JPH0653553U - テープ送りローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 走行テープによる空気の抱き込みを防いで、
テープスリップによる計尺精度の低下やテープ面の損傷
を防ぎ、テープを安定よく走行させる。 【構成】 直線状の空気抜き溝１１ａ，１１ａ…をロー
ラ面１０に複数本定間隔毎に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気テープ巻取り機の計尺ローラや磁気テープ表面研磨機のテープ 走行ローラ等として用いられるテープ送りローラの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、磁気テープの巻取り機を例示すると、図４で示す如く磁気テープＴを大 巻きリール１から小巻きリール２にガイドローラ３，４でテープ送りする途上に 計尺ローラ５を配設し、その計尺ローラ５の円周面で送られる磁気テープＴの長 さを計測することが行なわれている。この磁気テープＴの計測には計尺ローラ５ の側面に所定の間隔を隔てて複数個の貫通孔５ａ，５ａ…を同心円上に設け、図 ５で示すように投光器６からの光を貫通孔５ａ，５ａ…に通過させて受光器７で 検知することによりパルスカウントすることが適用されている。

【０００３】 その磁気テープの巻取機においては計尺ローラ５としてゴムリング５ｂを円周 面に嵌着したものが装備され、また、磁気テープの走行スピードが２０〜４０ｍ ／秒と高速に設定されている。このことから、磁気テープの走行に伴ってローラ 面とテープ面との間に空気を抱き込むことによりテープスリップが生じ易い。そ のテープスリップが生ずると磁気テープの計尺精度を低下させるばかりでなく、 磁気テープの走行を不安定なものにししかもテープ面を損傷することにもなると ころから好ましくない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述した空気の抱き込みによるテープスリップが生じないよう改良 したテープ送りローラを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１に係るテープ送りローラにおいては、直線状の空気抜き溝を テープが接するローラ面に複数本定間隔毎に設けることにより構成されている。

【０００６】 本考案の請求項２に係るテープ送りローラにおいては、請求項１の空気抜き溝 をローラ幅方向に向けて斜めに設けることにより構成されている。

【０００７】 本考案の請求項３に係るテープ送りローラにおいては、請求項１の空気抜き溝 をローラ円周方向全周面に連続させて設けることにより構成されている。

【０００８】 本考案の請求項４に係るテープ送りローラにおいては、請求項１の空気抜き溝 をローラ幅方向に向けて斜めに設けると共に、ローラ円周方向全周面に連続させ て設けることにより構成されている。

【０００９】

【作用】

本考案の請求項１に係るテープ送りローラでは、ローラ面とテープ面との間に 抱き込まれる空気を直線状の空気抜き溝で逃せるため、テープ面がローラ面に密 着することによりテープを安定よく正確に送れると共に、テープ面を損傷するの も防げる。

【００１０】 本考案の請求項２に係るテープ送りローラでは、直線状の空気抜き溝をローラ 幅方向に向けて斜めに設けるから、空気抜き溝がローラ回転による風速を受けて 空気流れを円滑に起せるようになる。

【００１１】 本考案の請求項３に係るテープ送りローラでは、直線状の空気抜き溝をローラ 円周方向全周面に連続させて設けることから、テープ面をローラ面の円周方向に 長く接触させるよう組み合せても空気を確実に逃すことができる。

【００１２】 本考案の請求項４に係るテープ送りローラでは、直線状の空気抜き溝をローラ 幅方向に向けて斜めに設けると共に、ローラ円周方向全周面に連続させて設ける もであるから、如何る使用条件に応じても空気を確実且つ円滑に逃すことができ る。

【００１３】

【実施例】

以下、図１〜３に基づいて説明すれば、このテープ送りローラは磁気テープの 計尺ローラを例示するものであり、その磁気テープが接するローラ面１０はゴム リングによる弾性体として形成されている。

【００１４】 図１で示すテープ送りローラにおいては、磁気テープが接するゴムリング面に 凹部を付形することにより、直線状の空気抜き溝１１ａ，１１ａ…が複数本定間 隔毎に設けられている。その空気抜き溝１１ａ，１１ａ…はローラ幅方向に向け て斜めに設けられ、具体的には直径１００mm，幅１５mm程度のローラにおいて角 度６０°，幅１mm，深さ１mmのものを３６本程度設ければよい。

【００１５】 このテープ送りローラでは磁気テープの走行スピードが２０〜４０ｍ／秒と高 速に設定されても、磁気テープのテープ面とローラ面１０との間に抱き込む空気 を空気抜き溝１１ａ，１１ａ…で逃せるから、テープ面をローラ面１０に密着さ せてテープ送りすることができる。また、その空気抜き溝１１ａ，１１ａ…がロ ーラ幅方向に向けて斜めに設けられていることにより、空気抜き溝１１ａ，１１ ａ…がローラ回転による風速を受けて空気流れを円滑に起せるようになる。

【００１６】 図２で示すテープ送りローラにおいては、上述したと同様に凹部をゴムリング 面に付形することにより、直線状の空気抜き溝１１ｂ，１１ｂ…がローラ面１０ に設けられている。その空気抜き溝１１ｂ，１１ｂ…はローラ円周方向全周面に 連続させて設けられ、図１と同じ大きさのローラにあっては幅１mm，深さ１mmの ものを３〜５本程度平行に設ければよい。

【００１７】 このテープ送りローラは磁気テープのテープ面を円周方向で長く受けるものと して好適であり、その長さ方向に亘って空気抜き溝１１ｂ，１１ｂ…が位置する ところから空気の抱き込みが生ずるのを全長に亘って確実に防ぐことができる。

【００１８】 図３で示すテープ送りローラにおいては、図１で示すローラ幅方向に向う斜め の空気抜き溝１１ａ，１１ａ…と、図２で示すローラ円周方向の連続した空気抜 き溝１１ｂ，１１ｂ…とを共にローラ面１０に設けることにより構成されている 。このテープ送りローラでは、各空気抜き溝１１ａ，１１ａ…、１１ｂ，１１ｂ …の相乗作用で空気をより円滑且つ確実に逃すことができるから、如何る使用条 件に応じてもテープ面をローラ面に密着させるようにできる。

【００１９】 上述した実施例は磁気テープ巻取機の計尺ローラを例示したが、磁気テープ表 面研磨機のテープ走行ローラやその他各種のテープ送りローラにも適用すること ができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上の如く、本考案に係るテープ送りローラに依れば、テープによる空気の抱 き込みをローラ面の空気抜き溝で防ぐことによりテープ面をローラ面に密着でき るため、テープスリップによる計尺精度の低下やテープ面の損傷を防げてテープ を安定よく走行させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るテープ送りローラを円
周面で示す説明図である。

【図２】本考案の別の実施例に係るテープ送りローラを
円周面で示す説明図である。

【図３】本考案の更に別実施例に係るテープ送りローラ
を円周面で示す説明図である。

【図４】従来例のテープ送りローラを備える機構の一例
として磁気テープの巻取機を示す説明図である。

【図５】同巻取機に装備される計尺ローラを計測手段と
共に断面で示す説明図である。

【符号の説明】

１０ ローラ面 １１ａ，１１ａ…、１１ｂ，１１ｂ… 空気抜き溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直線状の空気抜き溝をテープが接するロ
   ーラ面に複数本定間隔毎に設けたことを特徴とするテー
   プ送りローラ。
2. 【請求項２】 上記空気抜き溝をローラ幅方向に向けて
   斜めに設けたことを特徴とする請求項１のテープ送りロ
   ーラ。
3. 【請求項３】 上記空気抜き溝をローラ円周方向全周面
   に連続させて設けたことを特徴とする請求項１のテープ
   送りローラ。
4. 【請求項４】 上記空気抜き溝をローラ幅方向に向けて
   斜めに設けると共に、ローラ円周方向全周面に連続させ
   て設けたことを特徴とする請求項１のテープ送りロー
   ラ。