JPH0654660U - 表面欠陥発生防止パイリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速のコンベヤベルトにて搬送されるシート
材を連続的に積み重ねるパイリング装置において、生産
低下を起こさない表面欠陥発生防止パイリング装置を得
る。 【構成】 コンベヤベルト５上に設けられた支点軸７に
螺合し支点軸７の回転で軸上を平行移動する対の腕桿８
と、この腕桿８の一方の端にシート押えロール３を挟持
し、他方の端に腕桿８の長さ方向に平行移動可能にバラ
ンスウエイト９を挟持したシート押え装置を備え、更に
はこのシート押えロール３シートを適性硬度の弾性材と
し、又この外周に三角形断面を有する突起条を２条以上
設けたもので、ハンドル９ａ，７ａを操作してシート押
えロール３の押圧力と押圧位置を調整する。 【効果】 シート押えロールの押圧力と押圧位置を常に
適正に保つことにより、シート材の表面に欠陥を生じる
ことなく、パイリング作業を進めることが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鋼帯を高速でスクエァーシートに剪断した後、これをコンベヤベルト にて連続的に搬送しながら積み重ねるパイリング装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４は例えばコイル状に巻いた冷延鋼帯又は鍍金された冷延鋼帯を巻き戻しな がら剪断ラインに送り込み、一定の長さに剪断してシート材とした後、これをベ ルトコンベヤで搬送しながらパイリング装置によりパイラに積み重ねるシート搬 送ラインの構成を示す側面図である。

【０００３】 図において、１はシート材、２はコンベヤローラ、４はラッピングロール、５ はコンベヤベルト、６はパイラである。図にて明らかな様に、一定の長さに剪断 されたシート材１はベルトコンベヤ上を矢印Ａに示すように搬送され、必要箇所 で矢印Ｂに示すように下降し、コンベヤ乗り継ぎ部でラッピングロール４によっ て撥ね上げられて先行するシート材１に前部をラップさせ、ラップ状態でコンベ ヤベルト５上を搬送され、最終点のパイラ６に連続的に積み重ねられる様になっ ている。

【０００４】 この場合１００ｍ／ｍｉｎを超える高速でシート材１が搬送されるようなると 、コンベヤ乗り継ぎ部でシート材１が浮き上がって空中を飛ぶようになり、ラッ プしたシート材１が蛇行を起こし、ラップしたシート材面に滑りを生じて表面に キズがついたり、更には又シート材１の蛇行を矯正のためラインを停止しなけれ ばならないような問題が生じることがある。

【０００５】 これらの問題点の解決策として従来から次のような方法が採られている。 （１）ラッピングロール４コンベヤ乗り継ぎ部のコンベヤベルト５の水平部を長 くし、シート材１のラップする時の角度、送り速度を緩やかにする。 （２）コンベヤベルト５を長く出来ない様な場合、シート材１のラッピング部の 曲がりによって生じる蛇行防止のため、図５に示すようにラッピングロール４か らシート材１が乗り継ぎするコンベヤベルト５の上に押えロール３を設ける。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような種々の対策がとられてきたが、この場合にも次のような問題が生 じる。 （１）の場合、シート材１の送りの速度を緩やかにすれば、剪断作業を断続する ようになり大幅な生産低下を起こす。 （２）の場合、従来の押えロール３はシート材１との間の摩擦係数が大きいため シート材１の表面に擦り傷を生じたり、又はラップ面を押えロール３で押圧する ようになるためシート材１の幅方向に押し傷を生じ、この部分が塗装などの際、 黒く浮き上がり製品価値を著しく損なうことになる。

【０００７】 本考案はこれらの問題点を解決する為になされたもので、シート材の生産低下 を起こすことなく作業を進めることが出来ると共に、押えロールを使用してもシ ート材の表面に欠陥を生じることのない表面欠陥発生防止パイリング装置を得る ことを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、鋼帯をスクエァーシートに剪断し、これをコンベヤベルトにて搬送 しながら連続的に積み重ねるパイリング装置において、ラッピングロールからシ ート材が乗り継ぎするコンベヤベルト上の定位置に回転可能に設けられた支点軸 と、この支点軸に螺合し支点軸の回転によりて支点軸上を平行移動する対の腕桿 と、この対の腕桿の一方の端に挟持され両端を軸止めたシート押えロールと、他 方の端に腕桿の長さ方向に平行移動可能に挟持されたバランスウエイトとから成 るシート押え装置を備えたことを特徴とするものであって、更にはこのシート押 えロールの外周を適性な硬度の弾性材とし、又このシート押えロールの外周に三 角形断面を有する突起条を、少なくも２条以上設けたことにより、上記問題点を 解決したものである。

【０００９】

【作用】

本考案のパイリング装置のシート押えロールは、コンベヤベルト上に設けられ た支点軸を回転して腕桿をシート材幅方向に移動させることにより、シート押え ロールの押圧位置を容易に調整すると共に、バランスウエイトを腕桿の長さ方向 に平行移動させることによりシート押えロールのシート材面に対する押圧力を適 正に調節することが極めて容易である。更にシート材面にに対してロール外周面 上に設けられた突起条が接触するので、接触面積が小さい部分接触となると共に 、シート押えロールの外周を適性硬度の弾性材としたことにより柔軟な押圧が行 われる。

【００１０】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例を示すシート押え装置の平面図、図２はその側面図 であり、図３はシート押えロール本体の正面図である。図において、３はシート 押えロールであって、外周がＨＳ硬度５０〜９０のゴムの弾性材で覆われ、両端 に軸３ａを有し、ロールの外周には三角形断面を有する突起条３ｂが設けられて いる。７は架台１０によってコンベヤベルト５上の定位置に回転可能に設置され た支点軸であり、ハンドル７ａを操作することにより回転させることが可能とな っている。８は支点軸７に中央部を螺合し支点軸７の回転によりて支点軸上を平 行移動する対の腕桿であって、一方の端にシート押えロール３を軸３ａにより軸 止め挟持し、他方の端にはハンドル９ａを操作することにより腕桿８の長さ方向 に平行移動可能なバランスウエイト９を挟持している。

【００１１】 このように構成されているので、ラップ状態でコンベヤベルト５上を搬送され て来るシート材１をシート押えロール３が押さえる時、ハンドル９ａを操作して バランスウエイト９を腕桿８の長さ方向矢印Ｅ，Ｆの示すように移動させること により、シート押えロール３の押圧力を状態に合わせて適正に調節することが極 めて容易に行われる。またハンドル７ａを操作してシート押えロール３をシート 材１の幅方向矢印Ｃ，Ｄの示すように平行移動させることにより、シート押えロ ール３の押圧位置の調整も容易である。その上ロールの外周が適正硬度の弾性材 で覆われているので、複数の突起条３ｂがシート材１の表面の小部分に柔軟に接 触するようになる。

【００１２】 上記実施例では三角形断面を有する突起条の場合について述べたが、台形断面 を有する突起条の場合にも、同様の効果があることは言うまでもない。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、シート押えロールの押圧力と押圧位置を常に適 正に保つと共にシート押えロールがシート材の表面の小部分に柔軟に接触するよ うにしたことにより、高速で搬送されて来るシート材を浮き上がらせることなく 柔軟に押さえることが可能となり、シート材表面に欠陥を生じることなく、生産 低下を起こすこともなく高速且つ円滑にパイリング作業を進めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例のシート押え装置の平面図
である。

【図２】シート押え装置の側面図である。

【図３】シート押えロール本体の正面図である。

【図４】従来のシート搬送ラインの構成を示す側面図で
ある。

【図５】シート押えロールを設けた従来のシート搬送ラ
インの構成を示す側面図である。

【符号の説明】

１ シート材 ２ コンベヤローラ ３ シート押さえロール ３ａ 軸 ３ｂ 突起条 ４ ラッピングロール ５ コンベヤベルト ６ パイラ ７ 支点軸 ７ａ ハンドル ８ 腕桿 ９ バランスウエイト ９ａ ハンドル １０ 架台

フロントページの続き (72)考案者 数村 勉 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼帯をスクエァーシートに剪断し、これ
   をコンベヤベルトにて連続的に搬送して積み重ねるパイ
   リング装置において、ラッピングロールからシート材が
   乗り継ぎするコンベヤベルト上の定位置に回転可能に設
   けられた支点軸と、この支点軸に中央部を螺合し支点軸
   の回転によって支点軸上を平行移動する対の腕桿と、こ
   の対の腕桿の一方の端に挟持され回転可能に軸止めされ
   たシート押えロールと、前記支点軸を間に腕桿の他方の
   端に腕桿の長さ方向に平行移動可能に挟持されたバラン
   スウエイトとから成るシート押え装置を備えたことを特
   徴とする表面欠陥発生防止パイリング装置。
2. 【請求項２】 シート押えロールの外周が、適性硬度の
   弾性材から成ることを特徴とする請求項１記載の表面欠
   陥発生防止パイリング装置。
3. 【請求項３】 シート押えロールの外周に、三角形断面
   を有する突起条を、少なくとも２条以上設けたことを特
   徴とする請求項１記載の表面欠陥発生防止パイリング装
   置。