JPH06533Y2 - 用心錠の受座 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、用心錠の受座の改良に関する。

〔背景技術〕

従来の用心錠の受座は、その取付ネジが露出している
為、用心杆が作用して扉の開放角度を規制している時、
その開いている隙間からドライバーを差し込んで、受座
の取付ネジを外して不法に侵入される危険があるなどの
問題があった。

〔考案の目的〕

本考案は、上記従来の問題点を解消するためのもので、
用心杆が作用して扉の開放角度が規制されている時、そ
の開いている隙間から不法に取外すことができないよう
にした用心錠の受座を提供することを目的とする。

〔考案の開示〕

上記目的を達成する為に提案される本考案は、用心杆に
よって扉の開放角度が規制するようにした用心錠の受座
の改良に係り、特に、用心杆の係止部が係脱する受孔
と、扉の開放に従って係止部が移動する縦長状のガイド
孔と、取付孔とを有する受座に、少なくとも一個の取付
ネジを遮蔽するシャッターを可動自在に保持し、受座取
付時はシャッターを移動して取付けると共に、扉の開放
時にガイド孔部を移動する用心杆あるいは用心杆の係止
部が前記シャッターの移動を阻止するようにしたことを
特徴とする。

〔実施例〕

以下に、図示する実施例に基づいて説明する。

（第一の実施例） 第１図ないし第３図は、本考案の第一実施例による受座
(1)とその使用状態を示すものである。

(14)は扉(B)に取付けられた用心錠で、シリンダー(12)
あるいはサムターン(13)の操作によって、用心杆(7)を
出没させるようにしてある。(8)は用心杆(7)の自由端側
に一体形成した係止部で、(9)は係止部(8)より小径部の
軸である。

(1)は枠(A)に取付ネジ(4),(4)で取付けた受座で、前記
係止部(8)が係脱する受孔(2)およびその受孔に連がって
縦長状のガイド孔(3)が設けてある。このガイド孔(3)の
巾は係止部(8)の直径より小く、係止部の軸(8)が移動し
得る大きさに設けてある。

(6)はシャッターで、受座(1)に形成した受孔(2)および
ガイド孔(3)と略等しい孔(6a)および(6b)が設けられて
おり、第１図にように、それらの孔が一致する状態で、
シャッター(6)が受座(1)の取付ネジを遮蔽するようにし
て、軸(5)によって回動自在に保持されている。

(6c)はシャッター(6)に打ち出し形成した保持部材で、
シャッター(6)を第１図の状態に安定保持させる働きを
有する。この保持部材(6c)の作成方法は、この他、図示
しないが、受座(1)に板バネを固定し、その板バネで保
持部材の働きをするようにしてもよいし、その方法は任
意である。

受座(1)を取付ける時は、第１図二点鎖線に示すよう
に、シャッター(6)を回動させ、取付ネジ(4),(4)で枠
(A)に取付ける。取付完了後、シャッター(6)を第１図実
線の元の状態に復帰保持させる。

次に作用を説明する。

扉を完全に閉じた状態で、用心錠(14)のシリンダー(13)
あるいはサムターン(12)を操作して用心杆(7)を突出さ
せ、用心杆(7)の係止部(8)を受座(1)の受孔(2)（シャッ
ターの孔6a）に係入させる。この状態で扉を開放する
と、係止部(8)の軸(9)が受孔(2)内を扉開放方向（第１
図左方向）に移動し、軸(9)が受孔(2)の端部に当接す
る。更に扉を開放すると、用心杆(7)はその枢軸(10)を
支点に回動し、係止部(8)はその軸(9)が受座(1)のガイ
ド孔(3)（シャッター(6)の孔(6b)）に沿って上方に移動
し、その移動に応じて扉の開放角度は大きくなる。そし
て、係止部の軸(9)がガイド孔(3)の終端部で止まって、
扉は用心杆(7)に規制されそれ以上は開放しない。（用
心杆の作用している状態） （第２図，第３図参照） ところで、上記のように、係止部(8)の軸(9)が受座(1)
のガイド孔(3)内を上方に移動して行く時、即ち、規制
範囲内で扉が開放される時、扉の開放されている隙間か
らドライバーを差し込んで、受座の取付ネジ(4)を外そ
うとしても、シャッター(6)によって遮蔽されているの
で、外すことはできず、不法侵入することはできない。

尚、取付ネジ(4)を外す為、シャッター(6)を回動させよ
うとしても、その時計方向の回動は係止部(8)の軸(9)シ
ャッター(6)に設けた孔(6b)の端部が当接することによ
って阻止されており、反時計方向への回動は、受座(1)
に設けた段部(1a)に当接して阻止されている。（尚、反
時計方向への回動を阻止する方法として受座(1)に段部
を設けることなく、シャッター(6)の端部を枠(A)の戸当
り部(A)に当接させるようにしてもよい。

また、シャッター(6)を第２図手前方向に引っ張って、
受座(1)から取外そうとしても、用心杆(7)の終端部によ
って保護されるので安全である。

（第一実施例の変形例） 第４図ないし第６図は、本考案の第一実施例の変形例
で、第４図は、受座(1)に枢着されたシャッター(6)が上
下の取付ネジ(4),(4)を遮蔽しており、左側辺は、受座
(1)の受孔(2)およびガイド孔(3)の右周辺部と略一致す
る形状を有している、(6c)はシャッター(6)の右側辺に
設けた突起部よりなる保持部材で、受座(1)の段部(1a)
に設けた穴(1b)に係入させ、シャッター(6)を第４図の
状態に保持させている。

第５図は、Ｌ字状のシャッター(6)を、軸(5)で受座(1)
に回動自在に保持してあり、反時計方向の回動は、受座
に設けたストッパー(1c)で阻止されている。(6c)は、前
記第１図と同じように、シャッター(6)に設けた保持部
材で、シャッター(6)を第４図の状態に保持する。

この場合、シャッター(6)は、少なくとも一個の、即ち
上方の一個の取付ネジ(4)を遮蔽している。

第４図および第５図いずれの場合も、用心杆(7)が作用
し、係止部(8)の軸(9)が、受座(1)のガイド孔(3)に位置
する時は、シャッター(6)は、第４図および第５図の状
態から回動し得ない。即ち、取付ネジ(4)はシャッター
(6)によって遮蔽されているので、不法に取外すことは
できない。

第６図ａ，ｂは、シャッター(6)を受座(1)に内装した場
合を示す。即ち、受座(1)の略中央部に折り曲げ段部(1
d)を形成し、取付ネジ(4)はこの折り曲げ段部(1d)の一
ケ所に設けてある。シャッター(6)は、受座(1)の下面部
に軸(5)で回動自在に保持し、上記受座の折り曲げ段部
(1d)に挟まれ、取付ネジ(4)を遮蔽するようにして保持
してある。(15)は、シャッター(6)を第６図ａの反時計
方向に付勢するバネで、シャッター(6)の右側辺は、受
座(1)の折り曲げ部に当接し、それ以上の回動は阻止さ
れている。また、シャッター(6)の左側辺は、受座(1)の
ガイド孔(3)の近くに位置し、用心杆の係止部(8)が、こ
のガイド孔(3)に位置する時は、シャッター(6)は、この
係止部(8)によって時計方向の回動が阻止される。即
ち、用心杆が作用して扉が開放されている時、取付ネジ
(4)を外そうとしても、シャッター(6)によって、外すこ
とができない。尚、受座(1)を取付ける時は、シャッタ
ー(6)を第６図時計方向に回動させてから取付ける。

（その他の変形例等） 上記の実施例では、シャッター(6)はすべて、軸(5)で回
動自在に保持したものを示したが、例えば摺動自在に保
持してもよいし、その保持方法は任意であり、要する
に、常時は受座(1)の取付ネジ(4)を遮蔽する状態で保持
されており、受座を取付ける時はシャッター(6)を移動
させて取付け、使用する時は、シャッター(6)が取付ネ
ジ(4)を遮蔽する状態に保持させるようにすればよい。
そして、用心杆が作用時、ガイド孔(3)内に位置する係
止部(8)あるいはその軸(9)、または用心杆(7)の端部に
よって、シャッター(6)の移動が阻止するようにすれば
よい。

また、シャッター(6)の形状や受座(1)の形状も任意であ
るし、シャッター(6)は、第１ないし第５図のように受
座(1)の表面に保持（外装）してもよいし、第６図のよ
うに裏面に保持（内装）してもよい。

その他、シャッター(6)を常時、取付ネジ(4)を遮蔽する
状態で保持させる保持部材(6c)は、（本考案の必須構成
要件ではないが）その構成も任意である。また、取付ネ
ジ(4)の全てを遮蔽するようにしてもよいが、少なくと
も一個の取付ネジを遮蔽すれば、受座を取外すことはで
きない。

〔考案の効果〕

本考案に係る用心錠の受座によれば、受座に可動自在に
保持したシャッターが（少なくとも一個の）取付ネジを
遮蔽しており、用心杆の作用時（用心杆の係止部が受座
の受孔に係入された状態で、扉を開放した時）、受座の
ガイド孔部を移動する係止部、あるいは係止部の軸、あ
るいは用心杆によって、シャッターの移動が阻止されシ
ャッターが取付ネジを遮蔽した状態が保持されるので、
規制範囲内で開いた扉の隙間からドライバーを差し込
み、不法に受座を取り外すことはできない。即ち、防犯
上、非常に優れた用心錠の受座を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、本考案の第一実施例を示すもの
で、第１図ａは受座(1)の正面図で、第１図ｂはその要
部横断面図である。第２図は使用状態を示す正面図。第
３図は第２図の要部横断平面図。 第４図ないし第６図は、第一実施例の変形例を示すもの
で、第４図、第５図、第６図ａは受座の正面図、第６図
ｂは第６図ａの要部横断面図である。 (1)…受座、(2)…受孔、(3)…ガイド孔、(4)…取付ネ
ジ、(6)…シャッター、(7)…用心杆、(8)…係止部(9)…
軸、(12)…サムターン、(13)…シリンダー、(14)…用心
錠、(A)…枠、(B)…扉

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】用心杆によって扉の開放角度を規制するよ
   うにした用心錠において、用心杆の係止部が係脱する受
   孔と、扉の開放に従って係止部が移動する縦長状のガイ
   ド孔と、取付孔とを有する受座に、少なくとも一個の取
   付ネジを遮蔽するシャッターを可動自在に保持し、受座
   取付時はシャッターを移動して取付けると共に、扉の開
   放時にガイド孔部を移動する用心杆あるいは用心杆の係
   止部が前記シャッターの移動を阻止するようにしたこと
   を特長とする用心錠の受座。