JPH0654578U - スプレー容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】液化ガスなどを使用せずに連続噴出でき、しか
もスプレー用の液体を入れてある容体を交換するだけで
容器本体は再使用することのできるスプレー容器を提供
する。 【構成】ノック体８を押すことにより弁が開くスプレー
用ノズル体３を有するキャップ２を上部に着脱可能に取
り付けた筒状胴体１の下部ねじ部１ｅへ、有底にして上
部が開成する調節筒４のねじ部４ａを上下動できるよう
に螺合し、前記胴体内の下部には調節筒の内底に設けた
圧縮ばね６によって上昇力が附与されている坐板７をフ
リーに設け、この坐板上に、上部に前記弁と連通する筒
状口部５ａを備え、しかも中にスプレー用の液体を入れ
てある可伸縮の容体５を設け、容体の口部５ａをキャッ
プ下部内面に設けた筒状差込口２ｂへ、胴体上部の内周
に設けられた取付板１ａ中央の孔１ｂを通して嵌入させ
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は液体噴出用のスプレー容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

スプレー用の液体を連続して噴出させるタイプのスプレー容器には容器内タン クに充填された液化フロンガスや液化プロパンガスなどの圧力を利用して、内部 の液体を噴出させるものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

液化ガス圧式のスプレー容器は、使用するガスが可燃性のものであったり、フ ロンガスのようにオゾン層破壊などの問題があるため制約を受けており、また使 用済み容器を再使用することができないため、不経済である。

【０００４】 本考案は液化ガスなどを使用せずに連続噴出でき、しかもスプレー用の液体を 入れてある容体を交換するだけで容器本体は再使用することのできるスプレー容 器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るスプレー容器はノック体を押すことにより弁が開くスプレー用ノ ズル体を有するキャップを上部に着脱可能に取り付けた筒状胴体の下部ねじ部へ 、有底にして上部が開成する調節筒のねじ部を上下動できるように螺合し、前記 胴体内の下部には調節筒の内底に設けた圧縮ばねによって上昇力が附与されてい る坐板をフリーに設け、この坐板上に、上部に前記弁と連通する筒状口部を備え 、しかも中にスプレー用の液体を入れてある可伸縮の容体を設け、容体の口部を キャップ下部内面に設けた筒状差込口へ、胴体上部の内周に設けられた取付板中 央の孔を通して嵌入させたものとしてある。

【０００６】

【作用】

ノック体を押すことによりノズル体の弁が開成し、調節筒内に設けられた圧縮 ばねによって圧力をかけられた容体内部の液体が、開成した弁を通してノズルか ら噴出させられる。 調節筒を正逆回動させると、調節筒は胴体の下部ねじに案内されて上下動させ られ、これにより容体にかかる圧縮ばねのばね圧が加減されて、液体の噴出圧力 が調節される。

【０００７】 容体を交換する際には、新しい容体の口部を胴体上部の取付板中央にあけた孔 を通し、キャップを胴体に螺合させることにより、容体の口部がキャップの差込 口内に嵌入して固定される。

【０００８】

【実施例】

以下本考案に係るスプレー容器の具体例を図１〜３に基づいて説明する。 図中の符号１は容器用の胴体、２はスプレー用のノズル体３を有するキャップ 、４は容体内における液体の圧力を調節するための調節筒、５はスプレー用の液 体を入れてある容体で、筒状の胴体１における上部には容体５の上部を固定する ための取付板１ａを設けてある。

【０００９】 容体５は可伸縮の例えば蛇腹状の合成樹脂性容器で、上部には硬質の筒状口部 ５ａを形成してあり、胴体１の上部内周に設けた取付板１ａの中央にあけた孔１ ｂへこの口部５ａを挿入して口部５ａの基部外周に形成した突条５ｂと容体の肩 部５ｃとで取付板１ａにあけた孔１ｂの内周縁を挟み込んで固定してある。

【００１０】 容体５はスプレー用の液体がなくなると交換できるものとしてあって、未使用 の容体５の口部上端は図２に示すように不透水性のフィルムよりなるシール１３ によって塞いである。

【００１１】 また、胴体１の上部には縮径部１ｃを設けてあり、縮径部１ｃの外周には上部 ねじ部１ｄを形成し、キャップ２の下部内周面に形成したねじ部２ａを前記上部 ねじ部１ｄへ螺合させてキャップ２を胴体１へ着脱可能に取り付けてある。

【００１２】 キャップ２の下部内面における弁体９のまわりには、容体５における口部５ａ の外径と同じ内径の差込口２ｂを形成してあって、容体５の口部５ａを嵌入させ てある。

【００１３】 胴体１の下部外周には下部ねじ部１ｅを形成してあって、この下部ねじ部１ｅ へ、上部が開成する有底の調節筒４の内側に形成したねじ部４ａを螺合させてあ る。調節筒４は圧縮ばね６を内部に備えており、その上端には容体５の底を押し 上げるための坐板７が胴体内壁に沿って上下に摺動できるようにフリーに設けら れている。

【００１４】 ノズル体３はノック体８を押し下げることにより弁が開くタイプのものであれ ばよく、図３にノズル体３の構造の一例を示す。 中空円錐状に形成した有底の弁体９はその上部に、弁体の中空内部と連通し、 上端を開成する管状の弁杆１０を備え、弁体９の側面には複数の弁孔９ａをあけ てある。

【００１５】 また、弁体の下部には容体の口部５ａ上端を塞ぐシール１３を破断するための 尖頭部９ｂを設けてあり、キャップ２の下部内面における差込口２ｂ内に突出さ せてある。

【００１６】 弁坐１１はキャップ中央に弁体９の外側面に倣った上細りテーパー状に立ち上 がり、この上部には上端が開成し、弁杆１０を上下に案内する筒部１１ａを備え 、筒部１１ａの上部開口端寄りの内周面に周溝を刻して、弁杆と筒部の間から液 体が漏れることを防止するためのＯリング１１ｂをこの周溝に嵌めてある。

【００１７】 前記筒部１１ａには、弁体９の上部に続く弁杆１０が筒部内を上下に摺動でき るように筒部の下方から挿入され、弁杆１０の上部外側に設けられたストッパー １０ａと筒部の開口端上縁との間には、弁杆１０を弁体９とともに持ち上げて弁 孔９ａを塞ぐための圧縮ばねよりなる弁ばね１２を介在せしめてある。

【００１８】 また、弁杆１０の上端には弁体を上下動させて弁を開閉するノック体８が取り 付けられていて、液体を外部に導出するための噴出口８ａを有している。この噴 出口８ａの口径は、スプレー用液体の粘性などによって適宜決める。 なお、図中の符号１４はノック体を上下方向に案内するガイドである。

【００１９】 このように構成されたスプレー容器は次のようにして使用する。 調節筒４を正逆回動させると、調節筒４は胴体１の下部ねじ部１ｅに案内され て上下動し、これにより圧縮ばね６のばね圧を調節し、ばね圧によって上昇力を 附与された坐板７がスプレー用の液体を満たした容体５の底部を押し上げて、容 体内の液体に圧力をかける。

【００２０】 ノック体８を指で押すことにより、弁ばね１２のばね圧に抗して弁体９が下が り、弁坐１１によって塞がれていた弁孔９ａが開成する。 容体５内の液体は容体内の圧力によって、弁孔９ａから弁体内に入り、弁杆１ ０内を経てノック体８の噴出口８ａから外部に噴出させられる。

【００２１】 ノック体が押されている間は弁孔９ａが開成しているので、容体内の液体は連 続して噴出する。ノック体から指を離すと、弁体９は弁ばね１２のばね圧および 液体の圧力によって弁体が上昇させられ、これにより弁体の弁孔９ａが弁坐１０ に圧接して塞がれ、液体の噴出がストップする。

【００２２】 使用するにつれて容体内の液体が減って容体５が縮み、その分圧縮ばね６が伸 びてばね圧は小となるが、このばあいには調節筒４を調節筒が上昇する方向へ回 動させて再び圧縮ばね６のばね圧を高めるようにする。

【００２３】 本考案に係るスプレー容器は容体を交換することによってスプレー容器本体の 再使用ができるが、容体の交換は次のようにして行う。 胴体１から調節筒４、キャップ２をこの順に取り外し、使用済の容体５を胴体 の下開口部から取り出す。

【００２４】 スプレー用の液体が満たされた交換用の容体５を胴体の下開口部から入れて、 胴体上部の取付板１ａの中央にあけた孔１ｂから容体５の口部５ａを、口部の基 部に設けた突条５ｂ全体が取付板１ａの上面に出るまで引き出して固定する。

【００２５】 次に、胴体１の上部ねじ部１ｄにキャップのねじ部２ａを取り付けて容体の口 部５ａをキャップ下面に設けた内筒部２ｂに挿入する。

【００２６】 かくすると、容体の口部５ａの上端を塞ぐシール１３は弁体９の下部に設けら れた尖頭部９ｂによって破断され、容体の口部５ａが開口する。

【００２７】 キャップを胴体に取り付けた後、容体５の底部に坐板７を当てて圧縮ばね６で 押さえながら調節筒４を胴体１の下部ねじ部１ｅに螺合させて容体内の液体に圧 力をかける。

【００２８】 なお、上記実施例においては、容体の口部５ａを塞ぐシール１３を破断するた めに、弁体９の下部に尖頭部９ｂを設けてあるが、この尖頭部は必ずしも弁体９ に設ける必要はなく、キャップ２を胴体１に取り付けた際、シール１３を破断で きるものであればよく、例えばキャップ下面における内筒体内に下方へ向かう突 起片などを設けるようにしてもよい。

【００２９】

【考案の効果】

本考案のスプレー容器はばね圧を利用して液体を噴出させるので、液化フロン ガスなどの液化ガスを使用することなく、連続して液体を噴出させることができ るとともに、調節筒を回動させることによりばね圧を加減できるので、液体の噴 出圧力を調節できる。

【００３０】 また、スプレー用の液体がなくなっても、容体のみを新しいものに交換するだ けでよく、スプレー容器自体の再使用ができて経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスプレー容器の一例を示す縦断正
面図。

【図２】未使用の容体上部を拡大して示す正面図。

【図３】本考案のスプレー容器に使用するノズル体の一
例を示す縦断正面図。

【符号の説明】

１ 胴体 ２ キャップ ３ ノズル体 ４ 調節筒 ５ 容体 ６ 圧縮ばね ７ 坐板 ８ ノック体 ９ 弁体 １１ 弁坐 １３ シール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ノック体を押すことにより弁が開くスプレ
   ー用ノズル体を有するキャップを上部に着脱可能に取り
   付けた筒状胴体の下部ねじ部へ、有底にして上部が開成
   する調節筒のねじ部を上下動できるように螺合し、前記
   胴体内の下部には調節筒の内底に設けた圧縮ばねによっ
   て上昇力が附与されている坐板をフリーに設け、この坐
   板上に、上部に前記弁と連通する筒状口部を備え、しか
   も中にスプレー用の液体を入れてある可伸縮の容体を設
   け、容体の口部をキャップ下部内面に設けた筒状差込口
   へ、胴体上部の内周に設けられた取付板中央の孔を通し
   て嵌入させてなるスプレー容器。