JP2772403B2 - 構造用電波吸収材 - Google Patents
構造用電波吸収材Info
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- JP2772403B2 JP2772403B2 JP6661290A JP6661290A JP2772403B2 JP 2772403 B2 JP2772403 B2 JP 2772403B2 JP 6661290 A JP6661290 A JP 6661290A JP 6661290 A JP6661290 A JP 6661290A JP 2772403 B2 JP2772403 B2 JP 2772403B2
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Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、建築構造物の内装材または外装材などと
して使用される構造用電波吸収材に関するものである。
して使用される構造用電波吸収材に関するものである。
「従来の技術」 電波吸収体は、古くからその組成、形状が種々考案さ
れ、一部実用に供せられている。
れ、一部実用に供せられている。
良好な電波吸収体とするには、電磁波が電波吸収体表
面で反射せず、電波吸収体内に入り込むこと、および電
波吸収体内に入り込んだ電磁波を速やかに減衰させるこ
との二つの条件を同時に満足させる必要がある。前者の
条件は、電波吸収体表面から見た規格化入力インピーダ
ンスを1にすることにより達成され、後者の条件は、電
波吸収体の電気的損失あるいは磁気的損失の一方または
両方を大きくすることにより達成される。
面で反射せず、電波吸収体内に入り込むこと、および電
波吸収体内に入り込んだ電磁波を速やかに減衰させるこ
との二つの条件を同時に満足させる必要がある。前者の
条件は、電波吸収体表面から見た規格化入力インピーダ
ンスを1にすることにより達成され、後者の条件は、電
波吸収体の電気的損失あるいは磁気的損失の一方または
両方を大きくすることにより達成される。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、電波吸収体の材料として、天然に存在する
材料をそのまま使用することは極めて希である。
材料をそのまま使用することは極めて希である。
その理由としては、前述した規格化入力インピーダン
スが1になるのは、電波吸収体に用いる材料の電気的特
性を表わす複素誘電率ε,複素透磁率μが、電波吸収体
の厚さや、所用周波数とある条件に合致したときにのみ
達成されるので、天然に存在する材料は例え電気的損失
や磁気的損失が大きくとも規格化入力インピーダンスを
1にする条件に合致させることが困難であることによ
る。このため、通常の電波吸収体の設計においては、複
数の材料を混合し、その混合比によって、複素誘電率
ε、複素透磁率μを調節する方法を採る。したがって、
電波吸収体の製造には複数の材料を混合する工程は必須
のものであり、また、その混合比の制御も厳しく管理し
なければならないという欠点があった。
スが1になるのは、電波吸収体に用いる材料の電気的特
性を表わす複素誘電率ε,複素透磁率μが、電波吸収体
の厚さや、所用周波数とある条件に合致したときにのみ
達成されるので、天然に存在する材料は例え電気的損失
や磁気的損失が大きくとも規格化入力インピーダンスを
1にする条件に合致させることが困難であることによ
る。このため、通常の電波吸収体の設計においては、複
数の材料を混合し、その混合比によって、複素誘電率
ε、複素透磁率μを調節する方法を採る。したがって、
電波吸収体の製造には複数の材料を混合する工程は必須
のものであり、また、その混合比の制御も厳しく管理し
なければならないという欠点があった。
また、上述のような電波吸収体を建築材料として用い
る場合にはパネル体として使用することが多いが、最近
では、建築材料としてのパネル体は、できる限り薄くす
ることが重要な条件となっている。
る場合にはパネル体として使用することが多いが、最近
では、建築材料としてのパネル体は、できる限り薄くす
ることが重要な条件となっている。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、天然
に無尽蔵に存在する水を用いることによって、水自体の
持つ優れた電波吸収性能を利用して簡易な方法で優れた
電波吸収性能が付加され、かつ厚さの薄いパネル体とす
ることの可能な構造用電波吸収材を提供することを目的
としている。
に無尽蔵に存在する水を用いることによって、水自体の
持つ優れた電波吸収性能を利用して簡易な方法で優れた
電波吸収性能が付加され、かつ厚さの薄いパネル体とす
ることの可能な構造用電波吸収材を提供することを目的
としている。
「課題を解決するための手段」 この発明の構造用電波吸収材は、構造材に電波吸収層
を設けてなる構造用電波吸収材であって、上記電波吸収
層が、カプセル内に水を充填してなる多数の電波吸収粒
体を媒体中に分散させた構成となっているものである。
を設けてなる構造用電波吸収材であって、上記電波吸収
層が、カプセル内に水を充填してなる多数の電波吸収粒
体を媒体中に分散させた構成となっているものである。
上記カプセルとは、ナイロン、ポリウレタン、尿素樹
脂、ポリスチレンなどからなる、いわゆるマイクロカプ
セルのことであるが、例えば直径30mm、肉厚1.2mm程度
の高密度ポリエチレン球のように比較的直径の小さい球
カプセルを用いても良い。
脂、ポリスチレンなどからなる、いわゆるマイクロカプ
セルのことであるが、例えば直径30mm、肉厚1.2mm程度
の高密度ポリエチレン球のように比較的直径の小さい球
カプセルを用いても良い。
「作用」 この発明では、優れた電波吸収性能を有していながら
液体であるために取り扱いの難しかった水をカプセル内
に充填することによって安定的に保持させ、かつそのカ
プセルを媒体中に容積率15〜45%となるように分散させ
て構成した電波吸収層を構造材に設けることによって、
その構造材に、水の持つ優れた電波吸収性能を付加して
いる。
液体であるために取り扱いの難しかった水をカプセル内
に充填することによって安定的に保持させ、かつそのカ
プセルを媒体中に容積率15〜45%となるように分散させ
て構成した電波吸収層を構造材に設けることによって、
その構造材に、水の持つ優れた電波吸収性能を付加して
いる。
「実施例」 以下、この発明の第1実施例を第1図を参照して説明
する。
する。
この実施例の構造用電波吸収材は、第1図に示すよう
に、コンクリート等からなる構造材1に一部埋め込まれ
たアンカー2を介して電波吸収層3が取り付けられてい
るものである。なお、図中符号4は、装飾性、耐候性の
付与を目的として電波吸収層3の表面に取り付けられた
タイルであって、その材質は非金属体である。
に、コンクリート等からなる構造材1に一部埋め込まれ
たアンカー2を介して電波吸収層3が取り付けられてい
るものである。なお、図中符号4は、装飾性、耐候性の
付与を目的として電波吸収層3の表面に取り付けられた
タイルであって、その材質は非金属体である。
上記電波吸収層3は、ポリカーボネート、エポキシな
どの樹脂または繊維強化樹脂からなる媒体に多数のカプ
セル5が分散されてなるものである。
どの樹脂または繊維強化樹脂からなる媒体に多数のカプ
セル5が分散されてなるものである。
上記カプセル5とは、ナイロン、ポリウレタン、尿素
樹脂、ポリスチレンなどからなる、いわゆるマイクロカ
プセルのことであるが、例えば直径30mm、肉厚1.2mm程
度の高密度ポリエチレン球のように比較的直径の小さい
球カプセルを用いても良い。
樹脂、ポリスチレンなどからなる、いわゆるマイクロカ
プセルのことであるが、例えば直径30mm、肉厚1.2mm程
度の高密度ポリエチレン球のように比較的直径の小さい
球カプセルを用いても良い。
すなわち、上記カプセル5は、例えば上述の樹脂等に
代表される誘電体材料により構成され、かつその内部に
水が充填されているものであって、その大きさは、通常
のマイクロカプセルであれば直径1mm以下であることが
好ましく、また、上述の球カプセルであれば、直径1mm
以上30mm程度以下のものを用いることもできる。
代表される誘電体材料により構成され、かつその内部に
水が充填されているものであって、その大きさは、通常
のマイクロカプセルであれば直径1mm以下であることが
好ましく、また、上述の球カプセルであれば、直径1mm
以上30mm程度以下のものを用いることもできる。
なお、上記カプセル5の中に封入(充填)する水は、
通常は普通の水であるが、例えば無機または有機性の陽
イオン、陰イオン等を混入した導電性の高い水を封入す
るようにしても良く、そのような導電性の水を封入した
場合には、導電損失が稼げるため、さらに良い。
通常は普通の水であるが、例えば無機または有機性の陽
イオン、陰イオン等を混入した導電性の高い水を封入す
るようにしても良く、そのような導電性の水を封入した
場合には、導電損失が稼げるため、さらに良い。
第2図は、この発明の第2実施例を示す図である。
この実施例の構造用電波吸収材は、第1実施例の電波
吸収材と同様な電波吸収層3を有するものであるが、こ
の構造用電波吸収材では、上記電波吸収層3が支持部材
6を介して構造材に取り付けられていることによって、
該電波吸収層3が構造材1と間隔を隔てて設けられてい
る。
吸収材と同様な電波吸収層3を有するものであるが、こ
の構造用電波吸収材では、上記電波吸収層3が支持部材
6を介して構造材に取り付けられていることによって、
該電波吸収層3が構造材1と間隔を隔てて設けられてい
る。
なお、上記各実施例の構造用電波吸収材では、水の周
囲を覆っているカプセル5が誘電体からなるので、水の
持つ優れた電波吸収性能が十分に発揮され、それによっ
て、構造材としての電波吸収性能も高められている。
囲を覆っているカプセル5が誘電体からなるので、水の
持つ優れた電波吸収性能が十分に発揮され、それによっ
て、構造材としての電波吸収性能も高められている。
「発明の効果」 この発明の構造用電波吸収材によれば、構造材に電波
吸収層を設けてなる構造用電波吸収材であって、上記電
波吸収層が、カプセル内に水を充填してなる多数の電波
吸収粒体を媒体中に分散させた構成となっているので、
以下のような優れた効果を奏する。
吸収層を設けてなる構造用電波吸収材であって、上記電
波吸収層が、カプセル内に水を充填してなる多数の電波
吸収粒体を媒体中に分散させた構成となっているので、
以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、優れた電波吸収性能を有していながら液体
であるために取り扱いの難しかった水をカプセル内に充
填することによって安定的に保持させ、かつそのカプセ
ルを媒体中に多数分散させて構成した波吸収層を構造材
に設けることによって、その構造材に、水の持つ優れた
電波吸収性能を付加することができる。
であるために取り扱いの難しかった水をカプセル内に充
填することによって安定的に保持させ、かつそのカプセ
ルを媒体中に多数分散させて構成した波吸収層を構造材
に設けることによって、その構造材に、水の持つ優れた
電波吸収性能を付加することができる。
また、この構造用電波吸収材は、パネル体として使用
する場合に厚さを薄くすることが容易であり、かつその
際にも十分な電波吸収性能を確保することができるの
で、建築材料用パネル体としても極めて有用である。
する場合に厚さを薄くすることが容易であり、かつその
際にも十分な電波吸収性能を確保することができるの
で、建築材料用パネル体としても極めて有用である。
第1図は、この発明の第1実施例の構造用電波吸収材の
概略構成断面図である。第2図は、この発明の第2実施
例の構造用電波吸収材の概略構成断面図である。 1……構造材、2……アンカー、3……電波吸収層、4
……タイル、5……カプセル、6……支持部材。
概略構成断面図である。第2図は、この発明の第2実施
例の構造用電波吸収材の概略構成断面図である。 1……構造材、2……アンカー、3……電波吸収層、4
……タイル、5……カプセル、6……支持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 賢庸 静岡県富士市一色620―17 (56)参考文献 実開 平2−13799(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/92 H05K 9/00
Claims (1)
- 【請求項1】構造材に電波吸収層を設けてなる構造用電
波吸収材であって、上記電波吸収層が、カプセル内に水
を充填してなる多数の電波吸収粒体を媒体中に分散させ
た構成となっていることを特徴とする構造用電波吸収
材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6661290A JP2772403B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 構造用電波吸収材 |
US07/665,964 US5146047A (en) | 1990-03-16 | 1991-03-07 | Electric-wave absorbing material for construction |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6661290A JP2772403B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 構造用電波吸収材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03267436A JPH03267436A (ja) | 1991-11-28 |
JP2772403B2 true JP2772403B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=13320900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6661290A Expired - Lifetime JP2772403B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 構造用電波吸収材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2772403B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20010032701A1 (en) * | 2000-03-23 | 2001-10-25 | Teruaki Kawanaka | Wave absorber and production method thereof |
JP2006073991A (ja) | 2004-08-02 | 2006-03-16 | Sony Corp | 電磁波抑制材料、電磁波抑制デバイス、並びに電子機器 |
JP2006319048A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Sony Corp | 電磁波抑制材料、電磁波抑制デバイス、並びに電子機器 |
JP4915059B2 (ja) * | 2005-07-19 | 2012-04-11 | ソニー株式会社 | 電磁波抑制材及び電子機器 |
JP2007109805A (ja) * | 2005-10-12 | 2007-04-26 | Sony Corp | 電磁波抑制部材及び半導体デバイス |
-
1990
- 1990-03-16 JP JP6661290A patent/JP2772403B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03267436A (ja) | 1991-11-28 |
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