JPH0654152U - スイッチモジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のインパネなどへの組付性が良く、コス
トの低減が可能なスイッチモジュールを提供すること。 【構成】 スイッチモジュール１００は、操作面側から
順に意匠銘板１０、接点シート２０、スペーサ３０、プ
リント基板４０及びケース５０とから構成されている。
プリント基板４０には意匠銘板１０のスイッチ部１１
ａ，１１ｂ及び表示部１２の複数の配置パターンに対応
して配線パターンから成るスイッチ接点４０ａが形成さ
れている。その裏面側には表示用ＬＥＤなどの電気部品
及び回路素子が搭載され、それらの間は予め設けられて
いる配線パターンにより接続されて所定の電気回路が構
成される。本考案のスイッチモジュールにおいては、プ
リント基板及び電気部品などの共通化によりコストの低
減及びコンパクト化が達成でき、単体コネクタ接続によ
りインパネへの組付性の向上を図ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両のインストルメントパネル(Instrument Panel:計器板）（以下 、インパネという）などに使用可能なスイッチモジュール（基本単位構成から成 るスイッチ）に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、車両としてクレーン車などのインパネには、特殊車両であることも手伝 って多くの制御スイッチ類が存在する。それらスイッチ類はインパネの左右など 複数箇所に各機能毎にまとめて配置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のスイッチ類としては、大きさや作動方式などが各種各様であ った。 上記スイッチ類は大きさが異なることにより配置スペースなどに無駄が生じ易 いという問題があった。 又、上記スイッチ類からの信号はそれぞれ対応する制御装置まで各コネクタ及 びワイヤハーネスなどを介して伝達されていた。このため、上記スイッチ類の増 加に伴ってコネクタが増加し、ワイヤハーネスは太くなり組付性が悪くなるとい う問題があった。 又、上記スイッチ類が配置されたインパネは少量生産であればある程、コスト の上昇を招くという問題もあった。

【０００４】 本考案は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的とする ところは、車両のインパネなどへの組付性が良く、コストの低減が可能なスイッ チモジュールを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するための考案の構成は、光透過性、可撓性及び絶縁性を有す る平板状の薄膜樹脂から成り、スイッチ部及び表示部が予め設定された複数の配 置パターンに基づいて形成され、前記スイッチ部のうちの所定箇所の操作面側を エンボス加工により凸形状とした意匠銘板と、該意匠銘板の操作面の裏面側に隣 接して配設され、導電性及び可撓性を有する平板から成り、表示及び照明用の光 が通過する穴を設けた接点シートと、該接点シートの前記意匠銘板と反対側に配 設され、該意匠銘板の前記スイッチ部及び前記表示部の複数の配置パターンに対 応し、前記スイッチ部に対しては平面的に所定の隙間を有して対向した配線パタ ーンから成るスイッチ接点が形成され、その裏面側において前記表示部に対して は表示又は照明用ＬＥＤなどの電気部品が搭載できると共にそれらの光が通過す る穴を設け、又、前記スイッチ接点及び前記電気部品に対応したＩＣ、コンデン サ又は抵抗などの回路素子が搭載できると共にそれら前記電気部品及び前記回路 素子間を接続して所定の電気回路を構成するための配線パターンを有したプリン ト基板と、前記意匠銘板のスイッチ部及び表示部に対応する位置にそれぞれ穴を 設けると共に前記プリント基板と前記接点シートとを所定の間隔に絶縁性を有し て保持するスペーサとを備えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

上記の手段によれば、意匠銘板のスイッチ部及び表示部は、予め設定された複 数の配置パターンに基づいて形成される。 又、プリント基板は上記意匠銘板のスイッチ部及び表示部の複数の配置パター ンに対応できるような構成となっている。即ち、プリント基板の表面側には上記 意匠銘板のスイッチ部及び表示部に対応してそれぞれ配線パターンから成るスイ ッチ接点及び穴が形成されている。又、プリント基板の裏面側には上記穴を臨む 位置に電気部品、更に、スイッチ接点及び電気部品に対応して回路素子が搭載で き、それらの間が予め形成された配線パターンにより接続され所定の電気回路が 構成される。 光透過性、可撓性及び絶縁性を有する平板状の薄膜樹脂で、スイッチ部のうち の所定箇所の操作面側をエンボス加工により凸形状とした意匠銘板は、指にて触 れただけでそのスイッチ部などの位置が判別できる。 そして、意匠銘板のスイッチ部を所定ストローク押圧することによりその裏面 側に隣接し配設された導電性及び可撓性を有する平板から成る接点シートが形状 変形する。このスイッチ部の押圧により接点シートを介してその下のプリント基 板面に形成された配線パターンから成るスイッチ接点のオン／オフ操作が可能で ある。 スペーサは絶縁性を有し、上記接点シートとプリント基板面に形成されたスイ ッチ接点との隙間が確保される。又、上記スペーサ及び接点シートに形成された 穴を介してプリント基板の穴を臨む位置に搭載された電気部品からの光が意匠銘 板側の表示部に導光される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を具体的な実施例に基づいて説明する。 図１は本考案に係るスイッチモジュールの基本構成を示した分解斜視図であり 、図２は図１の要部拡大断面図である。 スイッチモジュール１００は、図１に示したように、操作面側から順に意匠銘 板１０、接点シート２０、スペーサ３０、プリント基板４０及びケース５０とか ら構成されている。尚、図１の分解斜視図では、図２に示されたケース５０とイ ンパネ６０とのビス止め部分は省略されている。

【０００８】 意匠銘板１０は光透過性、可撓性及び絶縁性を有する平板状の薄膜樹脂である ポリエステル材から成る。この意匠銘板１０には複数のスイッチ部１１ａ，１１ ｂ及び表示部１２が予め設定された配置パターンに基づきその裏面側から意匠印 刷されている。又、意匠銘板１０のスイッチ部１１ａはエンボス加工により操作 面側を凸形状とされており、そのスイッチ部１１ａは指先で触れただけでも必要 な操作位置が判別できる。 接点シート２０は意匠銘板１０の操作面の裏面側に隣接して配設され、導電性 及び可撓性を有するリン青銅板又はステンレス板などの薄板が用いられる。この 接点シート２０には、プリント基板４０に形成された後述の穴４１位置に対応し た穴２１が打ち抜き加工により形成されている。 尚、上記意匠銘板１０はこの接点シート２０の表面に粘着シートにて貼り付け てある。

【０００９】 上記接点シート２０とプリント基板４０とを所定の間隔に絶縁性を有して保持 するために不透明樹脂の薄板から成るスペーサ３０が配設されている。このスペ ーサ３０には、上記意匠銘板１０のスイッチ部１１ａ，１１ｂ及び表示部１２に 対応する位置にそれぞれ穴３１ａ，３１ｂが打ち抜き加工により形成されている 。

【００１０】 プリント基板４０は両面銅張りエポキシ基板から成りスルーホールにより表裏 の配線パターンが接続されている。このプリント基板４０の表面には、複数のス イッチ部１１ａ，１１ｂの配置パターンに対応する位置に平面的に所定の隙間を 有して対向した配線パターンから成るスイッチ接点４０ａが形成されている。 上記スイッチ接点４０ａとしては、図３(a) に示された同心円形状又は図３(b ) に示された櫛形状などが採用できる。尚、図３(a),(b) の配線パターン内にお ける小さな丸穴は、プリント基板４０表面側に形成されたスイッチ接点４０ａと 裏面側の配線パターン（図略）とを電気的に接続するためのスルーホール穴であ る。

【００１１】 そして、意匠銘板１０のスイッチ部１１ａ，１１ｂの押圧により接点シート２ ０の対応部分が平面状から凹形状に変形され、スイッチ接点４０ａの対向する配 線パターン同士を非導通から導通に、即ち、スイッチ接点４０ａがオフからオン とされる。 又、プリント基板４０には、意匠銘板１０の複数の表示部１２の配置パターン に対応する位置に穴４１が形成されている。このプリント基板４０の裏面側の穴 ４１に臨んで電気部品であるＬＥＤホルダにて一体化された表示用ＬＥＤ４２が 図示しない配線パターン上のランド部に、はんだ付けされ配設されている。

【００１２】 図２において、４３は照明用ＬＥＤであり、この照明用ＬＥＤ４３は必要に応 じてプリント基板４０裏面側に配設されるものである。 上記表示用ＬＥＤ４２などの配設位置に対応してプリント基板４０、スペーサ ３０及び接点シート２０には各穴４１，３１ｂ，２１が形成されている。 又、上記プリント基板４０の裏面側には、上記スイッチ接点４０ａ、表示用Ｌ ＥＤ４２及び照明用ＬＥＤ４３などに対応した回路素子であるＩＣ４５、コンデ ンサ４６及び抵抗４７などが配設されている。 更に、プリント基板４０の裏面側には上記電気部品及び回路素子間を接続して 所定の電気回路を構成するための配線パターンが形成されている。

【００１３】 上記スイッチモジュール１００は、図２に示したように、ケース５０側からイ ンパネ６０にビス止めされて一体化構成されている。 又、ケース５０の穴５１はコネクティングスペースである。即ち、この空間を 利用して、プリント基板４０の上記電気回路からの出力信号を制御装置（図略） 側へ導くための配線コネクタ（図略）が収納されている。

【００１４】 次に、本考案に係るスイッチモジュール１００のプリント基板４０上の電気回 路を示したブロックダイヤグラムである図４及び上記意匠銘板１０のスイッチ部 １１ａ，１１ｂ及び表示部１２の具体的なレイアウトを示した図５、図６及び図 ７を参照して、その有用性を述べる。 尚、これらのスイッチ部を作動させた場合における車両の作動等の説明につい ては、ここでは省略する。

【００１５】 プリント基板４０の裏面側には、構成可能な電気回路の配線パターンとしてＡ モジュール用回路４４Ａ、Ｂモジュール用回路４４Ｂ及びＣモジュール用回路４ ４Ｃが形成されている。 ここで、図１のスイッチモジュール１００の意匠銘板１０に図５の意匠銘板１ ０Ａを採用したスイッチモジュール１００Ａは、プリント基板４０上のＡモジュ ール用回路４４Ａを利用して形成される。 そして、図１に示したように、意匠銘板１０Ａのスイッチ部１１ａ，１１ｂ及 び表示部１２の配置パターンに対応したスペーサ３０がプリント基板４０のスイ ッチ接点４０ａ上に配置されることにより、接点シート２０とスイッチ接点４０ ａとでスイッチが構成される。 尚、図４の電気回路では、上記スイッチを接点シート２０にて代表させて表示 してある。 又、プリント基板４０の裏面側の穴４１の周囲に形成された図示しない配線パ ターンのランド部には電気部品であるＬＥＤホルダと一体的な表示用ＬＥＤ４２ 又は照明用ＬＥＤ４３を、その発光方向が意匠銘板１０Ａの表示部１２方向とな るようにはんだ付けされる。これら表示用ＬＥＤ４２又は照明用ＬＥＤ４３は、 配線パターンを介してＡモジュール用回路４４Ａと接続される。 そして、Ａモジュール用回路４４Ａは外部に所望の信号を出力するためのスイ ッチ信号出力部４８と接続される。又、Ａモジュール用回路４４Ａは電源ライン と接続される。

【００１６】 同様に、図１のスイッチモジュール１００の意匠銘板１０に図６の意匠銘板１ ０Ｂを採用したスイッチモジュール１００Ｂは、プリント基板４０上のＢモジュ ール用回路４４Ｂを利用して形成される。つまり、意匠銘板１０Ｂのスイッチ部 １１ａ，１１ｂ及び表示部１２の配置パターンに対応した穴３１ａ，３１ｂを有 するスペーサ３０がプリント基板４０のスイッチ接点４０ａ上に配置される。又 、プリント基板４０の裏面上には、表示用ＬＥＤ４２などの電気部品がはんだ付 けされ配線パターンを介してＢモジュール用回路４４Ｂと接続される。 ここで、意匠銘板１０Ｂのスイッチ部及び表示部は予め設定された配置パター ンにより形成されている。この配置パターンに基づいてプリント基板４０表面上 にスルーホールを有したスイッチ接点４０ａ、裏面上に電気部品用のランド部な どが予め設けられているのである。 従って、意匠銘板１０Ｂの採用に合わせてプリント基板４０上に接点シート２ ０、スペーサ３０及び表示用ＬＥＤ４２などの電気部品を搭載し、Ｂモジュール 用回路４４Ｂと接続し、Ｂモジュール用回路４４Ｂをスイッチ信号出力部４８な どと接続するだけでスイッチモジュール１００Ｂが構成できることとなる。 尚、図７の意匠銘板１０Ｃを採用したスイッチモジュール１００Ｃにおいても 、同様でありその説明を省略する。

【００１７】 上記スイッチモジュール１００Ａ，１００Ｂ，１００Ｃでは、少なくともプリ ント基板４０を共通としてそれらの意匠銘板１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃのスイッチ 部及び表示部に対応したプリント基板４０の穴４１位置の裏面側に電気部品及び 回路素子が搭載される。そして、例えば、ジャンパー配線やディップスイッチ又 は電気部品などの搭載の有無によりプリント基板４０上の上述のモジュール用回 路が選択される。 尚、実施例の場合には、接点シート２０も共通として構成できる。

【００１８】 このように、複数の意匠銘板とプリント基板上の電気回路に対応させた簡単な 部品選択及び配線切替により、複数の配置パターンから成るスイッチモジュール が構成できる。 従って、本考案に係るスイッチモジュールでは、先ず、電気部品などの共通化 及び薄型化により配置スペースにおける無駄がなくなる。即ち、本考案に係るス イッチモジュールは極めて薄型でコンパクトなものとなる。 本考案のスイッチモジュールは、接点シートをＧＮＤ（グランド）レベルとす ることにより、ノイズシールド効果を有したものとなる。 又、本考案に係るスイッチモジュールでは、そのプリント基板側を最終的に単 体コネクタにて接続するだけで良く、加えて、スイッチ類からの信号がプリント 基板上で信号処理されて対応する制御装置まで送出されるならば、それらの配線 は最小限のもので良いこととなり組付性が大きく向上される。 又、本考案に係るスイッチモジュールでは、プリント基板及び電気部品などが 各スイッチモジュールに対して共通化されるためコストの低減が可能となる。 尚、電気回路にマイクロコンピュータを用い、各モジュール機能の動作をソフ トウェアで使い分けても良い。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のスイッチモジュールにおいては、複数の意匠銘 板に対するプリント基板及び電気部品などの共通化によりコストの低減及びコン パクト化を達成することができる。 又、意匠銘板のスイッチ部に対応する位置に設けられたスペーサの穴と板厚を 利用してその上下に配設された接点シートとプリント基板面上のスイッチ接点と から成るスイッチは極めて構成が簡単で薄型とすることができる。 又、プリント基板、スペーサ及び接点シートの各穴を介して表示用ＬＥＤなど からの光を意匠銘板側に導くことにより指向性且つ、視認性の良い表示部を構成 することができる。 又、車両のインパネ等への組み付けでは、スイッチモジュールのプリント基板 側を最終的に単体コネクタにて接続するだけで良いため、組付性の向上を図るこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の具体的な一実施例に係るスイッチモジ
ュールの基本構成を示した分解斜視図である。

【図２】同実施例に係るスイッチモジュールの要部拡大
断面図である。

【図３】プリント基板面上に形成されるスイッチ接点の
形状を示した平面図である。

【図４】同実施例に係るプリント基板の回路構成を示し
たブロックダイヤグラムである。

【図５】同実施例に係るスイッチ部及び表示部の具体的
なレイアウトを示した意匠銘板の第１の配置パターン図
である。

【図６】同実施例に係るスイッチ部及び表示部の具体的
なレイアウトを示した意匠銘板の第２の配置パターン図
である。

【図７】同実施例に係るスイッチ部及び表示部の具体的
なレイアウトを示した意匠銘板の第３の配置パターン図
である。

【符号の説明】

１０…意匠銘板 １１ａ…（エンボス加工された）スイッチ部 １２…表示部 ２０…接点シート ３０…スペーサ ４０…プリント基板 ４０ａ…スイッチ接点 ４２…表示用ＬＥＤ（電気部品） １００…スイッチモジュール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光透過性、可撓性及び絶縁性を有する平
   板状の薄膜樹脂から成り、スイッチ部及び表示部が予め
   設定された複数の配置パターンに基づいて形成され、エ
   ンボス加工により前記スイッチ部のうちの所定箇所の操
   作面側を凸形状とした意匠銘板と、 前記意匠銘板の操作面の裏面側に隣接して配設され、導
   電性及び可撓性を有する平板から成り、表示及び照明用
   の光が通過する穴を設けた接点シートと、 前記接点シートの前記意匠銘板と反対側に配設され、該
   意匠銘板の前記スイッチ部及び前記表示部の複数の配置
   パターンに対応し、前記スイッチ部に対しては平面的に
   所定の隙間を有して対向した配線パターンから成るスイ
   ッチ接点が形成され、その裏面側において前記表示部に
   対しては表示又は照明用ＬＥＤなどの電気部品が搭載で
   きると共にそれらの光が通過する穴を設け、又、前記ス
   イッチ接点及び前記電気部品に対応したＩＣ、コンデン
   サ又は抵抗などの回路素子が搭載できると共にそれら前
   記電気部品及び前記回路素子間を接続して所定の電気回
   路を構成するための配線パターンを有したプリント基板
   と、 前記意匠銘板のスイッチ部及び表示部に対応する位置に
   それぞれ穴を設けると共に前記プリント基板と前記接点
   シートとを所定の間隔に絶縁性を有して保持するスペー
   サとを備えたことを特徴とするスイッチモジュール。