JPS635574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パネルに形成されたアングル状断面
の横長係止部に対して引掛ることにより、パネル
に保持させるパネル引掛け式の棚に関する。

かかる棚は、棚板と、パネルへの掛止部を備え
る掛止具とからなり、一般には、両者を一体状態
に形成することが多い。

ところで、かかる棚においては、転がり易い物
品を保持させるために、載荷用扁平板部の周縁に
堰板部を立設した棚板を備える形式に構成するこ
とがある。但し、一般には、撓み易い物品等の支
持にも好適な、単なる扁平状の棚板を備える形式
に構成されることが多い。

従つて、従来においては、使用者は、転がり易
い物品を保持させるための棚と、載荷面が単なる
扁平状の棚との、２種類の形式の棚を用意し、そ
れらを保持すべき物品に合わせて選択するように
なつていた。

従来手段によると、使用者は、２種類の形式の
棚を予め用意しなければならず、棚を使用するに
要するコストが高くなるばかりでなく、使用しな
い形式の棚を別途保管しなければならない煩わし
さがあり、改善が望まれていた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、使用に要するコストの低廉化
を図り、しかも、使用面における煩わしさを回避
できるパネル引掛け式の棚を提供する点にある。

本考案によるパネル引掛け式の棚の特徴構成
は、棚板と、パネルへの掛止部を備える掛止具と
の双方に、スライド式の嵌め合いによつて固定連
結可能な嵌合部が設けられ、前記棚板が、載荷用
扁平板部とその周縁に連設の堰板部とを有し、前
記嵌合部は、前記堰板部が上向き状態となる姿勢
及び前記堰板部が下向き状態となる姿勢のいずれ
においても、前記棚板と前記掛止具とを連結可能
に構成されている点にあり、その作用、効果は次
の通りである。

すなわち、棚板を、掛止具に対して、堰板部が
上向き状態となる姿勢と、堰板部が下向き状態と
なる姿勢とに付替えることによつて、１つの棚
を、転がり易い物品の保持のための棚と、載荷面
が単なる扁平状の棚の２つの形式で使用すること
ができる。

従つて、使用者は、従前のように２つの形式の
棚を予め用意しなくともよいものとなつて、使用
に要するコストの低廉化を図ることができるばか
りでなく、使用しない形式の棚を保管しなければ
ならない煩わしさをも回避されるのであり、もつ
て、使用者にとつて極めて便利なパネル引掛け式
の棚を得るに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１例。第１図、第２図。

Ａは棚板、Ｂは掛止具、ａは棚板の嵌合部、ｂ
は掛止具の嵌合部。棚板Ａは載荷用扁平板部１と
その周縁に連設の堰板部２とを有し、堰板部２を
用に供さない単なる棚として使う場合と、上下に
反転してトレー（受皿）として用いる場合があ
り、そのための構成として嵌合部ａ，ｂとも上下
に（ほぼ）対称として、嵌合部ａ，ｂは、堰板部
２が上向き状態となる姿勢及び堰板部２が下向き
状態となる姿勢のいずれにおいても、棚板Ａと掛
止具Ｂとを連結できるようになつている。つま
り、棚板Ａの嵌合部ａが横倒しＴの字状（〓）で
あり、掛止部Ｂの嵌合部ｂが嵌合部ａを包囲する
角形Ｃの字状（〓）である。掛止具Ｂは扁平基板
３の上端と下端に、パネルへの掛止部としての下
向きかぎ状の掛止用板部４，５を有し、かつ嵌合
部ｂは上端側に寄せて設けてある。掛止具Ｂは合
成樹脂又はアルミニウムなど金属の押出し成形品
が好ましい。棚板Ａは合成樹脂の射出成形品が好
ましいが、板金の折曲げ加工によるものや紙材の
組立てによるものでもよい。Ｃは多数の横長係止
部２１を有するパネルである。

〔応用〕

(イ) 棚板嵌合部ａの方を角形Ｃの字状に、掛止具
嵌合部ｂを横倒しＴの字状にすること。

(ロ) 嵌合部ｂの位置を扁平基板３の下端側に寄せ
ること、或いは上下の中央部にすること。

次に、棚板Ａを単なる扁平状に構成する場合に
ついて説明する。

第２例。第３図。

棚板Ａは肉厚一定の扁平板であり、木製やガラ
ス製であることが多い。掛止具Ｂの嵌合部ｂは棚
板Ａを上下から挾持する一対の対向片６，７をも
つ。下側の片７の方が少し長い。掛止具Ｂは金属
製でも合成樹脂製でもよい。

〔応用〕

(イ) 第４図のように対向片６，７の内側に弾性押
えの板バネ８，９を設けること。上側の板バネ
８の省略、或いは下側の板バネ９の省略もあり
得る。

(ロ) 第４図のように下側片７と基板３に補強リブ
１０，１１を形成すること。何れか一方の省略
もあり得る。

(ハ) 棚板Ａとして第５図の如き断面形状の板金製
又は樹脂成形品を用いること。

第３例。第６図。

棚板Ａは、載荷用扁平板部１２、それにほぼ匹
敵する大きさの背板部１３と前板部１４と左右の
アングル状補強板部１５，１５を有し、背板部１
３には上向きと下向きのＬの字状の条体１６，１
６を一体連設して嵌合部ａとしている。掛止具Ｂ
は条体１６，１６をスライド式に嵌入する上下一
対の条片１７，１７を一体連設して嵌合部ｂとし
ている。棚板Ａ、掛止具Ｂ何れも金属製と合成樹
脂製とがある。

〔応用〕

第７図のように、背板部１３に縦姿勢の条体１
８，１８を設ける一方、掛止具Ｂに受止めガイド
片１９，１９と下端ストツパー片２０，２０を設
けること。条体１６，１８に代え条体１６，１８
の両端に相当する位置にボタン状のものを付設す
るのもよい。

尚、何れの例にあつても、棚板Ａの横長さ全長
と（ほぼ）同長の一つの掛止具Ｂを用いたが、本
考案は棚板Ａよりも短い複数個の掛止具を用いる
ことも含む。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るパネル引掛け式の棚の実施
例を示し、第１図は一部切欠した状態の側面図、
第２図は分解状態の斜視図、第３図は別態様の側
面図、第４図は応用態様の側面図、第５図も別の
応用態様の斜視図、第６図は他の態様の一部切欠
した状態の側面図、第７図は応用態様の分解状態
の斜視図である。 Ａ……棚板、Ｂ……掛止具、ａ，ｂ……嵌合
部、１……扁平板部、２……堰板部、４，５……
掛止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 棚板Ａと、パネルへの掛止部４，５を備える
   掛止具Ｂとの双方に、スライド式の嵌め合いに
   よつて固定連結可能な嵌合部ａ，ｂが設けら
   れ、前記棚板Ａが、載荷用扁平板部１とその周
   縁に連設の堰板部２とを有し、前記嵌合部ａ，
   ｂは、前記堰板部２が上向き状態となる姿勢及
   び前記堰板部２が下向き状態となる姿勢のいず
   れにおいても、前記棚板Ａと前記掛止具Ｂとを
   連結可能に構成されているパネル引掛け式の
   棚。 ２ 前記嵌合部ａ，ｂのうち何れか一方が横倒し
   Ｔの字状（〓）に、他方がこれを包囲する角形
   Ｃの字状（〓）に造形されている実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のパネル引掛け式の
   棚。