JPH0650971A - ヒトインターフェロンαの免疫学的測定法およびその試薬 - Google Patents

ヒトインターフェロンαの免疫学的測定法およびその試薬

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JPH0650971A
JPH0650971A JP11738293A JP11738293A JPH0650971A JP H0650971 A JPH0650971 A JP H0650971A JP 11738293 A JP11738293 A JP 11738293A JP 11738293 A JP11738293 A JP 11738293A JP H0650971 A JPH0650971 A JP H0650971A
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antibody
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hifnα
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JP11738293A
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Yasutaka Igari
康孝 猪狩
Minoru Yamada
稔 山田
Kiyoko Ishiguro
聖子 石黒
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヒトインターフェロンαの免疫学的測定法およ
びその試薬を提供する。 【構成】 ヒトインターフェロンαを担体上に保持さ
れた抗体(A)で認識させ、 上記のヒトインターフェロンαを抗体(A)と抗
原決定部位が異なる抗体(B)あるいは抗体(B)誘導
体で認識させた後(ただし、抗体(A)と抗体(B)の
うち少なくとも一方はモノクロナール抗体である)、 上記の抗体(B)を認識する標識化された特異抗
体で、あるいは抗体以外の物質であって上記の抗体
(B)誘導体の誘導体部分に特異的に結合する標識化さ
れた物質で認識させ、 上記の標識物質を定量するヒトインターフェロン
αの免疫学的測定法およびその試薬。 【効果】ヒトインターフェロンαを高感度に測定でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトインターフェロン
αの免疫学的測定法およびその試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトインターフェロンα(以下、hIF
Nαと称することがある)は、ウイルス、エンドトキシ
ン、細菌、癌細胞などにより活性化された白血球により
産生される166個(または165個)のアミノ酸から
なる分子量約20,000の蛋白質である。その主な生
物活性としては、ウイルス増殖の抑制、細胞分裂の抑
制、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化、マクロフ
ァージの機能調節などが挙げられる。近年の遺伝子工学
の進歩により、hIFNαの遺伝子を導入した大腸菌あ
るいは動物細胞に、大量にhIFNαを生産させること
が可能になった。hIFNαは、臨床において、B型慢
性肝炎、腎癌、C型肝炎などの治療に用いられ良好な成
績を挙げている。臨床における治療効果は各種の臨床検
査パラメーターをモニターすることにより可能である
が、hIFNαの血液中または体液中の濃度を測定する
ことは、最も重要な臨床検査パラメーターの一つであ
る。従来、hIFNαの体液あるいは他の試料中の濃度
を測定するには、抗体感作血球とそれに対する抗原(h
IFNα)との凝集反応に基づく逆受け身赤血球凝集試
験(RPHA)(特公昭60−199828号)、ウイ
ルスによる培養細胞の破壊を阻止する能力を測定するバ
イオアッセイ法(ルービンスタインら、 J. Virol.
, 755−758 (1981))、あるいは抗hI
FNα抗体と放射性物質で標識された抗hIFNα抗体
を使用するラジオイミュノアッセイ法(RIA)(WO
82/01773号やUS4623621号)が主に用
いられてきた。しかしながら、逆受け身赤血球凝集試験
は血清などのサンプル中のIFNαの濃度を測定するに
は不向きであり、また定量性が劣る。また、バイオアッ
セイ法の操作は煩雑であり、hIFNαと他のhIFN
のタイプ(β、γ)を区別することはできない。
【0003】また、非放射性物質を標識物質として使う
免疫学的測定法は近年急速な発展を遂げつつあり、代表
的な標識物質としてはホースラディッシュパーオキシダ
ーゼ(HRP)などの酵素、FITC(フルアレッセイ
ンイソチオシアネート)などの蛍光物質が挙げられる。
該免疫学的測定法は放射性物質を使用しないために、取
り扱い上の規制が無く、簡便で鋭敏かつ高速な定量法と
して急速に普及しつつある。しかしながら、非放射性物
質にはバックグラウンドとの信号/雑音比(S/N比)
が放射性物質に比べて低いという問題、また測定に使用
する抗体の選択と組み合わせ、使用する順序、非特異的
な認識によるバックグラウンドの上昇、非放射性物質の
濃度測定の最適条件の設定が難しいなどの問題があっ
て、現在のところ、hIFNαに選択的で、非放射性物
質を標識物質とする高感度な測定法は開発されていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒトインタ
ーフェロンαを高感度に定量できる免疫学的測定法およ
びその試薬を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記事情に
鑑み鋭意研究した結果、ヒトインターフェロンαを選択
的、かつ鋭敏に定量できる測定法を見いだし、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、 (1) ヒトインターフェロンαを担体上に保持され
た抗体(A)で認識させ、 上記のヒトインターフェロンαを抗体(A)と抗
原決定部位が異なる抗体(B)あるいは抗体(B)誘導
体で認識させた後(ただし、抗体(A)と抗体(B)の
うち少なくとも一方はモノクローナル抗体である)、 上記の抗体(B)を認識する標識化された特異抗
体で、あるいは抗体以外の物質であって上記の抗体
(B)誘導体の誘導体部分に特異的に結合する標識化さ
れた物質で認識させ、 上記の標識物質を定量するヒトインターフェロン
αの免疫学的測定法、および (2) 担体上に保持された抗体(A)、 抗体(A)と抗原決定部位が異なる抗体(B)ある
いは抗体(B)誘導体(ただし、抗体(A)と抗体
(B)のうち少なくとも一方はモノクローナル抗体であ
る)、および 抗体(B)を認識する標識化された特異抗体、ある
いは抗体以外の物質であって抗体(B)誘導体の誘導体
部分に特異的に結合する標識化された物質を組み合わせ
てなるヒトインターフェロンαの免疫学的測定用試薬に
関するものである。本発明において抗体(A)と抗体
(B)の両者が同じ動物種から得られる抗体である場合
には抗体(B)の代わりに抗体(B)誘導体が好ましく
用いられる。
【0006】本発明におけるhIFNαは主にヒト白血
球により産生される一群のhIFNαであり、hIFN
α2A、2Bなど数種類が亜種として報告されている
(ベストカら、 Ann. Rev. Biochem. 56,727−7
77(1987))。本発明におけるhIFNαは、h
IFNαの遺伝子を導入された大腸菌により産生される
糖鎖を持たないものでもよく、またヒト白血球あるいは
hIFNαを産生する細胞を移植されたハムスターなど
の動物によって産生される糖鎖を持つものでもよい。ま
た、糖鎖を持たないhIFNαに糖あるいは糖鎖を導入
したものでもよく、あるいは糖鎖を持つhIFNαの糖
鎖を修飾したものでもよい。しかしながら、これらに限
定されるものではない。本発明におけるhIFNαは、
hIFNαのアミノ酸組成の一部を変更したミューテイ
ン(mutein)でもよい。本発明における抗体(A)およ
び抗体(B)の2種の抗体は、それぞれポリクロナール
抗hIFNα抗体およびモノクローナル抗hIFNα抗
体のいずれであってもよいが、少なくとも一方がモノク
ローナル抗体であることが好ましい。また、2種の抗体
はそれぞれ抗原決定部位が異なっているものが選ばれ
る。これらの抗体はhIFNαの活性を中和するもので
もよい。該ポリクローナル抗体は、ヒトインターフェロ
ンαを抗原として自体公知の方法で動物に免疫して得ら
れる特異抗血清あるいはこれを精製して得られる抗体を
いう。ここでいう動物とは、例えば馬、羊、山羊、兎、
鶏などが挙げられるが、好ましくは馬、羊、山羊、兎で
あり、さらに好ましくは馬、山羊である。該モノクロー
ナル抗体は、ヒトインターフェロンαを抗原として動物
に免疫し、得られる脾臓細胞を同じ動物種の骨髄由来細
胞と融合させ、産生される抗体の抗原に対する特異性を
指標にして融合細胞(ハイブリドーマ)を選別し、クロ
ーン化させて得られる単一ハイブリドーマから産生され
る抗原に特異的に反応する抗体を得る自体公知な方法で
得られる抗体を含む培養上清、腹水、あるいはこれらを
精製して得られる抗体をいう。ここでいう動物とは、上
記ポリクローナル抗体を得る動物種とは異なる動物種で
あれば特に限定されないが、ラット、マウスなどが好ま
れる。また、マウスの系統(ストレイン)としてはバル
ブシー(Balb/C)が好まれるが、これに限定され
る訳ではない。
【0007】また、抗体(A)および抗体(B)のクラ
スとしては、M、Gなどが挙げられるが、Gが好まれ
る。また、パパイン、キモトリプシンなどで自体公知の
方法で該モノクローナル抗体を酵素処理して得られる、
例えばエフエービープライム2(F(ab)’2)ある
いはエフエービー(F(ab))などのフラクションが
用いられる場合もある。
【0008】本発明における抗体誘導体とは、目的とす
る抗体の機能を失わずに、標識化された物質と特異的に
結合するように作製されたものであればよい。例えば、
自体公知の方法により、ガラクトース、マンノース、グ
ルコース、 N−アセチルグルコース、N−アセチルガラ
クトース、フコースなどの単糖もしくは複数の単糖から
構成される糖鎖(例、シアル酸、トリアセチルジトトリ
オースなど)を抗体に共有結合させたものであるが、こ
れらに限定されるものではない。本発明における抗体
(B)を認識する標識化された特異抗体とは、標識物質
を結合した特異抗体であり、該特異抗体とは、上記ポリ
クロナール抗体またはモノクローナル抗体を得る動物種
の抗体を自体公知な方法で動物に免疫して得られる特異
抗血清もしくはこれを精製して得られる抗体、あるいは
モノクローナル抗体、またはこれらのフラクションであ
る。該フラクションとしては、上記したものと同様なも
のが挙げられる。該特異抗体は免疫された抗体を特異的
に認識できるものでなければならない。また、該特異抗
体としては、抗体(A)に使用される上記ポリクローナ
ル抗体またはモノクローナル抗体を得る動物種の非特異
血清に結合する抗体を除去したものが好ましい。
【0009】本発明における抗体誘導体の誘導体部分に
特異的に結合する標識化された物質における標識化され
た物質とは、標識物質を結合した物質である。該標識物
質を結合した物質における物質としては、該誘導体部分
に特異的に結合する物質であればよく、例えば、該誘導
体部分が単糖あるいは糖鎖である場合、それぞれの単糖
あるいは糖鎖を特異的に認識するレクチン、コンカナバ
リンA、ドリコスマメ凝集素などが挙げられる。レクチ
ンは豆などの植物、動物あるいは甲殻類などから抽出、
精製されるものであり、単糖あるいは糖鎖を特異的に認
識するものである。従って、単糖あるいは糖鎖で標識さ
れた抗hIFNα抗体は、レクチンで特異的に認識され
る。例えば、ベータガラクトース(β−GAL)とキャ
スタービーン(Castor Beam)由来のレクチン(RCA
−I)の組み合わせなどが知られている。
【0010】本発明の標識物質としては、放射性物質ま
たは非放射性物質のいずれであってもよいが、好ましく
は非放射性物質が使用される。該放射性物質としては、
α線、ベータ線、ガンマー線などの放射線を出す放射性
同位元素が挙げられる。該非放射性物質としては、例え
ば、酵素、蛍光プローブ(蛍光色素)、色素、化学発光
物質、レーザー色素などがあり、好ましくは酵素、蛍光
色素である。該酵素としてはホースラディッシュパーオ
キシダーゼ(HRP)、ウリカーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられる
が、通常、免疫学的測定法において標識酵素として用い
られるものまたはその可能性のあるものであれば、特に
限定されるものではない。該化学発光物質としては、例
えば、ピリドピリダジン誘導体またはその塩が挙げられ
る。特開平5−078356号には、ピリドピリダジン
誘導体またはその塩の化学発光反応を利用することを特
徴とするアッセイ法について記載されており、本発明の
方法においても適用できる。
【0011】本発明における特異抗体あるいは抗体誘導
体の誘導体部分に特異的に結合する抗体以外の物質へ標
識物質を結合させるには、使用される標識物質の特性に
応じて自体公知な方法が採用される。また、該抗体以外
の物質においては、該物質と標識物質との複合体を形成
させてもよく、例えば、ビオチンを結合した標識物質と
アビジンあるいはストレプトアビジンとの間で形成され
る複合体が挙げられる。アビジンまたはストレプトアビ
ジンは卵白あるいは菌体などから抽出、精製されるもの
であり、ビオチンを特異的に認識するものである。本発
明における放射性物質の量の測定は自体公知な方法で行
なわれる。本発明における非放射性物質の量あるいは濃
度の測定は、使用される物質の特性に応じて自体公知な
方法で行なわれる。例えば、該物質として、例えばHR
Pが使用される場合には、基質として、例えばオルトフ
タレンジアミン(OPD)、エヌ、エヌ、エヌ、エヌテ
トラメチルベンジディン(TMB)、2、2アジノビス
(3エチルベンズチアゾリンスルフォン酸)(ABT
S)などが用いられ、それぞれの基質の酵素反応成生物
に特徴的な最大吸収波長付近の波長の吸光度を測定する
ことにより行なわれる。該物質が蛍光色素、例えばフル
アレッセインイソチオシアネート(FITC)である場
合、その量あるいは濃度は、FITCの最大励起波長付
近の波長の光で励起された時に発せられる最大の蛍光が
得られる波長付近の波長の蛍光強度を測定することによ
り測定される。該物質が酵素、例えば、アルカリフォス
ファターゼ、HRPなどである場合には、化学発光の原
理が使用されてもよく、通常の基質を用いての吸光度を
測定する場合に比較して検出感度が上昇することが期待
される。
【0012】本発明においてhIFNαを選択的、かつ
高感度に定量するには、上記各種抗体あるいはそのフラ
クション、または抗体誘導体の誘導体部分の物質あるい
は該誘導体部分に特異的に結合する物質などの選択、そ
れぞれの濃度の最適化、使用する器具への上記各物質の
非特異的吸着の防止、標識物質が非放射性物質である場
合、その量あるいは濃度の測定条件の最適化、例えば検
量線の直線性が成立する範囲が低濃度から高濃度になる
ための各種操作が行なわれる。
【0013】本発明において用いられる担体上に保持さ
れた抗体における担体としては、例えば、ゲル粒子
[例、アガロースゲル(セファロース4B、セファロー
ス6B(ファルマシア・ファインケミカル社(スエーデ
ン)製)など)、デキストランゲル(セファデックスG
−75、セファデックスG−200(ファルマシア・フ
ァインケミカル社製)など)、ポリアクリルアミドゲル
(バイオゲルP−30、バイオゲルP−60、バイオゲ
ルP−100(バイオラッド・ラボラトリーズ社(米
国))など]、セルロース粒子[例、アビセル(旭化成
製)、イオン交換セルロース(ジエチルアミノエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースなど)]、物理
的吸着剤[例、ガラス(ガラス球、ガラスロッド、アミ
ノアルキルガラス球、アミノアルキルガラスロッドな
ど)、シリコン片、スチレン系樹脂(ポリスチレン球、
ポリスチレン粒子など)、イムノアッセイ用マイクロプ
レート(ヌンク社(デンマーク)製など)]、イオン交
換樹脂[弱酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR
C−50(ローム・アンド/ハースト社(米国))
製)、ゼオカーブ226(パームチット社(ドイツ)製
など)、弱塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトI
R−4B、ダウエックス3(ダウケミカル社(米国)製
など)]などが挙げられる。
【0014】担体に抗体を保持させるには、常套手段を
応用し得るが、例えば“代謝” 第8巻 (1971
年)、第696頁に記載されているブロムシアン法、グ
ルタルアルデヒド法などが挙げられる。また、より簡易
な方法として物理的に担体表面に吸着させてもよい。以
下に、hIFNαの非放射性物質を利用した免疫学的測
定法の操作について具体例を挙げて説明するが、勿論こ
れに限定されるものではない。非放射性物質を利用した
hIFNαの免疫学的測定には96穴(ウエル)マイク
ロプレート(一体型あるいは分割型)、あるいはガラス
ビーズと試験管などの自体公知な各種器具、吸光度計、
蛍光光度計、吸光、蛍光、化学発光などに対応したマイ
クロプレートリーダーなどの機器が使用される。
【0015】マイクロプレートを例にとると、マイクロ
プレートの各ウエルに抗体(A)を緩衝液で希釈したも
のを一定量加え、一定時間放置し反応させる。反応時間
は低温(例えば冷蔵庫内)では長く(例えば12時
間)、室温(例えば25℃前後)では短く(2時間〜3
時間)設定される。この反応時間は以下の各操作におい
ても適用される。該抗体の希釈率は、100倍から10
0,000倍であり、好ましくは2,000倍から30,
00 0倍、さらに好ましくは5,000倍から20,0
00倍である。該緩衝液のペーハー(pH)は、7から
10が好ましく、塩濃度は1/20モル(M)から1モ
ル(M)が好ましい。緩衝塩の種類としては、重炭酸ソ
ーダ、燐酸ソーダまたはカリウムが好ましい。特に好ま
しい緩衝液は、1/10MのpH9.6の重炭酸ソーダ
緩衝液である。一定時間反応させた後、該マイクロプレ
ートの各ウエルはツイーン20(バイオラッド)などの
界面活性剤を含む洗浄液で充分に洗浄される。例えば、
抗体(A)を含む液を排出後、通常ウエルの容量とほぼ
同量の洗浄液を満たし、これを排出する操作を少なくと
も3回繰り返す。該ツイーン20の濃度は0.01%
(v/v)〜0.5%(v/v)が好まれ、0.05%
(v/v)〜0.15%(v/v)がさらに好まれる。
該洗浄液は燐酸のアルカリ金属塩などを用いて緩衝能を
持たせてもよい。また、該洗浄液には、免疫実験用ブロ
ッキング剤(例、ブロックエース、雪印乳業)を0.5
%(v/v)〜10%(v/v)、好ましくは1%(v
/v)〜5%(v/v)含ませてもよい。洗浄操作終了
後、ブロックエースを中性付近(pH7前後)の燐酸緩
衝液などで希釈したものをマイクロプレートの各ウエル
に、各ウエルの容量とほぼ同量を添加し、一定時間放置
し反応させる。この操作は、以後の各操作に使用される
抗体などの各試薬のウエルへの非特異的吸着を防止する
ために行われる。ブロックエースの濃度は、10%(v
/v)〜50%(v/v)が好ましく、20%(v/
v)から40%(v/v)がさらに好まれる。ブロック
エースの希釈にはpH5〜8の緩衝液が用いられ、燐酸
のアルカリ金属塩を含む生理食塩水が好まれる。反応終
了後は前記と同様の洗浄操作が行なわれる。
【0016】次に、上記の洗浄操作が行なわれたマイク
ロプレートの各ウエルに、緩衝液で希釈されたブロック
エースで希釈された試料(hIFNαを含む体液(血清
など)など)が一定量ずつ加えられ反応が行なわれる。
該緩衝液としては、燐酸のアルカリ金属塩でpHが5〜
8に調整された生理食塩水が好まれる。ここで用いられ
るブロックエースの希釈率は10%(v/v)〜50%
(v/v)が好まれ、20%(v/v)から40%(v
/v)がさらに好まれる。該試料の希釈率は、含まれて
いるhIFNαの濃度により一概には決められないが、
少なくとも2倍以上に希釈され、検量線の直線性が成立
する範囲内に試料の中のhIFNαの濃度が収まるよう
に希釈率が選択される。本操作においては既知量のhI
FNαに対して、上記の希釈されたブロックエースによ
る順次希釈系列が作成され、同じマイクロプレートに上
記試料と同様な操作が行なわれる。これらはhIFNα
の検量線として使用される。反応終了後、前記と同様の
洗浄操作が行なわれる。続いて、抗体(B)あるいは抗
体(B)誘導体を緩衝液で希釈したものを一定量加え、
反応が行なわれる。該緩衝液は燐酸のアルカリ金属塩で
pH5〜8に調整された生理食塩水が好ましい。該抗体
またはそのフラクションの希釈率は、 100倍〜30,
000倍であり、好ましくは500倍〜15,000で
あり、1,000倍〜5,000倍がさらに好まれる。該
緩衝液には、前記操作において用いられた抗体(A)が
得られたのと同じ動物種の非特異血清、あるいはモノク
ローナル抗hIFNα抗体を得る際に、hIFNαに結
合して抗原として用いられる蛋白質(例、牛血清アルブ
ミンなど)が添加されていてもよい。該非特異血清の添
加される濃度は0.01%(v/v)〜10%(v/
v)であり、0.1%(v/v)〜5%(v/v)が好
まれ、0.2%(v/v)〜2%(v/v)が特に好ま
れる。また、抗体(B)がモノクローナル抗体である場
合、抗原決定部位(エピトープ)の異なるモノクローナ
ル抗hIFNα抗体またはそのフラクションを用いれ
ば、各種のhIFNαの亜種を識別することも可能であ
る。反応終了後、前記と同様の洗浄操作が行なわれる。
【0017】続いて、上記抗体(B)を認識する標識化
された特異抗体、または抗体(B)誘導体の誘導体部分
に特異的に結合する標識化された抗体以外の物質を、緩
衝液で希釈したものを一定量加え反応させる。本反応は
室温(例えば15℃〜25℃が好まれる)で行われ、反
応時間は15分〜3時間が好まれ、30分〜2時間がさ
らに好まれる。該特異抗体あるいは抗体以外の物質の希
釈率は、1,000倍〜100,000倍であり、5,0
00倍〜50,000倍が好まれ、7,500倍〜30,
000倍が特に好まれる。該緩衝液には、 ブロックエー
スが1%(v/v)〜50%(v/v)、好ましくは5
%(v/v)〜40%(v/v)、特に好ましくは10
%(v/v)〜30%(v/v)が添加される。該緩衝
液としては、燐酸のアルカリ金属塩でpH5〜8に調整
された生理食塩水が好まれる。該緩衝液には前記操作に
おいて用いられた抗体(A)が得られたのと同じ動物種
の非特異血清、あるいはモノクローナル抗hIFNα抗
体を得る際に、hIFNαに結合して抗原として用いら
れる蛋白質(例、牛血清アルブミンなど)が添加されて
もよい。該非特異血清が添加される濃度は、0.01%
(v/v)〜10%(v/v)であり、0.1%(v/
v)〜5%(v/v)が好まれ、0.2%(v/v)〜
2%(v/v)が特に好まれる。本操作においては、前
記操作において抗体(B)が用いられれば、該抗体を認
識する標識化された特異抗体が、抗体(B)誘導体が用
いられれば、該抗体誘導体の誘導体部分に特異的に結合
する標識化された抗体以外の物質が用いられる。反応終
了後、前記と同様な洗浄操作が行われる。続いて、以上
の操作でマイクロプレートに残存した非放射性物質の量
あるいは濃度が測定される。ここでは非放射性物質がH
RPである場合について以下に説明するが、これに限定
されるものではない。
【0018】該酵素の基質としては、OPD、TMB、
ABTSなどが用いられる。必要に応じて使用直前に該
基質の溶液が調製される。該基質溶液は一定量ずつマイ
クロプレートの各ウエルに加えられ、それぞれ自体公知
の方法で定量操作を行うことができる。OPDあるいは
TMBの場合、酵素反応停止剤として硫酸が用いられ、
該硫酸の濃度としては1〜4規定が好まれる。各ウエル
内で行なわれる基質の酵素反応生成物の量あるいは濃度
の測定には、通常、マイクロプレートリーダーなどの機
器が使用されるが、これらの機器の測定能力範囲(直線
性が成立する範囲)内に反応生成物の量あるいは濃度が
収まるように基質の濃度、液量、反応時間などを選択す
ればよい。例えば、ウエル内の液量が多ければ反応時間
を短くしたり、あるいは基質の濃度が低ければ反応時間
を長くするなどの方法を採用すればよいが、要は前記の
目的が達成されればよく、これらに限定されるものでは
ない。
【0019】本発明において使用される抗体などの各試
薬は最適濃度に調整された後、自体公知の方法で真空乾
燥あるいは凍結乾燥されてもよい。また、複数の試薬が
同時に反応に供される場合には、これらが混在した状態
で、真空乾燥あるいは凍結乾燥されてもよい。また、洗
浄に使用される各試薬も同時に使用される場合には、こ
れらが混在した状態で真空乾燥あるいは凍結乾燥されて
もよい。真空乾燥あるは凍結乾燥が困難な場合には冷蔵
あるいは冷凍保存が好まれる。また、必要に応じて各種
保存剤、防腐剤が添加されてもよい。また、抗体(A)
を吸着させ、さらにブロッキング操作および洗浄をおこ
なったイミュノプレートを真空乾燥したものを室温ある
いは冷所で保存しておき、サンプル中のインターフェロ
ンα濃度を測定してもよい。
【0020】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0021】
【実施例1】抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。抗体(A)(一次抗体)) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号MIF1ー10102:林原生化学研究所。抗体
(B)(二次抗体)) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2。ケミコン社。抗体
(B)を認識する標識化された特異抗体(三次抗体)) 上記一次抗体を、1/10MのpH9.6の重炭酸ソー
ダ緩衝液で10,000倍に希釈し、96穴イミュノプ
レート(ヌンク社イミュノプレート、マキシソープF9
6)の各穴に100μlずつ分注しプレートシーラー
(三光純薬)で密封した後、冷蔵庫内で一晩インキュベ
ートした。各穴に入れた前記抗体希釈液を排出した後、
5%(v/v)のブロックエース(雪印乳業)と0.1
%(v/v)のツイーン20(バイオラッド)を含むP
BS(フローラボラトリーズ)を300μl注入し、さ
らにこれを排出するという洗浄操作を3回繰り返した
(イミュノウオッシャーNKー100(インターメッド
社)を使用)。
【0022】各穴内に少量残留する洗浄液をブロット紙
上でできるだけ排出後、25%(v/v)のブロックエ
ースを含むPBSの300μlを各穴に入れプレートシ
ーラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベートした。
前記の洗浄操作を5回繰り返した後、PBSで10%
(v/v)に希釈したブロックエースでインターフェロ
ンα製剤(キャンフェロン(300万単位(IU)含
有)。武田薬品)を所定の濃度(0IU/ml〜30I
U/ml)に希釈した希釈系列を作製し、該イミュノプ
レートの所定の穴に100μlずつ分注しプレートシー
ラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベートした。翌
日、前述の方法で各穴の洗浄操作を5回おこなった。
【0023】各穴内に少量残留する洗浄液をブロット紙
上でできるだけ排出後、PBSで10%(v/v)に希
釈したブロックエースで2,000倍に希釈した2次抗
体を該イミュノプレートの各穴に100μlずつ分注し
プレートシーラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベ
ートした。翌日、前述の方法で各穴の洗浄操作を5回お
こなった。各穴内に少量残留する洗浄液をブロット紙上
でできるだけ排出後、PBSで10%(v/v)に希釈
したブロックエースで10,000倍に希釈した3次抗
体を該イミュノプレートの各穴に100μlずつ分注し
プレートシーラーで密封後、室温(約22℃)で1時間
インキュベートした。インキュベート終了後、前述の方
法で各穴の洗浄操作を5回おこなった。各穴内に少量残
留する洗浄液をブロット紙上でできるだけ排出後、パー
オキシダーゼ用発色試薬ティーエムブルー(TM Bl
ue、ビーエム機器)を各穴に100μlずつ分注し、
室温(約22℃)で10分間反応させ、1.5規定の硫
酸を25μlを各穴に分注することにより反応を停止さ
せ、450ナノメーターのフィルターを有するマイクロ
プレートリーダー(エムティーピー32(MTPー3
2)、コロナ社)で各穴の吸光度を測定することにより
反応生成物の濃度を決定した(630ナノメーターのフ
ィルターでの吸光度をバックグラウンドとして差し引い
ている)。該反応生成物の濃度は抗インターフェロンα
抗体により固定されたインターフェロンαの量に比例す
るため、インターフェロンαの濃度を定量することがで
きる。測定結果を〔図1〕に示す。〔図1〕において、
横軸はインターフェロンαの濃度を縦軸は吸光度を示
す。インターフェロンαを含まない場合には吸光度がほ
ぼゼロであり、かつインターフェロンαの濃度が0IU
/ml〜30IU/mlの間でほぼ直線的な関係が成立
していることがわかる。
【0024】
【実施例2】抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。一次抗体。) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号MIF1ー10102:林原生化学研究所。二次抗
体。) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2。ケミコン社。三次抗
体。) 非特異正常血清として以下のものを使用した: 正常馬血清(ハイクローン社) 上記一次抗体を、1/10MのpH9.6の重炭酸ソー
ダ緩衝液で10,000倍に希釈し、96穴イミュノプ
レート(ヌンク社イミュノプレート、マキシソープF9
6)の各穴に100μlずつ分注し、プレートシーラー
(三光純薬)で密封した後、冷蔵庫内で一晩インキュベ
ートした。その後、各穴に入れた前記抗体希釈液を排出
し、5%(v/v)のブロックエース(雪印乳業)と
0.1%(v/v)のツイーン20(バイオラッド)を
含むPBS(フローラボラトリーズ)を300μl注入
し、さらにこれを排出するという洗浄操作を3回繰り返
した(イミュノウオッシャーNK−100(インターメ
ッド社)を使用)。各穴内に少量残留する洗浄液をブロ
ット紙上でできるだけ排出後、25%(v/v)のブロ
ックエースを含むPBSの300μlを各穴に入れ、プ
レートシーラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベー
トした。前記と同様の洗浄操作を5回繰り返した後、P
BSで10%(v/v)に希釈したブロックエースで、
インターフェロンα製剤(キャンフェロン(300万単
位(IU)含有)。武田薬品)を所定の濃度(0IU/
ml〜60IU/ml)に希釈した希釈系列を作製し、
イミュノプレートの所定の穴に100μlずつ分注し、
プレートシーラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベ
ートした。翌日、前述の方法で各穴の洗浄操作を5回お
こなった。各穴内に少量残留する洗浄液をブロット紙上
でできるだけ排出後、PBSで10%(v/v)に希釈
したブロックエースで、2,000倍に希釈した2次抗
体(1%(v/v)の非特異正常馬血清を含有)を該イ
ミュノプレートの各穴に100μlずつ分注し、プレー
トシーラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベートし
た。翌日、前述の方法で各穴の洗浄操作を5回おこなっ
た。各穴内に少量残留する洗浄液をブロット紙上ででき
るだけ排出後、PBSで10%(v/v)に希釈したブ
ロックエースで、10,000倍に希釈した3次抗体
(1%(v/v)の正常非特異馬血清を含有)を該イミ
ュノプレートの各穴に100μlずつ分注し、プレート
シーラーで密封後、室温(約22℃)で1時間インキュ
ベートした。インキュベート終了後、前述の方法で各穴
の洗浄操作を5回おこなった。各穴内に少量残留する洗
浄液をブロット紙上でできるだけ排出後、パーオキシダ
ーゼ用発色試薬ティーエムブルー(TM Blue、ビ
ーエム機器)を各穴に100μlずつ分注し、室温(約
22℃)で10分間反応させた。1.5規定の硫酸を2
5μlを各穴に分注することにより反応を停止させ、4
50ナノメーターのフィルターを有するマイクロプレー
トリーダー(エムティーピー32(MTPー32)、コ
ロナ社)で各穴の吸光度を測定することにより、反応生
成物の濃度を決定した(630ナノメーターのフィルタ
ーでの吸光度をバックグラウンドとして差し引いてい
る)。該反応生成物の濃度は、抗インターフェロンα抗
体により固定されたインターフェロンαの量に比例する
ため、インターフェロンαの濃度を定量することができ
る。測定結果を〔図2〕の○として示す。〔図2〕にお
いて、横軸はインターフェロンαの濃度を縦軸は吸光度
を示す。インターフェロンαを含まない場合には吸光度
がほぼゼロであり、かつインターフェロンαの濃度が0
IU/ml〜60IU/mlの間でほぼ直線的な関係が
成立していることがわかる。
【0025】
【実施例3】抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα山羊血清(ロット番号001:日本ケ
ミカルリサーチ社(JCR)。一次抗体。) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号MIF1ー10102:林原生化学研究所。二次抗
体。) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2。ケミコン社。三次抗
体。) 非特異正常血清として以下のものを使用した: 正常山羊血清(ロット番号041790CHM。ケミコ
ン社。) 上記一次抗体を、1/10MのpH9.6の重炭酸ソー
ダ緩衝液で8,000倍に希釈し、96穴イミュノプレ
ート(ヌンク社イミュノプレート、マキシソープF9
6)の各穴に100μlずつ分注し、プレートシーラー
(三光純薬)で密封した後、冷蔵庫内で一晩インキュベ
ートした。その後、各穴に入れた前記抗体希釈液を排出
し、5%(v/v)のブロックエース(雪印乳業)と
0.1%(v/v)のツイーン20(バイオラッド)を
含むPBS(フローラボラトリーズ)を300μl注入
し、さらにこれを排出するという洗浄操作を3回繰り返
した(イミュノウオッシャーNK−100(インターメ
ッド社)を使用)。各穴内に少量残留する洗浄液をブロ
ット紙上でできるだけ排出後、25%(v/v)のブロ
ックエースを含むPBSの300μlを各穴に入れプレ
ートシーラーで密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベート
した。前記の洗浄操作を5回繰り返した後、PBSで1
0%(v/v)に希釈したブロックエースでインターフ
ェロンα製剤(キャンフェロン(300万単位含有)。
武田薬品)を所定の濃度(0IU/ml〜30IU/m
l)に希釈した希釈系列を作製し、該イミュノプレート
の所定の穴に100μlずつ分注しプレートシーラーで
密封後、冷蔵庫内で一晩インキュベートした。翌日、前
述の方法で各穴の洗浄操作を5回行った。各穴内に少量
残留する洗浄液をブロット紙上でできるだけ排出後、P
BSで10%(v/v)に希釈したブロックエースで
2,000倍に希釈した2次抗体(1%(v/v)の非
特異正常山羊血清を含有)を該イミュノプレートの各穴
に100μlずつ分注しプレートシーラーで密封後、冷
蔵庫内で一晩インキュベートした。翌日、前述の方法で
各穴の洗浄操作を5回おこなった。
【0026】各穴内に少量残留する洗浄液をブロット紙
上でできるだけ排出後、PBSで10%(v/v)に希
釈したブロックエースで10,000倍に希釈した3次
抗体(1%(v/v)の正常非特異山羊血清を含有)を
該イミュノプレートの各穴に100μlずつ分注しプレ
ートシーラーで密封後、室温(約22℃)で1時間イン
キュベートした。インキュベート終了後、前述の方法で
各穴の洗浄操作を5回おこなった。各穴内に少量残留す
る洗浄液をブロット紙上でできるだけ排出後、パーオキ
シダーゼ用発色試薬ティーエムブルー(TM Blu
e、ビーエム機器)を各穴に100μlずつ分注し、室
温(約22℃)で10分間反応させ、1.5規定の硫酸
を25μlを各穴に分注することにより反応を停止さ
せ、450ナノメーターのフィルターを有するマイクロ
プレートリーダー(エムティーピー32(MTPー3
2)、コロナ社)で各穴の吸光度を測定することにより
反応生成物の濃度を決定した(630ナノメーターのフ
ィルターでの吸光度をバックグラウンドとして差し引い
ている)。該反応生成物の濃度は抗インターフェロンα
抗体により固定されたインターフェロンαの量に比例す
るため、インターフェロンαの濃度を定量することがで
きる。測定結果を〔図2〕の●として示す。インターフ
ェロンαを含まない場合には吸光度がほぼゼロであり、
かつインターフェロンαの濃度が0IU/ml〜30I
U/mlまでほぼ直線的な関係が成立していることがわ
かる。
【0027】
【比較例】
(1)抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。一次抗体。1,000倍希
釈。) 2)抗hIFNα山羊血清(ロット番号001:日本ケ
ミカルリサーチ社(JCR)。二次抗体。1,000倍
希釈。) 3)ペルオキシダーゼ標識抗山羊血清(カッペル社。三
次抗体。1,500倍希釈。) 上記抗体の希釈操作及びその他の操作は実施例1の操作
に準じた。インターフェロンα製剤(キャンフェロン
(300万単位(IU)含有)。武田薬品)は所定の濃
度(0IU/ml〜60IU/ml)に希釈した希釈系
列を作製した。測定結果を〔図3〕の□として示す。
〔図3〕において、横軸はインターフェロンα濃度を縦
軸は吸光度を表す。〔図3〕の□から、一次抗体および
二次抗体ともにポリクローナルを使用した場合、インタ
ーフェロンαを含まない場合でも吸光度が非常に高く、
またインターフェロンαの濃度が上昇しても吸光度の変
化がわずかであることが分かる。 (2)抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。一次抗体。1000倍希
釈。) 2)抗hIFNα山羊血清(ロット番号001:日本ケ
ミカルリサーチ社(JCR)。二次抗体。1000倍希
釈。) 3)ペルオキシダーゼ標識抗山羊血清(カッペル社。三
次抗体。1500倍希釈。) 非特異正常血清として以下のものを使用した: 正常馬血清(ハイクローン社) 上記抗体の希釈操作及びその他の操作は実施例1の操作
に準じた。インターフ1ェロンα製剤(キャンフェロン
(300万単位(IU)含有)。武田薬品)は所定の濃
度(0IU/ml〜37.5IU/ml)に希釈した希
釈系列を作製した。 正常馬血清は、1%(v/v)の
濃度で二次抗体および三次抗体の希釈液にに添加され
た。測定結果を〔図3〕の◆として示す。〔図3〕の◆
から、(1)の系に、非特異正常血清を添加することに
より、インターフェロンαが存在しない場合のバックグ
ラウンドの吸光度はほぼゼロになったが、インターフェ
ロンαの濃度がゼロ付近では直線関係が成立している
が、インターフェロンα濃度がさらに上昇するにつれて
吸光度の上昇は鈍くなり飽和現象が見られた。以上の結
果から、非特異正常血清によるバックグラウンドの吸光
度は顕著に減少する効果は得られたものの、一次抗体お
よび二次抗体ともにポリクローナル抗体を使用した場合
には、インターフェロンαの濃度と吸光度が比例する範
囲が非常に狭く、実用的な測定系にはなりにくい。
【0028】
【実施例4】抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。一次抗体。10,000倍
希釈。) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号11558921ー04A:ベーリンガーマンハイム
社。二次抗体。2,000倍希釈。) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2。ケミコン社。三次抗
体。10,000倍希釈。) 非特異正常血清として以下のものを使用した: 正常馬血清(ハイクローン社) 正常馬血清は、 1%(v/v)の濃度で二次抗体および
三次抗体の希釈液に添加された。上記抗体の希釈操作及
びその他の操作は、二次抗体にhIFNαの活性を中和
するモノクロナール抗hIFNα抗体を用いた以外は、
実施例2に準じた。測定結果を〔図4〕に示す。〔図
4〕において、横軸はインターフェロンα濃度を縦軸は
吸光度を表す。〔図4〕から明らかなように、hIFN
αを中和する抗体を用いても実施例2とほぼ同じ結果を
得ることができた。
【0029】
【実施例5】 (1)抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。(一次抗体) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号MIF1ー10102:林原生化学研究所)。(二次
抗体) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2:ケミコン社)。(三
次抗体) 非特異正常血清として以下のものを使用した: 正常馬血清(ハイクローン社) 上記抗体の希釈操作およびその他の操作は実施例2の操
作に準じた。インターフェロンα製剤(キャンフェロン
(300万単位(IU)含有)。武田薬品)は、PBS
で10%(v/v)に希釈したブロックエースに25%
(v/v)の濃度になるようにラット血清を添加したも
ので、所定の濃度(0IU/ml〜30IU/ml)に
希釈した希釈系列を作製した。測定結果を〔図5〕の○
として示す。 (2)抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社JCR)。(一次抗体) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号MIF1ー10102:林原生化学研究所)。(二次
抗体) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2:ケミコン社)。(三
次抗体) 非特異正常血清として以下のものを使用した: 正常馬血清(ハイクローン社) 上記抗体の希釈操作およびその他の操作は実施例2の操
作に準じた。インターフェロンα製剤(キャンフェロン
(300万単位(IU)含有)。武田薬品)は所定の濃
度(0IU/ml〜30IU/ml)に希釈した希釈系
列を作製した。定結果を〔図5〕の●として示す。〔図
5〕において、横軸はインターフェロンα濃度を縦軸は
吸光度を表す。両者の吸光度がほぼ一致していることか
ら、ラットの血清がインターフェロンαに共存しても測
定結果には影響を与えないことがわかる。したがって、
本発明のインターフェロンαの免疫学的測定法は、血清
中濃度測定用のシステムとしてすぐれたものであること
がわかる。
【0030】
【実施例6】抗体として以下のものを使用した: 1)抗hIFNα馬血清(ロット番号001:日本ケミ
カルリサーチ社(JCR)。一次抗体。) 2)抗hIFNαマウスモノクローナル抗体(ロット番
号MIF10102:林原生化学研究所。二次抗体。) 3)ペルオキシダーゼ標識抗マウスイミュノグロブリン
G(ロット番号061891j2。ケミコン社。三次抗
体。) 測定対象として天然型hIFNα600万単位を1バイ
アル中に含有するスミフェロン(住友製薬)を用いた。
該スミフェロンの希釈系列を作成して(3単位/ml〜
15単位/ml)定量を行った。定量操作の詳細は実施
例2の方法に準じた(正常馬血清は使用せず)。結果を
〔表1〕に示す:
【表1】 少なくともこの濃度の範囲では濃度と吸光度の間にほぼ
直線関係が成立した。この結果より、天然型hIFNα
も本発明の免疫学的測定法により測定できることが示さ
れた。
【0031】
【発明の効果】本発明で得られるインターフェロンαの
測定法は、バックグランドの値がほとんどなく、かつ直
線性が成立する範囲(ダイナミックレンジ)が広いた
め、C型肝炎などの治療薬として繁用されつつあるイン
ターフェロンαの血液中または体液中の濃度のモニター
用として医療分野への貢献は多大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1の実験結果を示したものである。
【図2】は実施例2および3の実験結果を示したもので
ある。
【図3】は比較例の実験結果を示したものである。
【図4】は実施例4の実験結果を示したものである。
【図5】は実施例5の実験結果を示したものである。
【符号の説明】
〔図1〕の△はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図2〕の○はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図2〕の●はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図3〕の□はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図3〕の◆はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図4〕の□はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図5〕の○はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。 〔図5〕の●はインターフェロンαの濃度と吸光度の関
係を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトインターフェロンαを担体上に保
    持された抗体(A)で認識させ、 上記のヒトインターフェロンαを抗体(A)と抗
    原決定部位が異なる抗体(B)あるいは抗体(B)誘導
    体で認識させた後(ただし、抗体(A)と抗体(B)の
    うち少なくとも一方はモノクローナル抗体である)、 上記の抗体(B)を認識する標識化された特異抗
    体で、あるいは抗体以外の物質であって上記の抗体
    (B)誘導体の誘導体部分に特異的に結合する標識化さ
    れた物質で認識させ、 上記の標識物質を定量するヒトインターフェロン
    αの免疫学的測定法。
  2. 【請求項2】標識物質が非放射性物質である請求項1記
    載の免疫学的測定法。
  3. 【請求項3】非放射性物質が酵素である請求項2記載の
    免疫学的測定法。
  4. 【請求項4】 担体上に保持された抗体(A)、 抗体(A)と抗原決定部位が異なる抗体(B)ある
    いは抗体(B)誘導体(ただし、抗体(A)と抗体
    (B)のうち少なくとも一方はモノクローナル抗体であ
    る)、および 抗体(B)を認識する標識化された特異抗体、ある
    いは抗体以外の物質であって抗体(B)誘導体の誘導体
    部分に特異的に結合する標識化された物質を組み合わせ
    てなるヒトインターフェロンαの免疫学的測定用試薬。
  5. 【請求項5】標識物質が非放射性物質である請求項4記
    載の免疫学的測定用試薬。
  6. 【請求項6】非放射性物質が酵素である請求項5記載の
    免疫学的測定用試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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