JPH06509140A - 電気冷凍機コンプレッサーのステーター巻き線用ワイヤー潤滑剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気冷凍機コンプレッサーのステーター巻き線を形成するためのワイ ヤー用潤滑剤に関する。このワイヤーは電気絶縁層でコーティングした導線から なり、その上に潤滑剤が塗布され、ワイヤーの摩擦係数を減少させるようになっ ている。もちろん、このような潤滑剤は、意図する使用目的のために必要な潤滑 性能を持つ必要があるが、さらに冷凍機コンプレッサーに使用される冷媒と両立 性のあるものでなければならない。ドイツ特許公開第１９４７０７１号と英国特 許明細書第１１７５０５９号、第１１７５０６０号により、電線相互間の摩擦を 減少させる目的で電線に潤滑剤を与えることは知られている。このような潤滑剤 が導線の周りの絶縁層に加えられると、多数の電線例えば同じ管の中の電話線の 中から１本の電線を簡単に取り除いたり加えたりすることができる。その理由は 、個々の電線の摩擦係数がかなり低くなっているからである。

上述の文書に従ったポリオレフィンの絶縁層に加えられる好ましい潤滑剤は、ア ミドであり、導線の周囲に絶縁層が塗布される前に、各種の量で各種の添加剤を 使用して絶縁層に添加される。

米国特許明細書第４３４８４６０号、第４３５０７３７号、第４３５０７３８号 、第４３８５４３６号、第４３８５４３７号、第４３９０５９０号、第４４１０ ５９２号、第４４４９２９０号は、それぞれ電気モーターのステーター巻き線を 形成するために使用するワイヤー用潤滑剤に関する。これらの特許明細書はステ ーター巻き線の自動組立に関連する一般的な問題について記述していて、ワイヤ ーが適当な低い摩擦係数を有することが重要であることが含まれている。

このことは例えば摩擦やステーターの溝に組み込むときのワイヤーの機械的損傷 を避けるのに必要である。

これらの特許明細書はまた、ワイヤーに使用される潤滑剤が冷凍機コンプレッサ ーにいかに問題を引き起こすことがあるかについて記述している。それは潤滑剤 が冷凍システムに使用される冷媒に接触すると潤滑剤は溶液から析出するためで ある。この結果、析出した潤滑剤は冷凍システムの中で移動し、細管につまりを 引き起こす。これは上述の米国特許明細書に従えば、巻き線を取り付けた後加熱 して潤滑剤を完全に除去することにより未然に防ぐことができる。

上述の米国特許明細書に使われる潤滑剤は、潤滑効果のあるパラフィン蝋、トリ グリセリド、エステルの混合物であってもよい。該混合物に浸漬された２枚のフ ェルトを横切って予め絶縁層が設けられたワイヤーを動かすことによって、ワイ ヤーに混合物が付着される。潤滑剤は例えば、ナイロン、ポリアミドイミド、随 意にオレイン酸と界面活性剤の混合物のような各種の絶縁層に使われるミツバチ の蝋であってもよい。

さらにパラフィンは、電気冷凍機コンプレッサーの製造と関連してワイヤーの潤 滑剤として使われることが知られている。従来の冷媒Ｒ１２（フレオン１２）、 ジクロロジフルオロメタン（ＣＣＬ　Ｆ！　）に関しては、この潤滑剤はその現 在の形で優れている。しかし、この冷媒は大気圏のオゾン層を破壊することが分 かり、それゆえその使用が（全てのＥＥＣ諸国で１９９７年１月１日から）禁止 される。Ｒ１２の代わりに、環境に害の少ない冷媒が使用される。まず冷媒Ｒ１ ３４ａ　（１，ｌ、ｌ、２テトラフルオロエタン　ＣＦ、ＣＨｔ　Ｆ）が単独で 又は他の冷媒と混合して使用される。

しかし、今まで使われてきたパラフィンは冷媒Ｒ１３４ａに溶解せず、反対に温 度が下がったとき析出することが分かった。その結果、細管にっまりが起こる。

潤滑剤の析出が起こることが予め分かったので、例えば上述の米国特許明細書第 ４３５０７３７号に記述されているように、ワイヤーを巻いて取り付けた後に潤 滑剤を取り除くことにより、細管のつまりは防ぐことができる。しかし、このよ うな除去工程はコストを増大させ、使用した潤滑剤を完全に取り除くには環境に 害のある洗浄剤を使用しなければならないことが多い。

結局、冷凍機コンプレッサーのワイヤーに使用する潤滑剤は、次の条件を満たさ なければならない。

（１１ワイヤーを巻き付は組み立てる間、機械的に損傷を受けないよう摩擦係数 は充分小さくなければならず、（２）冷凍システム又はコンプレッサーに損傷を 与える恐れのある物質を放出する可能性があってはならず、（３）環境に害のな い溶剤を潤滑剤に添加することができなければならない。

ドイツ特許第１０１１１０９号明細書とヨーロッパ特許出願第０４４５６１１号 は、潤滑剤として使用される可能性のあるジ又はポリカルボン酸のジアルキルエ ステルを開示していて、そのうちいくつかは、例えば冷媒Ｒ１３４ａに溶解する 。しかし、これらの潤滑剤は、もっばら運転中のコンプレッサーの可動の機械部 品を潤滑するために使われ、通常は潤滑剤はコンプレッサーの中の潤滑剤サンプ 内にあり、そこから冷却システムを循環し、それゆえ使用される冷媒に溶解する ことになる。

しかし、本発明の潤滑剤は上述の意味での潤滑剤ではなく、対照的に冷凍機コン プレッサーの中のステーター巻き線を形成するため使われるワイヤーに塗布され る潤滑剤である。上述したように、この目的に使うためには、潤滑剤は同時に３ つの条件を満たさなければならないが、上述のドイツ特許とヨーロッパ特許出願 に出てくる潤滑剤はこれらの条件を満たさない。

驚くべきことに、ある種の化合物の基が上述の条件を満たすことのできる潤滑剤 として有効であり、これらの潤滑剤はオゾン層を破壊しない新しい冷媒と両立性 があるということが分かった。

このように、本発明は電気冷凍機コンプレッサーのステーター巻き線を形成する ため使用する電気絶縁層で被覆されたワイヤー用の潤滑剤に関するものであり、 ワイヤーは本発明の潤滑剤は次の一般式で示される１つ又はそれ以上の化合物か らなるという特徴がある。

ＣＨｓ−Ｘ、−Ｒ ここに、Ｘは炭素原子ｎ個の直鎖状又は分岐状炭化水素基であり、随意に１つ又 はそれ以上の二重結合を含んでもよい。Ｒは、次の（ａ）から（ｉ）の中から選 ばれる。

（ａ）水素、この場合ｎは１６−２２である。

（ｂ）　−ＣＯＯＲ’　、ここにＲ１はＣ，−Ｃ，のアルキル基であり、この場 合ｎはｌ　５−４９である。

（Ｃ）　ＯＯＣＲ”　Ｃ０ＯＲ’　、ここにＲ”　ＧｉＣ＊　Ｃ１ｏ（７）フル キル基であり、Ｒ′はＣ１ＣＩのアルキル基であり、この場合ｎは０−３である 。

ここに、Ｒ’　、Ｒ’はそれぞれ水素又はＣ，−ＣＩのアルキル基であり、この 場合ｎはｌ　３−１９である。

（ｅ） ０ＯＣＮ ここに、Ｒ＠　、Ｒ＋はそれぞれ水素又はＣ１ＣＩのアルキル基であり、この場 合ｎは０−３である。

この場合、ｎは８−１４である。

（ｇ）次式で示される基、 この場合、ｎは８−１４である。

ここに、Ｒ１は水素又はＣＩ　Ｃｔのアルキル基であり、この場合ｎは６−１１ ここに、Ｒ１は水素又はＣＩ　ＣＩのアルキル基であり、この場合ｎは１−５で ある。

これらは、そのままでも適当な溶剤に溶解したものでもよい。

使用できる溶剤は例えば試薬ガソリン、ブタノール、プロパツール、エタノール 等である。

本発明の潤滑剤を使用すると、第１に非常に優れた潤滑性能を得ることができ、 第２に細管にっまりが起こるのを防ぐことができる。その理由は、本発明の潤滑 剤は環境に害を及ぼさない新しい極性の冷媒、例えば上述のＲ１３４ａ　（ＣＦ ＋ＣＨ！Ｆ）とＲ１２４（ＣＨＣＩＦＣＦｓ　）　、Ｒ１２５（ＣＨＦｔ　ＣＦ ｓ　）　、Ｒ１５２ａ　（ＣＨＦｔ　ＣＨｓ）、及びこれらの混合物と両立性が あるからである。

その結果、巻き線が完成した後、ワイヤーから潤滑剤を除去する必要もない。

本発明に関しては、使用されるワイヤーに、電気冷凍機コンプレッサーのステー ター巻き線を形成するのに使用するワイヤーに一般的に要求される以上の条件は 課せられない。ワイヤーを取り巻く絶縁層は典型的にはラッカーであり、このラ ッカーは使用される冷媒に対して両立性、耐性があり、また耐熱、耐寒性がなけ ればならないという条件を満たさなければならない。

ラッカーは例えばラッカーを冷媒に対して耐性を上げる目的でトリスヒドロキシ エチルイソシアニュレート（ＴＨＥＩＣ）で適当に変成したポリエステルイミド でもよい。ラッカーはまたポリエステルイミドの下塗りとポリアミドイミドの上 塗りからなる２層タイプのものでもよい。

潤滑剤を塗布した後のワイヤーの摩擦係数がＤＩＮ４６４５３標準に従って測定 され、ステーターに線を巻き付は組み立てる間の損傷を防ぐという条件を満たす ためには、摩擦係数は０．１５より低い値であることが必要である。

トに示す式の化合物は、複数の異なる化合物、より詳細にはパラフィン、カルボ ン酸のエステル、ジカルボン酸のジエステル、カルボン酸のアミド、ウレタン（ カルバミン酸塩）、γ−とδ−ラクタムの誘導体、γ−とδ−ラクトンの誘導体 であってもよい。

本発明を次の実施例によりより詳細に説明する。

実施例１ 潤滑剤はｌ　８−２０の長さの炭素原ｒの連鎖を有し、次式で表されるアルカン の混合物からなるパラフィンである。

ＣＨ，（ＣＨ，）ｔｓ−ｔｔ　ＣＨ。

２Ｌ−３３”Ｃの範囲で溶解するこのパラフィンの冷媒Ｒ１３４ａに対する溶解 度を、ＤＩＮ５１３３１標準に従った方法により測定した。５０ｍｇが一４５° Ｃまで１００ｇのＲ＋３４ａに溶解することが分かった。このパラフィン５０ｇ を１５リツトルのガソリン（沸点＋１０−１３０°Ｃ）に溶解し、その溶液をＴ Ｉ−（ＥＩＣで適当に変成したポリエステルイミドタイプのラッカーでコーティ ングしたワイヤーに塗布した。塗布は１片のフェルトにより行った。ガソリンを 蒸発させた後、摩擦係数は０．１４−０．１５が得られ、ワイヤーの機械的損傷 を防ぐのに充分な低い値であった。

実施例２ 潤滑剤は次式のステアリン酸メチルエステルをエタノールに溶解したものである 。

ＣＨ，（ＣＨＩ　）、、Ｃ００ＣＨ。

５０ｍｇのこのエステルが一４５°Ｃまで１００ｇのＲ１３４ａに溶解すること が分かり、これはモーターには必要な量である。ステアリン酸メチルエステルｌ ｏｇを１５リツトルのエタノールに溶解し、その溶液をＴＨＥＩＣで適当に変成 したポリエステルイミドタイプのラッカーでコーティングしたワイヤーに塗布し た。塗布は１片のフェルｌ−により行った。エタノールを蒸発させた後、摩擦係 数は０．１４−０．１５が得られ、ワイヤーの機械的損傷を防ぐのに充分な低い 値であった。

潤滑剤は次式のアゼライン酸ジブチルエステルである。

Ｃ，Ｈ，−００Ｃ（ＣＨＩ　）、Ｃｏｏ−Ｃ，Ｈ。

この潤滑剤の冷媒Ｒ１３４ａに対する溶解度が、ＤＩＮ５１３３１標準に従った 方法により測定された。１００ｍｇが一４５°Ｃまで１００ｇのＲ１３４ａに溶 解することが分かった。このジエステル１２０ｇを１５リツトルのエタノールに 溶解し、その溶液をＴＨＥＩＣで適当に変成したポリエステルイミドタイプのラ ッカーでコーティングしたワイヤーに塗布した。塗布は１片のフェルトにより行 った。エタノールを蒸発させた後、摩擦係数は０．１４−０．１５が得られ、ワ イヤーの機械的損傷を防ぐのに充分な低い値であった。

実施例４ 潤滑剤は次式のカルボン酸アミドである。

この潤滑剤の冷媒Ｒ１３４ａに対する溶解度を、ＤＩＮ５１３３１標準に従った 方法により測定した。１００ｍｇが一４５″Ｃまで１００ｇのＲ１３４ａに溶解 することが分かった。このカルボン酸アミド１２０ｇを１５リツトルのエタノー ルに溶解し、その溶液をＴＨＥＩＣで適当に変成したポリエステルイミドタイプ のラッカーでコーティングしたワイヤーに塗布した。塗布は１片のフェルトによ り行った。エタノールを蒸発させた後、摩擦係数は０．１４−０．１５が得られ 、ワイヤーの機械的損傷を防ぐのに充分な低い値であった。

実施例５ 潤滑剤は次式のＮ、　Ｎジメチルペンチルカルバミド酸である。

（ＣＨｓ　）ｔ　ＮＣ００Ｃ，Ｈ，。

この潤滑剤の冷媒Ｒ１３４ａに対する溶解度を、ＤＩＮ５１３３１標準に従った 方法より測定した。１５０ｍｇが一４５６ＣまでｌｏｎｇのＲ１３４ａに溶解す ることが分かった。このカルバミド酸１２０ｇを１５リツトルのエタノールに溶 解し、その溶液をＴＨＥＩＣで適当に変成したポリエステルイミドタイプのラッ カーでコーティングしたワイヤーに塗布した。塗布は１片のフェルトにより行っ た。エタノールを蒸発させた後、摩擦係数はＯ，１４−０，１５が得られ、ワイ ヤーの機械的損傷を防ぐのに充分な低い値であった。

衷樵霞Ｗ− 潤滑剤は次式のバルミチン酸メチルエステルをエタノールに溶解したものである 。

ＣＨ，（ＣＨＩ　）、、Ｃ００ＣＲ。

このエステル５０ｍｇが一５５°Ｃまで１００ｇのＲ１３４ａに溶解することが 分かった。バルミチン酸メチルエステルＩＯｇを１５リットルのエタノールに溶 解ｌ、７、その溶液をＴＨＥＩＣで適当に変成したポリエステルイミドタイプの う・ツカ−でコーティングしたワイヤーに塗布した。塗布は１片のフェルトによ り行った。エタノールを蒸発させた後、摩擦係数は０．１４−０．１５が得られ 、ワイヤーの機械的損傷を防ぐのに充分な低い値であった。

国際調査報告 国際調査報告 フロントページの続き （５１）　Ｉｎｔ、　Ｃ１，５識別記号　庁内整理番号Ｃ１０Ｍ　１０５１５６ 　９１５９−４Ｈ１０５／６８　９１５９−４Ｈ １０５／７０　９１５９−４Ｈ ／／　Ｃ１ＯＮ　３０：００　Ａ　８２１７−４Ｈ４０：３０　８２１７−４Ｈ ４０：３２　８２１７−４Ｈ ８０：００　８２１７−４Ｈ （７２）発明者　ハンセン　ボール　エリックデンマーク　デーコー６４７０　 シダルス　ケーグネス　ヴエステルマルク　９ Ｉ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. １．電気冷凍機コンプレッサーのステーター巻き線を形成するため使用される電 気絶縁層で被覆されたワイヤー用潤滑剤において、一般式ＣＨ３−Ｘｎ−Ｒ の１つ又はそれ以上の化合物からなり、Ｘは炭素原子ｎ個の直鎖状又は分岐状炭 化水素基であり、随意に１つ又はそれ以上の２重結合を含み、Ｒは次の（ａ）か ら（ｉ）の中から選ばれ、そのまま又は適当な溶剤に溶解したものであることを 特徴とする潤滑剤。 （ａ）水素、この場合ｎは１６−２２である。 （ｂ）一ＣＯＯＲ１、ここにＲ１はＣ１−Ｃ４のアルキル基であり、この場合ｎ は１５−１９である。 （ｃ）−ＯＯＣ−Ｒ２−ＣＯＯＲ３、ここにＲ２はＣ■−Ｃ１０のアルキル基で あり、Ｒ３はＣ１−Ｃ４のアルキル基であり、この場合ｎは０−３である。 （ｄ） ▲数式、化学式、表等があります▼ Ｒ４、Ｒ５はそれぞれ水素又はＣ１−Ｃ２のアルキル基であり、この場合ｎは１ ３−１９である。 （ｅ） ▲数式、化学式、表等があります▼ Ｒ６、Ｒ７はそれぞれ水素又はＣ４−Ｃ６のアルキル基であり、この場合ｎは０ −３である。 （ｆ）次式で示される基 ▲数式、化学式、表等があります▼ この場合ｎは８−１４である。 （ｇ）次式で示される基 ▲数式、化学式、表等があります▼ この場合ｎは８−１４である。 （ｈ）次式で示される基 ▲数式、化学式、表等があります▼ ここに、Ｒ３は水素又はＣ１−Ｃ２のアルキル基であり、この場合ｎは６−１１ である。 （ｉ）次式で示される基 ▲数式、化学式、表等があります▼ ここに、Ｒ９は水素又はＣ１−Ｃ２のアルキル基であり、この場合ｎは１−５で ある。
2. ２．選択する溶剤がガソリン、ブタノール、エタノール、プロパノールから選ば れることを特徴とする第１項記載の潤滑剤。
3. ３．一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ の、カルボン酸アミド（ただし、Ｘｎ、Ｒ４、Ｒ５は第１項により定義される） であり、選択的に溶剤に溶解されることを特徴とする第１項又は第２項記載の潤 滑剤。
4. ４．Ｘｎが−（ＣＨ２）１５−であり、Ｒ４、Ｒ５はそれぞれ水素であることを 特徴とする第３項記載の潤滑剤。
5. ５．一般式 ＣＨ２−Ｘｎ−ＣＯＯＲ１ のカルボン酸アルキルエステル（ただし、Ｘｎ、Ｒ１は第１項により定義される ）であり、選択的に溶剤に溶解されることを特徴とする第１項又は第２項記載の 潤滑剤。
6. ６．Ｘｎが−（ＣＨ２）１６−であり、Ｒ１がメチル基であることを特徴とする 第５項記載の潤滑剤。
7. ７．Ｘｎが−（ＣＨ２）１４−であり、Ｒ１がメチル基であることを特徴とする 第５項記載の潤滑剤。
8. ８．エタノールが溶剤として使用されることを特徴とする第３項から第７項のい ずれか１項記載の潤滑剤。
9. ９．ラッカーでコーティングされたワイヤーに例えばの綿又はフェルト片により 塗布されることを特徴とする第１項から第８項のいずれか１項記載の潤滑剤。