JPH0655316B2 - 芳香性汚水処理剤 - Google Patents

芳香性汚水処理剤

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JPH0655316B2
JPH0655316B2 JP63236361A JP23636188A JPH0655316B2 JP H0655316 B2 JPH0655316 B2 JP H0655316B2 JP 63236361 A JP63236361 A JP 63236361A JP 23636188 A JP23636188 A JP 23636188A JP H0655316 B2 JPH0655316 B2 JP H0655316B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、微生物ベースの汚水処理剤に関する。即ち、
車両のトイレで用いる微生物ベースで、清浄性(クリー
ン性)の高く、特に微生物の作用により芳香成分を生成
する有機物質を含有せしめた微生物ベースの芳香性で速
効性の汚水処理剤に関する。
[従来の技術] 従来の車両用トイレ処理剤としては、微生物を含有して
いないものが、主体であり、その主成分は、殺菌剤、色
素、香料である。
この場合に、殺菌剤としては、次亜塩素酸ソーダが殆ど
であり、色素は、青色−1号、青色−2号などの食品添
加物用のものであり、香料としては、残香性の強い油香
料をタルクやゼオライトなどに吸着したものを使用して
いた。
また、従来、微生物ベース汚水処理剤は、あまり使用さ
れていないが、バチルス属のうち特にズブチルス(B.sub
tilis)を主体とし、有機物汚物を分解させるもので、菌
数が10〜10/gのものがある。他には乳酸菌や
土壌微生物を共存させたものがある。亦、上記の微生物
に加えて、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵
素を共存させたものがある。
従来の微生物ベースの汚水処理剤では、バチルス属のズ
ブチルス(B.subtilis)を主体とするもので考えられてい
る。このような汚水処理剤は、有機物汚物を分解させる
には菌数が少なく、共存する他種の菌も汚物分解を助長
するものではなかった。通常、この種の菌体はそれ自体
で悪臭を発するために、車両トイレの悪臭汚物を処理す
るには不向きである。また、バチルス属などの微生物に
アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素を混合
したものがあったが、酵素のコストが高いために、実用
的ではなかった。以上の理由により車両トイレ用に微生
物ベースの汚水処理剤を使用することは技術的にも経済
的にも不向きであると考えられていた。
[発明が解決しようとする問題点] 従って、本発明は、従来考えられなかった微生物ベース
の汚水処理剤を鋭意研究を行なった結果、微生物の組合
わせにより解決する道を見出し、その知見に基づき本発
明を為したものである。従って、本発明は、トイレ汚水
中で悪臭を発する有機物汚物を短時間で分解でき、臭気
を殆ど無くし、色相やクリーン性を保持することがで
き、特に、走行中の車両のトイレをクリーン化し、汚物
を無臭化できるばかりでなく芳香性成分を生成する有機
物質を配合したトイレ用微生物ベース汚水処理剤を提供
することを目的とする。即ち、本発明は、走行中の車両
トイレに添加し、そのトイレをクリーンにし、無臭化
し、汚水処理場から排出する排水に対しても無臭、無色
にでき、且つ、芳香を有する物質を生成せしめ、悪臭を
弱めることのできる新規な汚水処理剤を提供することを
目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の要旨とするものは、微生物、培地、担体から構
成される微生物成分100重量部に対し、色素成分を
0.5〜2.0重量部、清涼飲料水10〜40重量部及
び乳酸発酵製品10〜40重量部を配合することを特徴
とする微生物ベースの汚水処理剤である。そして、その
微生物成分は、その中の微生物が4種以上から構成さ
れ、該微生物成分1gに対する菌数が、バチルス(Bacil
lus)属の菌1011〜1014/g、ストレプトコッカス(S
treptococcus)属の菌10〜1013/g、エンテロバ
クター(Enterobacter)属の菌10〜1013/g、リゾ
ープス(Rhizopus)属の菌10〜1012/g、ニトロソ
モナス(Nitrosomonas)属の菌10〜10/g、ニト
ロバクター(Nitrobacter)属の菌10〜10/g、
シュードモナス(Pseudomonas)属の菌10〜10
g、セルロモナス(Cellulomonas)属の菌10〜10
/gであることが好適である。
本発明者らは、先に、微生物、培地、担体から構成され
る微生物成分100重量部に対し、色素成分を0.5〜
2.0重量部及び香料成分を10〜60重量部を配合し
たトイレ用微生物ベース汚水処理剤を提案した。そし
て、その微生物成分は、その中の微生物が3種以上から
構成され、該微生物成分1gに対する菌数が、バチルス
(Bacillus)属の菌10〜1011/g、ストレプトコッ
カス(Streptococcus)属の菌10〜10/g、エン
テロバクター(Enterobacter)属の菌10〜10/g
であるものを提案した。
これに対して、本発明は、より速効性があり、芳香成分
を生成する有機物質を配合した汚水処理剤を提案するも
のである。また、1日毎に汚物を処理する新幹線用の汚
水処理剤として、有用になるように、より微生物の働き
を向上できたものである。
本発明によれば、微生物、培地、担体から構成される微
生物成分100重量部に対し、例えば、微生物成分1g
に対する菌数が、バチルス(Bacillus)属の菌1011〜1
14/g、ストレプトコッカス(Streptococcus)属の菌
10〜1013/g、エンテロバクター(Enterobacter)
属の菌10〜1013/g、リゾープス(Rhizopus)属の
菌10〜1012/g、ニトロソモナス(Nitrosomonas)
属の菌10〜10/g、ニトロバクター(Nitrobact
er)属の菌10〜10/g、シュードモナス(Pseudo
monas)属の菌10〜10/g、セルロモナス(Cellu
lomonas)属の菌10〜10/gである微生物成分1
00重量部に対して、色相を調整するために色素成分を
0.5〜2.0重量部、そして、微生物の分解により芳
香成分を生成する有機物質として清涼飲料水10〜40
重量部及び乳酸発酵製品10〜40重量部を配合して、
そして、芳香を有する有機物を生成するようにしたもの
である。
本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤に用いる微生
物としては、バチルス(Bacillus)属の菌体、ストレプト
コッカス(Streptococcus)属の菌、エンテロバクター(En
terobacter)属の菌の他に、リゾープス(Rhizopus)属の
菌体、更に、ニトロソモナス(Nitrosomonas)属の菌、ニ
トロバクター(Nitrobacter)属の菌、シュードモナス(Ps
eudomonas)属の菌及びセルロモナス(Cellulomonas)属の
菌を含有せしめたものである。本発明のトイレ用微生物
ベース汚水処理剤の微生物成分は、微生物、培地及び担
体から構成されるが、その培地としては、使用微生物の
食料となるもので、ある程度組成が明らかである一定の
大豆カスやフスマ、バガスなどの農業製品副産物が使用
され、或いは、牛乳など飲料の腐敗したものを用い、場
合により、酵母エキスや麦芽エキス及びその他薬品を併
用することができる。
また、本発明に用いる担体としては、使用微生物の住居
となるものであり、好適には、無機質の粉体(多孔体も
含む)の場合は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
珪酸カルシウムの粉末を用い、有機質の粉体の場合は、
オガクズ等を用いることができる。
本発明の汚水処理剤配合割合については、微生物、培
地、担体から構成される微生物成分中に存在する菌数
は、バチルス(Bacillus)属の菌で、1011〜1014
g、ストレプトコッカス(Streptococcus)属の菌で10
〜1013/g、エンテロバクター(Enterobacter)属の
菌で10〜1013/gで、リゾープス(Rhizopus)属の
菌で10〜1012/g、更に、ニトロソモナス(Nitro
somonas)属の菌で10〜10/g、ニトロバクター
(Nitrobacter)属の菌で10〜10/g、シュード
モナス(Pseudomonas)属の菌で10〜10/g、そ
してセルロモナス(Cellulomonas)属の菌で10〜10
/g含有する該微生物成分100重量部に対して、色
素成分を0.5〜2.0重量部含有せしめる。
これは、色素成分が微生物成分100重量部に対して、
0.5重量部未満では、色相が充分でないため、クリー
ン性が保持できない、また、2.0重量部を超えると、
色相が濃すぎて、汚水処理場で色相を消すことができず
に排水を着色させるために公害となる。
本発明の微生物ベース汚水処理剤では、更に、安価な清
涼飲料水や乳酸発酵製品を微生物の作用によって、芳香
を有する香料成分に変換させることにより、構成成分で
ある香料成分の配合量を大きく減少させ、コスト的にも
大幅に改善できる。即ち、清涼飲料水10重量部未満で
は、生成する香気(芳香)成分の量が少なく、充分に芳
香を付与出来ず、40重量部を超えると、香気(芳香)
成分の生成量が多過ぎて不快感を与えることになる。そ
して、乳酸発酵製品10重量部未満では、生成する香気
(芳香)成分の量が少なく、芳香が発揮出来なく、40
重量部を超えると、香気(芳香)成分の生成量が多過ぎ
て不快感を与える。
また、微生物成分中の微生物は、8種の場合を示すと微
生物成分1g当りの菌数が、バチルス(Bacillus)属の菌
で、1011〜1014/g、ストレプトコッカス(Strepto
coccus)属の菌で10〜1013/g、エンテロバクタ
ー(Enterobacter)属の菌で10〜1013/g、リゾー
プス(Rhizopus)属で10〜1012/g、ニトロソモナ
ス(Nitrosomonas)属の菌で10〜10/g、ニトロ
バクター(Nitrobacter)属の菌で10〜10/g、
シュードモナス(Pseudomonas)属の菌で10〜10
/g、セルロモナス(Cellulomonas)属の菌10〜10
/gの割合で含有している。即ち、バチルス(Bacillu
s)属の菌が、1011未満では澱粉質や蛋白質などの有機
汚物を24時間で分解する能力が不足し、1014/gを
超えると、他の種の菌との共存での増殖の限界になり、
また、悪臭の原因となる。
また、ストレプトコッカス(Streptococcus)属の菌が、
10未満では、グルコースなど糖類の分解が24時間
で不充分であり、1013/gを超えると、分解処理能力
がこれ以上必要でなく、他の種の菌との共存での増殖の
限界になる。またエンテロバクター(Enterobacter)属の
菌が、10未満では24時間での糖類の分解が不充分
であり、また、1013/gを超えると、24時間以内で
黄色い色素を生産する菌も増えるため、他の種の菌との
共存での増殖の限界になる。
以上の理由により、本発明のトイレ用微生物ベース汚水
処理剤は、上記のような配合割合のものを用いる。
添加のリゾープス(Rhizopus)属の菌は、大変強力な糖化
酵素を分泌するためトイレ汚物中の炭水化物を急速に糖
類に変え、バチルス(Bacillus)の効果を大幅に強めるこ
とができる。これにより得られた糖類や炭化水素を、ス
トレプトコッカス(Streptococcus)属やエンテロバクタ
ー(Enterobacter)属の菌が分解するため、リゾープス(R
hizopus)属の菌を混入すると極めて短時間で汚物や悪臭
源の分解を終了させることができる。リゾープス(Rhizo
pus)属の菌が、10/g未満では、糖類の分解能力が
不充分で、1012/gを超えると、他の種の菌との共存
での増殖の限界になる。
以上の4種の菌は、トイレ汚物の分解と同時に、本発明
において、特に添加している清涼飲料水や乳酸発酵製品
中の糖質や果汁成分を分解し、芳香を有する香料成分
(化学構造は明らかでない)を生成させることができ
る。
ニトロソモナス(Nitrosomonas)属の菌が、10/g未
満では、アンモニアをNOに変化させるには不充分
で、10/gを超えると,他の種の菌との共存での増
殖の限界になる。
また、ニトロバクター(Nitrobacter)属の菌が、10
/g未満では、NOをNOに変化させるに不充分で
あり、10/gを超えると,他の種の菌との共存での
増殖の限界になる。
シュードモナス(Pseudomonas)属の菌が、10/g未
満では、NOをNに変化させるには不充分であり、
10/gを超えると、他の種の菌との共存での増殖の
限界になる。
以上の3種の菌、即ち、ニトロソモナス(Nitrosomonas)
属の菌、ニトロバクター(Nitrobacter)属の菌、及びシ
ュードモナス(Pseudomonas)属の菌は、以上のようにト
イレ汚物中に多量に発生するアンモニアの分解に寄与す
るものであり、組合わせて、アンモニアの悪臭を除去す
る作用を有する。
そして、セルロモナス(Cellulomonas)属の菌は、トイレ
汚物中のセルロース成分や多量に使用される紙をある程
度分解し、汚水処理場での最終処理を容易にするもので
ある。そして、セルロモナス(Cellulomonas)属の菌が、
10未満ではセルロースを分解させるには不充分であ
り、10/gを超えると、他の種の菌との共存での増
殖の限界になる。
以上のように、本発明の汚水処理剤では、これらの8種
の菌を混入し、総合的にバランスの取れたトイレ汚物の
分解を志向するものである。そして、以上の8種の菌
は、各々の機能を果たすことによって、トイレ汚物を分
解し、汚水処理場の活性汚泥の主要構成物質と略同じ物
質に変化させることができるために、汚水処理場の機能
を低下させずに、汚水処理機能を維持することができ
る。また、同時に生成する芳香を有する香料成分のため
にトイレや処理場の悪臭をマスク減少させることができ
る。
また、本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤に用い
るバチルス(Bacillus)属は、特に、バチルス・ズブチル
ス(B.subtilis)[IAM(Institute of Applied Microbiolo
gy;東京大学応用微生物研究所 有用菌株保存施設の略
称;以下同様にこの略称で示す)1168]が好適であるが、
この他に、バチルス・ナットウ(B.natto)[IFO(Institut
e for Fermentation Osaka:財団法人発酵研究所:の略
称;以下同様にこの略称で示す)3009]菌、バチルス・
コアギュンラス(B.coagulans)[IAM 1115]、バチルス・
マセランス(B.macerans)[IAM 1243]を併用してもよい。
ストレプトコッカス(Streptococcus)属の菌としては、
何でも良いが、ストレプトコッカス・ファカリス(S.fae
calis)[IAM 1119]、ストレプトコッカス・クレモリス
(S.cremoris)[IAM 1150]及びラクチス(S.lactis)[IAM 1
198]などを用いることができる。
また腸内細菌科として知られるエンテロバクター(Enter
obacter)属の菌としては、エンテロバクター・サカザキ
(E.sakazakii)[IAM 12660]、エンテロバクター・アグロ
メランス(E.agglomerans)[IAM 12659]、エンテロバクタ
ー・アエロゲネス(E.aerogenes)[IAM 1183及び12348]な
どを用いることができる。
また、カビの1種のリゾープス(Rhizopus)属の菌として
は、リゾープス・フォルモサエンシス(Rhizopus formos
aensis)[IAM 6250]、リゾープス・オリザエ(Rhizopus o
ryzae)[IAM 6006]、リゾープス・シュードシネンシス(R
hizopus pseudochinensis)[IAM 6042]などを用いること
ができる。
そして、ニトロソモナス(Nitrosomonas)属の菌として
は、ニトロソモナス・ユーロバエア(N.europae)[IFO 14
298]などを用いることができる。
ニトロバクター(Nitrobacter)属の菌としては、ニトロ
バクター・アギリス(N.agilis)[IFO 14297]などを用い
ることができる。
シュードモナス(Pseudomonas)属の菌としては、シュー
ドモナス・アエルギノサ(P.aeruginosa)[IFO 3080]、シ
ュードモナス・キャリオフィリ(P.caryophilli)[IFO 12
950]、シュードモナス・スチュトセリ(P.stutzeri)[IFO
3773]を用いることができる。
そしてセルロモナス(Cellulomonas)属の菌としては、セ
ルロモナス・ビアゾテア(C.biazotea)[IFO 12680]、セ
ルロモナス・セラセア(C.cellasea)[IFO 3753]、セルロ
モナス・ウダ(C.Uda)[IFO 3747]などを用いることがで
きる。
また、本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤に用い
る色素成分は、トイレ汚水にクリーン性を与えるため青
色が好ましく、有機質染料であれば、酸性染料、塩基性
染料、直接染料などどれでも良く、特に、食品添加用着
色料である青色1号や青色2号が好適であり、また、メ
チレンブルーなども使用できる。具体的には、ダイワ化
成製の青色1号、青色2号や保土ケ谷化学製のメチレン
ブルーなどを用いることができる。
更に、本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤では、
高価な香料成分を配合させない芳香を発する香気(芳
香)成分を生成させることができる。即ち、清涼飲料水
と乳酸発酵製品を添加して、それを上記の微生物の作用
で分解せしめて、芳香を有する物質を発生せしめて、以
上の香料成分の配合割合を減らすものである。添加すべ
き清涼飲料水としては、罐や紙パックに入った、そして
糖類含有ジュースなどを用いることができる。そして、
乳酸発酵製品としては、罐や紙パック入りの市販のもの
で糖類を配合したものなら何でもよい。
[作用] 本発明のトイレ用微生物ベースの速効性汚水処理剤の汚
水処理のメカニズムは次のようなものと考えられる。
即ち、バチルス(Bacillus)属の菌が、トイレ汚水中の悪
臭を発する主に澱粉質や蛋白質など有機物を分解し、そ
の分解により生成した糖類、炭化水素をストレプトコッ
カス(Streptococcus)属菌体やエンテロバクター(Entero
bacter)属菌体及びリゾープス(Rhizopus)属菌体が急速
に更に分解し、発酵を促進し、悪臭物質を取り除くもの
である。そして、バチルス(Bacillus)属菌体、ストレプ
トコッカス(Streptococcus)属菌体、エンテロバクター
(Enterobacter)属菌体及びリゾープス(Rhizopus)属菌体
は、トイレ汚物を分解すると同時に、本発明によって特
別に添加された安価な清涼飲料水や乳酸発酵製品中の糖
質分や果汁成分を分解するので、実際に、トイレに添加
すると、次第に、この芳香を有する生物物質の匂いが発
生し、クリーン性が増大する。
また、本発明により利用されるニトロソモナス(Nitroso
monas)属菌体、ニトロバクター(Nitrobacter)属菌体、
シュードモナス(Pseudomonas)属菌体は、トイレ汚物中
に多量に発生するアンモニアの分解に寄与するもので、
ニトロソモナス属菌体は、アンモニア→NOにし、ニ
トロバクター属菌体は、NO→NOにし、シュード
モナス属菌体は、NO→Nにし、これらの3つの属
菌体でアンモニアの悪臭の問題を解決できたものであ
る。
そして、セルロモナス(Cellulomonas)属菌体により、ト
イレ汚物中に有るセルロース成分や、多量に使用される
紙を一部分解し、汚水処理場での最終処理を容易にする
ことができた。
本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤は、バチルス
(Bacillus)属の菌体を1011〜1014/gとかなり多く
含有するために、トイレ汚水中の悪臭を発する有機物汚
物を短時間で分解し、分解により生成した糖類や炭化水
素をストレプトコッカス(Streptococcus)属の微生物と
エンテロバクター(Enterobacter)属微生物により分解・
発酵させることができ、また、その分解物の一部は、芳
香を有することがあるものである。更に、本発明の汚水
処理剤では、リゾープス(Rhizopus)属の菌を含有し、こ
れは、澱粉質汚物を短時間に分解することができるもの
である。
本発明の汚水処理剤は、次のようにして製造できる。即
ち、上記の微生物成分(微生物+培地+担体)に水を加
えて、24〜48時間、25〜28℃で混合し、真空乾
燥機やスプレードライヤーなどを用いて最終的な水分が
5〜6%になるまで乾燥し粉末化した。その後、このよ
うにして製造した乾燥微生物成分に、色素成分、清涼飲
料水や乳酸発酵製品を所定量混合し、本発明の汚水処理
剤が製造される。
次に、本発明の汚水処理剤の使用法について説明する
と、本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤を車両ト
イレに添加しておき、例えば1日間走行後に車両に貯っ
たトイレ汚物を抜き取り、汚水処理場に送る場合につい
て、説明すると、次のようになる。先ず、汚水に添加し
た初期の段階でも、微生物の活性が高く、悪臭を生じな
いようにできる。このように本発明の汚水処理剤は、車
両トイレをクリーン化することができる。
本発明の汚水処理剤に含有するエンテロバクター(Enter
obacter)属菌体は、分解、発酵の際に、黄色い色素を分
泌することがあり、処理汚水の清浄性(クリーン性)を
保持させるために、添加した青色色素により、その黄色
を弱めることができ、その効果が弱まると、青色からや
や緑色に変色するが、クリーン性は低下しない。車両汚
物に使用した場合、汚物を1日毎に抜き取り、汚水処理
場で活性汚泥と混合処理する際には、多量の微生物が活
性汚泥中に混入し、活性汚泥中の原生動物を活性化さ
せ、悪臭や汚物を完全に分解発酵するとともに色素成分
をも分解するために汚水処理場からの排水を清浄化する
ことができる。
従って、本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤を車
両トイレ中に添加することにより、走行中の車両トイレ
をクリーン化し、そして、無臭化し、短時間周期の場合
でも、また、汚水処理場から排出する排水に対しても無
色、無臭化するという効果が期待できるものである。
本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤は、特に、速
効性があり、短時間で処理する車両用トイレに適するも
のであるが、更に、小型トイレ、仮設トイレ、持ち運び
用トイレにも好適である。
次に、本発明のトイレ用微生物ベース汚水処理剤につい
て具体例により説明するが、本発明は、次の実施例に限
定されるものではない。
[実施例] 微生物は12種とし、バチルス(Bacillus)属のバチルス
・ズブチルス(B.subtilis)[IAM 1168]菌を2×1011
g、バチルス・コアギュランス(B.coagulans)[IAM 111
5]菌を2×1011/g、ストレプトコッカス(Streptoco
ccus)属のストレプトコッカス・ファカリス(S.faecali
s)[IAM 1119]菌を4×10/g、エンテロバクター(E
nterobacter)属のエンテロバクター・サカザキ(E.sakaz
akii)[IAM 12660]菌を3×10/g、エンテロバクタ
ー・アグロメランス(E.agglomerans)[IAM 12659]菌を4
×10/g及びリゾープス(Rhizopus)属のリゾープス
・フォルモサエンシス(R.formosaensis)[IAM 6250]菌を
6×10/g、ニトロソモナス(Nitrosomonas)属のニ
トロソモナス・ユーロパエア(N.europaea)[IFO 14298]
菌体を7×10/g、ニトロバクター(Nitrobacter)
属のニトロバクター・アギリス(N.agilis)[IFO 14297]
菌体を8×10/g、シュードモナス(Pseudomonas)
属のシュードモナス・アエルギノサ(P.aeruginosa)[IFO
3080]菌体を2×10/g、シュードモナス・キャリ
オフィリ(P.caryophilli)[IFO 12950]を4×10
g、シュードモナス・スチュトセリ(P.stutzeri)[IFO 3
773]を2×10/g及びセルロモナス(Cellulomonas)
属のセルロモナス・ビアゾテア(C.biazotea)[IFO 1268
0]菌体を2×10/gの割合を配合した微生物成分を
60重量部、大豆かす25重量部、酵母エキス5重量
部、麦芽エキス15重量部、炭酸カルシウム25重量部
及び水1000重量部を計量配合し、25℃で48時間
混合しながら培養した後に、真空乾燥機及びスプレード
ライヤにより、最終水分が6〜4重量%になるまで乾燥
し、粉末化したものを得た。
この粉末体には、バチルス属の菌が、7×1013/g、
ストレプトコッカス属の菌が、4×1011/g、エンテ
ロバクター属の菌が、4×1011/g及びリゾープス属
の菌が、7×1010/g、ニトロソモナス(Nitrosomona
s)属の菌が、2×10/g、ニトロバクター(Nitroba
cter)属の菌が、4×10/g、シュードモナス(Pseu
domonas)属の菌が、7×10/g及びセルロモナス(C
ellulomonas)属の菌が、4×10/gが存在してい
た。
この微生物成分100重量部に対して、色素成分として
ダイワ化成製の青色2号を1.0重量部、乳酸発酵製品
として森永乳業製のヨーグルトタイプのドリンク“ワン
ショット”を15重量部の割合で配合し、均一に混合し
て、微生物ベースの汚水処理剤とした。
このようにして得られた微生物ベースの汚水処理剤につ
いて、次の試験を行なった。
即ち、電車のトイレを想定し、最初の張込水100重量
部に対し、前記の微生物ベース汚水処理剤を0.7重量
部添加し、電車のトイレを4日間使用することを仮定し
て人間の尿と大便を19:1の重量割合で混合した汚水
を50重量部ずつ、1日毎に4回、合計200重量部添
加し、その間、30℃に保持し、振とうを続け、1日毎
の色相と臭気について観察した。
その結果、トイレ汚水は、4日間にわたり青色〜緑色の
クリーンな色相を示すと同時に快い芳香が持続した。
その後、汚水処理場での最終処理を想定し、活性汚泥1
重量部に対し、試験後に残った汚水溶液を1重量部混合
し、6時間エアレーション処理を行なったところ、色相
も消え、活性汚泥特有の悪臭も消失した。次に本発明の
トイレ用微生物ベースの汚水処理剤を使用した場合と使
用しない場合を比較した結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の微生物ベース汚水処理剤は、とかく悪臭を発生
し易いトイレ汚物の処理剤として、8種の属の微生物を
添加し、充分な分解を期し、その微生物の作用により分
解されて生成する芳香を有する香料成分の原料として、
清涼飲料水や乳酸発酵製品を添加した効果として、 第1に、前記の如く、微生物菌数が多いために、トイレ
汚水中の悪臭を発する有機物汚物が短時間で充分に分解
できる汚水処理剤を提供できること、 第2に、初期の段階における臭気を事実上弱くでき、時
間経過後は芳香を有する物質を発生せしめる処理剤を提
供できること、 第3に、走行中の車両トイレのクリーン度を高めること
ができ、同時に、芳香を有する物質を発生せしめ、芳香
付与により、悪臭を弱めることができる新規な処理剤を
提供すること、 第4に、微生物の種類及び菌数を工夫したため、例え
ば、微生物の菌数が多く、悪臭源の有機物を短時間に分
解し、更に菌種の組合わせによって、特に急速に分解で
きる汚水処理剤を提供するなどの技術的効果が得られ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物、培地、担体から構成される微生物
    成分100重量部に対し、色素成分を0.5〜2.0重
    量部、清涼飲料水10〜40重量部及び乳酸発酵製品1
    0〜40重量部を配合することを特徴とする微生物ベー
    スの汚水処理剤。
  2. 【請求項2】請求項第1項の微生物成分は、その中の微
    生物が4種以上から構成され、該微生物成分1gに対す
    る菌数が、バチルス(Bacillus)属の菌1011〜1014
    g、ストレプトコッカス(Streptococcus)属の菌10
    〜1013/g、エンテロバクター(Enterobacter)属の菌
    10〜1013/g、リゾープス(Rhizopus)属の菌10
    〜1012/g、ニトロソモナス(Nitrosomonas)属の菌
    10〜10/g、ニトロバクター(Nitrobacter)属
    の菌10〜10/g、シュードモナス(Pseudomona
    s)属の菌10〜10/g、セルロモナス(Cellulomo
    nas)属の菌10〜10/gであることを特徴とする
    請求項第1項記載の微生物ベースの汚水処理剤。
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