JPH065430U - 植物栽培用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器内部の土壌や根の発育状況を外部から視
認できるとともに光による根の発育への影響を防止する
植物栽培用容器を提供する。 【構成】 通常時には、外筒体２０の内部に、透明また
は半透明の内筒体１０を収納した状態とする。これによ
り、光を外筒体２０によって遮断でき、光による根への
影響を防止できる。また、根の状態等を見る場合には、
外筒体２０から内筒体１０を取り出す。内筒体１０は、
透明または半透明とされているので、根の状態等を比較
的正確に判断することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、植物栽培用容器に関し、特に、苗木や草花などの販売に適した植物 栽培用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、苗木や草花などの植物を販売するに当っては、これらの植物を合成 樹脂性の有色・非透明の素材からなる軽量の容器（鉢）に土壌と共に移し替えて 販売している。この容器は、非透明であるために、植物の根に直接光が当ること による悪影響を防止できるという利点がある。

【０００３】 ところで、従来の容器においては、非透明となっているために、植物の根の育 成状況が判らず、当該植物の状態を正確に判断することが困難であった。また、 特に、山野草においては、どういった砂、土を土壌として用いているかが育成の 上で重要である。このため、容器内の山野草を移し替える場合には、予め、容器 内に収納されている土壌と同様の土壌を用意しておくことが好ましい。しかし、 従来の容器においては、それ自体非透明となっているために、土壌の種類（特に 容器の中層および下層部における土壌）を外部から正確に把握することが困難で あるという不都合もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記した事情に鑑みてなされたもので、容器内部の土壌や根の発育 状況を外部から視認できるとともに根の発育への影響を防止することができる植 物栽培用容器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係る植物栽培用容器は、有底筒状に形成されて、内部に植物栽培用 の土壌が収納される内筒体と、この内筒体に嵌合して内筒体の外面を覆う外筒体 とを備え、内筒体を、透明または半透明とした構成とされている。

【０００６】 請求項２に係る植物栽培用容器は、請求項１記載の容器において、外筒体を、 非透明としたものである。

【０００７】

【作用】

通常時には、外筒体の内部に内筒体を収納した状態とする。これにより、光を 外筒体によって遮断でき、光による根への影響を防止できる。また、根の状態等 を見る場合には、外筒体から内筒体を取り出す。内筒体は、透明または半透明と されているので、根の状態等を比較的正確に判断することができる。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例に係る植物栽培用容器の構成を図１〜図３に基づいて説明す る。本例に係る容器は、有底円筒状に形成されて、内部に植物栽培用の土壌１が 収納される内筒体１０と、この内筒体１０に嵌合して内筒体１０の外面を覆う円 筒状の外筒体２０とから構成されている。前記土壌１には、苗木などの植物２が 植えられている。

【０００９】 内筒体１０は、塩化ビニルなどの素材から構成されており、透明または半透明 とされている。内筒体１０の開口端（上端）には、この開口端を周方向へ４等分 する位置に、外側へ延出された係合突起１１がそれぞれ形成されている（図２参 照）。係合突起１１の幅は、外筒体２０の係合凹部２２（後述）の幅より若干狭 くなっており、係合突起１１を係合凹部２２の内部に収納できるようになってい る。係合突起１１の下面には、係合凹部２２に形成された貫通孔２３（後述）の 内部に嵌合する円柱状のピン１２が突設されている。内筒体１０の底部には、上 下方向に貫通した複数の水抜き穴１４が形成されている。

【００１０】 外筒体２０は、塩化ビニルなどの素材から構成されており、有色でかつ非透明 とされている。外筒体２０は、容器としての強度を持たせるために、内筒体１０ よりも若干剛性のある素材または厚さであることが好ましい。外筒体２０の開口 端には、外側へ延出されたフランジ２１が形成されている。このフランジ２１を 周方向に４等分する位置には、それぞれ、内筒体１０の係合突起１１を内部に収 納する係合凹部２２が形成されている。係合凹部２２の底部には、上下方向にフ ランジ２１を貫通した貫通孔２３が形成されている。外筒体２０の底部には、上 下方向に貫通した複数の水抜き穴２４が形成されている。この水抜き穴２４は、 内筒体１０の水抜き穴１４にほぼ対応する位置に形成されている。

【００１１】 つぎに、本例に係る栽培用容器の使用方法について説明する。植物の育成時に は、内筒体１０を外筒体２０の内部に嵌合し、内筒体１０の係合突起１１を外筒 体２０の係合凹部２２の内部に収納するとともにピン１２を貫通孔２３の内部に 挿入しておき、この状態で、土壌とともに植物の根部分を内筒体１０の内部に収 納する（図１に示した状態）。本例の容器では、外筒体２０を非透明としている ので、容器の内部に光が侵入して根に影響することを防止できる。

【００１２】 本例に係る容器に収納された植物２が販売のために展示された場合には、購入 者は、内筒体１０を外筒体２０から取り出し、透明または半透明とされた内筒体 １０を通して、根の発育状態や土壌の積層状態、種類等を確認することができる 。したがって、本例の容器によれば、植物２の根の状態を簡単に確認できて品質 判断が容易となり、また、植物の植え替えが便利となるといった利点を有してい る。

【００１３】 また、本例の容器では、外筒体２０に係合凹部２２を設け、内筒体１０に係合 突起１１およびピン１２を設けているので、内外の筒体が相対移動することを防 止できる。

【００１４】 なお、本例の容器においては、内筒体１０の外径寸法と外筒体２０の内径寸法 とを、内筒体１０の取り出しの容易性を過度に損わない限り、なるべく接近させ ておくことが好ましい。内外の筒体の間から光が侵入して根に影響することを防 止するためである。

【００１５】 また、本例の容器においては、外筒体２０を非透明としたが、外筒体２０とし ては、外部からの光をある程度遮断することができるものであればよい。例えば 、内外の筒体を共に透明または半透明とした場合であっても、両者の材質や光の 屈折率等を適宜選択することによって、ある程度の光の遮蔽効果を得ることが可 能である。

【００１６】 さらに、本例の容器の内部に収納される土壌としては、土、砂に限らず、人工 的に合成された、植物栽培用の媒体などであってもよいことは当然である。

【００１７】

【考案の効果】

請求項１に係る植物栽培用容器は、有底筒状に形成されて、内部に植物栽培用 の土壌が収納される内筒体と、この内筒体に嵌合して内筒体の外面を覆う外筒体 とを備え、内筒体を、透明または半透明とした構成とされているので、容器内部 の土壌や根の発育状態等を外部から簡単に確認できるとともに光による根の発育 への影響を防止することができるという効果がある。

【００１８】 請求項２に係る植物栽培用容器は、請求項１記載の容器において、外筒体を、 非透明としたので、光による根の発育状態への影響を一層確実に防止することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る植物栽培用容器の断面
図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の要部正面図である。

【符号の説明】

１ 土壌 ２ 植物 １０ 内筒体 ２０ 外筒体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底筒状に形成されて、内部に植物栽培
   用の土壌が収納される内筒体と、この内筒体に嵌合して
   内筒体の外面を覆う外筒体とを備え、前記内筒体は、透
   明または半透明とされていることを特徴とする植物栽培
   用容器。
2. 【請求項２】 前記外筒体は、非透明であることを特徴
   とする請求項１記載の植物栽培用容器。