JPH0653485A - 高耐圧半導体装置 - Google Patents

高耐圧半導体装置

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JPH0653485A
JPH0653485A JP20138592A JP20138592A JPH0653485A JP H0653485 A JPH0653485 A JP H0653485A JP 20138592 A JP20138592 A JP 20138592A JP 20138592 A JP20138592 A JP 20138592A JP H0653485 A JPH0653485 A JP H0653485A
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JP
Japan
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electrode
layer
main
semiconductor substrate
semiconductor
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JP20138592A
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Susumu Murakami
進 村上
Yoshiteru Shimizu
喜輝 清水
Takeshi Yokota
武司 横田
Yasuhiro Mochizuki
康弘 望月
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/02Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/06Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions
    • H01L29/0657Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions characterised by the shape of the body
    • H01L29/0661Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions characterised by the shape of the body specially adapted for altering the breakdown voltage by removing semiconductor material at, or in the neighbourhood of, a reverse biased junction, e.g. by bevelling, moat etching, depletion etching

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作時の周囲環境状態に関係なく、リーク電
流の発生を抑え、かつ、残留電荷の発生の少ない、高信
頼性を有する高耐圧半導体装置の提供。 【構成】 一方及び他方の主表面を有し、少なくとも2
つのpn接合からなり、側面が露出された半導体基体1
と、半導体基体1より大径で、一方の主表面に低抵抗接
触された第1主電極6と、他方の主表面に低抵抗接触さ
れた第2主電極7と、半導体基体1より大径で、第2主
電極7に導電接続された集電電極8と、第1主電極6と
集電電極8間の沿面距離が半導体基体1の厚みよりも長
くなるように、半導体基体1の露出された側面を加工し
てなる高耐圧半導体装置において、第1主電極6から露
出された側面を介して集電電極8に至る部分を高絶縁材
料からなる層9で被覆し、この層9の上に他の絶縁材料
層10を被覆させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大電力高耐圧半導体装
置に係わり、特に、高い阻止電圧の印加時においても、
安定な電圧阻止特性を有する大電力高耐圧半導体装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、既知の高耐圧半導体装置として
は、例えば、“High−voltage devicetermination tech
niques,A comparative review” IEE PROC. Vol.129,
Pt.INo.5, p.376 (1982)に記載のものが知られてい
る。
【0003】この既知の高耐圧半導体装置は、サイリス
タを構成する半導体装置の露出された側面のpnp構造
部分を2重正ベベル形状になるように内側に切り込み加
工を行なったものである。このような側面構造を採用す
れば、前記pnp構造部分の1つのpn接合に逆バイア
ス電圧が印加された場合に、前記pn接合の表面の空乏
層は正ベベル構造によって主にn層側に拡がるようにな
るので、半導体装置の高耐圧化を達成することができ、
一方、端面の窪んだところは逆に空乏層が拡がり難くな
るので、端面のpnp構造部におけるパンチスルーを防
止できるという利点があるものである。
【0004】また、この他に、高信頼性を示す高耐圧半
導体装置としては、例えば、特公昭63ー9670号に
開示のものも既に知られているところである。
【0005】前記開示による高耐圧半導体装置は、サイ
リスタを構成する半導体装置における半導体基体の露出
された側面のpnp構造部分をΣコンタ形状、または2
重ベベル形状になるように加工を行なったもので、その
他に、前記半導体基体より大径であって、前記半導体基
体の1方の主表面に低抵抗接触されたアノード電極と、
前記半導体基体の他方の主表面に低抵抗接触されたカソ
ード電極と、前記半導体基体より大径であって、前記カ
ソード電極に導電接続された集電電極とを有し、さら
に、前記半導体基体の露出された側面より外側に突出し
た前記アノード電極から前記露出された側面を介して同
じく前記側面より外側に突出した前記集電電極に至る部
分を絶縁材料からなるパッシベーション膜で被覆した構
造のものである。このような構造を採用すれば、高電圧
を長い間阻止した状態が持続しても、前記半導体基体の
p型層に蓄積される不純物イオン量は少なく、漏れ電流
の小さい安定した電圧阻止特性が得られるという利点を
有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
既知の高耐圧半導体装置の中で、前者のものは、いわゆ
る、主サイリスタにおける阻止電圧を高めることができ
るという長所を有するものである反面で、前記主サイリ
スタに所定の順方向阻止電圧を印加した状態で、前記主
サイリスタが高温状態になったような場合には、前記主
サイリスタのリーク電流が増大するようになるという問
題がある。
【0007】一方、前述の既知の高耐圧半導体装置の中
で、後者のものは、いわゆる、pnp構造のp型層の表
面をリーク電流が流れるのを防止できるという長所を有
しているものの、高電圧がアノードと集電電極とに印加
されたよう場合には、パッシベーション膜中における電
界強度が増大し、そこに放電が生じるという問題があ
り、また、前記パッシベーション膜中にリーク電流が流
れることにより、前記パッシベーション膜中に残留電荷
が偏析するという問題がある。
【0008】本発明は、前記各問題点を除去するもので
あって、その目的は、動作時の周囲環境状態に関係なし
に、リーク電流の発生を抑え、かつ、残留電荷の発生の
少ない、高信頼性の大電力高耐圧半導体装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のため
に、本発明は、一方及び他方の主表面を有し、少なくと
も2つのpn接合で構成され、側面が露出された半導体
基体と、前記半導体基体より大径であって、前記一方の
主表面に低抵抗接触された第1主電極と、前記他方の主
表面に低抵抗接触された第2主電極と、前記半導体基体
より大径であって、前記第2主電極に導電接続された集
電電極と、前記第1主電極と前記集電電極との間の沿面
距離が前記半導体基体の厚みよりも長くなるように、前
記半導体基体の前記露出された側面を加工してなる高耐
圧半導体装置において、前記第1主電極から前記露出さ
れた側面を介して前記集電電極に至る部分を高絶縁材料
からなる層で被覆し、かつ、前記高絶縁材料からなる層
の上に他の絶縁材料の層を被覆させた第1の手段を備え
る。
【0010】また、前記の達成のために、本発明は、一
方及び他方の主表面を有し、少なくとも2つのpn接合
で構成される、側面が露出された半導体基体と、前記一
方の主表面に低抵抗接触された第1主電極と、前記他方
の主表面に低抵抗接触された第2主電極と、前記第1主
電極に導電接続され、前記半導体基体より大径の第1集
電電極と、前記第2主電極に導電接続され、前記半導体
基体より大径の第2集電電極と、前記第1集電電極と前
記第2集電電極との間の沿面距離が前記半導体基体の厚
みよりも長くなるように、前記半導体基体の前記露出さ
れた側面を加工してなる高耐圧半導体装置において、前
記一方及び他方の主表面と、それに低抵抗接触させた第
1及び第2主電極の間にそれぞれ高不純物濃度の半導体
層を部分的に形成し、前記半導体基体と前記各高不純物
濃度の半導体層との接合部分を前記半導体基体の側面に
露出させ、前記集電電極から前記露出された側面を介し
て前記第2集電電極に至る部分を高絶縁材料からなる層
で被覆し、かつ、前記高絶縁材料からなる層の上に他の
絶縁材料の層を被覆させた第2の手段を備える。
【0011】
【作用】前記第1の手段によれば、本発明による高耐圧
半導体装置は、半導体基体より大径であって、前記半導
体基体の一方の主表面に低抵抗接触された第1主電極
と、前記半導体基体の他方の主表面に低抵抗接触された
第2主電極と、前記半導体基体より大径であって、前記
第2主電極に導電接続された集電電極と、前記第1主電
極と前記集電電極との間の沿面距離が前記半導体基体の
厚みよりも長くなるように、前記半導体基体の前記露出
された側面を加工するとともに、前記第1主電極から前
記半導体基体の露出した端面を経て前記集電電極に至る
部分を、始めに、比較的高い絶縁特性を有する第1の絶
縁材料層で、次に、前記第1の絶縁材料の上を絶縁特性
を有する第2の絶縁材料層でそれぞれ被覆するようにし
ている。このため、前記高耐圧半導体装置に、第1主電
極が正、かつ、第2主電極が負である高電圧が印加され
たとしても、前記半導体基体の前記露出された側面に放
電が生じることはなく、半導体装置の高耐圧化を達成す
ることができる。また、前記高電圧が印加されたままで
高温状態になったとしても、前記第1の絶縁材料層及び
前記第2の絶縁材料層中の正電荷が前記集電電極に集ま
り、前記半導体基体のp型層の表面に集まり難くなるた
め、リーク電流の経時的な増大を抑えることができ、極
めて信頼性の高い高耐圧半導体装置を得ることができ
る。この他にも、前記第1の絶縁材料層及び前記第2の
絶縁材料層中を流れるリーク電流が少なくなるので、前
記第1の絶縁材料層及び前記第2の絶縁材料層中に偏析
する残留電荷を低減することができ、リーク電流の経時
的な増大のない、極めて信頼性の高い高耐圧半導体装置
を得ることができる。
【0012】また、前記第2の手段によれば、本発明に
よる高耐圧半導体装置は、半導体基体の一方の主表面に
低抵抗接触された第1主電極と、前記半導体基体の他方
の主表面に低抵抗接触された第2主電極と、前記第1主
電極に導電接続され、前記半導体基体より大径の第1集
電電極と、前記第2主電極に導電接続され、前記半導体
基体より大径の第2集電電極と、前記第1集電電極と前
記第2集電電極との間の沿面距離が前記半導体基体の厚
みよりも長くなるように、前記半導体基体の前記露出さ
れた側面を加工するとともに、前記一方及び他方の主表
面と、それに低抵抗接触させた第1及び第2主電極の間
にそれぞれ高不純物濃度の半導体層を部分的に形成し、
前記第1主電極から前記半導体基体の露出した端面を経
て前記集電電極に至る部分を、始めに、比較的高い絶縁
特性を有する第1の絶縁材料層で、次に、前記第1の絶
縁材料の上を絶縁特性を有する第2の絶縁材料層でそれ
ぞれ被覆するようにしている。このため、この高耐圧半
導体装置に、第1主電極が正、かつ、第2主電極が負で
ある高電圧が印加されたとしても、前記半導体基体の前
記露出された側面に放電が生じることはなく、半導体装
置の高耐圧化を達成するこができる。また、前記高電圧
が印加されたままで高温状態になったとしても、前記第
1の絶縁材料層及び前記第2の絶縁材料層中の正電荷が
前記集電電極に集まり、前記半導体基体のp型層の表面
に集まり難くなるため、リーク電流の経時的な増大を抑
えることができ、極めて信頼性の高い高耐圧半導体装置
を得ることができる。この他にも、前記第1の絶縁材料
層及び前記第2の絶縁材料層中を流れるリーク電流が少
なくなるので、前記第1の絶縁材料層及び前記第2の絶
縁材料層中に偏析する残留電荷を低減することができ、
リーク電流の経時的な増大のない、極めて信頼性の高い
高耐圧半導体装置を得ることができる。また、この高耐
圧半導体装置においては、例え、前記第1の絶縁材料層
及び前記第2の絶縁材料層中の正電荷が偏析したとして
も、前記高不純物濃度の半導体層の存在により、空乏状
態やn型反転層の形成が生じ難くなるので、一層のリー
ク電流の低減化が可能になる。
【0013】なお、交流を直流に電力変換する交流−直
流電力変換装置、直流を交流に電力変換する直流−交流
電力変換装置、第1の周波数の交流を第2の周波数の交
流に電力変換する交流−交流電力変換装置、交流を直流
に電力変換する第1の電力変換装置及び直流を交流に電
力変換する第2の電力変換装置を組み合わせた直流送電
系電力変換装置、静止型無効電力補償装置等の電力用半
導体回路を構成する場合には、通常、多数のサイリスタ
素子を直列にして使用しており、このサイリスタ素子の
直列接続においては、各サイリスタ素子間の電圧不平衡
分の余裕度を考慮した設計が必要になる。しかるに、前
記各サイリスタ素子として、本発明による高耐圧半導体
装置を用いたときは、一定範囲の電力容量の電力変換装
置であれば、余裕度を著しく切り詰めることができるた
めに、使用に際して使用条件が大幅に緩和され、前記使
用に際して選択されるサイリスタ素子数を大幅に削減す
ることが可能になる。また、直列接続される各サイリス
タ素子間の電圧不平衡分が極めて少なくなるので、直列
接続素子される各サイリスタ素子数を多くすることがで
き、電力変換装置の大電力容量化を達成することもでき
る。さらに、長時間使用していても特性の劣化が少なく
なるため、極めて高い信頼性を持った電力変換装置を得
ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0015】図1は、本発明に係わる高耐圧半導体装置
の構造の第1の実施例を示す断面構成図である。
【0016】図1において、1は半導体基体、2はn型
ベ−ス層、3はp型ベ−ス層、4はp型エミッタ層、5
はn型エミッタ層、6はアノ−ド電極(第1主電極)、
7はカソ−ド電極(第2主電極)、8は集電電極、9は
高絶縁特性を有する第1の絶縁材料層(第1パッシベ−
ション膜)、10は絶縁特性を有する第2の絶縁材料層
(第2パッシベ−ション膜)である。
【0017】そして、半導体基体1は、p型エミッタ層
4、n型ベ−ス層2、p型ベ−ス層3、n型エミッタ層
5が順次積層されて構成されたpnpn構造のもので、
一方及び他方の主表面を有しており、その一方の主表面
にはアノ−ド電極6が低抵抗接触され、その他方の主表
面にはカソ−ド電極7が低抵抗接触されている。アノ−
ド電極6は、前記半導体基体1より大径のものが用いら
れ、アノ−ド電極6の端部は前記半導体基体1の側面よ
り外側方向に突出している。n型エミッタ層5及びカソ
ード電極7は、それぞれ同心円状に複数に分割されてお
り、n型エミッタ層5の分割部分を介して各カソード電
極7がp型ベ−ス層3にまで達し、分割された各カソー
ド電極7は対応するn型エミッタ層5とp型ベ−ス層3
にそれぞれ導電接続されるように構成されている。集電
電極8は、前記半導体基体1より大径のものであって、
その中央部分にドーナツ状の開口が設けられ、その外端
縁部分は前記半導体基体1の側面よりも外側方向に突出
している。集電電極8は、最外側にあるカソード電極7
に導電接続され、そのアノ−ド電極6と対向する前記外
端縁部分は前記カソード電極7に導電接続される内端縁
部分よりも外側方向に屈曲された構造になっている。
【0018】また、半導体基体1の側面は、p型エミッ
タ層4、n型ベ−ス層2、p型ベ−ス層3からなるpn
p構造が露出された状態になっていて、前記pnp構造
部分は2重ベベル構造になるように内側に切り込み加工
され、前記pnp構造部分の円面距離が半導体基体1の
側面の厚みよりも長くなるように構成されている。アノ
ード電極6から前記pnp構造部分を経て集電電極8に
至る部分には、高絶縁特性を有する第1の絶縁材料を用
いた第1パッシベ−ション膜9が形成され、その第1パ
ッシベ−ション膜9の上に絶縁特性を有する第2の絶縁
材料を用いた第2パッシベ−ション膜10が形成されて
いる。
【0019】なお、第1の実施例に示された高耐圧半導
体装置は、最外側にある部分で構成される主サイリスタ
部Mと、中間にある部分で構成される補助サイリスタ部
Aと、中心にある部分で構成される受光サイリスタ部T
とからなっており、この中で、主サイリスタ部Mは、2
つのn型エミッタ層5M1、5M2と1つのカソード電極7
M とを有し、補助サイリスタ部Aは、それぞれ1つのn
型エミッタ層5A と1つのカソード電極7A とを有し、
受光サイリスタ部Tは、1つのn型エミッタ層5T と2
つのカソード電極7T1、7T2とを有している。
【0020】ここで、第1の実施例による高耐圧半導体
装置を製造する方法について述べると、次のとおりであ
る。
【0021】始めに、例えば、抵抗率が520Ω・cm
である高抵抗のn型基板2の両表面にp型不純物である
アルミニウム(Al)を拡散して、p型ベ−ス層3、p
型エミッタ層4を形成する。この拡散による表面不純物
濃度は単位体積当り約1×1016であり、拡散の深さは
約150μmである。このとき、p型ベ−ス層3となる
カソ−ド側のp型不純物層は、最終的に形成されるn型
エミッタ層5の下のシ−ト抵抗が単位面積当り約800
乃至900Ωとなるようにエッチングによってその厚さ
が調整される。
【0022】続いて、前記p型ベ−ス層3の上に、次亜
塩素酸リンを用いたリン(P)の拡散によって、表面不
純物濃度が単位体積当り約1×1019乃至1×1021
高不純物濃度のn型エミッタ層5を深さ約8μmになる
ように形成する。その後、p型エミッタ層4の上にアノ
−ド電極6となるタングステン(W)あるいはモリブデ
ン(Mo)等の円板をアルミニウム(Al)を鑞剤とし
て合金接着する。
【0023】次に、公知のホトエッチング手段を用い
て、カソ−ド側の平面パタ−ン、即ち、主サイリスタ部
Mの2つのn型エミッタ層5M1、5M2、補助サイリスタ
部Aの1つのn型エミッタ層5A 、受光サイリスタ部T
の1つのn型エミッタ層5T を形成させる。
【0024】以上の工程を終了した後に、カソ−ド側
に、サイリスタ部Mのp型ベ−ス層3と2つのn型エミ
ッタ層5M1、5M2との間を部分的に短絡させるカソ−ド
電極7M 、補助サイリスタ部Aのp型ベ−ス層3とn型
エミッタ層5A との間を部分的に短絡されるカソ−ド電
極7A 、受光サイリスタ部Tのp型ベ−ス層3とn型エ
ミッタ層5T を部分的に短絡される2つのカソ−ド電極
T1、7T2を公知のアルミニウム(Al)蒸着手段及び
ホトエッチング手段により形成させる。
【0025】次に、半導体基板1のウェハ端面を公知の
ベベリング技術を用いて、Σ形状に加工した後、カソ−
ド電極7に電気的に接触させた状態で集電電極8を配置
形成し、アノード電極5から前記加工されたウェハ端面
を経て集電電極8に至る部分に高絶縁特性を有する第1
パッシベ−ション膜9を塗布し、その上に、絶縁特性を
有する第2パッシベ−ション膜10を塗布して前記高耐
圧半導体装置が製造される。このような工程を経て製造
された高耐圧半導体装置は、約9000の耐圧特性を有
しており、その耐圧のばらつきは±300V以内であ
る。
【0026】続く、図2は、第1の実施例の動作を説明
するための部分断面構成図であって、カソード電極7側
が負で、アノード電極6側が正になる順方向阻止電圧が
印加された場合を示すものである。
【0027】図2において、11は第1及び第2パッシ
ベーション膜9、10中に生じる電気力線、12は第1
及び第2パッシベーション膜9、10中の正電荷、13
はn型ベース層2内に形成された空乏層、14はp型ベ
ース層3内に形成された空乏層を示し、その他、図1に
示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けてい
る。
【0028】ここにおいて、第1の実施例の動作を、図
2を併用して説明する。
【0029】いま、半導体装置に前述のような順方向阻
止電圧が印加され、その順方向阻止電圧が高くなった場
合には、n型ベース層2とp型ベース層3との接合部に
おいて、具体的には、前記接合部のn型ベース層2内に
空乏層13が前記順方向阻止電圧に対応して拡がるよう
になり、同時に、p型ベース層3内にも空乏層14が前
記順方向阻止電圧に対応して拡がるようになる。このと
き、第1及び第2パッシベーション膜9、10中に発生
する電荷は、通常正電荷12であって、集電電極8が存
在しない場合には前記正電荷12が負電極側であるカソ
ード電極7側に偏析するようになるが、前記実施例にお
いては、カソード電極7と同電位の集電電極8が設けら
れているので、前記正電荷12は負電極側である集電電
極8側に主に偏析するようになる。
【0030】このように、第1の実施例によれば、正電
荷12がp型ベース層3の側面(表面)に偏析され難い
状態にあるため、p型ベース層3の側面(表面)に空乏
層が形成されたり、n型反転層が形成されることは極め
て少なくなり、リーク電流の経時的な増大がなく、経時
劣化のない高耐圧半導体装置を得ることができる。さら
に、アノード電極6側には第1及び第2パッシベーショ
ン膜9、10中を流れるリーク電流に基づく負電荷が発
生しないので、n型ベース層1の側面(表面)にp型反
転層が形成されることがなく、より高い耐圧特性を持っ
た半導体装置を得ることができるようになる。
【0031】さらに、第1の実施例によれば、アノード
電極6と集電電極8との間の沿面距離は、半導体基体1
のペレットの厚みより長くなるように、前記半導体基体
1の側面が加工され、かつ、前記アノード電極6から前
記加工された半導体基体1の側面を経て前記集電電極8
に至る部分に第1及び第2パッシベーション膜9、10
が被覆形成されているので、前記半導体基体1の側面に
生じる放電の発生を殆どなくすことができ、しかも、ア
ノード電極6と対向する集電電極8の外端縁部分を、カ
ソード電極7と導電接続された内端縁部分よりも外側に
屈曲させる構成にしているので、アノード電極6とカソ
ード電極7間の放電開始電圧をより高めることができ、
これらの点により、従来のものに比べてより高い耐圧特
性を持った半導体装置を得ることができるようになる。
【0032】次に、図3は、半導体装置に印加される順
方向阻止電圧と、半導体装置に発生するリーク電流との
関係を示す特性図である。
【0033】図3において、横軸は半導体装置への印加
電圧(V)、縦軸は半導体装置のリーク電流(A)であ
って、曲線Aは第1の実施例による前記特性であり、曲
線B及びCは従来のものの前記特性である。
【0034】図3から明らかなように、第1の実施例の
ものは、順方向阻止電圧を次第に増大させて行くと、そ
の増大に伴ってリーク電流も次第に増大する傾向を示す
もので、約8000Vの印加状態を、125℃の高温下
において約1000時間持続させた場合においても、前
記特性は殆ど変化しなかった。これに対して、従来のも
のは、順方向阻止電圧が約0.5V乃至20V近傍にな
ると、リーク電流がかなり多くなり、その後、順方向阻
止電圧をさらに増大させても、リーク電流の増大は殆ど
ない状態、即ち、印加順方向阻止電圧に対するリーク電
流の依存性が殆どない、いわゆるプラトー波形が観測さ
れ、この場合のリーク電流の成分はp型ベース層3の側
面(表面)における表面電流に基づくものであることが
確認されている。
【0035】また、従来のもののように、集電電極8
が、アノード電極6及び/またはカソード電極7の配置
面とほぼ同一面上に配置されている場合には、アノード
電極6及びカソード電極7間に印加された順方向阻止電
圧を約6500Vに増大させた段階において放電が生じ
たが、第1の実施例のもののように、集電電極8が、ア
ノード電極6及び/またはカソード電極7の配置面より
もやや外側に屈曲するように構成配置されている場合に
は、アノード電極6及びカソード電極7間に印加された
順方向阻止電圧を約9000Vに増大させた段階におい
て始めて放電が生じるようになった。このように、第1
の実施例による高耐圧半導体装置は、高耐圧化と高信頼
性化との両立性を可能にしたものである。
【0036】続いて、図4は、本発明による高耐圧半導
体装置の構造の第2の実施例を示す断面構成図である。
【0037】図4において、15は高不純物濃度のp型
半導体層であり、その他、図1に示す構成要素と同じ構
成要素には同じ符号を付けている。
【0038】そして、高不純物濃度のp型半導体層15
は、例えば、約1×1018以上の高不純物濃度であっ
て、p型ベース層3とこのp型ベース層3に導電接続さ
れたカソード電極7、特に、主サイリスタ部Mのカソー
ド電極7M との間に形成されている。
【0039】ところで、第2の実施例と、前記第1の実
施例との違いは、第1の実施例が、p型ベース層3に直
接カソード電極7M が導電接続された構成になっている
のに対し、第2の実施例が、p型ベース層3とカソード
電極7M との間に、前記高不純物濃度のp型半導体層1
5が配置形成された構成になっている点だけであって、
その余の構成については第2の実施例と前記第1の実施
例との間に何等の相違がない。
【0040】前記構成の違いにより、第2の実施例は、
第1及び第2パッシベーション膜9、10中に生じる正
電荷が偏析したとしても、前記高不純物濃度のp型半導
体層15を形成したことにより、空乏層やn型反転層を
形成することがより難かしくなって、前記第1の実施例
のものに比べてリーク電流を一層低減させることが可能
となる。また、第1及び第2パッシベーション膜9、1
0中を流れるリーク電流に基づく負電荷が前記第1及び
第2パッシベーション膜9、10中に発生しないので、
n型ベース層2の側面(表面)にp型反転層が形成され
ることはなく、一層の高い耐圧特性を有する半導体装置
を得ることが可能になる。
【0041】次に、図5は、本発明による高耐圧半導体
装置の構造の第3の実施例を示す断面構成図である。
【0042】図5において、図1及び図4に示す構成要
素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0043】第3の実施例と、前記第2の実施例との違
いは、前記第2の実施例が、高不純物濃度のp型半導体
層15の表面の大部分にカソード電極7M を導電接続さ
せ、集電電極8は前記カソード電極7M を介して高不純
物濃度のp型半導体層15に導電接続させた構成になっ
ているのに対して、第3の実施例が、高不純物濃度のp
型半導体層15の表面の一部にカソード電極7M を、前
記表面の他の一部に集電電極8をそれぞれアルミニウム
の臘着によって導電接続させた構成になっている点だけ
であって、その余の構成については第3の実施例と前記
第2の実施例との間に何等の相違がない。
【0044】前記構成の違いにより、第3の実施例は、
p型ベース層3の側面(表面)に形成される低不純物濃
度領域を皆無にすることができるので、前記第2の実施
例のものに比べて、リーク電流をより一層低減させるこ
とが可能になる。また、前記第2の実施例のものと同様
に、第1及び第2パッシベーション膜9、10中を流れ
るリーク電流に基づく負電荷が前記第1及び第2パッシ
ベーション膜9、10中に発生しないので、n型ベース
層2の側面(表面)にp型反転層が形成されることはな
く、一層高い耐圧特性を有する半導体装置を得ることが
可能になる。
【0045】続いて、図6は、本発明による高耐圧半導
体装置の構造の第4の実施例を示す断面構成図である。
【0046】図6において、16は高不純物濃度の第1
のp型半導体層、17は高不純物濃度の第2のp型半導
体層、18は第1の集電電極、19は第2の集電電極で
あり、その他、図1に示す構成要素と同じ構成要素には
同じ符号を付けている。
【0047】そして、高不純物濃度の第1のp型半導体
層16は、p型ベース層3の表面に形成された約1×1
18以上の高不純物濃度のp型半導体層であって、カソ
ード電極7M に導電接続されており、高不純物濃度の第
2のp型半導体層17は、p型エミッタ層4の表面に形
成された約1×1018以上の高不純物濃度のp型半導体
層であって、アノード電極6に導電接続されている。第
1の集電電極18及び第2の集電電極19は、ともに、
半導体基体1よりも大径のものであって、中央部分にド
ーナツ状の開口が設けられ、それらの外端縁部分は前記
半導体基体1の側面よりも外側方向に突出している。第
1の集電電極18の内端縁部分はカソード電極7M に、
第2の集電電極19の内端縁部分はアノード電極6にそ
れぞれ導電接続され、第2の集電電極19における第1
の集電電極18と対向する前記外端縁部分は、前記カソ
ード電極7M 及びアノード電極6に導電接続される前記
内端縁部分よりも外側方向に屈曲された構造になってい
る。
【0048】ここで、第4の実施例と、前記第2の実施
例との違いは、前記第2の実施例が、p型エミッタ層4
に、半導体基体1よりも大径のアノード電極6を導電接
続した構成になっているのに対し、第4の実施例は、p
型エミッタ層4に半導体基体1よりも小径のアノード電
極6を用いているだけでなく、p型エミッタ層4と前記
アノード電極6の間に高不純物濃度の第2のp型半導体
層を配置構成し、かつ、前記アノード電極6に半導体基
体1よりも大径の第2の集電電極19を導電接続した構
成になっている点だけであって、その余の構成について
は第3の実施例と前記第2の実施例との間に何等の相違
がない。
【0049】前記構成の違いにより、第4の実施例は、
前記第2の実施例と比べて、前記第1及び第2のパッシ
ベーション膜9、10中に正電荷が偏析した場合におい
ても、n型ベース層2の側面(表面)にp型反転層、p
型エミッタ層4の側面(表面)にn型反転層が形成され
ることはなく、例え、高温時においても、一層のリーク
電流の低減を達成することが可能になる。また、第4の
実施例は、アノード電極6側に、第1の集電電極18と
対向する外端縁部分を外側方向に屈曲させた構造の第2
の集電電極19を接続配置しているので、互いに対向す
る第1の集電電極18の外端縁部分と第2の集電電極1
9の外端縁部分との間隔を他の実施例のものより拡げる
ことができ、第1の集電電極18と第2の集電電極19
との間の放電の発生の防止をより効果的に達成すること
ができる。
【0050】以下に挙げる各例は、前記各実施例に示さ
れた高耐圧半導体装置を用いて構成した電力用半導体回
路であって、図7は、前記電力用半導体回路が他励式整
流回路を構成している場合の一例を示す回路構成図であ
る。
【0051】図7において、Vr、Vs、Vtは3相の
交流電圧、T1、T2、T3、T4、T5、T6はスイ
ッチ素子、Lは負荷インダクタ、Rは負荷抵抗である。
【0052】そして、スイッチ素子T1乃至T6にはそ
れぞれ少なくとも1つあるいは直列接続した複数の前記
高耐圧半導体装置が使用されている。
【0053】この回路の動作は、3相交流電源から得ら
れた3相の交流電圧Vr、Vs、Vtが、6個のスイッ
チ素子T1乃至T6からなる3相ブリッジ整流回路によ
り整流されて直流変換され、直列接続された負荷インダ
クタL及び負荷抵抗Rに供給されるものである。
【0054】続く、図8は、前記電力用半導体回路が他
励式インバータを構成している場合の一例を示す回路構
成図である。
【0055】図8において、Eは直流電源、Lは直流リ
アクタであり、その他、図7に示された構成要素と同じ
構成要素には同じ符号を付けている。
【0056】そして、本例においても、スイッチ素子T
1乃至T6にはそれぞれ少なくとも1つあるいは直列接
続した複数の前記高耐圧半導体装置が使用されている。
【0057】この回路の動作は、直流電源Eから得られ
た直流電力が、6個のスイッチ素子T1乃至T6からな
る3相ブリッジ回路によりスイッチングされて交流電力
に変換され、3相の交流電圧Vr、Vs、Vtとして取
り出されるものである。
【0058】続いて、図9は、前記電力用半導体回路が
他励式サイクロコンバータを構成している場合の一例を
示す回路構成図である。
【0059】図9において、T7、T8、T9、T1
0、T11、T12はスイッチ素子であり、その他、図
8に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付
けている。
【0060】そして、本例においても、スイッチ素子T
1乃至T12にはそれぞれ少なくとも1つあるいは直列
接続した複数の前記高耐圧半導体装置が使用され、スイ
ッチ素子T1乃至T6からなる3相ブリッジ整流回路
と、スイッチ素子T7乃至T12からなる3相ブリッジ
整流回路は互いに逆並列接続されている。
【0061】この回路の動作は、スイッチ素子T1乃至
T6からなる3相ブリッジ整流回路がともにオン状態の
とき、3相交流電源から得られた3相の交流電圧Vr、
Vs、Vtが、前記3相ブリッジ整流回路により整流さ
れて直流変換され、一方極性の直流電力として直列接続
された負荷インダクタL及び負荷抵抗Rに供給されるも
のであり、また、スイッチ素子T7乃至T12からなる
3相ブリッジ整流回路がともにオン状態のとき、前記3
相の交流電圧Vr、Vs、Vtが、前記3相ブリッジ整
流回路により整流されて直流変換され、他方極性の直流
電力として直列接続された負荷インダクタL及び負荷抵
抗Rに供給されるものである。
【0062】次に、図10は、前記電力用半導体回路が
直流送電回路を構成している場合の一例を示すブロック
構成図である。
【0063】図10において、X、Yは電力変換所、L
a、Lbは直流リアクトル、Zは直流送電線である。
【0064】そして、電力変換所X、Yにおいては、図
8及び図9に示すような3相ブリッジ整流回路及び3相
ブリッジ回路が多数用いられている。
【0065】この回路の動作は、一方の電力変換所Xに
おいて、3相交流電力が直流電力に変換され、この変換
された直流電力は直流送電線Zを通して他方の電力変換
所Yに供給される。そして、電力変換所Yにおいて、こ
の直流電力が3相交流電力に変換され、交流電力供給系
統に送られるものである。
【0066】さらに、図11は、前記電力用半導体回路
が静止型無効電力補償装置を構成している場合の一例を
示す構成図である。
【0067】図11において、XLは送電線のインピー
ダンス、Vtは受電点電圧、Icは静止型無効電力補償
装置の出力電流、Vrefは制御目標電圧、Kは制御系
の利得、Ccはキャパシタ、Xcはリアクトル、RLは
負荷抵抗、Tはスイッチ素子である。
【0068】そして、スイッチ素子Tは、直列接続及び
/または並列接続した複数の前記高耐圧半導体装置から
なるものである。
【0069】この回路の動作は、負荷抵抗RLが大きく
なってくると、送電線のインピーダンスXLに生じる電
圧降下が増大し、受電点電圧Vtが低下するようにな
る。このような場合に、スイッチ素子Tの導通度を適宜
制御することにより静止型無効電力補償装置の出力電流
Icを減少させ、遅相無効電流の補償を減少させること
により、受電点電圧Vtの低下を抑制するようにしてい
るものである。
【0070】前記図7乃至図11の各例において、スイ
ッチ素子Tにブレークオーバ電圧が8000程度の、耐
圧特性の揃った高耐圧半導体装置を複数個直列接続して
用いたときには、ブレークオーバ電圧が6000V程度
である従来の高耐圧半導体装置を複数個直列接続して用
いたものに比べて、その直列接続数を約25%程度低減
することができ、前記図11乃至図15に示された各回
路及び装置の小型化の達成と信頼性の向上を計ることが
できる。
【0071】図7乃至図11の説明に用いた高耐圧半導
体装置100において、耐圧の揃った、本発明により達
成できる8000Vである高耐圧半導体装置を複数直列
接続して用いることにより、従来技術によるブレークオ
ーバ電圧が6000Vの高耐圧半導体装置を用いた場合
に比べ、約25%程度前記直列接続される高耐圧半導体
装置の数を低減することができ、それにより電力用半導
体回路の小型化を達成し、その信頼性を著しく向上させ
ることができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体基体の露出された側面を含む部分を、高絶縁特性
を有する第1の絶縁材料層(第1パッシベーション膜)
9と、絶縁特性を有する第2の絶縁材料層(第2パッシ
ベーション膜)10とで被覆するようにしたので、高耐
圧半導体装置の第1及び第2主電極6、7間に高電圧が
印加されたとしても、前記露出された側面に放電が生じ
難く、しかも、第1及び第2の絶縁材料層(第1及び第
2パッシベーション膜)9、10中を流れるリーク電流
が極めて少なくなるので、第1及び第2の絶縁材料層
(第1及び第2パッシベーション膜)9、10中に偏析
する残留電荷を低減することができるようになり、従来
のこの種のものに比べて、周囲環境の状態に依存するこ
となく、一層の高耐圧特性を備え、かつ、高信頼性を有
する半導体装置が得られるという効果がある。
【0073】また、本発明による高耐圧半導体装置を用
いて、電力用半導体回路を構成すれば、高耐圧半導体装
置の使用数を減らして小型化を図るとともに、高信頼性
を有する電力用半導体回路が得られるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる高耐圧半導体装置の構造の第1
の実施例を示す断面構成図である。
【図2】第1の実施例の動作を説明するための部分断面
構成図である。
【図3】半導体装置に印加される順方向阻止電圧と半導
体装置に発生するリーク電流との関係を示す特性図であ
る。
【図4】本発明に係わる高耐圧半導体装置の構造の第2
の実施例を示す断面構成図である。
【図5】本発明に係わる高耐圧半導体装置の構造の第3
の実施例を示す断面構成図である。
【図6】本発明に係わる高耐圧半導体装置の構造の第4
の実施例を示す断面構成図である。
【図7】本発明に係わる高耐圧半導体装置をスイッチ素
子として用いた他励式整流回路の一例を示す構成図であ
る。
【図8】本発明に係わる高耐圧半導体装置をスイッチ素
子として用いた他励式インバータの一例を示す構成図で
ある。
【図9】本発明に係わる高耐圧半導体装置をスイッチ素
子として用いた他励式サイクロコンバータの一例を示す
構成図である。
【図10】本発明に係わる高耐圧半導体装置をスイッチ
素子として用いた直流送電系の一例を示す構成図であ
る。
【図11】本発明に係わる高耐圧半導体装置をスイッチ
素子として用いた静止型無効電力補償装置の一例を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 半導体基体 2 n型ベース層 3 p型ベース層 4 p型エミッタ層 5 n型エミッタ層 5M1、5M2 主サイリスタ部Mのn型エミッタ層 5A 補助サイリスタ部Aのn型エミッタ層 5T 受光サイリスタ部Tのn型エミッタ層 6 アノード電極 7 カソード電極 7M 主サイリスタ部Mのカソード電極 7A 補助サイリスタ部Aのカソード電極 7T1、7T2 受光サイリスタ部Tのカソード電極 8 集電電極 9 高絶縁特性を有する第1の絶縁材料層(第1パッシ
ベーション膜) 10 絶縁特性を有する第2の絶縁材料層(第2パッシ
ベーション膜) 11 第1パッシベーション膜9中の電気力線 12 第2パッシベーション膜10中の電気力線 13 n型ベース層2内の空乏層 14 p型ベース層3内の空乏層 15 高不純物濃度のp型半導体層 16 高不純物濃度の第1のp型半導体層 17 高不純物濃度の第2のp型半導体層 18 第1の集電電極 19 第2の集電電極 M 主サイリスタ部 A 補助サイリスタ部 T 受光サイリスタ部
フロントページの続き (72)発明者 望月 康弘 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方及び他方の主表面を有し、少なくと
    も2つのpn接合で構成され、側面が露出された半導体
    基体と、前記半導体基体より大径であって、前記一方の
    主表面に低抵抗接触された第1主電極と、前記他方の主
    表面に低抵抗接触された第2主電極と、前記半導体基体
    より大径であって、前記第2主電極に導電接続された集
    電電極と、前記第1主電極と前記集電電極との間の沿面
    距離が前記半導体基体の厚みよりも長くなるように、前
    記半導体基体の前記露出された側面を加工してなる高耐
    圧半導体装置において、前記第1主電極から前記露出さ
    れた側面を介して前記集電電極に至る部分を高絶縁材料
    からなる層で被覆し、かつ、前記高絶縁材料からなる層
    の上に他の絶縁材料の層を被覆させたことを特徴とする
    高耐圧半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体基体の前記他方の主表面と、
    それに低抵抗接触された第2主電極の間に高不純物濃度
    の半導体層を部分的に形成し、前記半導体基体と前記高
    不純物濃度の半導体層との接合部分を前記半導体基体の
    側面に露出させたことを特徴とする請求項1記載の高耐
    圧半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体基体の前記他方の主表面と、
    それに低抵抗接触させた第2主電極の間に高不純物濃度
    の半導体層を部分的に形成するとともに、前記他方の主
    表面と前記集電電極との間にも前記高不純物濃度の半導
    体層を形成し、前記第2主電極と前記集電電極との導電
    接続は前記高不純物濃度の半導体層を介して行ない、第
    2主電極と前記半導体基体と前記高不純物濃度の半導体
    層との接合部分を前記半導体基体の側面に露出させたこ
    とを特徴とする請求項1記載の高耐圧半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記集電電極は、前記第1主電極に対向
    する外端縁部分が前記第2主電極に導電接続される内端
    縁部分よりも外側に屈曲構成させたものであることを特
    徴とする請求項1記載の高耐圧半導体装置。
  5. 【請求項5】 一方及び他方の主表面を有し、少なくと
    も2つのpn接合で構成される、側面が露出された半導
    体基体と、前記一方の主表面に低抵抗接触された第1主
    電極と、前記他方の主表面に低抵抗接触された第2主電
    極と、前記第1主電極に導電接続され、前記半導体基体
    より大径の第1集電電極と、前記第2主電極に導電接続
    され、前記半導体基体より大径の第2集電電極と、前記
    第1集電電極と前記第2集電電極との間の沿面距離が前
    記半導体基体の厚みよりも長くなるように、前記半導体
    基体の前記露出された側面を加工してなる高耐圧半導体
    装置において、前記一方及び他方の主表面と、それに低
    抵抗接触させた第1及び第2主電極の間にそれぞれ高不
    純物濃度の半導体層を部分的に形成し、前記半導体基体
    と前記各高不純物濃度の半導体層との接合部分を前記半
    導体基体の側面に露出させ、前記集電電極から前記露出
    された側面を介して前記第2集電電極に至る部分を高絶
    縁材料からなる層で被覆し、かつ、前記高絶縁材料から
    なる層の上に他の絶縁材料の層を被覆させたことを特徴
    とする高耐圧半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体基体は、pエミッタ層、nベ
    ース層、pベース層、複数に分割されたnエミッタ層か
    らなるpnpn4層構造を有し、前記pエミッタ層に第
    1主電極が接続され、前記複数に分割されたnエミッタ
    層と前記pベース層とに跨ってそれぞれ複数に分割され
    た第2主電極が接続され、前記半導体基体の側面に前記
    pエミッタ層、nベース層、pベース層からなるpnp
    構造が露出されたことを特徴とする請求項1または5記
    載の高耐圧半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体基体の露出された側面は、2
    重正ベベル構造をなすように内側に切り込み加工されて
    いることを特徴とする請求項6記載の高耐圧半導体装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の集電電極は、それら
    の対向する外端縁部分が前記第1及び第2主電極に導電
    接続される内端縁部分よりも外側に屈曲構成されたもの
    であることを特徴とする請求項5記載の高耐圧半導体装
    置。
  9. 【請求項9】 前記高耐圧半導体装置を用いて、直流−
    交流変換、交流−直流変換、直流−交流相互変換、直流
    送電、無効電流補償の少なくとも1つの機能を達成させ
    る回路を構成したことを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれかに記載の高耐圧半導体装置を用いた電力用半導体
    回路。
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