JPH0651864B2 - 熱硬化性塗料用ポリカルバミン酸エステル型硬化剤及びその塗装方法 - Google Patents

熱硬化性塗料用ポリカルバミン酸エステル型硬化剤及びその塗装方法

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JPH0651864B2
JPH0651864B2 JP60174282A JP17428285A JPH0651864B2 JP H0651864 B2 JPH0651864 B2 JP H0651864B2 JP 60174282 A JP60174282 A JP 60174282A JP 17428285 A JP17428285 A JP 17428285A JP H0651864 B2 JPH0651864 B2 JP H0651864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な熱硬化性樹脂塗料用硬化剤及びその製造
方法に関し、さらに詳しくは、特に熱硬化型防食塗料に
適した、低温硬化性、耐食性、耐候性等の特性が改善さ
れたポリカルバミン酸エステル型硬化剤及びそのものの
工業的に極めて有利な製造方法に関する。
従来、陰極電着塗料などの熱硬化型防食塗料における硬
化剤としては、芳香族ポリイソシアネート化合物をアル
コール等のブロツキン剤で保護したブロック化イソシア
ネート硬化剤が最も多く使用されている。しかしなが
ら、このタイプの硬化剤を用いた陰極電着塗料の本質的
な問題として、硬化開始温度が高く(180℃以上)、
高温加熱時、ポリイソシアネートが熱分解して生成する
イソシアネート誘導体等がヤニやススを発生し、しかも
上塗塗膜に黄変、プリード、硬化阻害を引起すほか、塗
膜の耐候性が著しく劣り、白化しやすいなどの重大欠点
を有し、その改良が強く求められている。
そこで、本発明者は、ポリイソシアネート化合物に代わ
る硬化剤で、しかも低温硬化性、低揮発性、耐候性の特
性においてポリイソシアネート化合物を凌駕する硬化剤
を提供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、脂肪族
1級又は2級ポリアミンとアルキレンカーボネートとの
反応によって形成されるβ−ヒドロキシアルキルカルバ
ミン酸エステル基が異種原子(N、O、S)を介してエ
ポキシ樹脂に導入することにより、活性化され、活性ア
ミノ基及び/又は活性水酸基を有する樹脂とポリイソシ
アネート化合物と同様に反応し架橋剤の作用をすること
をつきとめ先に提案した(特開昭59−155470号
公報など)。しかしながら、このもの自体はβ−ヒドロ
キシ基による親水性のため陰極電着塗料用硬化剤として
満足できるものではなく、エマルジヨンの分散安定性、
つきまわり性および低温硬化時の防食性の面で不十分な
ものであるが、前記β−ヒドロキシアルキルカルバミン
酸エステル基をモノアルコールとエステル交換すること
によつて、カルバミン酸エステル基が疎水化され、上記
した欠点を改良した硬化剤が得られることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に従えば、異種原子を介して導入され
た疎水性カルバミン酸エステル基を含有する活性ポリカ
ルバミン酸エステル型硬化剤が提供され、より具体的に
は、下記式 で示されるカルバミン酸エステル基を、下記式 R−OH で示されるモノアルコールとエステル交換して得られる
下記式 上記各式中、 Yは三級窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表わし; Rは直接結合又は炭素原子数1〜12個の水素基又は
アルコキシ基で置換されていてもよい2価の脂肪族系炭
化水素基を表わし;Rは水素原子又は炭素原子数1〜
12個のアミノ基、水酸基又はアルコキシ基で置換され
ていてもよい脂肪族系炭化水素基を表わし;Rはアル
コキシ基で置換され及び/又はエーテル結合が介在して
いてもよい炭素原子数1〜12個の1価の炭化水素基を
表わし;或いはRとRもしくはY、又はR、R
及びYはこれらが結合している窒素原子と一緒になつて
含窒素複素環を形成していてもよい、で示される異種原
子を介して導入された活性カルバミン酸エステル基を含
有する熱硬化性塗料用活性ポリカルバミン酸エステル型
硬化剤が提供される。
本発明で得られる硬化剤は、先に提案した硬化剤の有す
る親水性のβ−ヒドロキシアルキル基が疎水性のアルキ
ル基(エーテル結合又はアルコキシ基を有してもよい)
に交換されたタイプのものであるため、このものを陰極
電着塗料に使用した場合、エマルジヨンの分散安定性、
つきまわり性、未硬化塗膜の防食性が著しく改良され
る。
本発明において、カルバミン酸エステル基が異種原子を
介して導入されるとは、カルバミン酸エステル基が直接
異種原子に結合している場合とカルバミン酸エステル基
が脂肪族炭化水素基を介して異種原子に結合している場
合の両者を意味するものである。
本発明の活性ポリカルバミン酸エステル型硬化剤は、そ
のカルバミン酸エステル基が前記式(I)のYで示すよう
な異種原子を介して導入されているため、この異種原子
によつて活性化されており、該硬化剤を熱硬化性樹脂塗
料に配合して約150℃以上に加熱すると、エステル交
換反応と同様な反応形成、すなわち下記反応式(1)に示
すようにカルバミン酸エステル基と樹脂中に適宜存在し
得る活性1級又は2級アミノ基との間で尿素結合を形成
し、あるいはまた下記反応式(2)に示すようにカルバミ
ン酸エステル基と樹脂中に適宜存在し得る活性1級(特
にアミノアルコール性)水酸基との間でウレタン結合を
形成して樹脂を架橋硬化しうるものである。もちろん、
本硬化剤自身に活性アミノ基又は水酸基を導入してそれ
自身で自己硬化性樹脂とすることも有利である。
上記反応式(1)及び(2)において、Y、R、R及びR
は有機残基を表わす。
従つて上記反応式から明らかなように、該硬化剤を用い
た塗料組成物は、熱分解時、イソシアネート化合物又は
その誘導体を解離することがなく、上塗塗膜に弊害を及
ぼすことがない、架橋結合中に芳香族ウレタン結合又は
芳香族尿素結合を待ち込むことがなく、耐候性を損うこ
とが少ない、などの優れた利点を有する。
本発明のポリカルバミン酸エステル型硬化剤は、下記式 式中、Y、R、R及びRは前記の意味を有する、 で示されるβ−ヒドロキシアルキルカルバミン酸エステ
ル基をモノアルコールでエステル交換して得られるもの
であるが、まず前記(II)式で示す官能基を導入する方法
としては例えば下記の方法が挙げられる。
〔A〕 活性水素原子を少なくとも2個含有し且つ下記
式中、Y、R及びRは前記の意味を有する、 で示される活性アミノ化合物(a)をポリエポキシド化合
物(b)と反応させて式 の基を1分子中に2個以上有する化合物を得、次いで下
記式 式中、Rは前記の意味を有する、で示されるアルキレ
ンカーボネート(c)と反応させる。
〔B〕 活性水素原子を少なくとも2個含有し且つ下記
式中、Y、R及びRは前記の意味を有する、 で示される活性アミノ化合物(a)を下記式 式中、Rは前記の意味を有する、 で示されるアルキレンカーボネート(c)と反応させ、下
記式 式中、Y、R、R及びRは前記の意味を有する、 で示される化合物を得、次いでポリエポキシド化合物
(b)と反応させる。
並びに 〔C〕 活性水素原子を少なくとも2個含有し且つ下記
式中、Rは前記の意味を有する、 で示される活性アミノ化合物(a)を下記式 式中、Yは前記の意味を有する、 で示される基を少なくとも2個有するポリエポキシド化
合物(b)と反応させ、下記式 式中、Y及びRは前記の意味を有する で示される基を少なくとも2個の以上有する化合物を得
て次いで下記式 式中、Rは前記の意味を有する、 で示されるアルキレンカーボネート(c)を反応させる。
以上に述べた反応式に示す反応は何等触媒を必要とせ
ず、ほぼ室温から約200℃の比較的低い反応温度で行
なうことができ、反応は定量的に進行する。また、反応
には溶剤を使用することができ、反応生成物を水性塗料
に使用する場合には、水、アルコール系溶剤が使用でき
る点で有利である。
上記の反応において、活性アミノ化合物(a)として使用
されるものは以下に挙げるものを例示することができ
る。
アミノアルキルアミン類: (ここでR10は炭素原子数1〜12個、好ましくは2〜
9個のアルキレン基を表わし;R11及びR12はそれぞれ
水素原子又は水酸で置換され及び/又はエーテル化合を
介在していてもよい炭素原子数1〜12個、好ましくは
1〜6個のアルキル基を表わす) 例えばエチレンジアミン1,2−及び1,3−ジアミノ
プロパン、1,4−ジアミノプタン、ヘキサメチレンジ
アミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビ
ス−(3−アミノプロピル)エーテル、N−メチルエチ
レンジアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、
ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、N,N′−ジ
メチルエチレンジアミン、N,N′−ジヒドロキシエチ
ルエチレンジアミンなど。
(ここで、R13は水素原子又は炭素原子数1〜3個の水
素基で置換されていてもよいアルキル基を表わし;nは
1〜9、好ましくは1〜6の整数を表わし;R10は前記
の意味を有する) 例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、イミソビスプロピルア
ミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、メチルイミ
ノビスエチルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン
など。
(ここで、R14及びR15はそれぞれ炭素原子数1〜3個
のアルキレン基を表わす) 例えば、ピペラジン、ホモピペラジン など。
(ここで、R10、R14及びR15は前記の意味を有する) 例えば、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロ
ピルピペラジンなど。
(ここで、R10、R14及びR15は前記の意味を有する) 例えば、N,N′−ビスアミノプロピルピペラジンな
ど。
(ここで、R16及びR17はそれぞれ炭素原子数1〜6個
のアルキレン基を表わす) 例えばキシリレンジアミンなど。
(ここで、R16は前記の意味を有する) アミノアルキルアルコール類: 例えば、モノエタノールアミン(2−アミノエタノー
ル)、モノイソプロパノールアミン、モノn−プロパノ
ールアミン、(3−アミノ−1−プロパノール)、5−
アミノ−1−ペンタノールなど。
アミノアルキルメルカプタン類: HS−R10−NH (ここで、R10は前記の意味を有する) 例えば2−アミノエチルメルカプタンなど。
アミノアルキルフエノール類: 例えばp−(2−アミノエチル)フエノールなど。
ヒドロキシルアミン及びヒドラジン類: 例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、メチルヒド
ラジン、ヒドロキシエチルヒドラジンなど。この場合カ
ルバミン酸エステル基と異種原子間に介在する炭化水素
基はなく両者は直接結合する。
アンモニア、アミノアルカン類: 例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ヒドロ
キシエチルアミなど。該アミン化合物を用いて誘導され
るカルバミン酸エステル基は、それ自身異種原子を含有
しておらず該アミノ化合物と反応されるエポキシ樹脂中
に予め存在するアミノ基、エーテル基などの異種原子に
よつて活性化される。
上記した活性アミノ化合物の中でも、商業的及び工業的
に入手容易で且つ本発明において好適なものとしては、
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、ピペラジン、ヒドロキシエチルエチレン
ジアミン、N−アミノエチルピペラジン、モノエタノー
ルアミン、モノプロパノールアミン、ヒドラジン、メチ
ルヒドラジン、ヒドロキシエチルヒドラジンなどが挙げ
られる。
上記の反応において使用されるポリエポキシド化合物
(b)は、エポキシ基 を1分子中に2個以上有する化合物で、一般に少なくと
も100、好ましくは200〜2,000、さらに好ま
しくは250〜1,000の範囲内の数平均分子量を有
するものが適している。そのようなエポキシド化合物と
してはそれ自体公知のものを使用することができる。例
えば、ポリフエノールをアルカリの存在下にエピクロル
ヒドリンと反応させることにより製造することができる
ポリフエノールのポリグリシジルエーテルが包含され
る。ここで使用しうるポリフエノールとしては、例え
ば、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−2,2−プロパ
ン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン、ビス(4
−ヒドロキシフエニル)−1,1−エタン、ビス−(4
−ヒドロキシフエニル)−1,1−イソプタン、ビス
(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フエニル)−2,2
−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒ
ドロキシフエニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフ
エニル)−1,1,2,2−エタン、4,4′−ジヒド
ロキシジフエニルエーテル、4,4′−ヒドロキシジフ
エニルスルホン、フエノールノボラツク、クレゾールノ
ボラツク等が挙げられる。また、ジフエノールのジグリ
シジルエーテルと上記の如きジフエノールを反応させて
得られる高分子量のエポキシド化合物も使用することも
できる。
その他のポリエポキシド化合物として、脂環族グリシジ
ルエーテル類〔例えば、ビス(4−ヒドロキシシクロヘ
キシル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)−メタンなどのポリグリシジルエーテル
など〕、芳香族グリシジルアミン類〔例えば、4,4′
−ジグリシジルアミノジフエニルメタン、ジグリシジル
アミノフエノール、m−キシリレンビス(ジグリシジル
アミン)など〕、芳香族又は脂環族ポリカルボン酸グリ
シジルエステル類(例えば、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメリツト酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸などのグリシジルエステルなど)、エポキ
シ化ポリシクロアルケン類などを挙げることができる。
上記したポリエポキシド化合物の中で、ポリカルバミン
酸エステル型硬化剤の製造に特に好適なものは、数平均
分子量が少なくとも約100、好適には約200〜2,
000、及びエポキシ当量が50〜2,000、好適に
は100〜1,000の範囲のポリフエノールのポリグ
リシジルエーテルであり、殊に下記一般式 (q=0〜4) で示されるエポキシ化合物が最適である。
さらに、本発明の硬化剤を製造する際に下記式 式中、Rは前記の意味を表わす、 で示される活性アミノ化合物(例えば、アンモニア、メ
チルアミン、エチルアミン、ヒドロキシエチルアミンな
ど)が用いられる場合、ポリエポキシド化合物として
は、下記式 式中、Yは前記の意味を表わす、 で示される基、すなわちエポキシ基が異種原子を介して
導入されているポリエポキシド化合物が使用される。
該ポリエポキシド化合物の例としては、芳香族ポリアミ
ン〔例えば、4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、1,5−ジア
ミノナフタレン、キシリレンジアミンなど〕及び前述の
芳香族ポリフエノール〔例えば、ビス(4−ヒドロキシ
フエニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)エ
タン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロ
パンなど〕とエピクロルヒドリンとの反応物を挙げるこ
とができる。
前記の反応において使用される下記式 式中、 Rは水素原子又は水酸基で置換され及び/又はエーテ
ル結合が介在していてもよい炭素原子数1〜12個、好
ましくは1〜9個の炭化水素基を表わす、 で示されるアルキレンカーボネートとしては、例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリ
セリンカーボネート、スチレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、グリセリンカーボネート等が挙げられ、
好適で且つ工業的に入手可能なものはエチレンカーボネ
ート及びプロピレンカーボネートである。
次に、前記した(II)式で示される官能基をエステル交換
させて前記(I)式で示される官能基とするために使用す
るモノアルコールとしては、下記式 R−OH 式中、Rは炭素数1〜12個、好ましくは3〜9個
の、エーテル結合を介在しても又はアルコキシ基で置換
されていても良い、炭化水素基を表わす、 で示される1級アルコールが挙げられる。例えば (a) メタノール、エタノール、n−プロパノール、n
−ブタノール、iso−ブタノール、2−エチル−1−ブ
タノール、2−エチルヘキサノール等の脂肪族アルコー
ル; (b) シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール
等の脂環族、又は芳香−脂肪族アルコール; (c) 2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、エチレングリコールモノn−又はiso−プロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノn−又はiso−又はsec
−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチル
ヘキシルエーテル、モノフエニルエーテル、3−メトキ
シ−1−ブタノール等のエーテルアルコール; (d) ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル等のポリエーテル
アルコール; エステル交換反応は前記(II)式で示される官能基を1分
子中に2個以上有する化合物を、前記モノアルコールの
過剰量(2当量以上、好ましくは4当量以上)と100
〜200℃、好ましくは130〜170℃で加熱するこ
とによつて達成される。
この反応は下記のとおりである。
式中、Y、R、R、R及びRは前記の意味を表
わす。
エステル交換の割合は任意に選択できるが、50%以上
に向上させるにはエステル交換触媒として公知の触媒、
特に有機溶剤可溶の鉛、又は錫化合物、例えば、2−エ
チルヘキサン酸鉛又は錫、ナフテン酸鉛又は錫、トール
油脂肪酸鉛、ジブチル錫ジラウレート等を金属量で0.
01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量
%を添加するとよい。
エステル交換反応において、高温長時間では副反応とし
て前記(II)式で示される官能基同士の縮合反応(下記)
を起して高分子量化するので、付加逆的な尿素結合の生
成は避けねばならない。
また系中に1級又は2級アミノ基が存在すると、下記の
如く、付加逆的な尿素結合を生成するので これを避けるためには、エステル交換后1級又は2級ア
ミノ基を導入するか、あるいは1級又は2級アミノ基を
予めブロツクしておくことが必要である。ブロツクする
方法としては例えば、下記の方法が挙げられる。
前記した式中、Y、R、R及びRは前記した意味
を表わし、R、R、R、R、R及びR10はそ
れぞれ有機基を表わす。
本発明で得られるポリカルバミン酸エステル型硬化剤
は、前記式(I)で示される官能基を有するものである
が、前記式(II)で示される官能基を有するもの、すなわ
ち未エステル交換物を少量の割合で含有しても構わな
い。
本発明の硬化剤を使用した熱硬化性樹脂塗料は、ポリイ
ソシアネート化合物を硬化剤として使用したものに比較
して硬化温度は低く、必ずしも硬化触媒を必要としない
が、約170℃以下の低温で比較的迅速に熱硬化せしめ
るためには、それ自体既知の硬化触媒、例えば鉛、錫、
鉄、亜鉛などの重金属の化合物、殊に鉛又は錫の化合物
を金属量換算で0.1〜3重量%程度併用することが有
利である。該金属化合物の代表例としては、硫酸、珪
酸、酢酸、乳酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、
ナフテン酸、トール油脂肪酸等の鉛塩、及びジブチル錫
ジアセテート、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキ
サイドなどの錫化合物が挙げられる。
また、本発明のポリカルバミン酸エステル型硬化剤は、
特に陰極電着塗装用樹脂結合剤としても好適に使用する
ことができる。この場合、該硬化剤にはアミノ基を公知
の方法で導入するか、もしくはアミノ基を導入した樹脂
結合剤に該硬化剤を混合し、これを酢酸、乳酸、リン酸
のような有機又は無機酸で中和し水性分散物にして使用
される。この場合、アミノ基の導入量は、樹脂結合剤の
水分散性に応じて自由に当節することができるが、その
アミノ基の含有量は一般にアミン価(樹脂1g当りのK
OH換算mg数)で表わした場合、10〜200、好適に
は20〜100の範囲が有利である。
また本発明の該硬化剤は、適宜水酸基を含有することが
でき、その水酸基の含有量は一般に水酸基価(mgKOH
/g)で表わした場合25〜1,000、好適には50
〜500の範囲が有利である。
また、中和は0.1〜0.7当量の範囲で行なうのが好
ましい。得られる水性分散物のpHは一般に3〜9、好
ましくは5〜7の範囲であり、樹脂濃度は一般に3〜3
0重量%、好ましくは5〜15重量%が望ましい。
該水性分散物には、所望には顔料が添加される。添加し
うる顔料としては、電着塗料に通常使用されるものがい
ずれも使用可能で、たとえばベンガラ、チタン白、カー
ボンブラツクのような着色顔料;タルク、クレーおよび
マイカのような体質顔料;クロム酸塩、クロム酸ストロ
ンチウム、塩基性ケイ酸鉛のような防錆顔料などが用い
られ、これらは任意の量で使用することができる。
この水性分散物を用いて被塗物に電着塗装を行なう方法
及び装置としては、従来から陰極電着塗装においてそれ
自体使用されている公知の方法及び装置を使用すること
ができる。その際、被塗物をカソードとし、アノードと
してはステンレス又は炭素板を用いるのが望ましい。用
いる電着塗装条件は、特に制限されるものではないが、
一般的には、浴温:20〜30℃、電圧:100〜40
0V(好ましくは200〜300V)、電流密度:0.
01〜3A/dm、通電時間:1〜5分、極面積比
(A/C):2/1〜1/2、極間距離:10〜100
cm、撹拌状態で電着することが望ましい。
カソードの被塗物上に析出した塗膜は、洗浄後、約15
0〜約180℃で焼付けて硬化させることができる。
本発明の硬化剤は前記した陰極電着塗装用樹脂結合剤と
してでなくそのまま通常の有機溶剤に溶解希釈せしめて
溶剤型の焼付塗料用結合剤として使用することもでき
る。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 ジエチレントリアミン103部とエチレングリコールモ
ノブチルエーテル139.5部の溶液に60℃でエチレ
ンカーボネート176部を滴下し、発熱終了後90℃で
全アミン価(固形分値、以下同じ)で200に下るまで
反応させて付加物を得たのち、同温度でエポキシ当量約
250のビスフエノールA・ジグリジルエーテル約25
0部を加え、水溶性アミン価が1以下に下がるまで反応
させた。次に140℃で加熱しIR分析でウレタン結合
の吸収シフトが出はじめるまでエステル交換反応を行
い、本発明のポリカルバミン酸エステル型硬化剤を得
た。またエステル交換を行う前の生成物を比較例1用硬
化剤として用いた。
別にビスフエノールA・エピクロルヒドリン型エポキシ
樹脂(エポキイ当量約650、商品名Epon100
2、油化シエル社製)650部をエチレングリコールモ
ノブチルエーテル190部に溶解し、モノエタノールア
ミン・メチルイソブチルケトンケチミン(90%メチル
イソブチルケトン溶液)119部を加え、水溶性アミン
価が1以下になるまで130℃で反応させたのち、ダイ
マー酸・ポリアルキレンポリアミン型エポキシ樹脂(ア
ミン価100、商品名バーサミド160、日本ヘンケル
社製)250部を加え粘度上昇が止むまで110℃で反
応させて、樹脂結合剤を得た(アミン価67、活性アミ
ン基当量約890)。このものに本発明の活性ポリカル
バミン酸エステル型硬化剤および比較例用硬化剤をそれ
ぞれ固形分比で75部/25部の比率で混合し、ナフテ
ン酸鉛(Pb含量30%)3.3部を加え、酢酸2.0
部で中和し水分散を行い、固形分30%のエマルジョン
を得て、これを水希釈してそれぞれ固形分15%の水性
分散液を得た。これらを一夜撹拌した后電着浴として浴
温25℃、電圧250Vで3分間通電しリン酸亜鉛処理
冷延鋼板に塗装して、150℃で20分焼付けて厚さ約
20μ耐溶剤性のある平滑な塗膜を得た。このものを耐
塩水浸漬性試験に供した。また30%エマルジヨンの3
0℃での貯蔵性および前記電着条件でのパイプ法による
つきまわり性を試験した。その結果を後記第1表に示
す。
実施例2 ヒドロキシエチルヒドラジン42.6部およびジエチレ
ントリアミン28.8部をエチレングリコールモノブチ
ルエーテル34部に溶解し、エチレンカーボネート9
8.6部を40℃で少しずつ加え、アミン価の低下が止
まるまで反応させて付加物を得る。次にエポキシ当量約
650のビスフエノールA・エピクロルヒドリン型エポ
キシ樹脂650部をエチレングリコールモノブチルエー
テル130部に溶解し、前記付加物を加え、エポキシ価
が0.2になるまで110℃で反応させたのち、ジエチ
レントリアミン・メチルイソブチルケトンジケチミン
(85%メチルイソブチルケトン溶液)48.2部を加
え、90℃で水溶性がアミン価が1以下に下るまで反応
させた(これを比較例2用効果剤として用いた)。さら
に2−エチルヘキサン酸鉛4.2部を加え、130℃で
IR分析でウレタン結合の吸収シフトが出始めるまで反
応させ、本発明のポリカルバミン酸エステル型自己硬化
樹脂を得た。このもの及び比較例2用硬化剤をそれぞれ
固形分100部を取り、酢酸1.3部で中和して水分散
を行い、固形分25%のエマルジョンを得た。これを固
形分15%に希釈し、実施例1と同様な比較試験を行つ
た。その結果を後記第1表に示す。
実施例3 エポキシ当量190のビスフエノールA・エピクロルヒ
ドリン型エポキシ樹脂380部、水酸基当量425のポ
リカプロラクトンジオール85部及びモノエタノールア
ミン・メチルイソブチルケトンケチミン(75%メチル
イソブチルケトン溶液)114部を加熱混合し、130
℃でエポキシ価が3.1に下るまで反応させたのち、エ
チレングリコールモノエチルエーテル123部及びビス
フエノールA114部を加え、エポキシ価が1.3に下
るまで反応させた。実施例1で使用したジエチレントリ
アミン・エチレンカーボネート付加物(66.7%エチ
レングリコールモノブチルエーテル溶液)83.7部を
加えて、100℃で水溶性アミン価が1以下に下るまで
反応させたのち、更に水3.6部及びエチレンカーボネ
ート17.6部を加えて、70℃でアミン価の低下が止
まるまで反応させた(これを比較例3用硬化剤として用
いた)。さらにジブチル錫ジラウレート1.4部を加
え、120℃でIR分析でウレタン結合の吸収シフトが
出始めるまで反応させて、本発明のポリカルバミン酸エ
ステル型自己硬化性樹脂を得た。
このもの及び比較例3用硬化剤を夫々樹脂固形分で10
0部取り、酢酸1.6部で中和して水散酸を行い、固形
分35%のエマルジョンを得た 別に、トール油脂肪酸N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ン、酢酸塩2部の水溶液、チタン白13部、クレー7部
及び塩基性ケイ酸鉛3部をサンドミルで10μ以下に分
散し、55%顔料分散液を得た。
それぞれのエマルジョンを固形分15%に希釈し、前記
顔料ペーストを添加し、撹拌して浴温28℃、250
V、3分で20μ塗装できるよう調整し、実施例1と同
様な比較試験を行つた。その結果を後記第1表に示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 活性水素原子を少なくとも2個含
    有し且つ下記式 式中、 Yは3級窒素、酸素原子又は硫黄原子を表わし; R1は直接結合又は水素基もしくはアルコキシ基で置換
    されていてもよい炭素原子数1〜12個の2価の脂肪族
    炭化水素基を表わし; R2は水素原子又はアミノ基、水酸基もしくはアルコキ
    シ基で置換されていてもよい炭素原子数1〜12個の脂
    肪族系炭化水素基を表わし; 或いは R1とR2もしくはY、又はR1、R2及びYはこれらが結
    合している窒素原子と一緒になって含窒素複素環を形成
    していてもよい、 で示される活性アミノ化合物、 (b) ポリエポキシド化合物、 (c) 下記式 式中、R4は水素原子又は炭素原子数1〜6個の炭化水
    素基を表わす、 で示されるアルキレンカーボネート、及び (d) 下記式 R3−OH 式中、 R3はアルコキシ基で置換され及び/又はエーテル結合
    が介在していてもよい炭素原子数1〜12個の1価の炭
    化水素基を表わす、 で示されるモノアルコール、 の反応生成物からなる下記式 式中、Y、R1、R2及びR3は上記の意味を有する、 で示される、異種原子を介して導入された活性カルバミ
    ン酸エステル基を含有することを特徴とする熱硬化性塗
    料用活性ポリカルバミン酸エステル型硬化剤。
  2. 【請求項2】前記式(I)で示される基の他にさらに活
    性アミノ基及び/又は水酸基を含有する特許請求の範囲
    第1項記載の硬化剤。
  3. 【請求項3】R1が直接結合又は炭素原子数1〜6個の
    低級アルキレン基である特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の硬化剤。
  4. 【請求項4】R2が水素原子である特許請求の範囲第1
    項〜第3項のいずれかに記載の硬化剤。
  5. 【請求項5】R3が炭素原子数2〜8個の低級アルコキ
    シエチル基である特許請求の範囲第1〜4項のいずれか
    に記載の硬化剤。
  6. 【請求項6】(a) 活性水素原子を少なくとも2個含
    有し且つ下記式 式中、 Yは3級窒素、酸素原子又は硫黄原子を表わし; R1は直接結合又は水酸基もしくはアルコキシ基で置換
    されていてもよい炭素原子数1〜12個の2価の脂肪族
    炭化水素基を表わし; R2は水素原子又はアミノ基、水酸基もしくはアルコキ
    シ基で置換されていてもよい炭素原子数1〜12個の脂
    肪族系炭化水素基を表わし; 或いは R1とR2もしくはY、又はR1、R2及びYはこれらが結
    合している窒素原子と一緒になって含窒素複素環を形成
    していてもよい、 で示される活性アミノ化合物、 (b) ポリエポキシド化合物、 (c) 下記式 式中、R4は水素原子又は炭素原子数1〜6個の炭化水
    素基を表わす、 で示されるアルキレンカーボネート、及び (d) 下記式 R3−OH 式中、 R3はアルコキシ基で置換され及び/又はエーテル結合
    が介在していてもよい炭素原子数1〜12個の1価の炭
    化水素基を表わす、 で示されるモノアルコール、 の反応生成物からなる下記式 式中、Y、R1、R2及びR3は上記の意味を有する、 で示される、異種原子を介して導入された活性カルバミ
    ン酸エステル基を含有するポリカルバミン酸エステル型
    硬化剤を含有する水性分散物を電着塗装浴として用いる
    ことを特徴とする陰極電着塗装方法。
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JPS59161424A (ja) * 1983-02-10 1984-09-12 ピ−ピ−ジ−・インダストリ−ズ・インコ−ポレイテツド 硬化性組成物

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