JPH0655277A - 鋼材とアルミニウム系材料の接合方法 - Google Patents

鋼材とアルミニウム系材料の接合方法

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JPH0655277A
JPH0655277A JP3298008A JP29800891A JPH0655277A JP H0655277 A JPH0655277 A JP H0655277A JP 3298008 A JP3298008 A JP 3298008A JP 29800891 A JP29800891 A JP 29800891A JP H0655277 A JPH0655277 A JP H0655277A
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Shoji Inoue
正二 井上
Katsuhiko Fukumura
勝彦 福村
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼材とアルミニウム系材料とを、高い継ぎ手
強度でウェルドボンド法により接合する。 【構成】 一方の被接合材料である鋼板の接合面に、厚
さ2〜20μmのアルミ又はアルミ合金をコーティング
し、加熱硬化型エポキシ系等の接着剤を塗布する。この
鋼材をアルミニウム系材料と重ね合わせてスポット溶接
した後、接着剤の硬化により鋼材とアルミニウム系材料
とを一体化する。 【効果】 スポット溶接部に硬質で凹凸のある合金層が
形成されるため、溶接強度が高くなり、接着剤が硬化す
るまでに加えられる応力に耐える継ぎ手が得られる。ま
た、Zn系材料をコーティングした場合に比較して、接
着強度自体も高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材とアルミニウム系
材料とをウェルドボンド法により接合する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スポット溶接に代表される抵抗溶接法
は、生産性に優れた溶接方法であり、自動車産業を始め
として各種の産業において多用されている。特にスポッ
ト溶接及び接着を併用したウェルドボンド法は、接着だ
けの接合に比較して、製造工程が合理化できること、衝
撃強度,高温強度,耐クリープ性等が改善された接合部
が形成されること等の利点をもっている。また、スポッ
ト溶接だけの接合に比べ、疲労特性,剛性等が改善され
ること、接合部にシール性が付与されることに起因して
耐食性が向上すること等の利点をもっている。このよう
な長所を活かし、自動車の製造工程にウェルドボンド法
を適用するケースが増加している。
【0003】また、最近では自動車の燃費向上を目的と
して、車体の軽量化が盛んに検討されている。この点、
鋼材の一部をアルミニウム,アルミニウム合金等のアル
ミニウム系材料に置き換えることが有効な手段とされて
いる。鋼材の一部をアルミニウム系材料で置き換える
際、鋼材及びアルミニウム系材料を組み合わせた構造体
となる。そこで、鋼材とアルミニウム系材料とを効率良
く、且つ高強度で接合することが要求される。ウェルド
ボンド法は、前に掲げた長所をもっていることから、こ
の要求に応え、鋼材とアルミニウム系材料との接合方法
として有力な手段であると考えられる。
【0004】ウェルドボンドにおいては、通常、接合さ
れる面への接着剤の塗布、重ね合わせ、スポット溶接、
接着剤の硬化等の工程を経て被接合材料が接合される。
したがって、被接合材料は、接着剤が硬化するまでの
間、スポット溶接部のみで固定されている。しかも、接
合部には、接着剤を硬化させるために被接合材料を加熱
したとき被接合材料の熱膨張率の差に起因した熱応力
等、接着剤が硬化するまでに種々の応力が加わる。その
ため、スポット溶接で形成される接合部は、これら応力
に十分耐える強度をもつことが必要とされる。更に、ウ
ェルドボンド接合部の衝撃強度や高温強度等がスポット
溶接の強度に影響されるため、スポット溶接自体にも高
い強度が必要となる。
【0005】スポット溶接においては、被接合材料を重
ね合わせた状態で高い電流を供給し、発生するジュール
熱によって接合面を加熱し、加圧力を加えることにより
被接合材料を接合する。しかし、鋼材とアルミニウム系
材料との接合のように異種材料をスポット溶接する場
合、被接合材料の融点,熱伝導率,抵抗等の物性値が相
互に大きく異なる。そのため、異種材料の間に強固な接
合部をスポット溶接で形成することは困難である。
【0006】たとえば、アルミニウム系材料側の接合界
面近傍が融点以上に加熱されても、鋼材の融点がアルミ
ニウム系材料の融点より遥かに高いため、鋼材側の接合
界面近傍は融点以下の温度となっている。その結果、同
種材料のスポット溶接で通常形成されるナゲットは、鋼
材とアルミニウム系材料との間の接合界面に形成されな
い。逆に、電流を増加させて鋼材側の接合界面を融点以
上に加熱すると、アルミニウム系材料が過度に加熱され
る。そして、溶融したアルミニウムの飛散が激しくな
り、溶接強度が却って低下する。
【0007】このような欠陥発生を抑えながらスポット
溶接性を改善する方法として、特開昭56−11788
8号公報、特開昭63−230271号公報では、接合
界面に適宜のインサート材を介在させた状態で、鋼材と
アルミニウム系材料とをスポット溶接することが提案さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】インサート材の使用を
ウェルドボンド法に適用した場合、高価なアルミニウム
薄板を別途用意することが必要になり、その分だけ製造
コストが嵩む。また、溶接時にインサート材を鋼材とア
ルミニウム系材料との間に介装させることから、手数が
かかる溶接法となり、生産性が低下する。更に、鋼材と
インサート材との間及びインサート材とアルミニウム系
材料との間に接着剤を塗布する必要があるため、従来に
比べ、接着剤の使用量及び塗布作業に必要な時間が大き
く増加する。
【0009】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、一方の被接合材料である鋼材にア
ルミニウム又はアルミニウム合金のめっき層を形成する
ことにより、インサートの使用を省略し、強度的に優れ
た接合部を介し鋼材とアルミニウム系材料とを容易に接
合することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の接合方法は、そ
の目的を達成するため、アルミニウム系材料に接する鋼
材の表面にアルミニウム又はアルミニウム合金を2〜2
0μmの厚さでコーティングした後、接着剤を接合面に
塗布し、前記鋼材を前記アルミニウム系材料と重ね合わ
せてスポット溶接し、次いで前記接着剤を硬化させるこ
とを特徴とする。
【0011】一方の被溶接材料である鋼材としては、軟
鋼,低合金鋼,ステンレス鋼等がある。他方のアルミニ
ウム系材料としては、純Al,Al−Mg合金,Al−
Si合金等の各種Al合金がある。また、被接合材料の
形状も、板状に限らず、パイプ状に加工したもの,プレ
ス加工や曲げ加工したもの,これらを組み合わせて構造
体としたもの等がある。
【0012】鋼材の表面には、Al又はAl合金のコー
ティングが施される。Al合金としては、Al−Si合
金,Al−Zn合金等がある。コーティングは、めっ
き、溶射、蒸着、クラッド等の手段により形成される。
数μm程度の厚みをもつコーティングで十分な効果が発
揮されることから、一般的にはめっき法が経済的に優れ
た手段である。しかし、これに拘束されることなく、他
の手段を採用することもできる。
【0013】コーティングされる箇所は、アルミニウム
系材料に接合される鋼材の表面部分だけで十分である。
しかし、めっき等のように鋼材全面を処理する方が効率
的な場合、全面にコーティングが施された鋼材を被接合
材料として使用することもできる。この場合、接合部以
外の鋼材の表面がコーティング層で覆われているため、
接合された構造体の耐食性が向上する。
【0014】コーティングが施された鋼板又はアルミニ
ウム系材料の接合しようとする表面部分に、接着剤を塗
布する。なお、接着剤は、鋼材及びアルミニウム系材料
双方の接合表面部分に塗布しても良い。接着剤として
は、航空機,自動車,電気電子関係,土木建築分野等で
広く使用されているエポキシ樹脂系接着剤が使用され
る。エポキシ樹脂系接着剤は、一般にエポキシ樹脂,硬
化剤,充填剤,変性剤等を配合して製造されている。本
発明で使用する接着剤においては、接合強度,耐久性,
コスト等の要求特性に応じ、各成分及びその配合比率を
適時選択する。また、使用可能な接着剤としては、要求
特性を満足するものである限り特に材質が制約されるも
のではなく、エポキシ樹脂系の他に変性アクリル系,ポ
リウレタン系等がある。
【0015】接着剤の厚みは、要求特性に応じて任意に
選定される。一般的には、接着剤を厚く塗布しても、あ
る値以上では強度の増加がみられず、却ってコストが嵩
むことになる。しかし、接着剤を過度に薄くすると、均
一な塗布が困難となり、接着剤が塗布されていない表面
部分が生じる可能性が高くなる。そこで、実用的には、
接着剤の厚みを0.1〜0.5mmの範囲にする。
【0016】スポット溶接は、溶接電流,通電時間,加
圧力,電極形状の条件を適宜選択して実施する。溶接用
電源としては、単相交流型、3相整流型、直流型、コン
デンサー型等から任意のタイプが選択される。
【0017】スポット溶接後、接着剤を硬化させる。こ
のときの条件としては、接着剤の硬化特性を基に選定す
る。たとえば、熱硬化型接着剤を使用した場合、炉,高
周波加熱等において溶接した材料を加熱することによっ
て、硬化反応を行わせることができる。また、溶接した
材料に対して後続工程で焼付け塗装が施される場合、塗
装時の加熱を接着剤の硬化反応に利用してもよい。
【0018】
【作用】本発明者等は、鋼材及びアルミニウム系材料を
ウェルドボンド法により接合する際の接合強度に及ぼす
コーティング層の影響について調査・研究し、次の結果
を得た。
【0019】一方の被接合材料であるアルミニウム系材
料として、板厚1.0mmのAl−Mg合金5052を
使用した。他方の被接合材料である鋼材には、次の3種
類の鋼板を使用した。なお、試験片は何れも40×15
0mmの大きさとした。 板厚0.8mmの冷延鋼板, 同じ冷延鋼板の表面にAl−9%Si合金を7μm
の厚さで溶融めっきしたもの 同じ冷延鋼板の表面にZnを7μmの厚さで溶融め
っきした後、合金化処理し、コーティング層をZn−1
0%Feの組成にしたもの
【0020】接着剤として一液加熱硬化型エポキシ系接
着剤を用い、接着剤厚さが0.2mmになるように鋼板
試験片の端部に接着剤を塗布した。その後、図1に示す
ように、鋼板10又はめっき層11,12が形成された
鋼板10を、接着剤30を塗布した表面がアルミ合金板
20側に位置するように、重ね代L=25mmでアルミ
合金板20に重ね合わせた。このサンプルを、単相交流
型のスポット溶接機を用い、加圧力2450N、溶接電
流11KA、通電時間12サイクル(60HZ)の条件
下で、重ね合わせた中央を溶接した。溶接電極40,4
5としては、先端径が4.5mmのCF型を使用した。
【0021】溶接後の試験片を電気炉に装入して170
℃に25分間加熱することにより、接着剤30を硬化さ
せた。また、比較のために同じ形状の試験片を用い、ス
ポット溶接だけを行った場合と、接着だけを行った場合
の接合材サンプルをそれぞれ作成した。
【0022】接合サンプルに対し5mm/分の速度で引
張り試験を行い、破断する際の最大荷重を求めた。この
ときの試験結果を、図2に示す。鋼板表面にAl−Si
合金をコーティングしたものでは、アルミ合金母材で破
断し、高い強度が得られた。一方、Zn−Fe系合金を
コーティングしたものでは、接合部で破断し、Al−S
i合金コーティングに比較して強度が低下していた。他
方、スポット溶接或いは接着のみによる接合サンプルに
ついて、強度を測定した。この場合にも、何れも鋼板表
面にAl−Si合金をコーティングした方が、Zn−F
e合金をコーティングしたものよりも高い強度が得られ
た。
【0023】次に、スポット溶接及び接着における接合
状況を観察した。スポット溶接部を観察したところ、何
れの組合せにおいても、通常同じ材料同士を溶接した際
に生じるナゲットが形成されておらず、接合が界面の微
小領域における金属間の反応によるものであることが判
った。
【0024】また、接合された界面の状態を詳細に調査
するため、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。観
察結果を図3に示す。図3から明らかなように、アルミ
合金板とAl−Si合金をコーティングした鋼板との間
の接合界面には、微少な凹凸の合金相が形成されている
ことが判る。これに対し、アルミ合金板とZn−10%
Feをコーティングした鋼板及び冷延鋼板のままとの接
合界面には、平坦な合金相が形成されていた。
【0025】更に、接合界面に形成された合金相を電子
線マイクロアナライザー(EPMA)で線分析した。分
析結果を図4に示す。何れの組合せにおいても、接合界
面にFeとAlとの合金相が形成されていることが判
る。また、Zn−10%Feをコーテイングした鋼板と
アルミ合金板との間に形成された合金相からは、Fe及
びAlに加えZnが高い濃度で検出された。
【0026】形成された各合金相のビッカース硬度を測
定し、測定結果を表1に示した。表1から明らかなよう
に、Al−Si合金をコーティングした鋼板とアルミ合
金板との間に形成された合金相が最も高い硬度をもって
いる。
【0027】
【表1】
【0028】以上の結果から、接合界面に形成された合
金相は、スポット溶接部の継手強度を確保する作用を呈
するものと考えられる。そして、Al−Si合金をコー
ティングした鋼板との間に形成された合金相は、硬質で
あることから高い強度を示すものと推察される。しか
も、この合金相は、凹凸状になっているため、いわゆる
アンカー効果を発揮し、継手強度を更に高める働きをす
ると考えられる。
【0029】この硬くて凹凸のある合金相を形成するた
めには、Al或いはAl合金のコーティングを2〜20
μmの厚みで設けることが必要である。厚さが20μm
以上を超えると、均一な合金相が形成されず、強度の低
下やバラツキが多くなる。
【0030】次に、接着部を強制的に剥離し、Al合金
板側の剥離面における元素分析をEPMAにより行っ
た。分析結果を図5に示す。Al−Si合金をコーティ
ングした鋼板に接合されたアルミ合金板の接着面は、凹
凸のある破面形態を呈し、Al及び接着剤の成分である
炭素が検出された。一方、Zn−Feをコーティングし
た鋼板に接合されたアルミ合金板の接着面は、平坦な形
態を呈し、Zn及びFeが検出された。
【0031】そこで、破断形態を模式すると図6のよう
になる。すなわち、Al−Si合金をコーテイングした
鋼板とアルミ合金板との接着部では、図6(a)に示す
ように、接着層内部の凝集破壊が主体である。他方、Z
n−Feをコーティングした鋼板とアルミ合金板との接
着部では、コーテイング層内部の凝集破壊に代えてコー
ティング層と鋼板との間の界面における破断が主体とな
る。また、表面にコーティングを施さない無垢の冷延鋼
板とアルミ合金板との接着部では、接着剤と鋼板の界面
での破断が主体であった。
【0032】以上の結果から、表面にAl又はAl合金
を2〜20μmの厚みでコーティングした鋼板をウェル
ドボンドによりアルミ合金板に接合するとき、スポット
溶接及び接着によって得られた接合部が高い強度を示す
ことが判る。特に、スポット溶接で形成された接合部
は、接着剤の硬化までに加えられる様々な応力に対して
抵抗力が高く、接着剤硬化後においても引張り強さのみ
ならず、衝撃強度や高温強度の面からも優れた特性を示
す。
【0033】
【実施例】
−実施例1− 一方の被接合材として、次の5種の鋼板を用意した。 板厚0.8mmの冷延鋼板 同じ冷延鋼板を溶融めっきし、両面に厚さ7μmの
Al−9%Siめっき層を形成した溶融アルミ合金めっ
き鋼板 溶融めつき後に合金化処理することにより、同じ冷
延鋼板の両面にZn−10%Fe合金めっき層を形成し
た溶融亜鉛合金めっき鋼板 同じ冷延鋼板を電気めっきし、両面に厚さ3μmの
Alめっき層を形成した電気アルミめっき鋼板 同じ冷延鋼板を電気めっきし、両面に厚さ3μmの
Znめっき層が形成された電気亜鉛めっき鋼板 他方の被接合材料として、厚さ1.0mmのAl−Mg
合金5052(H34)の板材を用意した。
【0034】各板材から、大きさ40mm×150mm
の試験片を切り出した。そして、接合後の接着剤厚さが
0.3mmとなるように一液加熱硬化型エポキシ系接着
剤を双方の被接合材の接合面に塗布し、接合部の重ね代
25mmで鋼板試験片をアルミ合金試験片に重ね合わせ
た。
【0035】単相交流型スポット溶接機を用いて、試験
片が重ね合わせられた中央部を溶接した。溶接条件は、
先端径が4.5mmのCF型電極を使用し、加圧力25
0kgf,溶接電流11KA,通電時間12サイクル
(60HZ)とした。そして、溶接された試験片を電気
炉に装入し、170℃で25分間加熱する熱処理を行っ
た。これにより、鋼材とアルミ合金板との間にある接着
剤を加熱硬化させた。
【0036】得られた継手の引張り剪断強さを、材料温
度が20℃と120℃の場合について調査した。結果を
表2に示す。また、アルミ合金板同士を接合した場合の
引張り剪断強さを、比較例として表2に併せて示した。
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかなように、Al又はAl−
Si合金をめつきした鋼板では、20℃及び120℃に
おいて、Al合金同士を接合した場合にほぼ匹敵する引
張り剪断強さが得られた。これに対し、Zn又はZn−
10%Fe合金をめつきした鋼板では、20℃で740
0N以下、120℃で3100N以下の低い引張り剪断
強さ、すなわち本発明例に比較して20℃で1000N
以上、120℃で500N以上も低い値を示した。
【0039】−実施例2− 板厚0.8mmの冷延鋼板を溶融めっきし、両面に厚さ
10μm,20μm及び25μmのAlめっき層をそれ
ぞれ形成した。また、同じ冷延鋼板を電気めっきし、両
面に厚さ1μm,2μm及び3μmのAlめっき層をそ
れぞれ形成した。他方、アルミニウム合金板として厚さ
1.0mmのAl−Mg合金5052(H34)を準備
した。各板材から、大きさ40×150mmの試験片を
切り出した。
【0040】アルミめっき鋼板側及びAl合金板側の接
合面に、接合後の接着剤厚さが0.3mmとなるよう一
液加熱硬化型エポキシ系接着剤を塗布した。そして、接
合部の重ね代を25mmとし、アルミめっき鋼板とアル
ミ合金板とを重ね合わせた。重ね合わせた中央部を、単
相交流型スポット溶接機を用いて溶接した。溶接条件
は、加圧力2450N,溶接電流11KA及び通電時間
12サイクル(60HZ)とし、先端径が4.5mmの
CF型電極を使用した。溶接後は、電気炉中で170℃
で25分間の熱処理を行い、接着剤を硬化させた。
【0041】得られた継手の引張り剪断強さを、材料温
度が20℃と120℃の場合について調査した。結果を
表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなように、20℃で評価し
た引張り剪断強さの値に、めっき厚さに起因する大きな
差がみられなかった。しかし、120℃で評価した引張
り剪断強さの値には、厚さ1μm及び25μmのアルミ
めっき層を設けた鋼材では、厚さ2〜20μmのアルミ
めっき層を有する鋼材に比べて500N以上低い値を示
した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、鋼材とアルミニウム系材料をウェルドボンド法によ
り接合するに当り、アルミニウム系材料に接する側の鋼
材表面にAl又はAl合金を2〜20μmの厚みでコー
テイングしている。このコーテイング層は、スポット溶
接する際、接合界面に硬くて凹凸のあるAl−Feの合
金相を形成する作用を呈する。その結果、高いスポット
溶接強度をもった接合部が鋼材とアルミニウム系材料と
の間に形成される。また、得られた接合部は、常温にお
ける強度のみならず、120℃程度の高温においても高
い強度を示す。このようにして、軽量性が要求される部
分及び構造強度が要求される部分をそれぞれアルミニウ
ム系材料及び鋼材で作り、しかも両材料が強固に接合さ
れた構造体が得られる。このことから、本発明の接合方
法は、自動車組み立て工程を始めとして各種産業におい
て利用され、その工業価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った接合状態を示す図。
【図2】 コーティングの種類が継手強度に及ぼす影響
を示したグラフ
【図3】 スポット溶接部の接合界面をSEMにより観
察した写真
【図4】 スポット溶接部の接合界面をEPMAにより
元素分析した結果を示したグラフ
【図5】 接着部を剥離させたアルミ合金側の剥離面を
EPMAにより元素分析した写真
【図6】 めっき層の種類に応じた接着部の剥離形態の
差を表す模式図
【符号の説明】
10 鋼板 11,12 めっき層 20 アル
ミ合金板 30 接着剤 40,45 溶接電極 L 重ね代
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 103:20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム系材料に接する鋼材の表面
    にアルミニウム又はアルミニウム合金を2〜20μmの
    厚さでコーティングした後、接着剤を接合面に塗布し、
    前記鋼材を前記アルミニウム系材料と重ね合わせてスポ
    ット溶接し、次いで前記接着剤を硬化させることを特徴
    とする鋼材とアルミニウム系材料の接合方法。
JP3298008A 1991-10-18 1991-10-18 鋼材とアルミニウム系材料の接合方法 Withdrawn JPH0655277A (ja)

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