JPH0651028Y2 - 磁気遮蔽用壁材として用いられるシート状物 - Google Patents

磁気遮蔽用壁材として用いられるシート状物

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JPH0651028Y2
JPH0651028Y2 JP1988104021U JP10402188U JPH0651028Y2 JP H0651028 Y2 JPH0651028 Y2 JP H0651028Y2 JP 1988104021 U JP1988104021 U JP 1988104021U JP 10402188 U JP10402188 U JP 10402188U JP H0651028 Y2 JPH0651028 Y2 JP H0651028Y2
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sheet
sheets
magnetic shielding
superconducting
shielding wall
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寛二 酒井
勝彦 菊田
淳 竹内
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Obayashi Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は磁気遮蔽用壁材として用いられるシート状物に
関するもので、より具体的には、室の周囲を区画する壁
材に埋設したり、張り付けたりあるいは磁気や電波の影
響を受けやすい物質のまわりを包囲して室内あるいは物
質を磁気・電波より遮蔽する磁気遮蔽用壁材として用い
られるシート状物に関するものである。
《従来の技術》 従来磁気・電波を遮蔽する素材としては強磁性体である
ところの鉄、高導電体の銅等が用いられているが、これ
らには性能的に限界があり、また磁気の侵入を防ぐため
に特殊な加工が必要とされコスト高なものとなってい
る。そこで完全反磁性を示す超電導物質を磁気・電波を
遮蔽する素材として使用することは公知であり、例えば
特開昭61-223597に示されるように被シールド部の少な
くとも一部を超電導板で覆うことにより電磁放射線又は
荷電粒子放射線を遮蔽してなる放射線遮蔽装置、あるい
は特開昭62-9278に示されるように第1種超電導体層と
樹脂補強層との積層構造を有する超電導シールド体が提
案されている。
これらの超電導板、あるいは超電導シールド体はいずれ
も超電導体の完全反磁性を利用してあるため、磁気遮蔽
用として有効であり、これらを利用して肉薄なシート状
として室内を区画する壁材に埋設あるいは付着したり、
またはこれで物のまわりを包囲したりして室内または物
を磁気や電波より遮蔽することも可能である。
《考案が解決しようとする課題》 しかし、超電導物質として、イットリウム・銅・バリウ
ム・酸素系に代表される酸化物系を用いる場合、水分に
接触することによって化学的に不安定になりやすく特開
昭61-223597の超電導板は空気中の水分によって、ある
いはこれをコンクリートやモルタルより成る壁材に接着
する場合コンクリート・モルタルからの水分が付着して
しだいに超電導体としての特徴のひとつである完全反磁
性を失う恐れがある。
また特開昭62-9278に示されるような第1種超電導体層
と樹脂補強層との積層構造を有する磁気シールド体の場
合、樹脂の選択によっては水分から第1種超電導体層が
保護されるものの、第1種超電導体は液体ヘリウム等で
冷却されてはじめて超電導を示すため、実用的でなく、
壁材等に埋設あるいは付着して使用したり、その他ごく
日常的な部分に使用することは不可能である。
また、前記超電導板および磁気シールド体は比較的硬質
であって、成形過程が煩雑であり、またフレキシブルで
ないため、利用範囲もあまり広くなく不便である。
本考案は上記問題点に鑑みてなされ、その目的は磁気遮
蔽用素材としての超電導物質を水分より保護することを
可能とし、磁気遮蔽用として有効であり、さらに成形過
程が煩雑でなく、好ましくはフレキシブルで利用範囲の
広い磁気遮蔽用壁材として用いられるシート状物を提供
することにある。
《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために本考案では不透水性のシート
間に、該シート間を一定の間隔に保持するとともに多数
の室に仕切る仕切板を設け、該仕切板によって仕切られ
たそれぞれの室に粉末状の超電導物質を封入してなるの
である。また好ましくは、前記不透水性のシートをフレ
キシブルな材質で形成してなるのである。
《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について添附図面を参照に
して説明する。
第1図は第1実施例に係る磁気遮蔽用壁材として用いら
れるシート状物であって、図中の符号1は不透水性の材
質より成るシートであって、このシート1が2枚若干の
空間(約1mm)をおいて配されるとともに、シート1-1の
間には粉末状の超電導物質2が高密度に充填され、サン
ドイッチ構造となっている。さらにシート1-1間には仕
切板としての網状体3がシート間を多数の室に仕切るよ
うに設けられており、これを介してシート1-1間の距離
が一定に保持されるとともにシート1-1が互いに結合さ
れている。また図示はされていないがこの2枚のシート
の周端部は互いに隙間なく接着されてシート間に超電導
物質が封入された状態となっている。超電動物質は、多
数の室内にほぼ等しく充填されている。
このシート状物は不透水性のシート1の一面に網状体3
の下面を接着あるいは溶着して固定するとともに粉末状
の超電導物質2を網状体の高さと等しい厚さとなるよう
に敷き、その上にもう一枚の不透水性のシート1を重ね
網状体3の上面とそのシート1を接着あるいは溶着する
ことによって製造される。
第2図は第2実施例に係る磁気遮蔽用壁材として用いら
れるシート状物であって、この場合不透水性のシート1a
-1a間には前記実施例と同様に粉末状の超電導物質2aが
高密度に充填されてサンドイッチ構造となっている。そ
して、一方のシート1aには多数の仕切板としての突片4
が一体的に設けられ、この突片4を介してシート1a-1a
間が一定の間隔に保たれるように互いに結合されている
とともに、突片4がシート1a-1a間を多数の室に仕切っ
ている。超電動物質は、多数の室内にほぼ等しく充填さ
れている。
このシート状物は不透水性のシート1aの一面に一体的に
突片4を多数形成して、この突片4の高さと略等しい厚
さに前記超電導物質2aを敷くとともに、その上にもう一
枚の不透水性のシート1aを重ねて突片4の先端とこのシ
ート1aを接着あるいは溶着することによって製造され
る。
ここで使用される超電導物質はペロブスカイト型結晶構
造を有する例えばイットリウム・バリウム・銅等の酸化
物系超電導体等より成り、その完全反磁性により磁気遮
蔽物として有効とされるものであって、また、使用され
る不透水性のシートはビニール樹脂、ゴム等より成り、
用途に合わせて硬質なものと軟質なものを使い分けるこ
とが可能である。また、シート間の網状体や突片は接着
あるいは溶着によってシートに接合可能であって、シー
トの間隔を一定に保持できる程度に硬質な素材より成
る。
さらに、第1実施例および第2実施例に係るシート状物
を第1図および第2図のような状態から垂直方向に立て
て使用する場合、粉末状の超電導物質がやや下方に偏っ
てくる恐れがあるが、シート間に設けられた網状体3や
突片4によってシート間の空間が多数の室に仕切られ、
それぞれの室内にほぼ等しく超電導体を充填することに
よって、シート状物質を斜めあるいは縦にしてもシート
間の粉末状の超電導物質が偏らないようにすることがで
きる。また、超電導物質に粘度のある溶媒や油等を混合
すれば約1mmの厚さでも偏ることはない。
第3図は前記第1実施例のようにして成形された磁気遮
蔽用壁材として用いられるシート状物の使用方法の一例
であって、コンクリートやモルタル等の壁材5によって
区画された室内壁にシート状物が接着され、これによっ
て室内が外部からの磁気より遮蔽されるように構成され
ている。
また、シート状物の不透水性のシートがフレキシブルな
材質より成る場合、この磁気遮蔽用シート状物がフレキ
シブルとなって工事用シートとしても使用可能であり、
建設現場をこれで覆うことにより、建設現場のロボット
化に伴い心配される電波障害を防ぐことが可能となる。
《効果》 以上のように本考案による磁気遮蔽用壁材として用いら
れるシート状物によれば、不透水性のシートは一定の間
隔に保持され、しかもこの間に粉末状の超電導物質を封
入してなるため、シート間の超電導物質は、水分より保
護されて化学的に安定であり、また超電導物質は超電導
性を示し、従って常温において完全反磁性を示すため実
用的であり、粉末状の超電導物質を扱うために成形過程
もそれ程煩雑ではなく、このように粉末状の超電導物質
を封入していながら該シート状物を垂直方向に立てて使
用する場合であっても超電導物質が下方に偏ることはな
い。また、シートをフレキシブルなものとすれば、利用
範囲が広がり、よりいっそう便利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例に係る磁気遮蔽用壁材として用いら
れるシート状物の一部断面図、第2図は第2実施例に係
る磁気遮蔽用壁材として用いられるシート状物の一部断
面図、第3図は室内壁に磁気遮蔽用壁材として用いられ
るシート状物を接着した状態を示す一部断面図である。 1……シート、2……超電導物質、3……網状体(仕切
板)、4……突片(仕切板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−9278(JP,A) 特開 昭63−318800(JP,A) 特公 昭51−45240(JP,B2)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】不透水性のシート間に、該シート間を一定
    の間隔に保持するとともに多数の室に仕切る仕切板を設
    け、該仕切板によって仕切られたそれぞれの室に粉末状
    の超電動物質を封入してなることを特徴とする磁気遮蔽
    用壁材として用いられるシート状物。
  2. 【請求項2】前記不透水性のシートをフレキシブルな材
    質で形成してなることを特徴とする請求項1記載の磁気
    遮蔽用壁材として用いられるシート状物。
JP1988104021U 1988-08-08 1988-08-08 磁気遮蔽用壁材として用いられるシート状物 Expired - Lifetime JPH0651028Y2 (ja)

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JPH0226296U JPH0226296U (ja) 1990-02-21
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JPS629278A (ja) * 1985-07-05 1987-01-17 Shimadzu Corp 超伝導シ−ルド体
JPS63318800A (ja) * 1987-06-23 1988-12-27 Asahi Chem Ind Co Ltd 磁場シ−ルド材料

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