JPH0654156B2 - レバーフロート式ドレントラップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は気体と液体の比重差を利用して、開放又は密閉
のフロートで弁体を取付けたレバーを駆動し、蒸気配管
系や圧縮空気配管系に発生するドレンを自動的に排出す
るレバーフロート式ドレントラップに関する。

上記ドレントラップは、蒸気配管系に発生する復水（ド
レン）を自動的に排出するスチームトラップ、圧縮空気
配管系に発生する凝縮水（ドレン）を自動的に排出する
エアートラツプである。

比重の小さい蒸気や空気の気体は比重の大きいドレンの
上方に位置する。液面はドレンと気体の量的割合の変化
に応じて上下動する。フロートはこれに作用する浮力と
自重の釣合いで液面に浮き、液面と共に上下に運動す
る。レバーフロート式ドレントラップはこれらの自然法
則を利用したもので、弁室に於いて気体とドレンを分離
し、弁室内に収容したフロートの上下運動で弁体を取り
付けたレバー駆動し、弁室の下部に形成した弁口を開閉
し、ドレンを自動的に排出するものである。

従来の技術 従来のレバーフロート式ドレントラップは、レバーの一
端にフロートを取り付け、レバーの他端を支点として弁
室に取り付け、支点の近くに弁口を開閉する弁体を取り
付けたものである。あるいは、レバーの一端にフロート
を取り付け、レバーの他端に弁口を開閉する弁体を取り
付け、弁体の近くを支点として弁室に取り付けたもので
ある。

本発明が解決しようとする課題 上記のものに於いて、排出容量を大きくするためには、
即ち大きな開弁力を得るためには、フロートを大きくし
て浮力を大きくしたり、レバーを長くして弁体に作用す
る浮力の拡大比を大きくしなければならず、ケーシング
が大きくなってしまう問題があった。

従って、本発明の技術的課題は、フロートを大きくした
りレバーを長くせずに大きな開弁力を得られるようにす
ることである。

課題を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術
的手段は、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、
弁室と出口を連通する弁口を弁室の下部に形成し、弁口
を開閉する弁体を取り付けたレバーを弁室内に取り付
け、弁室内に配置したフロートの浮上降下でドレンを駆
動して弁口を開閉するレバーフロート式ドレントラップ
に於いて、レバーに衝突板を形成し、入口からのドレン
流が衝突板に向けて開弁方向に流入するように入口を弁
室に開口させた、ものである。

作用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

弁室内に配置したフロートは弁室内の液面と共に上下に
変位し、弁体を取り付けたレバーを駆動して弁口を開閉
する。入口から流入するドレンが衝突板に当たって、レ
バーを開弁方向に回転させる方向に力を作用せしめる。
従って、このドレン流の作用による力とフロートに働く
浮力とが開弁力として働くので、同じ大きさのフロー
ト、同じ長さのレバーを用いたものであっても、開弁力
を大きくすることができる。

発明の効果 本発明は下記の特有の効果を生じる。

上記のように本発明によれば、開弁力を大きくできるの
で、小型のフロートや短いレバーを用いることができ、
ドレントラップをコンパクトに作ることができる。

また、従来と同じ大きさのフロートやレバーを用いたも
のであれば、大きな差圧の発生する箇所に用いたり、弁
口を大きくして排出容量を大きくしたりすることができ
る。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する（第
１図参照）。

本体１に蓋２をボルト（図示せず）で締結して内部に弁
室３を有する弁ケーシングを形成する。本体１と蓋２の
間にガスケット４を介在せしめて両者の気密を保つ。

蓋２の上部に入口５を、下部に出口６を形成する。蓋２
の弁室３側に縦溝７を形成する。蓋２に遮断部材８をビ
ス９で取り付け、上端に気体用開口１０と下端にドレン
用開口１１を設けて、縦溝７を塞いで通路１２を形成す
る。従って、入口６は気体用開口１０と、通路１２及び
ドレン用開口１１を通して弁室４に連通する。

蓋２の下部に弁座部材１３をねじ結合し、弁座部材１３
に形成した弁口１４を通して弁室３と出口６を連通す
る。入口５と出口６は水平方向に開口し、それぞれ配管
用の雌ねじを形成している。弁座部材１３と蓋２の間の
気密をガスケット１５で保つ。

弁室３にステンレス鋼薄板で作った中空の球形フロート
１６を自由状態で収容する。フロート１６は弁室３に溜
るドレンに浮き、液面と共に浮上降下する。

蓋２にレバー１７をピン１８で取り付けて蝶番結合す
る。レバー１７に弁口１４を開閉する弁体１９をスナッ
プリング２０で取り付ける。従って、レバー１７はピン
１８を支点にして回転できる。レバー１７は鉛直線から
α角度で、更にその先端が鉛直線からβの角度でフロー
ト１６の斜上方に延びている。

レバー１７に衝突板２１を一体に形成する。衝突板２１
は弁口１４の上方にほぼ水平方向に形成され、その先端
はドレン用開口１１を通して通路１２内に延びている。

弁室３の側壁２２（第１図で左側）は鉛直方向に延びて
いる。参照番号２３はフロート１６を上下方向に案内す
るリブであり、紙面の手前側と合計２箇所形成され、フ
ロート１６との間に僅かな隙間が形成されている。

蓋２にバイメタル２４をビス２５で取り付ける。バイメ
タル２４はほぼＵ字状で低温時に拡がってレバー１７を
押し上げて開弁できる力を発揮し、高温時に狭まってレ
バー１７に関与しない形状に変化する。

上記ドレントラップの作動は次の通りである。

入口５は蒸気使用機器等のドレン発生箇所に接続する。
ドレンと蒸気が弁室３に流入し、ドレンが下部に蒸気が
上部に分離して溜る。フロート１６は弁室３内の液面の
上昇と共に浮上し、レバー１７と側壁２２に当接する。
更に液面が上昇するとフロート１６の浮力が大きくな
り、浮力が楔力として、レバー１７に作用する。この楔
力により、レバー１７が開弁方向（第１図で時計回り方
向）に回転して弁体１９が弁口１４を開く。弁室３のド
レンは弁口１４から出口６に排出される。通路１２を通
るドレンは衝突板２１に衝突してレバー１７を時計回り
方向に回転させようとするので、弁体１９は弁口１４を
開き易くなる。排出により液面が下がると、それと共に
フロート１６が降下し、フロート１６の降下と共にレバ
ー１７が閉弁方向（第１図で反時計回り方向）に回転し
て弁体１９が弁口１４を塞ぎ、蒸気の流出を防ぐ。この
様な動作を自動的に繰り返して行う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のレバーフロート式ドレントラップの断
面図である。 １：本体、２：蓋 ３：弁室、５：入口 ６：出口、１２：通路 １４：弁口、１６：フロート １７：レバー、１９：弁体 ２１：衝突板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成
   し、弁室と出口を連通する弁口を弁室の下部に形成し、
   弁口を開閉する弁体を取り付けたレバーを弁室内に取り
   付け、弁室内に配置したフロートの浮上降下でレバーを
   駆動して弁口を開閉するレバーフロート式ドレントラッ
   プに於いて、レバーに衝突板を形成し、入口からのドレ
   ン流が衝突板に向けて開弁方向に流入するように入口を
   弁室に開口させた、レバーフロート式ドレントラップ。