JPH0651412B2 - インサータ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、プリンタに接続し、このプリンタの印字ヘ
ッドとプラテンとの間を通して、このプラテン上に単票
又は多部紙をセットするインサータに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来インサータでは、単票又は多部紙をプリンタのプラ
テン上へと給送する対の回転体は、全て、給送方向に向
けて設けられ、特別なしわとり機構は設けられていなか
った。一方、インサータ以外のプリンタその他の紙送り
機構では、給送方向に向けて設けたプラテンを用紙の印
字背面側に設け、給送方向外側を向く、しわとり用の回
転体を用紙の印字面側に設けていた。

〔従来技術の欠点〕 このように従来のインサータには、単票又は多部紙のし
わとり機構がなかったため、単票又は多部紙ををプリン
タのプラテン上にセットする際、単票又は多部紙にしわ
が生じて、印字ヘッドで印字した時、ゴーストその他の
印字障害が発生する原因となっていた。

一方、インサータ以外のプリンタその他の紙送り機構に
は、上述のようなしわとり機構が設けてあるが、これは
単票をセットするプラテン上で単票のしわをのばそうと
するものであるため、このプラテンに単票を給送する給
送手段が妨げとなり、しわをとりずらいという問題点が
あった。

又、多部紙に関して言えば、上述のインサータ以外のプ
リンタその他の紙送り機構に設けられた、しわをのばす
回転体によって多部紙の印字面側にある紙のしわをのば
しても、多部紙の印字背面側、すなわち、下の方の紙に
しわや、しわが原因となった紙折れがあると、その紙よ
り上にある紙全てに、ゴーストその他の印字障害が発生
するといった欠点があるため、単票だけでなく多部紙を
も給送するインサータには、上述のしわとり機構は不向
きであるという問題点があった。

〔発明の目的〕

本発明は、従来の多部紙には不向きであるとされてきた
しわとり機構を、多部紙を給送するインサータにおいて
実現すると共に、しわとり機構そのものについても、よ
りしわをとり易くすることを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するため、インサータにおい
て給送方向を向いた第１の回転体と、この第１の回転体
と共に、プリンタの印字ヘッドとプラテンとの間を通
り、このプラテン上にセットされる単票又は多部紙のお
おむね両側縁部を圧接する少なくとも２つ以上の第２の
回転体を設け、この第２の回転体のうち少なくとも１つ
の回転体を給送方向外側に向けた。更に、プリンタの印
字ヘッドとプラテンの間を通して、単票又は多部紙をプ
ラテン上にセットするまでの給送経路上で、且つ、印字
ヘッドの位置する単票又は多部紙の印字面側に上述の第
１の回転体を設けると共に、単票又は多部紙をプラテン
上にセットするまでの給送経路上で、且つ、プラテンの
位置する単票又は多部紙の印字背面側に上述の第２の回
転体を設けた。

〔発明の実施例〕

以下、第１図〜第５図を参照して、本発明の一実施例に
ついて述べる。

＜構成＞ まず構成について説明する。

本実施例のインサータＢは、第１図に示すように、この
インサータＢを接続したプリンタＡのローラ１５によっ
て、プラテン１に圧接されながらプラテン１上にセット
された後、プリンタＡの印字ヘッド１７で印字される多
部紙３を保持するガイド手段２９と、このガイド手段２
９によって保持された多部紙３を、しわをのばしてプラ
テン１へと給送する給送手段２７と、この給送手段２７
を動かす駆動部３９とによって構成してある。

第１図に示すようにガイド手段２９は、ガイド板５,７,
９と、軸３３と、支持板３１,４１によって構成されて
いる。ガイド板５は、後述の駆動ローラ１３と従動ロー
ラ１１と共に軸３３に沿って移動自在に設けてあり、多
部紙３をそのサイズに応じて左右両側から保持すると共
に、前後からも保持する機能を持たせてある。ガイド板
７,９は、それぞれ支持板４１,３１に沿って移動自在に
設けてあり、多部紙３を、そのサイズに応じて前後から
保持する機能を持たせてある。

第１図及び第２図に示すように、給送手段２７は駆動ロ
ーラ１３と支持板１９と従動ローラ１１と支持板２１と
から構成してある。支持板１９によって給送方向に向け
て支持された駆動ローラ１３は、上述の駆動部３９から
駆動を受け、正逆両方向に回転する構造にしてある。支
持板２１によって支持された従動ローラ１１は、バネ
(図示せず)力によって駆動ローラ１３と共に多部紙３の
おおむね両側縁部を圧接し、多部紙３をプリンタＡのプ
ラテン１へと給送する構造にしてある。又、従動ローラ
１１の支持板２１にあけた軸穴のうち給送経路の内側の
軸穴２５は、第２図に示すようにスリット状になってお
り、駆動ローラ１３が正逆どちらに回転しても、従動ロ
ーラ１１が給送方向外側を向くようにしてある。これに
よって従動ローラ１１には、上述の多部紙３を給送する
機能の他に、多部紙３がプラテン１上にセットされる前
に、多部紙３のしわをとる機能を持たせてある。

第２図に示すように、本実施例のインサータＢでは、印
字ヘッド１７の位置する多部紙３の印字面側に駆動ロー
ラ１３を設け、プラテン１の位置する多部紙３の印字背
面側にしわをのばす従動ローラ１１を設けてある。これ
は従来インサータ以外のプリンタその他の紙送り機構に
見られるように、しわをのばす従動ローラ１１を用紙の
印字面側に設け、駆動ローラ１３を用紙の印字背面側に
設けるという構成を、第３図に示すようにインサータに
用いた場合、第５図に示すように、多部紙３の印字ヘッ
ド１７側の紙のしわがとれてもプラテン１側にしわがあ
れば、しわのあるプラテン１側の紙はもちろん、従動ロ
ーラ１１によってしわをのばした紙にも、ゴーストその
他の印字障害が生ずるのに対し、駆動ローラ１３と従動
ローラ１１を上述の第２図に示すように配置することに
より、第４図に示すように印字ヘッド１７側の紙にしわ
があっても、プラテン１側の紙のしわをとることで、少
なくともしわのない全ての紙には、ゴーストその他の印
字障害が起こらないようにするためである。

第１図に示すように駆動部３９は、モータ３５と駆動伝
達ベルト３７とによって構成してある。モータ３５は、
制御部(図示せず)からの指示により、正逆両方に回転す
る機能を有する。そして、この回転は、駆動伝達ベルト
３７を通じて駆動ローラ１３に伝わる構造にしてある。

＜動作＞ このような構成において、この装置は次のように動作す
る。

ガイド板５によって左右及び前後を保持されると共に、
ガイド板７,９により、更に、前後を保持された多部紙
３は、スイッチ(図示せず)を押すことにより、モータ３
５から駆動を受けた駆動ローラ１３と、これに追従する
従動ローラ１１により、しわをのばされながら、プラテ
ン１方向に給送される。プラテン１方向に給送された多
部紙３は、ローラ１５と給送方向に回転するプラテン１
との間を圧接されながら、更に給送される。センサ(図
示せず)が多部紙の先端を探知すると、駆動ローラ１３
とプラテン１は回転を停止し、プラテン１上へのセット
は完了する。

多部紙３がプラテン１上にセットされると、印字ヘッド
１７によって印字がなされる。そして、多部紙３に１行
印字されるごとに、駆動ローラ１３とプラテン１は、１
行分多部紙３を上にあげていくと共に、従動ローラ１１
は回転軸２３の給送経路内側の一端が軸穴２５に沿って
セット時とは逆に移動することにより、従動ローラ１１
はセット時と同様、印字時にも多部紙３のしわをとる。

＜実施例の効果＞ 以上説明した実施例によれば、次のような効果が得られ
る。

(１) プリンタＡの印字ヘッド１７側に給送方向を向
いた駆動ローラ１３を設け、プラテン１側に給送方向外
側を向く従動ローラ１を設けることによって、多部紙を
給送するインサータには従来不向きとされていたしわと
り機構をインサータに設けることができる。

(２) プラテン１上に多部紙３をセットするまでの給
送経路上に給送方向外側を向いて多部紙３のしわをとる
従動ローラ１１を設けたことで、従来プラテン１上でし
わをとっていたプリンタその他の紙送り機構以上にしわ
がとり易くなった。

(３) ガイド板５,７,９をそれぞれ軸３３、支持板４
１,３１に沿って移動自在に設けたことにより、多部紙
３のサイズに応じて、適切な位置にガイド板をもってく
ることができ、多部紙３がスキューするのをより効果的
に防止することができる。

〔変形例〕

以上、この発明の一実施例について説明したが、この発
明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば次の
ような変形が可能である。

(１) 本実施例において、従動ローラ１１は回転軸２
３の給送経路内側の一端が軸穴２５内を移動することに
より、正逆両給送時にも、多部紙３のしわをとるように
していたが、正給送時には従動ローラ１１が給送方向外
側を向き、逆給送時には、従動ローラ１１が逆給送方向
に向くように軸穴２５を設けて、正給送時のみ多部紙３
のしわをとるようにしてもよい。

(２) 本実施例において、従動ローラ１１は、回転軸
２３が軸穴２５内を移動することにより、向きを変えて
いたが、従動ローラ１１内にあけた回転軸２３を通す穴
の形状、及び、従動ローラ１１の形状を変えることによ
り、回転軸２３そのものは移動しなくとも従動ローラ１
１の向きが変わるようにしてもよい。

(３) 本実施例のインサータＢは、多部紙３をプリン
タＡのプラテン１に給送した後、印字ヘッド１７で印字
する際は、多部紙３をセット時とは逆方向に給送するス
イッチバック式のものであったが、多部紙３をプリンタ
Ａのプラテン１に給送しながら印字ヘッド１７で印字を
するスルー式のものであってもよい。

〔発明の効果〕

この発明は、プリンタのプラテン上に単票又は多部紙を
セットするまでの給送経路上で、且つ、プリンタの印字
ヘッドの位置する単票又は多部紙の印字面側に、給送方
向を向いた第１の回転体を設け、同じくプリンタのプラ
テン上に単票又は多部紙をセットするまでの給送経路上
で、且つ、プラテンの位置する単票又は多部紙の印字背
面側に、単票又は多部紙のおおむね両側縁部を圧接し、
少なくとも１つは給送方向外側を向く、少なくとも２つ
以上の第２の回転体を設けたことにより、従来、多部紙
には不向きとされてきたしわとり機構を、多部紙を給送
するインサータにおいて実現すると共に、しわとり機構
そのものについても、よりしわをとり易くするという効
果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図はこの発明の一実施例を示したもので、
各図は次のものを表している。 第１図はプリンタと接続した時の全体図である。 第２図〜第５図は多部紙のしわとりについて示した断面
図である。 Ｂ……インサータ、１……プラテン ３……多部紙、１１……従動ローラ １３……駆動ローラ、１７……印字ヘッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給送方向を向いた第１の回転体と、この第
   １の回転体と共に、プリンタのプラテン上にセットされ
   る単票又は多部紙のおおむね両側端部を圧接する少なく
   とも２つ以上の第２の回転体とを備えたインサータにお
   いて、上記第２の回転体のうち、少なくとも１つは、給
   送方向外側に向けたことと、プリンタの印字ヘッドと上
   記プラテンとの間を通して、上記プラテン上に上記単票
   又は多部紙をセットするまでの給送経路上で、且つ上記
   印字ヘッドの位置する上記単票又は多部紙の印字面側に
   上記第１の回転体を設けたことと、同じく、上記プラテ
   ン上に上記単票又は多部紙をセットするまでの給送経路
   上で、且つ上記プラテンの位置する上記単票又は多部紙
   の印字背面側に上記第２の回転体を設けたことを特徴と
   するインサータ。