JPH0653067B2 - 新規ハイブリドーマおよびその製造法 - Google Patents

新規ハイブリドーマおよびその製造法

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JPH0653067B2
JPH0653067B2 JP59191241A JP19124184A JPH0653067B2 JP H0653067 B2 JPH0653067 B2 JP H0653067B2 JP 59191241 A JP59191241 A JP 59191241A JP 19124184 A JP19124184 A JP 19124184A JP H0653067 B2 JPH0653067 B2 JP H0653067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規ハイブリドーマおよびその製造法に関す
る。
従来の技術 ケーラーとミルスタインにより開発され〔ネイチヤー,
256,495(1975)〕、近年盛んになって来た
ハイブリドーマを用いたモノクローナル抗体の製造法
は、各々の抗原決定基に対し、単一特異性を示す抗体が
得られることや、粗精製標品に対して得られた抗体につ
いて吸収操作を必要としないことなどのすぐれた特徴を
もっている。またこの他に、抗体取得という面からも、
ハイブリドーマの腹水化により、高力価の抗体が、自由
に、多量に、しかも常に均質な標品を再現性よく得られ
るなど多くの利点がある。この様な意味からハイブリド
ーマによるモノクローナル抗体取得の手法は、多方面に
わたってその有用性が高く評価されている。また、その
使い方も単に抗原検出にとどまらず、抗体カラム作製を
通じて、微量成分の精製に用いたり〔ネイチヤー,28
,446−450,(1980)〕、更には、診断
薬,治療薬への応用〔ヨーロピアン ジャーナル オブ
イムノロジー,,94−96,(1979)〕も展
開されている。
ヒトのインターフエロン(IFN)には、抗原的に異な
るα,β,γ型の少くとも3種のタイプが存在すること
が知られている〔ネーチヤー,286,110,(19
80)〕。γ型インターフエロン(IFN−γ)につい
ては、マイトージエンや抗原刺激によって、主としてT
リンパ球から産生されることが判っており、別名免疫イ
ンターフエロン(I−IFN)とも呼ばれている〔ザ
インターフエロン システム,スプリンガー社,ニユー
ヨーク,11頁−26頁(1979)〕。IFN−γは
生体内で、種々の免疫反応にともなって産生されること
が予想され、免疫調節に重要な役割を果たしていると考
えられている。また、IFN−γの性質としては、α型
インターフエロン(IFN−α)やβ型インターフエロ
ン(IFN−β)と抗原性が異なることや、誘起剤の種
類が異なることの他に、酸や熱に対する安定性が悪いこ
となども判っている〔ザ インターフエロン システ
ム,スプリンガー社,ニユーヨーク,11−26(19
79)〕。
一般的にIFNは、生体の産生する抗ウイルス作用をも
つものとして定義されているが、この他に多くの生物活
性をもつことが証明されており、特に抗腫瘍効果を有す
る点で注目されている〔ブラツド,55,711−72
1,(1980);同誌,55,875−884,(1
980)〕。
腫瘍の増殖を抑制する方法として、腫瘍細胞の増殖を直
接抑制する方法と、宿主の免疫反応を介して、間接的に
腫瘍を抑制する方法が考えられ、後者の場合、例えばナ
チユラルキラー細胞(NK)や、マクロフアージの活性
化、或いはキラーT細胞の活性化などが考えられる。実
際、IFNには直接作用の他に、この様な種々の免疫増
強活性があることが証明されている〔バイオケミカ エ
ト バイオフイジカ アクタ,516,231−24
7,(1978)〕。IFN−γはインビトロでのこれ
ら抗腫瘍につながる各種の活性、およびインビボに於け
る抗腫瘍活性が、IFN−αやIFN−βに比べ遥かに
高いことから、その重要性が強く指摘されている〔セル
ラーイムノロジー,49,390−394,(198
0)〕。
然しながら、インビトロで誘導されるIFN−γの力価
は一般に低いことや適切なIFN−γ産生株細胞が少な
いこと、さらに熱や酸に対する安定性が悪いため精製が
むつかしいことなどのためにIFN−γの大量生産およ
び精製はIFN−αやIFN−βに比べ大幅に遅れてい
た。
最近、天然のIFN−γが単一に出来たという報告があ
るが(プロシジング オブ ナシヨナル アカデミー
オブ サイエンス,79,1820−1824,(19
82)〕、活性の回収が大変悪く、より効果的な精製法
が待望されている。
一方最近に至り、ヒトIFN−γ遺伝子のクローニング
がなされ、少くともIFN−γの一種として、146個
のアミノ酸から成る約17キロダルトンの分子種が、大
腸菌で得られたと報告〔ネーチヤー,295,503−
508,(1982);ヌクレイツク アシツズ リサ
ーチ,10,2487−2501,(1982)〕さ
れ、遺伝子組み換え法を用いたIFN−γ(rIFN−
γ)の大量生産が期待出来るようになったが、抗体を用
いない通常の精製法で単一化することは大変な困難が予
想される。
このような視点から、IFN−γに対する各種のモノク
ローナル抗体を得ることは、分子種間の対応をつけるの
に重要なだけでなく、天然の、あるいは遺伝子組み換え
法により大腸菌などで作らせたIFN−γを精製する上
に極めて強力な武器となる。最近に至り、天然のIFN
−γに対するモノクローナル抗体の取得が報告され〔ネ
ーチヤー,296,258−259,(1982);ザ
エンボジヤーナル,,1527−1530,(19
83),ジヤーナル オブ イムノロジー,133,1
300−1304(1984),ジヤーナル オブ バ
イオケミストリー 259,4301−4304(19
84),ジヤーナル オブ イムノロジカル メソツゾ
69,61−70(1984)〕、該抗体が天然のI
FN−γの精製や定量に用いられることが報告された
が、これらの報告においては、得られたモノクローナル
抗体がIFN−γのどの部分を認識しているかは全く不
明である。最近に至り、IFN−γのN末端1番目から
20番目迄のアミノ酸配列に相当する合成ペプチドに対
する抗体の取得が報告〔ジヤーナル オブ イムノロジ
ー,129,2357−2359(1982)〕された
が、報告による抗体は兎で作製されたポリクローナル抗
体である。ポリクローナル抗体に比べ、モノクローナル
抗体は供給面(抗原認識部位,抗体価,親和性等に関し
て、常に一定のものを随時、多量に供給し得る)ですぐ
れているのみならず、IFN−γの精製、検出等の応用
面でも結果の再現性が遥かに高く有効である。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは既に、IFN−γのcDNAから推定され
たそのアミノ酸配列のC末端部分のアミノ酸配列に相当
する合成ポリペプチドに対するモノクローナル抗体(E
PC公開第0103898号公報)およびN末端部分の
アミノ酸配列に相当する合成ポリペプチドに対するモノ
クローナル抗体(特開昭60−107569号公報を製
造し、それらの応用開発を行ったが、これらに加え、I
FN−γにおいてこれらのモノクローナル抗体の認識部
位以外の部位を認識するモノクローナル抗体を取得する
ことはIFN−γ,とりわけ遺伝子組み換え法により作
られたIFN−γをより効率よく精製したり、より感度
よく検出したりする上に極めて重要である。また、モノ
クローナル抗体を用いてIFN−γを精製したり検出す
る上において、その抗体がペプチドのどの部分を認識し
ているかを確かめ、認識部位の異なる複数のモノクロー
ナル抗体を取得し、それらを目的に応じて使い分けるこ
とができれば、その応用価値は急増する。
本発明者らは、上記課題を解決する新規モノクローナル
抗体を製造し、その性状を明らかにし、さらにその用途
を開発し本発明を完成した。
問題点を解決するための手段および作用 本発明は、遺伝子組み換え技術で製造されたインターフ
エロン−γ蛋白質で免疫したマウスの脾臓細胞由来のリ
ンパ球と、マウスミエローマ細胞株とからなる、第1図
に示されるポリペプチド(II)と結合し、ペプチドPyrr
o Glu-Asp-Pro-Tyr-Val-Lys-Glu-Ala-Glu-Asn-Leu-Lys-
Lys-Tyr-Phe-Asn-Ala-Gly(III)およびペプチドLys-Ar
g-Lys-Arg-Ser-Gln-Met-Leu-Phe-Arg-Gly-Arg-Arg-Ala-
Ser-Gln(IV)のいずれとも結合しないモノクローナル
抗体を産生するクローン化されたハイブリドーマWNγ
3−29.33株,およびその製造法を提供するもので
ある。
以下本願明細書において特に注記した場合を除きIFN
−γとは、天然のIFN−γ(nIFN−γ)および遺
伝子組み換え技術で製造されたIFN−γ(rIFN−
γ)の双方を包含する。
nIFN−γとは、天然から得られるIFN−γ(例え
ば、ヒト末梢血リンパ球をインデユーサーで誘導したも
の)やそのN末端部分またはC末端部分を欠くフラグメ
ント〔ジヤーナル オブ バイオロジカル ケミストリ
ー,259,6790−6797(1984)〕の中、
抗ウイルス活性を有するものを意味し、通常糖鎖を有す
る。
rIFN−γには、第1図に示される146個のアミノ
酸からなるポリペプチド(II)ならびにポリペプチド
(II)の9番目のアミノ酸がGlnのものおよび140番
目のアミノ酸がGlnのものが包含される。またポリペプ
チド(II)のN末端アミノ酸から131番目までのアミ
ノ酸残基を含み132番目以降のいずれかの部分で切断
された15Kスピーシーズやその他のフラグメントも包
含する。さらにポリペプチド(II)のN末端アミノ酸か
ら4番目までのいずれかのアミノ酸残基またはペプチド
を欠除したポリペプチドならびにこれらのC末端部分を
欠く対応するフラグメントをも包含する。
マウスを免疫には大腸菌を用いて製造された精製rIF
N−γ蛋白質(EPC公開第0110044号公報)が
有利に使用できる。
免疫方法は、例えばマウスを免疫する場合、皮下,腹腔
内,静脈内,筋肉内,皮内等のいずれのルートからでも
可能であるが、主として皮下,腹腔内,静脈内に(とり
わけ皮下)注入するのが好ましい。また、接種間隔,接
種量等も可変度は高く、種々の方法が可能であるが、例
えば2週間隔で2〜8回接種し、最終免疫後、1〜5
日、好ましくは2〜4日後の脾細胞を用いる方法がよく
用いられる。接種量は1回にポリペプチド量として、マ
ウス当り0.1μg以上、好ましくは10μg〜300
μg用いることが望ましい。
またIFN−γのアミノ酸配列の一部を有するペプチ
ド、例えば前記したペプチド(III)を用いて、上記ポ
リペプチド(II)と二重免疫によっても製造することが
できる。すなわち、例えばまずポリペプチド(II)を接
種し、その後ペプチド(III)の蛋白複合体を接種し、
さらにポリペプチド(II)およびペプチド(III)の蛋
白複合体を合せて接種する。なおこの免疫方法において
は、接種の順序および免疫原の構成は自由に変更でき、
各接種時の免疫原の総量は上記の範囲で行う。
リンパ球源として脾臓細胞を用いる場合において、脾臓
を摘出する場合はその前に、部分採血を行い、血中の抗
体価の上昇を確認した上で、融合実験を行うことが望ま
しい。
上記の細胞融合は、例えば免疫したマウスのリンパ球
(とりわけ脾臓細胞由来のもの)をヒポキサンチン−グ
アニン−ホスホリボシルトランスフエラーゼ欠損(HGPR
T-)や、チミジンキナーゼ欠損(TK-)の様なマーカー
を持った適切な同種ミエローマ等の、リンパ球様細胞株
との間で融合させる。融合には、センダイウイルス,ポ
リエチングリコール(PEG)等の融合剤が用いられ
る。もちろんジメチルスルホキシド(DMSO)その他
の融合促進剤を加えることも可能である。PEGの重合
度は、ふつう1000〜6000,時間は0.5〜30
分,濃度は10%〜80%等が用いられるが、好ましい
条件の一例として、PEG6000を35〜55%で4
〜10分処理することにより、効率よく融合させること
が出来る。融合細胞は、ヒポキサンチン−アミノプテリ
ン−チミジン培地〔HAT培地;ネイチヤー,256
495−497(1975)〕等を用いて、選択的に増
殖させることが出来る。
マウスの血清や増殖して来た細胞の培養上清は、目的と
する抗体産生があるか否かについてスクリーニングを行
うことができるが、抗体価のスクリーニングは次の様に
行うことが出来る。即ち、RIA法またはEIA法等の
方法で調べることが出来るが、これらの方法についても
種々の変法が可能である。好ましい測定法の一例とし
て、EIAを用いる方法について述べる。固相にrIF
N−γを常法に従って固定(例えば96穴のマイクロタ
イタープレートを固相として用いるとマルチスキヤン等
を用いた迅速な測定が可能となり有利である)させてお
き、これに測定したい培養上清や、マウスの血清を加
え、一定時間、定温(以下4〜40℃を示す)で反応さ
せる。この後、反応物をよく洗った後、酵素で標識した
抗マウス抗体(山羊,兎などのポリクローナル抗体に例
えばホースラデイツシユペルオキシダーゼ等の酵素を結
合したものを市販品として入手出来る)を加え、一定時
間、定温で反応させる。反応物をよく洗った後、酵素基
質を加え、一定時間,定温で反応させ、その後、生成発
色物を吸光度または螢光度等で測定することができる。
選択培地で増殖を示し、かつIFN−γへの結合能や免
疫に用いたポリペプチド(I)に対する抗体活性のみら
れたウエルの細胞は、限界稀釈法等によりクローニング
を行うことが望ましい。クローン化された細胞の上清に
ついて同様にスクリーニングを行い抗体価の高いウエル
の細胞を増やすことにより、免疫したポリペプチド
(I)と反応性を示すと考えられるモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマクローンが得られる。
これらポリペプチド(I)と反応性を示すハイブリドー
マやそのクローンの産生するモノクローナル抗体がIF
N−γのどの部分を認識するかということを調べること
は、単にモノクローナル抗体を特定化するという意味だ
けでなく、IFN−γの検出や精製におけるモノクロー
ナル抗体の使い方を明確にし、また認識部位の異なる複
数のモノクローナル抗体の組み合わせによる応用展開を
広くする上で重要である。
この目的のためには、例えばペプチド(III),ペプチ
ド(IV)および第1図における5番目から146番目ま
でのアミノ酸からなるポリペプチド(V)を用いること
により、上記により得られるモノクローナル抗体が、r
IFN−γのN末端部分を認識しているか、C末端部分
を認識しているか、或いはN末端,C末端以外の部分を
認識しているかを容易に知ることができる。即ち、ポリ
ペプチド(I)に反応性のあるモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマのスクリーニング法について前に
述べたが、この方法の中で、固相にポリペプチド(I)
を固定する代りに、ペプチド(III)またはペプチド(I
V)を用いる方法により有利にこの目的を達成すること
ができる。
さらにこれらクローンの産生する抗体がnIFN−γ
(例えばヒト末梢血リンパ球からレクチンとホルボール
エステル等で誘導したもの)およびrIFN−γ(例え
ばポリペプチド(II),ポリペプチド(V)など)を吸
収する能力について生物活性を用いて調べることができ
る。その方法として有利に用いられる一例を次に述べる
が、もちろん種々の変法も可能である。例えばウサギ抗
マウスイムノグロブリン抗体をセルロースビーズ等の担
体に常法に従いカプリングさせておき、これに測定した
いハイブリドーマ上清またはマウスの血清を加え、一定
時間、定温で反応させる。この後反応物をよく洗い一定
量のIFN−γを加える。IFN−γとして、例えばn
IFN−γやrIFN−γを加えた後、一定時間,定温
で反応させ、反応上清中に含まれるIFN−γの活性を
測定する。この様にして目的とする抗体のIFN−γ活
性の吸収能を測定することができる。
次に、これらクローンの産生する抗体が、rIFN−γ
(例えばポリペプチド(II),ポリペプチド(V)な
ど)やnIFN−γのもつ抗ウイルス作用(以後AVA
と略す)を中和する能力があるか否かを調べることもで
きる。中和活性のある抗体の取得は、該抗体が直接生物
活性に関連した部位を認識していることになるので、I
FN−γを含むサンプルから、IFN−γを精製した
り、EIA法やRIA法を用いて定量したりする上に於
て、極めて重要である。抗体の中和活性は例えば次の様
にして測ることができる。即ち、一定量のIFN−γに
対して大過剰量の抗体を加え、一定時間、一定温度で反
応させた後、反応物を後述するAVAにて測定すること
ができる。
このようにしてクローン化されたハイブリドーマは、液
体培地中または哺乳動物の腹腔内で増殖させる。例え
ば、液体培地たとえばRPMI−1640に0.1〜4
0%の牛血清を加えた培地等で2〜10日間、好ましく
は3〜5日間培養することにより、培養液から該モノク
ローナル抗体を得ることができるが、この他にマウス等
の適切な哺乳動物の腹腔内に接種し、細胞を増殖させ、
腹水を採取することにより、細胞培養上清よりも遥かに
高力価の抗体を、多量に効率よく取得することができ
る。このためには、例えばマウスの場合、ミネラルオイ
ル等を前もって接種したBALB/C等のマウスに1×
10〜1×10個、好ましくは5×10〜2×1
個のハイブリドーマを腹腔内等に接種し、7〜20
日後、好ましくは10〜14日後に腹水液等を採取す
る。腹水に生成蓄積した抗体は、例えば硫安分画,DE
AE−セルロースカラムクロマト等により、容易にモノ
クローナル抗体を純粋な免疫グロブリンとして単離する
ことができる。
本発明のモノクローナル抗体は、下記の性状を有する。
(1)nIFN−γおよびポリペプチド(II)と結合す
る。
(2)第1図における第1番目から第131番目までのア
ミノ酸からなるポリペプチド(15Kスピーシーズ)と
結合する。
(3)ペプチド(III)およびペプチド(IV)のいずれとも
結合しない。
(4)IFN−αおよびIFN−βとは結合しない。
(5)nIFN−γおよびポリペプチド(II)の抗ウイル
ス活性を中和する。
(6)ポリペプチド(V)を認識しその抗ウイルス活性を
中和する。
(7)オクタロニー法による検定によりIgG1のサブク
ラスの抗体に属する。
(8)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動におい
て、標準免疫グロブリンのH鎖およびL鎖の分子量に完
全に一致する2本のバンドのみを示す。
なお本モノクローナル抗体は安全に製造,使用保管する
ことができる。
本発明により得られるモノクローナル抗体は、EIA法
〔イムノケミストリー,15,429−436(197
6)〕或いはRIA法〔サイエンス,158,1570
−1572(1967)〕を活用することにより、生体
中の、或いは試験管内での微量のIFN−γの検出に用
いることができることの他に、たとえば抗体カラムを作
製することにより、今迄大変困難とされていた天然の、
或いは遺伝子組みかえにより作られるIFN−γを、非
常に効率良く精製するのに使用することができる。
当発明において得られたモノクローナル抗体をIFN−
γの定量に用いる場合、例えば当抗体とIFN−γを含
む資料とを一定時間,定温で反応させた後、予め固相に
固定したIFN−γに上記反応物を加え一定時間,定温
で反応させ洗った後、酵素標識した抗マウス抗体を加え
反応させ、更に酵素基質を加え一定時間反応させマルチ
スキヤンを用いた色素量の定量を行うことにより間接的
にIFN−γ量を測定するいわゆるELISA(エンザ
イム リンクド、イムノソルベントアツセイ)法等によ
る測定が可能である。
又、これらのモノクローナル抗体はIFN−γのN末端
およびC末端部分以外の部分を認識する抗体であるの
で、例えばこれらの抗体と別個に、IFN−γのN末端
(特開昭60−107569号公報)又はC末端部分
(EPC公開第0103398号公報)を認識するモノ
クローナル抗体を用いて、これら各々の抗体を第1抗
体,第2抗体として用い、第1抗体を固相に固定し、こ
れに測定したいIFN−γを含む試料を加え、一定時
間,定温で反応させよく洗った後、例えば酵素標識した
第2抗体を加え、一定時間,定温で反応させ、さらに酵
素基質を加えて一定時間反応させた後、マルチスキヤン
等を用い比色法により定量する、いわゆるサンドウイツ
チ法による定量が可能となるがその組合せにより非常に
高感度にIFN−γが検出できまた特殊な分子種のみを
測定し分けたりすることもできる。
これらの反応において、酵素標識抗体の代りに125Iな
どのラジオアイトープ標識抗体を用いたRIAによる定
量法も可能であるし、また個々の反応ステツプについて
は種々の変法はもちろん可能であり、当発明に記載した
方法に限定されるものではない。
また本発明において得られるモノクローナル抗体を用い
てIFN−γを効率よく精製することができる。該モノ
クローナル抗体はしかるべき担体に化学的に結合させ、
カラムに充填し抗体カラムとして有利に使用できる。
抗体カラムの製造は、例えばハイブリドーマを接種した
腹水等から純粋に精製した本発明のモノクローナル抗体
を適切な担体とカプリングさせることにより、以下の様
な方法でできる。
用いる担体は、カプリングの後にIFN−γが特異的に
効率よく吸着され、その後適切な溶出が可能なものであ
ればどの様なものでもよいが、一例として蛋白の一級ア
ミンが結合し易い様に活性化されたアガロースゲルビー
ズ、例えばアフイゲル−10(バイオラド社製)などが
以下に述べる様な方法で好都合に用いられる。アフイゲ
ル−10と抗体との反応は、0.001〜1M、好まし
くは0.1Mのバイカーボネート等の緩衝液中で反応を
行なう。反応条件は0°〜20℃,10分〜24時間、
種々のpHが可能であるが、好ましくは4℃,4時間,pH
3〜10の条件が用いられる。混合するアフイゲル−1
0と抗体の量比は、アフイゲル1mlに対し抗体量が約5
0mg位迄は多ければ多い程多くの抗体がつくので、この
範囲内でいくらでもよいが、結合効率およびアフイニテ
イカラムクロマトグラフイーにおける精製効率を考慮し
て10〜30mgの抗体が好都合に用いられる。この様に
してできた抗体−担体結合物は、反応に用いた緩衝液で
よく洗った後、数日放置するか、もしくは最終濃度0.
05〜0.1Mのエタノールアミン・塩酸を加え4℃で
1時間反応させる等の方法により、残存する未反応の活
性基をブロツクした後、適切なカラムにつめることによ
り、抗体カラムとして使用できる。
上記の抗体カラムで精製するに際しては、たとえばヒト
IFN−γ(ポリペプチド(II)など)含有資料を中性
附近の緩衝液、たとえばリン酸緩衝液やトリス・塩酸緩
衝液に溶解して抗体カラムに吸着させる。次にカラムを
同じ緩衝液で洗浄したのち、IFN−γを溶出する。溶
出液としては、例えばグアニジン塩(塩酸塩,硫酸塩な
ど)や尿素等のたん白変性剤を含む溶液,チオシアン化
カリなどカオトロピツクイオンを含む溶液,弱酸性溶液
たとえば酢酸溶液,エチレングリコールを含む溶液,資
料にくらべ抗体に、より結合し易いペプチドを含む溶
液,高濃度塩溶液などおよびこれらを組み合せた溶液な
どが用いられ、ヒトIFN−γの分解をあまり促進しな
いものが好ましい。
カラム溶出液は、常法により緩衝液で中和する。必要に
より再度上記の抗体カラムによる精製操作を行なうこと
ができる。
ここで得られるヒトIFN−γ蛋白質溶液は透析に付
し、必要によりこれを凍結乾燥により粉末とすることが
できる。凍結乾燥に際しては、血清アルブミン,ヒドロ
キシエチル澱粉,ソルビトール,マンニトール,デキス
トロース,マルトース,グリセロース,グルタチオン,
アスコルビン酸ソーダー,グリシンなどの安定剤を加え
ることができる。
該抗体カラムを用いれば、ポリペプチド(II)などのr
IFN−γのみならず、そのN末端から4番目までのい
ずれかのアミノ酸残基またはペプチドを欠除したポリペ
プチド(ポリペプチド(V)など)やこれらをコードす
る塩基配列を含有する形質転換体等を用いるIFN−γ
を製造,精製する際に生成するC末端部分を欠いた各種
IFN−γフラグメント(15Kスピーシーズなど)
〔カポン,D.J.ら,第3回 アニユアル インターナシ
ヨナル コングレス フオア インターフエロン リサ
ーチ(1982),マイアミ,フロリダ;EP−A−0
138087号公報〕の精製も有利に実施することがで
きる。
本願明細書中記載したウイルス活性測定は、ヒト羊膜由
来WISH細胞に対する水泡性口内炎ウイルス(VS
V)の細胞変性効果阻止試験によった。
なおここでIFNの活性としてのU/ml(ユニツト/m
l)の出し方は以下の様に行った。ユニツトの確定した
国際標準IFN−αと白血球由来の粗IFN−γをヒト
羊膜由来FL細胞株に対するVSVの細胞変性効果阻止
試験を用いて測定し、その力価の比較から白血球由来粗
IFN−γの力価を決定しIFN−γの標準品とした。
目的とする資料中のIFN−γの力価算定のためには、
常にこの標準IFN−γを並べて前述のWISH−VS
Vの系でアツセイを行い、その比率から力価を算出し
た。
本願明細書において、アミノ酸,ペプチド,その他に関
し略号で表示する場合、それらはIUPAC−IUB
(Commission on Biological Nomenclature)による略
号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を次に挙げる。また、アミノ酸などに関し光
学異性体がありうる場合は、特に明示しなければL体を
示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Pyrro Glu:ピログルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe ;フエニールアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトフアン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン 実施例 以下、実施例および参考例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。
なお実施例において開示するマウス B ハイブリドー
マWNγ3−29.33は、財団法人 発酵研究所(I
FO)に寄託番号IFO−50001として寄託されて
いる。
また参考例において開示する形質転換体エシエリヒア
コリ294/pHITtrp1201−d4は財団法人 発酵
研究所(IFO)にIFO−14365として、昭和5
9年9月4日から通商産業省工業技術院微生物工業研究
所(FRI)に受託番号FERMP−7828として寄
託されている。
実施例1 (i)免疫原の製造 免疫原として用いた、ポリペプチド(II)(rIFN−
γ)はEPC公開第0110044号公報記載の方法に
より、ポリペプチド(III)と牛サイログロブリンの結
合物(IFN−γNP−TG)は特開昭60−1075
69号公報記載の方法により製造した。
(ii)免疫 ポリペプチド(II)をタンパク量として50μg,フロ
インドコンプリートアジユバントとよく混合し、7〜8
週令のBALB/C雌マウスの皮下に接種した(初回接
種)。初回接種の2週後、同量のポリペプチド(II)を
フロインドインコンプリートアジユバント(FIA)と
よく混合し、皮下に接種した(二次接種)。三次・四次
接種は2週間隔で二次接種と同じ方法で行なった。五
次,六次,七次接種は、ポリペプチド(II)をタンパク
量として40μgおよびIFN−γNP−TGをタンパ
ク量として40μg,FIAとよく混合し、皮下に2週
間隔で接種した。七次接種の2週後、ポリペプチド(I
I)25μg,IFN−γNP−TG40μgを0.5m
lの生理食塩水に浮遊させ、静脈内に最終免疫を行なっ
た。
(iii)ELISA法を用いた抗体アツセイ法 上記(ii)の方法で免疫したマウス血清あるいは実施例1
(iv)および(v)で得られるハイブリドーマ培養上清中の
抗体活性はエンザイム リンクド イムノソーベント
アツセイ(ELISA)法を用いて検索した。即ち、ポ
リペプチド(II)を15μg/mlになるよう0.1M重炭
酸ナトリウムを含有したリン酸緩衝液(pH8.0)に浮
遊させ、96ウエルマイクロプレートの各ウエルに10
0μlずつ分注し、4℃で24時間反応させた。反応
後、ウエルの余剰の結合部位をふさぐため2%牛血清ア
ルブミン(BSA)含有リン酸緩衝液を100μlずつ
分注し、4℃で24時間処理し、ELISAに使用する
プレートを作製した。
以上のように調製したプレートに血清あるいはハイブリ
ドーマ培養上清100μlを加え、24℃で3時間反応
させた。反応後、生理食塩水でよく洗浄し、ホースラデ
イシユペルオキシダーゼ(HRP)でラベルしたヤギ抗
マウスイムノグロブリン抗体を各ウエルに100μl加
え、室温で3時間反応させた。反応終了後、各ウエルを
リン酸緩衝液でよく洗浄し、10μlの0.1Mクエン
酸緩衝液に22mgのオルソフエニレンジアミン,10μ
lのHを加えた酵素基質溶液100μlを各ウエ
ルに加えて、酵素反応を室温で15分行ない、4規定硫
酸で反応を停止させた。反応停止後、タイターテツクマ
ルチスキヤン(フロー社製)を用いて波長492nmで
発色色素量を測定し、抗体の活性を判定した。
(iv)細胞融合およびハイブリドーマ上清の抗体の測定 実施例1(ii)の最終免疫の3日後マウスの脾臓を摘出
し、ステンレスメツシユで圧迫,過し、イーグルズ・
ミニマム・エツセンシヤルメデイウム(MEM)に浮遊
させ、脾臓細胞浮遊液を得た。細胞融合に用いる細胞と
して、BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞P3−×
63,Ag8.U1(P3U1)を用いた〔カレント
トピツクス イン マイクロバイオロジー アンド イ
ムノロジー,81,1−7(1978)〕。細胞融合
は、原法〔ネイチヤー,256,495−497(19
75)〕に準じて行なった。即ち、リンパ球含有脾臓細
胞およびP3U1をそれぞれ血清を含有しないMEMで
3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を5:1にな
るよう混合して、800回転で15分間遠心を行なって
細胞を沈殿させた。上清を充分に除去した後、沈殿を軽
くほぐし、45%ポリエチレングリコール(PEG)6
000(コツホライト社製)を0.3ml加え、37℃温
水槽中で7分間静置して融合を行なった。融合後細胞に
毎分2mlの割合でMEMを添加し、合計12mlのMEM
を加えた後600回転15分間遠心して上清を除去し
た。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清を含有するRP
MI1640メデイウム(RPMI1640−10FC
S)にP3U1が1ml当り2×10個になるよう浮遊
し、24穴マルチデイシユ(リンブロ社製)に1ウエル
1mlずつ144ウエルに播種した。播種後、細胞を37
℃で5%炭酸ガスフラン器中培養した。24時間後、H
AT(ヒポキサンチン1×10-4M,アミノプテリン4
××10-7M,チミジン1.6×10-5M)を含んだP
RMI1640−10FCS培地(HAT培地)を1ウ
エル当り1mlずつ添加することにより、HAT選択培養
を開始した。HAT選択培養は、培養開始3,5,7日
後に旧液を1ml捨てたあと、1mlのHAT培地を添加す
ることにより継続した。ハイブリドーマの増殖は、細胞
融合後10〜14日で播種した全ウエルに認められ、培
養液が黄変したとき(約1×10/ml)、上清を採取
し、ポリペプチド(II)をコートしたマイクロプレート
を用いたELISA法(実施例1(iii)記載)で、抗体
の有無を検討した。抗体活性は、144ウエル中3ウエ
ルに認められた。
次に、これら3ウエルの抗体が、IFN−γを認識する
かどうか抗ウイルス活性の吸収により検索した。すなわ
ち、ウサギ抗マウスIgG抗体を結合させた3%セルロ
ース溶液500μlに培養上清を500μl加え、4℃
で24時間反応させ。反応後セルロースを生理食塩水で
よく洗浄し、2200U/mlのIFN−γを加え、4℃
で24時間反応させ、上清中のIFN活性を測定した。
IFN−γサンプルとして、実施例1(i)記載のポリペ
プチド(II)を用いた。
IFN活性の測定は、マイクロプレートを用いた細胞変
性効果(CPE)リーデイング法で測定した〔アプライ
ド マイクロバイオロジー,16,1706−1707
(1968)〕。すなわち、96穴マイクロプレート
(ヌンク社製)全てのウエルに50μlのMEMを入
れ、最初のウエルにIFNサンプルを50μl加えて、
連続的に2倍希釈を行なった。このようにした各ウエル
に、WISH細胞を20%FCS含有MEMに1ml当り
4×10個になるよう調整した細胞浮遊液50μlを
加え、24時間,37℃,炭酸ガスフラン器で培養し
た。培養後、水泡性口内炎ウイルス(ニユージヤーシー
株)を2000TCID50(テイツシユーカルチユアインフ
エクテイングドーズ50)になるようMEMで調整し、
その50μlを各々のウエルに加え、37℃,炭酸ガス
フラン器内で培養した。約35時間後、IFNサンプル
を加えていないウエルの細胞が100%CPEを起こし
た時点で、各ウエルのCPEを顕微鏡で観察し、50%
のCPEを起こしているウエルのIFN−サンプルの希
釈数の逆数をもってIFNの力価とした。
その結果、3ウエル(WNγ3−16,29,45)か
らの抗体がrIFN−γ(ポリペプチド(II))の抗ウ
イルス活性を吸収することが分り、そのうちの1つ(W
Nγ3−29)は、強い吸収能を示した(第1表)。
(v)クローニング 上記(iv)で得られたポリペプチド(II)に強い結合性を
示す抗体を産生するハイブリドーマWNγ3−29を、
限界希釈法によりクローニングを行なった。すなわち、
ハイブリドーマが2個/mlになるようRPMI−20F
CSに浮遊させ、96穴マイクロプレート(ヌンク社
製)に1ウエル当り、0.1mlずつ分注した。分注する
際、フイーダー細胞としてBALB/Cマウスの胸腺細
胞をウエル当り5×10個になるように加えた。この
ようにして、約2週間後に細胞の増殖が認められるよう
になった細胞の培養上清を採取して、抗体の有無を実施
例1(iii)記載のELISA法で調べた。その結果、得
られた48クローン中38クローンに抗体活性を認めた
(第2図)。
以後の実験ではこれらクローンの中の代表的なクローン
としてマウス B ハイブリドーマWNγ3−29.3
3を選んで実験に用いた。
(vi)抗体の認識部位の検討 上記(v)で得られたポリペプチド(II)に強い結合性を
示すモノクローナル抗体が、IFN−γのどの部位を認
識するのかを検討した。すなわち、ハイブリドーマWN
γ3−29.33の培養上清50μlとペプチド(II
I)(IFN−γNP)またはペプチド(IV)(IFN
−γCP)をそれぞれ20μg/mlに調製したもの50μ
lとを混合し、37℃で1時間反応させた後、この混合
液中の抗体価を、実施例1(iii)記載のELISA法で
検討した。なお対照はペプチド(III)またはペプチド
(IV)溶液のかわりにHAT培地を用いた。この実験
で、抗体がIFN−γN末部を認識するものならばIF
N−γNPにより、IFN−γC末部を認識するものな
らば、IFN−γCPにより抗体の活性基がマスクさ
れ、マイクロプレート上のrIFN−γに結合しない筈
である。結果は第2表に示したように、WNγ3−2
9.33モノクローナル抗体のマイクロプレート上のr
IFN−γへの結合は、IFN−γNPまたはIFN−
γCPによって阻害されなかった。
従ってこの抗体は、第1図における4番目から21番目
および131番目から146番目以外のアミノ酸部分を
認識することが分かった。なお、対照として用いたIF
N−γN末部を認識するWNγ2−76.53モノクロ
ーナル抗体特開昭60−107569号公報参照),C
末部を認識するγ2−11.1モノクローナル抗体(E
PC公開No.0103898号公報参照)のマイクロプ
レート上のポリペプチド(II)への結合は、それぞれペ
プチド(III)およびペプチド(IV)によって阻害され
た。
実施例2モノクローナル抗体の製造 (i)抗体産生ハイブリドーマの腹水化および腹水からの
抗体精製 クローニングによって得られたマウスBハイブリドーマ
WNγ3−29.33細胞1×10個を、あらかじめ
0.5mlのミネラルオイルを腹腔内に投与しておいたB
ALB/Cマウスの腹腔内に接種することにより腹水化
を行なった。ハイブリドーマを腹腔に投与して10日
後、腹水を採取した。得られた腹水9.7mlから、ステ
ーリンら〔ジヤーナル オブ バイオロジカルケミスト
リー,256,9750−9754(1981)〕の方
法に準じてモノクローナル抗体を精製した。まず腹水か
らフイブリン様物質を除去するため10,000回転1
5分間遠心した後、リン酸緩衝液−食塩水(PBS:
8.1mM−Na2HPO4,1.5mM KH2PO4,2.7m
M KCl,137mM NaCl,pH7.2)で280nm
の紫外部吸収(A280)が12〜14の値を示す濃度に
希釈した。希釈後サンプルに飽和硫酸アンモニウム溶液
を47%の濃度になるように加え、4℃で攪拌しながら
60分間塩析を行ない、その後遠心(10,000回
転,15分間)を行なって沈殿物を得た。沈殿物を50
mM NaCl含有20mMトリス緩衝溶液(pH7.9)に
溶遊し、同溶液2に対して透析を行なった。2時間
後、2の新しい同じ透析液に換え、さらに15時間透
析を行なった。透析後、沈殿を除去するため10000
回転15分間遠心を行ない、上清をA280の値が20〜
30の濃度になるように調整した。このサンプルを充分
量の50mM−NaCl含有トリス緩衝溶液で平衡化した1
7mlのDEAEセルロースカラム(ワツトマンDE52
にかけ、50mM NaCl含有トリス緩衝溶液でよく洗っ
た後、50mM−500mM NaClを含む同緩衝液の濃
度勾配塩溶液を用いて1.5ml/分の流出速度で分画を
行なって素通り分画を濃縮し、モノクローナル抗体WN
γ3−29.33を得た。抗体の純度の確認にはラエム
リらの方法〔ネイチヤー,227,680−685(1
970)〕に準じてSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動を用いた。すなわち、硫安塩析し、DEAEセル
ロースカラムで素通りした分画を、2−メルカプトエタ
ノールで還元し、アクリルアミド濃度10%のゲルを用
いて180ボルトで2.5時間泳動を行なった。その結
果、分子量52K前後にH鎖,28K前後にL鎖の2つ
のバンドが認められた(第3図)。
(ii)モノクローナル抗体のIFN−γに対する結合能お
よび中和能 WNγ3−29.33モノクローナル抗体のIFN−γ
に対する結合能,および中和能を、γ2−11.1モノ
クローナル抗体,WNγ2−76.53モノクローナル
抗体と比較検討した。結合能:ウサギ抗マウスIgG抗
体を結合させた3%セルロース溶液500μlにそれぞ
れ精製したモノクローナル抗体を500μl(約25μ
gの抗体含有)加え、4℃で24時間反応させた。反応
後セルロースを生理食塩水でよく洗浄し、550U/ml
のrIFN−γを加え、4℃で24時間反応させ、上清
中のIFN活性を実施例1(iv)記載のCPEリーテイン
グ法で測定した。IFN−γサンプルとして、ポリペプ
チド(II)およびヒト末梢血リンパ球をコンカナバリン
A40μg/mlと12−O−テトラデカノイル−ホルボー
ル−13−アセテート15ng/mlで刺激して72時間後
採取した上清(nIFN−γ)を用いた。また対照とし
て500μlのIFN−α(ナマルバ細胞をセンダイウ
イルス10HAユニツトで刺激して48時間後の培養上
清で550U/mlのIFN−αを含む),500μlの
IFN−β(リー・バイオモレキユラー・リサーチラボ
ラトリーズ社から購入したもの550U/mlのIFN−
βを含む)を用いた。その結果、WNγ3−29.33
モノクローナル抗体は、これまでに得られていたモノク
ローナル抗体よりIFN−γに対して強い結合性を示し
こと、およびIFN−α,IFN−βには全く結合性を
示さないこと等が分かった(第3表)。中和能:上記の
2種のIFN−γ(nIFN−γ,ポリペプチド(I
I)),IFN−αおよびIFN−β(力価は何れも上
記と同じ)それぞれ500μlに、精製した抗体500
μl(約25μgの抗体含有)を加え、4℃で24時間
反応させた。反応後反応液中のIFN活性をCPEリー
デイング法で測定した。その結果、WNγ3−29.3
3モノクローナル抗体は、nIFN−γ,ポリペプチド
(II)の抗ウイルス活性をほゞ完全に中和し、WNγ2
−76.53抗体より強い中和能を示したが、IFN−
α,βに対しては中和活性を持たないことが分かった
(第4表)。
(iii)モノクローナル抗体のポリペプチド(V)に対す
る中和能 参考例の方法で得たポリペプチド(V)に対してWNγ
3−29.33モノクローナル抗体が反応するかどうか
を実施例2(ii)記載の中和法で検討した。すなわち、1
370U/mlの抗ウイルス活性を示すポリペプチド
(V)含有上清500μlと等量の精製した抗体(約2
5μgの抗体含有)を加え24℃で24時間反応させ、
残存するIFN活性をCPEリーデイング法で測定し
た。その結果、WNγ3−29.33モノクローナル抗
体は、ポリペプチド(V)の抗ウイルス活性をほぼ完全
に中和することが分かった(第5表)。本実験の結果お
よび,実施例2(ii)の結果から、該モノクローナル抗体
は、第1図における22番目から130番目までのアミ
ノ酸配列の何れかのエピトープを認識するものであるこ
とが判明した。
(iv)モノクローナル抗体のサブクラス ハイブリドーマWNγ3−29.33培養上清中のモノ
クローナル抗体とウサギ抗マウスIgG1,G2a,G
2b,G3抗体(マイルス社)との寒天内沈降反応(イ
ムノロジカルメソツド ゲル デイフユージヨンテクニ
ツク ブラツクウエルオツクスフオード 1964年)
により抗体のサブクラスを検討した。結果は、モノクロ
ーナル抗体とウサギ抗マウスIgG1抗体との間に著明
は1つのバンドが認められ、他の抗マウスIgG抗体と
の間には、バンドの形成はみられなかった(第6表)。
従って当モノクローナル抗体は、IgG1サブクラスに
属するものであることが判明した。
実施例3 本発明のモノクローナル抗体とIFN−γC
末部に対するモノクローナル抗体γ3−11.1(EP
C公開第0103898号公報参照)を用いたサンドイ
ツチ法によるIFN−γの定量法 (i)WNγ3−29.33結合固相およびγ3−11.
1酵素標識体を用いるサンドイツチEIA (1)γ3−11.1酵素標識体の作製 γ3−11.1モノクローナル抗体(EPC公開第01
03398号公報参照)を5mg含む0.1Mリン酸緩衝
液(pH6.5)1.4mlに0.415mgのS−アセチル
メルカプトサクシニツクアンハイドライドを含むジメチ
ルホルムアミド50μlを加え、室温で40分間反応さ
せた。反応液に130μlの0.2Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.0),13μlの0.2MEDTA溶液および
130μlのヒドロキシルアミン溶液を加え、室温で5
分間反応させたのち、セフアデツクスG−25のカラム
クロマトグラフイーで分離し、チオール基が導入された
抗体画分を得た。
一方、ホースラデイツシユ ペルオキシダーゼ(HR
P)10mgを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)
1.4mlに4.2mgのN−(4−カルボキシシクロヘキ
シルメチル)マレイミドのN−ヒドロキシサクシニミド
エステルを含むジメチルホルムアミド溶液100μlを
加え、室温で60分間反応させた。反応液をセフアデツ
クスG−25のカラムクロマトフラフイーで分離し、マ
レイミド基を導入した酵素画分を得た。このようにして
得たSH基を導入した抗体画分と、マレイミド基を導入
した酵素画分とをコロジオンバツクを用いて4℃で一晩
反応させた。反応液をウルトロゲルAcA34のカラム
クロマトグラフイーで分離し、抗体(γ3−11.1)
−酵素標識体を製造した。
(2)WNγ3−29.33結合固相の作製 96ウエルのマイクロテスト用プレート(ヌンクーイム
プレートI:ヌンク社(デンマーク)製)の各ウエルに
WNγ3−29.33モノクローナル抗体溶液(30μ
g/ml,0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)150μlを注
入し、4℃で一晩放置した。PBS(0.15M NaCl
を含むpH7.4の0.01Mリン酸緩衝液)300μl
で洗浄後、1%牛血清アルブミン(BSA)および0.
005%チメロサールを含む0.02Mリン酸緩衝液
(pH7.0)300μlを注入し、4℃で保存した。
(3)操作方法 上記(2)で製造したプレートをPBSで洗浄後、各ウエ
ルに緩衝液B(10%仔牛血清,および0.005%チ
メロサールを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH6.
5))50μlおよび緩衝液Bで希釈した標準rIFN
−γ(ポリペプチド(II))100μlを加え、室温で
一晩放置した。PBSで洗浄後、緩衝液Bで酵素濃度と
して500ng/mlに希釈したγ3−11.1酸素標識体
150μl加え、室温で4時間反応させた。各ウエルを
PBSで洗浄後、基質液として0.2%O−フエニレン
ジアミンおよび0.02%過酸化水素を含む0.1Mク
エン酸緩衝液(pH5.5)100μlを加え、室温で2
0分間反応させた。2M硫酸100μlを加えて酵素反
応を停止させたのち、各ウエルの492nmの吸光度を
タイターテツク・マルチスキヤン(フロー社 米国)で
測定した。
第4図に得られたrIFN−γの標準曲線を示した。
(ii)γ3−11.1結合固相およびWNγ3−29.3
3酵素標識体を用いるサンドイツチEIA (1)WNγ3−29.33酵素標識体の作製 WNγ3−29.33モノクローナル抗体を5mg含む
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)1.4mlに0.41
5mgのS−アセチルメルカプトサクシニツクアンハイド
ライドを含むジメチルホルムアミド50μlを加え、室
温で40分間反応させた。反応液に130μlの0.2
Mトリス塩酸緩衝液(pH7.0),13μlの0.2M
EDTA溶液および130μlのヒドロキシルアミン溶
液を加え、室温で5分間反応させたのち、セフアデツク
スG−25のカラムクロマトグラフイーで分離し、チオ
ール基が導入された抗体画分を得た。
一方、HRP10mgを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH
6.8)1.4mlに4.2mgのN−(4−カルボキシシ
クロヘキシルメチル)マレイミドのN−ヒドロキシサク
シニミドエステルを含むジメチルホルムアミド溶液10
0μlを加え、室温で60分間反応させた。反応液をセ
フアデツクスG−25のカラムクロマトグラフイーで分
離し、マレイミド基を導入した酵素画分を得た。このよ
うにして得たSH基を導入した抗体画分と、マレイミド
基を導入した酵素画分とをコロジオンバツグを用いて4
℃で一晩反応させた。反応液をウルトロゲルAcA34
のカラムクロマトグラフイーで分離し、抗体(WNγ3
−29.33)−酵素標識体を作製した。
(2)γ3−11.1結合固相の作製 96ウエルのマイクロテスト用プレート(ヌンク−イム
ノプレートI:ヌンク社(デンマーク)製)の各ウエル
にγ3−11.1溶液(30μg/ml,0.1M炭酸緩衝
液pH9.6)150μlを注入し、4℃で一晩放置し
た。PBS(0.15M NaClを含むpH7.4の0.0
1Mリン酸緩衝液)300μlで洗浄後、1%BSAお
よび0.005%チメロサールを含む0.02Mリン酸
緩衝液(pH7.0)300μlを注入し、4℃で保存し
た。
(3)操作方法 上記(2)で作製したプレートをPBSで洗浄後、各ウエ
ルに緩衝液B(10%仔牛血清,および0.005%チ
メロサールを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH6.
5))50μlおよび緩衝液Bで希釈した標準rIFN
−γ100μlを加え、室温で一晩放置した。PBSで
洗浄後、緩衝液Bで酵素濃度として500ng/mlに希釈
したWNγ3−29.33酵素標識体150μl加え、
室温で4時間反応させた。各ウエルをPBSで洗浄後、
基質液として0.2%O−フエニレンジアミンおよび
0.02%過酸化水素を含む0.1Mクエン酸緩衝液
(pH5.5)100μlを加え、室温で20分間反応さ
せた。2M硫酸100μlを加えて酵素反応を停止させ
たのち、各ウエルの492nmの吸光度をタイターテツ
ク・マルチスキヤン(フロー社米国)で測定した。
第5図に得られたrIFN−γ(ポリペプチド(II))
の標準曲線を示した。
実施例4 本発明のモノクローナル抗体を用いたIFN
−γの精製 (i)抗体カラムの製造 実施例2(i)の方法で精製されたWNγ3−29.33
モノクローナル抗体76ml(44mg)に等量の飽和硫酸
アンモニウム溶液を加え(硫酸アンモニウム最終濃度5
0%飽和)、4℃で1時間攪拌したのち10,000×
gで15分間遠心分離を行なって沈殿物を得た。この沈
殿物を0.15M塩化ナトリウムを含む0.1M炭酸水
素ナトリウム緩衝液(pH7.9)に溶解し同一溶液2
に対して4℃で2時間透析を行ない、透析外液を新しい
溶液2に置換してさらに15時間透析を行なった。一
方、アフイゲル−10(バイオ・ラド社製)14mlをグ
ラスフイルターを用いて蒸留水で充分洗浄した。このア
フイゲル−10と透析後の上記抗体溶液とを混合して4
℃で5時間ゆっくり攪拌しながら反応させ、グラスフイ
ルターを用いて0.15M塩化ナトリウムを含む0.1
M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH7.9)でよく洗浄し
た。ついで、残存する未反応の活性基をブロツクするた
めに、反応させたゲルを0.15M塩化ナトリウムを含
む0.1Mエタノールアミン溶液(pH8.0)14mlに
懸濁して4℃で1時間攪拌した。その後ゲルをPBSで
よく洗浄し0.1%NaN3を含むPBS20mlに懸濁して
4℃で保存した。反応させた抗体量と洗浄液中に回収さ
れた未反応の抗体量とから、ゲル1mlあたり2.9mgの
抗体が結合したと算出された。このようにして調製した
ゲルをカラムに充填して抗体カラムとして使用した。
(ii)rIFN−γの精製E.coli RR1(pRK248cIts,pRC231/IFI−
900)〔特開昭58−189197号公報参照〕の凍
結保存菌体1gを7M塩酸グアニジンを含む50mMホ
ウ酸緩衝液(pH7.2)3mlに懸濁し、4℃で1時間攪
拌したのち10,000×gで30分間遠心分離にかけ
て上清3mlを得た。この上清3mlにPBS207mlを加
えて希釈し、10,000×gで10分間遠心分離にか
けて不溶物を除いたのち実施例4(i)で得た抗体カラム
(WNγ3−29.33,カラム容量10ml)にかけ
た。0.5M塩酸グアニジンを含む20mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.0)30mlでカラムを洗浄し、つ
いで2.0M塩酸グアニジンを含む20mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.0)22mlで溶出してrIFN−
γ(ポリペプチド(II))を含む溶出液9mlを得た。こ
の溶出液を還元条件下にSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動にかけた結果、18キロダルトンを示す位置
に蛋白のバンドが検出された。
参考例 ポリペプチド(V)含有上清の製造 (i)ポリペプチド(II)をコードするDNAを含むプラ
スミドpHIT3709(EPC公開第013898号公
報参考例1(vii))の挿入部を制限酵素BstNIで部分分解
してBstNI-PatIフラグメントを得た。このBstNI切断部
位に、化学合成した蛋白合成開始コドンATGを含むオ
リゴヌクレオチドアダプター AATTCATGTGTTATTGTC GTACACAATAACAGT をT4DNAリガーゼを用いてщ孝させた。
一方、EcoRI,PstIで処理したプラスミドptrp781に、
上述のアダプターを結合させたポリペプチド(II)をコ
ードするDNAをT4DNAリガーゼを用いて結合さ
せ、発現プラスミドpHITtrp1201を構築した(第6
図)。
このDNAのAvaII切断部分をDNAポリメラーゼエラ
ージフラグメントで修復したのち、トリエステル法で合
成した蛋白質合成開始コドンを含むオリゴヌクレオチド
アダプター(CATCGATG)をT4DNAリガーゼを用いて
上記修復部に結合させた。
プラスミドptrp771〔上記公開公報参考例2(ii)参
照〕を制限酵素ClaI,PstIで切断して得たDNA断片のt
rpプロモーターの下流に、上記アダプターを結合させた
ポリペプチド(V)をコードするDNAを挿入して、ポ
リペプチド(V)をコードする発現プラスミドpHITtrp
1201−d4を構築した(第6図)。
このプラスミドpHITtrp1201−d4を用いてCohenら
の方法〔プロシージング オブ ナシヨナル アカデミ
ー オブ サイエンスUSA,73,4174(197
6)〕に従って大腸菌294を形質転換し、このプラス
ミドを含む形質転換体エシエリヒア コリ(Escherichi
a coli=E.coli)294/pHITtrp1201−d4を得
た。
(ii)上記で構築したプラスミドを含む菌株E.coli294/pH
ITtrp1201−d4を8μg/mlのテトラサイクリン,
0.4%カザミノ酸,1%グルコースを含むM9培地を
用いて37℃で培養し、生育がKU220に達した時に
3βインドリルアクリル酸(IAA)を25μg/mlにな
るように加えて更に4時間培養した。培養後、遠心分離
して菌体を集め、これを1/10量の10%蔗糖を含む0.
05MTris-HCl pHに7.6に懸濁した。この懸濁液に
フエニルメチルスルフオニルフルオライド,NaCl,エチ
レンジアミンテトラアセテート(EDTA),スペルジ
ミン,リゾチームをそれぞれ1mM,0.2M,10m
M,40mMおよび200μg/mlとなるように加えて、
0℃で1時間放置したのち、37℃で3分処理して溶菌
液を得た。
この溶菌液を4℃,20000rpm(サーバル遠心機
SS−34ローター)で30分間遠心分離して、ポリペ
プチド(V)を含む上清を得た。この上清の抗ウイルス
活性を測定すると、2.5×10U/培養液であっ
た。
発明の効果 本発明のモノクローナル抗体は天然のあるいは遺伝子工
学的に製造されたIFN−γに対し強力な結合能を有
し、これらの検出や精製に有利に使用することができ
る。とりわけ本発明のモノクローナル抗体は、IFN−
γの中心部を認識するため、IFN−γの各種フラグメ
ント、例えば第1図における1番目から4番目までのい
ずれかのアミノ酸残基もしくはペプチドを欠除したもの
または132番目以降のいずれかの部分で切断されたも
のなど、の検出や精製においても有利に使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明におけるrIFN−γの一例としての
ポリペプチド(II)のアミノ酸配列を示す。第2図は実
施例1(v)に記載したハイブリドーマ上清の抗体活性を
測定した結果を、第3図は実施例2(i)で得られた精製
モノクローナル抗体WNγ3−29.33のSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す。第4図お
よび第5図はそれぞれ実施例3(i)および(ii)で得た本
発明のモノクローナル抗体を用いるサンドイツチ法によ
るIFN−γ定量の結果を示す。第6図は参考例に開示
したプラスミドpHITtrp1201−d4の構築図を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 P 8310−2J 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遺伝子組み換え技術で製造されたインター
    フェロン−γ蛋白質で免疫したマウスの脾臓細胞由来の
    リンパ球とマウスミエローマ細胞株とからなる、インタ
    ーフェロン−γと結合し、ペプチドPyrro Glu-Asp-Pro-
    Tyr-Val-Lys-Glu-Ala-Glu-Asn-Leu-Lys-Lys-Tyr-Phe-As
    n-Ala-GlyおよびペプチドLys-Arg-Lys-Arg-Ser-Gln-Met
    -Leu-Phe-Arg-Gly-Arg-Arg-Ala-Ser-Glnのいずれとも結
    合しないモノクローナル抗体WNγ3−29.33を産
    生するクローン化されたハイブリドーマWNγ3−2
    9.33株。
  2. 【請求項2】遺伝子組み換え技術で製造されたインター
    フェロン−γ蛋白質で免疫したマウスの脾臓細胞由来の
    リンパ球とマウスミエローマ細胞株とを細胞融合し、得
    られる融合細胞から、インターフェロン−γと結合し、
    ペプチドPyrro Glu-Asp-Pro-Tyr-Val-Lys-Glu-Ala-Glu-
    Asn-Leu-Lys-Lys-Tyr-Phe-Asn-Ala-GlyおよびペプチドL
    ys-Arg-Lys-Arg-Ser-Gln-Met-Leu-Phe-Arg-Gly-Arg-Arg
    -Ala-Ser-Glnのいずれとも結合しないモノクローナル抗
    体WNγ3−29.33を産生するハイブリドーマを選
    択し、これをクローン化することを特徴とするクローン
    化されたハイブリドーマWNγ3−29.33株の製造
    法。
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