JPH0650565U

JPH0650565U - 額縁類取付具

Info

Publication number: JPH0650565U
Application number: JP8083592U
Authority: JP
Inventors: 正雄筑波
Original assignee: 正雄筑波
Priority date: 1992-11-24
Filing date: 1992-11-24
Publication date: 1994-07-12
Anticipated expiration: 2006-06-19
Also published as: JP2501490Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】和室内で、長押に沿う任意の位置に簡単に額
縁を飾れるようにする。柱などの建造物も傷付けない。【構成】杆材11の下部を前上方へ屈曲させて、ばね性
を有するほぼＵ字形状の長押挿入部14を形成する。杆材
11の上部には鎖18の一端を連結する。この鎖18の環20
は、端から５個ごとに色を変える。長押挿入部14を壁２
と長押３との間に挿入し、額縁類取付具を取り付ける。
長押３に取り付けた額掛金具に額縁を載せ、その裏面の
鉤金具に鎖18のいずれかの環20を止める。【効果】色分けにより、どの位置の環20を鉤金具に止
めたかが分かる。これにより、複数の額縁を並べて飾る
とき、額縁の角度を容易に揃えられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば揮毫書、表彰状、写真などの額縁類を和室の壁に飾るのに用いられる額縁類取付具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば図７に示すように、揮毫書、表彰状あるいは写真などの額縁１を和室の壁２に飾る場合、通常、長押３を利用して額縁１を取り付ける。そのために、従来は、一対の額掛金具４と１つの吊金具５とを用いていた。額掛金具４は、断面ほぼＳ字形状の金具であり、また、吊金具５は、例えばねじを有するほぼＬ字形状の金具である。そして、吊金具５は、長押３よりも上方の適当な高さで柱６に螺着する。また、両額掛金具４は、柱６を挟む位置において、長押３の上端縁部に上から引っ掛けて取り付ける。そして、額縁１の下端縁部を両額掛金具４に上から入れて載せる。また、額縁１の裏面にある左右一対の鈎金具（図示していない）に両端部を縛り付けた細い紐７を吊金具５に上から引っ掛ける。これにより、額縁１は、適当に傾いた状態で支持される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記従来の技術では、次のような問題があった。まず、ねじ込み式の前記吊金具５は、壁２に直接取付けることが困難であり、そのために、前述のように柱６に取り付けている。したがって、額縁１を飾れる場所が柱６のあるところに制限され、複数の額縁１を並べて飾るようなことが難しく、また、かりに複数の額縁１を並べて飾ろうとしても、各額縁１の角度を揃えることが難しい。そのため、特に複数の額縁１を並べて飾ろうとする場合、そのための特別な施工を専門店に依頼する家庭も多い。一方、このような専門店への依頼などの不都合を嫌って、せっかくの数ある額縁１を飾らない家庭も多く、また、飾る場所として不適切な床に置いてしまう家庭も多い。さらに、ねじ込み式の吊金具５は、柱６などを傷付けてしまう問題もあった。

【０００４】本考案は、このような問題点を解決しようとするもので、柱などの建造物を傷付けることなく、簡単に額縁類を和室内に飾ることができ、しかも、飾る位置の制約も少なく、複数の額縁を並べて飾ることも容易にできる額縁類取付具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の額縁類取付具は、前記目的を達成するために、杆材の下部を上方へ折り返して弾性的に拡縮可能な長押挿入部を形成するとともに、前記杆材の上部に吊支具を設けたものである。

【０００６】

【作用】

本考案の額縁類取付具を用いて例えば額縁を和室内に飾るときには、まず、杆材を壁に沿わせ、その下部の長押挿入部を縮めながら壁と長押との間の隙間に上から挿入する。この状態で、長押挿入部は、その弾性により拡がる方向への力を生じて、壁と長押とに圧着され、額縁類取付具は、確実に固定される。ついで、杆材の上部の吊支具に額縁を吊支する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の額縁類取付具の第１実施例について、図１から図４を参照しながら説明する。図面において、１は額縁、２は和室の壁、３は長押、４は額掛金具である。11は細長い金属板からなる杆材で、この杆材11は、直線状の立上がり部12と、この立上がり部12の下端から前上方へ屈曲した折り返し片13とからなっている。これにより、杆材11の下部は、ほぼＵ字形状で弾性的に拡縮可能な板ばね状の長押挿入部14となっている。また、折り返し片13の前面すなわち反立上がり部12側の面には、ストッパー15が前方へ突設されている。一方、このストッパー15とほぼ同じ高さに位置して、立上がり部12の前面には、前方へ突出しさらに上方へ屈曲したほぼＬ字形状の指掛け部16が突設されている。さらに、立上がり部12の上端には、後端縁が立上がり部12の後面と同一平面上に位置し、かつ、立上がり部12から左右両側方へ張り出した規制片17が前方へ突出させて固定されている。そして、この規制片17の前部には、吊支具としての金属製の鎖18の一端が孔19に通して連結されている。さらに、鎖18の各環20は、端から複数個ごとに適当に色を変えてある。例えば、上から５個の環20は、非着色で銀色、その下の５個の環20は、着色されて青色、その下５個の環20は、銀色、さらにその下５個の環20は、青色などである。なお、本額縁類取付具の全長は、額縁１の縦の長さよりも若干短い程度がよい。

【０００８】つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。額縁１を和室内に飾るときには、まず、図２に示すように、例えば立上がり部12の上端部に親指Ｔをかけるとともに、指掛け部16に人差し指Ｆをかけて、長押挿入部14を強制的に縮めながら、すなわち、立上がり部12と折り返し片13との間の間隔を縮めながら、長押挿入部14を壁２と長押３との間の隙間に上から挿入する。このとき、立上がり部 12側を壁２に沿わせる。また、長押挿入部14の挿入は、ストッパー15が長押３の上端に突き当たるまでとなる。とにかく、挿入された長押挿入部14は、その弾性により拡がる方向への力を生じ、立上がり部12が壁２に圧着されるとともに、折り返し片13が長押３に圧着され、額縁類取付具が確実に固定される。なお、規制片17も壁２に当接する。また、柱６を挟む位置において、一対の額掛金具４を長押３の上端縁部に上から引っ掛けて取り付ける。そして、額縁１の下端縁部を両額掛金具４に上から入れて載せる。また、鎖18のうちの適当な環20を額縁１の裏面にある鉤金具（図示していない）に引っ掛けて止める。これにより、額縁１は、適当に傾いた状態で支持される。なお、鉤金具に止める環20を変えることにより、額縁１の角度を細かく調節できる。

【０００９】以上のように、前記実施例の額縁類取付具を用いれば、柱６の所在に関係なく、長押３に沿う任意の位置に額縁１を簡単に取り付けられる。したがって、額縁１を並べて飾ることもできる。また、柱６などに釘を打ったりするような必要もなく、柱６などの建造物を傷付けることがない。また、折り返し片13に設けたストッパー15により、折り返し片13の上端が長押３の上端縁よりも下に位置するまで、長押挿入片14が挿入されてしまうことがない。したがって、額縁類取付具を外す必要が生じたときには、これを壁２と長押３との間から確実かつ容易に抜き取れる。また、杆材11は幅の小さいものであるが、立上がり部12の上端に、より幅広で壁２に当たる規制片17を設けたので、額縁１の荷重などに抗して、立上がり部12が水平な方向にひねられることが防止される。これにより、安定性が向上する。さらに、鎖18の環20は、端から５個ごとに色を変えてあるので、どの位置の環20を額縁１の鉤金具に止めたかの確認が、環20の数をいちいち端から数えることなく、感覚的に確実かつ容易にできる。したがって、複数の額縁１を並べて飾る場合、各額縁１の角度を容易に揃えられる。また、掃除のために、額縁１をいったん外して再び取り付けるような場合にも、容易にもとの角度で額縁１を取り付けられる。

【００１０】つぎに、本考案の額縁類取付具の第２実施例について、図５を参照しながら説明する。杆材21は、ステンレス製で、前記第１実施例のものよりも若干幅が大きくなっているが、やはり直線状の立上がり部22と、この立上がり部22の下端から前上方へ屈曲した折り返し片23とからなっている。これにより、杆材21の下部は、弾性的に拡縮可能な板ばね状の長押挿入部24となっている。さらに、前記立上がり部22には、そのほぼ全体に渡ってかつ左右両縁部を残して、前方へ膨出した膨出部25がプレス加工により形成されている。一方、立上がり部22の左右両縁部は、平らな壁面当接部26になっている。また、折り返し片23の上端部には、折り曲げにより、ストッパー27が前方へ屈曲させて形成されているとともに、このストッパー27の前端からさらに上方へ屈曲させて、やや湾曲した形状の指掛け部28 が形成されている。一方、この指掛け部28とほぼ同じ高さに位置して、立上がり部22の前面には、前方へ突出しさらに上後方へ屈曲したほぼ半円形状の指掛け部 29が溶接されている。さらに、立上がり部22の上端部には、鎖取付孔30がプレス加工により前方へ切り起こされて形成されている。そして、この鎖取付孔30に吊支具としての鎖31の一端が通して接続されている。なお、鎖31の各環32は、やはり端から複数個ごとに適当に色を変えてある。

【００１１】この第２実施例の額縁取付具も、前記第１実施例と同様に使用するものである。そして、立上がり部22に膨出部25を形成したことにより、立上がり部22に十分な強度をもたせられる。また、使用時には、立上がり部22の左右両側の平らな壁面当接部26が壁２に当たるが、杆材21の幅をある程度大きくすれば、前記第１実施例のような規制片17がなくても、立上がり部22のねじれを十分に防止できる。これとともに、杆材21を薄いステンレス製とすることにより、長押挿入部24において十分な弾性が得られる。さらに、折り返し片23の上端部のストッパー27および指掛け部28と立上がり部22の上部の鎖取付孔30とをプレス加工により一体に形成することにより、構造を簡単にでき、より安価にできる。

【００１２】つぎに、本考案の額縁類取付具の第３実施例について、図６を参照しながら説明する。なお、先に説明した第１実施例と対応する部分には同一符号を付して、その説明を省略する。すなわち、第３実施例は、杆材11の上端に鎖18を連結する代わりに、立上がり部12の前面上部に、吊支具として、前方へ突出しさらに上方へ屈曲したほぼＬ字形状のフック部41を突設したものである。そして、長押３に取り付けた額掛金具４上に額縁１を載せるとともに、同じ長押３に取り付けた額縁類取付具のフック部41に、額縁１の裏面にある左右一対の鈎金具42に両端部を縛り付けた紐７を上から引っ掛ける。これにより、額縁１は、適当に傾いた状態で支持される。このように、図５に示す実施例では、裏側に紐７を取り付けてある額縁１を簡単に取り付けられ、額縁１の裏側にあらたに鉤金具を取り付けるような必要がない。

【００１３】なお、本考案は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、杆材などの材料は、適宜設定すればよく、十分な強度が得られるならば、プラスチック製としてもよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、杆材の下部を上方へ折り返して弾性的に拡縮可能な長押挿入部を形成するとともに、前記杆材の上部に、額縁類を吊支する吊支具を設けた額縁類取付具によって、和室内において長押に沿う任意の位置に額縁類を簡単に飾れ、複数の額縁を並べて飾ることも容易にできる。しかも、柱などに釘を打つような必要もなく、柱などの建造物を傷付けることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の額縁類取付具の第１実施例を示す斜視
図である。

【図２】同上側面図である。

【図３】同上正面図である。

【図４】同上使用状態を示す斜視図である。

【図５】本考案の額縁類取付具の第２実施例を示す斜視
図である。

【図６】本考案の額縁類取付具の第３実施例を示す側面
図である。

【図７】従来の技術の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

11 杆材 14 長押挿入部 18 鎖（吊支具） 21 杆材 24 長押挿入部 31 鎖（吊支具） 41 フック部（吊支具）

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】杆材の下部を上方へ折り返して弾性的に
拡縮可能な長押挿入部を形成するとともに、前記杆材の
上部に吊支具を設けたことを特徴とする額縁類取付具。