
    グ工程とを有することを特徴とするドライエッチング方
    法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング・ガスが、放電解離条件
    下でプラズマ中に遊離のイオウを生成することを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のド
    ライエッチング方法。
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