JPH06508555A - 多相乳液及び製造法 - Google Patents
多相乳液及び製造法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
多相乳液及び製造法
技術的分野
本発明は油中水型、及び水中油中水型多相乳液の組成物と製造法に関する。さら
に特定すると本発明は、それらに限られるわけではないがアジュバント:経口的
及び非経口的免疫化を含むワクチン;経口的、局所的及び非経口的薬剤デリバリ
−;及び化粧品を含む多くの異なる用途に有用な安定した油中水型多相乳液の組
成物及び製造法に関する。
発明の背景
乳液は少なくとも2種類の不混和性液体を含む不均一系であり、その1つが液滴
の形態で他に分散している。そのような系の安定性は最低である1゜従来、乳液
の安定性の問題は乳化剤及び微粉砕固体などの添加剤を加えることにより解決が
試みられてきた。乳液は連続相及び不連続相を含む。不連続相は分散相又は内相
などと種々に呼ばれるが、その中で分散が起こっている相は連続相又は外相と呼
ばれる。乳液の標準的な成分は油性及び水性の相である。水が連続相の場合乳液
は水中油型(0/w)と呼ばれ、油が連続相の場合乳液は油中水型(Wlo)と
呼ばれる。水中油中水型(W10/W)の多相乳液は最近重要になってきた。
水中油型乳液は最も多く用いられる乳液である。しかし多くの用途の場合に油中
水型及び多相乳液が望ましく、不安定性の問題が解決できればもっと広く用いら
れるであろう。The Encyclopediaof Emulsion T
echnologyに“多相(又は2相)乳液は持続性系(depot sys
tem)として用いられ、Wlo型の変形と考えられる。薬剤のデリバリ−にお
けるそれらの有力な利点は、投薬形態が益々複雑になること及び最適調剤及び許
容し得る安定性の問題が伴うことを相殺することができる。”2 Wloは油中
水型の略字である。“初期の見込みにもがかわらず多相乳液系は広く用いられて
こなかった。植物油から製造される多相乳液は、高収率の多相液滴及び優れた安
定性が望まれる場合特に製造が困難である。”と記載されている。
一般に乳液は3成分を含む。油相、水相及び乳化剤である。これらの成分のそれ
ぞれ、及びそれらを製造し、合わせる方法が、乳液の種類及び安定性に寄与する
。製造される乳液の種類を決定する規則を定義する多くの試みが成されてきた3
゜一般に界面活性剤が最も溶解性である液体(油又は水)が最終的乳液の連続層
となる。しかし界面活性剤、油及び他の材料の性質の関係ならびに乳化は非常に
経験的である。すなわち規則は限られた範囲の材料に適用され、例外が多い4゜
成分の混合法は乳液の性質の決定に重要である。乳化には3つの一般的方法があ
る:1)機械的、2)転相、及び3)自然乳化である5゜剪断力を用いて乳液成
分を小粒子に砕く機械的乳化は、最も普通に用いられる。転相はある型、油中水
型の乳液を反対の型、水中油型の場合に最も安定である成分を用いて製造する方
法を言う。その後乳液は自然に型が変わる。これらの乳液は材料の濃度、塩、温
度及び他の因子に厳密に依存し得る。自然乳化は、最小の撹拌で乳液が形成され
る状況を言う6゜これは、非常に望ましいがめったに達成されないような高い熱
力学的安定性を意味する。
界面活性剤は同一分子内に親水性及び疎水性部分を含む化合物である。それらは
油と水の界面に局在する傾向があり、そこで界面自由エネルギーを低下させる。
しかし界面活性剤の範囲内で非常に多様な化学構造及び機能がある。種々の乳液
を形成する界面活性剤の機能及び他の活性を予想する試みの中で、親水−親油バ
ランス(hyd roph i l e −1ipophile balanc
e)の概念が発展した。親水−親油バランスは親水性及び疎水性成分の相対的強
さの半実験的測定値である7゜それは両性分子を油−水界面に置いた場合に伴う
自由エネルギーに関連する。種々の用途に必要な親水−親油バランス値を下表に
示す:表!
親水−親油バランスの範囲と用途8
これらの値は特定の目的の場合の乳化剤の選択のための指針として文献中で広(
引用されている。これらは非イオン性乳化剤の場合に用いるように作られている
。アニオン性又はカチオン性乳化剤のための類似の系が開発されているが、それ
らはノニオン性乳化剤の場合の系はど有用でない。親水−親油バランス数は多く
のノニオン性界面活性剤に関して発表されている9゜
さらにDaviesは界面活性剤に関する親水−親油バランス数を、実験的に誘
導された数を用いてその式から直接算出する方法を案出した10゜かくして乳化
剤の種々の成分基に基数(group number)を指定し、その後以下の
関係式から親水−親油バランス(HL B)を算出する11:
HL B = 7+Σ(親水性基数)−Σ(親油性基数):特定の範囲外の乳化
剤は特定の用途にほとんど有効でない点で、HLB数が乳化剤の選択に関する有
用な指針であることがわかった。しかし正しいHLB数は性能を保証してはおら
ず、Hl、B以外の因子も重要で考慮しなければならないことを示している。H
LBが3より小の界面活性剤に関して用途が挙げられていないことに注意しなけ
ればならない。そのような界面活性剤は水の表面にバスオイルを広げるために、
ワクチンアジュバントとして及び他のいくつかの用途で用いられてきた。しかし
乳化剤としてはほとんど用いられない。
はとんどの油中水型乳液は上記の通りHL Bが3−6の範囲の界面活性剤を用
いる12゜微粉砕固体も乳化剤として用いることができる。油中水型乳液におけ
る目的は、剛くて電荷のない界面フィルムを作ることであると報告された13゜
乳液の安定性は多(の場合乳化剤の濃度を増すことにより向上させることができ
るが、これは生物的用途の場合に毒性の問題を増加させ、他の用途の場合も同様
に最適ではない。
多くの場合乳液の安定性は、HLB及び他の性質が適度に異なる2種類の界面活
性剤を混合すると向上する。しかし差が大きすぎると組み合わせがほとんど働か
ない。HL B値を平均することにより界面活性剤のブレンドの機能を予測する
ことが試みられたが、ブレンドが成分の平均とは全く異なる結果を与える場合が
周知である14゜混合界面活性剤は乳液の安定化において相乗的効果を与えるこ
とができる。これは油−水界面における液晶に類似の構造の複合体の形成に関連
すると思われる。リン脂質は5pan80と混合され、植物油中水型乳液を安定
化した15゜最後に、ポリオキシエチレン鎖長の不均質性が多くの場合、特に界
面活性剤がかろうじて可溶性の場合に乳液安定性に影響する。鎖長の不均質性が
増加した組成物は、より安定性の高い乳液を製造する傾向がある。前記の議論か
られかる通り、化合物の物理的性質に基づいて化合物のいずれの組み合わせの乳
化性を予測することも困難である。
種々の油がその乳化の容易さ、及び得られた乳液の安定性において顕著に異なる
。一般に鉱油は植物油より乳化が容易である16゜それぞれの油が特定の型の乳
液の製造に必要なHLB数を有する。これが表Iに示す各型の乳液の製造のため
のHLB数の範囲に関する理由である。最適乳液の製造のために、油相の極性が
高い程界面活性剤の極性が高くなければならない。油中水型乳液は水中油型乳液
と類似の規則に従うが、HLB値はもっと低い。多くの普通に用いられる油を用
いた油中水型及び水中油型乳液の製造に必要なHLB値が発表されている17゜
油中水型乳液製造のための多数の方法が案出されてきた。これらのほとんどは撹
拌又は強い剪断力を与える機械における成分の混合を含む。
相を合わせる前に油溶性材料を油相に入れ、水溶性材料を水相に入れることが薦
められている18゜しかしこれは満足すべき乳液組成物以下の結果を生ずる。こ
れに対する例外は、水溶性界面活性剤を油相に入れることにより非常に微細な水
中油型乳液が製造されることである19゜油中水型乳液に関して逆は薦められて
いない。疎水性界面活性剤を乳液の水相に入れると一般に乳化が悪い。微細な水
中油型乳液は、油中水型乳液がら転相により製造することができる。多(の界面
活性剤が温度の変化によりその性質を変え、ある種類の乳液の促進から他の種類
へ切り替わる2°。この現象を用いである状況下で乳液を製造することができる
。
油中水型乳液のための安定剤:
先行技術の油中水型乳液は安定化が困難である。これは他の点で油中水型乳液が
非常に望ましい多くの場合にその適用をひどく妨げてきた。
1つ又はそれより多い相あるいは界面の粘度を高くすることにより安定化が試み
られた。それは凝集相でゲルを形成する、又は界面に他の構造を形成するポリマ
ー安定剤を加えることにより行うことができる。そのようなポリマーには蛋白質
、澱粉、ゴム、セルロース系材料、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及び
ポリビニルピロリドンが含まれる21゜これらの材料は共有結合により、又は静
電的及び疎水的相互作用により界面に結合する。それらは“界面複合体(int
erfacialcomp I ex)”を形成し、それは2個か又はそれより
多い界面活性分子の凝集相のいずれにも存在しない関係における界面での会合と
して定義される。乳液中で水中油の界面に局在するある種の複合体は、乳液の安
定化に有効であることができる。いくつかの低分子量材料が同様に安定剤として
用いられてきた。これらにはコレステロールが含まれ、それはある種の非イオン
性乳化剤と複合体を形成することができる22゜さらにステアリン酸アルミニウ
ムなどの2価のカチオンの脂肪酸塩は、油中水型乳液の安定化に非常に有効であ
る。1価のカチオンとの同脂肪酸の塩、例えばステアリン酸ナトリウムは有効で
ない。
先行技術の油中水型乳液の場合の問題:油中水型乳液の利用の増加を妨げている
主要な問題は、製造の困難さ、高粘度及び低い安定性である。落花生油及び大豆
油などの植物油、あるいはスクアレン又はスクアランなどの動物油は多くの用途
で鉱油より好ましい。しかしそれらは乳化がより困難であり、より安定性の低い
乳液を与える。植物油の油中水型乳液は、比較的高濃度の疎水性乳化剤、例えば
5pan80及び安定剤を必要とする。安定剤としてステアリン酸アルミニウム
又はマグネシウムを用いて成功した。しかしそれらは乳液の複雑性及び毒性を増
す。他の問題は非イオン性界面活性剤の溶解度、及び従って安定な乳液を製造す
るそれらの能力が温度と共に変化することである。これは、温度が凍結温度以下
から120°F以上に変わり得る場合に乳液の保存の問題を与える。
これらの問題の克服のための多(の試みに、乳液のいくつかの成分を重合させて
剛性を増すことが含まれた。ポリマーを水相又は油相に加え、それをその後化学
的に、又は照射により重合させる。いくつかの界面活性剤は、X−線を用いて油
−水界面で重合させることができる。疎水性界面活性剤はX−線により分解する
傾向があるので、これは疎水性界面活性剤の必要な油中水型乳液の場合は有用で
ない23゜最後に、乳液のある種の成分の融解又は溶解には、蛋白質を変性させ
る温度までの加熱が必要である24゜このために、本来の損傷を受けていない蛋
白質の必要な多くの生物学的作用のためのそのような乳液の使用が排除された。
最後に非常に高濃度の乳化剤が必要となり得る。ある実施例では、乳液の油相の
最高82%が界面活性剤であるPluronic (商標)L121(ボロキサ
マー401)から構成された25゜同特許の他の実施例は、ブロックコポリマー
界面活性剤を用いた油中水型乳液の製造に、高温への加熱を必要とした。
必要なことは、架橋を起こして所望の乳液を形成するために高温、有機溶剤、X
−線又は化学反応を必要としない油中水型乳液の製造のための改良法である。そ
の方法は自然乳化により油中水型乳液を最適に製造しなければならない。さらに
乳液は安定性が向上している必要がある。
それらは高い範囲の温度で安定でなければならない。生物学的用途で有用である
ために、乳液は毒性が低いことが好ましい。そのために乳液はより少ない成分を
含み、存在する成分は毒性が低(なければならない。
安定剤は減らさなければならない。油中水型乳液中の水の濃度は多量、好ましく
は80%より多量に増加させなければならない。はとんどの油中水型乳液は50
%より少量の水を用いてきた。最後に、油中水型乳液は水中油中水型多相乳液の
製造のための優れた出発材料とならなければならない。
多相乳液:
水中油中水型多相乳液は3種類の分離した相を含む26゜最内相は水相である。
それは油相中に封入され、それが今度は第2の水相内に閉じ込められている。水
中油中水型乳液の各分散油滴は、油相成分の層により水性懸濁液から隔てられた
1個又は多数個の水性区画を持つ小胞状構造を形成する。そのような乳液は油中
水型乳液の利点のほとんどを、もっとずっと低い粘度と共に有する。それらはリ
ポソームとの多くの類似性も有するが大きな水性区画を有し、無機溶剤なしで製
造することができる。多相乳液は油中水型及び水中油型乳液の間の比較的不安定
な中期(metaphase)であると考えることができる。2つの水相を分離
する油相は非常に薄(なることができ、それは油相成分の量に依存しない。これ
らの乳液の安定性は油相の耐久性によりもたらされると現象学的に理解すること
ができる2)。剛い油相又はフィルムに向上した安定性が伴う。
多相乳液は多(の技術において、特に製薬及び分離科学(separation
5cience)において有用であり得る。その可能な生物製薬学的用途は、
1つの水相の液滴が他の内部で分散している結果、独特である。これらはワクチ
ンアジュバント、薬剤デリバリ−系、薬剤過剰投薬処置における収着剤溜(so
rbent reservoies in drug overdose tr
eatment)として、及び酵素の固定のための可能性を含む。これらは又、
炭化水素の分離のために、及び廃水からの毒性材料の除去において用いることが
できる。本発明の多相乳液は化粧品として、及びワックス磨き剤などの家庭用品
として調製することができる。これらは持続性注射のためのインスリンの固定に
、及び食物において用いることができる。多相乳液に伴う主な問題はその不安定
性であり、そのために多相乳液が明らかに有望であることが示された多くの用途
におけるその有用性が重大に制限されてきた28゜
多相乳液の製造:
多相乳液は異なる状況で有利ないくつかの方法により製造されてきた。しかしそ
れらのいずれも最適ではない。ある方法は油中水型乳液を製造し、その後油相の
乳化容量を越えるまで水相の量を増すことによりそれを多相乳液に変換すること
を含む。別の場合転相点を越えて温度を変化させることにより、ある乳液は油中
水型から水中油型に転相し、過渡的多相孔液相を与える。
2つの異なる水相を有する多相乳液は、2段階で製造しなければならない。これ
は、いずれかの標準的方法により油中水型乳液を製造することにより行われる。
この油中水型乳液をその後、通常界面活性剤を含む第2の水相中に再乳化する。
第2段階には通常イオン性乳化剤より非イオン性乳化剤が好ましい。5pan8
Qは第1段階の油中水型乳液の場合に成功できる乳化剤であった。“しかし液体
パラフィン中の大量の5pan8Qは多相乳液型の分散液の発現に必要な条件の
1つである。
”2J2Q%より少量の5pan8Qは水中油型乳液を生ずる(表IIを参照)
。パラフィン油の場合に最適なのは約30%である。動物油又は植物油の乳化の
場合、50%程度の幾分多量の5pan8Qが必要である。油中水型乳化剤は常
に乳液の油相に加えられる。外部水相中の親水性乳化剤の濃度も、油相の疎水性
乳化剤の濃度に対して濃度が非常に低くなければならないという点で重要である
。例えば安定な乳液の製造のために、水相中のTween80の濃度は1%を越
えられないが、油相中の5pan8Qは30%より多くなければならない300
表II
表I■:機械的撹拌により製造する水−液体パラフィン−水孔液の形成への油相
中の5pan80の濃度の影響;すべでの場合に水相中のSDSの濃度は0.1
5Mに固定した。多相乳液指数はW10/Wの形成の尺度である31゜
先行技術において多相乳液の安定性を増すために多様な安定剤及び管理が用いら
れてきた。8%の濃度の大豆レシチンは乳液の安定性を保ちなから5pan80
の量を20%に減少させることを可能にした。油中水型乳液と同様に油相の体積
分率は重要ではない。これは、乳液成分が可動性であり、安定性は脂質のフィル
ムが薄(なる時のその一体性の保持に依存しているという事実によると思われる
32゜油中水型乳液と同様に植物油及び動物油は、多相乳液の製造で用いるのが
鉱油より困難である。例えばオリーブ油を用いて多相乳液を製造するのに60%
の5pan8Qが必要である33゜これは1.7%の大豆レシチンを加えると4
3%に下げることができる。さらに1対の界面活性剤をW10乳液の場合に用い
たとほとんど同様の方法で多相乳液の安定化に用いることができる。
先行技術の多相乳液におけるブロックコポリマー界面活性剤:コポリv−Plu
ronic (商標)Llol(ポロキサv−331)は、親水性乳化剤として
のPluronic (商標)P123 (ポロキサマー403)と組み合わせ
て疎水性乳化剤として水中油中水型多相乳液の製造に用いられてきた34.35
゜鉱油中5%のPluronic (商標)Llolを2%のウシ血清アルブミ
ンを含む食塩水と乳化した。時間の経過後、ウシ血清アルブミンは油−水界面で
Pluronic (商標)Llolと複合体を形成した。この複合体は乳液の
油中水成分の安定性の保持に重要であると思われる。この界面複合体が形成され
る時間の経過する前に多相乳液が製造されると、得られる水中油中水型乳液の安
定性はより低い。この乳液をその後14%のPluronic (商標)P12
3を含む食塩水中に再乳化した。この研究においていくつかのコポリマー界面活
性剤を評価した。Pluronic (商標)Llol及びP123が最も有効
であることが見いだされた。疎水基が4000より犬のコポリマーは評価しなか
った。
物理的安定剤:
多相乳液の本来の不安定性の故に、物理的剛性を与えることにより安定性を増す
いくつかの方法が試みられた36.37゜1つの方法は内部水相中の親水性ポリ
マーと界面活性剤の相互作用を用いる。上記のBSA−L101相互作用は1つ
の例である。他の例は、300万に達する程の高分子量のポリアクリル酸又は高
分子電解質を用いた。さらに界面の界面活性剤をX−線又は化学的活性モノマー
の重合により架橋した38゜これを内部水相中、油−水界面、油相中及び外部水
相中の材料を重合させるために行った。油滴をゼラチン及び他の材料で封入し、
物理的障壁とした。これらの方法のそれぞれがある条件下で多少の安定性の向上
を与えたが、乳液が多様な利用を容易にするのに十分安定であり、無毒性であり
、機能的であることはめったになかった。
多相水中油中水型乳液の場合の問題:
上記の通り、水中油中水型乳液の主な問題は安定性である。多相乳液の本来の不
安定性がほとんどの商業的利用を排除してきた。しかし安定性を向上させる試み
がいくつか報告されている。多相乳液の安定性を向上させる方法は、各操作が評
価中の特定の乳液に非常に特異的な傾向があるという点でむしろ経験的である3
9゜それにもかかわらずいくつかの原則を公式化することができる。最も重要な
問題は、徐々に油相中の疎水性乳化剤を可溶化して内部乳液を破壊する外相中の
乳化剤水溶液によって起こる不安定性であると思われる4°。第2の乳化段階で
用いられる界面活性剤と初期の界面フィルムのほとんど不可避の相互作用は、多
相乳液において遊離の界面活性剤安定剤を用いることが本来実際的でないことを
示している。安定化成分の拡散を許さないもっと永久的な界面膜が好ましい。
多相乳液の評価:
多相乳液は油滴の内部の水滴の大きさ及び数に依存してASB及びC型に分類さ
れてきた。A型は油滴内に1個の水滴を有し、B型は少数及びC型は比較的多数
の水滴を有する4I0この分類に従うと、フロイント完全アジュバントとして製
造される乳液又は本発明の多相乳液はC型乳液よりずっと微細である。多相乳液
はある条件下では基となる油中水型乳液より安定であることができると報告され
た。ある例では、グリセリルモノオレートと乳化された大豆油は80℃で安定で
あった42゜フロインドアジュバントを用いて作られた多相乳液は4℃で保存し
た場合、基となる油中水型乳液より安定であることが報告されている43゜多相
乳液の有用性を制限し、無効にしている問題は安定性である。安定性について報
告しているほとんどの発表は、比較的安定な組成物の場合でさえ許容できない程
度であることを示している。生物学的製品の場合乳液は、冷蔵庫又は冷凍庫中で
、含まれている薬剤と同程度の保存寿命を持たねばならない。さらに安定性の向
上のために用いられる多くの成分は毒性も増加させるであろう。通常多相乳液は
高濃度の疎水性界面活性剤及び安定剤を用い、それらは本来毒性である。さらに
内部水相中の水の濃度が50%より低い低濃度であるために、プリバーされるべ
き内部水相の量に対する油の量が増加する。内部水相がほとんどの活性成分のた
めに選ばれる部位なので、これは重要である。最後に、代謝不可能な鉱油の代わ
りに落花生油などの植物油又は動物油(スクアレン又はスクアラン)を用いるの
が非常に望ましいであろう。しかし植物油を用いた多相乳液は鉱油を用いたもの
より製造及び安定性の保持が困難であった。
発明の概略
本発明は、以前の乳液の制限の多くを克服し、それらに限られるわけではないが
ワクチンアジュバント、経口的、局所的及び非経口的薬剤デリバリ−1薬剤、化
粧品、食物及び種々の家庭ならびに工業的用途を含む多数の用途で用いるのに優
れた組成物である油中水型、及び水中油中水型多相乳液、ならびに製造法を含む
。
本発明は連続油相内に分散水相を含む安定な油中水型乳液であり、水相は親水−
親油バランスが約2より小の第1の界面活性剤を有効量で含み、連続油相が第2
の界面活性剤を有する。
本発明は又、連続外部水相中の油相内に分散内部水相を含む安定な水中油中水型
多相乳液も含み、内部水相は親水−親油バランスが約2より小の第1の界面活性
剤を有効量で含み、油相は第2の界面活性剤を有する。場合により連続外部水相
に界面活性剤を加えることができる。
内部水相に加えられる好ましい化合物は有効量の、以下の一般式:%式%)
[式中aは(C3H,O)で示される疎水基の平均分子量が3000−1500
0、好ましくは3000−9000の範囲、最も好ましくは約5000−600
0となるような整数であり、bは(C,H40)で示される親水性部分が化合物
の約2重量%−19重量%を構成するような整数を有する界面活性コポリマーで
ある。
コポリマーPluronic (商標)180.5は好ましい界面活性剤である
。Pluronic (商標)180.5の式は以下:HO(C2H40) b
(CsHsO)−(C2H40)−H[式中疎水基(C,H,O)の平均分子量
は約5200であり、親水基(C2H40)のパーセンテージは約5重量%であ
る]の通りである。
別の好ましい界面活性剤はPluronjc (商標)L141であり、それは
以下の式:
%式%)
[式中疎水基(C3H60)の平均分子量は約4600であり、親水基(C2H
,O)のパーセンテージは約10重量%である]を有する。
乳液は典型的に内部水相、油相及び外部水相の成分を混合することにより作られ
る。内部水相にブロックコポリマー界面活性剤を導入する場合、それは冷却する
ことにより可溶化し、乳化前に温めることにより沈澱させなければならない。油
中水型(Wlo)乳液をいずれかの簡便な方法によって製造する。その後これを
外部水相内で再乳化し、多相(W10/W)乳液を製造する。W10乳液は水中
に試料を入れることにより調べることができる。W10/W乳液は数通りの方法
で評価する。最も簡単な方法は顕微鏡である。
従って安定で多様な用途において有用な油中水型及び水中油中水型乳液の組成物
及びその製造法の提示が本発明の目的である。
優れたワクチンアジュバントの組成物及びその製造法の提示は本発明の別の目的
である。
非経口的、局所的、粘膜的又は経口的薬剤デリバリ−ビヒクルとして用いること
ができる乳液の組成物及びその製造法の提示は本発明の別の目的である。
化粧品の調製に有用な乳液の製造に用いることができる組成物及びその方法の提
示は本発明の別の目的である。
食物の製造に有用な乳液の製造に用いることができる組成物及び方法の提示は本
発明のさらに別の目的である。
分離科学において有用な乳液の製造に用いることができる組成物及び方法の提示
は本発明の別の目的である。
本発明のこれら及び他の目的、特徴ならびに利点は、開示されている具体化及び
添付される特許請求の範囲に関する以下の詳細な記載を考察した後、明らかにな
るであろう。
図の簡単な説明
図1は種々のポロキサマー化合物の間の関連を示す格子である。
図2は水中油中水乳液中のTNP−HEAで経口的に免疫化した後の腸液中の分
泌性IgAの力価を示す。
図3は水中油中水乳液中のTNP−HEAで経口的に免疫化した後のIgG及び
IgAの血清力価(serum titer)を示す。
詳細な説明
本発明の新規乳液は親水−親油バランスが約2より小の不溶性界面活性剤を内部
水相に入れることを含む。これは疎水性乳化剤は油相に入れるべきだと記載して
いる先行技術の逆である。最終的に分散された形態で水相に入れられた非常に疎
水性の乳化剤は、おそらく油/水界面に安定な界面障壁を形成することにより例
外的な乳液の安定性を与える。
内部水相に加えられる好ましい化合物は有効量の、以下の一般式:%式%)
[式中aは(C3H60)で示される疎水基の平均分子量が3000−1500
0、好ましくは5000−10000となるような整数であり、bは(C2H4
0)で示される親水性部分が化合物の約2重量%−19重量%を構成するような
整数である]
を有する界面活性コポリマーである。
コポリ7−LaI3はPluronic (商標)Li2O,5のゲル透過分別
により調製される。LaI3の式は以下:HO(C2H40)、(C3H80)
、(C2H40) bH[式中疎水基(Cs H60)の平均分子量は約10,
000であり、親水基(C2H40)のパーセンテージは約4重量%である]と
計算される。
コポリ?−Pluronic(商標)Li2O,5は好ましい界面活性剤である
。Pluronic (商標)Li2O,5の式は以下:HO(C2H40)、
(C3HsO)、(C2H40)、H[式中疎水基(C3H60)の平均分子量
は約5200であり、親水基(C2H40)のパーセンテージは約5重量%であ
る]の通りである。
別の好ましい界面活性剤はPluronic (商標)L141であり、それは
以下の式・
HO(C2H40) b(C3H60)−(C2H40)−H[式中疎水基(C
3H60)の平均分子量は約4600であり、親水基(C2H40)のパーセン
テージは約10重量%である]を有する。
Pluronic (商標)又はポロキサマーコポリマーブロックは、エチレン
オキシド及びプロピレンオキシドを高温高圧にて塩基性触媒の存在下で縮合させ
ることにより形成される。各コポリマーにおいて、結合してポリマー鎖を形成す
るモノマー単位の数にはいくらかの統計的変動がある。示されている平均分子量
は各組成物中のコポリマー分子の平均分子量の近似である。プロピレンオキシド
及びエチレンオキシドのブロックは純粋でなくても良いことを理解しなければな
らない。少量の他の材料は、全体の物理化学的性質が実質的に変化しない限り混
合することができる。これらの製品の製造に関するさらに詳細な議論は、米国特
許第2,674,619号にあり、その記載事項は引用することにより本明細書
の内容となる。
ポロキサマー化合物の命名法はポロキサマー格子(poloxamer gri
d)(図1)に基づく。ポロキサマー格子は種々のポリマーメンバーの命名法と
組成の関係である。疎水基(ポリオキシプロピレン)の平均分子量は範囲の大体
中点として示される。格子上のポロキサマ一番号の最初の2つの数字の100倍
が疎水基の大体の平均分子量を示す。最後の数字の10倍が界面活性剤の親水基
(ポリオキシエチレン)含有率の大体の重量パーセントを示す44゜例えば格子
(図1)の上右方四半分に示されているポロキサマー407は、平均分子量が4
000の疎水基とコポリマーの合計平均分子量の70%を成す親水基から誘導さ
れる。別の例はポロキサマー760.5であり、これは疎水基の平均分子量が7
600ダルトンであり、コポリマーの合計平均分子量の5%を成す親水基を有す
る。
本発明の乳液は高度の安定性を有し、内部水相に最高的90%−95%の水を含
んで製造することができる。乳液は内部油中水型乳液が壊れることなく油滴が部
分的に凝集してクリーム状になる。親水性乳化剤による疎水性乳化剤の可溶化は
大部分排除される。多相乳液に共通の問題は、外部水相中の親水性界面活性剤が
油相から疎水性界面活性剤を抽出し、それを外部水相中に可溶化することである
。これが油相の乳化容量を破壊する。疎水性界面活性剤を内部水相中に入れるこ
とにより、それは外部水相から隔てられる。油相の乳化容量は外部界面活性剤水
溶液との接触により危う(ならない。本発明の乳液の油相液滴が凝集して融合し
てもほとんど、又は全(内部及び外部水相の混合はない。その結果、多相乳液は
単に組成物を振ることにより再形成することができる。油中水型乳液は自然に最
高90%の水を含んで形成することができる。新規乳液は完全に破壊された後、
適度に撹拌することにより再形成することができる。これは大きな割合で水を含
むほとんどの普通の油中水型乳液と対照的であり、後者は成分を分離してやり直
す以外は破壊後に再形成することはできない。
本発明の乳液は鉱油の他に種々の植物及び動物油、特に落花生油及びスクアレン
を用いて容易に製造され、安定である。それらは内部水相中に10%−95%の
水を用いて製造することができるが、はとんどの目的の場合最適水濃度は60%
−80%v/vである。内部水相は特徴的に非常に微細な液滴寸法を有する。組
成物は凍結、冷却、室温及び高温で先行技術の組成物よりずっと安定である。そ
れらは非常に毒性が低い。 本発明の乳液は多様な種類の油、油相中の疎水性界
面活性剤及び外部水相中の親水性界面活性剤を用いて形成することができる。本
発明に従い用いることができる油には、スクアレン又はスクアランなどの動物油
、落花生油などの植物油、ドラヶオールなどの鉱油、及びミリスチン酸イソプロ
ピルなどの合成油が含まれるがそれらに限られるわけではない。浦及び界面活性
剤の組み合わせは当該技術における熟練者に周知である。乳液は当該技術におけ
る熟練者に既知のノリ力、ステアリン酸アルミニウム、ウシ血清アルブミン、他
の蛋白質などの他の安定剤及び他の重合ならびに安定剤も用いることができる。
解乳化剤の使用を避けることが重要である。
本発明の多相乳化剤の一般的製造は、乳液の内部水相となるものと親水−親油バ
ランスが約2より小の界面活性剤を最初に混合又は均質化することを含む。他の
材料を内部水相に混合又は溶解することができる。
例えば乳液をアジュバントとして用いる場合、抗原を水相中に入れることができ
る。好ましい界面活性剤は本明細書にて議論されているブロックコポリマーであ
るが、他の界面活性剤もその親水−親油バランスが2より小である限り用いるこ
とができると理解されるべきである。その後混合物を油と均質化して油中水型混
合物を形成する。
均質化は2本のシリンジ間で液体を急速に移すことにより行うことができる。均
質化はミニブレングー中で、音波処理により、又は当該技術における通常の熟練
者に周知の多(の方法のいずれの1つによっても行うことができる。その後水中
油中水型多相乳液の製造のために、油中水型乳液を第2の水相と均質化する。
本発明の1つの用途は、いずれの種の動物にも用いることができる感染に対する
有効なワクチンの製造である。フロイント完全アジュバント及びアジュバント6
5などの油中水型乳液は多様な抗原に対する強い免疫応答を得るのに非常に有効
であることが知られている。アジュバント65はマンニドモノオレートを乳化剤
として、及びステアリン酸アルミニウムを安定剤として用いた落花生油中水型の
乳液である。アジュバント65は多数の動物及びヒトの研究にて評価された45
.46゜本発明に従って作られた乳液は毒性が低(、低投薬量の油及び界面活性
剤で用いることができ、同等か又はより高い免疫応答を得ることができるのでよ
り優れている。それらは破傷風及びB型肝炎に対する単回投薬ワクチン(sin
gle dose vaccine)の製造に特に有効である。多数回投薬ワク
チンの単回投薬ワクチンへの変換は、世界保健機構 (World Healt
h Organization)の優先目的である。組成物はマラリア、AID
S、インフルエンザ及び肺炎球菌性肺炎を含む他の多様な状態のためのワクチン
アジュバントとしても有用である。
組成物は抗原の投薬量を減少させ、それがより有効なやり方で用いられるという
ワクチンとしての利点を有する。それらは鉱油の乳液より抗原を変性させない。
これは感染生物の本来の決定因子に対して有効な抗体をより高い割合で与える。
本発明に従って作られた乳液は、乳化性の他にブロックコポリマーのアジュバン
ト効果を利用している(その記載事項が引用することにより本明細書の内容とな
る米国特許出願箱071544.831号を参照)。抗原と共に用いると、乳液
は寄生虫抗原上の多数の抗原部位又はエピトープに対する抗体の生産を助長する
。これらの乳液は油、界面活性剤及び安定化材料の投薬量の減少の故に比較的無
毒性である。これらはリポ多糖、ムラミルジペプチド誘導体、あるいは他の免疫
調節剤と混合し、イソタイプ又は抗体と細胞媒介免疫の間のバランスを調節する
ことができる。かくしてワクチンを調節し、特定の疾患に対して特に有効な特定
の型の免疫応答を得ることができる。免疫調節剤は乳液の内相内に含まれるので
、低投薬量で用いることができ、全身的毒性が低い。本発明に従って製造された
乳液をアジュバントとして用いる場合、それらはいずれかの簡便な静脈内、筋肉
内又は皮下経路によって注射することができ、経口的に摂取することができ、あ
るいは粘膜又は経鼻経路により適用することができる。乳液は冷凍機中で無限に
安定であり、これは冷蔵しなければならない明春をアジュバントとするワクチン
より有利な主な利点である。冷蔵、“低温列車“が必要なことが多(の世界でワ
クチンを利用するための主要な障害である。
本発明の油中水型、又1ネ多相乳液は経口的、局所的又は粘膜的利用のための薬
剤デリバリ−ビヒクルとして用いることができる。これらは、胃及び上部胃腸管
(upper gastrointestinaltract)を通過する間、
蛋白質などの変性し易い材料を食塩水又は他の非変性液中に含むというまれな性
質を有する。材料は無損傷で、及び高効率で低部胃腸管にプリバーされる。上部
胃腸管を通過する間の消化から材料を保護する手段の発見は長い間、薬剤デリバ
リ−研究における達成の困難な目的であった。
本発明の多相乳液は非経口的注射に用い、薬剤の持続性放出を与えるか又は薬剤
に体の特定の領域、特にマクロファージの濃度が高い領域を標的とさせることが
できる。多相乳液はリポソームの性質の多くを有するので、リポソームが用いら
れてきた、又は考慮されてきたいずれの用途にも用いることができる。それらは
大きな水性内部区画という追加の利点を有し、有機溶剤を用いずに製造すること
ができる47゜そのような乳液は薬剤の経口的摂取に用い、持続性放出を促進す
る、及び/又は胃における酸及び蛋白質分解酵素による消化から薬剤を保護する
ことができる。本発明の乳液は吸収を容易にすることもできる。さらにコポリマ
ーの利用がリパーゼを阻害し、乳液の一体性及び胃腸管の低部への薬剤のデリバ
リ−を維持する。多相乳液は鼻、直腸、膣又は他の粘膜を介した経粘膜的薬剤デ
リバリ−にも用いることができる。相溶性表面上に広がる多相乳液の傾向は体の
外表面ならびに内表面を介した薬剤デリバリ−及び吸収を容易にする。
先行技術の油中水型乳液であるフロイント完全アジュバントは動物の免疫化に最
も広く用いられてきた免疫アジュバントである。しかしそれはヒトに用いるには
毒性が強すぎる。ミコバクテリアを含まない変形であるフロイント不完全アジュ
バントが臨床的ワクチンで用いられたが、毒性の理由で断念された48.”、”
、”、Ar1acel A (vン−ドモノオレート)及びステアリン酸アルミ
ニウムを含む落花生油の油中水型乳液がヒトのワクチンのためのアジュバントと
して1960年代に評価された52.53.54゜それは見込みがあったが断念
された。これらの油中水型乳液ワクチンの場合の問題の1つは、1/4から1/
2ミリリツトルの投薬量で多量の油を注射することになり、それが重症の局所的
、及び時々は全身的中毒反応を伴ったことである。
水の含有率が高く適した安定性を有する多相乳液は食物、化粧品、分離科学、化
学反応の触媒及び他の多くの分野で有力な用途を有する。水の含有率の非常に高
い乳液及び刺激性の安定剤を含まない多相乳液の製造は、化粧品において特に有
利である。
多相乳液を多種類の食物及びソースで用いることが提案されてきた。
コポリマーの低い毒性及び食用油を用いた製造が食物製品のための優れた機会を
与えている。
本発明に従って製造された多相乳液は、他の油中水型又は水中油中水型乳液が製
造されてきた分離科学のほとんどいずれの用途においても用いることができる。
多相乳液は半透膜を横切る材料の拡散のための簡便なビヒクルとなる(油層)。
適した状況下でこれは材料の分離を容易にするために用いることができる。その
ような乳液は溶媒抽出に、及び薬剤の過剰投薬の処置の方法として用いることが
できると提案された。
多相乳液の略字及び結果のコード:
31R1メロキサポール(Meroxapol)(P Iuronic(商標)
R31R1)AI St ステアリン酸アルミニウムAI 5t−110mg/
mlステアリン酸アルミニウムAI 5t−440mg/mlステアリン酸アル
ミニウムAr1acel186 モノ及びジグリセリドの非イオン性界面活性剤
混合物
BSA−3食塩水中の3mg/mlウシ血清アルブミン
BSA−10食塩水中の10mg/mlウシ血清アルブミン
DDA ジメチルジオクタデシルアンモニウムプロミド
Drakeo16VR軽鉱油
egg Iec 卵レシチン
F68 ポロキサ?−188(P l u ron i c(商標)F68)
iso myris ミリスチン酸イソプロピルCEF ひよこ胚線維芽細胞培
養細胞及び液Llol ポロキサマー331 (Pluronic(商標)Ll
ol)
L121 ポロキサ?−401(Pluronic(商標)L 121)
L141 ポロキサ?−461(Pluronic(商標)L141)
Li2O,5ポロキサv−520,5(PluroniC(商標)L180.5
)
nd 実行せず
0ctadecyl オクタデシルアミンo/w 水中油型乳液
P123 ポロキサ?−4Q3 (Pluronic(商標)P123)
Palmi acid バルミチン酸
pluroco12010 ポリオキシプロピレン(分子量約2000)plu
roco14010 ポリオキシプロピレン(分子量約3900)RT 室温
S80 5pan80、ソルビタンモノオレート5il−1010mg/m+
57zmMIN−U−3IL(石英粒子)
Sil−5050mg/ml 5μmMIN−U−SIL(石英粒子)
soy Iec 大豆レシチン
5pan65 ソルビタントリステアレートT150RI Tetronic(
商標)RT150RIT1501 (ボロキサミン) Te t ron i
c”T1Tween80 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート
wlo 油中水型乳液
w10/w 水中油中水型多液
各表の最後の2つの欄に示すグレード評価コードを下表で定義する。
“0”の指定は最も不安定であり、数秒以内に破壊される。“4”の指定は最も
安定であり、苛酷な条件下で何週間又は何カ月も乳液を保持する。′C”の指定
は油中の水が凝集するが融合したり又は破壊されたりしないことを意味する。
本発明を以下の実施例によりさらに例示し、実施例はいかようにも本発明の範囲
に制限を加えるものではない。逆に本明細書の記載を読んだ後、当該技術におけ
る熟練者に明らがとなる種々の他の具体化、その修正及び同等例に本発明の精神
及び/又は添付の請求の範囲から逸脱することなく頼れることが、明らかに理解
される。
実施例1
表1から8に示す材料及び割合を用いて油中水型ならびに多相乳液(水中油中水
型)を製造した。最初に示されている割合で成分を混合することにより3相(内
部水相、油相及び外部水相)を製造した。例えば表1の35列にて、20%v
/ vのコポリマーL180.5を生理食塩水中の3mg/mlのBSAの溶液
と混合することにより内部水相を製造した。混合物を4℃の冷蔵庫に入れ、コポ
リマーを溶液中に入れた。
それをその後使用前に温めてコポリマーを沈澱させた。スクアレン及び20体積
%の5pan80との混合物から油相を製造した。安定剤は用いなかった。安定
剤としてノリ力を用いる場合、それは油と合わせる前に油相の界面活性剤と混合
しなければならない。ステアリン酸アルミニウムが安定剤の場合、油相を50°
−80℃に加熱してそれを溶解する。外部水相は生理食塩水と0.5%のTwe
en80及び0,5%のL68の混合物である。
最初に当該技術における熟練者に既知の適した均質化装置を用いて均質化するこ
とにより油中水型乳液を製造する。この実施例では1部(1ml)の油相を1m
lの内部水相と均質化して油中水型乳液を製造する。この乳液は水の表面に液滴
を置くことにより調べることができる。液滴はその形を保ち、分散してはならな
い。その後油中水型乳液を6部(6ml)の外部水相中で第2の乳化をし、水中
油中水型乳液を製造する。この乳液(表1の35列)はその後の24時間、室温
にて非常に安定であることが見いだされた。表1−8に示す他の乳液のそれぞれ
を類似の方法で製造した。
多相乳液をA、B及びC型として分類する案がFlorenceにより提案され
た。C型が最良である。内部水相が多くの小水滴を有する。
B型は満足度のより低い乳液であり、内部水相が数個の分離した水滴を有する。
A型は最悪であり、1個の大水滴の内部水相を有する。この実施例の乳液はFl
orenceにより記載のいずれよりも優れている55゜内部水滴は非常に微細
であり、各液滴を光学顕微鏡で見ることができない。内部水相の無数の非常に微
細な水滴の故に、乳液はむしろ粉砕されたガラスのような外観を有すると思われ
る。
実施例2
スクアレン中の10%−20%のSpangQは安定な油中水型乳液を与えるこ
とができるが、安定な水中油中水型多相乳液を与えることはできない(25−2
6列:表1)。
実施例3
スクアレン中10%の5pan80にコポリ?−L121、L141又はL18
0.5を加えると、安定な油中水型乳液を形成する能力が低下する(1−12列
;表1)。コポリv−L121及びL180.51;!スクアレン中8%の濃度
で乳液を不安定化するが、L141は20%が必要である。
実施例4
Span13Qの濃度を油相の20%に増加させるとL141の不安定化能力が
克服され、安定な油中水型乳液の製造が容易になる。さらにこの状況におけるL
141は安定な多相乳液の形成を促進する(26及び27列;表1)。
実施例5
油相中の安定剤としての1又は4%のステアリン酸アルミニウムはコポリマーL
141の不安定化能力を克服し、安定な多相乳液の形成も促進する(28−31
列:表1)。
実施例6
乳液の内部水相に加えられたコポリマーL141又はLi2O,5は安定な多相
乳液の形成を容易にする。文献は疎水性界面活性剤を油相に入れるべきだと記載
しているので、これは驚(べき結果である。さらにこれらのコポリマーのHLB
は有効な油中水型乳化剤に関して報告されている値より低い(32−35列及び
25−26列;表1)。
実施例7
多相乳液の製造の場合、F68はTween80より有効な外部水相界面活性剤
である(1−9列:表2)。
実施例8
Span8Q及びコポリマーL180.5を油相中で合わせる場合、5pan8
Qの濃度を10%から40%に増すと得られる多相乳液の安定性は低下する。こ
れは多相乳液が高濃度の5pan80を必要とすると述べている文献と対照的で
ある(20−27列1表2)。
実施例9
内部水相中のコポリマーL180.5は、L141又はもっと小さいコポリマー
より多相乳液の安定化に優れている。これは、内部水相の水の濃度を油中水型乳
液の濃度の80%に上げた場合に明確に示される(1−6列:表3)。
実施例10
コポリマーL180.5は内部水相中に80%の水を有する多相乳液を有効に安
定化する。これらの乳液は、37℃、4℃で保存、又は−20℃で冷凍し、数週
間で解凍した後に光学顕微鏡で見ると安定なままである(1−6列;表3)。
実施例11
内部水相に80%の水を有する多相乳液は、安定性を危うくすることなく大量の
外部水相を用いて製造することができる。これは外部水相の体積を制限すること
が重要であると記載している文献と対照的である(1−3列及び19−21列;
表3)。
実施例12
スクアレンを用いた油中水型乳液の内部水相中のコポリマーL180.5は、油
中水型乳液の安定性を向上させ、多相乳液の安定性を非常に顕著に向上させる。
多相乳液の安定性は外部水相の界面活性剤の種類に依存する。内部水相中にコポ
リマーL180.5を用いて製造する場合、より多様な界面活性剤を外部水相で
用いることができた(7−12列及び19−24列;表4)。
実施例13
内部水相中に10%のコポリマーL180.5、及び外部水相界面活性剤として
0.25%のP123を有する多相乳液は、内部油中水型乳液中に80%の水を
含み、合計体積の80%が外部水相であり、油相が乳液全体のわずか4%を構成
するのみである。これは非常に安定な多相乳液を与え、17日間隔で4回の凍結
解凍、冷蔵庫、室温又は37℃でのもっと長期間の保存にわずかな劣化も見せず
に耐える(24列;表4)実施例14
油中水型乳液及び水中油中水型多相乳液の安定性を促進するコポリマーL180
.5の能力を、数種類の油、疎水性油相界面活性剤及び安定剤を用いて調べた。
内部水相中のコポリマーL180.5は5pan80、Ar I ace +1
86又は5pan8Qとステアリン酸アルミニウムを用いて製造した落花生油の
油中水型及び多相乳液の両方の安定性を向上させた(11−20列;表5)。鉱
油(ドラケオール(Drakeof)6VR)の場合もそれは類似の効果を有し
た(21−30列−表5)。内部水相中のコポリマーL180.5は外部水相の
体積が非常に大きいこれらの条件下でミリスチン酸イソプロピル又はプルロコー
ル(plurocol)を用いた乳液の安定性を向上させなかった。
実施例15
植物油を用いて安定な油中水型又は水中油中水型多相乳液を作ることは困難であ
ると多くの場合に報告されてきた。そのような乳液の安定性を促進する内部水相
中のコポリマーL180.5の能力を示す。5pan80と落花生油はわずか5
0%の水でも水中油型乳液を製造する(16列:表6A)。内部水相中にコポリ
マーL180.5を加えると、50%、70%又は90%の水を用いて非常に安
定な油中水型乳液が製造される。その後油中水型乳液は安定な多相乳液を形成す
る(10−12列;表6)。この乳液をさらに冷凍又は4℃で保存することによ
り調べ、これらの条件下でも同様に安定であることを見いだした。ステアリン酸
アルミニウムなどの他の安定剤はそれ自身では効果が低かったが、コポリマーL
180.5と組み合わせて用いると非常に安定な乳液を与えた(22−24.2
8−30及び31−36列;表6A)。ワクチンに用いられる組成物中で内部水
相がひよこ胚線維芽細胞及びその培地を含んだ場合も類似の結果が観察された(
37−72列1表6B)。
実施例16
スクアレン、落花生油、鉱油及びミリスチン酸イソプロピルの油中水型及び多相
乳液の内部水相に数種類の疎水性界面活性剤を加えた。コポリマーL180.5
がこれらの油のそれぞれを用いた油中水型及び多相乳液の両方の安定性を顕著に
向上させた(1−2.13−14.25−26及び37−38列;表7)。コポ
リマーT1501は類似であるがより低い効果を有した(4.16.21び40
列; 表7)、DDA、大豆レシチン、ステアリン酸アルミニウム及びオクタデ
シルアミンはすべて、内部水相に加えると1種類か又はそれより多い油中水型乳
液の安定性を向上させる(表7)。
実施例17
内部水相中の蛋白質及びコポリマーL180.5の濃度の影響を表8に示す研究
で評価した。多相乳液の安定化におけるコポリマーし180.5の最大効果には
、5%か又はそれより多い濃度が必要であった(1−2.11−12列;表8)
。しかし0.01%を用いた最低の濃度でも効果は観察された(9.19列;表
8)。内部水相中の蛋白質の存在は結果に影響を与えなかった。これらの組成物
はすべて室温及び4℃にて調べ、類似の結果を与えた。乳液の安定性への塩濃度
の役割を評価する研究をさらに行った。内部水相に蒸留水を用いて形成した乳液
は、標準状態食塩水を用いて形成した乳液より安定性が低い。同様に生理食塩水
の2倍の塩濃度は安定性がより低い乳液を与える。これは他の研究者の種々の結
果と一致しており、塩濃度の種類及び量が油中水型及び多相乳液の安定性の決定
に重要であることを示している。
実施例18
ミリスチン酸イソプロピルの油相に5%V/Vで加えられたし101はBSAを
含む食塩水を用いた油中80%水型乳液を形成できなかった(6列;表5)。そ
れは外部水相としてP123を含む食塩水を用いた多相乳液を形成することもで
きなかった(6列;表5)。これはLawet al、の報告に反しており、彼
らはこれらの材料を用いて油中水型及びW10/W乳液の両方を製造した56゜
しかし彼らの研究と本発明にはいくつかの基本的な差がある。第1にLaw e
t al、は50%が油の油中水型乳液のみしか記載していない。本発明はミリ
スチン酸イソプロピルを含む多様な油を用いて70%より過剰で製造することが
できる(3列:表7)。第2に彼らの乳化は、油中水型乳液の形成の場合120
0プラス/マイナス20ORPMの機械撹拌機で30分間行われた。本発明の乳
化は典型的に、免疫学的アジュバント乳液に通常用いられるやり方で連結シリン
ジを用いて5分か又はそれ以下で行われた5?、 611.500これは油中水
型乳液がずっと容易に製造できる点で本発明が優れていることを示している。第
3にLaw et al、は、彼らの乳液の油に5pan8Qなどの界面活性剤
を加えると広範囲の凝集を起こすと記載している。5pan8Qはミリスチン酸
イソプロピルを含む多様な油を用いた本発明の多くの実施例における有効な油相
乳化剤である(37−38列:表7)。第4にLaw et al、は、これら
の材料を用いた多相乳液の形成には、w10/w100製造前に油中水型乳液を
終夜熟成させることが必要であると記載している。これは蛋白質とコポリマーし
101とを相互作用させる。かれらの論文“5tabilization of
w10/w multiple emuIsions by 1nterfa
cial complexation of macromolecular
and nonionic 5urfactants”はこの現象をその乳液の
安定化に必要であると定義している60゜Law et al、は油層を横切る
界面活性剤の分離が保持されることをW10/W乳液の安定性における重要な因
子として明確に定義しているが、かれらが記載している解答は本発明と全く異な
る。本発明の乳液はずっと穏やかな条件下で製造され、水の割合が高く、より安
定であり、油中水型乳液の製造後に待機時間を必要としない。
実施例19
B型肝炎感染のための現在のワクチンは安全で有効であるが、大多数の人々の場
合10m1U/mlの保護抗体力価を得るために数カ月をかけて最低3回の注射
が必要である。B型肝炎ウィルスの表面抗原に対するワクチンとして多相乳液を
製造し、調べた。内部水相はO,1mlの食塩水中のB型肝炎抗原(HBsAg
)から誘導された130μgの血漿と混合されたコポリマーL180.5 (1
0mg)を含み、冷却してコポリマーを溶解した。油相は90%のスクアレン及
び10%の5pan80の混合物を108m1含んだ。内部水相及び油相を1m
lのプラスチックの円錐管に入れ、18ゲージの先の鈍い針を介して1mlのプ
ラスチックのシリンジ中に混合物を繰り返し引くことにより油中水型乳液を製造
した。30秒より短時間で高粘度の油中水型乳液が形成された。これを、外部水
相として0.25%のPluronic P2O3(ポロキサマー404)を含
む領 22m1の食塩水を加えることにより油中水型多相乳液に変換した。混合
物を18ゲージ針を介して引き、油中水型乳液を分散して多相乳液とした。
得られた多相乳液は平均寸法が約10ミクロンの油中水型乳液の液滴を含み、内
部水滴は小さすぎて光学顕微鏡で識別することはできなかった。それは室温で4
力月以上安定であった。同様の組成物は5回の凍結−解凍サイクルを通じて安定
であった。
1.23mgのコポリ7−Li2O,5,1,03mgの5pan80.16μ
gの抗原及び9.25mgのスクアレンを含む0.05m1の乳液をICR異系
交配マウスの横腹に皮下注射した。すべてのマウスが14日までに10mIU/
mIより大きい力価を生産した。28日に平均力価は20,815mIU/ml
であった。局所的炎症応答は最小であった。
実施例20
実施例20から22は、局所的治療薬としての活性成分のプリバーに本発明の油
中水型乳液をどのようにして用いることができるかを示す。
40才の白人女性を、水相中にPluronic (商標>Li2O,5、及び
油相としてスクアレン+10%5pan (商標)80を用い、最終的濃度が5
%のデルマタン硫酸(Scientific Protein Labs、Wa
unakee、WS)を含む油中水型乳液(75%水)にて、頭部への重症の放
射線火傷につき処置する。
患者は、脳の左側頭葉の転移性腺癌のために合計15線量の脳放射線を受けた。
患者は毛髪をすべて失った。彼女は、頭部の火傷に対するアロエゲル及びラノリ
ンの局所的処置を含む従来の治療を受けた。火傷は彼女の前頭部で特に重症であ
った。
患者は重度の痛みと痒みに苦しんでいた。患者の頭皮は赤い炎症で覆われていた
。高線量の放射線で腫瘍を標的とした患者の耳の後部では、皮膚が裂け、赤く、
膨潤し、非常に乾燥していた。彼女の頭皮全体及び前頭部に油中水型乳液を適用
する。すぐに患者は痒みが軽減した。最初の処置の12時間後、彼女の頭部の赤
い炎症はすべて完全に消えた。彼女の前頭部の皮膚は柔らかく、しなやかであっ
た。油中水型乳液を用いると、患者は12時間基本的に痒みを感じない。患者は
何週間もの間で初めて薬を用いずに眠ることができた。
実施例21
5%のデルマタン硫酸を含む油中70%水型乳液5Qmlを、5年間以上重症の
“接触”皮膚炎に苦しんできた61才の白人男性に適用する。患者の最も重大な
問題は彼の手であり、特に寒い天候の間である。患者の指の間には皮膚の亀裂及
び出血があり、彼の手金体はうろこ状の火傷のように見える。患者の手は、寝て
いる間に出血するまで掻く程痒い。患者に1日に朝と夜の2度W10乳液を適用
した。最初の処置の後数時間以内で、痛みと痒みが軽減した。患者が乳液を1週
間使用した後、皮膚はしなやかで、正常な皮膚の外観を有するようになった。
実施例22
30才の白人男性を、背中全体を覆う重症の日焼けに関して処置した。患者は最
小の日焼は止めで約7時間背中を太陽に露出していた。翌日痛みがひど(、患者
は吐き気を覚えるほどであった。患者を日焼は後48時間、実施例23で用いた
と同一の油中水型乳液で処置した。約30分以内に痛み及び痒みが軽減した。組
成物を毎日2回適用した。最初の適用後24時間で赤み及び炎症はすべて消えた
。彼はさらに3日間組成物を用い、皮膚は完全に治癒した。
実施例23
0.25%のコポリマーP123を有する食塩水の外部水相を5o%v / y
含む水中油中水型多相乳液を製造した。他の5o%v / yは72%の食塩水
、18%のスクアレン、2%の5pan80及び32mgのコポリ7−LaI3
、ならびに乳液0.5ml当たり0.5mgのTNP−HEAを含む分散した油
中水相である。乳液をOCR異系交配マウスに0.5ml/マウスの投薬量で経
口投与した。多相乳液を200倍の顕微鏡下で調べた。乳液の顕微鏡的外観は直
径が1.0−20μの油中水型乳液の粒子である。乳液を胃内投与した6時間後
、マウスの透視され、開かれた末梢回腸は、バイエル板(P)のドームに伴う乳
液粒子を示した。蛋白質抗原は乳液中の食塩水に懸濁されているので、この実験
は油中水型乳液が本来の抗原を腸付随(gut−associated)リンパ
組織にプリバーできることを示唆している。乳液は肉眼で見ることができ、顕微
鏡的に無損傷の油中水型粒子を含んでいた。盲腸の内容物の試料を経口投与の6
時間後に取り出し、オクターロニー分析により調べ、抗原的に無損傷のTNP−
HEAを含むことが見いだされた。油中水型乳液中の抗原を経口投与した後、分
泌性IgA量を測定した。内部水相中にT N P −HE Aを含む油中水型
乳液(0,5m1)を、0.14及び34日に6匹の異系交配ICRマウスの群
に経胃輸液した。他の群は100μgの無毒化RaLPS、サポニン又はシリカ
をアジュバントとして含む同一の乳液を与えられた。経口免疫化の後、循環■g
G及びIgA抗体力価を測定した。マウスから腸液と同時に血清試料を集めた。
結果を図2及び3に示す。はとんどの場合、乳液のみを用いたT N P −H
E A抗原の投与が腸液及び血清の両方において最も高い力価を与えた。T N
P −HE Aを食塩水中で経口投与すると、腸及び血清の両方に免疫応答は
ない。
もちろん前文は本発明の好ましい具体化のみに関しており、添付の請求の範囲に
示す本発明の精神及び範囲から逸脱することな(そこにおける多数の修正又は変
更が可能であることを理解しなければならない。
60 1iwゴゴ<−Whatelev TL and Florence A
T、5tabilization of w10/w
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.連続油相中に分散水相を含み、前記水相が親水−親油バランス約2より小の 第1の界面活性剤を有効量で含み、前記連続油相が第2の界面活性剤を含む、安 定な油中水型乳液。 2.第1の界面活性剤が次式 HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中疎水基(C3 H6O)の平均分子量が約3000−15000であり、親水基(C2H4O) のパーセンテージが約2重量%−15重量%である] を有する請求の範囲1項に記載の乳液。 3.第1の界面活性剤が次式 HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中疎水基(C3 H6O)の平均分子量が約10,000であり、親水基(C2H4O)のパーセ ンテージが約4重量%である]を有する請求の範囲1項に記載の乳液。 4.第1の界面活性剤が次式 HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中疎水基(C3 H6O)の平均分子量が約5200であり、親水基(C2H4O)のパーセンテ ージが約5重量%である]を有する請求の範囲1項に記載の乳液。 5.油が植物油、動物油、及び鉱油から成る群より選ばれる請求の範囲1項に記 載の乳液。 6.植物油が落花生油である、請求の範囲5項に記載の乳液。 7.鉱油がドラケオール6VR、ミリスチン酸イソプロピル及びポリオキシプロ ピレンから成る群より選ばれる、請求の範囲5項に記載の乳液。 8.動物油がスクアレン及びスクアランから成る群より選ばれる、請求の範囲5 項に記載の乳液。 9.第2の界面活性剤がポロキサマー331、ボロキサマー461、ポロキサマ ー520.5、Span80、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリステア レート及びArlacel186から成る群より選ばれる、請求の範囲1項に記 載の乳液。 10.連続外部水相中にある油相内に分散内部水相を含み、前記内部水相が親水 −親油バランス約2より小の第1の界面活性剤を有効量で含み、前記油相が第2 の界面活性剤を含む、安定な水中油中水型多相乳液。11.外部水相が第3の界 面活性剤を含む、請求の範囲10項に記載の乳液。12.第3の界面活性剤がポ ロキサマー403、Tween80、ポロキサマー188又はそれらの混合物か ら成る群より選ばれる、請求の範囲11項に記載の乳液。 13.第3の界面活性剤がポロキサマー403である、請求の範囲12項に記載 の乳液。 14.第1の界面活性剤が次式 HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中疎水基(C3 H6O)の平均分子量が約3000−15000であり、親水基(C2H4O) のパーセンテージが約2重量%−15重量%である] を有する請求の範囲10項に記載の乳液。 15.第1の界面活性剤が次式 HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中疎水基(C3 H6O)の平均分子量が約10,000であり、親水基(C2H4O)のパーセ ンテージが約4重量%である]を有する請求の範囲10項に記載の乳液。 16.第1の界面活性剤が次式 HO(C2H4O)b(C3H6O)a(C2H4O)bH[式中疎水基(C3 H6O)の平均分子量が約5200であり、親水基(C2H4O)のパーセンテ ージが約5重量%である]を有する請求の範囲10項に記載の乳液。 17.油が植物油、動物油、及び鉱油から成る群より選ばれる、請求の範囲10 項に記載の乳液。 18.植物油が落花生油である、請求の範囲17項に記載の乳液。 19.鉱油がドラケオール6VR、ミリスチン酸イソプロピル及びポリオキシプ ロピレンから成る群より選ばれる、請求の範囲17項に記載の乳液。20.動物 油がスタアレン及びスタアランから成る群より選ばれる、請求の範囲17項に記 載の乳液。 21.第2の界面活性剤がポロキサマー331、ポロキサマー461、ポロキサ マー520.5、Span80、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリステ アレート及びArlacel186から成る群より選ばれる、請求の範囲10項 に記載の乳液。
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- 1998-10-21 HK HK98111383A patent/HK1010450A1/xx not_active IP Right Cessation
Cited By (2)
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