JPH0654521U - 瓶収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡スチロールなどの緩衝材が不要となる構
成として、環境を害することなく容易にリサイクルが出
来ると共に、組み立て製作が容易で緩衝効果にも秀れた
瓶収納箱を提供すること。 【構成】 収納する瓶体３を支承する瓶収納箱体１の底
部を少なくとも複両面段ボール製の重合底板ｅ，ｆ，ｇ
が重合する重合底部に構成し、上部の瓶体３の押さえ部
も少なくとも三枚の押さえ板ｍに設けた口部挿入係止孔
５により瓶体３の口部を被嵌係止する三重合押さえ部に
構成した瓶収納箱。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば一升瓶などの割れ物瓶の包装箱或いは輸送用箱として使用す る瓶収納箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の瓶収納箱は、単に厚紙を折り畳んで形成する構成であるから、箱底部に は収納する瓶の瓶底を支承する発泡スチロールなどを緩衝材として入れ、割れに くいようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そのため、単に製作が厄介でコスト高となるばかりでなく、簡単に押し潰せず 廃棄処理しにくく、そのためリサイクルが容易でなく、また、発泡スチロールな どの緩衝材は産業廃棄物であるため、焼却処分に適さないなどの問題点を有する 。

【０００４】 本考案は、発泡スチロールなどの緩衝材が不要となる構成として前記問題点を 解決し、環境を害することなく容易にリサイクルが出来ると共に、組み立て製作 が容易で緩衝効果も極めて秀れた瓶収納箱を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【０００６】 複両面段ボール板で形成した主板体Ａを折り込んで瓶収納箱体１を形成し、こ の瓶収納箱体１の上部に瓶挿入開口部２を開閉自在に形成した瓶収納箱であって 、主板体Ａの正面板ａ，背面板ｃ，両側面板ｂ，ｄのうち少なくとも三つの底縁 に夫々折線ｐ，ｑ，ｒを介して底部となる重合底板ｅ，ｆ，ｇを連設し、少なく とも一の重合底板ｅ，ｆ，ｇに正面板ａ，背面板ｃ若しくは側面板ｂ，ｄ内面に 添設される折り返し係止板ｈを折線ｓを介して連設し、少なくとも他の一の重合 底板ｅ，ｆ，ｇに係止片ｉを折線ｔを介して連設し、収納する瓶体３を支承する 瓶収納箱体１の前記底部を少なくとも三枚の前記重合底板ｅ，ｆ，ｇが重合する 重合底部に構成し、正面板ａ，背面板ｃ，両側面板ｂ，ｄのいずれかの上縁に折 線ｋを介して閉塞板ｊを連設すると共に、折線ｌを介して押さえ板ｍを連設し、 この押さえ板ｍに夫々瓶体３の先端口部に被嵌係合する口部挿入係止孔５を開口 し、この押さえ板ｍを正面板ａ，背面板ｃ，両側面板ｂ，ｄの上縁若しくは押さ え板ｍの縁部に折線ｌを介して少なくとも三枚を連設形成して瓶体３の先端口部 を支承する押さえ部を重合押さえ部に構成したことを特徴とする瓶収納箱に係る ものである。

【０００７】

【作用】

複両面段ボール板で形成した主板体Ａを折り込んで瓶収納箱体１を形成する際 、各折線ｐ，ｑ，ｒ，ｓ，ｔをほぼ直角に折り込み、少なくとも折り返し係止板 ｈを正面板ａ，背面板ｃ若しくは側面板ｂ，ｄ内面に折り返し係止し、折線ｔを 折り込んで係止片ｉにより係止して、収納する瓶体３を支承する瓶収納箱体１の 底部を少なくとも重合底板ｅ，ｆ，ｇが重合する重合底部に構成する。

【０００８】 また、瓶挿入開口部２では折線ｌを折り込み少なくとも三枚の押さえ板ｍに設 けた各口部挿入係止孔５を瓶体３の口部に被嵌係合して瓶体３を固定する。

【０００９】 従って、素材とした複両面段ボール自体の弾性に加え、更に底部はこれが三重 にも重なった重合底部となるため、良好な緩衝作用を発揮した状態で瓶体３の底 部を支承する。

【００１０】

【実施例】

本実施例は、一升酒瓶を一本収納するタイプの瓶収納箱に本考案を適用したも のである。

【００１１】 主板体Ａは、すべて図１にその断面図を示すような複両面段ボールで形成して いる。

【００１２】 複両面段ボールは、通常の段ボール（片面段ボール）を重合して、図１に示す ように二層のハニカム構造が並設され、良好なクッション性と板強度を有するも のである。

【００１３】 本実施例のこの主板体Ａについて説明する。

【００１４】 図２に示すように、正面板ａの一側縁に折線ｕを介して一側の側面板ｂを連設 し、この側面板ｂの側縁に折線ｖを介して背面板ｃを連設し、この背面板ｃの側 縁に折線ｗを介して他側の側面板ｄを連設している。

【００１５】 この正面板ａ並びに両側の側面板ｂ，ｄの底縁に折線ｐ，ｑ，ｒを介して夫々 重合底板ｅ，ｆ，ｇを連設している。

【００１６】 この重合底板ｅ，ｆ，ｇのうち、正面板ａに連設した重合底板ｅと側面板ｂに 連設した重合底板ｆに夫々折線ｓ・ｓを介して折り返し係止板ｈ・ｈを連設して いる。

【００１７】 側面板ｄに連設した重合底板ｇに折線ｔを介して舌板状の係止片ｉを連設して いる。

【００１８】 従って、各折線ｕ，ｖ，ｗを直角に折り方形箱状に形成して行くと共に、底部 においては、各折線ｐ，ｑ，ｒ，ｓ，ｔを直角に折り込み、折り返し係止板ｈ・ ｈを夫々背面板ｃ及び側面板ｄ内面に添設状態に折り返し係止し、折線ｔを折り 込んで係止片ｉを折線ｑ部に形成した挿入溝孔４に挿入係止して、収納する瓶体 ３を支承する瓶収納箱体１の前記底部を少なくとも前記重合底板ｅ，ｆ，ｇが重 合する重合底部に構成する。尚、本実施例では最後に図３に示すように係止片ｉ を挿入溝孔４に差し込んで仮係止した状態で、正面板ａに連設した重合底板ｅを 底に配してこの重合底板ｅに連設した係止板ｈを差し込んで止着固定している。 従って、素材とした複両面段ボール自体の弾性に加え、更に底部はこれが三重 にも重なった重合底部に構成される。

【００１９】 正面板ａと背面板ｃとの上縁に折線ｋを介して閉塞板ｊを連設し、この正面板 ａに連設した閉塞板ｊに折線ｔを介して背面板ｃとの連設部の折線ｋ部に形成し た挿入溝孔４に差し込み係止する舌片状の係止片ｉを連設している。また、両側 の側面板ｂ，ｄの上縁に折線ｌを介して中央部に口部挿入係止孔５を開口した押 さえ板ｍを連設し、側面板ｄ側の一方の押さえ板ｍに更に折り返し折線ｌを介し て口部挿入係止孔５を開口した押さえ板ｍを連設し、計三枚の押さえ板ｍを設け ている。従って、各折線ｌ，ｔを折り、各口部挿入係止孔５を三段にして瓶体３ の口部に被嵌係止して係止片ｉを挿入溝孔４に差し込んで瓶挿入開口部２を閉塞 固定する構成としている。

【００２０】 従って、本実施例では三重底部に加えて瓶体３の口部を三重の押さえ板ｍの口 部挿入係止孔５でロックする構成のため、瓶体３の支承保持強度は極めて向上す ることとなる。

【００２１】 また、本実施例では丁度収納する瓶体３の銘柄が外からでもわかるようにラベ ルが見える位置に窓部８を開口形成し、この窓部８の切り出し舌片９を内側へ折 り返し、この切り出し舌片９が瓶体３に押し当たるようにして、切り出し舌片９ の折り返し弾性により緩衝作用を発揮するように構成している。

【００２２】 本考案は、本実施例に限られるものではなく、底部を緩衝作用が良好な複両面 段ボールで構成すると共に、瓶体３の底部がこの複両面段ボール製の重合底板に より重合構造となる点に要旨があるもので、二本タイプの瓶収納箱に適用しても 良いし、瓶収納箱の組み立て（折り込み）構造も適宜設計し得るもので、また、 酒瓶に限られるものでもない。

【００２３】 また、本案品を従来の化粧箱に入れても良いし、本案品自体に印刷などを施し ても良い。

【００２４】 尚、本案品に酒瓶を収納して落下面をコンクリート舗装面とした厳しい条件で 、あらゆる向きで下方に何度も落下させる実験を繰り返した結果、従来の単なる ダンボール組み立て箱に比し、著しく酒瓶の保護強度が向上することが確認され ている。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は上述のように構成したから、従来例のように発泡スチロールなどの緩 衝材を箱底部に配することが不要であるため、環境を害することなく容易にリサ イクルが出来ると共に、組み立て製作が容易で緩衝効果も極めて秀れた瓶収納箱 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の主板体の断面図である。

【図２】本実施例の展開図である。

【図３】本実施例の組み立て途中の斜視図である。

【図４】本実施例の完成状態の斜視図である。

【図５】本実施例の使用状態の側断面図である。

【符号の説明】

１ 瓶収納箱体 ２ 瓶挿入開口部 ３ 瓶体 ５ 口部挿入係止孔 Ａ 主板体 ａ 正面板 ｂ，ｄ 側面板 ｃ 背面板 ｅ，ｆ，ｇ 重合底板 ｈ 折り返し係止板 ｉ 係止片 ｊ 閉塞板 ｋ，ｌ，ｐ，ｑ，ｒ，ｓ，ｔ 折線 ｍ 押さえ板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複両面段ボール板で形成した主板体を折
   り込んで瓶収納箱体を形成し、この瓶収納箱体の上部に
   瓶挿入開口部を開閉自在に形成した瓶収納箱であって、
   主板体の正面板，背面板，両側面板のうち少なくとも三
   つの底縁に夫々折線を介して底部となる重合底板を連設
   し、少なくとも一の重合底板に正面板，背面板若しくは
   側面板内面に添設される折り返し係止板を折線を介して
   連設し、少なくとも他の一の重合底板に係止片を折線を
   介して連設し、収納する瓶体を支承する瓶収納箱体の前
   記底部を少なくとも三枚の前記重合底板が重合する重合
   底部に構成し、正面板，背面板，両側面板のいずれかの
   上縁に折線を介して閉塞板を連設すると共に、折線を介
   して押さえ板を連設し、この押さえ板に夫々瓶体の先端
   口部に被嵌係合する口部挿入係止孔を開口し、この押さ
   え板を正面板，背面板，両側面板の上縁若しくは押さえ
   板の縁部に折線を介して少なくとも三枚を連設形成して
   瓶体の先端口部を支承する押さえ部を重合押さえ部に構
   成したことを特徴とする瓶収納箱。