JPH0651208B2 - 長尺物の連続曲げ加工装置、連続曲げ加工方法およびフープ筋の加工方法 - Google Patents

長尺物の連続曲げ加工装置、連続曲げ加工方法およびフープ筋の加工方法

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JPH0651208B2
JPH0651208B2 JP63182872A JP18287288A JPH0651208B2 JP H0651208 B2 JPH0651208 B2 JP H0651208B2 JP 63182872 A JP63182872 A JP 63182872A JP 18287288 A JP18287288 A JP 18287288A JP H0651208 B2 JPH0651208 B2 JP H0651208B2
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拓一郎 石原
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石原機械工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、軸線方向に進退自在なセンターガイドを備
え、センターガイドを、不要時、後退させることによっ
て、長尺物の連続的な曲げ加工を可能とした長尺物の連
続曲げ加工装置および連続曲げ加工方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に、長尺物の曲げ加工装置において、鉄筋、鉄パイ
プのような長尺物は、センターローラのようなセンター
ガイドと、センターガイドの回りを回動可能な曲げロー
ラとの間に配設される。そして、曲げローラがセンター
ガイドの回りを回動(公転)することによって、長尺物
を所望の角度に曲げている。ここで、曲げ加工時、セン
ターガイド、曲げローラ間に挟持されて曲げられる長尺
物は、側方に逃げようとするため、ストッパに長尺物を
当接させて、長尺物の逃げを防止している。
曲げ加工として、直角曲げ(90°曲げ)、フック曲げ
(135°曲げ)、アンカー曲げ(180°曲げ)等があり、
長尺物については、これらの曲げ加工を連続的に行なう
連続曲げ加工が、多くの場合、行なわれている。たとえ
ば、鉄筋の両端をアンカー曲げすれば、アンカー筋(第
11図(A)参照、曲げ加工数:2)が成形される。ここ
で、曲げ角度を135°とすれば、第11図(A)に一点鎖線で
示すように、両端に135°のフックが形成され、2つの
フック曲げに2つの直角曲げを組合せると、スタラップ
筋(第11図(B)参照、曲げ加工数:4)が、成形され
る。また、2つのフック曲げに3つの直角曲げを加える
と、フープ筋(第11図(C)参照、曲げ加工数:5)が成
形される。そして、アンカー筋、スタラップ筋、フープ
筋は、柱筋として、広く使用されている。
なお、第11図(A),(B),(C)に示す形状のアンカー筋、
スタラップ筋、フープ筋は、一例であり、135°のフッ
クをアンカー筋の端部に設けてもよい。また、135°の
フックが一般的とはいえ、90°、180°のフックを、ス
タラップ筋、フープ筋の端部に設けてもよい。
このような連続的な曲げ加工を効率よく行なうために、
センターガイド、曲げローラを備えたベンダーヘッド
を、メインフレーム上に並設した長尺物の連続曲げ加工
装置が、知られている。通常行なわれる連続曲げ加工と
しては最も加工数の多いフープ筋(加工数:5)に対応
して、一般に、連続曲げ加工装置は、5つのベンダーヘ
ッドを並設した、いわゆる、ファイブヘッドタイプに構
成されている。この種の連続曲げ加工装置では、ベンダ
ーヘッドのセンターガイドは軸線方向に進退自在に構成
される。そして、長尺物の送りを妨げないように、曲げ
加工を行なわないベンダーヘッドのセンターガイドは後
退されて、曲げ加工での長尺物の軌跡(長尺物の曲げ軌
跡)から除かれる。
このような構成の長尺物の連続曲げ加工装置によって、
たとえば、フープ筋は以下のようにして成形される。
成形されるフープ筋のフック、短辺、長辺の長さをそれ
ぞれa,X,Yとすれば(第11図(C)参照)、5つのベンダー
ヘッド114-1〜114-5は、フープ筋の形状に応じて、第12
図に示すように、所定距離、つまり、距離a′,Y′,X′,
Y′,X′,a′それぞれ離反して並設される(第12図(A)参
照)。
5つのベンダーヘッド114-1〜114-5を所定位置に設定し
た後、まず、全てのセンターガイド22を前進させたま
ま、両端のベンダーヘッド114-1,114-5の曲げローラ24
を約135°相反する方向に回動させると、鉄筋の両端が1
35°折曲されて、両端のフック曲げが同時に行なわれる
(第12図(B)参照)。
その後、両サイドのベンダーヘッド114-1,114-5のセン
ターガイド22を後退させて、鉄筋の曲げ軌跡から除去し
た後、(後退位置にあるセンターガイドは、×で示す、
第12図(C)参照)、2番目、4番目のベンダーヘッド114
-2,114-4の曲げローラをそれぞれ約90°回動させれば、
2つの直角曲げが同時になされる(第12図(D)参照)。
さらに、ベンダーヘッド114-2のセンターガイド22を後
退させ(第12図(E)参照)、中央のベンダーヘッド114-3
の曲げローラ24を約90°回動させて最後の直角曲げを行
なえば、所望のフープ筋が成形される。
このような連続曲げ加工装置によれば、センターガイド
の進退動作、曲げローラの回動動作を適当に制御するこ
とによって、鉄筋のような長尺物が連続的に曲げられ、
長尺物の連続曲げ加工が迅速、容易に行なえる。そし
て、加工の複雑なフープ筋も、ベンダーヘッドを加工中
移動させることなく、容易に成形される。
また、両端のベンダーヘッド114-1,114-5を、フック曲
げの後、2番目、4番目のベンダーヘッド114-2,114-4
の位置に移動させて、直角曲げを行なってもよい。この
ような構成では、ベンダーヘッド114-2,114-4が省略で
き、長尺物の連続曲げ加工装置は、3つのベンダーヘッ
ドを備えれば足り、スリーヘッドタイプに構成できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
5つのベンダーヘッドを並設した構成(ファイブヘッド
タイプ)では、ベンダーヘッド、鉄筋が、加工品の最終
形状に応じた所定位置に一旦設定されれば、曲げ加工
中、長尺物に送りを加えたり、ベンダーヘッドを移動さ
せることなく、連続的な曲げ加工が行なえ、加工の複雑
なフープ筋も迅速、容易に成形される。しかし、ベンダ
ーヘッドが5つも必要となるため、長尺物の連続曲げ加
工装置が、構成的に複雑化するとともに、安価に生産で
きない。
また、ファイブヘッドタイプでは、センターのベンダー
ヘッドから左右に寸法をとって、第2、第4のベンダー
ヘッドの位置を設定し、それから、さらに、左右に寸法
を取って第1、第5のベンダーヘッドの位置を設定しな
ければならない。そのため、位置決めが煩雑で時間を要
する。また、最初の寸法どりを間違えると、全部をやり
なおさなければならない。さらに、誤差が積算され、大
きな誤差が最外方のベンダーヘッド(第1、第5のベン
ダーヘッド)に生じて、正確な位置決めが難しい。
これに対して、両端のベンダーヘッドを、曲げ加工中に
移動させる構成とすれば、3つのベンダーヘッドから長
尺物の連続曲げ加工装置が構成できる。このスリーヘッ
ドタイプでは、フック曲げを行なう両端の位置と、直角
曲げを行なう内方位置との間で、両端のベンダーヘッド
を、曲げサイクル毎に、一度ずつ往復動すれば、フープ
筋が成形できる。
ところで、フープ筋は、中程度のビルの建築工事におい
ても、5,000〜30,000本程度必要とされ、5本ずつ同時
に加工するとしても、1,000〜6,000回の曲げサイクルが
繰り返される。そのため、曲げサイクルの数に対応し
て、両端のベンダーヘッドを、1,000〜6,000回、往復動
させる必要がある。このようなベンダーヘッドの手動に
よる調整は、煩雑であり、高い作業性が確保できない。
さらに、公知の長尺物の連続曲げ加工装置では、長尺物
の送りだけでなく、ベンダーヘッドの送りも手動で調整
されており、正確な位置決めが容易に行なえず、高い加
工精度が得られない。
両端のベンダーヘッドを制御手段によって機械的に移動
するように構成すれば、ベンダーヘッドを手動で移動さ
せる構成での欠点が解消できる。しかし、センターガイ
ド、曲げローラを備えたベンダーヘッドは、比較的重
く、重いベンダーヘッドの往復動を正確に制御しなけれ
ばならない。そのため、比較的大きく、精度の高いモー
タを有してベンダーヘッドの制御手段を構成する必要が
あり、長尺物の連続曲げ加工装置が、構成的に複雑化
し、安価に生産できない。
また、矩形比(長辺/短片)の大きな、いわゆる短長辺
形のフープ筋が、建築物の壁構造等として最近多用され
ている。ここで、短片を小さくすれば、薄いフープ筋が
得られ、薄い壁構造が可能となる。しかし、ベンダーヘ
ッドが構造的に大きいため、フープ筋の短片として200m
m程度が限界とされ、壁構造の一層の薄型化の障害とな
っている。
また、スリーヘッドタイプで、一旦位置決めした後、加
工中、移動することなく、ベンダーヘッドの数である3
を越えた、たとえば、加工数5の加工を行なえる長尺物
の連続曲げ加工装置はない。
この発明は、スリーヘッドタイプにも拘らず、両端のベ
ンダーヘッドを所定位置に一旦設定すれば、長尺物に送
りを加えるだけで、一連の曲げ加工が連続して行なえる
長尺物の連続曲げ加工装置および連続曲げ加工方法、た
とえば、フープ筋の加工方法の提供を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、たとえば、この発明の長尺物
の連続曲げ加工装置によれば、3つのベンダーヘッドの
うち、両サイドのベンダーヘッドが、中央のベンダーヘ
ッドを挟んで、ほぼ対称位置に移動可能に配設される。
たとえば、両サイドのベンダーヘッドは、相反する方向
におねじの切られたドライブシャフトを利用して、同期
してほぼ対称に移動可能に構成される。そして、長尺物
を挟持し、搬送するスライディングクランプが、メイン
フレームにスライド可能に設けられる。
〔作用〕
このような構成によれば、両端のベンダーヘッドを所定
位置に一旦設定すれば、スライディングクランプによっ
て、長尺物を所定距離往復動するだけで、長尺物の連続
曲げ加工が行なえ、曲げ加工中、両端のベンダーヘッド
を移動する必要がなくなる。
〔実施例〕 以下、図面を参照しながらこの発明の実施例について詳
細に説明する。
第1図に示すように、この発明に係る長尺物の連続曲げ
加工装置10は、型鋼等を組合せて形成されたメインフレ
ーム12を具備し、このメインフレーム上に、ベンダーヘ
ッド14、ドライブシャフト16、スライディングクランプ
18、位置検出手段49等が配設されている。
3つのベンダーヘッド14(14-1〜14-3)が、メインフレ
ーム12の長手方向に並設され、両サイドのベンダーヘッ
ド14-1,14-3はメインフレーム上を移動可能に、中央の
ベンダーヘッド14-2はメインフレームに固定して、それ
ぞれ設けられている。
第2図、第3図を見るとよくわかるように、各ベンダー
ヘッド14は、ほぼ水平に配設されて軸線方向に進退可能
なセンターガイド、たとえば、センターローラ22と、セ
ンターローラの回りを回動(公転)する曲げローラ24と
を備えて構成されている。センターローラ22はシリンダ
25のピストン26の先端の回りに遊嵌されたカラー23を持
ち、ガイド孔28がピストン先端面の中央に穿設されてい
る。しかし、小径の長尺物に対しては、カラー23を除去
し、ピストン26をセンターガイドとして利用してもよ
い。また、ガイド孔28に遊嵌されるガイドピン30が、ガ
イド孔に対向して、ブラケット13に設けられている。セ
ンターローラ22は、ピストン26の前進、後退(進退)に
伴って軸線方向に移動し、前進位置において、ガイドピ
ン30が、センターローラのガイド孔28に遊嵌してセンタ
ーローラを支持する。そのため、センターローラ22は両
持ち梁形状となり、側方からの押力に対して大きな抵抗
力を持つ強固な構造が得られる。
第3図に示すように、曲げローラ24はシャフト32に回転
可能に装着され、曲げローラの脱落を防止するように、
ストッパ34がシャフトの先端面に固定されている。シャ
フト32は、止めねじ36によって、クランクアーム38に固
定されている。クランクアーム38は、ピストン26の先端
で、センターローラのカラー23の回りに遊嵌され、ギヤ
40が、キー39によって、クランクアームに固定されてい
る。そして、モータ42のモータシャフト44に固定された
ギヤ46が、ギヤ40に噛合されている。このような構成で
は、モータ42の駆動力は、モータシャフト44、ギヤ46,4
0を介してクランクアーム38に伝達されて、クランクア
ームを揺動し、クランクアームの揺動に伴って、曲げロ
ーラ24は垂直面内でセンターローラ22の回りを回動され
る。
なお、外径の異なる複数の曲げローラ24が準備される。
そして、センターローラ22との間で鉄筋48を確実に挟持
したまま曲げるように、鉄筋48の径の大小に応じて、最
適な曲げローラ24が、選択され、ローラシャフト32に取
付けられ、曲げローラ24、センターローラ22の最適な組
合せによって、曲げ加工が行なわれる。
長尺物、たとえば、鉄筋48をセンターローラ22、曲げロ
ーラ24間に配設し、センターローラ22を前進させて、ガ
イド孔28、ガイドピン30を遊嵌させた後、曲げローラ24
が回動して曲げ加工が行なわれる。たとえば、第4図
(A),(B)に示すように、センターローラ22の回りで曲げ
ローラ24が、たとえば、時計方向にほぼ135°回動する
と、曲げローラの回動に伴って、鉄筋48の端部が曲げら
れ、135°のフック48aとなる。ここで、曲げローラ24
が、垂直面内を上方に回動するため、水平面上に位置す
る鉄筋の端部は、垂直面で上方に曲げられ、垂直面上方
に移動する。なお、第1図からわかるように、実施例で
は、左サイド、中央のベンダーヘッド14-1,14-2の曲げ
ローラ24は時計方向に、右サイドのベンダーヘッド14-3
の曲げローラは反時計方向に回動するように、構成され
ている。
このように、鉄筋の折曲片(フック)48aが、水平面で
なく、垂直面、しかも、上方に移動する構成では、折曲
片にオペレータが接触して負傷する虞れが減少する。ま
た、折曲片48aの移動する軌跡が垂直面にあるため、水
平面でのデッドスペースが少なくなり、連続曲げ加工装
置10が小型化でき、据付け面積が小さくなる。
曲げ加工のとき、曲げローラ24が鉄筋48をセンターロー
ラ22に押圧しながら、回動するため、大きな押力が側方
からセンターローラに作用する。しかし、実施例では、
前進位置において、センターローラ22は、ガイドピン30
によって保持され、両持ち梁形状となっているため、側
方からの大きな押力に耐え、センターローラの変形、破
損が十分に防止される。
ドライブシャフト16は、第1図、第5図、第6図に示す
ように、中央の固定のベンダーヘッド14-2の下方でメイ
ンフレーム12に設けられて右方に延出している。このド
ライブシャフト16は、たとえば、外周面にねじ部17を持
ち、回転可能、しかし、軸線方向に対して移動不能に、
メインフレームの一対のブラケット12a間に架設されて
いる。ドライブシャフト16の左端に、モータ50のモータ
シャフト52が、カップリング51を介して、連結され、ド
ライブシャフトはモータの起動に伴って駆動され、回転
される。モータ50として、サーボモータ、パルスモータ
等を使用したり、モータにインバータを組合せて使用で
きる。
また、ドライブシャフトの回転数を検出し、モータ50と
協働してスライディングクランプ18の位置を調整するよ
うに、位置検出手段49が設けられている。実施例では、
位置検出手段49はエンコーダー53を備え、エンコーダー
は、カップリング54を介して、ドライブシャフト16の右
端に連結されている。エンコーダー53の検出したドライ
ブシャフト16の回転数はモータ50にフィードバックさ
れ、それによって、モータの回転を制御し、ドライブシ
ャフト上のスライディングクランプ18の動きを調整して
いる。
スライディングクランプ18は、ドライブシャフトのねじ
部17に噛合するめねじ部を内蔵してドライブシャフト上
に装着されている。そのため、モータ50を起動して、ド
ライブシャフト16を駆動、回転させると、ドライブシャ
フトの回転に伴なって、スライディングクランプ18はド
ライブシャフト上を右方または左方に移動される。ここ
で、スライディングクランプ18の移動距離はドライブシ
ャフト16の回転数に、その移動方向はドライブシャフト
の回転方向に依存する。なお、ガイドバー55が、一対の
ブラケット12a間にドライブシャフト16と平行に架設さ
れている。そして、軸受56を利用して、スライディング
クランプ18がガイドバー55に支持されている。このよう
に、ガイドバー55、ドライブシャフト16の双方に支持さ
れることによって、スライディングクランプ18は、回転
することなく、ガイドバーにガイドされて、ドライブシ
ャフト16上を移動される。スライディングクランプ18の
移動範囲は、メインフレーム12上のリミットスイッチ59
によって規制される(第6図参照)。
ドライブシャフト16は、ドライブシャフトの回転に連動
して、スライディングクランプ18を移動させる構成であ
れば足りる。たとえば、鋼球(ボール)を介在した、ボ
ールねじを、ドライブシャフト16、スライディングクラ
ンプ18間に形成した構成としてもよい。
スライディングクランプ18はサポートプレート57を持
ち、クランプ機構58が、第7図に示すように、サポート
プレート上に設けられている。そして、鉄筋48は、スラ
イディングクランプ18上のクランプ機構58に挟持され
て、スライディングクランプとともに移動し、所定距離
搬送される。
第8図、第9図に示すように、クランプ機構58は、軸線
方向に移動可能な遮蔽ブロック60と、遮蔽ブロック間で
鉄筋48を挟持する昇降可能な押圧ブロック62とを組合せ
て構成されている。つまり、フレーム64に、軸線方向移
動用シリンダ70、昇降用シリンダ72がそれぞれ固定さ
れ、シリンダのピストン71,73の先端に、遮蔽ブロック6
0、押圧ブロック62がそれぞれ固定されている。遮蔽ブ
ロック60の遊嵌される一対の角孔66が、対向してフレー
ム64に設けられ、一対のガイドピン68が左右両サイドか
ら角孔内にそれぞれ延出している。そして、ガイドピン
68の遊嵌される長溝状のガイド孔69が、遮蔽ブロック60
の左右両側面の先端から中央にかけてそれぞれ形成さ
れ、遮蔽ブロックは、ガイドピンにガイドされて軸線方
向で前後に円滑に移動される。
このように、軸線方向に移動可能な遮蔽ブロック60と、
昇降可能な押圧ブロック62とを組合せたクランプ機構58
では、簡単な構成にも拘らず、鉄筋48がそれらの間で確
実に挟持できる。また、構成が簡単なため、クランプ機
構58が容易にユニット化できる。
一点鎖線で示すように、大径の鉄筋48に対しては、スペ
ーサー67が遮蔽ブロック60の下面にボルト止めされる。
そのため、スペーサーとともに遮蔽ブロック60が挿通す
るように、角孔66は上下方向に十分な大きさを有して形
成されている。また、押圧ブロック62は、昇降用シリン
ダ72のピストン73に、たとえば、螺着によって固定され
たスペーサー76と、スペーサー上面の取付け孔77に嵌合
されたクッションゴム78とから形成されている。そし
て、押圧ブロック62の昇降をガイドする一対のガイドプ
レート79が、スペーサーの両サイドでフレーム64に設け
られている。
このように、クッションゴム78を設けた構成では、クッ
ションゴムの弾性を利用して、遮蔽ブロック60、押圧ブ
ロック62間で鉄筋48が確実に挟持できる。また、多数の
鉄筋48の径のバラツキも、クッションゴムの弾性によっ
て補償され、多数の鉄筋48が同時に確実に挟持できる。
なお、厚さの異なる多数の押圧ブロック62を準備し、鉄
筋48の径に応じて最適な押圧ブロック62を昇降シリンダ
のピストン73に取付ければ、ピストン73の延出距離を小
さくでき、鉄筋の挟持が迅速、確実に行なえる。
スライディングクランプ18に装着されたクランプ機構58
は、クッションゴム78の弾性を利用し、多数の鉄筋を確
実に挟持して、同一距離同時に送っている。
また、押圧機構74がベンダーヘッド14に設けられ、多数
の鉄筋48を同時に挟持して、曲げ加工時の鉄筋48の逃げ
を防止している。押圧機構74は、スペーサー76、クッシ
ョンゴム78の代りにL型のブロックをピストン73に螺着
した点を除き、クランプ機構58と同様な構成をしてお
り、L型のブロックの先端で鉄筋を押圧している。そし
て、ベンダーヘッド14の押圧機構74は、ストッパーとし
て機能する。実施例では、左サイド、中央のベンダーヘ
ッド14-1,14-2の曲げローラ24は時計方向に、右サイド
のベンダー14-3は反時計方向に回動可能に構成されてい
る。そのため、第1図において、昇降用シリンダ72の位
置からわかるように、押圧機構74は、ベンダーヘッド14
-1,14-2に対して右サイドに、ベンダーヘッド14-3に対
して左サイドにそれぞれ設けられている。
上記のように、中央のベンダーヘッド14-2を固定し、こ
のベンダーヘッドに隣接してドライブシャフト16をメイ
ンフレーム12に設けている。そのため、ドライブシャフ
ト16上のスライディングクランプのクランプ機構58に挟
持され、搬送される鉄筋48は、ベンダーヘッド14-2の位
置を基準として位置決めされる。従って、ベンダーヘッ
ド14-2に対して、鉄筋48の位置が相対的に設定でき、鉄
筋の送りが迅速、容易に調整できる。
ベンダーヘッド14-1〜14-3のうち、中央のベンダーヘッ
ド14-2がメインフレーム12に固定されているのに対し
て、両サイドのベンダーヘッド14-1,14-3は、中央のベ
ンダーヘッドを挟んで、ほぼ対称位置に移動可能に設け
られている。たとえば、ベンダーヘッド14-1,14-3は、
上記スライディングクランプ18のための搬送手段と同様
な構成によって、移動可能とされる。つまり、第5図、
第6図に示すモータ50、ドライブシャフト16、エンコー
ダ53の組合せが、たとえば、中央のベンダーヘッド14-2
の両サイドにほぼ対称に配設される。そして、スライデ
ィングクランプ18の代りに、可動のベンダーヘッド14-1
または14-3を、ドライブシャフト16にそれぞれ装着した
構成とすることができる。この構成では、ドライブシャ
フト16のねじれ方向は逆となり、モータ50を逆方向に駆
動することにより、ベンダーヘッド14-1,14-3は、鉄筋4
8の送り方向に沿って、同期して相反する方向に対称に
移動される。このように、ベンダーヘッド14-1,14-3を
相反する方向に同期して対称に移動しているため、ベン
ダーヘッド14-1,14-3は、ほぼ対称位置に常に移動され
る。
長尺物の曲げ加工においては、比較的大きな交差が認め
られているため、さほど厳格な対称性は要求されず、ほ
ぼ対称位置にあればよい。
また、1本のドライブシャフト16に、相反する方向のめ
ねじを切り、このドライブシャフトに1つのモータ50、
エンコーダー53を組合せて、ベンダーヘッド14-1,14-3
を対称位置に移動可能としてもよい。この構成では、ド
ライブシャフト16、モータ50、エンコーダ53が1つずつ
あれば足り、構成的に簡略化されるとともに、ベンダー
ヘッド14-1,14-3は、確実に対称に移動される。
無論、スライディングクランプ18について述べたよう
に、ボールねじをドライブシャフト16、ベンダーヘッド
14-1,14-3間に設けた構成としてもよい。
モータ50が起動し、ドライブシャフトが回転されると、
フレーム上の一対のレール82上を転動ローラ84が転動し
て(第3図参照)、ガイドバー55にガイドされ、ベンダ
ーヘッド14-1,14-3がメインフレーム上を、相反する方
向に同一距離だけ移動される。
さらに、第1図に示すように、長尺物の連続曲げ加工装
置10は、位置決めストッパー86と補助ホルダー88とを具
備している。実施例では、鉄筋48が右から左に搬送され
る構成となっているため、位置決めストッパー86、補助
ホルダー88は、左のベンダーヘッド14-1、右のベンダー
ヘッド14-3の左サイドでメインフレーム12にそれぞれ取
付けられている。位置決めストッパー86、補助ホルダー
88は、公知の構成をしており、右方から左方に搬送され
た鉄筋48の先端は、位置決めストッパーに当接して位置
決めされる。また、鉄筋48は、補助ホルダー88上を摺動
されて、左方に送られる。位置決めストッパー86、補助
ホルダー88の取付け位置は、手動で適宜調整できる。そ
して、実施例とは逆に、鉄筋48を左方から右方に搬送す
る場合、位置決めストッパー86、補助ホルダー88は、左
のベンダーヘッド14-1、右のベンダーヘッド14-3の右サ
イドにそれぞれ配設される。
第11図(C)に示す形状のフープ筋は、上記構成の連続曲
げ加工装置10により、以下のようにして成形される。
フープ筋の加工手順として種々考えられるが、上述した
公知の構成での加工手順と同様に、以下のように仮定す
る。
(1)まず、鉄筋両端のフック曲げは、ベンダーヘッド14-
1,14-3によって同時に行なう。
(2)次に、ベンダーヘッド14-1,14-3によって、鉄筋の両
サイドでの直角曲げを同時に行なう。
(3)最後に、ベンダーヘッド14-2によって、鉄筋中央の
直角曲げを行なう。
まず、曲げ加工される鉄筋48の長さ(L)を考慮し、ベン
ダーヘッド14-2が鉄筋のほぼ中央に位置するように、位
置決めストッパー86の位置が設定される。そして、たと
えば、5本の同一径の鉄筋48が、補助ホルダー88にのせ
られ、左方に押されて、鉄筋の先端が位置決めストッパ
ー86に当接される。なお、10mm径の鉄筋においては、9
本程度の鉄筋が補助ホルダー88に積載できる。
それから、ベンダーヘッド14-1,14-3用のモータ50を起
動し、ドライブシャフト16を駆動、回転させ、フックの
長さaに応じた長さa′だけ、鉄筋の先端および後端か
ら内方に位置するように、左右のベンダーヘッド14-1,1
4-3が同時に移動される(第10図(A)参照)。エンコーダ
ー53がドライブシャフト16の回転数を検出することによ
って、ベンダーヘッド14-1,14-3の移動距離が把握さ
れ、ベンダーヘッドが所定距離(実施例ではa′)移動
すると、モータ50は停止される。一旦所定位置に移動さ
れたベンダーヘッド14-1,14-3は、曲げ加工中、その位
置に固定され、再度移動する必要は全くない。なお、
a′はaにセンターローラ22の円周の1/4を加えた値と
なる(後述のX′,Y′もX,Y)にセンターローラ22
の円周の1/4を加えた値となる)。
そして、スライディングクランプ18に装着されたクラン
プ機構58の前後移動用シリンダ70を駆動し、ピストン71
を前進させ、ピストン先端の遮蔽ブロック60をフレーム
の角孔66に遊嵌させる(第8図、第9図参照)。する
と、遮蔽ブロック60によって、鉄筋48の上部が覆われ
る。その後、昇降用シリンダ72を駆動し、ピストン73、
押圧ブロック62を上昇させて、遮蔽ブロック60、押圧ブ
ロック間に鉄筋48を挟持する。スライディングクランプ
18のクランプ機構58は、曲げ加工中、鉄筋48を挟持し続
ける。また、ベンダーヘッド14-1〜-14-3に装着された
押圧機構74の昇降用シリンダ70を駆動させ、ピストン先
端のL型ブロックの先端で鉄筋を押圧する。
それから、ベンダーヘッド14-1〜14-3のうち、曲げ加工
を行なうベンダーヘッド14-1,14-3の各シリンダ25を駆
動して、ピストン26を前進させ、ピストン先端のガイド
孔28をメインフレームのガイドピン30に遊嵌させて、ベ
ンダーヘッドにおいても、鉄筋48の上方を覆う(第3図
参照)。被加工物(長尺物)が、直径10mm程度の小径の
鉄筋48とすれば、カラー23がピストン26に装着されず、
ピストンをセンターローラとして曲げ加工が行なわれ
る。
その後、モータ42を起動させると、モータの駆動力は、
モータシャフト44、ギヤ46,40を介して、クランクアー
ム38に伝達され、ピストン26の回りで、クランクアーム
が揺動される。クランクアーム38の揺動に伴って、曲げ
ローラ24が、センターローラ22との間に鉄筋48を挟持し
ながら、センターローラの回りを約135°回動される。
すると、鉄筋48の両端は垂直面で上方に曲げられ、フッ
ク48aが鉄筋の両端に形成される(第10図(B)参照)。曲
げローラ24の回動方向は、ベンダーヘッド14-1の曲げロ
ーラについて時計方向、ベンダーヘッド14-3の曲げロー
ラについて反時計方向となる。
ベンダーヘッド14-1,14-3について、曲げローラ24のシ
リンダ42を駆動し、ベンダーヘッド14-1,14-3の曲げロ
ーラ24を初期位置に復帰させる。また、ベンダーヘッド
14-1について、センターローラのシリンダ25を駆動し、
ピストン26とともにセンターローラを後退させて、初期
位置に戻す。図面上での理解を容易にするために、初期
位置に後退したセンターローラ22を×で示す。ベンダー
ヘッド14-1のセンターローラ22の後退によって、鉄筋端
部のフック48aの搬送路上での障害物がなくなり、右方
への鉄筋の搬送(送り)が可能となる。また、ベンダー
ヘッド14-1〜14-3の各押圧機構74のシリンダ70,72を駆
動し、L型ブロックを下降させて、鉄筋48の押圧を解除
し、ベンダーヘッド14-1〜14-3の各押圧機構74に対し
て、鉄筋48をフリーとする。しかし、スライディングク
ランプ18のクランプ機構58は、鉄筋48を挟持し続ける。
それから、スライディングクランプ用モータ50を起動
し、ドライブシャフト16を回転させて、スライディング
クランプ18が、フープ筋の一辺にほぼ等しい距離だけ、
右方に移動される。実施例では、フープ筋の短辺48x
(長さ:X)に対応した距離X′だけ、スライディング
クランプ18を右方に移動しているが、長辺48y(長さ:
Y)にほぼ対応した距離Y′だけ、右方に移動してもよ
い。ドライブシャフト16の回転数を検出することによっ
て、スライディングクランプ18の移動距離が把握され、
スライディングクランプが所定距離(実施例ではX′)
移動すると、モータ50は停止される。スライディングク
ランプが距離X′移動すれば、スライディングクランプ
上のクランプ機構58に挟持された鉄筋48は、右方に距離
X′送られたこととなる(第10図(B),(C)参照)。その
ため、第10図(C)からわかるように、鉄筋48の右端のフ
ックは、距離X′だけ、ベンダーヘッド14-3から右方に
離反される。また、ベンダーヘッド14-2から距離(X′
+Y′)だけ左方に位置した鉄筋48の左端のフックは、
ベンダーヘッド14-2から距離Y′の位置に移動される。
フープ筋の短辺Xに対応した距離X′だけ鉄筋48を送っ
た後、ベンダーヘッド14-2,14-3の押圧機構74のシリン
ダ70、72を駆動し、L型遮蔽ブロックによって鉄筋48を
再度押圧する。
それから、ベンダーヘッド14-2,14-3のシリンダ25を駆
動してセンターローラ22を前進させる。そして、モータ
42を起動しクランクアーム38を揺動して、曲げローラ24
を約90°回動させると、鉄筋48に2つの直角曲げが同時
に施される(第10図(D)参照)。すると、フープ筋の短
辺48xが鉄筋48の右端に、フープ筋の長辺48yが鉄筋の左
端にそれぞれ形成される。
直角曲げの後、上記と同様に、ベンダーヘッド14-2,14-
3の押圧機構74のシリンダ70,72を駆動して、鉄筋48の押
圧を解除する。また、ベンダーヘッド14-2,14-3の曲げ
ローラ24を初期位置に戻すとともに、センターローラ22
を後退させる。
それから、モータ50を起動し、ドライブシャフト16を回
転させて、スライディングクランプ18を距離X′だけ左
方に移動させて、第10図(A),(B)に示す初期位置にスラ
イディングクランプが戻される(第10図(E)参照)。す
ると、第10図(E)からわかるように、左方に位置するフ
ープ筋の長辺48yは、距離X′だけ、ベンダーヘッド14-
2の左方に送られる。ここで、ベンダーヘッド14-3のセ
ンターローラ22は、事前に後退して、鉄筋48の搬送軌跡
上から除かれているため、鉄筋は、ベンダーヘッド14-3
のセンターローラ22に妨げられることなく、左方に送ら
れる。
そして、ベンダーヘッド14-2の押圧機構74によって鉄筋
48を押圧した後、ベンダーヘッド14-2のセンターローラ
22、曲げローラ24によって、鉄筋の中央を直角曲げす
る。すると、ベンダーヘッド14-2の左方にフープ筋の短
辺48xが、右方にフープ筋の長辺48yが同時に形成され、
所望の形状のフープ筋が成形される(第10図(F)参
照)。
このように、この発明によれば、鉄筋48のような長尺物
を積載し、搬送するスライディングクランプ18が、所定
の距離、たとえば、フープ筋の短辺にほぼ相当する距離
だけ一往復するだけで、5つの曲げ加工の必要なフープ
筋が、成形できる。つまり、ベンダーヘッド14-1,14-3
の位置をフックの長さに応じて、一旦位置決めすれば、
スライディングクランプ18を一度ずつ往復させるだけ
で、同一形状のフープ筋の一連の曲げ加工が、連続的に
行なえる。そのため、中程度のビルの建築工事において
必要な5,000〜30,000本のフープ筋を、5本ずつの同時
に曲げ加工するとした場合の1,000〜6,000回の曲げ加工
も迅速、容易に行なえ、高い作業性のもとで、曲げ加工
が行なえる。
スライディングクランプ18は、ドライブシャフト16の回
転に連動して移動され、ドライブシャフトの回転を、た
とえば、エンコーダー53によって検出して、スライディ
ングクランプの位置を調整している。そのため、スライ
ディングクランプ18の位置調整によって、長尺物の送り
が機械的に行なえ、自動化ができる。特に、固定された
ベンダーヘッド14-2の位置を基準として、長尺物の位置
が設定されるため、ベンダーヘッド14-2に対して、長尺
物の位置が相対的に設定される。そのため、スライディ
ングクランプ18の移動を手動で行なって長尺物を送る公
知の構成に比較して、この発明では、鉄筋の送りが正
確、迅速に行なえ、一連の連続的な曲げ加工が、高精度
のもとで、迅速、容易に行なえる。
また、このようにスライディングクランプ18を移動させ
る構成では、スライディングクランプが軽量であるた
め、小型で安価なモータによって、スライディングクラ
ンプを搬送できる。
長尺物の送りを自動化したこの発明の構成では、センタ
ーローラ22、曲げローラ24、クランプ機構の遮蔽ブロッ
ク60、押圧ブロック62の動きとともに、ドライブシャフ
トのモータ50の動きをプログラム化して制御すれば、高
度の自動化が可能となる。そのため、1,000〜6,000回の
曲げ加工の繰り返しも容易に行なえる。
加工に先立ったベンダーヘッド14-1,14-3の移動は、一
連の曲げ加工について、一度行なえばよく、この移動は
容易に行なえるため、自動化する必要は少ない。しか
し、鉄筋48の長さ、フックの長さを入力すると、ベンダ
ーヘッド14-1,14-3が、所望の位置に自動的に移動する
プログラムによって、ベンダーヘッド14-1,14-3の移動
を制御してもよく、このような構成では、自動化が一層
促進される。
無論、長尺物を自動的に送るこの発明の長尺物の連続曲
げ加工装置10によれば、フープ筋の成形だけでなく、ア
ンカー筋、スタラップ筋等の他の曲げ加工も迅速、容易
に行なえる。つまり、第10図(B)から理解されるよう
に、両端を曲げた時点で曲げ加工を終了すれば、アンカ
ー筋が成形される。また、第10図(D)から理解されるよ
うに、両端の曲げに加えて、2つの直角曲げを行なった
時点で曲げ加工を終了すれば、スタラップ筋が成形され
る。
なお、ベンダーヘッド14-1,14-3を独立して移動可能と
し、中央のベンダーヘッド14-2に対して、対称でなく、
異なる位置にベンダーヘッド14-1,14-3を移動させても
よい。このような構成では、長さの異なる折曲片を持つ
スタラップ筋が成形できる。
上述したように、公知の長尺物の連続曲げ加工装置をス
リーヘッドとすれば、曲げ加工中に、両サイドのベンダ
ーヘッドを移動させる必要がある。また、ベンダーヘッ
ドを移動させずに曲げ加工するには、ファイブヘッドと
する必要がある。
しかし、ファイブヘッドとすれば、構成的に複雑化し、
長尺物の連続曲げ加工装置が安価に生産できない。ま
た、ファイブヘッドでは、ベンダーヘッドの位置決めが
煩雑で時間を要するとともに、最初の寸法どりを間違え
ると、全部をやりなおさなければならない。誤差が積算
され、大きな誤差が最外方のベンダーヘッドに生じて、
正確な位置決めが難しい。
これに対して、この発明によれば、スリーヘッドにも拘
らず、曲げ加工中、ベンダーヘッドを移動させる必要が
なく、スリーヘッド、ファイブヘッド双方の欠点を除去
した長尺物の連続曲げ加工装置が得られる。
さらに、ベンダーヘッドの間隔によって、形成可能な短
片の長さが決定する公知の構成では、ベンダーヘッドが
構造的に大きいため、小さな短辺が形成できず、十分に
薄い短長辺形のフープ筋が得らない。しかし、この発明
では、スライディングクランプが、長尺物を把持、搬送
し、スライディングクランプは、ベンダーヘッドほど構
造的に大型化せず、ベンダーヘッドに接近した位置で、
曲げ加工が行なえる。そして、従来、200mm程度の短片
が限度であったのに対して、この発明によれば、80mm程
度の短片の曲げも容易に行なえる。
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであ
り、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技
術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明
に包含されることはいうまでもない。
たとえば、実施例では、位置検出手段49は、エンコーダ
ー53によってドライブシャフト16の回転数を検出してい
るが、エンコーダー以外の回転数センサーを利用しても
よい。また、回転数センサーでなく、位置センサーによ
って、スライディングクランプ18、または、可動なベン
ダーヘッド14-1,14-3の位置を直接検出するように、位
置検出手段49を構成してもよい。
また、ベンダーヘッド14(14-1〜14-3)の曲げローラ24
の回動方向を時計方向、反時計方向のいずれかに固定せ
ず、いずれの方向にも回動可能とし、その回動方向を適
宜制御する構成としてもよい。この場合、曲げローラ24
の回動方向に応じて、ベンダーヘッド14上の押圧機構74
を左右にスライドして切換え可能とするとよい。特に、
中央のベンダーヘッド14-2をいずれの方向にも回動可能
とすれば、このベンダーヘッドのみを利用して種々の連
続曲げ加工が、迅速、容易に行なえる。
この発明の技術思想は、ファイブヘッドの長尺物の連続
曲げ加工装置にも応用できる。たとえば、異なる二種
類、たとえば、A,Bの連続曲げ加工を交互に煩雑に行な
う場合には、第1、第5のベンダーヘッドが対になって
対称に移動するとともに、第2、第4のベンダーヘッド
が対になって対称に移動するように、5つのベンダーヘ
ッドを並設するとよい。この構成では、第1、第5のベ
ンダーヘッドを中央のベンダーヘッドに組合せてAの連
続曲げ加工が、第2、第4のベンダーヘッドを中央のベ
ンダーヘッドに組合せてBの連続曲げ加工が、交互に迅
速に行なえる。
〔発明の効果〕
上記のように、この発明に係る長尺物の連続曲げ加工装
置によれば、3つのベンダーヘッドのうち、両サイドの
ベンダーヘッドが、中央のベンダーヘッドを挟んで対称
位置に移動可能に配設され、スライディングクランプ
が、長尺物を挟持してスライド可能に設けられている。
このような構成では、両サイドのベンダーヘッドをフッ
クの長さに応じた位置に一旦設定すれば、スライディン
グクランプを曲げ加工毎に一度往復させるだけで、フー
プ筋のような加工数の多い曲げ加工も、連続的に行なえ
る。そのため、曲げ加工の数百回の繰り返しも、迅速、
容易に行なえ、高い作業性が確保される。
そして、5つでなく3つのベンダーヘッドを持てば足り
るため、長尺物の連続曲げ加工装置は、構成的に簡単化
され、安価に生産できる。
また、曲げ加工毎に一往復されるスライディングクラン
プは、ベンダーヘッドに比較して軽量であるため、スラ
イディングクランプ搬送用モータとして、小型で安価な
モータが使用できる。
さらに、この発明の長尺物の連続曲げ加工装置によれ
ば、曲げ加工の自動化が容易にはかられる。
両サイドのベンダーヘッドが同期してほぼ対称に移動可
能とすれば、ベンダーヘッドの迅速な位置決めが行なえ
る。たとえば、相反する方向にねじの切られた1本のド
ライブシャフトに両サイドのベンダーヘッドを装着すれ
ば、両サイドのベンダーヘッドの対称的な移動が確実に
得られる。
また、この発明の長尺物の連続曲げ加工方法によれば、
中央のベンダーヘッドは勿論、両サイドのベンダーヘッ
ドも、曲げ加工中、移動させる必要がなく、長尺物に送
りを加えるだけで、長尺物の曲げ加工が行なえる。たと
えば、フープ筋のような加工数の多い曲げ加工も、一度
ずつ往復させるだけで行なえ、一連の曲げ加工も、連続
的に行なえる。そのため、曲げ加工の数百回の繰り返し
も、迅速、容易に行なえ、長尺物の連続曲げ加工が、高
い作業性のもとで行なえる。
たとえば、フープ筋の曲げ加工は、中央のベンダーヘッ
ドが鉄筋のほぼ中央に位置するように、鉄筋を設定する
とともに、両サイドのベンダーヘッドをフックの長さに
対応した長さだけ、鉄筋の端部から離反させて配設すれ
ばよい。そして、ベンダーヘッドを移動する必要はな
く、フープ筋の一辺にほぼ等しい長さだけ、鉄筋を一往
復するだけで、フープ筋が、成形できる。
また、この発明では、構造的に小型のスライディングク
ランプが、長尺物を把持、搬送しているため、ベンダー
ヘッドに接近した位置で、曲げ加工が行なる。そのた
め、80mm程度という極めて小さな短片の曲げも容易に行
なえ、十分に薄い短長辺形のフープ筋の加工が可能とな
る。
なお、中央のベンダーヘッドは、図示のように、一般
に、メインフレームに固定されるが、スライディングク
ランプ、両サイドのベンダーヘッドのドライブシャフト
をそれぞれ伴って移動可能としてもよい。この構成で
は、中央のベンダーヘッドを回動することによって、フ
ープ筋を成形できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る長尺物の連続曲げ加工装置の
概略平面図、 第2図、第3図は、第1図のII−II、III−IIIにに沿っ
た、長尺物の連続曲げ加工装置の断面図、 第4図(A),(B)は、曲げ加工における曲げローラの動き
を示す、ベンダーヘッドの概略正面図および概略左側面
図、 第5図、第6図は、スライダー周辺における、長尺物の
連続曲げ加工装置の部分平面図および部分正面図 第7図は、第1図の線VII−VIIに沿った、長尺物の連続
曲げ加工装置の概略断面図、 第8図は、クランプ機構の一部破断の側面図、 第9図は、第8図のIX−IXに沿った、クランプ機構の断
面図、 第10図(A)〜(F)は、フープ筋の曲げ加工における長尺物
の連続曲げ加工装置の概略作動図、 第11図(A),(B),(C)は、連続曲げによって成形されるア
ンカー筋、スタラップ筋、フープ筋を例示する平面図、 第12図(A)〜(F)は、フープ筋の曲げ加工における、公知
のファイブヘッドタイプの長尺物の連続曲げ加工装置の
概略作動図である。 10:長尺物の連続曲げ加工装置、12:メインフレーム、
14(14-1〜14-3):ベンダーヘッド、16:ドライブシャ
フト、18:スライディングクランプ、22:ベンダーヘッ
ドのセンターローラ(センターガイド)、23:センター
ローラのカラー、24:ベンダーヘッドの曲げローラ、2
5,70,72:シリンダ、26,71,73:ピストン、38:クラン
クアーム、40,46:ギヤ、42,50:モータ、48:鉄筋(長
尺物)、48a,48X,48Y:鉄筋のフック、短辺、長辺、4
9:位置検出手段、53:エンコーダー、58:クランプ機
構、60:クランプ機構の遮蔽ブロック、62:クランプ機
構の押圧ブロック、74:押圧機構、86:位置決めストッ
パー、88:補助ホルダー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ほぼ水平に配設され軸線方向に進退自在な
    センターガイドと、センターガイドの回りを上方に回動
    する曲げローラとをそれぞれ備えて、メインフレームの
    長手方向に並設された3つのベンダーヘッドを備えた長
    尺物の連続曲げ加工装置において、 3つのベンダーヘッドのうち、両サイドのベンダーヘッ
    ドが、中央のベンダーヘッドを挟んでほぼ対称位置に移
    動可能にメインフレーム上に配設され、 長尺物を挟持し搬送するスライディングクランプが、左
    右いずれかのサイドでメインフレームにスライド可能に
    設けられたことを特徴とする長尺物の連続曲げ加工装
    置。
  2. 【請求項2】ほぼ水平に配設され軸線方向に進退自在な
    センターガイドと、センターガイドの回りを上方に回動
    する曲げローラとを備えたベンダーヘッドを長尺物の送
    り方向に3個並設し、長尺物の送りを妨げるセンターガ
    イドを適宜後退させ、必要な送りを長尺物に加えなが
    ら、曲げローラによって、長尺物を連続して曲げる長尺
    物の連続曲げ加工方法において、 中央のベンダーヘッドを固定し、中央のベンダーヘッド
    が長尺物のほぼ中央に位置するように、長尺物を位置決
    めし、 中央のベンダーヘッドに対して、両サイドのベンダーヘ
    ッドをほぼ対称に位置決めした後、固定し、両サイドの
    ベンダーヘッドの曲げローラを相反する方向に回動して
    曲げ加工した長尺物の連続曲げ加工方法。
  3. 【請求項3】ほぼ水平に配設され軸線方向に進退自在な
    センターガイドと、センターガイドの回りを上方に回動
    する曲げローラとを備えたベンダーヘッドを長尺物の送
    り方向に3個並設し、長尺物の送りを妨げるセンターガ
    イドを適宜後退させ、必要な送りを長尺物に加えなが
    ら、曲げローラによって、長尺物を連続して曲げる長尺
    物の連続曲げ加工方法において、 中央のベンダーヘッドを固定し、中央のベンダーヘッド
    が長尺物のほぼ中央に位置するように、長尺物を位置決
    めし、 中央のベンダーヘッドに対して、両サイドのベンダーヘ
    ッドをほぼ対称に位置決めした後、固定し、両サイドの
    ベンダーヘッドの曲げローラを相反する方向に回動して
    曲げ加工し、 さらに、長尺物に所定の送りを加えベンダーヘッドに対
    する長尺物の位置を調整して、中央のベンダーヘッドと
    いずれかのサイドのベンダーヘッドの曲げローラを相反
    する方向に回動して曲げ加工した長尺物の連続曲げ加工
    方法。
  4. 【請求項4】ほぼ水平に配設され軸線方向に進退自在な
    センターガイドと、センターガイドの回りを上方に回動
    する曲げローラとを備えたベンダーヘッドを鉄筋の送り
    方向に3個並設し、鉄筋の送りを妨げるセンターガイド
    を適宜後退させ、必要な送りを鉄筋に加えながら、曲げ
    ローラによって、鉄筋を連続して5回曲げてフープ筋を
    成形するフープ筋加工方法において; 3個のベンダーヘッドのうち、中央のベンダーヘッドが
    鉄筋のほぼ中央に位置するように鉄筋を位置決めし、 両サイドのベンダーヘッドをフックの長さに対応した長
    さだけ鉄筋の端部から内方に、それぞれ位置決めした
    後、固定し 両サイドのベンダーヘッドの曲げローラを相反する方向
    にそれぞれ回動してフック曲げを行い、 フープ筋の一辺に等しい長さだけ、鉄筋を送り、送った
    サイドのベンダーヘッド、中央のベンダーヘッドの曲げ
    ローラを相反する方向にそれぞれ回動して直角曲げを行
    い、 送った距離だけ鉄筋を戻し、中央のベンダーヘッドの曲
    げローラを回動して直角曲げを行って、フープ筋を成形
    するフープ筋の加工方法。
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