JP3512545B2 - ヘモグロビンa1cの測定方法 - Google Patents

ヘモグロビンa1cの測定方法

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JP3512545B2
JP3512545B2 JP34871195A JP34871195A JP3512545B2 JP 3512545 B2 JP3512545 B2 JP 3512545B2 JP 34871195 A JP34871195 A JP 34871195A JP 34871195 A JP34871195 A JP 34871195A JP 3512545 B2 JP3512545 B2 JP 3512545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘモグロビンA1
Cの測定方法に関する。本発明方法によれば、ヘモグロ
ビンA1Cよりも高濃度で存在するヘモグロビンと抗ヘ
モグロビンA1Cモノクローナル抗体との交叉反応を抑
制して、低濃度のヘモグロビンA1Cを高感度で測定す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】糖尿病患者の血液試料では、グルコース
の血中濃度が増加するだけでなく、ヘモグロビンがグル
コシル化されて生成するヘモグロビンA1C(HbA1
C)の血中濃度も増加することが知られている。従っ
て、ヘモグロビンA1Cは、糖尿病患者の血糖コントロ
ール状態の中期的ないし長期的指標として、糖尿病の臨
床検査において広範に利用されている。従来、ヘモグロ
ビンA1C濃度の測定は、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)を用いて実施されてきた。しかし、HPL
Cでは、長時間かけないと多数の検体を測定することが
できなかった。また、ヘモグロビンA1C値は糖尿病検
査項目として重視されているにもかかわらず、HPLC
による測定値の精度は必ずしも良好ではなかった。この
最大の原因は、被検試料から不安定ヘモグロビンA1C
分画を十分に除去していないことによるものであった。
また、ヘモグロビンA1Cに特異的なモノクローナル抗
体を用いて、ヘモグロビンA1Cを免疫学的に測定する
方法も知られている(Molecular Diagn
ostic Inc.;特開平7−51087号公
報)。しかし、その方法では、モノクローナル抗体が安
定型ヘモグロビンA1Cとのみ特異的に反応するため、
ヘモグロビンA1Cを3Mグアニジン塩酸で56℃にて
15分間処理しないと、全体の正確な量を測定すること
ができなかった。また、加熱処理が必要であるため、操
作も煩雑であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、測定対象であるヘモグロビンA1Cと比較して被検
試料内に過剰量で存在するヘモグロビンによる干渉を受
けずに、安定型ヘモグロビンA1Cをモノクローナル抗
体を用いて高感度で正確及び迅速に測定することのでき
る手段を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
よる、抗ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体を用い
て被検試料中のヘモグロビンA1Cを検出する免疫学的
測定方法において、炭素数2〜6で直鎖状のアルキルモ
ノアルデヒド若しくはアルキレンジアルデヒド、又はベ
ンズアルデヒドの存在下で、前記モノクローナル抗体と
被検試料とを接触させることを特徴とする、ヘモグロビ
ンA1Cの測定方法によって達成することができる。
【0005】ヘモグロビンは、4個のサブユニット(α
鎖及びβ鎖各々2個)から構成されたタンパク質であ
り、分子量は約64,000である。ヘモグロビンをグ
ルコースと反応させると、ヘモグロビンのβ鎖N末端ア
ミノ酸であるバリン残基にグルコースが非酵素的に結合
し、ヘモグロビンA1Cが生成する。また、ヘモグロビ
ン分子表面(α鎖及びβ鎖)のリジン残基のε−アミノ
基がグルコースと非酵素的に反応して、グリコヘモグロ
ビン(GlycoHbと略することがある)が生成する
〔M.P.Cohen and V.Y.Wu.,Me
thod inEnzymology,231,65
(1994)〕。従って、本明細書において用いる「ヘ
モグロビン」の用語には、前記の「ヘモグロビンA1
C」及び「グリコヘモグロビン」は含まれないものとす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明方法では、特定のアルデヒ
ド化合物の存在下で、抗ヘモグロビンA1Cモノクロー
ナル抗体と被検試料とを接触させる。本発明方法で用い
ることのできるアルデヒド化合物は、炭素数2〜6の直
鎖状非置換のアルキルモノアルデヒド、例えば、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、
ブチルアルデヒド(ブタナール)、バレルアルデヒド
(ペンタナール)若しくはカプロンアルデヒド(ヘキサ
ナール);炭素数2〜6の直鎖状非置換のアルキレンジ
アルデヒド、例えば、グリオキサール、マロンアルデヒ
ド(ジアルデヒドメタン)、スクシンアルデヒド(コハ
ク酸ジアルデヒド)、グルタルアルデヒド(グルタルジ
アルデヒド)若しくはアジポアルデヒド(アジピンジア
ルデヒド);又はベンズアルデヒドである。これらのア
ルデヒド化合物の中では、アセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グルタルアルデヒ
ド、又はベンズアルデヒドが好ましく、グルタルアルデ
ヒドが特に好ましい。
【0007】本発明方法で用いる被検試料は、検査対象
であるヘモグロビンA1Cを含有するおそれのある試料
であれば特に限定されないが、ヘモグロビンA1Cと比
較して多量のヘモグロビンが共存する試料について適用
するのが好ましい。従って、被検試料としては、例え
ば、血液試料、好ましくは全血溶血液又は溶血赤血球
液、特には、フッ化ナトリウム、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム(EDTA2Na)、又はヘパリン等を
含む全血溶血液又は溶血赤血球液を挙げることができ
る。
【0008】本発明方法で用いる抗ヘモグロビンA1C
モノクローナル抗体は、それ自体公知の方法で調製する
ことができる。すなわち、前記の抗ヘモグロビンA1C
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ(好まし
くはマウス・ハイブリドーマ)を、培地又は哺乳動物
(特にはマウス)の腹腔内で培養することによって製造
することができる。前記のハイブリドーマは、一般的に
はヘモグロビンA1Cで免疫したマウスの脾臓細胞とマ
ウス骨髄腫細胞とを、Kohler及びMiliste
inの細胞融合の基本方法〔Nature,第256
巻,495頁(1975年)参照〕により製造すること
が可能である。
【0009】免疫原は、前記のヘモグロビンA1Cに限
定されず、例えば、本発明者は、ヒトグリコヘモグロビ
ンを免疫原として用いて、所望のモノクローナル抗体を
分泌するハイブリドーマを得ることができた。免疫原と
してヒトグリコヘモグロビンを用い、スクリーニング用
抗原として、ヒトグリコヘモグロビン、ヒトヘモグロビ
ンA1C及びヒトヘモグロビンを用いてモノクローナル
抗体を作製したところ、下記の実施例で詳述するとお
り、グリコヘモグロビンに特異的に反応するモノクロー
ナル抗体(No.7及びNo.35)に加えて、ヘモグ
ロビンA1Cに特異的に反応するモノクローナル抗体
(No.19)が得られた。
【0010】上記のハイブリドーマを培養する培地とし
ては、ハイブリドーマの培養に適した培地であればよ
く、好適にはダルベッコ氏変法イーグル氏最小必須培地
にウシ胎児血清、L−グルタミン、L−ピルビン酸及び
抗生物質(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含む
培地が用いられる。このようにして製造された培養液又
はマウスの腹水から、タンパク質の単離、精製に一般的
に用いられる方法により前記の抗ヘモグロビンA1Cモ
ノクローナル抗体を分離、精製することが可能である。
そのような方法としては、硫安塩析、イオン交換セルロ
ースを用いるイオン交換カラムクロマトグラフィー、分
子節ゲルを用いる分子節カラムクロマトグラフィー、プ
ロテインA結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグ
ラフィー、透析、又は凍結乾燥などがある。
【0011】本発明方法において、前記の特定アルデヒ
ド化合物の存在下で、前記の抗ヘモグロビンA1Cモノ
クローナル抗体と被検試料とを接触させると、被検試料
中に一般に多量に含まれるヘモグロビンのβ鎖N末端ア
ミノ酸基(バリン残基)が、前記の特定アルデヒド化合
物によって修飾されるので、修飾されたヘモグロビンと
前記モノクローナル抗体との非特異的結合が実質的に形
成されなくなり、前記モノクローナル抗体とヘモグロビ
ンA1C(検査対象)との特異的結合が妨害されないた
めに、正確な測定が可能になるものと考えられる。本発
明は前記の推論に限定されるものではないが、本発明方
法では、前記の特定アルデヒド化合物で処理されたヘモ
グロビンとは反応せずに、ヘモグロビンA1Cとは特異
的に反応することのできるモノクローナル抗体を用いる
のが特に好ましい。
【0012】本発明方法で用いる特定アルデヒド化合物
の量は特に限定されるものではないが、ヘモグロビンの
β鎖N末端アミノ基を十分に修飾することのできる量を
存在させるのが好ましい。具体的な量は個々の被検試料
によって適宜選択することができるが、一般的には被検
試料の0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量
%である。0.05重量%未満であるとN末端アミノ基
の修飾が不充分となり、5重量%を越えるとヘモグロビ
ンの分子間の凝集が起こり、沈殿が生じることがある。
【0013】前記のアルデヒド化合物とヘモグロビンN
末端アミノ酸基(バリン残基)との反応は、中性領域
(リン酸緩衝塩類溶液:PBS)よりも、アルカリ性領
域(pH9〜12、より好ましくはpH10〜11)の
方が、ヘモグロビンのクロスリンクが起こらないので良
好である。特には、0.05〜0.1M炭酸緩衝液(p
H9〜11)/0.1〜0.5%グルタルアルデヒドを
用いると精度よく測定できることがわかった。
【0014】本発明方法では、特定のアルデヒド化合物
の存在下で、前記モノクローナル抗体と被検試料とを接
触させる限り、それらを接触させる順序は特に限定され
ない。従って、被検試料と特定のアルデヒド化合物と抗
ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体とを実質的に同
時に接触させてもよい。また、被検試料と抗ヘモグロビ
ンA1Cモノクローナル抗体とを接触させた直後に特定
のアルデヒド化合物を加えてもよい。しかし、特定のア
ルデヒド化合物で被検試料を処理してから、被検試料と
抗ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体とを接触させ
るのが好ましい。これらの場合、前記のアルデヒド化合
物は、前記のようにヘモグロビンのN末端バリン残基と
結合し、単独のアルデヒド化合物の形で存在するもので
はないと考えられるが、こうした状態も特定アルデヒド
化合物の「存在下」での前記モノクローナル抗体と被検
試料との接触に包含される。
【0015】本発明は、任意の免疫学的測定方法に適用
することができる。以下、代表的な実施態様を説明す
る。第1の態様は、被検試料(例えば、ヒト溶血赤血
球)中に含まれるヘモグロビンA1Cを、前記の特定ア
ルデヒド化合物の存在下で固相(例えば、ELISAプ
レート)に結合させ、続いて抗ヘモグロビンA1Cモノ
クローナル抗体と反応させた後、酵素などで標識した第
2抗体(例えば、抗マウスIgG抗体)と反応させ、固
相に結合したヘモグロビンA1Cと抗ヘモグロビンA1
Cモノクローナル抗体との複合体を測定する工程を含
む。この態様においては、被検試料を固相へ結合させる
際に、タンパク質の非特異的吸着をブロックするため
に、一般にブロッキング剤が使用されるが、そのブロッ
キング剤に前記の特定アルデヒド化合物を混合して用い
るのが好ましい。例えば、0.1〜0.5%グルタルア
ルデヒド/0.1〜0.2%Tween20/PBSで
ブロッキングするのが好ましい。
【0016】次いで、ブロッキング剤を洗浄した後、固
相に結合されたヘモグロビンA1Cと抗ヘモグロビンA
1Cモノクローナル抗体とを抗原抗体反応させ、モノク
ローナル抗体液を洗浄してから、固相に結合されたヘモ
グロビンA1Cと抗ヘモグロビンA1Cモノクローナル
抗体との複合体の量を測定する。これらの工程は、周知
の方法で行うことができる。例えば、抗ヘモグロビンA
1Cモノクローナル抗体に特異的に反応し、しかも酵
素、蛍光色素、発光物質又は放射性物質等で標識した第
2抗体を更に反応させ、第2抗体上の標識由来の信号を
測定することにより行うことができる。また、標識した
前記第2抗体を用いる代わりに、前記抗ヘモグロビンA
1Cモノクローナル抗体を酵素、蛍光色素、発光物質又
は放射性物質等で標識しておき、その標識からの信号を
測定することもできる。あるいは、抗ヘモグロビンA1
Cモノクローナル抗体にビオチンを結合させておき、こ
のビオチンを標識アビジンと反応させて、標識からの信
号を測定することもできる。
【0017】第2の態様は、抗ヘモグロビン抗体を固相
(例えば、ELISAプレート)に結合させ、前記の特
定アルデヒド化合物の存在下で被検試料(例えば、溶血
赤血球)を前記固相に結合された抗体と反応させ、更に
抗ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体と反応させた
後、酵素標識抗マウスIgG抗体と結合させる工程を含
むEIAサンドイッチ法である。この方法では、前記抗
ヘモグロビン抗体及び抗ヘモグロビンA1Cモノクロー
ナル抗体を介して固相に結合されたヘモグロビンA1C
を測定する。
【0018】固相に結合させる抗ヘモグロビン抗体とし
ては、周知のポリクローナル抗体又はモノクローナル抗
体のいずれも用いることができる。抗ヘモグロビン抗体
の固相への結合は、例えば抗体溶液(約0.1〜1μg
/ml)を固相に加え、約4℃で一夜放置することによ
り行うことができる。ウシ血清アルブミン含有のリン酸
緩衝塩類溶液(BSA/PBS)などのブロッキング剤
で処理してタンパク質の非特異的吸着をブロックするこ
とができる。なお、ヒトヘモグロビンA1Cをサンドイ
ッチEIA法で測定する場合には、抗ヘモグロビン抗体
を固相に結合させることが望ましい。次いで、このよう
に固相に結合された抗ヘモグロビン抗体と被検試料とを
アルデヒド化合物の存在下で反応させ、被検試料中のヘ
モグロビンA1Cを抗原抗体反応により、前記固相に結
合された抗ヘモグロビン抗体を介して固相に結合させ
る。被検試料は、フッ化ナトリウム、EDTA2Na又
はヘパリン等を含む溶血赤血球液又は全血溶血液である
ことができる。次いで、固相を洗浄し、抗ヘモグロビン
抗体を介して固相に結合されたヘモグロビンA1Cと抗
ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体とを抗原抗体反
応させる。
【0019】抗体液を洗浄した後、抗ヘモグロビン抗体
を介して固相に結合されたヘモグロビンA1Cと抗ヘモ
グロビンA1Cモノクローナル抗体との複合体を測定す
る。この測定も上記の第1の態様の検出方法と同様に、
抗ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体を酵素、蛍光
色素、発光物質又は放射性物質等で標識しておき、その
標識からの信号を測定することができる。あるいは、抗
ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体にビオチンを結
合しておき、このビオチンを標識アビジンと反応させて
標識からの信号を測定することができる。更には、抗ヘ
モグロビンA1Cモノクローナル抗体に特異的に反応す
る標識抗体を更に反応させ、その抗体上の標識からの信
号を測定することもできる。
【0020】第3の態様は、抗ヘモグロビンA1Cモノ
クローナル抗体を固相(例えば、ELISAプレート)
に結合させた後、被検試料(例えば、溶血赤血球)に含
まれるヘモグロビンA1Cとビオチン標識ヘモグロビン
A1C(既知量)とを、前記の特定アルデヒド化合物を
含む緩衝液中で競合反応させ、更にアビジン結合酵素標
識抗マウスIgG抗体と結合させる工程を含むEIA法
である。この方法では、前記抗ヘモグロビンA1Cモノ
クローナル抗体を介して固相に競合的に結合されたビオ
チン標識ヘモグロビンA1Cを、アビジン結合酵素標識
抗マウスIgG抗体のアビジン(標識)からの信号で測
定することにより、前記抗ヘモグロビンA1Cモノクロ
ーナル抗体を介して固相に競合的に結合されたヘモグロ
ビンA1Cを間接的に測定する。被検試料は、フッ化ナ
トリウム、EDTA2Na又はヘパリン等を含む溶血赤
血球液又は全血溶血液であることができる。
【0021】第4の態様は、ヘモグロビンA1Cに特異
的なモノクローナル抗体をラテックス粒子に結合させた
抗体結合ラテックスと、ヘモグロビンA1Cを含む試料
を前記の特定アルデヒド化合物の存在下でラテックス粒
子に結合させた試料結合ラテックスとを混合し、生成す
る凝集を測定すると、HPLC法で測定したヘモグロビ
ンA1C(%)と相関することを見い出した。この方法
において用いる粒子としては、直径0.05〜1μmの
ラテックスが良好であった。ラテックス粒子への抗体の
結合方法は、抗体の溶液中に粒子を分散させることによ
り行った。ラテックス粒子上にモノクローナル抗体を結
合した場合、ヘモグロビンA1Cを含む検体が凝集する
ことにより、吸光度測定でヘモグロビンA1Cを定量す
ることができる。
【0022】本発明による試薬は、被検試料と接触する
ベース液に前記の特定アルデヒド化合物を含有する。ベ
ース液は、一般に適当な緩衝液に前記の特定アルデヒド
化合物を含有する。例えば、0.05〜0.1M炭酸緩
衝液(pH9〜11)中に、前記の特定アルデヒド化合
物0.1〜0.5重量%を含む。前記のベース液として
は、例えば、被検試料の希釈用液、又は固相(例えば、
ELISA用プレート又はラテックス粒子)に被検試料
中のヘモグロビンA1Cを固定するのに用いる固定液又
は固定洗浄液を挙げることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。以下の実施例において、特に断らない限り、ヒトヘ
モグロビンはSigma社のヘモグロビン、ヒトヘモグ
ロビンA1CはExocell,Inc.のヘモグロビ
ンA1C、そしてグリコヒトヘモグロビンはCalzy
me Laboratories Inc.のグリコヘ
モグロビンを用い、更に96穴ELISA用プレートと
してはDynatech Laboratories
Inc.のIMMULON2を用いた。
【0024】実施例1:モノクローナル抗体の作製 ヒトグリコヘモグロビン(Calzyme Labor
atories,Inc.)をフロイント完全アジュバ
ントに十分に分散させ、得られた分散液100μlでB
alb/cマウスを2週間おきに4回免疫した。この免
疫マウスを屠殺した後、脾臓を摘出し、脾細胞1×10
8 個を得た。この脾細胞とマウスミエローマ細胞P3−
X63−Ag8−6.5.3とを、電気融合装置SSH
−2(島津製作所)によって細胞融合させ、培養した。
増殖した細胞の上清を採取し、ELISA法により抗原
としてヒトグリコヘモグロビン及びヒトヘモグロビンA
1Cを用いて、上清内の抗グリコヘモグロビン抗体及び
抗ヘモグロビンA1C抗体の有無を調べた。抗体産生細
胞を限界希釈法により試験し、抗ヒトグリコヘモグロビ
ン抗体を産生している細胞及び抗ヒトヘモグロビンA1
C抗体を産生している細胞を確認した。こうして得られ
た細胞を抗ヒトグリコヘモグロビンマウスモノクローナ
ル抗体産生細胞(ハイブリドーマNo.7及びハイブリ
ドーマNo.35)及び抗ヒトヘモグロビンA1Cマウ
スモノクローナル抗体産生細胞(ハイブリドーマNo.
19)として大量に培養し、各々マウス腹控中に注入し
た。2週間後より2日毎に腹水を採取し、前記のハイブ
リドーマNo.7及びハイブリドーマNo.35からは
目的の抗ヒトグリコヘモグロビンマウスモノクローナル
抗体No.7及び抗ヒトグリコヘモグロビンマウスモノ
クローナル抗体No.35を得、そして前記のハイブリ
ドーマNo.19からは抗ヒトヘモグロビンA1Cマウ
スモノクローナル抗体No.19を得た。各抗体のサブ
クラスをクローンタイピングシステム(Souther
n Biotechnology Associate
Inc.)によって測定した結果を以下の表1に示
す。
【0025】
【表1】モノクローナル抗体 サブクラス No.35 IgG1 λ No. 7 IgMNo 19 IgG1 κ
【0026】実施例2:グリコヘモグロビン及びヘモグ
ロビンA1Cへの特異性 (1)50mM炭酸緩衝液(pH9.6)中のヒトグリ
コヘモグロビン(1.0μg/ml)、ヒトヘモグロビ
ンA1C(1.0μg/ml)、又はヒトヘモグロビン
(1.0μg/ml)を96穴ELISA用プレートの
各ウェルに100μlずつ分注し、4℃で一夜放置し
た。このプレートを1%BSA(ウシ血清アルブミン)
/PBS(リン酸緩衝塩類溶液)で1時間ブロッキング
した。上清を除去した後、前記実施例1で作製したハイ
ブリドーマNo.35、ハイブリドーマNo.7、又は
ハイブリドーマNo.19の培養上清各50μlを加え
て室温で2時間放置し、続いて0.2%BSA/0.2
%Tween20/PBSで5回洗浄した。次に、アル
カリフォスファターゼ(ALP)標識抗マウスIgG1
抗体(ヤギ)100μl(100ng/ml)を加え、
室温で2時間放置し、再び0.2%BSA/0.2%T
ween20/PBSで5回洗浄した。このプレートの
各ウェルにp−ニトロフェニルリン酸を含むジエタノー
ルアミン緩衝液(pH9.6)50μlを添加し、室温
で30分間放置した後、405nmの吸光度を測定し
た。この結果を表2に示す。表2〜7において、Gly
coHbはグリコヘモグロビンであり、HbA1Cはヘ
モグロビンA1Cであり、Hbはヘモグロビンである。
【0027】
【表2】 モノクローナル抗体 GlycoHb HbA1C Hb No.35 0.099 0.014 0.010 No.7 0.426 0.301 0.188 No.19 0.751 0.939 0.418
【0028】(2)3Mグアニジン塩酸中のヒトグリコ
ヘモグロビン(1.0μg/ml)、ヒトヘモグロビン
A1C(1.0μg/ml)、又はヒトヘモグロビン
(1.0μg/ml)を、それぞれ56℃にて15分間
熱変性した後、各変性物含有液100μlずつを96穴
ELISA用プレートの各ウェルに分注し、4℃で一夜
放置した。このプレートを1%BSA/PBSで1時間
ブロッキングした。上清を除去した後、前記実施例1で
作製したハイブリドーマNo.35、ハイブリドーマN
o.7、又はハイブリドーマNo.19の培養上清各5
0μlを加えて室温で2時間放置した後、0.2%BS
A/0.2%Tween20/PBSで5回洗浄した。
次に、アルカリフォスファターゼ(ALP)標識抗マウ
スIgG1抗体(ヤギ)100μl(100ng/m
l)を加え、室温で2時間放置し、再び0.2%BSA
/0.2%Tween20/PBSで5回洗浄した。こ
のプレートの各ウェルにp−ニトロフェニルリン酸を含
むジエタノールアミン緩衝液(pH9.6)50μlを
添加し、室温で30分間放置した後、405nmの吸光
度を測定した。この結果を表3に示す。
【0029】
【表3】 モノクローナル抗体 GlycoHb HbA1C Hb No.35 0.265 0.022 0.022 No.7 0.613 0.047 0.067 No.19 0.831 0.678 0.191
【0030】実施例3:ELISA法によるヒト赤血球
中のヘモグロビンA1Cの測定 (1)グアニジン塩酸/尿素による変性体との反応性 1M、3M又は5Mグアニジン塩酸中でヒトグリコヘモ
グロビン(1.0μg/ml)、ヒトヘモグロビンA1
C(1.0μg/ml)、又はヒトヘモグロビン(1.
0μg/ml)をそれぞれ56℃にて15分間熱変性し
て得た変性物含有液、あるいは2M、4M、6M又は8
M尿素でグリコヘモグロビン(1.0μg/ml)、ヘ
モグロビンA1C(1.0μg/ml)、又はヘモグロ
ビン(1.0μg/ml)をそれぞれ変性して得た変性
物含有液、各100μlずつを96穴ELISA用プレ
ートの各ウェルに分注し、室温で1時間放置した。この
プレートを1%BSA/PBSで1時間ブロッキングし
た。上清を除去した後、前記実施例1で作製したハイブ
リドーマNo.19の培養上清50μlずつを加えて室
温で2時間放置し、0.2%BSA/0.2%Twee
n20/PBSで5回洗浄した。次に、アルカリフォス
ファターゼ(ALP)標識抗マウスIgG1抗体(ヤ
ギ)100μl(100ng/ml)を加え、室温で2
時間放置し、再び0.2%BSA/0.2%Tween
20/PBSで5回洗浄した。このプレートの各ウェル
にp−ニトロフェニルリン酸を含むジエタノールアミン
緩衝液(pH9.6)50μlを添加し、室温で30分
間放置した後、405nmの吸光度を測定した。この結
果を表4に示す。
【0031】
【表4】 変性剤 GlycoHb HbA1C Hb PBS 0.349 0.428 0.174 1M グアニジン−HCl 0.295 0.317 0.067 3M グアニジン−HCl 0.288 0.313 0.076 5M グアニジン−HCl 0.291 0.341 0.127 2M 尿素 0.388 0.361 0.110 4M 尿素 0.326 0.345 0.114 6M 尿素 0.323 0.334 0.1148M 尿素 0.315 0.330 0.115
【0032】(2)アルデヒド処理による変性体との反
応性 ヒトヘモグロビンA1C又はヒトヘモグロビンを、50
mM炭酸緩衝液(pH9.6)又はPBS/0.1%各
種アルデヒド化合物に溶解(1μg/ml、2μg/m
l又は20μg/ml)し、96穴ELISA用プレー
トの各ウェル内に100μlずつ分注した後、室温で1
時間放置した。このプレートを1%BSA/PBSで3
0分ブロッキングした。ヒト血液中の赤血球内では、ヘ
モグロビンはヘモグロビンA1Cよりも、約5〜20倍
過剰に存在しており、ヒトヘモグロビン量が増加すると
各種アルデヒド化合物とヘモグロビンとの反応に影響を
与えるため、各種アルデヒド化合物に溶解するヘモグロ
ビン量及びpHを変え、最適なアルデヒド化合物の検討
を行った。すなわち、ヒトヘモグロビン量を過剰とした
場合(20μg/ml)及びヘモグロビンA1Cとヘモ
グロビンの量比を1対10(HbA1C2μg+Hb2
0μg/ml)で、50mM炭酸緩衝液(pH9.6)
又は50mM炭酸緩衝液(pH11)/0.5%各種ア
ルデヒド化合物に溶解し、96穴ELISA用プレート
の各ウェル内に100μlずつ分注した後、室温で1時
間放置した。このプレートを0.2%Tween20/
0.5%各種アルデヒド化合物/PBS及び1%BSA
/PBSで30分ブロッキングした。これらのプレート
の上清を除去した後、前記実施例1で作製したハイブリ
ドーマNo.19の培養上清100μlを加えて室温で
2時間放置した後、0.2%BSA/0.2%Twee
n20/PBSで5回洗浄した。次に、アルカリフォス
ファターゼ(ALP)標識抗マウスIgG1抗体(ヤ
ギ)100μl(100ng/ml)を加え、室温で2
時間放置し、再び0.2%BSA/0.2%Tween
20/PBSで5回洗浄した。このプレートの各ウェル
にp−ニトロフェニルリン酸を含むジエタノールアミン
緩衝液(pH9.6)50μlを添加し、室温で30分
間放置した後、405nmの吸光度を測定した。この結
果を表5及び表6に示す。
【0033】
【表5】 緩衝剤+変性剤 HbA1C Hb HbA1C Hb 0.1μg 0.1μg 0.2μg 0.2μg コントロール〔50mM NaHC03 (pH9.6) 〕 1.223 0.100 1.238 0.236 PBS+0.1% HCHO 1.214 0.308 1.219 0.554 PBS+0.1% CH3 CHO 0.599 0.015 1.181 0.027 PBS+0.1% CH3 CH2 CHO 0.543 0.012 1.171 0.029 PBS+0.1% OHC(CH2 ) 3 CHO 0.467 0.010 0.900 0.036 PBS+0.1% ベンズアルデヒド 0.111 0.003 0.579 0.006 PBS+0.1% バニリン 1.039 0.053 1.280 0.142
【0034】
【表6】 緩衝剤+変性剤 HbA1C + Hb Hb 0.2μg 2.0μg 2.0μg コントロール〔50mM NaHC03 (pH9.6) 〕 1.273 1.152 50mM Na2C03 (pH11)+0.5% HCHO 1.180 0.544 50mM Na2C03 (pH11)+0.5% CH3 CHO 1.293 0.337 50mM Na2C03 (pH11)+0.5% CH3 CH2 CHO 1.291 0.680 50mM Na2C03 (pH11)+0.5% OHC(CH2 ) 3 CHO 0.836 0.076 50mM Na2C03 (pH11)+0.5% ベンズアルデヒド 1.326 0.654 50mM Na2C03 (pH11)+0.5% バニリン 1.327 1.182
【0035】(3)ELISA法によるヒト赤血球中の
ヘモグロビンA1Cの測定 ヒト血液検体を3,000rpmで5分間遠心分離した
後、上清をアスピレーターで除去して得た赤血球画分1
00μlを採取し、精製水300μlを加えて溶血させ
た。得られたヒト溶血検体を0.1M炭酸緩衝液(pH
11)/0.5%グルタルアルデヒドで50倍に希釈
し、96穴ELISA用プレートの各ウェルに希釈液1
00μlずつを分注し、室温で1時間放置した。上清を
除去し、0.2%Tween20/0.5%グルタルア
ルデヒド/PBS200μlを添加して1時間ブロッキ
ングした。再度上清を除去し、前記実施例1で作製した
ハイブリドーマNo.19の培養上清100μlを加
え、室温で2時間放置した後、0.2%BSA/0.2
%Tween20/PBSで5回洗浄した。次に、アル
カリフォスファターゼ(ALP)標識抗マウスIgG1
抗体(ヤギ)100μl(100ng/ml)を加え、
室温で2時間放置し、再び0.2%BSA/0.2%T
ween20/PBSで5回洗浄した。このプレートの
各ウェルにp−ニトロフェニルリン酸を含むジエタノー
ルアミン緩衝液(pH9.6)50μlを添加し、室温
で30分間放置した後、405nmの吸光度を測定し
た。
【0036】HPLC法によるヘモグロビンA1Cの測
定は、自動グリコヘモグロビン測定装置HA−8121
(京都第一科学)を用いて行った。この装置では、試料
ラックにのせた検体が、オートサンプラーにより約3μ
lずつセットされた順にインジェクションバルブのサン
プリングループに導入され、定められた送液シーケンス
に従って自動的に注入した液体を分離測定する。この装
置の溶離液には、Hi−AUTOA1C(京都第一科
学)を用いた。これらの結果を図1に示す。図1におい
て、横軸はHPLC法の測定値HbA1C(%)(以下
の図2〜図4も同様)であり、□はEIA法の測定値で
あり、破線は相関を示す直線である。
【0037】実施例4:血液検体に対するHPLC法及
びELISA法による測定 (1)ヘモグロビンA1Cの作製 クエン酸ナトリウムを含むヒト血液20mlを3,00
0rpmで5分間遠心分離し、赤血球画分を得た。この
赤血球画分をPBSで2回洗浄し、3,000rpmで
5分間更に遠心して得られた赤血球画分に等量のH2
を加えて溶血させた。この溶血液を12,000rpm
で30分間遠心分離して得た上清にグルコース(500
mg/mlPBS)を添加した後、ろ過滅菌(0.23
μm)を行い、37℃で1〜7日反応させた。経時的に
試料5mlを採取し、PBS200mlで3回透析し
た。 (2)HPLC法による測定 透析して得た試料をHPLC法(京都第一科学)を用い
実施例3(3)に記載した方法で測定した。 (3)モノクローナル抗体を用いたELISA法による
測定 透析して得た試料3μl又は6μlを0.1M炭酸緩衝
液(pH11)/0.5%グルタルアルデヒド100μ
lに加え、上記実施例3(2)に記載のELISA法と
同様の方法で405nmの吸光度を測定した。これらの
結果を図2に示す。図2において、□はHPLC法によ
る既知検体の測定値であり、△はELISA法による試
料6μlの場合の測定値であり、◇はELISA法によ
る試料3μlの場合の測定値であり、破線は相関を示す
直線である。
【0038】実施例5:サンドイッチEIA法によるヘ
モグロビンA1Cの測定 抗ヒトヘモグロビンポリクローナル抗体(ダコ社)をP
BSで100倍に希釈し、96穴ELISA用プレート
の各ウェルに希釈液100μlずつを分注し、室温で1
時間放置した。このプレートに1%BSA/PBSを加
えて1時間ブロッキングした。上清を除去し、前記実施
例3(3)に記載の方法で調製したヒト赤血球溶血検体
を0.1M炭酸緩衝液(pH11)/0.5%グルタル
アルデヒドで最終的に200倍に希釈した後、前記の各
ウェルに希釈液100μlずつを添加し、室温で1時間
放置した。このプレートを0.2%Tween20/
0.5%グルタルアルデヒド/PBSで1時間ブロッキ
ングした。上清を除去し、前記実施例1で作製したハイ
ブリドーマNo.19の培養上清100μlを加え、室
温で2時間放置した後、0.2%BSA/0.2%Tw
een20/PBSで5回洗浄した。次に、アルカリフ
ォスファターゼ(ALP)標識抗マウスIgG1抗体
(ヤギ)100μl(100ng/ml)を加え、室温
で2時間放置し、再び0.2%BSA/0.2%Twe
en20/PBSで5回洗浄した。このプレートの各ウ
ェルにp−ニトロフェニルリン酸を含むジエタノールア
ミン緩衝液(pH9.6)50μlを添加し、室温で3
0分間放置した後、405nmの吸光度を測定した。ま
た、対照方法として実施例3(3)と同様のHPLC法
を実施した。この結果を図3に示す。図3において、横
軸はHPLC法の測定値〔HbA1C(%)〕であり、
□はEIA法の測定値であり、破線は相関を示す直線で
ある。
【0039】実施例6:ELISA競合法によるヘモグ
ロビンA1Cの測定 (1)ビオチン標識ヘモグロビンA1Cの作製 N−ヒドロキシサクシニミドビオチン(NHS−ビオチ
ン)(PierceChemical Co.)のジメ
チルスルホキシド溶解液(2mM)10μlをヘモグロ
ビンA1C〔0.1M−NaHCO3 (pH8.2)中
0.4mg/ml〕250μlに加え、室温で2時間振
盪した。次に、1M−NH4 Cl(10μl)を添加
し、10分間反応させた。この反応溶液をPBSで透析
した。 (2)モノクローナル抗体を用いたELISA法による
測定 前記実施例1で作製したハイブリドーマNo.19の培
養上清100μlずつを96穴ELISA用プレートの
各ウェルに分注し(1μg/ml)、室温で1時間放置
した後、1%BSA/PBSを加え、更に1時間ブロッ
キングし、上清を除去した。次に、前記実施例3(3)
で調製したヒト赤血球溶血検体を水で20倍に希釈して
得た希釈液100μlと、前記(1)で調製したビオチ
ン標識ヘモグロビンA1C(1μg/ml)とを0.1
M炭酸緩衝液(pH11)/0.5%グルタルアルデヒ
ド中で混合し、その混合液100μlずつを各ウェルに
加え、室温で1時間放置した。0.2%BSA/0.2
%Tween20/PBSで5回洗浄した後、アルカリ
フォスファターゼ(ALP)標識アビジン結合抗マウス
IgG1抗体(ヤギ)100μl(100ng/ml)
を加え、室温で1時間放置し、再び0.2%BSA/
0.2%Tween20/PBSで5回洗浄した。この
プレートの各ウェルにp−ニトロフェニルリン酸を含む
ジエタノールアミン緩衝液(pH9.6)50μlを添
加し、室温で30分間放置した後、405nmの吸光度
を測定した。また、対照方法として実施例3(3)と同
様のHPLC法を実施した。この結果を図6に示す。図
6において、横軸はHPLC法の測定値〔HbA1C
(%)〕であり、□はEIA法の測定値であり、破線は
相関を示す直線である。
【0040】実施例7:ラテックス凝集法による測定 (1)ヒト赤血球溶血液結合ラテックスの調製 ポリスチレンラテックス〔セラダイン社製;10%(w
/v);直径=0.301μm〕200μlを、400
倍に希釈した赤血球希釈液2ml〔希釈液=0.5%グ
ルタルアルデヒド/0.1M 炭酸緩衝液(pH11.
0)〕に混合し、スターラーで攪拌した。これを遠心分
離(18,000rpm,30分間)し、1%BSAを
含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁させた。
【0041】(2)抗ヘモグロビンA1CマウスIgG
結合ラテックスの調製 ポリスチレンラテックス〔セラダイン社製;10%(w
/v);直径=0.301μm〕200μlを、実施例
1で作製したハイブリドーマNo.19の培養上清から
精製した抗ヒトヘモグロビンA1Cモノクローナル抗体
No.19(0.4mg/ml)を含む0.1Mトリス
塩酸緩衝液に混合し、スターラーで攪拌した。これを遠
心分離(18,000rpm,30分間)し、1%BS
Aを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁させ
た。
【0042】(3)ラテックス凝集によるヒトヘモグロ
ビンA1Cの調製 ヒト赤血球溶血液結合ラテックス懸濁液20μl、モノ
クローナル抗体結合ラテックス懸濁液20μl、及び
0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)100μlを
黒色ガラススライド上で混和させ、数回ゆるやかに混和
した。3分間経過後及び10分間経過後にその凝集の有
無を目視で確認した。その結果を表7に示す。なお、表
7において、w+は弱陽性、+は陽性、++は中陽性で
ある。また、全ヘモグロビンに対するHbA1Cの割合
(%)は、HPLC法によって求めた。
【0043】
【表7】 モノクローナル抗体 No.19を用いた凝集の有無全ヘモグロビンに対するHBA1C(%) 3分後 10分後 0 − − 4.9 w+ + 10.2 w+ ++
【0044】
【発明の効果】本発明方法によれば、測定対象であるヘ
モグロビンA1Cと比較して被検試料内に過剰量で存在
するヘモグロビンによる干渉を受けずに、しかも安定型
ヘモグロビンA1C及び不安定型ヘモグロビンA1Cの
両者を含めて、ヘモグロビンA1Cを高感度で正確及び
迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト血液検体中のHbA1CをHPLC法で測
定した結果と、同一検体の赤血球溶血液をグルタルアル
デヒドで処理してからモノクローナル抗体を用いてEI
A法で測定した結果との相関を示すグラフである。
【図2】ヒト赤血球溶血試料に関してHPLC法で測定
した結果と、同一試料をグルタルアルデヒドで処理して
からモノクローナル抗体を用いてEIA法で測定した結
果との相関を示すグラフである。
【図3】ヒト血液試料に関して、HPLC法で測定した
結果と、同一試料の赤血球溶血液をグルタルアルデヒド
で処理し、抗Hbポリクローナル抗体とモノクローナル
抗体とを用いてサンドイッチEIA法で測定した結果と
の相関を示すグラフである。
【図4】ヒト血液試料をELISA競合法で測定した結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−308122(JP,A) 特開 平6−347460(JP,A) 特開 平2−231565(JP,A) 特開 昭63−277967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/53 G01N 33/531 G01N 33/577

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗ヘモグロビンA1Cモノクローナル抗
    体を用いて被検試料中のヘモグロビンA1Cを検出する
    免疫学的測定方法において、炭素数2〜6で直鎖状のア
    ルキルモノアルデヒド若しくはアルキレンジアルデヒ
    ド、又はベンズアルデヒドの存在下で、前記モノクロー
    ナル抗体と被検試料とを接触させることを特徴とする、
    ヘモグロビンA1Cの測定方法。
  2. 【請求項2】 グルタルアルデヒドを用いる請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヘモグロビンA1C測定系のベース液中
    にグルタルアルデヒドを添加したことを特徴とするヘモ
    グロビンA1C測定用試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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