JPH0653712B2 - N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェニル)−2−メチルバレルアミド、その製造方法および選択性殺草剤 - Google Patents

N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェニル)−2−メチルバレルアミド、その製造方法および選択性殺草剤

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JPH0653712B2
JPH0653712B2 JP9665386A JP9665386A JPH0653712B2 JP H0653712 B2 JPH0653712 B2 JP H0653712B2 JP 9665386 A JP9665386 A JP 9665386A JP 9665386 A JP9665386 A JP 9665386A JP H0653712 B2 JPH0653712 B2 JP H0653712B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェニ
ル)−2−メチルバレルアミド、その製造方法およびこ
の化合物を有効成分として含有することを特徴とする選
択性殺草剤、とくに、農産業におけるイネ科重要作物で
あるコムギの栽培において、茎葉散布により有害雑草を
有効に、かつ、選択的に防除する選択性殺草剤に関する
ものである。
〔従来技術〕
コムギ用除草剤として最も広く実用に供されているもの
として、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2−
メチル−4−クロロフェノキシ酢酸(MCPA)、4−(2
−メチル−4−クロロフェノキシ)酪酸(MCPB)、4−
(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)などのフ
ェノキシ系除草剤が挙げられるが、これらの除草剤は広
葉雑草を防除するためにのみ有効な茎葉処理剤であり、
しかも、コムギに対する薬害の問題から、作物がある程
度生育した段階のみに、その使用が制限される。
また、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ
−1−メチル尿素〔リニュウロン(linuron)〕、3−
(3−クロロ−4−メトキシフェニル)1,1−ジメチル
尿素〔メトクスロン(metoxuron)〕、3−(3−クロ
ロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素〔クロ
ルトルロン(chlortoluron)〕、3−(4−イソプロピ
ルフェニル)−1,1−ジメチル尿素〔イソプロチュウロ
ン(isoproturon)〕、3−(2−ベンゾチアゾリル)
−1,3−ジメチル尿素〔メタベンズチアズロン(methabe
nzthia-zuron)〕などの尿素系除草剤も、コムギ栽培に
おいては極めて重要であるが、これらの多くは作物に対
して薬害をひきおこすために、発生前土壌処理剤として
用いられている。また、茎葉処理剤として使用される場
合であっても、品種、栽培条件等で大きくその選択性が
異なり、殺草スペクトラルについても、すべての問題雑
草におよぶものではなく、混剤として使用されているの
が通常である。
その他、2−(2−クロロ−4−エチルアミノ−S−ト
リアジン−6−イルアミン)−2−メチルプロピオニト
リル〔サイアナジン(cyanazine)〕、3,4−ジメチル−
2,6−ジニトロ−N−1−エチルプロピルアニリン〔ペ
ンディメタリン(pendi-methalin)〕、α,α,α−ト
リフルオロ−2,6−ジニトロ−N−2−クロロエチル−
N−プロピル−p−トルイジン〔フルクロラリン;fluc
hloralin)〕、2,4−ジクロロフェニル−3−メトキシ
カルボニル−4−ニトロフェニルエーテル〔バイフェノ
ックス(bifenox)〕等の除草剤がコムギ栽培用として
適用が試みられているが、いずれも混剤として用いられ
ており、単独での使用では多くの問題雑草に対する効果
が不充分である。また、強害雑草−野性エンバクの専用
剤として4−クロロ−2−ブチニル−N−(3−クロロ
フェニル)−カーバメート〔バルバン(barban)〕、N
−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−2−
アミノプロピオン酸エチルエステル〔ベンゾイルプロッ
プエチル(benzoylpropethyl)〕、1,2−ジメチル−3,5
−ジフェニル−1H−ピラゾリウムメチルサルフェート
〔ジフェンゾクアット(difenzoquat)〕、および(±)
−2−〔4−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノキ
シ〕プロピオン酸メチルエステル〔ジクロフォップメチ
ル(iclofopmethyl)〕等が適用されているが、いまだ
その実用効果は充分とはいえない。
上記に掲げた化合物以外のコムギ用除草剤としては、3
−イソプロピル−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−(4)
−3H−オン−2,2−ジオキサイド〔ベンタゾン(bentazo
ne)〕、もしくは近年高活性化合物として注目を集め
た、2−クロロ−N−(4−メトキシ−6−メチル−1,
3,5−トリアジン−2−イルアミノカルボニル)ベンゼ
ンスルホンアミド〔クロロスルフロン(chlorosulfuro
n)〕などがあげられる。前者は茎葉散布において、コ
ムギに対して極めて優れた安全性を示す化合物である
が、その対象とするところの雑草は広葉雑草、しかも一
部の広葉雑草のみに限定される。また後者は極めて低薬
量において土壌処理効果に優れ、類まれなる残効性を有
し、しかもコムギに対する安全性も極めて高い薬剤であ
るが、低薬量にもかかわらず、後作物に対して甚大なる
薬害を及ぼす危険があり、その使用が著しく制限される
ものとなっている。現在においては、農薬の備えるべき
必須の条件として、優れた性能はもとより、人畜並びに
環境に対する安全性が強く要求される。
一方、N−フェニルカルボン酸アミド誘導体についても
古くより数多くの研究がなされ、種々のすぐれた除草剤
が知られ且つ使用されている。これらはシー・ダブリュ
ー・ホフマンら、ジャーナル・オブ・ザ・アグリカルチ
ュラル・アンド・フード・ケミストリー(C.W.Hoffman,
etal.,J.Agric.Food.Chem.),8,298(1960)〔N−(3,4
−ジクロロフェニル)プロピオンアミド;スタム(Sta
m);プロパニル(propanil)〕、英国特許第869,169号
〔カーシル(Karsil);ソラン(Solan)〕西ドイツ特
許第1,166,547号〔ポタブラムPotablam);モナリド(m
onalide)〕、米国特許第3,816,092号、英国特許第885,
043号〔DCMA;ジクリル(dicryl)〕、米国特許第3,27
7,107号〔クロッバー(clobber);シプロミド(cyprom
id)〕、米国特許第4,166,735号および同第3,277,171号
などに開示されているが、これらの多くは茎葉処理にお
いて極めて有効に雑草を枯殺するのみならず、ある種の
重要作物に対して高度な選択性を示すものであり、すぐ
れた除草剤といえる。またこれらの化合物は、比較的分
解が速やかであるなどの特徴が期待でき、収穫後に作付
けする作物に対する影響はもとより、環境に対する化合
物汚染などの影響も小さいことが予測される。しかしこ
れらの多くの先行技術には、コムギ選択性に関する開示
がなく、もしくは記載があるにしても選択性が不充分で
あるか、あるいは効果が不充分である。事実、これら先
行技術に記載の除草剤はコムギ栽培においての実際の使
用は困難である。
また、特公昭41-14240号公報および西独特許第2,249,54
7号などに、コムギ選択性に関するN−フェニルカルボ
ン酸アミド誘導体が開示されているが、薬効および作物
に対する薬害の面で充分なものとは言えない。あるいは
また、特開昭59-193806号公報および特開昭60-23357号
公報においても、N−(4−イソプロピルフェニル)−
カルボン酸アミド誘導体が開示されているが、これらの
主要な欠点は効果が不安定、且つ、一部の重要雑草、と
りわけミミナグサ、ホトケノザ、イヌノフグリ、ツユク
サの類に対して殺草活性を示さないことである。
したがって、イネ科重要作物−特にコムギの栽培におけ
る作物に対する本質的選択性を有する薬剤の開発、ま
た、土壌条件など物理的要因などによる影響の少ない薬
剤、すなわち茎葉処理剤の開発、また、イネ科雑草から
広葉雑草まで幅広い殺草スペクトラルを有する薬剤の開
発、並びに、より低薬量で効果を示し、分解が速やかで
環境に対して化合物などの悪影響を及ぼさない薬剤の開
発が強く要望されるところとなっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、イネ科重要作物であるコムギの栽培におい
て、土壌条件などの物理的要因による効果あるいは薬害
などの変動の見られない除草剤、とくに茎葉処理におい
て本質的なコムギに対する選択性を有する殺草剤、すな
わち、より低薬量で有効であり、イネ科重要作物、特に
コムギの栽培における簡便、かつ効果の確実な茎葉処理
型高度選択性殺草剤およびその製造方法を提供すること
を課題とする。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明者らは、イネ科重要作物、特にコムギの栽培にお
ける高度選択性殺草剤の開発を目標に、数多くの化合物
について研究した結果、N−(3−クロロ−4−イソプ
ロピルフェニル)−2−メチルバレルアミドが、これを
用いて茎葉処理した場合、極めて幅広い殺草スペクトラ
ルを有しつつ、イネ科重要作物、特にコムギに対しては
著しい高濃度散布においても全く薬害を与えず、優れた
選択殺草作用があり、前記課題を解決する特質を有する
ことを見出し本発明を完成した。
一般に同系統の化合物、構造的に近似な化合物が同じよ
うな特性を有するように考えられるが、現実にはその作
用特性は容易に類推できるものではなく、単に一つの置
換基のアルキル鎖を増すにしても、雑草に対する殺草活
性、作物に対する薬害が大きく変動する。
本発明に係るN−(3−クロロ−4−イソプロピルフェ
ニル)−2−メチルバレルアミドは新規化合物である。
本発明に係るN−(3−クロロ−4−イソプロピルフェ
ニル)−2−メチルバレルアミドを有効成分として含有
する殺草剤はその作用特性として茎葉処理した場合、殆
どの畑で問題となる有害雑草、たとえば、野性エンバ
ク、オオスズメノテッポウ、西洋スズメノテッポウ、ス
ズメノテッポウ、スズメノカタピラ、ノビエ、メヒシ
バ、エノコログサなどのイネ科強害雑草およびアオビ
ユ、スベリヒユ、オナモミ、ヤエムグラ、シロザ、ハコ
ベ、マルバアサガオ、ミミナグサ、イチビ、エビスグ
サ、グンバイナズナ、カラシナ、ツユクサ、セイバンモ
ロコシ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、イヌノフグ
リ、ハキダメギク、ノボロギク、カミツレ、ナズナ、イ
ラクサなどの強害雑草を極めて有効に防除する。一方、
イネ科重要作物、特にコムギに対する薬害は全く観察さ
れない。
このように、本発明に係るN−(3−クロロ−4−イソ
プロピルフェニル)−2−メチルバレルアミドは、イネ
科重要作物、特にコムギの栽培において本質的に茎葉処
理選択性を有するものであり極めて安全に使用可能であ
る。現在、コムギの栽培において用いられている種々の
除草剤は土壌処理剤であり、これらの除草剤の有する欠
点、すなわち土壌条件などの物理的要因による効果およ
び薬害の変動は、本発明に係る殺草剤においては全く観
察されない。また、後作物への影響も問題がない。
本発明に係る新規化合物N−(3−クロロ−4−イソプ
ロピルフェニル)−2−メチルバレルアミドの製造方法
は3−クロロ−4−イソプロピルアニリンと2−メチル
バレリルハライドまたは2−メチルバレリアン酸無水物
を反応させることを特徴とする製造方法である。
すなわち、本発明に係る化合物は次式に従い容易に合成
しうる。
または 反応は無溶媒もしくは不活性溶媒中で行われる。不活性
溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニ
トリル、プロピオニトリル等のニトリル類、エチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルリン酸アミド等の非プロトン性極性溶媒等が
挙げられる。酸ハライド、もしくは酸無水物を使用する
に際して、必要に応じてトリエチルアミン、ピリジン、
ジメチルアニリン、1,8−ジアザシクロ(5,4,0)−7−ウ
ンデセン等の有機塩基、もしくは炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸水素ナトリウム
等の無機塩基を脱酸剤として用いても良い。反応温度は
−10℃〜150℃、好ましくは5℃〜90℃、より好ましく
は15℃〜70℃である。また使用する溶媒の還流温度で反
応させてもよい。反応時間は反応温度、または使用され
る溶媒によって異なるが、1秒〜10時間、好ましくは1
分〜5時間、より好ましくは20分〜3時間である。
本発明に係るN−(3−クロロ−4−イソプロピルフェ
ニル)−2−メチルバレルアミドの施用量は、雑草の成
育を抑制する必要度に応じて任意の量で使用可能であ
り、標準的には有効成分量はヘクタール当たり0.1〜10k
gの範囲であり、好ましくはヘクタール当たり0.2〜3kg
の範囲である。
本発明に係る殺草剤は、本発明に係るN−(3−クロロ
−4−イソプロピルフェニル)−2−メチルバレルアミ
ドを主成分として含有するものである。本発明に係るN
−(3−クロロ−4−イソプロピルフェニル)−2−メ
チルバレルアミドは処理する植物に対して原体をそのま
まで使用してよい。しかし、一般には本発明化合物に担
体及び必要に応じて他の補助剤を添加混合し、通常用い
られる製剤形態、たとえば、粉剤、粒剤、水和剤、乳
剤、フロアブル製剤等に調整した殺草剤として使用され
る。
担体としては、クレー類、タルク、ベントナイト、炭酸
カルシウム、ケイソウ土、セオライト、無水ケイ酸等の
如き無機物質;小麦粉、大豆粉、デンプン、結晶セルロ
ーズ等の如き植物性有機質;石油樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアルキレングリコール等の如き高分子化合物;
尿素;ワックス類等があげられる。また、各種オイル
類、有機溶媒、水等の如き液体担体を使用することもで
きる。
補助剤としては、例えば湿潤剤、分散剤、固着剤、展着
剤などを必要に応じて適宜単独で、または、組み合わせ
て使用できる。
湿潤、分散、拡展、成分安定化、物性安定化等の目的で
使用される補助剤としては、各種界面活性剤、または、
ゼラチン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、メチル
セルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム等
の如き高分子化合物あるいはその他の補助剤が挙げられ
る。また、フロアブル剤の場合は、防菌、防カビのため
に場合によっては、工業用殺菌剤、防菌防カビ剤を添加
する。
界面活性剤としては、非イオン性、陰イオン性、陽イオ
ン性及び両イオン性のものを適宜に使用できる。好まし
い例としては、アルキルフェノール、高級アルコール、
アルキルナフトール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、ジ
アルキルリン酸アミン等にエチレンオキシドを重合させ
たもの、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを重合
させたもの、アルキル硫酸エステル塩(ラウリル硫酸ナ
トリウム等)、アルキルスルフォン酸塩(2−エチルヘ
キセンスルフォン酸ナトリウム等)、アリールスルフォ
ン酸塩(リグニンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム等)が挙げられる。
本発明に係る殺草剤における本発明化合物の含有量は、
製剤形態によって異なるが、通常、粉剤では1〜20重量
%、水和剤では20〜90重量%、粒剤では1〜30重量%、
乳剤では1〜50重量%、フロアブル製剤では10〜90重量
%、ドライフロアブル製剤では20〜70重量%である。補
助剤の含有量は0〜80重量%であり、担体の含有量は10
0重量%から有効成分化合物及び補助剤の含有量を差し
引いた量である。
本発明の殺草剤は、他の除草剤の一種または二種以上、
殺虫剤、植物成長調節剤等の如き農薬、土壌改良剤また
は肥効性物質と混合使用可能であるのはもちろんのこ
と、これらとの混合製剤とすることも可能であり、場合
によっては相乗効果も期待できる。
〔実施例〕
本発明に係るN−(3−クロロ−4−イソプロピルフェ
ニル)−2−メチルバレルアミドの合成例を示す。
合成例1 トルエン36mlに、3−クロロ−4−イソプロピルアニリ
ン1.0g(5.9/1000mol)およびピリジン0.7gを加
え、さらに2−メチルバレリルクロリド0.9g(5.9/100
0mol)を加えて室温で20分攪拌した。析出した結
晶を濾別した後、濾液に水70mlを加えてトルエンで抽出
した。トルエン溶液を重炭酸水素ナトリウムの飽和水溶
液で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エバポレー
ターで濃縮して得られた粗結晶をメタノールから再結晶
して、N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェニル)
−2−メチルバレルアミド1.2gを得た。収率:3−ク
ロロ−4−イソプロピルアニリンに対して76.0%、元素
分析(%): 測定値(%)C;67.07,H;8.57,N;5.17,Cl;13.05 計算値(%)C;67.27,H;8.27,N;5.23,Cl;13.24 合成例2 ベンゼン58mlに、3−クロロ−4−イソプロピルアニリ
ン1.0g(5.9/1000mol)およびトリエチルアミン0.8
gを加え、さらに2−メチルペンタン酸無水物1.3g
(6.1/1000mol)を加えて室温で攪拌した。2時間の
後、反応液中に重炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液85ml
を注入しベンゼン抽出した。ベンゼン溶液を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後エバポレーターで濃縮、得られ
た粗結晶をヘキサンから再結晶して、N−(3−クロロ
−4−イソプロピルフェニル)−2−メチルバレルアミ
ド1.1gを得た。収率:3−クロロ−4−イソプロピル
アニリンに対して69.7%、 元素分析(%): 測定値(%)C;67.33,H;8.46,N;5.09,Cl;13.04 計算値(%)C;67.27,H;8.28,N;5.23,Cl;13.24 本発明化合物の物性は次のとうりである。
次に本発明に係る殺草剤の製剤例および殺草活性試験例
を示す。
製剤例1(水和剤) 本発明化合物:20重量部、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム:2重量部、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル:2重量部およびジークライト:76重量
部をよく粉砕混合して水和剤を得た。
製剤例2(水和剤) 本発明化合物:30重量部、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩:6重量部、ナフ
タレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物:2重量
部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量
部、ポリビニルアルコール:2重量部およびケイソウ
土:59重量部をよく粉砕混合して水和剤を得た。
製剤例3(水和剤) 本発明化合物:50重量部、ホワイトカーボン:3重量
部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
アンモニウム塩:4重量部、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム:2重量部およびケイソウ土:41重量部を
よく粉砕混合して水和剤を得た。
製剤例4(水和剤) 本発明化合物:50重量部、ホワイトカーボン:5重量
部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
アンモニウム塩:4重量部、リグニンスルホォン酸ナト
リウム:2重量部およびケイソウ土:34重量部をよく粉
砕混合して水和剤を得た。
製剤例5(水和剤) 本発明化合物:80重量部、ホワイトカーボン:5重量
部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
アンモニウム塩:7重量部、ナフタレンスルホン酸ナト
リウムホルマリン縮合物:2重量部、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム:2重量部およびケイソウ土:4
量部をよく粉砕混合して水和剤を得た。
製剤例6(フロアブル剤) 本発明化合物:20重量部、リグニンスルフォン酸ナトリ
ウム:2重量部、キサンタンガム:0.3重量部およびポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル:1重量部
に水:76.7重量部を加えて混合後、サンドグラインダー
を用いて微粉砕してフロアブル剤を得た。
製剤例7(フロアブル剤) 本発明化合物:40重量部、ナフタレンスルフォン酸ナト
リウムホルマリン縮合物:3重量部、リグニンスルフォ
ン酸ナトリウム:2重量部、キサンタンガム:0.1重量
部、デルトップ (武田薬品工業(株)製工業用殺菌
剤):0.1重量部およびポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテル:2重量部に水:52.8重量部を加えて混
合後、サンドグラインダーを用いて微粉砕してフロアブ
ル剤を得た。
製剤例8(粉剤) 本発明化合物:3重量部、リグニンスルフォン酸ナトリ
ウム:3重量部、ポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテル:2重量部およびクレー:92重量部を混合粉砕
して粉剤を得た。
製剤例9(粉剤) 本発明化合物:20重量部、リグニンスルフォン酸ナトリ
ウム:5重量部、ポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテル:4重量部およびクレー:71重量部を混合粉砕
して粉剤を得た。
製剤例10(ドライフロアブル剤) 本発明化合物:60重量部、アルキルベンゼンスルフォン
酸ナトリウム:5重量部およびポリプロピレングリコー
ルポリエチレングリコールエーテル:35重量部を混合
し、JET-0−マイザーを用いて微粉砕してドライフロア
ブル剤を得た。
製剤例11(ドライフロアブル剤) 本発明化合物:70重量部、アルキルベンゼンスルフォン
酸ナトリウム:2重量部およびポリプロピレングリコー
ルポリエチレングリコールエーテル:18重量部およびホ
ワイトカーボン:10重量部を混合し、JET-0−マイザー
を用いて微粉砕してドライフロアブル剤を得た。
製剤例12(粒剤) 微粉砕した本発明化合物:20.5重量部、ゴーセノール
(Gohsenol)GL−05S(日本合成化学(株)製PVA):2.
0重量部、サンエキスP-252(山陽国策パルプ(株)製リ
グニンスルフォン酸ナトリウム):2.0重量部およびク
レー:75.5重量部を良く混合した後、適当量の水を加え
て湿潤させ、次に射出成型機で押し出し造粒した。これ
を60〜90℃で風乾し解砕した後、整粒機で0.3〜1mmに
整粒して粒剤を得た。
製剤例13(粒剤) 微粉砕した本発明化合物:5重量部、ベントナイト:72
重量部、タルク:20重量部、ドデシルベンゼンスルフォ
ン酸カルシウム:2重量部およびリグニンスルフォン酸
カルシウム:1重量部を良く混合した後、適当量の水を
加えて湿潤させ、次に射出成型機で押し出し造粒した。
これを60〜90℃で風乾し解砕した後、整粒機で0.5〜1.2
mmに整粒して粒剤を得た。
製剤例14(粒剤) 微粉砕した本発明化合物:12重量部、ベントナイト:60
重量部、タルク:25重量部、ナフタレンスルフォン酸ナ
トリウムホルマリン縮合物:2重量部およびジオクチル
スルフォサクシネート:1重量部を良く混合した後、適
当量の水を加えて湿潤させ、次に射出成型機で押し出し
造粒した。これを60〜90℃で風乾し解砕した後、整粒機
で0.3〜1mmに整粒して粒剤を得た。
製剤例15(乳剤) 本発明化合物:10重量部、ソルポール800A(東邦化学
(株)製商品名:非イオン性界面活性剤とアニオン性界
面活性剤の混合物):10重量部およびベンゼン:80重量
部を混合溶解して乳剤を得た。
製剤例16(乳剤) 本発明化合物:50重量部、ガファックRS-610〔ジェネラ
ル アニリン アンド フィルム社(General Aniline
& Film Corporation)製商品名:ポリオキシエチレンリ
ン酸エステル〕:15重量部およびo−キシレン:35重量
部を混合溶解して乳剤を得た。
製剤例17(乳剤) 本発明化合物:25重量部、ブライサーフA-210G(第一工
業製薬(株)製商品名:ポリオキシエチレンリン酸エス
テル〕:15重量部およびo−キシレン:60重量部を混合
溶解して乳剤を得た。
試験例1 1/10.000アール樹脂製ポットに畑土壌を充填し、これに
被検植物を一種類づつ播種し、温室内にて生育させる。
各植物が2〜3葉になった時に、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレートおよびソルビタンモノラウレート
を含むアセトンにより各化合物を溶液とし、所定量を加
圧微量噴霧器にて散布した。散布量はヘクタール当たり
2Kl相当量とした。薬剤散布後21日目に作物および雑草
に対する影響を観察調査した。結果を第1表に示す。被
検植物の被害程度は、完全枯死を5とし、全く影響のな
い場合を0とし次のとうり表示した。
試験例2 1/1000アール樹脂製プランターに畑土壌をつめ、これに
野性エンバク、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、
ハコベ、シロザ、野性カラシナの雑草種子をまいた。同
時に作物として小麦(品種:農林61号)および大麦(品
種:栃木関取1号)の種子を播種し、ファイトトロン
(12〜18℃)にて栽培した。小麦が2〜3葉に達した時
に製剤例15により調整した供試化合物の所定量をヘクタ
ール当たり500相当量の水にて希釈し、微量加圧噴霧
器にて処理した。薬剤処理後3週間目に雑草および作物
に対する影響を観察評価した。第2表にその試験結果を
示す。被検植物の被害程度は、試験例1と同様に表示し
た。
試験例3 容量a/1000のプランターに土壌をつめ、コムギ、野性
エンバク、オオスズメノテッポウ、西洋スズメノテッポ
ウ、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、グンバイナ
ズナ、ヤエムグラ、シロザ、ホトケノザ、ミミナグサ、
イヌノフグリおよびハコベの種子を播種して、温室内で
生育させた。供試植物が2〜3葉期に生育した時に、製
剤例6に準じて調整したフロアブル剤の所定量を、アー
ル当たり10リットル相当量の水に希釈し、微噴霧器で散
布した。処理30日後に、作物および雑草の生育状況を調
査し、第3表の結果を得た。
第3表では、作物に対する薬害程度および雑草に対する
殺草効果は、作物または雑草の生育状態を無処理区の風
乾重と比較し、下記の評価基準に従って表わした。
評価基準 0対無処理区風乾重比で示した生存率 91〜100% 1 〃 61〜 90% 2 〃 36〜 60% 3 〃 11〜 35% 4 〃 6〜 10% 5 〃 0〜 5% なお、対照薬剤のメタベンズチアズロン、ジクロフォッ
プメチル、プロパニルについては、それぞれ市販のトリ
ブニル水和剤、ホエロン乳剤、スタム乳剤を用いた。
(1)3−(2−ベンゾチアゾリル)−1,3−ジメチルウレ
ア (2)メチル(±)−2−〔4−(2,4−ジクロロフェノキ
シ)フェノキシ〕プロピオネート (3)N−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチル−
2−ペンテン酸アミド〔特開昭60-23357号〕 (4)N−(3,4−ジクロロフェニル)−2−ブロモ−2−
メチルバレルアミド〔特公昭41-14240号〕 (5)N−(3,4−ジクロロフェニル)プロピオンアミド 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明化合物を含有す
る殺草剤は、土壌条件などの影響を受けない茎葉処理に
おいて、供試したすべての雑草に対して低薬量において
も顕著な殺草効果を示す一方、イネ科有用作物、特にコ
ムギに対しては、著しい高薬量においても全く薬害が観
察されず、卓越した選択性を示しており、比較薬剤(メ
タベンズチアズロン、ペンタゾン、プロパニル、カーシ
ル等)、あるいは、その他の公知化合物を凌駕する性能
を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェ
    ニル)−2−メチルバレルアミド。
  2. 【請求項2】3−クロロ−4−イソプロピルアニリンと
    2−メチルバレリルハライドまたは2−メチルバレリア
    ン酸無水物を反応させることを特徴とするN−(3−ク
    ロロ−4−イソプロピルフェニル)−2−メチルバレル
    アミドの製造方法。
  3. 【請求項3】N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェ
    ニル)−2−メチルバレルアミドを有効成分として含有
    することを特徴とする選択性殺草剤。
JP9665386A 1986-04-28 1986-04-28 N−(3−クロロ−4−イソプロピルフェニル)−2−メチルバレルアミド、その製造方法および選択性殺草剤 Expired - Lifetime JPH0653712B2 (ja)

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