JPH0652758B2 - 静電チヤツク - Google Patents

静電チヤツク

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JPH0652758B2
JPH0652758B2 JP62026319A JP2631987A JPH0652758B2 JP H0652758 B2 JPH0652758 B2 JP H0652758B2 JP 62026319 A JP62026319 A JP 62026319A JP 2631987 A JP2631987 A JP 2631987A JP H0652758 B2 JPH0652758 B2 JP H0652758B2
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electrostatic chuck
electrostatic
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)発明の属する技術分野 本発明は、半導体素子製造工程におけるドライエッチン
グによる回路パターンの形成において、半導体素子基板
(以下ウェハと言う)の保持固定と、ウェハの温度を能
率よく制御するために用いる静電チャックに関するもの
である。
(2)従来の技術とその問題点 半導体素子の製造工程では、ウェハ上に絶縁物質,導体
または半導体物質の膜を順次コーティングしているが、
積層毎に微細なパターンをドライエッチングで形成しな
がら膜を積層していく必要がある。この回路パターンの
形成は、前記によりコーティングされた膜上にレジスト
と呼ばれる高分子材料を塗布したのち、電子ビーム,紫
外線,X線などで回路パターンをそのレジストに露光・
現像して得たものをマスクとして、ドライエッチングに
より回路パターンを膜に転写して加工している。
近年、このドライエッチング装置には、高周波グロー放
電現象や電子サイクロトロン共鳴現象によるプラズマを
利用した装置が、回路パターンの微細化に適しているた
め、多用され始めてきた。ところが、これらの装置で
は、ガスプラズマとの化学反応熱やイオンまたは電子な
どの入射エネルギーなどによって前記マスク及びウェハ
を加熱している。従って、十分な放熱が為されない場合
には、耐熱性に乏しいレジストが変質するため、正確な
パターンが転写出来ない。また逆に、冷却が為されすぎ
ると、被加工膜の蒸気圧が低い場合には反応の進行が妨
げられたり、反応生成物の除去に時間を要するため、生
産性が低下する等の欠点がある。従って、被加工膜を効
率よくドライエッチングするには、被加工膜の温度をレ
ジストの変質が生ぜず、且つ生産性も低下しない温度に
制御する必要がある。このために、温度制御された静電
チャックにウェハを吸着保持させ、熱伝導により被加工
膜の温度を制御する方法がとられている。
静電チャックが用いられる理由は、ドライエッチング
が10-1〜10-8Torr程度の真空中加工となるため、熱
伝導が放射や対流に比べはるかに有効な温度制御手段と
なるが、単にウェハを温度制御面に載せただけでは点接
触となり接触面間に真空層の介在を許し熱伝達が極端に
損なわれること、静電チャックが真空中でウェハを吸
着保持出来る唯一の手段であること、並びに、ドライ
エッチング面へのゴミの落下付着によるパターンの欠陥
生成に対応するにはドライエッチング面が重力方向に対
し下向きまたは横向きにする方法が採用され始めてお
り、この場合、重力ウェハが下方に落下しないようにし
っかりと固定保持する必要があり静電チャックはこの要
求を満足するものであること等である。即ち、正・負電
荷間の電荷クーロン力(以下静電力という)で、通常10
μm以上のたわみを持つウェハを温度制御面に密着さ
せ、真実の接触面積を増すことでウェハの熱が温度制御
面に効率よく伝わるようにすること、及びドライエッチ
ング面が横または下向きになってもウェハが落下しない
ように固定保持することのために静電チャックが使われ
る。
第1図は、高周波グロー放電現象を利用したドライエッ
チング装置に用いられる従来の静電チャックの例であっ
て、1は加工室、2は対向電極板、3は金属製の水冷電
極、4は真空排気口、5はエッチングガスを供給するた
めのガスバルブ、6は冷水電極3に冷却水を供給するた
めのウォータバルブ、7は水量計、8はグロー放電プラ
ズマ、9はグロー放電させるための高周波電源、10はグ
ロー放電の効率化のためグロー放電プラズマ8との回路
インピーダンスを整合させるマッチング回路、11はウェ
ハ、12は高絶縁耐圧の高分子フィルム、13は導電性で軟
質の導電ゴム板、14は静電チャック用の高圧直流電源、
15は高圧直流電源14への高周波入力をカットしこれを保
護するためのフィルム回路、16は正電荷、17は負電荷で
ある。
第1図に示した静電チャックは、対向電極板2と水冷電
極3間の高周波グロー放電によるセルフバイアス電位
(マイナス1kv近辺)によってウェハ11上に蓄積される
負電荷17と、これに対応して高圧直流電源14により導電
ゴム板13に蓄積される正電荷16間の静電力とでウェハ11
を高分子フィルム12に密着させてウェハ11と水冷電極3
間の熱伝導を効率化させるように構成されたもので、導
電ゴム板13はゴムの柔らかさを利用して高分子フィルム
12面をウェハ11の曲率や凹凸に沿わせ、より密着の度合
を高めるために用いられている。従って、静電チャック
は、負電荷17と正電荷16間を絶縁する高分子フィルム12
と、水冷電極3上に埋めこまれた導電ゴム板13との2層
で構成され、回路的にはグロー放電プラズマ8の導電性
を利用しているため、水冷電極3にフィルタ回路15をし
介して高圧直流電源14を接続しているのみである。尚、
エッチングは、主にグロー放電プラズマ8中の正イオン
がセルフバイアス電位によってウェハ11上に蓄積された
負電荷17に吸引され、被加工物と反応するとともに、そ
れをスパッタリングすることによる。
第2図は、電子サイクロトロン共鳴現象を利用したドラ
イエッチング装置に用いられる静電チャックであって、
18はマイクロ波発生装置、19は高周波共振空洞、20は高
周波共振空洞19に磁界を与えるための電気コイル、21は
石英製の隔壁板、22はマイクロ波の波長、磁界の大き
さ、高周波共振空洞19の共振条件で定まる電子サイクロ
トロン共鳴現象によって生じる励起プラズマ、23は励起
プラズマ22中の正イオンを加工室に吸引加速して取出す
ための導電性で無数の穴があいている取出し電極、24は
取出し電極23に負電位を与える直流負電源、25はウェハ
11上への正イオンの蓄積を防止する導電性で接地された
中和電極であり、正イオンの衝突によってここから電子
を発生飛散させ、ウェハ11上の正イオンに吸着中和させ
るもので、これは正イオンが蓄積されすぎると正電荷同
志が反発するため励起プラズマ8中の正イオンがウェハ
11上に到達し得ないために用いられるものである。ま
た、26は2つに分割された導電ゴム板13間を電気的に絶
縁する絶縁体であって、導電ゴム板13の一方は高圧直流
正電源14aに接続され、他方の高圧直流負電源14bに接
続されている。
第2図に示した静電チャックは、2つに分割された導電
ゴム板13に蓄積される正電荷16、及び負電荷17と、これ
に対応してウェハ11に蓄積される正・負電荷間の静電力
とで、ウェハ11を高分子フィルム12に密着させ、ウェハ
11と水冷電極3間における熱伝達を効率化させるために
設けられており、導電ゴム板13は、ゴムの柔らかさを利
用してウェハ11と高分子フィルム12間の密着の度合を高
めるために設けられている。静電チャックは、正・負電
荷間を絶縁する高分子フィルム12と絶縁体26、並びに2
つの分割された導電ゴム板13とで構成され、回路的には
高純度珪素(Si)であるウェハ11の半導電性を利用してい
ることになり、半導電性のウェハ11を通って電流が接地
されるとき、高分子フィルム12を絶縁層として用いかつ
ウェハ11と2つに分割された導電ゴム板13とを電極とす
るように構成されたとみなされる2つのコンデンサの直
列接続に等しい回路となり、このコンデンサに充電され
る正・負電荷がウェハ11に静電力を与えていることにな
る。尚、エッチングは、ウェハ11上に到達する主として
正のイオンが被加工物と反応するとともに、これをスパ
ッタリングすることによる。
このようなウェハ11に静電力を与えるには、ウェハ11に
電荷を蓄積せねばならないが、この電荷の蓄積にグロー
放電プラズマ8の導電性を利用したのが第1図に示した
静電チャックであり、一方ウェハ11の半導電性を利用し
たのが第2図に示した静電チャックであって、第1図及
び第2図は、ウェハ11に対する電荷の蓄積方法に2通り
あることを示したに過ぎない。何れにしても、従来のド
ライエッチング装置に用いられる静電チャックのウェハ
保持の主要部は、導電ゴム板13と高分子フィルム12で構
成されていることに変わりはない。
また、これら第1図及び第2図に示した従来の静電チャ
ックは、もともとウェハ11の着脱性能が悪く、特に高圧
直流電源14,14a,14bの印加電圧を高めると、この傾
向が顕著となるので、通常、ウェハ11と導電ゴム板13間
の電位差を1〜1.5kv近辺にとり、静電力低下によって
冷却効率が多少悪化してもウェハ11の着脱を容易にする
のが実情である。以下、従来の静電チャックにおいてウ
ェハ11の着脱性能が悪い理由について説明する。
第3図は従来装置におけるウェハ11の静電吸着状態を示
したもので、前提として、高分子フィルム12の表面の面
抵抗は高分子フィルム12の厚さ方向の抵抗、即ち、膜抵
抗に比べ十分大きいとする。これは、高分子フィルム12
の面抵抗と膜抵抗との比、いわゆる、面/膜抵抗比が小
さくなると、本来ウェハ11に蓄積させるべき負電荷17が
接触点を通して高分子フィルム12の表面に移動し、電荷
クーロン力に基づく静電力にウェハ11に作用しなくなる
ためである〔文献I:精密工学会講演前刷集、61年春、
No215,P73,金井他〕。27は吸着面の表面の荒さや凹凸
に基づいて吸着面間に必ず存在する微小空間で、微小空
間27の抵抗も高分子フィルム12の膜抵抗に比べ十分大き
いとする。これも微小空間27の抵抗が小さいと、やはり
前述と同様の理由によりウェハ11に負電荷17が蓄積され
ないためである。28は、この微小空間27を絶縁層として
高分子フィルム12面に蓄積される膜面電荷で、膜面電荷
28は印加電圧の極性で負電荷にもなるが、ここでは正電
荷である。また、29は高分子フィルム12の内部の有極性
分子の電荷双極子が電界の方向に向きを揃える配向分極
であり、この配向分極29は電界強度(印加電圧/高分子
フィルム12の厚さ)に対応して生じ、ウェハ11や導電ゴ
ム板13に蓄積される負電荷17,及び正電荷16の大きさと
関係するが、ウェハ11に作用する静電力は配向分極29で
なく蓄積される電荷、即ち、負電荷17と膜面電荷28,及
び負電荷17と正電荷16の電荷クーロン力の和と考えて差
支えない。
ここで、ウェハ11の着脱に悪影響を与えるのは膜面電荷
28と配向分極29である。電圧の印加や停止に伴う負電荷
17や正電荷16の充放電時間が瞬時であるのに対し、膜面
電荷28は高分子フィルム12の膜抵抗を介して微小空間27
に蓄積される。このため、膜面電荷28の充放電時間、即
ち、時定数Tは周知のように高分子フィルム12の膜抵抗
Rと微小空間27の静電容量Cの積で定まるが、膜抵抗R
は高分子フィルム12が絶縁体であることに変わりがない
のでもともと大きく、また、静電容量Cはウェハ11が高
分子フィルム12に密着するほど大きくなる。このため膜
面電荷28による静電力は無視できない値になるととも
に、充放電時間は容易に分オーダの時間〔文献I参照〕
となる。
一方、配向分極29にも周知のように高分子の粘弾性に起
因するマグネットの磁化曲線と同様のヒステリシスが存
在し電界強度の増大に伴って配向分極が残留する現象が
あり(文献II:精密学会講演前刷集、54秋、No305,P19
3,金井他参照〕、この残留静電力は電圧の印加停止後
もウェハ11に負電荷17を誘引し、数昼夜に至って持続す
る。何れにしても、膜面電荷28はウェハ11が高分子フィ
ルム12に密着するほど、一方配向分極29は電界強度を高
めるほど、その影響が顕著となってくる。
以上説明したように、膜面電荷28の充放電時間に基づく
低応答性,並びに配向分極29のヒステリシスに基づく残
留静電力の持続性は、印加電圧を高めるほどウェハ11の
着脱を困難にさせ、併せて高静電力化を阻む要因となっ
ている等の欠点がある。
(3)発明の目的 本発明の目的は、膜面電荷の充放電時間又は絶縁膜の分
極ヒステリシス等に基づくウェハの低着脱応答性を解決
した高応答,高静電力で、且つ熱伝達効率も高い静電チ
ャックを提供することにある。
(4)発明の構成 (4-1)発明の特徴と従来の技術との差異 本発明は、高分子フィルム等の絶縁膜上、即ちウェハを
静電吸着する面上に平面的に間隔をあけるように導電ゴ
ム,プラスチック等の導電性樹脂材料板を部分的に配置
結合したことを最も主要な特徴とする。従来の技術と
は、樹脂材料板と高分子フィルムの絶縁膜との上下関係
を逆にして絶縁膜の吸着面上に導電性樹脂材料板を配置
したこと、及び導電性樹脂材料板を平面的に間隔をあけ
て部分的に配置して導電性樹脂材料板により絶縁膜とウ
ェハ間の静電吸着部分と熱接触伝導部分とを互いに分離
独立させた点が異なる。
(4-2)実施例 実施例−1 第4図は本発明の静電チャックにおける静電吸着状態を
示した原理図であって、従来高分子フィルム12の下に配
置してあった導電ゴム板13を高分子フィルム12の上に間
隔を開けて即ち、平面的に見た場合に部分的に配置して
ある。ここで、30は導電ゴム板13間の空間部、31はウェ
ハ11に蓄積される負電荷A、32は導電ゴム板13に蓄積さ
れる負電荷B、33は導電ゴム板13下の高分子フィルム12
内に配向分極A,34は空間30下における高分子フィルム
12内の配向分極B、35は下部電極である。
第4図において、ウェハ11には導電ゴム板13間にのみ負
電荷A31が蓄積される。これは導電ゴム板13が導電性で
あるため当然であり、導電ゴム板13に負電荷B32が蓄積
される。ウェハ11に作用する静電力は、負電荷A31と膜
面電荷28間、並びに負電荷A31と正電荷16間の電荷クー
ロン力の和となることは前述した通りである。従来の静
電チャックと異なるのは、ウェハ11を高分子フィルム12
の面でなく、導電ゴム板13の面に吸着させた点である。
こうすると、ウェハ11を直接高分子フィルム12の面に密
着させる従来の静電チャックに比べ、空間30の厚さに反
比例するウェハ11と高分子フィルム12面間の静電容量C
を大幅に低減できるためである。
静電容量Cの大幅な低減は、これに比例して膜面電荷28
の充放電時間も大幅に短縮させ、併せて空間30の厚さの
2乗に反比例する膜面電荷28による静電力を極小化させ
る。従って、ウェハ11に作用する静電力は、下部電極35
に蓄積される正電荷16に基づく高応答の静電力が主成分
であるとみなすことができることになる。また、高分子
フィルム12内の配向分極は、当然空間30が存在しない分
だけ電界強度が高い配向分極A33の方が配向分極B34よ
り大きくなる。但し、配向分極A33による残留静電力の
影響は、導電ゴム板13にのみ限定されるから、ウェハ11
に作用するのは配向分極B34となるが、もともと小さ
く、さらに空間30の存在が残留静電力の影響を無視でき
る値まで極小化させることができる。
このような静電吸着構造となるため、従来ウェハ11の着
脱性,及びこれに基づき高静電力化を阻む要因となって
きた膜面電荷28並びに配向分極B34等による悪影響を大
幅に低減できるので、この分だけ高応答,高静電力の静
電チャックを実現できる効果がある。
一方、ウェハ11は導電ゴム板13間で静電力を得て、導電
ゴム板13面に接触していることになる。このため、導電
ゴム板13の面積分だけ静電力が、空間30の面積分だけ接
触面が小さくなる。但し、周知のように接触面の荒さや
凹凸に起因する真実接触面積は接触面の硬さに大きく依
存する。従って、従来の高分子フィルム12に比べ、はる
かに柔らかい導電ゴム板13への接触となるので、ウェハ
11はより密着の度合を増して真空層の介在を許さなくな
り、これにより熱伝導効率を、従来より高める効果があ
る。
加えて、従来と異なり高分子フィルム12は単なる絶縁層
でよいので、有機材料である必要がなく無機材料でもよ
いことになる。例えば、アルミナ(Al2O3),酸化珪素(Si
O2)、或いはチタニア(TiO2)などあらゆるセラミック材
料への置換えが可能となるので高強度・長寿命,耐環境
性(高・低温,腐食性のガスや薬品など)、或いは精密
加工性等セラミックの優れた様々な長所を生かせること
は勿論、とくにセラミックは高分子フィルム12に比べ比
誘電率(高分子フィルム:約2〜3,Al2O3:約10、SiO
2:約3.5、TiO2:約45)や熱導電率(高分子フィルム:
約5×10-4、Al2O3及びSiO2:約5×10-2、TiO2:約1
×10-2cal/cm・sec・℃)が高いので、これに比例して
静電力が大きくなり、また、熱伝達効率も高まる効果が
ある。さらに、無機材料には高分子材料に特有の粘弾性
に起因する配向分極ヒステリシス特性が無く、残留電力
が生じないため、ウェハ11の着脱容易化にも効果があ
る。
尚、前述の説明ではウェハ11を被吸着体としたが、ウェ
ハに限るものでなく、被吸着体が導体又は半導体材料で
あれば、あらゆる物体を静電吸着できること、及び導電
ゴム板13も導電性、且つ軟質であれば、ゴム材料に限る
ものでなく、プラスチック等を含む樹脂材料でよいこと
は言うまでもない。
実施例−2 第5図(A)(B)は本発明の静電チャックを第1図に示した
グロー放電プラズマを利用したドライエッチング装置に
応用した実施例で、特に静電チャックの構造を示した断
面図である。
第5図(A)は絶縁膜に従来と同様の高分子フィルム12を
用いた例で、静電チャックは、金属製の基板36,絶縁リ
ング37,高分子フィルム12,及び導電性ゴム板13間を接
着一体化して構成してある。
第5図(B)は、絶縁膜にセラミック材料を用いた例であ
って、静電チャックは高融点の金属、例えばタングステ
ン(W)、モリブデン(Mo)、或いはプラチナ(Pt)などの金
属電極38を内部に埋込んだセラミック質静電基板39と導
電ゴム板13とを接着一体化して構成してある。
また、第5図(A)及び第5図(B)において、40はドライエ
ッチング装置と一体の絶縁支持体、41は静電チャックと
水冷電極3間の導通を確実にするための金属製のスプリ
ング、42は静電チャックの組付や保守の容易化のための
着脱に使用する締結ねじである。
このように、第5図(A)及び第5図(B)とも実施例−1に
示した基本構造を忠実に具体化してある。従って、従来
と同様にグロー放電プラズマの導電性を利用した電圧印
加を行えば、ウェハ11と基板36または金属電極38間に静
電力が作用するので、実施例−1で述べた様々な効果を
十分に発揮でき、ウェハ11と水冷電極3間の熱伝達が効
率的に為されることは言うまでもない。
実施例−3 第6図(A)(B)は、本発明の静電チャックを第2図に示し
た電子サイクロトロン共鳴プラズマを利用したドライエ
ッチング装置に応用した実施例であり、特に静電チャッ
クの構造を示した断面図である。
第6図(A)は絶縁膜に従来と同様の高分子フィルムを用
いた例であって、43は絶縁基板、44は絶縁基板43上に真
空蒸着,スクリーン印刷或いは塗布などの手段により形
成した導電性で2つに分割されたシート電極である。静
電チャックは、シート電極44を有する絶縁基板43,絶縁
リング37,高分子フィルム12,及び導電ゴム板13間を接
着一体化して構成してある。
第6図(B)は絶縁膜にセラミック材料を用いた例であっ
て、静電チャックは、2つに分割された高融点の金属電
極38を埋込んだセラミック質静電基板39と導電ゴム板13
間を接着一体化して構成してある。
また、第6図(A)及び第6図(B)において、静電チャック
は締結ねじ42によって装置から容易に着脱できるように
なっている。
このように、第6図(A)及び第6図(B)とも実実施例−1
で示した基本構造を忠実に具体化してある。従って、従
来と同様にウェハ11の半導電性を利用した電圧印加を行
えば、ウェハ11とシート電極44又は金属電極38間に静電
力が作用するので、実施例−1で述べた様々な効果を十
分に発揮でき、ウェハ11と水冷電極3間の熱伝達が効率
的に為されることは言うまでもない。
実施例−4 第7図(A)(B)は本発明の静電チャックにおける導電ゴム
板13の配列パターンを示した実施例の平面図で、45は静
電チャック絶縁膜上の静電吸着面である。
第7図(A)は正方形の導電ゴム板13を一定の間隔を明け
て配列して熱接触面としたパターンの例である。但し、
導電ゴム板13は実施例−1でも述べたようにウェハの静
電吸着面45上に間隔を開けて配置すればよいから、パタ
ーンの形状は正方形に限るものでなく、また、配列間隔
も一定である必要もない。従って、長方形、円形,三角
形,雲形,星形,十字形やT字形、或いはこれらを組合
せた形状など無数のパターンが適用可能で、また逆に種
々のパターンを切抜いた導電ゴム板13でもよいことにな
る。
第7図(B)は格子形の導電ゴム板13の例で、逆に言え
ば、一枚の導電ゴム板13から正方形パターンを一定の間
隔で切抜いて静電吸着面45としたことに等しい。従っ
て、第7図(A)で述べたように切抜くパターンは正方形
に限るものでなく無数の形状があり、また、配列の仕方
も多々存在する。
このように、導電ゴム板13の配列パターンは無数に存在
し、何れでもよい。但し、パターンの加工法にしてもプ
レス,レーザやウォータジェットによる型取りなど、接
着法にしても接着剤そのものが多種存在するから、これ
ら加工あるいは接着手段に適した配列パターンを選択で
きることは言うまでもない。
一方、導電ゴム板13は物質中でも摩擦係数が特に大きな
ゴム材料の一種であるがゆえに、ウェハの厚さ方向に作
用する静電吸着力と摩擦係数との積で定まるウェハの面
方向の力に対する抵抗力、即ち、ウェハの保持力を高め
る効果がある。例えば、前述したようにウェハを重力に
対し横向き又は下向きにして加工あるいは搬送する装置
においては、ウェハの脱落を防止する効果がある。
(5)発明の効果 以上説明したように、本発明の静電チャックは絶縁膜上
の膜面電荷の充放電時間、或いは絶縁膜の分極ヒステリ
シス等に基づく、ウェハ着脱の低応答性を大幅に改善で
き、ひいては、この分だけ印加電圧を高められるので高
応答、且つ、高静電力の静電チャックを実現できる利点
がある。
また、従来絶縁膜の下に配置された導電ゴム板を絶縁膜
の上に配置したことにより真実接触面積の増大が図れる
ので、より熱伝導効率の向上が図れる利点,並びに絶縁
膜の無機材料化、例えばセラミック化が多能となる利
点、即ち、有機材料に比べ誘電率や熱伝導係数が大きい
ので静電力や熱伝達効率をさらに高められること、分極
ヒステリシスが無いので着脱がさらに容易となること、
また、高強度,長寿命,耐腐食性及び高精度加工性など
セラミックの優れた数多くの特長を生かせること等の利
点となる。
従って、半導体素子製造工程に用いられるドライエッチ
ング装置に限らず、ドライコーテング装置、例えば電子
ビームや抵抗加熱式の真空蒸着装置,スパッタリング式
の付着装置或いはイオン注入装置等におけるウェハの保
持固定,加工時の温度制御或いは着脱式の搬送装置等に
応用すれば、静電チャックが真空中でウェハをチャッキ
ングできる唯一の手段であることに加え、本発明の静電
チャックの高着脱応答性,高静電力,高保持力或いは高
熱伝達効率などの様々な利点を有効に生かすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はグロー放電プラズマを利用したドライエッチン
グ装置における従来の静電チャック構成例の断面図、第
2図は電子サイクロトロン共鳴プラズマを利用したドラ
イエッチング装置における従来の静電チャック構成例の
断面図、第3図は従来の静電チャックにおける静電吸着
状態を示した断面図、第4図は本発明の静電チャックに
おける静電吸着状態を示した原理図、第5図は本発明の
静電チャックを第1図に示したドライエッチング装置に
応用した実施例を示すもので(A)が絶縁膜に高分子フィ
ルムを用いた例を示す断面図であり、(B)が絶縁膜にセ
ラミックを用いた例を示す断面図、第6図は本発明の静
電チャックを第2図に示したドライエッチング装置に応
用した実施例を示すもので(A)が絶縁膜に高分子フィル
ムを用いた例を示す断面図であり(B)は絶縁膜にセラミ
ックを用いた例を示す断面図、第7図(A)(B)は本発明の
静電チャックにおける導電ゴム板の配列パターンの具体
例を示す平面図である。 1…加工室、2…対向電極板、3…水冷電極、4…真空
排気口、5…ガスバルブ、6…ウォータバルブ、7…水
量計、8…グロー放電プラズマ、9…高周波電源、10…
マッチング回路、11…ウェハ、12…高分子フィルム、13
…導電ゴム板、14…高圧直流電源、14a…高圧直流正電
源、14b…高圧直流負電源、15…フィルタ回路、16…正
電荷、17…負電荷、18…マイクロ波発生装置、19…高周
波共振空洞、20…電気コイル、21…隔壁板、22…励起プ
ラズマ、23…取出し電極、24…直流負電源、25…中和電
極、26…絶縁体、27…微小空間、28…膜面電荷、29…配
向分極、30…空間、31…負電荷A、32…負電荷B、33…
配向分極A、34…配向分極B、35…下部電極、36…基
板、37…絶縁リング、38…金属電極、39…セラミック質
静電基板、40…絶縁支持体、41…スプリング、42…締結
ねじ、43…絶縁基板、44…シート電極、45…静電吸着
面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 博雄 神奈川県厚木市森の里若宮3番1号 日本 電信電話株式会社厚木電気通信研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−196210(JP,A) 特開 昭61−56843(JP,A) 実開 昭61−52643(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性又は半導電性の電極上にウェハを静
    電吸着する絶縁膜を有する静電チャックにおいて、該絶
    縁膜の前記ウェハを静電吸着する面上に平面的に適宜の
    間隔があけられた導電性樹脂材料板が配置されて、前記
    ウェハと前記絶縁膜との間の静電吸着部分と熱接触伝導
    部分とが互いに分離独立されるように構成されたことを
    特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】前記絶縁膜が無機材料板であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の静電チャック。
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