JPH05292839A - 植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物の発育に何ら支障をもたらすことなく、
必要時に根の発育状況及び土の状態を観察することがで
きる植木鉢を提供する。 【構成】 不透明外鉢１０の中に透明中鉢２０を抜き差
し自在に組み込んでなる。必要時に、中鉢２０を外鉢１
０より引き出すことにより中鉢内の植物の根の発育状況
及び土の状況を容易に観察することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、植木鉢に関し、詳しく
は植物の根の成長状態を観察することができる一方栽培
に何ら支障のない新規な植木鉢に関し、特に蘭等の高級
植物用のものとして好適な植木鉢に関する。

【０００２】

【従来の技術】植物を栽培するための植木鉢は、古今東
西広く日常的に用いられており、セラミック製のものや
プラスチック製のものがある。

【０００３】ところで、植物の根は暗い土中で発育する
ものであるから、当然のことながら透明植木鉢は従来よ
り存在しない。

【０００４】しかしながら、一般家庭においてあるいは
植物販売店において、根の発育状況を観察したい場合が
多々ある。従来このような場合には、植物を土ごと植木
鉢より引き抜いて根の張り具合等を観察せざるを得なか
った。このような観察方法は、当然のことながら植物を
傷めることになり、決して好ましい方法ではない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決すべき技術的課題は、植物の根の発育状況や土の状
態を外部より観察することができる一方、植物の栽培に
何ら支障をきたすことのない植木鉢を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段・作用・効果】上記技術的
課題を解決するための本発明に係る植木鉢は、不透明外
鉢の中に透明中鉢を抜き差し自在に組み込んでなること
を特徴としている。

【０００７】この構成においては、土は中鉢の中に入れ
られ、植物はこの土に植えられることになる。この構成
によれば、鉢の外側は不透明外鉢で覆われているので、
土中に光は原則的に入射せず、したがって根の発育に支
障を与えることはない。一方、中鉢を外鉢から抜き出す
ことにより、中鉢の透明部分を通して中鉢の中の根の発
育状況及び土の状態を観察することができるのである。

【０００８】ところで、最近の簡易植木鉢は、製造コス
トを低くするために、プラスチックで製造されることも
多いが、プラスチック鉢の場合にはセラミックに比べて
通気性が非常に悪いという欠点を有している。したがっ
て、本発明においては、上記外鉢及び中鉢の両者に、互
いの位置を決定する位置決め手段を設けると共に、両鉢
の筒壁に相互に貫通する空気穴を形成しておくことが好
ましい。このようにすることにより、土に外気を送るこ
とができ、根の発育に良好な環境を与えることができ
る。特に、蘭を栽培する場合には、表層の非常に浅い部
分を除き、表層の下方の殆んどの土は粒径のかなり大き
な玉土が使用されることが多く、この場合には、上記空
気穴より外気を土中に容易に取り込むことができる。

【０００９】上記空気穴は、両者の位置決め手段により
位置決めすることにより、前記したように、両者の空気
穴を相互に一致させることができるのであるが、一方、
この空気穴を塞ぐ場合には、中鉢と外鉢との円周方向の
組み込み位置を変更して両者の空気穴を不一致にするこ
とにより容易に達成できる。

【００１０】上記構成において、中鉢は、その全体を透
明とする場合には、中鉢の上方より外光が導入され、つ
まり中鉢自体がライトガイドの役割をなし、その結果若
干の光が土中に導入されることも考えられる。この事体
を回避するためには、中鉢の上方部分、つまり土のレベ
ルより上方の部分を暗黒色に着色すればよい。

【００１１】

【実施例】以下に、図示の実施例について詳細に説明す
る。

【００１２】図１はこの植木鉢の斜視図であり、図２は
その縦断面図である。

【００１３】図において１０は不透明外鉢、２０は透明
中鉢である。これらの鉢１０,２０は大略相似形状をな
しており、透明中鉢２０が不透明外鉢１０内に抜き差し
自在に組み込んで構成されている。

【００１４】外鉢１０は、筒壁１６の上方にフランジ１
１が形成され、筒壁１６の下部には底壁１７が形成され
ている。そして、筒壁及び底壁１７には数本の足１３が
形成されている。フランジ１１の所定箇所には位置決め
手段としての位置決め穴１５が形成されている。筒壁１
６の上部及び下部には空気穴１２a,１２bが形成されて
いる。また、底壁１７の中心部には水抜き穴１４が形成
されている。

【００１５】一方、中鉢２０は、筒壁２６と、その上部
に形成されたフランジ２１と、筒壁２６の下部に形成さ
れた底壁２７とを備えている。フランジ２１の所定位置
には、前記位置決め穴１５内に係合する位置決め突起２
５が形成されている。筒壁２６の上部及び下部には、上
記空気穴１２a,１２bに一致する空気穴２２a,２２bが形
成されている。また、底壁２７には水抜き穴２４が形成
されている。

【００１６】図２に示したように、係合突起２５を位置
決め穴１５に係合せしめた状態においては、上方の空気
穴１２aと２２aが、また下方の空気穴１２bと２２bとが
相互に一致して互いに貫通している。したがって、この
状態において、外気の酸素がこれらの空気穴より取り入
れられて中鉢２０内に入ることが可能である。これらの
穴の一致を解除するためには、すなわちこれらの穴を塞
ぐためには、中鉢２０を外鉢１０に対して若干回転させ
ればよい。

【００１７】上記構成によれば、植物の植えられた中鉢
２０を外鉢１０より引き抜くことにより、中鉢２０を露
出させることができ、これにより中鉢内の植物の根の発
育状況ならびに土の状況を十分観察することが可能とな
るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る植木鉢の斜視図であ
る。

【図２】 図１の縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 不透明外鉢 １１ フランジ １２a,１２b 空気穴 １３ 足 １４ 水抜き穴 １５ 位置決め
穴 １６ 筒壁 １７ 底壁 ２０ 透明中鉢 ２１ フランジ ２２a,２２b 空気穴 ２４ 水抜き穴 ２５ 位置決め突起 ２６ 筒壁 ２７ 底壁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 不透明外鉢(１０)の中に透明中鉢(２０)
   を抜き差し自在に組み込んでなることを特徴とする植木
   鉢。
2. 【請求項２】 上記外鉢(１０)及び中鉢(２０)の両者
   に、互いの相関位置を決定する位置決め手段(１５,２
   ５)を有し、両鉢(１０,２０)の筒壁(１６,２６)には相
   互に貫通する空気穴(１２a,２２a;１２b２２b)が形成さ
   れたことを特徴とする請求項１記載の植木鉢。