JPH0759680B2 - 基板を電着塗装する方法 - Google Patents

基板を電着塗装する方法

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JPH0759680B2 JP59182907A JP18290784A JPH0759680B2 JP H0759680 B2 JPH0759680 B2 JP H0759680B2 JP 59182907 A JP59182907 A JP 59182907A JP 18290784 A JP18290784 A JP 18290784A JP H0759680 B2 JPH0759680 B2 JP H0759680B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、陰極として接続された導電性基板を少なくと
も部分的に酸で中和されたカチオン性結合剤を基礎とす
る水性浴により電着塗装する方法に関するものであり、
この場合結合剤は、1分子当たり平均で1個の遊離イソ
シアネート基を有しかつ封鎖されたイソシアネート基が
室温で安定性である部分的封鎖されたポリイソシアネー
トとの反応によって自体架橋しうるようになっている
か、又は浴は付加的に架橋剤を含有する。
従来技術 電着塗装ラツカーのための結合剤としてのカチオン性の
水分散可能な合成樹脂は、公知である。従つて、例えば
西ドイツ国特許公開公報第2701002号には、少なくとも3
50の分子量を有するポリエポキシ化合物、第二アミン及
び少なくとも2個のアルコール性第一ヒドロキシル基を
有する有機ポリオールの反応生成物であるような樹脂が
記載されている。この樹脂は、分子1個当り少なくとも
2個のエポキシ基を有する高分子量ポリエポキシ化合物
の鎖長延長によつて生成される。鎖長延長は、有機ポリ
オールによつて達成され、水分散性は、第二アミンの付
着によつて得られる。
西ドイツ国特許公開公報第2701002号には、全ての高分
子量エポキシ樹脂中に含まれる第二ヒドロキシル基が鎖
長延長の際にポリオールのヒドロキシル基との競合を生
じ、それによつて不足の分子構造を惹起しうることが指
摘されている。
効 果 ところで、意外なことに、明らかに改善された性質を有
する生成物は、使用される結合剤を脂肪族ポリオールで
鎖長する場合でなく、そのためにポリフエノールを使用
する場合に得られることが見い出された。
従つて、本発明の顕著な利点は、鎖長延長剤の反応性及
び選択性が増大したことによつて一定の分子構造を保証
する1つの方法であるということができる。
本発明が解決しようとする問題点 すなわち、本発明の課題は、水分散可能なカチオン性結
合剤を基礎とする水性浴により電着塗装する方法を記載
することであり、その際に改善された塗装が意図的に実
施される分子構造によって達成される。また、この意図
した構造によって塗装の弾性及び流展性が改善される。
問題点を解決するための手段 この課題は、先に記載した種類の方法の場合、該結合剤
が、 A) 少なくとも350の分子量を有するエポキシ樹脂を B) 350を越える分子量を有する弾性ポリフエノール
と、エポキシ基に付加しながら反応させ、A)及びB)
からの反応生成物を C) 必要な水分散性を達成するために第一アミン及び
/又は第二アミン又はアンモニウム塩とさらに反応させ
ることによりなる反応生成物であることによつて解決さ
れる。
本発明によれば、カチオン性合成樹脂は、1分子当り少
なくとも2個のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物
を鎖長延長させることによつて生成される。鎖長延長
は、低分子量又は高分子量であつてもよくかつ少なくと
も2個、有利に同様に2個のフエノール性ヒドロキシル
基を分子中に有する有機ポリフエノールによつて達成さ
れる。鎖長延長は、有利に触媒の存在下で実施される。
得られる被膜の破壊電圧は、ポリエポキシ化合物の鎖長
延長によつて改善されることが確認された。同時に、被
膜の流れ能力及び平滑性も改善される。多くの場合に
は、可撓性の上昇をも観察することができる。
この改善は、本発明方法により弾性ポリフエノールを成
分B)として使用することによつて達成することができ
る。このポリフエノールは、次の一般式: 〔式中、 Xはアルキレン、アリーレン、アルカリーレン、O、O
−アルキレン、O−アリーレン、O−アルカリーレン、
S、S−アルキレン、S−アリーレン、S−アルカリー
レン、CO−、CO−アルキレン、CO−アリーレン、CO−ア
ルカリーレン、SO2−、SO2−アルキレン、SO2−アリー
レン、SO2−アルカリーレン、NH、NHX−アルキレン、NH
−アリーレン、NH−アルカリーレンを表わし、 Xは0又は1を表わし、 YはX、 を表わし、 Zはアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリウレタンを基礎とするア
ルキレンを表わし、 RはH、CH3、アルキル、−O−CH3、−O−アルキル、
−NO2、−NR′、NR′R″、−NHCORを表わす〕に相
当する。
特に高分子量である基Zは、殊に弾性化のために使用さ
れる。
ポリエポキシ化合物(成分A)としては、本発明の場
合、2個又はそれ以上のエポキシ基を分子中に有する任
意の物質を使用することができる。好ましくは、分子中
に2個のエポキシ基を有する化合物である。ポリエポキ
シ化合物は、少なくとも350、有利に350〜2000の比較的
高い分子量を有する。ポリエポキシ化合物は、例えばビ
スフエノール、例えばビスフエノールAのようにポリフ
エノールのポリグリシジルエーテルであることができ
る。このポリエポキシ化合物は、ポリフエノールをエピ
ハロヒドリンでアルカリ金属の存在下にエーテル化する
ことによつて得ることができる。適当なフエノール化合
物の例は、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−2,2−プ
ロパン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノン、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)−1、1−エタン、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)−1,1−イソブタン、1,5−
ジヒドロキシナフタリンである。多くの場合には、芳香
族基を有する高分子量のポリエポキシ化合物を得るのが
望ましい。これは、先に記載したジグリシジルエーテル
をビスフエノールAのようなポリフエノールと反応さ
せ、次に得られる生成物をエピクロルヒドリンと、ポリ
グリシジルエーテルの製造のもとにさらに反応させるこ
とによつて達成することができる。ポリエポキシ化合物
のもう1つの適当な種類は、フエノール性ノボラツク樹
脂のポリグリシジルエーテルである。
同様に適当なのは、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−プロピレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール及びビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
−2,2−プロパンのように多価アルコールの類似のポリ
グリシジルエーテルである。
また、ポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルを使用
することもできる。
本発明で好ましいポリエポキシ化合物は、ポリフエノー
ルのポリグリシジルエーテルである。このポリエポキシ
化合物は、少なくとも350、有利に350〜2000の範囲内の
分子量を有するようなものである。
高分子量ポリエポキシ化合物は、弾性ポリフエノール
と、鎖長延長下及び分子量の増大下で反応させることが
できる。鎖長延長剤は、低分子量重合体鎖間の橋として
作用し、この低分子量重合体鎖を結合し、高分子量の生
成物に変える。この変換は、フエノール性ヒドロキシル
基間でエポキシ環の開環下ならびにエーテル結合及び第
二ヒドロキシル基の形成下で起こる。
鎖長延長は、弾性ポリフエノールを混合し、約120℃〜1
80℃の温度で第三アミンのような触媒の存在下で変換す
ることによつて好ましい方法で達成される。不活性溶剤
は、変換の際に添加することができる。適当な第三アミ
ンの例は、ベンジルジメチルアミン、ジメチルシクロヘ
キシルアミン、ジメチルエタノールアミン及びトリエチ
ルアミンである。アミン以外に他の触媒を使用すること
ができる。
鎖長延長剤(成分B)は、少なくとも2個、有利に2個
のみのフエノール性ヒドロキシル基を有する弾性ポリフ
エノールである。ポリフエノールの混合物は、同様に使
用することができる。
ポリフエノールは、低分子量を有していても高分子量を
有していてもよく、一般に約350〜3000、有利に約500〜
1000の分子量を有する。
成分Bは、例えば有利に次のように得ることができる:
高分子量ジオール、例えばポリエステルジオール、ポリ
カプロラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリ
カーボネートジオール等1モルを、ヒドロキシフエニル
カルボン酸2モルでエステル化するか又はヒドロキシフ
エニルカルボン酸エステルと反応させる。適当なヒドロ
キシカルボン酸は、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒド
ロキシフエニル酢酸及び3−(4−ヒドロキシフエニル
−)プロピオン酸又はそのエステルである。ヒドロキシ
フエニル基の付着をエステル交換によつて実施する場合
には、塩基性エステル交換を実施することもでき、その
ために相当するヒドロキシフエニルカルボン酸エステル
のアルカリ金属フエノラートを使用することができる。
反応の終結後、生成物は、所望のポリフエノールを得る
ために酸性で処理されなければならない。
直接のエステル化のためには、例えばN−(4−ヒドロ
キシフエニル−)グリシンを使用することもできる。
もう1つの変法の場合には、任意の酸性ポリエステルを
p−ヒドロキシアニリンと反応させて所望のポリフエノ
ールに変えることができる。
もう1つの好ましい形成の場合には、ポリエーテルジア
ミン又は類似のポリアミンを例えば4−ヒドロキシ−3
−メトキシベンズアルデヒドと反応させてポリフエノー
ルに変える。
成分Cとしてのエポキシ化合物との変換に使用されるア
ミンは、第一級、第二級又は第三級であることができ、
この場合第二アミンは、特に十分に好適である。第一ア
ミン及び第二アミンは、直接にエポキシ化合物環に付着
させることができ、第三アミンは、そのアンモニウム塩
の形でのみ付着させることができるか又は分子中のもう
1つの官能基により付着させることができる。アミン
は、水中で可溶の化合物であるのが好ましい。このよう
なアミンの例は、モノアルキルアミン及びジアルキルア
ミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミン等である。
適当なのは、同様に、例えばメチルエタノールアミン、
ジエタノールアミン等のようなアルカノールアミンであ
る。更に、例えばジメチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノプロピルアミン等のようなジアルキルアミノア
ルキルアミンは、適当である。
大抵の場合には、低分子量アミンが使用されるが、殊に
樹脂の可撓性をこのようなアミンの導入によつて増大さ
せるつもりの場合には、高分子量アミンを使用すること
もできる。同様に、低分子量アミンと高分子量アミンか
らの混合物は、樹脂の性質を変性させるために使用する
こともできる。
第一アミノ基及び第二アミノ基を有するポリアミンは、
そのケチミンの形でエポキシ基と変換させることができ
る。ケチミンは、ポリアミンから公知方法で得られる。
アミンは、なお他の基を有することもできるが、この基
は、アミンとエポキシ基との反応を損ねてはならず、ま
た反応混合物のゲル化を導いてもならない。
アミンとエポキシ基含有化合物との反応は、屡々既にこ
の物質の混合時に起こる。しかし、場合によつては適度
に高められた温度、例えば50〜150℃への加熱が望まれ
るが、反応は、低い温度及び高い温度でも可能である。
屡屡、反応の終結時に反応の終結に向つての温度は、完
全な反応を保証するために十分な時間で少なくとも僅か
に上昇させるのが好ましい。
エポキシ含有化合物との反応には、樹脂がカチオンの性
質をとる、すなわち樹脂がそれが酸の添加によつて可溶
性になる場合に電圧の影響下で塗料浴中で陰極に移動す
る少なくともかかる量のアミンが使用されるはずであ
る。大体において、樹脂の全エポキシ基は、アミンと反
応されることができる。しかし、水との接触でヒドロキ
シル基の形成下に加水分解する過剰のエポキシ基を樹脂
中に留めさせることもできる。
必要な水分散性を得るもう1つの方法は、マンニツヒ塩
基、すなわちエポキシ環との反応に適した基を有する適
当なフエノールと、ホルムアルデヒド及び第二アミンと
の反応生成物を成分Dとして使用することにある。それ
によつて、結合剤は、同時に自体架橋可能になる。
更に、アミンは、チエルニアク−アインホルン−ミカエ
ル(Tscherniac−Einhorn−Michael)−アダクトにより
エポキシ樹脂に付着させることができる。このアダクト
は、次の合成法で得られる。差当り、フエノールは、メ
チロール(メタ)アクリルアミドと反応され、チエニル
ニアク−アインホルン(Tscherniac−Einhorn)−中間
生成物に変わり、その後にこの二重結合にアミンが付加
される。最終生成物は、フエノール基により結合剤のエ
ポキシ基と反応させることができる。
アミンの塩は、前記アミンの代りに又はこのアミンと一
緒に使用することもできる。アミンの塩としては、第三
アミンの塩を使用することができる。本発明で使用する
ことができる、アミンの中和に適した酸は、硼酸又は硼
酸としての大きい解離定数を有する他の酸、有利に約1
×10-5よりも大きい解離定数を有する有機酸を包含す
る。好ましい酸は酢酸である。他の酢酸の例は、蟻酸、
乳酸、プロピオン酸、酪酸、塩酸、燐酸、硫酸及び炭酸
である。
アミン−酸塩のアミン分は、ヒドロキシルアミンの場合
と同様に置換されていなくとも置換されていてもよいア
ミンであり、この場合この置換分は、アミン−酸塩とポ
リエポキシ化合物との反応を損ねてはならず、反応混合
物をゲル化してはならない。好ましいアミンは、第三ア
ミン、例えばジメチルエタノールアミン、トリエチルア
ミン、トリメチルアミン、トリイソプロピルアミン等で
ある。他の適当なアミンの例は、米国特許明細書第3839
252号、第5欄、第3行〜第7欄、第42行、に記載され
ている。
アミン−酸塩混合物は、アミンと酸を公知方法で反応さ
せることによつて得られる。また、アミン−酸混合物
も、それが一般に酸塩の形成下で反応するとしても使用
することができる。
アミン−酸塩とポリエポキシ化合物との反応に対する反
応温度は、約10℃〜100℃の最低温度(この場合、反応
は、顕著な速度で進行する)、例えば室温又は一般に室
温よりも若干高い温度、ないし最高温度の間で変動する
ことができる。溶剤は、それが反応を良好に制御しうる
ために屡々添加されるとしてもこの反応の場合には不必
要である。溶剤としては、芳香族炭化水素又はエチレン
グリコールのモノアルキルエーテルがこれに該当する。
特殊な出発物質、量の割合及び反応条件は、良好に公知
の経験と一致して生成物のゲル化を反応の間に阻止する
ような程度に選択される。従つて、例えば過度に攻撃的
な反応条件は使用されない。同様に、エポキシ化合物と
反応することができる、反応性置換分を有する出発物質
は、利用されない。それというのも、この出発物質は、
反応に不利に影響を及ぼしうるからである。
本発明によれば結合剤を使用しながら高安定性被覆を得
るためには、電着塗装ラツカーに高められた温度で結合
剤の架橋を生ぜしめる架橋剤を添加するのが好ましいか
又は結合剤を、それが高められた温度で自体架橋を生ぜ
しめる反応性基を有するような程度に変性するのが好ま
しい。自体架橋する系は、有利に結合剤が部分的封鎖さ
れたポリイソシアネート(この場合、このポリイソシア
ネートは、1分子当り平均で1個の有利イソシアネート
基を有し、その封鎖されたイソシアネート基は、室温で
安定性であり、高められた温度で封鎖を解かれ、かつエ
ポキシ環の開環によつて生成されたヒドロキシル基と、
ウレタン形成下で反応する)と反応されていることによ
つて得ることができる。結合剤は、成分Dとしての既に
記載されたマンニツヒ塩基の装入によつて、自体架橋可
能であることができる。
結合剤を架橋するために屡々使用される方法は、例えば
次の刊行物に開示されている:西ドイツ国特許公開公報
第2057799号、欧州特許出願第12463号及び同第4090号な
らびに西ドイツ国特許公開公報第2752256号。
架橋剤を利用する場合には、それは、一般に結合剤に対
して約5〜約60重量%を成す。
好ましくは、結合剤に対して約20〜約40重量%である。
適当なアミノプラスト架橋剤の例は、ヘキサメチロール
メラミンのヘキサメチルエーテル、ヘキサメチロールメ
ラミンのトリエチルトリメチルエーテル、ヘキサメチロ
ールメラミンのヘキサブチルエーテルならびにヘキサメ
チロールメラミン及び高分子量ブチル化メラミンホルム
アルデヒド樹脂のヘキサメチルエーテルである。
尿素−アルデヒド架橋剤は、公知方法で、尿素及びアル
デヒドをレゾール段階にまで反応させ、この反応生成物
をアルコールで酸性条件下でアルキル化し、その際にア
ルキル化された尿素アルデヒド樹脂が得られることによ
り得ることができる。尿素アルデヒド樹脂を基礎とする
適当な架橋剤の1つの例は、ブチル化された尿素ホルム
アルデヒド樹脂である。
架橋剤としては、封鎖ポリイソシアネートを使用するこ
ともできる。本発明の場合、イソシアネート基が化合物
と反応されているような任意のポリイソシアネートを利
用することができ、したがつて形成された封鎖ポリイソ
シアネートは、ヒドロキシル基に対して室温で安定性で
あるが、高められた温度で一般に約90℃〜約300℃の範
囲内で反応する。封鎖ポリイソシアネートを得る場合に
は、架橋に適した、任意の有機ポリイソシアネートを使
用することができる。
本発明で架橋剤として当てはまる有機ポリイソシアネー
トは、例えばポリエーテルポリオール又はポリエステル
ポリオールを含めてポリオールから誘導されるプレポリ
マーであつてもよい。
ポリイソシアネートの封鎖には、任意の適当な脂肪族、
脂環式又は芳香族アルキルモノアルコールを使用するこ
とができる。他の適当な封鎖剤は、ヒドロキシルアミン
又は第二アミンである。
封鎖ポリイソシアネートは、封鎖剤の十分量を有機ポリ
イソシアネートと反応させることにより得られ、したが
つて遊離イソシアネート基は、もはや全く存在していな
い。有機ポリイソシアネートと封鎖剤との間の反応は、
発熱反応である。従つて、ポリイソシアネート及び封鎖
剤は、発熱効果に不利に利用させるために有利に80℃以
下、殊に50℃未満である温度で混合される。
本発明によれば、結合剤を使用しながら高安定性被覆を
得るためには、電着塗装ラツカーに高められた温度で結
合剤の架橋を生ぜしめる加架剤を添加するのが好ましい
か又は結合剤を、それが高められた温度で自体架橋を生
ぜしめる反応性基を有するような程度に変性するのが好
ましい。自体架橋する系は、有利に結合剤が部分的に封
鎖されたポリイソシアネート(この場合、このポリイソ
シアネートは、1分子当り平均で1個の遊離イソシアネ
ート基を有し、その封鎖されたイソシアネート基は、室
温で安定性であり、高められた温度で封鎖を解かれ、か
つエポキシ環の開環によつて生成されたヒドロキシル基
と、ウレタン形成下で反応する)と反応されていること
によつて得ることができる。
電着のための合成樹脂に十分にカチオンの性質を与える
ために、一般に中和可能な窒素は、全部の樹脂固体1g当
り有利に0.3〜3ミリ当量の間で保持される。
本発明によれば、合成樹脂生成物の水性分散液は、塗料
として、殊に電着による被覆を得るのに著しく好適であ
る。しかし、塗料は、常用の種類及び方法で基板上に設
けることもできる。水中での分散のためには、樹脂状生
成物は、カチオン基、例えば第三アミンの塩及び加水分
解されたケチミン含有樹脂の場合に第一アミンの塩を形
成させるために中和される。
この生成物の中和は、水溶性の酸、例えば蟻酸、酢酸又
は燐酸による一部又は全部のアミノ基の変換によつて得
られる。中和の程度は、特殊な樹脂によつて左右され、
一般に樹脂が水中で分散可能であるような程度の酸のみ
を添加することで十分である。
水性媒体中での樹脂状生成物の濃度は、使用すべき処理
パラメータによつて左右されるが、一般に重要ではな
い。通常、水は、水性分散液の主要分を形成する。水性
分散液は、例えば樹脂固体約5〜約50重量%を含有する
ことができる。
水性媒体は、水以外に凝集溶剤を含有することができ
る、多くの場合に塗膜の良好な外観は、凝集溶剤の共用
によつて達成される。このような溶剤は、炭化水素、ア
ルコール、エステル、エーテル及びケトンを包含する。
好ましい凝集溶剤は、モノアルコール、グリコール及び
ポリオールならびにケトン及びエーテルアルコールであ
る。詳細な凝集溶剤は、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソホロン、4−メトキシ−メチルペンタノン−
2、エチレングリコール及びプロピレングリコール、エ
チレングリコールのモノエチルエーテル、モノブチルエ
ーテル及びモノヘキシルエーテルならびに2−エチルヘ
キサノールである。凝集溶剤の量は、重要でないが、一
般に水性媒体の全重量に対して約0.1〜40重量%、有利
に約0.5〜25重量%で使用される。
大抵の場合には、水性分散液は、顔料及び他の常用の添
加剤、例えば界面活性剤をも含有する。常用の顔料、例
えば酸化鉄、酸化鉛、クロム酸ストロンチウム、カーボ
ンブラツク、カーボンダスト、二酸化チタン、タルク、
硫酸バリウム及び着色顔料、例えばカドミウムイエロ
ー、カドミウムレツド、クロムイエロー等を使用するこ
とができる。分散液の顔料含量は、一般に顔料対樹脂の
比で表わされる。本発明の場合、顔料対樹脂の比は、一
般に0.01〜5:1の範囲内にある。他の常用の添加剤は、
分散液中で一般に、樹脂固体の全重量に対して約0.01〜
3重量%の量で存在することができる。
合成樹脂の本発明による電着の場合、この合成樹脂は、
水性分散液中で導電性陽極及び導電性陰極と接触され、
この場合陰極は、被覆すべき表面である。水性分散液と
の接触の間、電圧を電極間に印加する際に塗料の付着す
る塗膜は、陰極上で析出される。
電着が行なわれる条件は、一般に他の塗料の電着に使用
されるものと同様である。通常、電圧は、約50〜500ボ
ルトの間にある。
分散液は、電着の間pH3〜約9を有するのが好ましい。
合成樹脂の本発明による電着は、任意の導電性基板、殊
に鋼、アルミニウム、銅又はマグネシウムのような金属
上で行なうことができる。電着後、被覆は、高められた
温度に加熱することによつて硬化させることができる。
そのためには、一般に90℃〜200℃の温度及び1〜30分
間の時間がこれに該当する。
迅速かつ完全な硬化を保証するためには、多くの場合触
媒を塗料中に有するのが好ましい。使用される触媒の量
は、沈着される塗膜の硬化を促進させるために十分でな
ければならない。典型的な量は、全樹脂固体の重量に対
して約0.05%〜約4%の量である。一般に、このような
触媒約2重量%が使用される。しかし、硬化温度が高く
十分である場合には、触媒は省略することができる。
参考例 架橋剤Iの製出 加熱装置、冷却器、撹拌機、温度計、洗浄装置に案内さ
れている出口導管及び窒素を導入する装置が装備されて
いる反応器に、トルイレンジイソシアネート12280部
(2,4−トルイレンジイソシアネート約80%及び2,6−ト
ルイレンジイソシアネート約20%からの混合物)を供給
する。窒素を導入し、冷却器を接続する。5時間の経過
中に2−エチルヘキサノール5550.5部を徐々に添加し、
この場合温度は、徐々に50℃に上昇する。50℃の温度を
保持する間、さらに2−エチルヘキサノール3649.5部を
4時間の経過中に添加する。この反応混合物を50℃で75
分間保持し、次に冷却器を遮断し、ジブチル錫ジラウレ
ート3.6部を添加する。加熱装置を接続し、反応混合物
を45分間の経過中に65℃に加熱する。2時間50分の経過
中に1,1,1−トリメチロールプロパン3184部を添加し、
この場合温度は65℃から120℃に上昇する。この反応混
合物をこの温度で90分間保持し、次に2−エトキシエタ
ノール部10560部を添加する。生成された生成物は、ポ
リウレタン架橋剤の溶液である。
架橋剤IIの製出 2−メチル−2−エチルヘプタン酸のグリシジルエステ
ル2340gを無水トリメリツト酸2073gと一緒に反応容器中
で130℃に加熱する。この場合、厳しい発熱反応が起こ
る。この反応は、酸価183が得られるまで外部冷却によ
つて150℃で保持される。その後に、90℃に冷却し、MIB
K1450gを添加する。引続き、酸化プロピレン835gを緩
徐に滴加する。この反応を酸価2で中止する。樹脂溶液
の固体を他のMLBKで70%に調節する。
*MLBK=メチルイソブチルケトン 弾性ポリフエノールIの製出 保護ガス導入管を有する適当な反応容器中にポリカプロ
ラクトンジオール500g(OH価210.9)及びp−ヒドロキ
シ安息香酸メチルエステル286gを装入する。この混合物
を140℃に加熱し、均質化する。その後に、オクタン酸
錫3.9gを添加し、180℃に加熱する。この場合、メタノ
ールの離脱が開始する。離脱の終結後、なお1時間180
℃で撹拌し、その後に生成物を冷却する。
弾性ポリフエノールIIの製出 ポリフエノールIの製出の場合と同様に実施するが、ポ
リカプロラクトンジオール(OH価152)の代りにポリテ
トラヒドロフランジオール695gを使用する。
弾性ポリフエノールIIIの製出 適当な反応器中にアジピン酸550g、ネオペンチルグリコ
ール262g、キシロール49g及びジブチル錫オキシド0.8g
を装入し、加熱する。132℃で水の分離が開始する。温
度を徐々に186℃に上昇させ、この温度を相当する水量
が遠心分離されるまで保持する(90g)。その後に100℃
に冷却し、p−アミノフエノール274gを添加する。次
に、温度を再び上昇させ、162℃で再び水の離脱を開始
する。温度を徐々に185℃に上昇させ、この温度を水45g
が離脱されるまで一定に保持する。その後に、キシロー
ルを留去する。弾性結合剤を樹脂中に導入するために、
ポリフエノールを100℃に予熱する。
結合剤Iの製出 適当な反応容器中にビスフエノールAを基礎とする市販
のエポキシ樹脂918g(エポキシ当量188)、ポリフエノ
ールI278g及びキシロール79gを装入し、加熱する。141
℃でジメチルベンジルアミン2.2mlを添加する。温度
は、発熱反応によつてさらに上昇する(165℃)。この
温度をエポキシ当量490が得られるまで保持する。次
に、ビスフエノールA332gを添加し、さらにジメチルベ
ンジルアミン2.2mlを後添加する。沈着は、160℃でエポ
キシ当量1240が得られるまで実施される。次に、架橋剤
I1178g、ケチミン100g及びメチルエタノールアミン72g
を添加する。反応を115℃で1時間さらに実施し、その
後にヘキシルグリコール169gを添加し、15分間混合す
る。その間に、脱イオン水1401g、永酢酸27.4g及び消泡
剤溶液30.7gから分散浴を調製する。その中に上記樹脂
溶液2500gを分散させる。1時間後、脱イオン水1702gを
添加し、30分間混合する。引続き、分散液を濾過する。
この分散液は、次の特性値を有する: 固体30′、150℃ 33.5% pH価 7.1 MEQ−酸 0.2841 MEQ−塩基 0.6040 結合剤IIの製出 結合剤Iに対する方法に相当して作業するが、この場合
には、弾性ポリフエノールII及び架橋剤IIが使用され
る。
エポキシ樹脂(EEW 188) 813部 ポリフエノールII 485部 キシロール 70部 ジメチルベンジルアミン 1.7部 ビスフエノールA 247部 ジメチルベンジルアミン 3.5部 架橋剤II 1178部 ケチミン 88部 メチルエタノールアミン 64部 ヘキシルグリコール 137部 樹脂溶液 2500部 脱イオン水 1452部 氷酢酸 27部 乳化剤溶液 31部 脱イオン水 1723部 この分散液をその製造後に真空中で60℃に加熱する。こ
の場合には、有機相305gが取出される。冷却後、この分
散液を濾過する。この分散液は、次の特性値を有する: 固体30′、150℃ 37.4% pH価 6.9 MEQ−酸 0.3045 MEQ−塩基 0.5821 結合剤IIIの製出 結合剤Iに対する方法に相当して作業するが、この場合
には、弾性ポリフエノールIIが使用される。
エポキシ樹脂(EEW 188) 855部 ポリフエノールIII 425部 キシロール 74部 ジメチルベンジルアミン 1.8部 ビスフエノールA 259部 ジメチルベンジルアミン 3.6部 架橋剤I 1178部 ケチミン 93部 メチルエタノールアミン 67部 ヘキシルグリコール 138部 樹脂溶液 2500部 脱イオン水 1444部 氷酢酸 28部 乳化剤溶液 1719部 分散液IIIの特性値 固体30′、150℃ 35.6% pH価 7.2 MEQ−酸 0.2989 MEQ−塩基 0.6103 灰色の練り顔料の製出 エポキシ当量8%を有するビスフエノールAを基礎とす
る市販のエポキシ樹脂953部にブチルグリコール800部を
添加する。この混合物を80℃に加熱する。次に、この樹
脂溶液中にジエタノールアミン101部及び80%の乳酸水
溶液120部からの反応生成物221部を加える。この反応を
80℃で酸価が1よりも低い値に減少するまで実施する。
この生成物1800部を脱イオン水2447部と一緒に装入し、
TiO22460部、珪酸アルミニウムを基礎とする増量剤590
部、珪酸鉛135部及びカーボンブラツク37部と混合す
る。この混合物を粉砕装置中でヘークマン(Hegmann)
−純度5〜7に粉砕する。その後に、所望のペースト稠
度を得るために、脱イオン水1255部を添加する。この灰
色のペーストは、著しく貯蔵安定性である。
実施例 電着塗装浴の調製及びラツカー塗膜の析出 前記結合剤分散液それぞれ2000重量部を灰色の練り顔料
775重量部と混合する。浴固体を脱イオン水で20%(150
℃、30′)に調節する。次に、この浴を撹拌しながら3
日間熟成する。ラツカー塗膜の析出は、燐酸亜鉛処理さ
れた薄板上で2分間行なわれる。この場合、浴温度は、
27℃である。析出された塗膜を180℃で20分間焼付け
る。
フロントページの続き (72)発明者 ゲオルク・シエーン ドイツ連邦共和国エーフエルスヴインケ ル・シラーシユトラーセ 2 (56)参考文献 特開 昭58−215417(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極として接続された導電性基板を少なく
    とも部分的に酸で中和されたカチオン性結合剤を基礎と
    する水性浴により電着塗装する、その際に結合剤は1分
    子当たり平均で1個の遊離イソシアネート基を有しかつ
    封鎖されたイソシアネート基が室温で安定性である部分
    的封鎖されたポリイソシアネートとの反応によって自体
    架橋しうるようになっているか、または浴は付加的に架
    橋剤を含有する方法において、該結合剤は、 A) 少なくとも350の分子量を有するエポキシ樹脂を B) 350を越える分子量を有する弾性ポリフェノール
    と、エポキシ基に添加しながら反応させ、A)及びB)
    からの反応生成物を C) 必要な水分散性を達成させるために第一アミン及
    び/又は第二アミン又はアンモニウム塩とさらに反応さ
    せることよりなる反応生成物であることを特徴する、基
    板を電着塗装する方法。
  2. 【請求項2】成分A)がビスフェノールAを基礎とする
    エポキシ樹脂である、特許請求範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】成分A)がポリグリシジルエステルであ
    る、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】成分Bが次の一般式: [式中、 Xはアルキレン、アリーレン、アルカリーレン、O,O−
    アルキレン、O−アリーレン、O−アルカリーレン、S,
    S−アルキレン、S−アリーレン、S−アルカリーレ
    ン、−CO−、CO−アルキレン、CO−アリーレン、CO−ア
    ルカリーレン、−SO2−、SO2−アルキレン、SO2−アリ
    ーレン、SO2−アルカリーレン、NH、MHX−アルキレン、
    NH−アリーレン、NH−アルカリーレンを表わし、 Xは0又は1を表わし、 YはX、 を表わし、 Zはアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリア
    ミド、ポリカーボネート、ポリウレタンを基礎とするア
    ルキレンを表わし、 RはH、CH3、アルキル、−O−CH3−、−O−アルキ
    ル、−NO2−、−NR′−、NR′R″、−NHCOR″を表わ
    す]に相当する、特許請求の範囲第1項から第3項まで
    のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】成分B)の含量が全結合剤に対して10〜50
    重量%である、特許請求の範囲第1項から第4項までの
    いずれか1項に記載の方法。
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